(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】ワイドバンドギャップ半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20221027BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20221027BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
H01L29/78 652J
H01L29/06 301D
H01L29/06 301V
H01L29/78 652T
H01L29/78 652F
(21)【出願番号】P 2021523553
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(86)【国際出願番号】 US2019040712
(87)【国際公開番号】W WO2020014088
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-08
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】リュー,セイ-ヒュン
【審査官】石塚 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0338303(US,A1)
【文献】特開2008-004872(JP,A)
【文献】特開2000-077663(JP,A)
【文献】特表2019-517148(JP,A)
【文献】国際公開第2017/205437(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/021146(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/135995(WO,A1)
【文献】特開2014-033223(JP,A)
【文献】国際公開第2013/175840(WO,A1)
【文献】特開2005-244180(JP,A)
【文献】特表2016-534581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/06
H01L 29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタデバイスであって、
ワイドバンドギャップ基板と、
前記
ワイドバンドギャップ基板上のワイドバンドギャップドリフト層と
、
前記ワイドバンドギャップドリフト層内の複数の接合部インプラントと
、
前記複数の接合部インプラント間の接合型電界効果トランジスタ(JFET)領域とを備え、
前記JFET領域は、前記複数の接合部インプラントのうち隣接する接合部インプラント間の距離であるJFETギャップによって画定され、
前記JFETギャップは、前記
トランジスタデバイス全体で均一ではなく、
前記JFET領域は、第1のJFETサブ領域と第2のJFETサブ領域とに分離され、
前記第1のJFETサブ領域のドーピング濃度は、前記第2のJFETサブ領域のドーピング濃度とは異な
り、
前記第1のJFETサブ領域と前記第2のJFETサブ領域との間の遷移が、前記第1のJFETサブ領域の前記ドーピング濃度と前記第2のJFETサブ領域の前記ドーピング濃度との間で横方向において、線形的、および段階的方式の少なくとも一方で変化する段階的なドーピング濃度を有する、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイス。
【請求項2】
前記第1のJFETサブ領域内のJFETギャップは、前記第2のJFETサブ領域内のJFETギャップとは異なる。請求項1に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項3】
前記第1のJFETサブ領域内の前記JFETギャップは、前記第2のJFETサブ領域内の前記JFETギャップよりも小さい、請求項2に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項4】
前記第1のJFETサブ領域内の前記ドーピング濃度は、前記第2のJFETサブ領域内の前記ドーピング濃度よりも高い、請求項3に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項5】
前記
ワイドバンドギャップ基板は、第1のドーピングタイプを有し、
前記
ワイドバンドギャップドリフト層は、前記第1のドーピングタイプを有し、
前記複数の接合部インプラントはおのおの、前記第1のドーピングタイプとは逆の第2のドーピングタイプを有する、請求項1に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項6】
前記複数の接合部インプラントのおのおのは長方形である、請求項1に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項7】
前記複数の接合部インプラントのおのおのは六角形である、請求項1に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項8】
前記ワイドバンドギャップ基板および前記ワイドバンドギャップドリフト層が、炭化ケイ素(SiC)を備える、請求項1に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項9】
前記
トランジスタデバイスは、2mΩ・cm
2未満の面正規化オン状態抵抗を提供し、少なくとも650Vを遮断できる、請求項1に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項10】
トランジス
タデバイスであって、
ワイドバンドギャップ基板と、
前記ワイドバンドギャップ基板上のワイドバンドギャップドリフト層と、
前記ドリフト層内の複数の接合部インプラント
であって、前記複数の接合部インプラントは、セル構成で配置され
ている、
接合部インプラントと、
前記ワイドバンドギャップドリフト層の表面に対する横方向において、線形的、および段階的方式の少なくとも一方で変化する遷移を有する可変ドーピング濃度を有する接合部電界効果トランジスタ(JFET)領域と
を備え、前記
トランジスタデバイスは、2mΩ・cm
2未満の面正規化オン状態抵抗を提供し、少なくとも650Vを遮断できる、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイス。
【請求項11】
前記ワイドバンドギャップ基板および前記ワイドバンドギャップドリフト層が、炭化ケイ素(SiC)を備える、請求項1
0に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項12】
前記
トランジスタデバイスのセル(MOSチャネル)充填密度が、370mm/mm
2よりも大きい、請求項1
0に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項13】
前記複数の接合部インプラントのおのおのが長方形である、請求項1
0に記載の
トランジスタデバイス。
【請求項14】
前記複数の接合部インプラントのおのおのが六角形である、請求項1
0に記載の
トランジスタデバイス
。
【請求項15】
トランジス
タデバイスを製造するための方法であって、
ワイドバンドギャップ基板と、前記
ワイドバンドギャップ基板上のワイドバンドギャップドリフト層とを含む半導体スタックを提供するステップと、
前記ワイドバンドギャップドリフト層に複数の接合部インプラントを提供するステップと
、
前記複数の接合部インプラント間に、接合型電界効果トランジスタ(JFET)領域を提供するステップとを備え、
前記JFET領域は、前記複数の接合部インプラントのうち隣接する接合部インプラント間の距離であるJFETギャップによって画定され、
前記JFETギャップは、前記
トランジスタデバイス全体で均一ではなく、
前記JFET領域は、第1のJFETサブ領域と第2のJFETサブ領域とに分離され、
前記第1のJFETサブ領域のドーピング濃度は、前記第2のJFETサブ領域のドーピング濃度とは異な
り、
前記第1のJFETサブ領域と前記第2のJFETサブ領域との間の遷移が、前記第1のJFETサブ領域の前記ドーピング濃度と前記第2のJFETサブ領域の前記ドーピング濃度との間で、線形的、および段階的方式の少なくとも一方で変化する段階的なドーピング濃度を有する、方法。
【請求項16】
前記第1のJFETサブ領域内のJFETギャップが、前記第2のJFETサブ領域内のJFETギャップとは異なる、請求項1
5に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のJFETサブ領域内のJFETギャップが、前記第2のJFETサブ領域内のJFETギャップよりも小さい、請求項1
6に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のJFETサブ領域内のドーピング濃度が、前記第2のJFETサブ領域内のドーピング濃度よりも高い、請求項1
7に記載の方法。
【請求項19】
前記
トランジスタデバイスは、2mΩ・cm
2未満の面正規化オン状態抵抗を提供し、少なくとも650Vを遮断できる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のJFETサブ領域の前記ドーピング濃度は、1×10
16
cm
-3
から2×10
17
cm
-3
の範囲にあり、前記第2のJFETサブ領域の前記ドーピング濃度は、1×10
15
cm
-3
から5×10
16
cm
-3
の範囲にある、請求項1に記載のトランジスタデバイス。
【請求項21】
前記可変ドーピング濃度は、1×10
16
cm
-3
から2×10
17
cm
-3
の範囲の第1のドーピング濃度から、1×10
15
cm
-3
から5×10
16
cm
-3
の範囲の第2のドーピング濃度へ徐々に遷移し、前記第2のドーピング濃度は前記第1のドーピング濃度とは異なる、請求項10に記載のトランジスタデバイス。
【請求項22】
前記段階的なドーピング濃度は、複数ステップのマスキング処理、グレースケールマスキング、およびピンホールマスキングのうち少なくとも1つによって形成される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、半導体デバイス、特に、高い遮断電圧(blocking voltage)および低いオン状態抵抗(on-state resistance)を維持する高いチャネル充填密度を有するワイドバンドギャップ半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ワイドバンドギャップ半導体デバイスは、高い遮断電圧に耐え、低いオン状態抵抗を提供し、それらの狭いバンドギャップの対応物よりも高い周波数および温度で動作する能力のために、様々な用途に好適である。当業者は、動作のいくつかの態様においてワイドバンドギャップ半導体デバイスによって提供される重要な利点が、動作の他の態様における欠点を甘受してもたらされることが多いことを理解するであろう。そのような1つの欠点は、ワイドバンドギャップ半導体デバイスが、その中に形成される非常に集中した電界に悩まされることである。これらの集中電界は、適切に管理されていないと、デバイスに損傷を与える可能性があり、さらに、ワイドバンドギャップ半導体デバイスが、特定のレベルを超える電圧を、障害なく遮断する能力を低下させる可能性がある。したがって、その中の電界の集中を低減するワイドバンドギャップ半導体デバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]1つの実施形態では、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、ワイドバンドギャップ基板と、基板上のワイドバンドギャップドリフト層と、ワイドバンドギャップドリフト層内の複数の接合部インプラント(junction implant)と、接合部インプラント間の接合型電界効果トランジスタ(JFET: junction field-effect transistor)領域とを含む。JFET領域は、接合部インプラントのうち隣接する接合部インプラント間の距離であるJFETギャップによって画定される。JFETギャップは、MOSFETデバイス全体で均一ではない。JFET領域は、第1のJFETサブ領域と第2のJFETサブ領域とに分離され、第1のJFETサブ領域におけるドーピング濃度は、第2のJFETサブ領域におけるドーピング濃度とは異なる。JFET領域を、第1のJFETサブ領域と第2のJFETサブ領域とに分離することにより、オン状態抵抗、遮断電圧、およびピーク電界間のトレードオフが、サブ領域に対して局所的に設計され得、それによってMOSFETデバイスの全体的な性能を改善する。
【0004】
[0004]1つの実施形態では、第1のJFETサブ領域内のJFETギャップは、第2のJFETサブ領域内のJFETギャップとは異なる。特に、第1のJFETサブ領域内のJFETギャップは、第2のJFETサブ領域内のJFETギャップよりも小さくてもよい。第1のJFETサブ領域内のドーピング濃度は、第2のJFETサブ領域内のドーピング濃度よりも高くてもよい。JFET領域におけるドーピング濃度は、第1のJFETサブ領域と第2のJFETサブ領域との間で線形的、指数関数的、または段階的に変化し得る。
【0005】
[0005]1つの実施形態では、MOSFETデバイスは、2mΩ・cm2未満の面正規化オン状態抵抗(area normalized on-state resistance)を提供し、少なくとも650Vを遮断できる。MOSFETデバイスは、370mm/mm2を超えるMOSチャネル充填密度を有する場合がある。
【0006】
[0006]当業者は、本開示の範囲を理解し、添付の図面に関連して好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、その追加の態様を実現するであろう。
【0007】
[0007]本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示しており、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008]本開示の1つの実施形態による、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)セルの断面図である。
【
図2】[0009]本開示の1つの実施形態による、MOSFETデバイスの上面図である。
【
図3】[0010]本開示の1つの実施形態による、MOSFETデバイスの上面図である。
【
図4】[0011]本開示の1つの実施形態による、MOSFETデバイスの上面図である。
【
図5】[0012]本開示の1つの実施形態による、MOSFETデバイスの上面図である。
【
図6】[0013]本開示の1つの実施形態による、MOSFETデバイスを製造するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]以下に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にし、実施形態を実施する最良のモードを例示するために必要な情報を表す。添付の図面に照らして以下の説明を読むと、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書で特に扱われていないこれらの概念の適用を認識するであろう。これらの概念および適用は、本開示および付随する特許請求の範囲に含まれることを理解されたい。
【0010】
[0015]本明細書では、第1、第2などの用語を使用して様々な要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、単にある要素を別の要素と区別するために使用される。たとえば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素は、第2の要素と呼ばれ得、同様に、第2の要素は、第1の要素と呼ばれ得る。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つまたは複数の任意のおよびすべての組合せを含む。
【0011】
[0016]層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上に」延びていると称される場合、それは、他の要素の直接上にある、または直接上に延びることができるか、または介在要素が存在する可能性もあると理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」にある、または「直接上に」延びていると称される場合、介在要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上方に」ある、または「上方に」延びていると称される場合、それは、他の要素の直接上方にある、または直接上方に延びている、または介在要素が存在する可能性もあると理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上方に」ある、または「直接上方に」延びていると称される場合、介在要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続されている」または「結合されている」と称される場合、それは、別の要素に直接接続または結合され得るか、または介在要素が存在する可能性もあると理解されよう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と称される場合、介在要素は存在しない。
【0012】
[0017]「下方」または「上方」または「上側」または「下側」または「水平」または「垂直」などの相対的な用語は、本明細書では、図面に例示されるように、1つの要素、層、または領域と、別の要素、層、または領域との関係を説明するために使用され得る。これらの用語および上記で論じられた用語は、図面に示される方位に加えて、デバイスの異なる方位を包含することが意図されていることが理解されよう。
【0013】
[0018]本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、記載された機能、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の機能、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことが理解されよう。
【0014】
[0019]別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0015】
[0020]
図1は、本開示の1つの実施形態による、垂直金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)セル10を示す。MOSFETセル10は、基板14および基板14上のドリフト層16を含む半導体スタック12を含む。ドリフト層16は、いくつかの接合部インプラント18を含み、そのおのおのは、pウェル20およびソースウェル22を含み、ソースウェル22は、pウェル20内にあり、pウェル20によってカプセル化される。接合部インプラント18は、JFETギャップ26として知られる接合部インプラント18のおのおのの間の距離によって画定される接合型電界効果トランジスタ(JFET)領域24によって互いに分離される。ゲート酸化物層28は、基板14の反対側のドリフト層16の表面上にあり、ゲート酸化物層28は、接合部インプラント18のおのおののソースウェル22間に延びる。ゲート接点30は、ゲート酸化物層28の上にある。ソース接点32は、基板14の反対側のドリフト層16の表面上にあり、ソース接点32は、接合部インプラント18のおのおのにおけるpウェル20およびソースウェル22の一部の上にある。ドレイン接点34は、ドリフト層16の反対側の基板14の表面上にある。
【0016】
[0021]
図1に示されるように、基板14は、高濃度にドープされたn型層である。様々な実施形態において、基板14のドーピング濃度は、1×10
18cm
-3から1×10
20cm
-3の間、1×10
19cm
-3から1×10
20cm
-3の間、および1×10
18cm
-3から1×10
19cm
-3の間であり得る。ドリフト層16は、基板14よりも低いドーピング濃度を有するn型層であり得る。いくつかの実施形態では、ドリフト層16のドーピング濃度は、1×10
14cm
-3から1×10
17cm
-3の間、1×10
15cm
-3から1×10
17cm
-3の間、1×10
16cm
-3から1×10
17cm
-3の間、1×10
14cm
-3から1×10
16cm
-3の間、および1×10
14cm
-3から1×10
15cm
-3の間であり得る。さらに、ドリフト層16のドーピング濃度は、ドリフト層16のドーピング濃度が基板14からの距離に比例して増加するように等級付けされ得る。この等級付けは、線形的、指数関数的、段階的、またはその他の構成であり得る。一般に、ドリフト層16は、エピタキシプロセスを介して基板14上で成長される。JFET領域24は、5×10
15cm
-3から2×10
17cm
-3の間、5×10
16cm
-3から2×10
17cm
-3の間、および5×10
15cm
-3から2×10
16cm
-3の間のドーピング濃度を有する、高くドープされたn型領域であり得る。JFET領域24は、イオン注入プロセスを介してインプラントされ得るか、または(たとえば、最初にドリフト層16のトレンチをエッチングすることによって)エピタキシプロセスを介して成長され得る。接合部インプラント18のおのおののpウェル20は、5×10
15cm
-3から5×10
19cm
-3の間、5×10
16cm
-3から5×10
19cm
-3の間、5×10
17cm
-3から5×10
19cm
-3の間、5×10
18cm
-3から5×10
19cm
-3の間、5×10
15cm
-3から5×10
18cm
-3の間、5×10
15cm
-3から5×10
17cm
-3の間、および5×10
15cm
-3から5×10
16cm
-3の間のドーピング濃度を有するp型領域であり得る。接合部インプラント18のおのおののソースウェル22は、5×10
18cm
-3から5×10
21cm
-3の間、5×10
18cm
-3から5×10
20cm
-3の間、5×10
18cm
-3から5×10
19cm
-3の間、5×10
19cm
-3から5×10
21cm
-3の間、および5×10
20cm
-3から5×10
21cm
-3の間のドーピング濃度を有する高くドープされたn型領域であり得る。接合部インプラント18のpウェル20およびソースウェル22は、一般に、イオン注入プロセスを介してインプラントされる。
【0017】
[0022]MOSFETセル10は、基板14およびドリフト層16がn型層であるNMOSデバイスとして
図1に示されているが、本開示の原理は、基板14およびドリフト層16がp型層であるPMOSデバイスにも等しく適合する。
【0018】
[0023]その性能に影響を及ぼし得るMOSFETデバイスの多くの設計パラメータが存在するが、これらの設計パラメータのうちの2つは、本明細書で論じられる開示に関して特に注目に値する。MOSFETセル10の第1の注目すべき設計パラメータは、接合部インプラント18間の距離、すなわちJFETギャップ26である。JFETギャップ26を増加させると、MOSFETセル10のオン状態抵抗が減少するが、その遮断電圧も減少する。さらに、JFETギャップ26を増加させると、一般に、JFET領域24の中心におけるピーク電界が増加する。JFETギャップ26を減少させると、MOSFETセル10の遮断電圧が増加するが、そのオン状態抵抗も増加する。さらに、JFETギャップ26を減少させると、一般に、JFET領域24の中心におけるピーク電界が減少する。MOSFETセル10の第2の注目すべき設計パラメータは、JFET領域24のドーピング濃度である。JFET領域24のドーピング濃度を増加させると、MOSFETセル10のオン状態抵抗が減少するが、JFET領域24の中心におけるピーク電界も増加する。JFET領域24のドーピング濃度を減少させると、JFET領域24の中心におけるピーク電界が減少するが、MOSFETセル10のオン状態抵抗も増加する。したがって、JFETギャップ26と、JFET領域24のドーピング濃度との両方を適切に選択して、MOSFETセル10の所望の遮断電圧、オン状態抵抗、およびピーク電界を満たす必要がある。顕著なことに、JFET領域24の中心におけるピーク電界が高くなりすぎると、ゲート酸化物が破裂し、MOSFETセル10を破壊する。上記で論じたように、電界の集中は、炭化ケイ素(SiC)デバイスなどのワイドバンドギャップ材料系において特に問題であり、これらは一般に、それらの狭いバンドギャップの対応物(counterpart)よりもはるかに高い電界を有する。したがって、MOSFETセル10を設計する際に、JFETギャップ26と、JFET領域24のドーピング濃度とは、オン状態抵抗、遮断電圧、およびピーク電界間の所望の関係を提供するように選択される。
【0019】
[0024]顕著なことに、MOSFETセル10は、より大きなMOSFETデバイスの最小単位であるため、そのように命名される。MOSFETデバイスは、様々な幾何学的構成で繰り返される数百または数千のMOSFETセルを含む。
図1に示すMOSFETセル10は、2次元断面として表される。実際には、MOSFETセル10は、長方形の直方体として3次元におけるページの内外まで延びている。MOSFETセル10は、ミラー化され得るか、またはページの内外に延びるように繰り返され得る。さらに、MOSFETセル10は、その左側および右側で対称的にミラー化され得、そして所望のサイズを達成するためにこの方式で繰り返し続き得る。説明したように配置されたMOSFETセル10の組合せは、MOSFETデバイスを形成する。MOSFETセル10のゲート接点30、ソース接点32、およびドレイン接点34は、ともに結合されており、その結果、MOSFETセル10は、MOSFETデバイスとして、ともに動作される。
【0020】
[0025]上記は、MOSFETデバイスを上から見下ろすことによって最もよく視覚化される。したがって、
図2は、いくつかの接合部インプラント38を中に含むMOSFETデバイス36の上面図を示す。ゲート酸化物、ゲート接点、およびソース接点は、
図2に示されていない。接合部インプラント38は、異なるドーピング型式を有するいくつかの異なるインプラントを含み得るが、それらは、本明細書で論じられる概念をよりよく説明するために、単一の影付き領域として
図2に表される。接合部インプラント38間の領域は、MOSFETデバイス36のJFET領域40である。
図1に示されるMOSFETセル10は、線A-A’を介して
図2に示されるMOSFETデバイス36の断面図を表し得る。
図2に示される構成は、接合部インプラント38がデバイス全体にストライプ化されているため、しばしば「ストライプ」MOSFET設計と称される。
【0021】
[0026]上記で論じたように、MOSFETデバイス36の2つの注目すべき設計パラメータは、JFETギャップ42と、JFET領域40のドーピング濃度である。
図2に関して説明されたもののようなMOSFETデバイス36のためのこれらのパラメータの選択は、JFETギャップ42がデバイス全体で均一であるという事実のために比較的簡単である。MOSFETデバイス36の単純さはこの点で有利であるが、近年のMOSFETデバイスは、より高いセル(またはMOSチャネル)充填密度を達成するために、ストリップベースの設計からセルベースの設計に移行する傾向にあり、これは、MOSFETデバイス36の性能を高める。
【0022】
[0027]
図3は、セル構成に配置されたいくつかの接合部インプラント46を含むMOSFETデバイス44の上面図を示す。特に、
図3は、長方形のセル構成を有するMOSFETデバイス44を示す。ゲート酸化物、ゲート接点、およびソース接点は、
図3には示されていない。接合部インプラント46は、異なるドーピングタイプを有するいくつかの異なるインプラントを含み得るが、それらは、本明細書で論じられる概念をよりよく説明するために、単一の影付き領域として
図3に表される。接合部インプラント46間の領域は、MOSFETデバイス44のJFET領域48である。上記で論じたように、MOSFETデバイス44の2つの注目すべき設計パラメータは、接合部インプラント46間の距離、すなわちJFETギャップ50と、JFET領域48のドーピング濃度である。
図3に示されるMOSFETデバイス44のセル構成は、JFETギャップ50がデバイスのすべての領域で同じある訳ではないという事実のために、その設計を複雑にする。特に、第1のJFETギャップ50Aは、平行な面を有する隣接する接合部インプラント46間に提供され、第2のJFETギャップ50Bは、平行な面を有さない隣接する接合部インプラント46間に提供される。これは、
図3における線B-B’および線C-C’でそれぞれ示される。
図1に示されるMOSFETセル10は、線B-B’と線C-C’との両方によって、
図3に示されるMOSFETデバイス44の断面図を表し得る。これらの線を通るMOSFETセル間の唯一の違いは、JFETギャップ50であり、これは、線B-B’によって形成されたMOSFETセルよりも、線C-C’によって形成されたMOSFETセルの方が著しく大きくなるであろう。
【0023】
[0028]上記で論じたように、JFETギャップ50が増加すると、JFET領域48の中心におけるピーク電界が増加する。MOSFETデバイス44内の比較的大きな第2のJFETギャップ50Bのために、デバイス内で最も集中した電界は、第2のJFETギャップ50Bの中心点の周りに形成される。従来、JFET領域48は、均一にドープされた領域であった。従来の設計原理によれば、JFET領域48のドーピング濃度は、隣接しているが平行な面を有していない接合部インプラント46間の中心点に形成する、MOSFETデバイス44内の最も集中した電界に対応するように調整される。特に、JFET領域48のドーピング濃度は、この領域におけるピーク電界を、許容可能なレベルに低減するために低下され、(たとえば、そのゲート酸化物を破壊することによって)MOSFETデバイス44の損傷を回避する。
【0024】
[0029]顕著なことに、隣接しているが平行な面を有さない接合部インプラント46間のJFET領域48の部分において、ピーク電界を許容可能なレベルに低減するために必要なドーピング濃度は、隣接しており平行な面を有する接合部インプラント46間のJFET領域48の部分において、ピーク電界を許容可能なレベルに低減するために必要なドーピング濃度よりも著しく低い。JFET領域48のドーピング濃度が、MOSFETデバイス44において均一である場合、接合部インプラント46が、第2のJFETギャップ50Bによって分離されるMOSFETデバイス44の領域のみが最適化される。なぜなら、これは、JFET領域48のドーピング濃度が選択されるデバイスの一部分であるからである。言い換えれば、JFET領域48の均一なドーピング濃度は、接合部インプラント46が第1のJFETギャップ50Aによって分離されているMOSFETデバイス44の領域におけるオン状態抵抗、遮断電圧、およびピーク電界間の次善のトレードオフをもたらす。SiCなどのワイドバンドギャップ材料系を使用する場合、JFET領域48が均一にドープされる従来の設計では、MOSFETデバイス44は、オン状態抵抗と遮断電圧との特定の組合せを達成できない。なぜなら、これらは、JFET領域48のドーピング濃度が、第2のJFETギャップ50Bによって接合部インプラント46が分離された、MOSFETデバイス44の領域におけるピーク電界によるデバイスへの損傷がもはや生じないレベルまで低下された場合に、達成できないからである。
【0025】
[0030]したがって、
図4は、本開示の1つの実施形態による、MOSFETデバイス44の上面図を示す。
図4に示されるMOSFETデバイス44は、第1のJFETサブ領域48Aが第1のJFETギャップ50Aを有し、第2のJFETサブ領域48Bが第2のJFETギャップ50Bを有する、第1のJFETサブ領域48Aと第2のJFETサブ領域48BとにJFET領域48が分離されることを除いて、
図3に示されるものと実質的に同様である。第1のJFETサブ領域48Aは、第1のドーピング濃度を有し、第2のJFETサブ領域48Bは、第1のドーピング濃度とは異なる第2のドーピング濃度を有する。1つの実施形態では、第1のJFETサブ領域48Aのドーピング濃度は、1×10
16cm
-3から2×10
17cm
-3の間であり、第2のJFETサブ領域48Bのドーピング濃度は、1×10
15cm
-3から5×10
16cm
-3の間である。様々な実施形態において、JFET領域48におけるドーピング濃度は、第1のJFETサブ領域48Aと第2のJFETサブ領域48Bとの間で急激に遷移し得るか、または線形的、指数関数的、段階的、または他の任意の方式で徐々に遷移し得る。第1のJFETサブ領域48Aおよび第2のJFETサブ領域48Bのドーピング濃度、ならびにそれらの間の遷移は、サブ領域のイオン注入前にマスキングを使用して取得され得る。マスキングにはいくつかのステップが必要な場合があるが、これらステップは、グレースケールまたはピンホールマスキングを使用することで削減され得る。
【0026】
[0031]JFET領域48を、第1のJFETサブ領域48Aと第2のJFETサブ領域48Bとに分離することにより、オン状態抵抗、遮断電圧、およびピーク電界間で生じるトレードオフを、MOSFETデバイス44の異なる部分内で局所的に最適化できる。
図4には、第1のJFETサブ領域48Aおよび第2のJFETサブ領域48Bのみが示されているが、JFET領域48は、本開示の原理から逸脱することなく、おのおのが異なるドーピング濃度を有し得る、任意の数のJFETサブ領域に分割され得る。上記で論じたようにMOSFETデバイス44を設計することにより、特にSiCなどのワイドバンドギャップ材料系を使用してMOSFETデバイス44が形成される場合、デバイスは、従来の設計原理を使用するセルベースの設計において以前に得られなかった性能パラメータを達成でき得る。たとえば、様々な実施形態において、MOSFETデバイス44は、2.5mΩ・cm
2未満、2.0mΩ・cm
2未満、1.8mΩ・cm
2未満、および1.6mΩ・cm
2未満の面正規化オン状態抵抗と、550V超、600V超、650V超、および700V超の遮断電圧と、300mm/mm
2超、330mm/mm
2超、370mm/mm
2超、および400mm/mm
2超のセル(またはMOSチャネル)充填密度における4.0MV/cm未満、3.8MV/cm未満、3.5MV/cm未満、3.2MV/cm未満、および3.0MV/cm未満のピークMOS酸化物電界とを達成でき得る。
【0027】
[0032]本開示の原理は、
図5に示されるように六角形のセル構成に配置された複数の接合部インプラント54を含むMOSFETデバイス52にも同様に適合し、これは、上記で論じたように、長方形セル構成よりも高いセル(またはMOSチャネル)充填密度を提供し得る。
図3および
図4に示されるMOSFETデバイス44と同様に、MOSFETデバイス52のJFET領域56は、不均一なJFETギャップ58を有する。特に、MOSFETデバイス52のJFETギャップ58は、第1のJFETサブ領域56Aおよび第2のJFETサブ領域56Bにおいて異なる。特に、第2のJFETサブ領域56BにおけるJFETギャップ58は、第1のJFETサブ領域56AにおけるJFETギャップ58よりも大きい。第2のJFETサブ領域56Bにおけるより大きなJFETギャップ58のために、MOSFETデバイス52は、第2のJFETサブ領域56Bのほぼ中央でピーク電界を受ける。
【0028】
[0033]上記で論じたように、JFET領域56が均一にドープされる従来の設計原理は、第2のJFETサブ領域56Bにおけるピーク電界が、MOSFETデバイス52に損傷を与えるのを防ぐために、JFET領域56全体のドーピング濃度を下げることを必要とする。結果として生じるJFET領域56のドーピング濃度は、特にMOSFETデバイス52がSiCなどのワイドバンドギャップ材料系を使用する場合、オン状態抵抗と遮断電圧との特定の組合せを達成することを不可能にする。したがって、第1のJFETサブ領域56Aは、第2のJFETサブ領域56Bのドーピング濃度よりも高いドーピング濃度を有する。1つの実施形態では、第1のJFETサブ領域56Aのドーピング濃度は、1×1016cm-3から2×1017cm-3の間であり、第2のJFETサブ領域56Bのドーピング濃度は、1×1015cm-3から5×1016cm-3の間である。様々な実施形態において、第1のJFETサブ領域56Aのドーピング濃度は、2×1016cm-3から2×1017cm-3の間、3×1016cm-3から2×1017cm-3の間、4×1016cm-3から2×1017cm-3の間、5×1016cm-3から2×1017cm-3の間、6×1016cm-3から2×1017cm-3の間、7×1016cm-3から2×1017cm-3の間、8×1016cm-3から2×1017cm-3の間、9×1016cm-3から2×1017cm-3の間、1×1017cm-3から2×1017cm-3の間、2×1016cm-3から1×1017cm-3の間、2×1016cm-3から9×1016cm-3の間、2×1016cm-3から8×1016cm-3の間、2×1016cm-3から7×1016cm-3の間、2×1016cm-3から6×1016cm-3の間、2×1016cm-3から5×1016cm-3の間、2×1016cm-3から4×1016cm-3の間、および2×1016cm-3から3×1016cm-3の間であり得る。第2のJFETサブ領域56Bのドーピング濃度は、2×1015cm-3から5×1016cm-3の間、3×1015cm-3から5×1016cm-3の間、4×1015cm-3から5×1016cm-3の間、5×1015cm-3から5×1016cm-3の間、6×1015cm-3から5×1016cm-3の間、7×1015cm-3から5×1016cm-3の間、8×1015cm-3から5×1016cm-3の間、9×1015cm-3から5×1016cm-3の間、1×1016cm-3から5×1016cm-3の間、2×1016cm-3から5×1016cm-3の間、3×1016cm-3から5×1016cm-3の間、4×1016cm-3から5×1016cm-3の間、2×1015cm-3から4×1016cm-3の間、2×1015cm-3から3×1016cm-3の間、2×1015cm-3から2×1016cm-3の間、2×1015cm-3から1×1016cm-3の間、2×1015cm-3から9×1015cm-3の間、2×1015cm-3から8×1015cm-3の間、2×1015cm-3から7×1015cm-3の間、2×1015cm-3から6×1015cm-3の間、2×1015cm-3から5×1015cm-3の間、2×1015cm-3から4×1015cm-3の間、2×1015cm-3から3×1015cm-3の間であり得る。JFET領域56におけるドーピング濃度は、第1のJFETサブ領域56Aと第2のJFETサブ領域56Bとの間で急激に遷移するか、または線形的、指数関数的、段階的、または他の任意の方式で徐々に遷移し得る。すなわち、JFET領域56は、第1のJFETサブ領域56Aと第2のJFETサブ領域56Bとの間の遷移が線形的、指数関数的、段階的、または他の任意の方式で生じるように、(横方向、または横方向と縦方向との両方において)段階的なドーピング濃度を有し得る。第1のJFETサブ領域56Aおよび第2のJFETサブ領域56Bのドーピング濃度、ならびにそれらの間の遷移は、サブ領域のイオン注入前にマスキングを使用して取得され得る。マスキングにはいくつかのステップが必要な場合があるが、これらステップは、グレースケールまたはピンホールマスキングを使用することで削減され得る。
【0029】
[0034]上記で論じたように、JFET領域56を、第1のJFETサブ領域56Aと第2のJFETサブ領域56Bとに分離することにより、オン状態抵抗、遮断電圧、およびピーク電界間で生じるトレードオフを、MOSFETデバイス52の異なる部分内で局所的に最適化できる。
図5には、第1のJFETサブ領域56Aおよび第2のJFETサブ領域56Bのみが示されているが、JFET領域56は、本開示から逸脱することなく、おのおのが異なるドーピング濃度を有し得る任意の数のJFETサブ領域に分割され得る。上記で論じたようにMOSFETデバイス52を設計することにより、特にSiCなどのワイドバンドギャップ材料系を使用してMOSFETデバイス52が形成される場合、デバイスは、従来の設計原理を使用するセルベースの設計では以前は得られなかった性能パラメータを達成でき得る。たとえば、MOSFETデバイス52は、2.5mΩ・cm
2未満、2.0mΩ・cm
2未満、1.8mΩ・cm
2未満、および1.6mΩ・cm
2未満の面正規化オン状態抵抗と、550V超、600V超、650V超、および700V超の遮断電圧と、300mm/mm
2超、330mm/mm
2超、370mm/mm
2超、および400mm/mm
2超のセル(またはMOSチャネル)充填密度における4.0MV/cm未満、3.8MV/cm未満、3.5MV/cm未満、3.2MV/cm未満、および3.0MV/cm未満のピークMOS酸化物電界とを達成でき得る。
【0030】
[0035]長方形および六角形のセル設計に関して上記で論じられているが、本開示の原理は、JFETギャップがデバイス全体で均一ではない任意のMOSFETデバイスに等しく適合する。すなわち、本開示は、任意の形状またはサイズのセルを有するMOSETデバイスに適合され得る。
【0031】
[0036]
図6は、本開示の1つの実施形態による、MOSFETデバイスを製造するための方法を示すフロー図である。第1に、半導体スタックが提供され(ステップ100)、半導体スタックは、少なくとも基板と、基板上のドリフト層とを含む。次に、半導体スタックが選択的にインプラントされ、いくつかの接合部インプラント領域を形成する(ステップ102)。上記で論じたように、接合部インプラントは、接合部インプラント間のJFETギャップが、デバイスのすべての部分で同じではないセル構成で提供され得る。したがって、次に、半導体スタックがインプラントされ、少なくとも2つのJFETサブ領域を形成する(ステップ104)。上記で論じたように、JFETサブ領域は、オン状態抵抗、遮断電圧、およびピーク電界について領域を個別に最適化するために、異なるドーピング濃度を有する。最後に、MOSFETデバイスを完成させるために、酸化物層およびメタライゼーション層が提供される(ステップ106)。
【0032】
[0037]当業者は、本開示の好ましい実施形態に対する改善および修正を認識するであろう。そのようなすべての改善および修正は、本明細書に開示される概念および以下の特許請求の範囲内で考慮される。