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7169882測定器に外部機器を接続するための接続ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】測定器に外部機器を接続するための接続ユニット
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/00 20060101AFI20221104BHJP
   G01B 3/20 20060101ALI20221104BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20221104BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
G08C19/00 J
G01B3/20 101Z
H01R13/46 E
H01R31/06 M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019000374
(22)【出願日】2019-01-06
(65)【公開番号】P2020109573
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】伊織 圭亮
(72)【発明者】
【氏名】林田 秀二
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-067235(JP,A)
【文献】特許第4456697(JP,B2)
【文献】特開2005-235512(JP,A)
【文献】特開2018-132403(JP,A)
【文献】米国特許第4553798(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
G01B 3/00- 3/08
G01B 3/11- 3/56
H01R 27/00-31/08
G01D 11/00-11/30
G12B 9/00- 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体機器の信号入出用の本体側接続口と外部機器の信号入出用の外部機器側接続口とを電気的に接続する接続ユニット(100)であって、
前記本体機器および前記外部機器のうちのいずれか一方の機器の接続口に電気的に接続されるメインコネクタ端子(220)を有するとともに、前記一方の機器の前記接続口に前記メインコネクタ端子(220)を接続した状態で固定手段によって前記一方の機器に固定的に取り付けられるメイン本体部(200)と、
前記本体機器および前記外部機器のうちのいずれか他方の機器の接続口に電気的に接続されるサブコネクタ端子(320)を有するとともに、前記他方の機器の前記接続口に前記サブコネクタ端子(320)を接続した状態で固定手段によって前記他方の機器に固定的に取り付けられるサブ本体部(300)と、
前記メインコネクタ端子(220)と前記サブコネクタ端子(320)とを電気的に接続する電気ケーブル(500)と、を有し、
前記メイン本体部(200)と前記サブ本体部(300)とは係脱可能な係合手段による係合によって合体状態になるとともに、前記係合手段の解除によって互いの相対位置が可変であって、
前記メイン本体部(200)と前記サブ本体部(300)とを合体状態にした状態で前記一方の機器に前記メイン本体部(200)を取り付けるとともに前記他方の機器に前記サブ本体部(300)を取り付けることにより、前記本体機器と前記外部機器とが電気的に接続されると同時に前記外部機器が前記本体機器に取り付けられる
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の接続ユニット(100)において、
前記係合手段は、
前記メイン本体部(200)および前記サブ本体部(300)のいずれか一方に設けられた断面略鋸刃状の係止段部(260、270)と、
前記メイン本体部(200)および前記サブ本体部(300)のいずれか他方に設けられ、前記係止段部(260、270)に対して係脱可能に係止する係止爪部(360)と、によって構成されている
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の接続ユニット(100)において、
前記係合手段は、前記メイン本体部(200)と前記サブ本体部(300)との相対位置が異なる複数のポジションで係合可能である
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の接続ユニット(100)において、
前記メイン本体部(200)は、少なくとも一面が開口(212)した有底筒状のメイン筐体部(210)を有し、
前記サブ本体部(300)は、前記メイン筐体部(210)の前記開口(212)から前記メイン筐体部(210)の内側に受け入れられるサブ筐体部(310)を有する
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項5】
請求項4に記載の接続ユニット(100)において、
前記メイン筐体部(210)の内側において、奥側に電装基板(250)が配設され、前記電装基板(250)よりも前記開口(212)寄りには前記開口(212)と前記電装基板(250)との間を液密に仕切る防水壁(280)が設けられている
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の接続ユニット(100)において、
前記サブ筐体部(310)と前記メイン筐体部(210)との間には前記サブ筐体部(310)が前記メイン筐体部(210)の側に向かう方向に付勢力を生じさせる付勢手段(410)が設けられている
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項7】
請求項6に記載の接続ユニット(100)において、
前記付勢手段(410)は、一端が前記メイン筐体部(210)の内側に固定され、他端が前記サブ筐体部(310)に固定された弾性体である
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の接続ユニット(100)において、
前記メインコネクタ端子(220)は、前記メイン筐体部(210)から前記付勢力の方向と直交する方向に突き出すように設けられ、
前記サブ筐体部(310)は、前記サブ筐体部(310)の一部が前記メイン筐体部(210)の内側から出たときに前記メインコネクタ端子(220)と平行な方向に突き出して、前記本体機器の側壁に押し当てられる補助支持部材(420)を有する
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【請求項9】
請求項4から請求項8のいずれかに記載の接続ユニット(100)において、
筒状かつ蛇腹状で伸縮するカバー部材(390)を有し、
前記カバー部材(390)の一方の口が前記メイン筐体部(210)の開口(212)を囲むように取り付けられ、前記カバー部材(390)の他方の口が前記サブ筐体部(310)の外側面(316)に取り付けられ、前記メイン筐体部(210)の内側が防水されている
ことを特徴とする接続ユニット(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器に外部機器を接続するための接続ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
測定者が手で持って測定作業を行うような小型の測定器として例えばノギスやマイクロメータなどがある。これら小型測定器も多機能になってきており、無線通信機能などの様々な機能が搭載されるようになってきている。
【0003】
小型測定器を多機能にするにあたって、コネクタの接続口を小型測定器に設けておき、コネクタを介して外部機器を小型測定器に接続するタイプが知られている(特許文献1、2、3)。
本出願人は、図1に例示するように、偏平矩形状の板状体であって、小型測定器40の接続口41と外部機器70の接続口71とにそれぞれ接続するコネクタ端子11、12を有する接続ユニット10を提案している(特許文献3)。特許文献3では、外部機器70とコネクタ端子12とを別体とし、コネクタ端子12は接続ユニット10に設けておく。ユーザは、一つの接続ユニット10を共通に用いることで多種類の外部機器(無線通信機、バッテリー、ディスプレイ等)を小型測定器40に接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-305055
【文献】特許4456697
【文献】特開2018-67235
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3においては、外部機器70の接続口71の型式と接続ユニット10のコネクタ端子12の型式とを合わせているので、多種類の外部機器に対して一つの接続ユニット10で対応できる。
ただ、小型測定器のサイズが違ったり、小型測定器の種類(ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ)が異なったりすると、小型測定器40の接続口41から外部機器70の接続口71までの距離が違ってきてしまうので、やはりサイズ違いの接続ユニット20を用意する必要があった(例えば図2参照)。
図2は、サイズ違いの接続ユニット20を用いて、標準より大型(長尺)の小型測定器50に外部機器70を接続する様子を例示する図である。
【0006】
本発明の目的は、本体機器および外部機器の機種やサイズの違いに対しても共通して使用できる接続ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の接続ユニットは、
本体機器の信号入出用の本体側接続口と外部機器の信号入出用の外部機器側接続口とを電気的に接続する接続ユニット(100)であって、
前記本体機器および前記外部機器のうちのいずれか一方の機器の接続口に電気的に接続されるメインコネクタ端子(220)を有するとともに、前記一方の機器の前記接続口に前記メインコネクタ端子(220)を接続した状態で固定手段によって前記一方の機器に固定的に取り付けられるメイン本体部(200)と、
前記本体機器および前記外部機器のうちのいずれか他方の機器の接続口に電気的に接続されるサブコネクタ端子(320)を有するとともに、前記他方の機器の前記接続口に前記サブコネクタ端子(320)を接続した状態で固定手段によって前記他方の機器に固定的に取り付けられるサブ本体部(300)と、
前記メインコネクタ端子(220)と前記サブコネクタ端子(320)とを電気的に接続する電気ケーブル(500)と、を有し、
前記メイン本体部(200)と前記サブ本体部(300)とは係脱可能な係合手段による係合によって合体状態になるとともに、前記係合手段の解除によって互いの相対位置が可変であって、
前記メイン本体部(200)と前記サブ本体部(300)とを合体状態にした状態で前記一方の機器に前記メイン本体部(200)を取り付けるとともに前記他方の機器に前記サブ本体部(300)を取り付けることにより、前記本体機器と前記外部機器とが電気的に接続されると同時に前記外部機器が前記本体機器に取り付けられる
ことを特徴とする。
【0008】
本発明では、
前記係合手段は、
前記メイン本体部(200)および前記サブ本体部(300)のいずれか一方に設けられた断面略鋸刃状の係止段部(260、270)と、
前記メイン本体部(200)および前記サブ本体部(300)のいずれか他方に設けられ、前記係止段部(260、270)に対して係脱可能に係止する係止爪部(360)と、によって構成されている
ことが好ましい。
【0009】
本発明では、
前記係合手段は、前記メイン本体部(200)と前記サブ本体部(300)との相対位置が異なる複数のポジションで係合可能である
ことが好ましい。
【0010】
本発明では、
前記メイン本体部(200)は、少なくとも一面が開口(212)した有底筒状のメイン筐体部(210)を有し、
前記サブ本体部(300)は、前記メイン筐体部(210)の前記開口(212)から前記メイン筐体部(210)の内側に受け入れられるサブ筐体部(310)を有する
ことが好ましい。
【0011】
本発明では、
前記メイン筐体部(210)の内側において、奥側に電装基板(250)が配設され、前記電装基板(250)よりも前記開口(212)寄りには前記開口(212)と前記電装基板(250)との間を液密に仕切る防水壁(280)が設けられている
ことが好ましい。
【0012】
本発明では、
前記サブ筐体部(310)と前記メイン筐体部(210)との間には前記サブ筐体部(310)が前記メイン筐体部(210)の側に向かう方向に付勢力を生じさせる付勢手段(410)が設けられている
ことが好ましい。
【0013】
本発明では、
前記付勢手段(410)は、一端が前記メイン筐体部(210)の内側に固定され、他端が前記サブ筐体部(310)に固定された弾性体である
ことが好ましい。
【0014】
本発明では、
前記メインコネクタ端子(220)は、前記メイン筐体部(210)から前記付勢力の方向と直交する方向に突き出すように設けられ、
前記サブ筐体部(310)は、前記サブ筐体部(310)の一部が前記メイン筐体部(210)の内側から出たときに前記メインコネクタ端子(220)と平行な方向に突き出して、前記本体機器の側壁に押し当てられる補助支持部材(420)を有する
ことが好ましい。
【0015】
本発明では、
筒状かつ蛇腹状で伸縮するカバー部材(390)を有し、
前記カバー部材(390)の一方の口が前記メイン筐体部(210)の開口(212)を囲むように取り付けられ、前記カバー部材(390)の他方の口が前記サブ筐体部(310)の外側面(316)に取り付けられ、前記メイン筐体部(210)の内側が防水されている
ことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】背景技術としての接続ユニットを例示する図である。
図2】背景技術としての接続ユニットを例示する図である。
図3】メイン本体部とサブ本体部とが合体状態にある接続ユニットの外観斜視図である。
図4】メイン本体部とサブ本体部とが分離状態にある接続ユニットの外観斜視図である。
図5図3中のV-V線断面図である。
図6図3中のVI-VI線断面図である。
図7】分離状態の接続ユニットの断面図である。
図8】接続ユニット100Aによって本体機器(小型測定器)に外部機器を取り付けた状態を例示する図である。
図9】接続ユニット100Aによって本体機器(小型測定器)に外部機器を取り付けた状態を例示する図である。
図10】メイン本体部200とサブ本体部300とを分離状態として長尺小型測定器50に外部機器70を接続した状態を例示する図である。
図11】メイン本体部200とサブ本体部300とを分離状態として長尺小型測定器50に外部機器70を接続した状態を例示する図である。
図12】第2実施形態を例示する図である。
図13】第3実施形態の外観斜視図である。
図14】第3実施形態の外観斜視図である。
図15】第3実施形態の断面図である。
図16】第3実施形態の断面図である。
図17】接続ユニットによって本体機器(小型測定器)に外部機器を取り付けた状態を例示する図である。
図18】接続ユニットによって本体機器(小型測定器)に外部機器を取り付けた状態を例示する図である。
図19】接続ユニットによって本体機器(小型測定器)に外部機器を取り付けた状態を例示する図である。
図20】第4実施形態を例示する図である。
図21】第4実施形態を例示する図である。
図22】第4実施形態の使用法を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の接続ユニット100Aに係る第1実施形態について説明する。
図3は、メイン本体部200とサブ本体部300とが合体状態にある接続ユニット100Aの外観斜視図である。
図4は、メイン本体部200とサブ本体部300とが分離状態にある接続ユニット100Aの外観斜視図である。
図5図6は、合体状態の接続ユニット100Aの断面図である。
図5は、図3中のV-V線断面図であり、図6は、図3中のVI-VI線断面図である。
図7は、分離状態の接続ユニット100Aの断面図である。
【0018】
接続ユニット100Aは、メイン本体部200と、サブ本体部300と、電気ケーブル500と、を備える。
【0019】
メイン本体部200は、メイン筐体部210を有する。
メイン筐体部210は、外観上はやや偏平な直方体形状であって、一面が開口212した有底筒状となっている。
説明のため、図3あるいは図4に表わされた姿勢において、上の面をおもて面213、下の面をうら面214とする。開口212が設けられた面を正面211とし、正面211に対向する面を背面215とする。最後に、おもて面213、うら面214、正面211および背面215に直交する2つの面を側面216とする。
【0020】
メイン筐体部210のうら面214において、背面215寄りにメインコネクタ端子220が突き出るように設けられている(例えば図5参照)。また、メイン筐体部210のおもて面213において、背面215寄りに押しボタン230が設けられている。そして、おもて面213からうら面214に貫通する孔240が二つ設けられていて、ボタン230およびメインコネクタ端子220は二つの孔240の間にある。この二つの孔240は、固定手段としての留めネジを通す孔である。
【0021】
メイン筐体部210の内側において、背面215寄りに電装基板250が配置されている。電装基板250はメインコネクタ端子220と導通しており、また、ボタン230の押圧操作を検知できるようになっている。ボタン230の機能は外部機器によって異なるが、例えば外部機器が無線通信機であれば、ボタン230には送受信スイッチとしての機能が割り当てられる。
【0022】
メイン筐体部210の内側において二つの側面216にはそれぞれ係止段部260が設けられている(例えば図6図7参照)。係止段部260は、図6または図7の断面図に表れるように、二つの山の間に一つの谷を有する形状である。
【0023】
次にサブ本体部300の構成を説明する。
サブ本体部300は、サブ筐体部310を有する。
サブ筐体部310は、外観上はやや偏平な直方体形状であって、一面が開口312した有底筒状となっている。説明のため、図3あるいは図4に表わされた姿勢において、上の面をおもて面313、下の面をうら面314とする。開口312が設けられた面を正面311とし、正面311に対向する面を背面315とする。最後に、おもて面313、うら面314、正面311および背面315に直交する2つの面を側面316とする。
【0024】
メイン筐体部210の開口212からサブ本体部300がメイン筐体部210に挿脱される。このとき、メイン筐体部210の正面211(開口212)とサブ筐体部310の正面311(開口312)とが向き合うようにして、サブ筐体部310の正面311を先頭にしてサブ本体部300がメイン筐体部210の開口212に挿入される。
【0025】
サブ筐体部310のうら面314において、背面315寄りにサブコネクタ端子320が突き出るように設けられている。そして、おもて面313からうら面314に貫通する孔340が二つ設けられていて、サブコネクタ端子320は二つの孔340の間にある。この二つの孔340は、固定手段としての留めネジを通す孔である。
【0026】
サブ筐体部310の内側において、背面315寄りに電装基板350が配置されている。電装基板350はサブコネクタ端子320と導通している。
【0027】
サブ筐体部310の各側面316において正面311側寄りに係止爪部360が設けられている。具体的には、サブ筐体部310の各側面316が正面311から少し突出していて、その突端の外側面316に係止爪部360が設けられている。係止爪部360は、図6または図7の断面図に表れるように、メイン筐体部210の係止段部260に係止する凹凸であって、二つの山の間に谷がある形状である。図6に表れるように、サブ筐体部310をメイン筐体部210の内側に差し込んだとき、係止爪部360が係止段部260に係合してメイン本体部200とサブ本体部300とは合体状態となる。
【0028】
合体状態となったときのメインコネクタ端子220とサブコネクタ端子320との距離は、小型測定器40と外部機器70とを取り付け状態にしたときの両者の接続口41、71の距離に対応するように設計される。また、合体状態となったときにメイン本体部200とサブ本体部300との間にガタがないことが望ましい。そこで、メイン筐体部210の高さ方向の内寸法とサブ筐体部310の高さ方向の外寸法とをほぼ同じにしておくことが望ましい。
【0029】
サブ筐体部310の各側面316において背面315寄りには、側方に少し突き出た形状のサイド凸部317が設けられている。図3、4、6に矢印で例示するように指でサイド凸部317を押すと、サブ筐体部310が少し変形し、係止爪部360と係止段部260との係合が緩み、そのまま指をサイド凸部317に引っ掛けてサブ本体部300を引くと、サブ本体部300をメイン筐体部210から引き出すことができる。このように、係止爪部360と係止段部260とにより係脱可能な係合手段が構成されている。
【0030】
電気ケーブル500は、所定の長さを有し、メイン本体部200の電装基板250とサブ本体部300の電装基板350とを電気的に繋いでいる。
メイン本体部200とサブ本体部300とが合体状態にあるときには、電気ケーブル500はメイン筐体部210およびサブ筐体部310の内側で蛇行するように曲がった状態で畳まれて収納されている。メイン本体部200とサブ本体部300とを分離状態にすると、電気ケーブル500はメイン筐体部210およびサブ筐体部310の内側から出て、メイン本体部200とサブ本体部300とを繋ぐ。
【0031】
第1実施形態の接続ユニット100Aの使用例を説明する。
本実施形態の接続ユニット100Aは、主として合体状態で使用されることを想定している。
図8または図9に例示するように、本体機器として手に持って使用するタイプの小型測定器(ノギスやマイクロメータ)40に、外部機器(例えば無線通信機)70を取り付けるにあたって合体状態の接続ユニット100Aを使用する。
取り付け方としては、まず、メインコネクタ端子220を小型測定器40の接続口41に差し込んで留めネジでメイン本体部200を小型測定器40に取り付け固定する。
次に、サブコネクタ端子320を外部機器70の接続口71に差し込んで留めネジでサブ本体部300を外部機器70に取り付け固定する。これで小型測定器40に外部機器70が取り付けられ、かつ、両者が電気的に接続された状態になる。
【0032】
合体状態の接続ユニット100Aは変形しない一つの個体であって、合体状態の接続ユニット100Aにより外部機器70が小型測定器(本体機器)に40対して固定的に取り付く。外部機器70が小型測定器40に密着した状態で取り付いてもよいし、外部機器70と小型測定器40との間に少し隙間があってもよい。外部機器70と小型測定器40とはしっかりと固定的に接続されるので、小型測定器40を手に持って測定操作をするときでも外部機器70が邪魔にならず、小型測定器40の操作性は保たれる。
【0033】
次の例として、ユーザが標準より大型(長尺)の本体機器(ノギスやマイクロメータ)に外部機器70を接続して使用したいとする。このとき、外部機器70を長尺小型測定器50に密着させたとしても長尺小型測定器50の接続口51と外部機器70の接続口71との距離が接続ユニット100Aのコネクタ端子間距離よりも大きい。したがって、合体状態の接続ユニット100Aでは本体機器と外部機器とを接続することはできない。
【0034】
そこで、図10に例示するように、メイン本体部200とサブ本体部300とを分離状態として、メイン本体部200を長尺小型測定器50に取り付け、サブ本体部300を外部機器70に取り付ける。
この状態でメイン本体部200とサブ本体部300との間は電気ケーブル500で電気的に繋がっている。
実際に長尺小型測定器50を測定に使用する際、長尺小型測定器50を手で持って測定するより、例えばスタンドに取り付けて使用することが多い。そこで、スタンドに長尺小型測定器50を取り付けるときに外部機器70もスタンドに保持させればよい。こうすれば、電気ケーブル500や固定されていない外部機器70が測定作業の邪魔になるということはない。
【0035】
このように、接続ユニット100Aの合体状態と分離状態とを使い分ければ、本体機器がハンディタイプであっても長尺タイプであっても接続ユニット100Aを共用できる。
【0036】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る接続ユニット100Bは、第1実施形態の接続ユニット100Aに防水機構を付加したものである。
第2実施形態を図12に例示する。
まず、メイン筐体部210の内側において奥側(背面215寄り)に電装基板250が配設されているので、電装基板250よりも少し正面211寄りに開口212と電装基板250との間を液密に仕切る防水壁280を設ける。もちろん、防水壁280には電気ケーブル500を挿通する孔を設けておき、孔は電気ケーブル500を通した状態で防水対策をしておく。(例えば、隙間を接着剤かパッキンで塞ぐ。)同じように、サブ筐体部310の内側において奥側(背面315寄り)に電装基板350が配設されているので、電装基板350よりも少し正面311寄りに開口312と電装基板350との間を液密に仕切る防水壁380を設ける。この状態で電装部(250、350)の防水としては機能しているが、さらに、メイン本体部200とサブ本体部300とをカバー部材390で繋いでおくとよい。例えば、筒状かつ蛇腹状で伸縮するカバー部材390を用い、カバー部材390の一端をメイン筐体部210の開口212を囲むように取り付ける。カバー部材390の他端をサブ筐体部310の外側面に取り付ける。これにより、メイン筐体部210およびサブ筐体部310の内側の防水対策となる。また、カバー部材390により、防水機能の他、電気ケーブル500を保護することもできる。
【0037】
(第3実施形態)
次に第3実施形態に係る接続ユニット100Cを説明する。
第3実施形態の接続ユニット100Cの外観斜視図を図13図14に例示する。
第3実施形態の接続ユニット100Cは、第1実施形態の接続ユニット100Aに対し、さらに、メイン本体部200とサブ本体部300との相対位置を異なる複数のポジションで固定できるようにしたものである。すなわち、接続ユニット100Cは、図13のように、メイン本体部200にサブ本体部300を奥まで押し込んだ状態で合体状態にできる。さらに、図14のように、サブ本体部300をメイン本体部200から引き出して、メインコネクタ端子220とサブコネクタ端子320との距離が離れた状態でも両者を合体状態にできる。
【0038】
メイン筐体部210の内側において二つの側面216にはそれぞれ係止段部270が設けられている。
第3実施形態では、図15図16に表れるように、断面略鋸刃状の係止段部270が開口212から奥(背面側)まで長く設けられている。サブ筐体部310の各側面316には係止爪部360が設けられており、係止爪部360は、長い係止段部270の任意の位置で係合できる。
これにより、メイン本体部200からサブ本体部300を引き出す長さを任意に調整することができる。
【0039】
図17のように、手に持って使用するタイプの小型測定器40に外部機器70を接続したい場合には、メイン本体部200の奥までサブ本体部300を押し込んだ状態で両者を合体状態とする。
図18のように、標準より大型(長尺)の本体機器50に外部機器70を接続したい場合には、サブ本体部300をメイン本体部200からやや引き出した状態で両者を合体状態にする。
この状態でメイン本体部200を長尺小型測定器50に取り付け、サブ本体部300を外部機器70に取り付ける。すると、外部機器70は長尺小型測定器50に対して電気的に接続されるのはもちろん、固定的に取り付けられる。手に持って使用するタイプの小型測定器にも少しずつサイズが異なる様々のタイプが有り得るが、第3実施形態の接続ユニット100Cであれば本体機器(測定器)の大きさに関係なく共通に使用できる。
また、仮に長尺小型測定器50をスタンドに取り付けて使用するとしても、このとき、外部機器70を別途にスタンドに固定する手間は必要ない。図19は、第3実施形態の接続ユニット100Cを用いて本体機器(ダイヤルゲージ)に外部機器70を接続した状態を例示した図である。
【0040】
(第4実施形態)
次に第4実施形態に係る接続ユニット100Dを説明する。
第4実施形態の接続ユニット100Dは、第3実施形態の接続ユニット100Dに構造上の補強手段を付加したものである。
第3実施形態の係合手段270、360は複数のポジションで係合可能であるので、メイン本体部200とサブ本体部300との距離を任意に調整できる。
ただ、サブ本体部300をメイン本体部200から引き出していくと、両者の重なりが短くなってしまうため、接続ユニット100Cだけで外部機器を固定的に支えるとなると強度上の懸念が生じてくる。
【0041】
そこで、第4実施形態としては、図20に表れるように、メイン本体部200とサブ本体部300との間に付勢手段であるバネ410を設け、サブ本体部300をメイン本体部200に常時引き寄せるように付勢力を作用させる。弾性体としてバネ410に代えてゴムにしてもよい。
【0042】
さらに、サブ筐体部310のうら面314に出没自在の補助支持部材420を設ける。
ここでは、補助支持部材420は、抜け止めになるように頭部が鍔状に径大になっているピンであり、サブ筐体部310のうら面314に穿設された孔から出没するようになっている。
補助支持部材420は、図21に表れるように、メイン筐体部210の内側からサブ本体部300を所定量引き出すと、サブ筐体部310のうら面314から突き出る。また、サブ本体部300をメイン筐体部210の内側に深く挿入する際には、補助支持部材420はサブ筐体部310の内部に押し戻せるようになっている。
【0043】
バネ410(弾性体)と補助支持部材420とにより補強手段が構成されている。
【0044】
第4実施形態の補強手段の作用を図22を参照して説明する。
長尺小型測定器50に外部機器70を接続するにあたって、メイン筐体部210からサブ本体部300を引き出してメインコネクタ端子220とサブコネクタ端子320との距離を広げるようにする。すると、付勢手段であるバネ410が伸びるに従ってサブ筐体部310がメイン本体部200に引かれる力(付勢力)が強くなっていく。また、サブ本体部300のうら面314から補助支持部材420を引き出すことができるようになる。
【0045】
この状態でメイン本体部200を長尺小型測定器50に取り付ける。すなわち、メインコネクタ端子220を長尺小型測定器50の接続口に挿入した状態でネジ留めによりメイン本体部200を長尺小型測定器50に固定的に接続する。このとき、図22に例示のように、補助支持部材420が長尺小型測定器50の側面に当接して、補助支持部材420がストッパになってサブ本体部300の位置が固定されるとともに、サブ本体部300の補助支持部材420とメイン本体部200のメインコネクタ端子220(およびその固定手段としてのネジ留め)とによって長尺小型測定器50を挟み込むことでメイン本体部200の位置も堅固に固定される。すなわち、接続ユニット100Dが長尺小型測定器50に安定して取り付けられた状態になる。
この状態で外部機器70の接続口71をサブ本体部300のサブコネクタ端子320に取り付け、外部機器70とサブ本体部300とをネジ留めする。すると、長尺小型測定器50に外部機器70が取り付けられ、かつ、両者が電気的に接続された状態になる。
【0046】
第4実施形態の構成によれば、メイン筐体部210からサブ本体部300を大きく引き出した場合でもバネ410によってサブ本体部300がメイン本体部200に向けて引かれているので不意に抜けたりするようなことはない。
また、補助支持部材420が長尺小型測定器50の側面に対して押圧するように当接しているため、メイン本体部200およびサブ本体部300が安定して長尺小型測定器50に固定される。また、バネ410の力は補助支持部材420に掛かり、サブコネクタ端子320には作用しない。したがって、外部機器70の接続口71にはバネ410の力が掛からず、外部機器70に変形等が生じる心配はない。
(なお、長尺小型測定器50の接続口51およびその付近にはバネ410の力が作用することになるが、長尺小型測定器50の接続口51の周辺には比較的スペースの余裕があるので、部材を厚くするなどの補強は可能であると考えられる。)
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
第2実施形態で説明した防水機構は第3、第4実施形態にも適用できる。
上記実施形態ではメイン本体部が本体機器に取り付き、サブ本体部が外部機器に取り付くとしたが、逆でもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0048】
100A、100B、100C、100D…接続ユニット、200…メイン本体部、210…メイン筐体部、211…正面、212…開口、213…おもて面、214…うら面、215…背面、216…側面、220…メインコネクタ端子、230…ボタン、240…孔、250…電装基板、260、270…係止段部、280…防水壁、300…サブ本体部、310…サブ筐体部、311…正面、312…開口、313…おもて面、314…うら面、315…背面、316…側面、317…サイド凸部、320…サブコネクタ端子、340…孔、350…電装基板、360…係止爪部、380…防水壁、390…カバー部材、410…バネ、420…補助支持部材、500…電気ケーブル。
図1
図2
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