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特許7163229学習処理装置、学習処理方法、化合物半導体の製造方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-21
(45)【発行日】2022-10-31
(54)【発明の名称】学習処理装置、学習処理方法、化合物半導体の製造方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/203 20060101AFI20221024BHJP
   C23C 14/54 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
H01L21/203 M
C23C14/54 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019055712
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020155751
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】外賀 寛崇
(72)【発明者】
【氏名】秋山 真一郎
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-340856(JP,A)
【文献】特開2012-4181(JP,A)
【文献】特開2017-174983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/203
C23C 14/54
H01L 21/31
H01L 43/12
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気センサが含む膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、
前記制御条件データが示す制御条件で動作させた前記成膜装置によって成膜された膜のうち前記磁気センサの少なくとも一部を構成する膜に関する特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、
取得された前記制御条件データおよび前記膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する前記成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部と
を備える、学習処理装置。
【請求項2】
前記成膜装置は分子線エピタキシー装置であり、
前記制御条件データは、
基板に照射される原料のフラックス量、前記分子線エピタキシー装置のセルの温度、前記セルのヒータに対する供給電力、前記セルのシャッターの開閉条件、バルブドクラッカーセルのバルブの開度、基板の温度、基板ヒータに対する供給電力、チャンバの真空度、前記チャンバ内に存在するガスの種類、前記ガスの量、前記チャンバ内のクライオパネルの温度、前記クライオパネルに供給する液体窒素の量、成膜にかける時間、および、前記セルの温度のフィードバック制御におけるゲインの少なくとも1つに関するデータを含む
請求項1に記載の学習処理装置。
【請求項3】
前記成膜装置の状態を示す状態データを取得する状態取得部を更に備え、
前記学習処理部は、取得された前記状態データを更に含む前記学習データを用いて、前記目標膜特性データおよび前記状態データを入力したことに応じて前記推奨制御条件データを出力する前記モデルの学習処理を実行する
請求項1または2に記載の学習処理装置。
【請求項4】
前記状態データは、前記成膜装置の運転履歴を示す運転履歴データを含む請求項3に記載の学習処理装置。
【請求項5】
前記運転履歴データは、前記成膜装置のメンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータ、前記成膜装置の少なくとも1つの部品の使用回数に関するデータ、前記成膜装置の成膜回数に関するデータ、および過去に形成した膜に関するデータの少なくとも1つを含む請求項4に記載の学習処理装置。
【請求項6】
前記膜特性データは、前記成膜された膜の膜厚、組成、平坦性、電気特性、電気特性の異方性、光学特性、結晶性、表面情報、および、転位密度の少なくとも一つに関するデータを含み、
前記表面情報は、前記成膜された膜の光学顕微鏡写真から得られる情報を含む
請求項1~5の何れか一項に記載の学習処理装置。
【請求項7】
前記電気特性は、移動度、シートキャリア濃度、キャリア濃度、シート抵抗および抵抗率の少なくとも一つを含む、
請求項6に記載の学習処理装置。
【請求項8】
前記成膜装置は、Al、Ga、In、As、Sb、Si、Te、Sn、Zn、および、Beの少なくとも1つを含む膜を成膜する請求項1から7のいずれか一項に記載の学習処理装置。
【請求項9】
目標とする膜の特性を示す前記目標膜特性データを取得する目標膜特性取得部と、
前記目標膜特性データを前記モデルに供給する目標膜特性供給部と、
前記目標膜特性データを前記モデルに供給したことに応じて前記モデルが出力する前記推奨制御条件データを取得する推奨制御条件取得部と、
前記成膜装置を、前記推奨制御条件データが示す制御条件で動作させる制御部と
を更に備える請求項1から8のいずれか一項に記載の学習処理装置。
【請求項10】
磁気センサが含む膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得段階と、
前記制御条件データが示す制御条件で動作させた前記成膜装置によって成膜された膜のうち前記磁気センサの少なくとも一部を構成する膜に関する特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得段階と、
取得された前記制御条件データおよび前記膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する前記成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理段階と
を備える、学習処理方法。
【請求項11】
前記成膜装置は分子線エピタキシー装置であり、
前記制御条件データは、
基板に照射される原料のフラックス量、前記分子線エピタキシー装置のセルの温度、前記セルのヒータに対する供給電力、前記セルのシャッターの開閉条件、バルブドクラッカーセルのバルブの開度、基板の温度、基板ヒータに対する供給電力、チャンバの真空度、前記チャンバ内に存在するガスの種類、前記ガスの量、前記チャンバ内のクライオパネルの温度、前記クライオパネルに供給する液体窒素の量、成膜にかける時間、および、前記セルの温度のフィードバック制御におけるゲインの少なくとも1つに関するデータを含む
請求項10に記載の学習処理方法。
【請求項12】
目標とする膜の特性を示す前記目標膜特性データを取得する目標膜特性取得段階と、
前記目標膜特性データを前記モデルに供給する目標膜特性供給段階と、
前記目標膜特性データを前記モデルに供給したことに応じて前記モデルが出力する前記推奨制御条件データを取得する推奨制御条件取得段階と、
前記成膜装置を、前記推奨制御条件データが示す制御条件で動作させる制御段階と
を更に備える請求項10または11に記載の学習処理方法。
【請求項13】
基板を準備する準備段階と、
磁気センサが含む膜を前記基板上に積層する積層段階と
を備え、
前記積層段階において、請求項12に記載の学習処理方法を用いて前記成膜装置を動作させて、前記膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する
化合物半導体の製造方法。
【請求項14】
コンピュータを、
磁気センサが含む膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、
前記制御条件データが示す制御条件で動作させた前記成膜装置によって成膜された膜のうち前記磁気センサの少なくとも一部を構成する膜に関する特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、
取得された前記制御条件データおよび前記膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する前記成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習処理装置、学習処理方法、化合物半導体の製造方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分子線エピタキシー装置などの成膜装置においては、所望の特性の膜を得るために、熟練したオペレータの試行錯誤によって好ましい制御条件を見出している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2013-56803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、試行錯誤により制御条件を得るのは効率が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、磁気センサが含む膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置によって成膜された膜のうち磁気センサの少なくとも一部を構成する膜に関する特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、取得された制御条件データおよび膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部と、を備える、学習処理装置が提供される。
【0005】
本発明の第2の態様においては、磁気センサが含む膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得段階と、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置によって成膜された膜のうち磁気センサの少なくとも一部を構成する膜に関する特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得段階と、取得された制御条件データおよび膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理段階と、を備える、学習処理方法が提供される。
【0006】
本発明の第3の態様においては、基板を準備する準備段階と、磁気センサが含む膜を基板上に積層する積層段階とを備え、積層段階において、第2の態様の学習処理方法を用いて成膜装置を動作させて、複数の膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する化合物半導体の製造方法が提供される。
【0007】
本発明の第4の態様においては、コンピュータを、磁気センサが含む膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置によって成膜された膜のうち磁気センサの少なくとも一部を構成する膜に関する特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、取得された制御条件データおよび膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部、として機能させる、プログラムが提供される。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るシステム1を示す。
図2】成膜装置2の平面図を示す。
図3】成膜チャンバ20の縦断面図を示す。
図4】一般的な磁気センサ5の層構成を示す。
図5】モデル35の学習方法を示す。
図6】Van der Pauw法の説明図である。
図7】化合物半導体の製造方法を示す。
図8】モデル35を用いた成膜方法を示す。
図9】ホール素子の層構成を示す。
図10】ホール素子の断面図を示す。
図11】ホール素子の上面図を示す。
図12】磁気抵抗素子の層構成を示す。
図13】磁気抵抗素子の断面図を示す。
図14】磁気抵抗素子の上面図を示す。
図15】バルブドクラッカーセル21Aを示す。
図16】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
[1.システム]
図1は、本実施形態に係るシステム1を示す。システム1は、成膜装置2および学習処理装置3を備える。
【0012】
[1-1.成膜装置]
成膜装置2は、基板の表面に成膜を行う。成膜装置2は、蒸着法によって成膜を行ってもよいし、他の手法によって成膜を行ってもよい。
【0013】
[1-2.学習処理装置]
学習処理装置3は、機械学習による学習処理を行うものであり、制御条件取得部31と、膜特性取得部32と、状態取得部33と、学習処理部34と、モデル35とを有する。また、本実施形態では一例として学習処理装置3は、モデル35を用いて成膜装置2を制御可能となっており、目標膜特性取得部36と、目標膜特性供給部37と、推奨制御条件取得部38と、制御部39とを有する。
【0014】
[1-2-1.制御条件取得部]
制御条件取得部31は、成膜装置2の制御条件を示す制御条件データを取得する。制御条件取得部31は制御条件データを、オペレータ、成膜装置2および後述の制御部39の少なくとも1つから取得してよい。制御条件取得部31は、取得した制御条件データを学習処理部34に供給してよい。
【0015】
[1-2-2.膜特性取得部]
膜特性取得部32は、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置2によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する。膜特性取得部32は膜特性データを、オペレータ、および、膜特性を計測するための計測装置(図示せず)の少なくとも1つから取得してよい。計測装置は成膜装置2の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。膜特性取得部32は、取得した膜特性データを学習処理部34に供給してよい。
【0016】
[1-2-3.状態取得部]
状態取得部33は、成膜装置2の状態を示す状態データを取得する。状態取得部33は状態データを、オペレータおよび成膜装置2の少なくとも1つから取得してよい。また状態取得部33は、成膜装置2の設置された環境の温度や湿度などを、状態データとして取得してもよい。膜特性取得部32は、取得した状態データを学習処理部34およびモデル35に供給してよい。
【0017】
[1-2-4.学習処理部]
学習処理部34は、入力される学習データを用いてモデル35の学習処理を実行する。学習データは、制御条件取得部31からの制御条件データ、膜特性取得部32からの膜特性データ、および、状態取得部33からの状態データを含んでよい。
【0018】
[1-2-5.モデル]
モデル35は、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置2の制御条件を示す推奨制御条件データを出力する。本実施形態では一例として、モデル35には、成膜装置2の状態を示す状態データが更に入力される。なお、モデル35は、学習処理装置3の外部のサーバに格納されてもよい。モデル35は、推奨制御条件データを推奨制御条件取得部38に出力するが、学習処理装置3の外部に出力してもよい。
【0019】
[1-2-6.目標膜特性取得部]
目標膜特性取得部36は、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを取得する。本実施形態では一例として、目標膜特性取得部36は目標膜特性データをオペレータから取得する。目標膜特性取得部36は、取得した目標膜特性データを目標膜特性供給部37に供給してよい。
【0020】
[1-2-7.目標膜特性供給部]
目標膜特性供給部37は、目標膜特性取得部36からの目標膜特性データをモデル35に供給する。
【0021】
[1-2-8.推奨制御条件取得部]
推奨制御条件取得部38は、目標膜特性データをモデル35に供給したことに応じてモデル35が出力する推奨制御条件データを取得する。推奨制御条件取得部38は、取得した推奨制御条件データを制御部39に供給してよい。
【0022】
[1-2-9.制御部]
制御部39は、成膜装置2に制御条件データを供給することで、当該制御条件データが示す制御条件で成膜装置2を動作させる。例えば制御部39は、成膜装置2に推奨制御条件データを供給することで、推奨制御条件データが示す制御条件で成膜装置2を動作させてよい。
【0023】
以上のシステム1によれば、目標膜特性データの入力に応じて推奨制御条件データを出力するモデル35の学習処理が実行されるので、目標とする膜特性を入力することで、推奨される制御条件を得ることができる。従って、熟練したオペレータによる試行錯誤を必要とせずに、推奨される制御条件を得ることができる。
【0024】
また、モデル35は目標膜特性データおよび成膜装置2の状態データの入力に応じて推奨制御条件データを出力するものであり、取得された状態データを含む学習データを用いて学習処理が実行されるので、目標膜特性の膜を作るためのより正確な制御条件を得ることができる。
【0025】
また、目標膜特性データがモデル35に供給されて推奨制御条件データの制御条件で成膜装置2が制御されるので、目標膜特性、またはこれに近似した膜特性の膜を得ることができる。
【0026】
[2.成膜装置]
図2は、成膜装置2の平面図を示す。例えば成膜装置2は分子線エピタキシー装置であり、基板10(図3参照)上にAl、Ga、In、As、Sb、Si、Te、Sn、Zn、および、Beの少なくとも1つを含む1または複数の膜を成膜する。一例として、基板はガリウムヒ素などの化合物半導体であってよく、成膜される膜はn型半導体層、アンドープ半導体層、p型活性層のいずれでもよい。あるいは、成膜される層は、例えばδドープのように不均一なドープ層(変調ドープ層)であってもよいし、それらの積層体であってもよい。層とは、積み重なっているものであってよい。膜とは、物の表面を覆う薄い部材であってよく、1または複数の層から形成されるものであってよい。基板10と基板10上に成膜される膜との間、および、上下に隣接する膜同士の間では、それぞれ格子定数が違っていてよい。成膜装置2は、成膜チャンバ20、1または複数のセル21、真空ポンプ22、サブチャンバ23およびロードチャンバ24を有する。
【0027】
成膜チャンバ20は、内部に保持する基板10に成膜を行うための密閉された反応容器である。成膜チャンバ20は、セル21と接続するための1または複数のポート(図示せず)を外周部に有している。ポートの数は一例として12個であってよい。セル21は、成膜チャンバ20のポートに接続され、原料の固体を蒸発させて分子線として基板10の表面に供給する。セル21内の原料は、Al、Ga、In、As、Sb、Si、Te、Sn、Zn、および、Beの少なくとも1つであってよく、単体でもよいし、化合物でもよい。真空ポンプ22は、成膜チャンバ20に接続されて成膜チャンバ20内の空気を排出する。真空ポンプ22は、成膜チャンバ20内を10-11Torr(≒10-9Pa)程度の真空度に減圧してよい。サブチャンバ23は、成膜チャンバ20に接続され、成膜チャンバ20に供給される成膜前の基板10、または、成膜チャンバ20から排出される成膜後の基板10を一時的に保持する。サブチャンバ23の内部は成膜チャンバ20と同様の真空度に維持されてよい。また、サブチャンバ23は、後述のロードチャンバ24から導入される基板10を加熱し、基板10の表面の吸着水、吸着ガスを脱離させるための加熱機構を備えてもよい。ロードチャンバ24は、サブチャンバ23に接続され、成膜装置2の外部から供給される基板10、またはサブチャンバ23から排出される基板10を一時的に保持する。
【0028】
[2-1.成膜チャンバ]
図3は、成膜チャンバ20の縦断面図を示す。成膜チャンバ20は、1または複数の基板10を保持する基板マニピュレータ200、基板マニピュレータ200に保持された基板10を加熱する基板ヒータ201、内部に液体窒素を流すことで成膜チャンバ20内のガスを吸着するクライオパネル202などを有する。なお、基板マニピュレータ200はシャフト2000を中心として回転可能に設けられてよい。また、成膜チャンバ20は、成膜チャンバ20内にガス(一例として酸素、オゾン、窒素、アンモニア)などを供給するガス供給ポートを有してもよい。また、成膜チャンバ20は、ガスを分解して基板に照射するためのプラズマ発生機構を備えても良い。
【0029】
成膜チャンバ20の外周部には、1または複数のセル21が設けられている。本実施形態では一例として、各セル21はクヌーセンセルであり、原料を保持する坩堝210、坩堝210内の原料を加熱するヒータ211(セルヒータ211とも称する)、および、坩堝210の開口部を開閉して原料のフラックス量(分子線量,蒸気量)を調整するシャッター212などを有する。なお、セルヒータ211はセル21の上部および下部に分けて配置されてもよい。
【0030】
以上の成膜チャンバ20においては、基板10を基板マニピュレータ200に取り付け、真空ポンプ22により成膜チャンバ20内の気圧を減圧し、基板ヒータ201によって基板10を加熱し、基板10を回転させながらセル21を加熱して原料を分子線として基板10の表面に照射することで、成膜が行われる。
【0031】
[2-2.成膜装置2の制御条件]
成膜装置2は、制御条件に従って成膜を行う。制御条件は、装置に入力されるインプット条件であって、例えばオペレータにより設定される。制御条件は、成膜装置2において直接的に制御可能な条件に限らず、間接的に制御可能な条件であってもよい。一例として制御条件は、各セル21の温度、セルヒータ211に対する供給電力、シャッター212の開閉条件、基板10の温度、基板ヒータ201に対する供給電力、成膜チャンバ20の真空度、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、ガスの量、クライオパネル202の温度、クライオパネル202に供給する液体窒素の量、成膜にかける時間、および、セル21等の温度のフィードバック制御におけるゲインのうち少なくとも1つでよい。このうち、シャッター212の開閉条件とは、例えば、開状態および閉状態の何れにするか、開閉のタイミング、および、開閉の速度の少なくとも1つでよい。フィードバック制御におけるゲインとは、一例としてPID制御におけるPゲイン、IゲインおよびDゲインの少なくとも1つでよい。基板マニピュレータ200が回転可能である場合には、その回転速度が制御条件に含まれてもよい。クライオパネル202に供給する液体窒素の量とは、液体窒素の液面(残量)、液体窒素の供給流量を含んでもよい。基板10の温度としては、例えば基板ヒータ201への供給電力を制御するべく基板ヒータ201と基板10との間に設置された熱電対の温度を用いることができる。以上で述べたような制御条件は、経時的に設定されていてもよいし、時間の経過とは無関係に一律に設定されていてもよい。制御条件は、例えば積層構造(1)、積層構造(2)等の膜構造の種類、あるいはレシピ番号のような識別符号を含んでよく、このような識別符号に対応付けて、制御条件に含まれる各要素の設定値が纏められてよい。なお、成膜チャンバ20の真空度は、クライオパネル202の温度(液体窒素の残量など)、真空ポンプ22の動作状況、各セル21の温度などにより影響を受けるため、成膜装置2の状態を示す状態データであるが、真空度が或る閾値よりも良い場合に成膜動作を実施する場合には、制御条件として用いることが可能である。同様に、成膜装置2の状態を示す後述の状態データの少なくとも一部は、制御条件としても用いられてもよい。
【0032】
なお、上述の制御条件の各要素のうち、セル21の温度、セルヒータ211に対する供給電力、および、シャッター212の開閉条件は、原料のフラックス量を間接的に制御してよい。フラックス量が変化すると基板10に到達する原料の量が変化する結果、成膜される膜の組成,膜の特性(一例として膜厚、組成(混晶比、積層構造)など)が変化する。この場合の原料のフラックス量は、例えばセル21の温度を制御条件とした制御の結果、測定される状態データである。ただし成膜装置2の構成上、セル21の温度と原料のフラックス量の間の相関関係が設定されており、成膜装置2にフラックス量を入力してフラックス量を制御可能な場合には、原料のフラックス量は制御条件となりえる。セル21の温度は、例えばセルヒータ211への供給電力を制御するべく、セル21に装着される坩堝の近傍に設置される熱電対の温度を用いることができる。
【0033】
また、基板ヒータ201に対する供給電力は、基板温度を間接的に制御してよい。基板温度が変化すると基板10に到達した原料の移動し易さが変化する結果、成膜される膜内での結晶化の度合いや表面形状、膜の特性(一例として平坦性、結晶性など)が変化する。
【0034】
また、成膜チャンバ20の真空度、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、ガスの量、クライオパネル202の温度、および、クライオパネル202における液体窒素の流量は、成膜チャンバ20内の真空度および真空の質を直接的または間接的に制御してよい。真空度および真空の質が変化すると、成膜される膜内への不純物の混入度合が変化し、成長表面の状態が変化する結果、成膜される膜の特性が変化する。
【0035】
[2-3.メンテナンス]
成膜装置2には、種々のメンテナンスが行われる。例えば、メンテナンスは、成膜チャンバ20、サブチャンバ23およびロードチャンバ24を大気開放して行われてもよいし、これらのチャンバを密閉したままで行われてもよい。メンテナンスは窒素でベント、あるいはパージされた状態で行うこともできる。メンテナンスは定期的(一例として1年ごと)に行われてもよいし、成膜された膜の特性に応じて行われてもよいし、使用部品の寿命,故障などに応じて行われてもよい。
【0036】
[2-4.磁気センサの膜構造]
図4は、一般的な磁気センサ5の層構成を示す。
磁気センサ5は、一般に図4のような積層構造の形態をとることができる。図4中で、第1層51及び第2層52は必ずしも必須ではなく、例えば、活性層50のみの単層からなる場合もある。各層はノンドープでも、n型或いはp型にドープしても良い。
【0037】
磁気センサ5においては、活性層50の移動度、シート抵抗、抵抗率、シートキャリア濃度、キャリア濃度などの電気特性、或いは、電気特性の異方性が、そのまま磁気センサ5の感度、素子抵抗などの素子特性を決定づける。
【0038】
第1層51は、結晶性の良い活性層50を得るためのバッファ層として形成されることが多く、異なる材料組成からなる複数の層を含むことができ、バンドギャップが大きく、且つ格子定数が活性層50と近い材料が好ましく用いられる。
【0039】
第2層52は、素子化プロセス工程時のダメージなどから活性層50を保護するためのキャップ層として形成されることが多く、異なる材料組成からなる複数の層を含むことができ、第1層51の場合と同じく、バンドギャップが大きく、且つ格子定数が活性層50と近い材料が好ましく用いられる。
【0040】
[3.動作]
[3-1.モデルの学習処理]
図5は、モデル35の学習方法を示す。システム1は、ステップS1~S7の処理によりモデル35の学習を行う。なお、システム1はステップS1~S7の処理を、成膜装置2における各回の成膜動作について行ってもよいし、ある期間の成膜動作のみを抽出するなど、一部の成膜動作について行ってもよい。成膜される膜構造は、単層膜であってもよいし、積層膜であってもよい。
【0041】
ステップS1において制御条件取得部31は、成膜装置2の制御条件を示す制御条件データを取得する。
【0042】
ステップS3において膜特性取得部32は、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置2によって成膜された膜の膜特性データを取得する。膜特性データが取得される膜は、成膜装置2によって成膜された膜のそれぞれでもよいし、成膜された膜のうちの一部の膜でもよい。本実施形態においては、膜特性データが取得される膜は、成膜装置2によって成膜された膜のうち磁気センサの少なくとも一部を構成する。膜特性データは、対象とする膜の膜厚、組成、平坦性、電気特性(一例として移動度、シートキャリア濃度、キャリア濃度、シート抵抗、抵抗率、抵抗値など)、電気特性の異方性、光学特性(一例としてバンドギャップ、透過率、透過スペクトル、フォトルミネッセンス強度、フォトルミネッセンス波長ピークおよびキャリア寿命など)、結晶性、表面情報、および、転位密度の少なくとも一つに関するデータを含んでよい。膜特性は、単層の膜の特性でもよいし、積層された複数の膜の特性でもよい。また、膜特性は、積層された複数の膜(層)の間の特性の差や比率でも良い。各特性は、膜の複数の位置の値の最大値、最小値、平均値、および、値の分布のいずれでもよいし、一の位置(例えば中央)の値でもよい。組成とは、構成元素の組成比でもよいし、格子定数でもよい。表面情報は、成膜された膜の光学顕微鏡写真から得られる情報を含んでもよいし、段差計やAFM、或いは異物検査装置などの、表面の凹凸の計測から得られる情報を含んでもよい。転位密度は、各層における転位密度でもよいし、各層の間の界面における転位密度でもよい。
【0043】
なお、上述のように、磁気センサ5が含む各層の電気特性および電気特性の異方性は、磁気センサ5の素子特性を決定づけるため、非常に重要なパラメータである。また、磁気センサ5が含む各層の組成、厚さは、電気特性を決定づける重要なパラメータである。
【0044】
なお、成膜装置2において1回の成膜動作で複数の基板10(同一バッチの複数の基板10とも称する)に纏めて成膜が行われる場合、つまり基板マニピュレータ200に複数の基板10が保持される場合には、膜特性取得部32は、当該同一バッチの複数の基板10のうち、全ての基板10の膜の特性を全数検査により取得してもよいし、一部の基板10の膜の特性を抜き取り検査により取得してもよい。一例として、膜特性取得部32は、膜の電気特性および表面状態などを全数検査により取得し、膜厚および結晶性などを抜き取り検査により取得してよい。
【0045】
ステップS5において状態取得部33は、成膜装置2の状態を示す状態データを取得する。状態データは、制御条件データが示す制御条件で成膜装置2が動作した場合の制御対象の実測値(例えば複数の時点で測定された時系列順の実測値、または、或る時点で測定された実測値)を含んでよい。例えば、状態データは、基板10に照射される原料のフラックス量、各セル21の温度、セルヒータ211の温度、セルヒータ211に対する供給電力、シャッター212の開閉のタイミング、開閉の速度、基板10の温度、基板ヒータ201の温度、基板ヒータ201に対する供給電力、成膜チャンバ20の真空度、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、ガスの量、クライオパネル202の温度、クライオパネル202における液体窒素の流量、セル21の温度のフィードバック制御におけるゲイン、および、基板マニピュレータ200の回転速度のうち少なくとも1つに関するデータを含んでよい。このうち、セル21の温度、セルヒータ211の温度および基板ヒータ201の温度は、熱電対により測定されてよい。基板10の温度は、成膜チャンバ20内、または外に配置される放射温度計により測定されてよい。あるいは基板10の温度は、基板10のバンド端吸収や透過スペクトルをもとに測定、算出されてよい。成膜チャンバ20の真空度は、成膜チャンバ20内に配置されるイオンゲージにより測定されてよい。成膜チャンバ20内に存在するガスの種類および量は、成膜チャンバ20内に配置される四重極質量分析計により測定されてよい。状態データは、成膜装置2に対するメンテナンス後の総成膜時間(いわゆるキャンペーンの開始からの経過時間)、RHEED像に関するデータ、下地面の特性(一例として基板10の特性)を含んでもよい。なお、状態取得部33は、原料のフラックス量に関する状態データを、各セル21について取得してもよいし、一部のセル21について取得してもよい。また、状態取得部33は、基板温度に関する状態データを各基板10について取得してもよいし、一部の基板10について取得してもよい。また、状態取得部33は、成膜チャンバ20内の真空度,真空の質に関する状態データを時系列データとして取得してよい。
【0046】
また、状態データは、成膜装置2の運転履歴を示す運転履歴データを含んでもよい。運転履歴データは、成膜装置2に行われたメンテナンスの回数および内容(一例として或る部品を交換,洗浄したなど)の少なくとも1つに関するデータ、成膜装置2の少なくとも1つの部品の使用回数に関するデータ、メンテナンス時にセル21の坩堝にチャージした原材料の重量、成膜装置2の成膜回数に関するデータ、および過去に形成した膜に関するデータの少なくとも1つを含んでよい。メンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータはメンテナンスの履歴を示すデータでよい。成膜回数に関するデータは、メンテナンス後の成膜回数でもよいし、メンテナンスとは無関係に通算した成膜回数でもよい。過去に形成した膜に関するデータは、過去に成膜した膜の種類,特性などを示す履歴データでよい。これらの運転履歴データは、成膜チャンバ20の内部における原料の付着状態、ひいては各部材の熱容量、熱伝導の状態に関連し得る。
【0047】
なお、ステップS1,S3,S5の処理は、この順番で行われなくてもよい。また、図5の学習処理が複数回行われる場合に、一部の学習処理ではステップS3およびステップS5の一方の処理が省略されてよく、他の一部の学習処理では他方の処理が省略されてよい。また、ステップS5の処理では、基板10を使用せずにセル温度(制御条件)を上昇させることで照射される原料のフラックス量を状態データとして取得してよい。この場合、ステップS3の処理では制御条件データが示す制御条件で成膜装置2を動作させ、膜特性をブランクデータとしてもよい。
【0048】
ステップS7において学習処理部34は、取得された制御条件データ、膜特性データおよび状態データを含む学習データを用いてモデル35の学習処理を実行する。ステップS3の処理が行われていない場合には、学習処理部34は、膜特性データを含まない学習データを用いてモデル35の学習処理を実行してよい。ステップS5の処理が行われていない場合には、学習処理部34は、状態データを含まない学習データを用いてモデル35の学習処理を実行してもよいし、前回の成膜動作で取得した状態データを用いて学習処理を実行してもよい。モデル35は、本実施形態では一例としてリカレント型またはタイムディレイ型などのニューラルネットワークであるが、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、および、サポートベクタマシン(SVM)などを含む他の機械学習アルゴリズムであってもよい。例えば、モデル35は、学習データの各要素に対応するノードを入力層に含み、推奨する制御条件の各要素に対応するノードを出力層に含んでよい。学習データの1つの要素に対する入力層のノードは1つでもよいし複数でもよい。入力層および出力層の間には、1または複数のノードを含む中間層(隠れ層)が介在してよい。学習処理部34は、ノード間をつなぐエッジの重み、および、出力ノードのバイアス値を調整することで学習処理を実行してよい。
【0049】
以上の動作によれば、目標とする膜特性を入力することで、推奨される制御条件が出力されるモデル35を生成することができる。また、状態データは運転履歴データを含むので、目標膜特性の膜を作るためのより正確な制御条件を得ることができる。また、運転履歴データは、メンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータを含むので、メンテナンスの回数,内容と膜特性との関係をモデル35に学習させることができる。なお、このような効果を得る観点からは、膜特性データはメンテナンスが2回以上行われた成膜装置2により成膜された膜から取得されることが好ましい。
【0050】
[3-1-1.膜特性データの取得例]
磁気センサ5が含む膜のうち少なくとも1つの膜の電気特性及び電気特性の異方性の評価方法について簡単に説明する。
【0051】
膜の電気特性は、例えば、Van der Pauw法により評価することができる。図6に示した測定試料において、電極12間に電流I12を流し、電極43間の端子電圧をV43として、抵抗R1243
1243=V43/I12
と定義する。同様にR2314を定義して用いる。このときの抵抗率ρは以下のようになる。
ρ=πd/2×(R1243+R2314)/2×f(R1243/R2314
試料面に垂直に磁束密度Bの磁界を印加する。このときに生じるホール電圧をVとすると、ホール電圧は以下のようになる。
=-I23×B/qnd
ただし、fはPauw補正係数であり、試料が完全に電気的に対称であればf=1である。dは試料の厚さ、nはキャリア濃度、qは電荷である。
すなわち、試料の厚さdが未知の場合は、それぞれシート抵抗(=ρ/d)、シートキャリア濃度(=nd)を求めることができ、また、試料の厚さdが既知の場合は抵抗率ρ、キャリア濃度nを求めることができる。
【0052】
上記から、求まったシート抵抗とシートキャリア濃度、或いは抵抗率とキャリア濃度を用ると、移動度を求めることができる。
また、上記端子電圧V43とV14は、試料に異方性がなければ、同じ値をとるはずである。逆に異なる値をとる場合には、その違いを電気特性の異方性を示す情報として用いることができる。例えばV43とV14の比(V43/V14)や差(V43-V14)を電気特性の異方性を示す情報として用いても良い。
【0053】
[3-2.化合物半導体の製造]
図7は、化合物半導体の製造方法を示す。まず、ステップS11においてオペレータが基板10を準備する。例えばオペレータは基板10を成膜装置2の成膜チャンバ20内にセットする。ステップS13においてオペレータは、化合物半導体に含まれるべき複数の膜を基板10上に積層する。これにより、基板10上に複数の膜が積層された化合物半導体が製造される。
【0054】
[3-2-1.モデルを用いた成膜]
図8は、モデル35を用いた成膜方法を示す。システム1は、上述のステップS13の処理においては、積層する複数の膜のうち、少なくとも1つの膜をステップS21~S27の処理により成膜してよい。
【0055】
ステップS21において目標膜特性取得部36は成膜対象の膜について、目標とする膜特性を示す目標膜特性データを取得し、ステップS23において目標膜特性供給部37は目標膜特性データをモデル35に供給する。これにより、モデル35から成膜装置2の制御条件に関する推奨制御条件データが出力される。目標膜特性データには、例えば平坦性、電気特性といった物理的特性の他、積層構造(1)、積層構造(2)等の膜構造の種類、あるいはレシピ番号のような識別符号が含まれてよく、目標膜特性データはこのような識別符号で入力されてもよい。
【0056】
ステップS25において推奨制御条件取得部38はモデル35から出力される推奨制御条件データを取得し、ステップS27において制御部39は、推奨制御条件データが示す制御条件で成膜装置2を動作させる。これにより、目標膜特性、またはこれに近似した膜特性の膜が成膜される。なお、上述のようにして成膜を行う場合には、成膜時の制御条件データ、状態データおよび膜特性データを学習データとしてモデル35に入力して上述の図5の学習処理を行うことにより、モデル35の学習処理をさらに行ってもよい。この場合には、化合物半導体を製造しつつモデル35の学習処理を進めることができる。
【0057】
[3-3.動作例]
まず、成膜装置2にメンテナンスが行われた場合には、各セル21の温度および基板10の温度の昇降を行って原料のフラックス量および基板温度などの状態データを取得し、この状態データと目標膜特性データとをモデル35に入力して得られる推奨制御条件データにより成膜装置2で成膜を行う。これにより、メンテナンス毎に成膜装置2の状態(一例としてセル21に対する原料のチャージ量、成膜チャンバ20の内壁面の汚れ具合、および、温度測定用の熱電対の位置など)が異なることに起因して制御条件と膜特性との相関関係が異なる場合に、今回のメンテナンス後のキャンペーンでの相関関係が正確に予想されて、推奨される制御条件データにより成膜が行われる。
【0058】
そして、以降に成膜を行う場合には現在の成膜装置2の状態データと目標膜特性データとをモデル35に入力して得られる推奨制御条件データにより成膜装置2で成膜を行う。これにより、例えばセル21内の原料が消費されることに起因して、原料のフラックス量に関する制御条件と、実際のフラックス量との相関関係、ひいては制御条件と膜特性との相関関係が前回の成膜時と異なる場合に、今回の相関関係が正確に予想されて、推奨される制御条件データにより成膜が行われる。また、成膜チャンバ20の内部に原料が付着することに起因して、基板温度に関する制御条件と、実際の基板温度との相関関係、ひいては制御条件と膜特性との相関関係が前回の成膜時と異なる場合に、今回の相関関係が正確に予想されて、推奨される制御条件データにより成膜が行われる。なお、各成膜時に制御条件データ、状態データおよび膜特性データを学習データとしてモデル35の学習処理を行ってもよい。
【0059】
[4.化合物半導体の具体例]
製造される化合物半導体は、磁気センサ5に用いられてよい。
【0060】
図9は、磁気センサ5の具体例であるホール素子の層構成を示す。磁気センサ5は、一例としてガリウムヒ素基板10上にAlGa1-xAsSb1-yからなる第1層51、InAsからなる活性層50、AlGa1-xAsSb1-yとGaAs層の積層からなる第2層52を有する。図8の成膜方法によって成膜される膜は、層50~52の何れの層でもよい。磁気センサ5は、二酸化ケイ素(SiO)の層、窒化ケイ素(Si)の層および/または電極層を更に有してよい。図10図11は電極層(パッド電極55)を有した、ホール効果を利用した磁気センサ5であるホール素子の断面図と上面図である。ホール素子は、図9の薄膜を用いて作成される。
【0061】
図12は、磁気センサ5の別の具体例である磁気抵抗素子の層構成を示す。この磁気センサ5は一例としてガリウムヒ素基板10上にSnをドープしたInSbからなる単層50を有する。単層50は活性層に対応する。この磁気センサ5では、二酸化ケイ素(SiO)の層、窒化ケイ素(Si)の層および/または電極層を更に有してよい。図13)、図14は電極層56(パッド電極56Aとショートバー電極56B)を有した、磁気抵抗効果を利用した磁気センサ5である磁気抵抗効果素子の断面図と上面図である。磁気抵抗効果素子は、図12の薄膜を用いて作成される。
【0062】
なお、上記の実施形態では、学習処理装置3は状態取得部33、目標膜特性取得部36、目標膜特性供給部37、推奨制御条件取得部38、および、制御部39を有することとして説明したが、これらの少なくとも1つを有しないこととしてもよい。学習処理装置3は、状態取得部33を有しない場合には、制御条件データおよび膜特性データを学習データとして用いてモデル35の学習処理を行ってよい。また、目標膜特性取得部36、目標膜特性供給部37、推奨制御条件取得部38、および、制御部39は、学習処理装置3の外部装置(一例として成膜装置2の制御装置)に具備されてよい。
【0063】
また、セル21をクヌーセンセルとして説明したが、原料として第5族元素(一例としてアンチモン(Sb))を用いる場合などには、バルブドクラッカーセルとしてもよい。図15は、バルブドクラッカーセル21Aを示す概念図である。バルブドクラッカーセル21Aは、原料を保持する容器210A、容器210A内の原料を加熱して少なくとも一部をガス化するセルヒータ211A、容器210Aに接続されて原料ガスを排出する原料排出管212A、原料排出管212Aに設けられ原料ガスの排出量を調整するバルブ213A、および、排出される原料ガスの分子を分解するクラッキング部214Aを有する。例えば原料としてアンチモン(Sb)を用いる場合には、バルブの開度を調節することで、原料ガスの排出量を調整することができ、また、クラッキング部214Aを1000℃以上にすることで、照射される原料がSb4(4量体)からSb2(2量体)またはSb(原子)に分解され、反応性,基板10への付着性が変化する。
【0064】
また、学習処理装置3はモデル35を1つ有することとして説明したが、複数有してもよい。一例として、学習処理装置3は、メンテナンス後の成膜回数ごと、つまりバッチごとにモデル35を有してもよい。この場合には、学習処理部34は、バッチごとにモデル35の学習処理を行ってよい。また、目標膜特性供給部37はオペレータにより指定されるモデル35に目標膜特性データを供給してよい。
【0065】
また、学習処理装置3は、学習処理によってモデル35を更新することとして説明したが、学習処理により得られたモデル35を、元のモデル35とは別個のモデルとして生成してもよい。この場合、学習処理部34はオペレータにより指定されるモデル35の学習処理を行ってよい。また、目標膜特性供給部37はオペレータにより指定されるモデル35に目標膜特性データを供給してよい。
【0066】
また、システム1は成膜装置2を1つ備えることとして説明したが、複数備えることとしてもよい。この場合、各成膜装置2から得られる学習データを学習処理部34に供給して学習効率を高めてもよいし、1つの成膜装置2から得られる学習データにより学習処理を行ったモデル35を複数の成膜装置2で共有して製造効率を高めてもよい。
【0067】
また、モデル35は目標膜特性データおよび状態データの入力に応じて推奨制御条件データを出力することとして説明したが、入力データおよび出力データはこれに限られない。例えば、モデル35は、制御条件データの入力に応じて、当該制御条件データで動作させた成膜装置2によって成膜される膜の膜特性データを出力してよい。また、目標とする膜特性と、実際に成膜された膜の膜特性とが異なる場合に、モデル35は、目標膜特性データおよび実際の膜特性データの入力に応じて、その原因となり得る制御条件を示す制御条件データを出力してもよい。
【0068】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0069】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0070】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0071】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0072】
図16は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0073】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0074】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0075】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0076】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0077】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0078】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0079】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0080】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0081】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0082】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0083】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0084】
1 システム、2 成膜装置、3 学習処理装置、5 磁気センサ、10 基板、20 成膜チャンバ、21 セル、22 真空ポンプ、23 サブチャンバ、24 ロードチャンバ、31 制御条件取得部、32 膜特性取得部、33 状態取得部、34 学習処理部、35 モデル、36 目標膜特性取得部、37 目標膜特性供給部、38 推奨制御条件取得部、39 制御部、50 活性層、51 第1層、52 第2層、55 電極層、56 電極層、200 基板マニピュレータ、201 基板ヒータ、202 クライオパネル、210 坩堝、211 ヒータ、212 シャッター、213 バルブ、214 クラッキング部、2000 シャフト、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード
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