(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及びチップ
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
H04L27/26 310
H04L27/26 410
(21)【出願番号】P 2017252588
(22)【出願日】2017-12-27
【審査請求日】2020-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2016255302
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】津持 純
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 史人
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 敬文
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】濱住 啓之
(72)【発明者】
【氏名】今村 浩一郎
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-070333(JP,A)
【文献】特開2010-093851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、
系統1に対応する第1誤り訂正内符号符号化部と、
系統2に対応する第2誤り訂正内符号符号化部と、
系統振分部と、
前記系統1に対応する第1OFDM変調部と、
前記系統2に対応する第2OFDM変調部とを具備しており、
前記第1誤り訂正内符号符号化部及び前記第2誤り訂正内符号符号化部は、それぞれ、入力されたビットデータに対して畳み込み符号化処理を施して、出力1を構成するビットデータ及び出力2を構成するビットデータを出力するように構成されており、
前記系統振分部は、前記系統1に対応する第1パラレルシリアル変換器及び前記系統2に対応する第2パラレルシリアル変換器を有しており、
前記系統振分部は、前記第1誤り訂正内符号符号化部からの前記出力1を構成するビットデータを前記第1パラレルシリアル変換器に入力し、前記第1誤り訂正内符号符号化部からの前記出力2を構成するビットデータを前記第2パラレルシリアル変換器に入力し、前記第2誤り訂正内符号符号化部からの前記出力1を構成するビットデータを前記第1パラレルシリアル変換器に入力し、前記第2誤り訂正内符号符号化部からの前記出力2を構成するビットデータを前記第2パラレルシリアル変換器に入力するように構成されており、
前記系統振分部は、前記第1パラレルシリアル変換器によってシリアル化されたビットデータを前記第1OFDM変調部に出力し、前記第1パラレルシリアル変換器によってシリアル化されたビットデータを前記第2OFDM変調部に出力するように構成されており、
前記第1OFDM変調部は、前記系統振分部によって出力された前記ビットデータから前記系統1に対応するOFDM信号を生成するように構成されており、
前記第2OFDM変調部は、前記系統振分部によって出力された前記ビットデータから前記系統2に対応するOFDM信号を生成するように構成されていることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記第1誤り訂正内符号符号化部及び前記第2誤り訂正内符号符号化部の少なくとも一方は、前記畳み込み符号化処理を施した前記ビットデータに対してパンクチャ処理を施すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
請求項1の送信装置から送信されたOFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、
系統1に対応するOFDM信号を復調してビットデータを出力するように構成されている第1OFDM復調部と、
系統2に対応するOFDM信号を復調してビットデータを出力するように構成されている第2OFDM復調部と、
系統振分部と、
前記系統1に対応する第1誤り訂正内符号復号部と、
前記系統2に対応する第
2誤り訂正内符号復号部と、
前記系統振分部は、前記系統1に対応する第1パラレルシリアル変換器及び前記系統2に対応する第2パラレルシリアル変換器を有しており、
前記系統振分部は、前記第1OFDM復調部からの前記ビットデータを前記第1パラレルシリアル変換器に入力し、前記第2OFDM復調部からの前記ビットデータを前記第2パラレルシリアル変換器に入力するように構成されており、
前記系統振分部は、前記第1パラレルシリアル変換器によってパラレル化された出力1を構成するビットデータを前記第1誤り訂正内符号復号部に入力し、前記第1パラレルシリアル変換器によってパラレル化された出力2を構成するビットデータを前記第2誤り訂正内符号復号部に入力し、前記第2パラレルシリアル変換器によってパラレル化された前記出力1を構成するビットデータを前記第1誤り訂正内符号復号部に入力し、前記第2パラレルシリアル変換器によってパラレル化された前記出力2を構成するビットデータを前記第2誤り訂正内符号復号部に入力するように構成されていることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1又は2に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【請求項5】
コンピュータを、請求項3に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ中継やニュース中継のような放送局外で制作する番組素材は、番組制作の現場から放送局へ無線で伝送される。かかる伝送の際に利用される様々な周波数に対応する標準規格として、FPU(Field Pick-up Unit:番組素材伝送装置)方式が提案されている(非特許文献1~4参照)。
【0003】
図11に、非特許文献1~4に記載されているFPU方式の送信装置の構成を示し、
図12に、非特許文献4に記載されている伝送容量を拡大するためにMIMO(Multi-Input Multi-Output)に拡張されたFPU方式の送信装置の構成を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型マイクロ波帯デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B11 2.2版)、一般社団法人電波産業会
【文献】テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型OFDM方式デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B33 1.2版)、一般社団法人電波産業会
【文献】テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型ミリ波帯デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B43 1.0版)、一般社団法人電波産業会
【文献】1.2GHz/2.3GHz帯テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型OFDM方式デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B57 2.0版)、一般社団法人電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
次世代の放送サービスの実現に向けて、2016年8月に、4K・8K試験放送が開始されている。4K・8K放送は、従来のハイビジョン放送より高精細な映像と臨場感のある音声を楽しむことが可能な一方で、伝送すべきデータの量が飛躍的に増加する。
【0006】
しかしながら、従来のFPU方式の送信装置の構成では、入力されるTSパケットのレートが高速になるほど、回路の動作クロックを上げなければならないという問題点があった。
【0007】
特に、従来のFPU方式の送信装置では、誤り訂正内符号符号化部として、一般的に、畳み込み符号化器が使用され(その場合、復号側では、ビタビ復号器が用いられることが多く)、ビット単位で畳み込み符号化器を駆動させることが求められ、畳み込み符号化器から出力されるデータレートも高速になる。例えば、TSパケットのレートが200Mbpsである場合、畳み込み符号化器から出力されるデータレートは、符号化率1/2では400Mbpsとなる。
【0008】
4K・8K放送の伝送に必要となるデータレートでは、TSパケットの要求レートが数100Mbpsに達することが想定され、回路全体の動作クロックの上昇とともに、特に誤り訂正内符号符号化部から出力されるデータレートの高速化に対応する必要が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、FPU方式のシステムにおけるTSパケットのデータレートの高速化に対応することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の特徴は、OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、系統振分部と、前記系統振分部によって出力されたビットデータから前記OFDM信号を生成するように構成されているOFDM変調部とを具備しており、前記系統振分部は、所定規則によって、複数の系統から入力された前記ビットデータの前記OFDM変調部への出力方法を決定するように構成されていることを要旨とする。
【0011】
本発明の第2の特徴は、上述の第1の特徴に係る送信装置からOFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、前記OFDM信号を復調してビットデータを出力するように構成されているOFDM復調部と、所定規則によって、前記OFDM復調部によって出力された前記ビットデータを複数の系統に振り分けるように構成されている系統振分部とを具備することを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴は、コンピュータを、上述の第1の特徴に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【0013】
本発明の第4の特徴は、コンピュータを、上述の第2の特徴に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、FPU方式のシステムにおけるTSパケットのデータレートの高速化に対応することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る送信装置1の構成図の一例である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る送信装置1の誤り訂正内符号符号化部13a/13bを構成する畳み込み符号化器130の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る送信装置1の誤り訂正内符号符号化部13a/13bによって行われるパンクチャ処理の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る送信装置1の誤り訂正内符号符号化部13a/13bによって行われるパンクチャ処理の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る送信装置1の系統振分部16の動作の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る送信装置1の系統振分部16の動作の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る受信装置3の構成図の一例である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る受信装置3の系統振分部32の動作の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る送信装置1の系統振分部16の動作の一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る受信装置3の系統振分部32の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、
図1~
図8を参照して、本発明の第1の実施形態に係る放送システムについて説明する。本実施形態に係る放送システムは、上述の次世代の地上デジタル放送に対応するように構成されており、具体的には、FPU方式に対応しており、例えば、
図1に示す送信装置1及び
図7に示す受信装置3を具備する。
【0017】
本実施形態に係る送信装置1では、1本の送信アンテナによるMISOが適用されている。また、
図1に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、系統1及び系統2の2つの送信系統を有している。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、データフレーム同期部11と、エネルギー拡散部12a/12bと、誤り訂正外符号符号化部13a/13bと、外インターリーブ部14a/14bと、誤り訂正内符号符号化部15a/15bと、系統振分部16と、OFDM変調部17a/17bとを具備している。
【0019】
ここで、エネルギー拡散部12a、誤り訂正外符号符号化部13a、外インターリーブ部14a、誤り訂正内符号符号化部15a及びOFDM変調部17aは、系統1に対応し、エネルギー拡散部12b、誤り訂正外符号符号化部13b、外インターリーブ部14b、誤り訂正内符号符号化部15b及びOFDM変調部17bは、系統2に対応する。また、データフレーム同期部11及び系統振分部16は、系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0020】
データフレーム同期部11は、入力された204バイトのTSパケットを多重してデータフレームを生成し、データフレーム単位の同期処理を行うように構成されている。
【0021】
具体的には、データフレーム同期部11は、入力されたTSパケットの中から8個のTSパケットを選択してデータフレームを生成するように構成されている。
【0022】
なお、データフレーム同期部11は、生成したデータフレームの各々をエネルギー拡散部12a/12b(すなわち、系統1/2)のいずれかに出力するように構成されている。
【0023】
例えば、データフレーム同期部14は、生成したデータフレームの各々をエネルギー拡散部12a/12b(すなわち、系統1/2)に交互に出力するように構成されていてもよい。
【0024】
エネルギー拡散部12a/12bは、それぞれ、データフレーム同期部14によって出力された系統1/2のデータフレームに対してエネルギー拡散処理を施すように構成されている。
【0025】
誤り訂正外符号符号化部13a/13bは、それぞれ、エネルギー拡散部12a/12bによって出力された系統1/2のデータフレームに対して外符号を用いた誤り訂正符号化処理を施すように構成されている。
【0026】
外インターリーブ部14a/14bは、それぞれ、誤り訂正外符号符号化部13a/13bによって出力された系統1/2のデータフレームに対して外インターリーブ処理を施すように構成されている。
【0027】
誤り訂正内符号符号化部15a/15bは、それぞれ、外インターリーブ部14a/14bによって出力された系統1/2のデータフレームに対して内符号を用いた誤り訂正符号化処理を施すように構成されている。
【0028】
例えば、誤り訂正内符号符号化部15a/15bは、それぞれ、
図2に示す畳み込み符号化器130によって構成されている。
図2に示すように、1ビットの入力データDinに対して、2ビットの出力データX/Yとなるため、最大では入力時のデータレートの2倍のデータレートで出力される(符号化率1/2の場合)。
【0029】
したがって、
図1に示すように、2つの畳み込み符号化器130(すなわち、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5b)を系統1/2に並列に配置し、入力データを系統1/2で分散して処理することで、畳み込み符号化器130から出力されるデータレートを既存のFPU方式の送信装置の構成の場合と同等レベルに抑制することができる。
【0030】
例えば、
図1に示すように、2つの畳み込み符号化器130(すなわち、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5b)を系統1/2に並列に配置した場合、入力のTSパケットレートが200Mbpsであれば、2つの畳み込み符号化器130(すなわち、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5b)の各々への入力データレートは100Mbpsに分散される。その結果、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5bの各々からの出力データレートは200Mbpsとなる(符号化率1/2の場合)。
【0031】
また、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5bは、伝送容量を増大化させるために、
図3(b)~
図3(d)に示すように、畳み込み符号化器130からの出力データX/Yに対してビットデータを削減するパンクチャ処理を施すように構成されている。
【0032】
なお、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5bは、
図4に示すテーブルに基づいて、パンクチャ処理を施すように構成されていてもよい。
【0033】
かかる場合、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5bは、符号化率が1/2であると、
図3(a)に示すように、例えば、出力データXを構成するビットデータX1~X5をそのまま出力#1として出力し、出力データYを構成するビットデータY1~Y5をそのまま出力#2として出力するように構成されていてもよい。
【0034】
また、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5bは、符号化率が2/3であると、
図3(b)に示すように、例えば、出力データXを構成するビットデータX1~X5からX2/X4を削除したビットデータ及び出力データYを構成するビットデータY1~Y5をシリアル化した後、再度パラレル化して出力#1及び出力#2として出力するように構成されていてもよい。
【0035】
また、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5bは、符号化率が3/4であると、
図3(c)に示すように、例えば、出力データXを構成するビットデータX1~X5からX2/X5を削除したビットデータ及び出力データYを構成するビットデータY1~Y5からY3を削除したビットデータをシリアル化した後、再度パラレル化して出力#1及び出力#2として出力するように構成されていてもよい。
【0036】
さらに、誤り訂正
内符号符号化部1
5a/1
5bは、符号化率が5/6であると、
図3(d)に示すように、例えば、出力データXを構成するビットデータX1~X5からX2/X4を削除したビットデータ及び出力データYを構成するビットデータY1~Y5からY3/Y5を削除したビットデータをシリアル化した後、再度パラレル化して出力#1及び出力#2として出力するように構成されていてもよい。
【0037】
かかる構成によれば、誤り訂正内符号符号化部15a/15bの各々において、2つの畳み込み符号化器130の出力データレートが等しい場合、MIMO伝送を行うに際して、2つの系統1/2でビットデータを入れ替えることができ、2つの系統間でのインターリーブ効果を得ることができる。
【0038】
図5に示すように、系統振分部16は、所定規則によって、誤り訂正内符号符号化部15a/15b(すなわち、複数の系統1/2)から入力されたビットデータのOFDM変調部17a/17bへの出力方法を決定するように構成されている、すなわち、かかるビットデータを複数のOFDM変調部17a/17b(すなわち、複数の系統1/2)に振り分けるように構成されている。
【0039】
具体的には、
図6に示すように、例えば、系統振分部16は、所定規則に従って、誤り訂正内符号符号化部15aからの出力#1を構成するビットデータ#1/#3/#5/#7をパラレルシリアル変換器(P/S)#1に入力し、誤り訂正内符号符号化部15aからの出力#2を構成するビットデータ#2/#4/#6/#8をパラレルシリアル変換器(P/S)#2に入力すると共に、誤り訂正内符号符号化部15bからの出力#1を構成するビットデータ#9/#11/#13/#15をパラレルシリアル変換器(P/S)#1に入力し、誤り訂正内符号符号化部15bからの出力#2を構成するビットデータ#10/#12/#14/#16をパラレルシリアル変換器(P/S)#2に入力するように構成されていてもよい。
【0040】
その後、パラレルシリアル変換器(P/S)#1によってシリアル化されたビットデータ#1/#3/#5/#7/#9/#11/#13/#15は、OFDM変調部17aに出力され、パラレルシリアル変換器(P/S)#2によってシリアル化されたビットデータ#2/#4/#6/#8/#10/#12/#14/#16は、OFDM変調部17bに出力されるように構成されていてもよい。
【0041】
OFDM変調部17a/17bは、それぞれ、FPU方式の変調部であって、系統振分部16から入力されたデータフレーム(ビットデータ)に対して変調処理を施す、すなわち、系統振分部16によって出力されたビットデータからOFDM信号を生成するように構成されている。
【0042】
本実施形態に係る受信装置3では、複数本(具体的には、2本)の受信アンテナによるMIMOが適用されている。また、本実施形態に係る受信装置3は、系統1及び系統2の2つの受信系統を有している。
【0043】
図7に示すように、本実施形態に係る受信装置3は、OFDM復調部31a/31bと、系統振分部32と、誤り訂正内符号復号部33a/33bと、外デインターリーブ部34a/34bと、誤り訂正外符号復号部35a/35bと、エネルギー逆拡散部36a/36bと、TSパケット抽出部37とを具備している。
【0044】
ここで、OFDM復調部31a、誤り訂正内符号復号部33a、外デインターリーブ部34a、誤り訂正外符号復号部35a及びエネルギー逆拡散部36aは、系統1に対応し、OFDM復調部31b、誤り訂正内符号復号部33b、外デインターリーブ部34b、誤り訂正外符号復号部35b及びエネルギー逆拡散部36bは、系統2に対応する。また、系統振分部32及びTSパケット抽出部37は、系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0045】
OFDM復調部31a/31bは、それぞれ、FPU方式の復調部であって、上述の送信装置1によって送信されたOFDM信号に対して復調処理を施す、かかるOFDM信号を復調してビットデータを出力するように構成されている。
【0046】
系統振分部32は、
図8に示すように、所定規則によって、OFDM復調部31a/31bによって出力されたビットデータを複数の系統1/2(具体的には、誤り訂正内符号復号部33a/33b)に振り分けるように構成されている。かかる所定規則は、上述の送信装置1の系統振分部16で用いられる所定規則に対応するものである。
【0047】
誤り訂正内符号復号部33a/33bは、それぞれ、系統振分部32によって出力された系統1/2のビットデータ(データフレーム)に対して内符号を用いた誤り訂正復号処理を施すように構成されている。
【0048】
外デインターリーブ部34a/34bは、それぞれ、誤り訂正内符号復号部33a/33bによって出力された系統1/2のビットデータ(データフレーム)に対して外デインターリーブ処理を施すように構成されている。
【0049】
誤り訂正外符号復号部35a/35bは、それぞれ、外デインターリーブ部34a/34bによって出力された系統1/2のビットデータ(データフレーム)に対して外符号を用いた誤り訂正復号処理を施すように構成されている。
【0050】
エネルギー逆拡散部36a/36bは、それぞれ、誤り訂正外符号復号部35a/35bによって出力された系統1/2のビットデータ(データフレーム)に対してエネルギー逆拡散処理を施すように構成されている。
【0051】
TSパケット抽出部37は、エネルギー逆拡散部36a/36bによって出力されたデータフレームからTSパケットを抽出するように構成されている。
【0052】
本実施形態に係る放送システムによれば、FPU方式のシステムにおけるTSパケットのデータレートの高速化に対応することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る放送システムによれば、従来のFPU方式のシステムの処理系統を再利用することができ、開発コストの削減効果を期待することができる。
【0054】
さらに、本実施形態に係る放送システムによれば、MIMO伝送を行う際に、系統間でのインターリーブ効果による伝送特性の改善効果を得ることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
以下、
図9及び
図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係る放送システムについて、上述の第1の実施形態に係る放送システムとの相違点に着目して説明する。
【0056】
本実施形態に係る送信装置1では、1本の送信アンテナによるSIMO(Single-Input Multi-Output)が適用されている。したがって、本実施形態に係る送信装置1は、上述の第1の実施形態に係る送信装置1におけるOFDM変調部17a/17bの代わりに、1つのOFDM変調部17を有している。
【0057】
また、本実施形態に係る送信装置1では、系統振分部16は、
図9に示すように、所定規則に従って、誤り訂正内符号符号化部15aからの出力#1を構成するビットデータ#1/#3/#5/#7、誤り訂正内符号符号化部15aからの出力#2を構成するビットデータ#2/#4/#6/#8、誤り訂正内符号符号化部15bからの出力#1を構成するビットデータ#9/#11/#13/#15、及び、誤り訂正内符号符号化部15bからの出力#2を構成するビットデータ#10/#12/#14/#16に対して、パラレルシリアル変換を施して、OFDM変調部17に対して出力するように構成されている。かかる所定規則は、上述の送信装置1の系統振分部16で用いられる所定規則に対応するものである。
【0058】
本実施形態に係る受信装置3では、1本の受信アンテナによるSIMOが適用されている。したがって、本実施形態に係る受信装置3は、上述の第1の実施形態に係る受信装置3におけるOFDM復調部31a/31bの代わりに、1つのOFDM復調部31を有している。
【0059】
また、本実施形態に係る受信装置3の系統振分部32は、
図10に示すように、所定規則に従って、OFDM復調部31から出力されたビットデータに対して、シリアルパラレル変換を施して、誤り訂正内符号復号部33a及び誤り訂正内符号復号部33bに出力するように構成されている。
【0060】
(その他の実施形態)
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0061】
なお、上述の実施形態では、2つの系統が設けられているケースを例に挙げて説明しているが、本発明は、かかるケースに限定されることなく、2以上の系統が設けられているケースにも適用可能である。
【0062】
また、上述の実施形態では特に触れていないが、上述の送信装置1及び受信装置3によって行われる各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、かかるプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、かかるプログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、かかるプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0063】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能を実現するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【0064】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能は、製造後に購入者や設計者が構成を設定できるPLD(Programmable Logic Device)の一種であるFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…送信装置
11…データフレーム同期部
12a、12b…エネルギー拡散部
13a、13b…誤り訂正外符号符号化部
130…畳み込み符号化器
14a、14b…外インターリーブ部
15a、15b…誤り訂正内符号符号化部
16…系統振分部
17a、17b…OFDM変調部
3…送信装置
31a、31b…OFDM復調部
32…系統振分部
33a、33b…誤り訂正内符号復号部
34a、34b…外デインターリーブ部
35a、35b…誤り訂正外符号復号部
36a、36b…エネルギー逆拡散部
37…TSパケット抽出部