(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-02
(45)【発行日】2022-11-11
(54)【発明の名称】印刷装置及び読取方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221104BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20221104BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20221104BHJP
B41J 3/407 20060101ALI20221104BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/12 Z
B41J2/01 451
B41J3/407
B41J29/393 105
(21)【出願番号】P 2019017213
(22)【出願日】2019-02-01
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】木村 洋介
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-073306(JP,A)
【文献】特開2011-140207(JP,A)
【文献】特開2014-137459(JP,A)
【文献】特開2009-071505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04 - 1/207
B41J 2/01
2/165- 2/215
B41J 3/01 - 3/54
6/62
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒、シアン、マゼンタ、イエロー及び白のいずれかの第一色の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷部と、
前記基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明部と、
前記基材の前記照明部が配置されている側と同じ側に配置され、前記照明部から前記画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取部と、
黒、シアン、マゼンタ、イエロー及び白のうち、第一色と異なるいずれかの色である第二色の第二インクを用いて前記基材に印刷を行う第二印刷部と、
前記基材を挟んで前記読取部と反対側の位置に配置される基準背景部材であり、前記読取部を用いた前記画像の読み取りの際に前記基材の基準背景となる背景面を備え、前記背景面が前記第二色と同一色を有す
る基準背景部材と、
前記背景面を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて前記基材に代用背景を印刷させ、前記第二印刷部を用いて前記代用背景を背景として前記基材に補正検査画像を印刷させる印刷制御部と、
を備え、
前記読取部は、前記照明部から前記補正検査画像が印刷された前記基材へ照射した照明光の反射光を読み取る印刷装置。
【請求項2】
黒、シアン、マゼンタ及びイエローのいずれかの第一色の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷部と、
前記基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明部と、
前記基材の前記照明部が配置されている側と同じ側に配置され、前記照明部から前記画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取部と、
白の第二色の第二インクを用いて前記基材に印刷を行う第二印刷部と、
前記基材を挟んで前記読取部と反対側の位置に配置される基準背景部材であり、前記読取部を用いた前記画像の読み取りの際に前記基材の基準背景となる背景面を備え、前記背景面が
白又はグレーの基準背景部材と、
前記背景面を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて前記基材に代用背景を印刷させ、前記第二印刷部を用いて前記代用背景を背景として前記基材に補正検査画像を印刷させる印刷制御部と、
を備え、
前記読取部は、前記照明部から前記補正検査画像が印刷された前記基材へ照射した照明光の反射光を読み取る印刷装置。
【請求項3】
前記第一印刷部の印刷補正を実施する第一印刷補正部を備え、
前記第一印刷部は、前記基材へ前記第一インクの補正検査画像を印刷し、
前記読取部は、前記背景面を背景として、前記基材へ印刷された前記第一インクの前記補正検査画像を読み取り、
前記第一印刷補正部は、前記第一インクの前記補正検査画像の読取画像に基づいて前記第一印刷部の印刷補正を実施する請求項1
又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記背景面は、前記基材を支持する基材支持面として用いられる請求項
3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記読取部を用いた前記代用背景の読取データに基づいて導出された代用背景シェーディング補正係数を記憶する代用背景シェーディング補正係数記憶部を備えた請求項1から
4のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記代用背景シェーディング補正係数を用いて前記読取部のシェーディング補正を実施する第一シェーディング補正部を備えた請求項
5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記読取部を用いた前記背景面の読取データに基づいて導出された基準背景シェーディング補正係数を記憶する基準背景シェーディング補正係数記憶部を備えた請求項1から
6のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記基準背景シェーディング補正係数を用いて前記読取部のシェーディング補正を実施する第二シェーディング補正部を備えた請求項
7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記補正検査画像の読取画像に基づいて前記第二印刷部の印刷補正を実施する第二印刷補正部を備えた請求項1から
8のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項10】
黒の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷部と、
白の第二インクを用いて前記基材に印刷を行う第二印刷部と、
前記基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明部と、
前記基材の前記照明部が配置されている側と同じ側に配置され、前記照明部から前記画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取部と、
前記読取部を用いた前記画像の読み取りの際に前記基材の基準背景となる背景面を備え、前記背景面が白であり、前記基材を挟んで前記読取部と反対側の位置に配置される基準背景部材と、
前記背景面を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて前記基材に代用背景を印刷させ、前記第二印刷部を用いて前記代用背景を背景として前記基材に補正検査画像を印刷させる印刷制御部と、
を備え、
前記読取部は、前記照明部から前記補正検査画像が印刷された前記基材へ照射した照明光の反射光を読み取る印刷装置。
【請求項11】
第一印刷部を用いて、
黒、シアン、マゼンタ、イエロー及び白のいずれかの第一色の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷工程と
、
照明部を用いて前記基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明工程と、
前記基材の前記照明部が配置されている側と同じ側に配置された読取部を用いて、前記照明部から前記画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取工程と、
第二印刷部を用いて、
黒、シアン、マゼンタ、イエロー及び白のうち、前記第一色と異なるいずれかの色の第二色の第二インクを用いて前記基材に印刷を行う第二印刷工程と、
を含み、
前記第一印刷工程は、前記読取工程における画像の読取の際に前記基材の基準背景となる背景面であり
、前記基材を挟んで前記読取部と反対側の位置に配置される
前記第二色と同一色の背景面を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて前記基材に代用背景を印刷させ、
前記第二印刷工程は、前記代用背景を背景として前記基材に補正検査画像を印刷させ、
前記読取工程は、前記補正検査画像が印刷された前記基材へ照射した照明光の反射光を読み取る読取方法。
【請求項12】
第一印刷部を用いて、黒、シアン、マゼンタ
及びイエロ
ーのいずれかの第一色の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷工程と、
照明部を用いて前記基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明工程と、
前記基材の前記照明部が配置されている側と同じ側に配置された読取部を用いて、前記照明部から前記画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取工程と、
第二印刷部を用いて、白の第二インクを用いて前記基材に印刷を行う第二印刷工程と、
を含み、
前記第一印刷工程は、前記読取工程における画像の読取の際に前記基材の基準背景となる背景面であり、前記基材を挟んで前記読取部と反対側の位置に配置される白又はグレーの背景面を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて前記基材に代用背景を印刷させ、
前記第二印刷工程は、前記代用背景を背景として前記基材に補正検査画像を印刷させ、
前記読取工程は、前記補正検査画像が印刷された前記基材へ照射した照明光の反射光を読み取る読取方法。
【請求項13】
第一印刷部を用いて黒の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷工程と、
第二印刷部を用いて白の第二インクを用いて前記基材に印刷を行う第二印刷工程と、
照明部を用いて前記基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明工程と、
前記基材の前記照明部が配置されている側と同じ側に配置された読取部を用いて、前記照明部から前記画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取工程と、
を含み、
前記第一印刷工程は、前記読取工程における画像の読取の際に前記基材の基準背景となる背景面であり、前記基材を挟んで前記読取部と反対側の位置に配置される白の背景面を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて前記基材に代用背景を印刷させ、
前記第二印刷工程は、前記代用背景を背景として前記基材に補正検査画像を印刷させ、
前記読取工程は、前記補正検査画像が印刷された前記基材へ照射した照明光の反射光を読み取る読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置及び読取方法に係り、特に印刷物の読み取りに関する。
【背景技術】
【0002】
紙以外の基材への印刷として、食品包装等に用いられる軟包装への印刷が挙げられる。軟包装とは、柔軟性のある材料で構成されている包装材である。軟包装の材料の例として、プラスチックフィルム、紙、及びアルミ箔等が挙げられる。軟包装は、柔軟性のある薄い材料を単体で使用する態様、又は貼り合せて使用する態様が有り得る。
【0003】
印刷物の品質を向上させるためには、印刷物の検査及び検査結果に基づく印刷の補正等が欠かせない。一方、透明の基材を用いる場合は、基材を支持する面が基材の背景として透けて見えてしまう。そうすると、検査用途及び補正用途の読取画像を高品質に、かつ安定して得られないことが有り得る。
【0004】
そこで、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックインクについては、基材の背景を白色等として基材に形成された画像を読み取ることで、白色等の紙媒体を用いた印刷物の読取画像と同様の品質を有する読取画像を安定して得ることが可能である。一方、基材の背景を白色とした場合、白色及び白色と同系色について読取画像を高品質にかつ安定して得ることが困難である。
【0005】
基材の背景と同一色等のインクを用いた場合は、背景を使用しなくてよい透過系読取システムを読み取りに適用する態様、基材の背景と同一色等のインクについてデジタル印刷ではなく版等を用いたアナログ印刷を適用する態様、及び黒色等の基材の背景を用いて反射系読取システムを読み取りに適用する態様等の適用が可能である。
【0006】
特許文献1は、透明媒体に白色インクを用いてカラー画像の背景画像を形成し、背景画像にカラー画像を形成してカラー画像の遮光性を向上させて、カラー画像の視認性を高めるインクジェット方式の印刷装置が記載されている。
【0007】
特許文献2は、透明基材に対して特色インクを用いて背景画像を印刷し、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを用いて印刷を行う印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2013-159100号公報
【文献】特開2002-316406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、透明の基材を用いた印刷物の読み取りに透過系読取システムを適用した場合、透過系読取システムは印刷むらだけでなく光沢むら等を読み取ってしまう。そうすると、透過系読取システムを用いて取得した読取画像を基に印刷むら補正を実施した際に、印刷むら補正が十分に実施できないことが有り得る。
【0010】
特許文献1は、透明基材にカラー画像を印刷する際に、白色インクを用いて背景画像を印刷することを開示しているが、白色インク及びカラーインクについての読み取りに関する開示はない。
【0011】
特許文献2は、特色インクを用いた背景画像の印刷、及びカラーインクを用いたカラー画像の印刷に関する開示をしているが、特色インクの読み取り及びカラーインクの読み取りに関する開示はない。すなわち、特許文献1に記載の装置及び特許文献2に記載の装置は、いずれも、基材の背景と同一色等のインクの読み取りを実施する際に、上記の課題が存在している。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、透明の基材に印刷された画像について、高品質な読取画像を安定して取得し得る印刷装置及び読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
【0014】
第1態様に係る印刷装置は、第一色の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷部と、第一色と異なる色の第二色の第二インクを用いて基材に印刷を行う第二印刷部と、基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明部と、基材の照明部が配置されている側と同じ側に配置され、照明部から画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取部と、読取部を用いた画像の読み取りの際に基材を支持する基材支持面を備え、基材支持面が第二色と同一色又は第二色と同系色である基材支持部と、基準背景を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて基材に代用背景を印刷させ、第二印刷部を用いて代用背景を背景として基材に補正検査画像を印刷させる印刷制御部と、を備え、読取部は、照明部から補正検査画像が印刷された基材へ照射した照明光の反射光を読み取る印刷装置である。
【0015】
第1態様によれば、印刷補正がされた第一印刷部を適用して第一色インクを用いて透明の基材に代用背景を印刷する。代用背景の上に、第一色と異なる第二色インクを用いて印刷補正用画像を印刷し、印刷補正用画像の読み取り画像が生成される。これにより、第一色を用いた均一な代用背景を適用した印刷補正用の画像の読み取りが実施され、均一な代用背景の上に印刷された印刷補正用画像について、高品質な読取画像を安定して取得し得る。
【0016】
第2態様は、第1態様の印刷装置において、第一印刷部の印刷補正を実施する第一印刷補正部を備え、第一印刷部は、基材へ第一インクの補正検査画像を印刷し、読取部は、基準背景を背景として、基材へ印刷された第一インクの補正検査画像を読み取り、第一印刷補正部は、第一インクの補正検査画像の読取画像に基づいて第一印刷部の印刷補正を実施する構成としてもよい。
【0017】
第2態様によれば、第一印刷部の印刷補正を実施し得る。これにより均一な代用背景を印刷し得る。
【0018】
第3態様は、第2態様の印刷装置において、基準背景は、基材支持面が用いられる構成としてもよい。
【0019】
第3態様によれば、基材支持面とは別に、第一印刷部の印刷補正の際の基準背景を準備する必要がない。
【0020】
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか一態様の印刷装置において、読取部を用いた代用背景の読取データに基づいて導出された代用背景シェーディング補正係数を記憶する代用背景シェーディング補正係数記憶部を備えた構成としてもよい。
【0021】
第4態様によれば、代用背景シェーディング補正係数を用いた代用背景に対するシェーディング補正を実施し得る。
【0022】
第5態様は、第4態様の印刷装置において、代用背景シェーディング補正係数を用いて読取部のシェーディング補正を実施する第一シェーディング補正部を備えた構成としてもよい。
【0023】
第5態様によれば、第一シェーディング補正部を用いた代用背景に対するシェーディング補正を実施し得る。
【0024】
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか一態様の印刷装置において、読取部を用いた基準背景の読取データに基づいて導出された基準背景シェーディング補正係数を記憶する基準背景シェーディング補正係数記憶部を備えた構成としてもよい。
【0025】
第6態様によれば、基準背景シェーディング補正係数を用いた基準背景に対するシェーディング補正を実施し得る。
【0026】
第7態様は、第6態様の印刷装置において、基準背景シェーディング補正係数を用いて読取部のシェーディング補正を実施する第二シェーディング補正部を備えた構成としてもよい。
【0027】
第7態様によれば、第二シェーディング補正部を用いた代用背景に対するシェーディング補正を実施し得る。
【0028】
第8態様は、第1態様から第7態様のいずれか一態様の印刷装置において、補正検査画像の読取画像に基づいて第二印刷部の印刷補正を実施する第二印刷補正部を備えた構成としてもよい。
【0029】
第8態様によれば、第二印刷補正部を用いた第二印刷部の印刷補正を実施し得る。
【0030】
第9態様は、第1態様から第8態様のいずれか一態様の印刷装置において、第一色は黒色であり、第二色は白色である構成としてもよい。
【0031】
第9態様によれば、基準背景が白色又は白色と同系色の場合に、白色の補正検査画像の読み取りを実施し得る。
【0032】
第10態様は、第1態様から第9態様のいずれか一態様の印刷装置において、基材支持面は白色である構成としてもよい。
【0033】
第10態様によれば、基材支持面が白色の場合において、白色の補正検査画像の読み取りを実施し得る。
【0034】
第11態様に係る読取方法は、第一印刷部を用いて第一色の第一インクを用いて透明の基材に印刷を行う第一印刷工程と、第二印刷部を用いて第一色と異なる色の第二色の第二インクを用いて基材に印刷を行う第二印刷工程と、照明部を用いて基材に印刷された画像へ照明光を照射する照明工程と、基材の照明部が配置されている側と同じ側に配置された読取り部を用いて、照明部から画像へ照射した照明光の反射光を受光する読取工程と、を含み、第一印刷工程は、基準背景を用いて読取が実施された読取データに基づく印刷補正が実施された第一印刷部を用いて基材に代用背景を印刷させ、第二印刷工程は、代用背景を背景として基材に補正検査画像を印刷させ、読取工程は、読取部を用いた画像の読み取りの際に基材を支持する基材支持面を備え、基材支持面が第二色と同一色又は第二色と同系色である基材支持部の基材支持面に支持された基材であり、補正検査画像が印刷された基材へ照射した照明光の反射光を読み取る読取方法である。
【0035】
第11態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
【0036】
第11態様において、第2態様から第10態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、印刷装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担う読取方法の構成要素として把握することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、印刷補正がされた第一印刷部を適用して第一色インクを用いて透明の基材に代用背景を印刷する。代用背景の上に、第一色と異なる第二色インクを用いて印刷補正用画像を印刷し、印刷補正用画像の読み取り画像が生成される。これにより、第一色を用いた均一な代用背景を適用した印刷補正用の画像の読み取りが実施され、均一な代用背景の上に印刷された印刷補正用画像について、高品質な読取画像を安定して取得し得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1はインクジェット印刷装置の全体構成図である。
【
図2】
図2はインクジェット印刷装置の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4はインクジェットヘッドの先端部分の構成を示す斜視図である。
【
図7】
図7はイジェクタの立体構造を示す縦断面図である。
【
図9】
図9は基材に印刷された代用背景及び補正検査画像の模式図である。
【
図10】
図10は実施形態に係る読取方法の手順を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は補正後の印刷信号を用いて印刷された印刷画像の説明図である。
【
図14】
図14は白基準面の読取画像及び白基準面の読取信号プロファイルを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明は適宜省略することとする。
【0040】
[インクジェット印刷装置]
〔全体構成〕
図1はインクジェット印刷装置の全体構成図である。インクジェット印刷装置10は、シングルパス方式のインクジェットヘッドを用いて、透明の基材28に画像を印刷するデジタル印刷装置である。本実施形態では、基材28としてプラスチックフィルム等の軟包装を例示する。基材28は単層でもよいし、複数の層を重ね合わせてもよい。基材28はロールトゥロールの連続形態でもよいし、規定の長さにカットされた枚葉の形態でもよい。
【0041】
透明の基材28は、可視光透過率が10パーセント以上の基材を適用し得る。可視光透過率は、JIS7375(2008)に規定される、板状及びフィルム状のプラスチックであって、透明、半透明及び不透明なプラスチックの可視領域における全光線透過率の求め方に準拠した測定結果を適用し得る。
【0042】
可視光透過率は、朝日分光社製透過率測定装置、TLV-304-BPを用いて測定した測定値を適用し得る。同装置のバンドパスフィルタは、光源の波長帯域に応じて設定することが可能である。なお、基材28は、媒体、メディア、シート、フィルム、及び基板等と呼ばれる場合がある。
【0043】
インクジェット印刷装置10は、基材供給部12、第一中間搬送部14、印刷部16、第二中間搬送部18、読取部20、乾燥部22、検品部24、及び集積部26を備える。以下、各部について詳細に説明する。
【0044】
〔基材供給部〕
基材供給部12は基材28を収容する。基材28が連続形態の場合、基材供給部12は基材28が巻かれたロールを収容するロール収容部を備える。基材28が枚葉の形態の場合、基材供給部12は基材28が収容されるトレイを備える。基材供給部12は印刷部16の印刷制御に対応して基材28を第一中間搬送部14へ供給する。基材供給部12は、基材28の姿勢を補正する補正機構を備え得る。
【0045】
〔第一中間搬送部〕
第一中間搬送部14は、基材供給部12から供給された基材28を印刷部16へ受け渡す。第一中間搬送部14は、基材28の形態に応じた公知の構成を適用し得る。なお、基材供給部12から第一中間搬送部14へ向かう矢印線は基材28の搬送方向を表す。
【0046】
〔印刷部〕
印刷部16は、インクジェットヘッド30C、インクジェットヘッド30M、インクジェットヘッド30Y、インクジェットヘッド30K、及びインクジェットヘッド30Wを備える。インクジェットヘッド30C、インクジェットヘッド30M、インクジェットヘッド30Y、インクジェットヘッド30K、及びインクジェットヘッド30Wは、基材28の搬送方向に沿って上流側から、インクジェットヘッド30C、インクジェットヘッド30M、インクジェットヘッド30Y、インクジェットヘッド30K、及びインクジェットヘッド30Wの順に配置される。
【0047】
インクジェットヘッド30Cはシアンインクを吐出する。インクジェットヘッド30Mはマゼンタインクを吐出する。インクジェットヘッド30Yはイエローインクを吐出する。インクジェットヘッド30Kはブラックインクを吐出する。インクジェットヘッド30Wは白色インクを吐出する。
【0048】
白色インクは、白色インク及びホワイトインク等の名称で販売されているインクを表す。白色インクの一例として、白色顔料を含有するインクが挙げられる。また、白色インクは、インクが下地の色の差を覆い隠す度合として表される隠ぺい率を適用して定義し得る。隠ぺい率の例として、ISO/FDIS 6504-3、及びJIS K 5600-4-1等に規定される塗料一般試験方法に規定される隠ぺい率が挙げられる。なお、ISOはInternational Organization for Standardizationの省略語である。また、JISはJapanese Industrial Standardsの省略語である。
【0049】
印刷部16は、透明の基材28にシアンインク等のカラーインクを用いてカラー画像を形成し、白色インクを用いてカラー画像に重ねて背景画像を形成する。基材28を用いて生成された印刷物28Aは、基材28を非印刷面から見るとカラー画像を視認し得る。
【0050】
印刷部16は印刷ドラム32を備える。印刷ドラム32は円筒形状を有する。印刷ドラム32は周面に基材28を支持する基材支持領域を備える。なお、基材支持領域の図示は省略する。
【0051】
印刷ドラム32の回転軸は図示しない駆動機構を介して図示しないモータと接続される。モータを回転させると、印刷ドラム32は矢印線が示す方向へ回転する。印刷ドラム32を回転させると、印刷ドラム32の周面に支持される基材28は、印刷ドラム32の回転方向へ搬送される。
【0052】
基材支持領域は、複数の吸着穴が形成される。複数の吸着穴は規定のパターンに基づき配置される。複数の吸着穴は図示しない吸着流路と連通する。吸着流路は図示しない吸着ポンプと接続される。吸着ポンプを動作させて複数の吸着穴に負圧を発生させることで、基材28は印刷ドラム32の周面に吸着支持される。
【0053】
印刷部16における基材28の搬送形態は、印刷ドラム32を用いた搬送形態に限定されない。例えば、搬送ベルトを用いた搬送形態及び複数のローラを用いた搬送形態などを適用可能である。
【0054】
〔第二中間搬送部〕
第二中間搬送部18は、印刷ドラム32から受け渡された基材28を読取部20へ受け渡す。第二中間搬送部18は、第一中間搬送部14と同様の構成を適用し得る。なお、第二中間搬送部18に示す矢印線は、第二中間搬送部18における基材28の搬送方向を表す。
【0055】
〔読取部〕
読取部20は、第一撮像ユニット40、第一読取搬送ローラ42A、第二読取搬送ローラ42B、及び基準背景部材44を備える。第一撮像ユニット40は、
図1に図示しない第一照明装置及び第一撮像装置を備える。
【0056】
なお、第一照明装置は、符号124を付して
図8に示す。また、第一
撮像装置は、符号126を付して
図8に示す。第一照明装置及び第一撮像装置の詳細は後述する。なお、実施形態に示す第一照明装置は、照明部の一例に相当する。
【0057】
第一読取搬送ローラ42A及び第二読取搬送ローラ42Bは、読取部20において基材28を搬送する読取搬送部を構成する。
【0058】
基準背景部材44は、透明の基材28を支持し、基材28の背景となる背景面44Aを備える。基準背景部材44は、基材28を挟んで第一撮像ユニット40の反対側の位置であり、第一撮像ユニット40の読取領域に対応する位置に配置される。基準背景部材44は、背景面44Aが撮像装置の読取面と対向する位置に配置される。
【0059】
基準背景部材44の背景面44Aは白色が適用される。基準背景部材44の背景面44Aは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを読み取る際に背景として機能し得る色であればよい。例えば、基準背景部材44の背景面44Aは、白色と同系色のグレーを適用し得る。なお、実施形態に示す基準背景部材44は、基材支持部の一例である。実施形態に示す背景面44Aは基材支持面の一例である。実施形態に示す背景面44Aの白色は、第二色と同一色の一例に相当する。
【0060】
本実施形態では、読取搬送部の一例としてローラ搬送方式を例示したが、読取搬送部はベルト搬送方式及びドラム搬送方等の他の方式を適用し得る。
【0061】
〔乾燥部〕
乾燥部22は、印刷物28Aに対して乾燥処理を施す。ここで、印刷物28Aは画像が印刷された状態の基材28を表す。ここでいう画像は、商品となる商品画像及び印刷部16の補正を実施する際に印刷される検査用画像の両者を含み得る。
【0062】
乾燥部22は、ヒータ及びファンを備え、印刷物28Aに温風を吹き付ける構成を適用し得る。乾燥部22は印刷物28Aを搬送する乾燥搬送部を備える。印刷物28Aの搬送形態として、ドラム搬送、ベルト搬送及びローラ搬送など、公知の搬送形態を適用し得る。なお、乾燥部22に示す矢印線は、乾燥部22における印刷物28Aの搬送方向を示す。
【0063】
乾燥部22は、印刷物28Aの姿勢を変更する姿勢変更部を備えてもよい。印刷物28Aの姿勢の変更例として、寝かせた状態を起立した状態へ変更する態様や、印刷物28Aの水平搬送を垂直搬送へ変更する態様が挙げられる。
【0064】
〔検品部〕
検品部24は、乾燥部22から受け渡された乾燥処理済みの印刷物28Aの検品を実施する。検品部24は、第二撮像装置24A及び第二照明装置24Bを備える。第二撮像装置24Aは印刷物28Aの裏面側の位置に配置される。第二照明装置24Bは印刷物28Aの表面側の位置に配置される。
【0065】
第二撮像装置24Aは、第二照明装置24Bから照射された照明光の印刷物28Aを透過した透過光を受光し、印刷物28Aの読取画像を生成する。第二撮像装置24Aは、第一撮像装置126と同様の構成を適用し得る。また、第二照明装置24Bは、第一照明装置124と同様の構成を適用し得る。
【0066】
第二撮像装置24Aを用いて生成された印刷物28Aの読取画像は、印刷物28Aの検品に用いられる。印刷物28Aの検品では、印刷物28Aにおける印刷欠落の有無、傷等の有無、及び色味の適否等を判定する。
【0067】
検品部24は、第一読取ローラ24C及び第二読取ローラ24Dを備える。第一読取ローラ24C及び第二読取ローラ24Dは、検品部24において印刷物28Aを搬送する検品搬送部を構成する。検品部24に示す矢印線は、検品部24における印刷物28Aの搬送方向を示す。なお、印刷物28Aの搬送方向は基材28の搬送方向と同義である。
【0068】
〔集積部〕
集積部26は、検品部24から受け渡された印刷物28Aを収容する。基材28が連続形態の場合、集積部26は印刷物28Aが巻き取られたロールを収容するロール収容部を備える。基材28が枚葉の形態の場合、集積部26は印刷物28Aが収容されるトレイを備える。
【0069】
本実施形態では印刷部16における基材28の搬送に印刷ドラム32を適用する態様を例示したが、印刷部16における基材28の搬送は、ベルト搬送及びローラ搬送等の任意の方式を適用し得る。また、読取部20における基材28の搬送もドラム搬送及びベルト搬送等の任意の方式を適用し得る。読取部20における基準背景部材44の配置等は、基材28の搬送方式に応じて決められる。
【0070】
[機能ブロックの説明]
図2はインクジェット印刷装置の機能ブロック図である。インクジェット印刷装置10は、読取システム100、印刷システム102、メンテナンスシステム104、乾燥システム106、及び搬送システム108を備える。
【0071】
〔読取システム〕
読取システム100は、読取制御ユニット120、第一撮像ユニット40、及び第二撮像ユニット24Eを備える。
図2に示す読取システム100は、
図1に示す読取部20及び検品部24が含まれる。
図2に示す第二撮像ユニット24Eは、
図1に示す第二撮像装置24A及び第二照明装置24Bを備える。
【0072】
読取制御ユニット120は、上位システム110から送信される情報を取得し、取得した情報に基づいて第一撮像ユニット40及び第二撮像ユニット24Eを制御する。すなわち、読取制御ユニット120は、上位システム110から印刷部16の補正を実施する旨を表す補正情報を取得した場合に、第一撮像ユニット40を制御して基材28に印刷された補正検査用画像の読み取りを実施する。読取制御ユニット120は補正検査用画像の読取画像を上位システム110へ送信する。
【0073】
上位システム110は、補正検査用画像の読取画像を用いて印刷部16の補正データを生成する。印刷部16は補正データを用いて補正が実施される。印刷部16の補正の例として、ノズルごとの着弾位置の補正、濃度むら補正、及び色補正等が挙げられる。
【0074】
すなわち、補正検査画像は、印刷部16の補正を実施する際に基材28に印刷される画像である。補正検査画像は、ノズルごとの着弾位置の測定に適用されるノズルチェックパターン、濃度むら測定に適用される濃度パターン、及び色測定に適用される色測定パターン等を含み得る。
【0075】
読取制御ユニット120は、上位システム110から送信された印刷部16の検査を実施する旨を表す検査要求を取得した場合に、第一撮像ユニット40を制御して基材28に印刷された検査用画像の読み取りを実施する。読取制御ユニット120は検査用画像の読取画像を上位システム110へ送信する。
【0076】
上位システム110は、検査用画像の読取画像を用いて、印刷部16の状態を表す検査情報を生成し、検査情報を記憶する。ここでいう印刷部16の検査とは、印刷部16の補正を実施する際に使用されるノズルごとの着弾位置の測定等を表す。
【0077】
印刷部16の検査は、本印刷の実施中に実施し得る。すなわち、本印刷が実施された基材28の余白に検査用画像を印刷し、第一撮像ユニット40を用いて検査用画像を読み取り、検査用画像の読取画像を生成し得る。
【0078】
読取制御ユニット120は、上位システム110から送信された本印刷を実施する旨を表す本印刷要求を取得した場合に、第二撮像ユニット24Eを制御して、印刷部16を用いて印刷が実施され、乾燥部22を用いて乾燥処理が施された印刷物28Aの検品を実施する。
【0079】
読取制御ユニット120は、本印刷がされた印刷物28Aの読取画像を上位システム110へ送信する。上位システム110は、本印刷がされた印刷物28Aの読取画像を用いて印刷物28Aにおける画像欠陥の有無を表す判定結果を生成する。
【0080】
読取制御ユニット120は、上位システム110に対して読取システム100の状態を表す信号を送信し得る。
【0081】
〔印刷システム〕
印刷システム102は、印刷制御ユニット130、及び印刷ユニット132を備える。印刷ユニット132は、インクジェットヘッド30を備える。なお、
図2に示すインクジェットヘッド30は、
図1に示すインクジェットヘッド30C、インクジェットヘッド30M、インクジェットヘッド30Y、インクジェットヘッド30K、及びインクジェットヘッド30Wの総称である。
【0082】
印刷制御ユニット130は、上位システム110から送信される印刷要求、印刷モードの情報、及び印刷パラメータ等を取得し、取得した印刷要求及び印刷モードの情報に応じて、取得した印刷パラメータを用いて印刷ユニット132を制御する。
【0083】
すなわち、印刷制御ユニット130は、色ごとのドット位置及びドットサイズを表すドットデータに基づいて、インクジェットヘッド30の吐出制御を実施する。印刷制御ユニット130は、色変換処理、分版処理、及びハーフトーン処理等の画素ごとの各色の画素値データを色ごとのドットデータに変換する処理を実施する画像処理部を備え、上位システム110から取得した画素ごとの各色の画素値データを色ごとのドットデータに変換してもよい。印刷制御ユニット130は、上位システム110から色ごとのドットデータを取得してもよい。
【0084】
また、印刷制御ユニット130は、補正要求を取得した場合に印刷ユニット132を用いて基材28等に補正検査画像を印刷する。
【0085】
印刷制御ユニット130は、上位システム110に対して、印刷要求に対する応答及び印刷システム102の状態を表す信号等を送信する。
【0086】
印刷制御ユニット130は、補正要求及び検査要求の少なくともいずれかに応じてインクジェットヘッド30の印刷補正を実施する。印刷制御ユニット130は、インクジェットヘッド30の印刷補正パラメータを取得し、印刷補正パラメータに基づいてインクジェットヘッド30の印刷補正を実施する。印刷補正には、むら補正、インク色補正、及び不吐補正等が含まれる。なお、実施形態に示す印刷制御ユニット130は、印刷制御部の一例に相当する。また、実施形態に示す印刷制御ユニット130は、第一印刷補正部及び第二印刷補正部の一例に相当する。
【0087】
〔メンテナンスシステム〕
メンテナンスシステム104は、メンテナンス制御ユニット140及びメンテナンスユニット142を備える。メンテナンス制御ユニット140は、上位システム110から送信されるメンテナンス要求を取得し、取得したメンテナンス要求に応じてメンテナンスユニット142を制御する。
【0088】
メンテナンスユニット142は、インクジェットヘッド30のメンテナンスを実施する。インクジェットヘッド30のメンテナンスの例として、パージ、吸引、及びワイピング等が挙げられる。すなわち、メンテナンスユニット142は、キャップ及びワイピング部材を備える。また、キャップは流路を介して吸引ポンプと接続される。なお、キャップ等の図示は省略する。
【0089】
メンテナンス制御ユニット140は、上位システム110に対して、メンテナンス要求に対する応答及びメンテナンスシステム104の状態を表す信号等を送信する。
【0090】
〔乾燥システム〕
乾燥システム106は、乾燥制御ユニット150及び乾燥ユニット152を備える。乾燥ユニット152は、
図1に示す乾燥部22に具備される。乾燥制御ユニット150は、上位システム110から送信される乾燥処理要求を取得し、取得した乾燥処理要求に応じて乾燥ユニット152を制御する。乾燥制御ユニット150は、上位システム110から送信される乾燥処理パラメータを取得し、取得した乾燥処理パラメータを用いて乾燥ユニット152を制御してもよい。
【0091】
乾燥制御ユニット150は、上位システム110に対して、乾燥処理要求に対する応答及び乾燥システム106の状態を表す信号等を送信する。
【0092】
〔搬送システム〕
搬送システム108は、搬送制御ユニット160及び搬送ユニット162を備える。搬送ユニット162は、
図1に示す第一中間搬送部14、印刷ドラム32、第二中間搬送部18、読取部20において基材28を搬送する読取搬送部、乾燥部22において基材28を搬送する乾燥搬送部、検品部24において基材28を搬送する検品搬送部を含む。
【0093】
搬送制御ユニット160は、上位システム110から送信される搬送要求を取得し、取得した搬送要求に応じて搬送ユニット162を制御する。搬送制御ユニット160は、上位システム110から送信される搬送パラメータを取得し、取得した搬送パラメータを用いて搬送ユニット162を制御してもよい。
【0094】
搬送制御ユニット160は、上位システム110に対して、搬送要求に対する応答及び搬送制御ユニット160の状態を表す信号等を送信する。なお、印刷ドラム32及び
図1に示す印刷ドラム32を制御する印刷ドラム制御部は、印刷システム102の構成要素としてもよい。
【0095】
読取部20における基材搬送部及び基材搬送部を制御する基材搬送制御部は、読取システム100の構成要素としてもよい。乾燥部22における基材搬送部及び基材搬送部を制御する基材搬送制御部は、乾燥システム106の構成要素としてもよい。検品部24における基材搬送部及び基材搬送部を制御する基材搬送制御部は、検品部24の構成要素としてもよい。
【0096】
[制御ユニットのハードウェア構成]
〔全体構成〕
図3は制御ユニットのハードウェア構成を示すブロック図である。制御ユニット200は、
図3に示すハードウェアを用いて規定のプログラムを実行し、各種機能を実現し得る。
図3に示す制御ユニット
200は、
図2に示す読取制御ユニット120、印刷制御ユニット130、メンテナンス制御ユニット140、乾燥制御ユニット150、及び搬送制御ユニット160に適用される。また、読取制御ユニット120等を一つの制御ユニットとして構成してもよい。
【0097】
制御ユニット200は、プロセッサ202、メモリ204、ストレージ装置206、ネットワークコントローラ208、及び電源装置210を備える。また、制御ユニット200は、入出力インターフェース220、ディスプレイコントローラ222、及び入力コントローラ224を備える。
【0098】
プロセッサ202、メモリ204、ストレージ装置206、ネットワークコントローラ208、入出力インターフェース220、ディスプレイコントローラ222、及び入力コントローラ224は、バス212を介してデータ通信が可能に接続される。
【0099】
〔プロセッサ〕
プロセッサ202は、制御ユニット200の全体制御部、各種演算部、及び記憶制御部として機能する。プロセッサ202は、メモリ204に具備されるROM(read only memory)に記憶されるプログラムを実行する。
【0100】
プロセッサ202は、ネットワークコントローラ208を介して外部の記憶装置からダウンロードされたプログラムを実行してもよい。外部の記憶装置は、ネットワーク211を介して制御ユニット200と通信可能に接続されていてもよい。
【0101】
プロセッサ202は、メモリ204に具備されるRAM(random access memory)を演算領域とし、各種プログラムと協働して各種処理を実行する。これにより、制御ユニット200の各種機能が実現される。
【0102】
プロセッサ202は、ストレージ装置206からのデータの読み出し、及びストレージ装置206へのデータの書き込みを制御する。プロセッサ202は、ネットワークコントローラ208を介して、外部の記憶装置から各種データを取得してもよい。プロセッサ202は、取得した各種データを用いて、演算等の各種処理を実行可能である。
【0103】
プロセッサ202は、一つ又は二つ以上のデバイスが含まれてもよい。プロセッサ202の例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びPLD(Programmable Logic Device)等が挙げられる。FPGA及びPLDは、製造後に回路構成を変更し得るデバイスである。
【0104】
プロセッサ202の他の例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。ASICは、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を備える。
【0105】
プロセッサ202は、同じ種類の二つ以上のデバイスを適用可能である。例えば、プロセッサ202は二つ以上のFPGAを用いてもよいし、二つ以上のPLDを用いてもよい。プロセッサ202は、異なる種類の二つ以上のデバイスを適用してもよい。例えば、プロセッサ202は一つ以上のFPGAと一つ以上のASICとを適用してもよい。
【0106】
複数のプロセッサ202を備える場合、複数のプロセッサ202は一つのデバイスを用いて構成してもよい。複数のプロセッサ202を一つのデバイスで構成する一例として、一つ以上のCPU(Central Processing Unit)とソフトウェアとの組合せを用いて一つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数のプロセッサ202として機能する形態がある。なお、本明細書におけるソフトウェアはプログラムと同義である。
【0107】
CPUに代わり又はCPUと併用して、画像処理に特化したデバイスであるGPU(Graphics Processing Unit)を適用してもよい。複数のプロセッサ202が一つのデバイスを用いて構成される代表例として、コンピュータが挙げられる。
【0108】
一つのデバイスを用いて複数のプロセッサ202を構成する他の例として、複数のプロセッサ202を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するデバイスを使用する形態が挙げられる。複数のプロセッサ202を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するデバイスの代表例として、SoC(System On Chip)が挙げられる。なお、ICは、Integrated Circuitの省略語である。
【0109】
このように、プロセッサ202は、ハードウェア的な構造として、各種のデバイスを一つ以上用いて構成される。
【0110】
〔メモリ〕
メモリ204は、図示しないROM、及び図示しないRAMを備える。ROMは、制御ユニット200において実行される各種プログラムを記憶する。ROMは、各種プログラムの実行に用いられるパラメータ、及びファイル等を記憶する。RAMは、データの一時記憶領域、及びプロセッサ202のワーク領域等として機能する。
【0111】
〔ストレージ装置〕
ストレージ装置206は、各種データを非一時的に記憶する。ストレージ装置206は、制御ユニット200の外部に外付けされてもよい。ストレージ装置206に代わり大容量の半導体メモリ装置を適用してもよいし、ストレージ装置206と併用して、大容量の半導体メモリ装置を適用してもよい。
【0112】
〔ネットワークコントローラ〕
ネットワークコントローラ208は、外部装置との間のデータ通信を制御する。データ通信の制御は、データ通信のトラフィックの管理が含まれてもよい。ネットワークコントローラ208を介して接続されるネットワーク211は、LAN(Local Area Network)などの公知のネットワークを適用し得る。
【0113】
〔電源装置〕
電源装置210は、UPS(Uninterruptible Power Supply)などの大容量型の電源装置が適用される。電源装置210は停電等に起因して商用電源が遮断された際に、制御ユニット200へ電源を供給する。
【0114】
〔入出力インターフェース〕
入出力インターフェース220は、制御ユニット200と外部機器とを通信可能に接続する。入出力インターフェース220は、USB(Universal Serial Bus)などの通信規格を適用し得る。
【0115】
〔ディスプレイコントローラ〕
ディスプレイコントローラ222は、プロセッサ202から送信される指令信号に基づいて表示装置230を制御するディスプレイドライバーとして機能する。
【0116】
〔入力コントローラ〕
入力コントローラ224は、入力装置232を用いて入力された信号の形式を制御ユニット200の処理に適した形式に変換する。入力コントローラ224を介して入力装置232から入力された情報は、プロセッサ202を介して各部へ送信される。
【0117】
なお、
図3に示す制御ユニット200のハードウェア構成は一例であり、適宜、追加、削除、及び変更が可能である。また、上位システム110は、
図3に示す制御ユニット200と同様の構成を適用し得る。
【0118】
[インクジェットヘッドの構成例]
〔インクジェットヘッドの全体構成〕
図4はインクジェットヘッドの先端部分の構成を示す斜視図である。インクジェットヘッド30は、基材28の幅方向に関して、基材28の全記録領域について一回の走査を実施して、規定の記録解像度による画像記録が可能なノズル列を有するライン型のインクジェットヘッドである。このようなインクジェットヘッドはフルライン型のインクジェットヘッド、又はページワイドヘッドとも呼ばれる。
【0119】
インクジェットヘッド30の先端部分はノズル面30Aを有する。ノズル面30Aは、インクを吐出するノズルのノズル開口が形成される。インクジェットヘッド30の先端部分とは、インクジェットヘッド30におけるインクを吐出させる側の端が含まれる。
【0120】
インクジェットヘッド30は、複数のヘッドモジュール34を、長手方向に沿って一列に繋ぎ合わせた構造を有している。ヘッドモジュール34は、支持フレーム36に取り付けられて一体化される。各ヘッドモジュール34は、電気接続用ケーブル35が接続される。
【0121】
〔ノズル配置〕
図5はノズル面の一部拡大図である。ヘッドモジュール34のノズル面30Aは、平行四辺形状とされる。支持フレーム36の両端は、ダミープレート38が取り付けられる。インクジェットヘッド30のノズル面30Aは、ダミープレート38の表面38Aと合わせて、全体として長方形の形状となる。
【0122】
ヘッドモジュール34のノズル面30Aの中央部分には、帯状のノズル配置部37が備えられる。ノズル配置部37は、実質的なノズル面30Aとして機能する。ノズルはノズル配置部37に備えられる。なお、
図5ではノズルを個別に図示せず、複数のノズルから構成されるノズル列39を図示する。
【0123】
図6はノズル配置部の平面図である。符号Yは基材28の搬送方向を表す。符号Xは基材28の幅方向を表す。ヘッドモジュール34のノズル面30Aには、二次元配置が適用されて複数のノズル開口39Aが配置される。
【0124】
ヘッドモジュール34は、基材28の幅方向に対して角度βの傾きを有するV方向に沿った長辺側の端面と、基材28の搬送方向に対して角度αの傾きを持つW方向に沿った短辺側の端面とを有する平行四辺形の平面形状とされる。
【0125】
ヘッドモジュール34は、V方向に沿う行方向、及びW方向に沿う列方向について、複数のノズル開口39Aがマトリクス配置される。ノズル開口39Aは、基材28の幅方向に沿う行方向、及び基材28の幅方向に対して斜めに交差する列方向に沿って配置されてもよい。
【0126】
複数のノズルがマトリクス配置されるインクジェットヘッドの場合、マトリクス配置における各ノズルをノズル列方向に沿って投影した投影ノズル列は、ノズル列方向について最大の記録解像度を達成するノズル密度で各ノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。投影ノズル列は、二次元ノズル配列における各ノズルをノズル列方向に沿って正射影したノズル列である。
【0127】
概ね等間隔とは、インクジェット印刷装置10において記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差、及び着弾干渉による基材上での液滴の移動の少なくともいずれか一方を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も、等間隔の概念に含まれる。投影ノズル列は実質的なノズル列に相当する。投影ノズル列を考慮すると、ノズル列方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、各ノズルにノズル位置を表すノズル番号を対応付けることができる。
【0128】
インクジェットヘッド30のノズルの配列形態は限定されず、様々なノズル配列の形態を採用することができる。例えば、マトリクス状の二次元配列の形態に代えて、一列の直線配列、V字状のノズル配列、及びV字状配列を繰り返し単位とするW字状などのような折れ線状のノズル配列なども可能である。
【0129】
〔イジェクタの構成例〕
図7はイジェクタの立体構造を示す縦断面図である。イジェクタ50は、ノズル開口39A、ノズル開口39Aに通じる圧力室51、及び圧電素子52を備える。
【0130】
ノズル開口39Aは、ノズル流路53を介して圧力室51と通じる。圧力室51は個別供給路54を介して供給側共通支流路55に通じている。
【0131】
圧力室51の天面を構成する振動板56は、圧電素子52の下部電極に相当する共通電極として機能する導電層を備える。なお、導電層の図示は省略する。圧力室51、その他の流路部分の壁部、及び振動板56などはシリコンによって作製することができる。
【0132】
振動板56の材質はシリコンに限らず、樹脂などの非導電性材料によって形成する態様も可能である。振動板56自体をステンレス鋼などの金属材料によって構成し、共通電極を兼ねる振動板としてもよい。
【0133】
振動板56に対して圧電素子52が積層された構造により、圧電ユニモルフアクチュエータが構成される。圧電素子52の上部電極である個別電極57に駆動電圧を印加して圧電体60を変形させ、振動板56を撓ませて圧力室51の容積を変化させる。圧力室51の容積変化に伴う圧力変化がインクに作用して、ノズル開口39Aからインクが吐出される。
【0134】
インク吐出後に圧電素子52が元の状態に戻る際に、供給側共通支流路55から個別供給路54を通って新しいインクが圧力室51に充填される。圧力室51にインクが充填される動作をリフィルという。
【0135】
圧力室51の平面視形状については、特に限定はなく、四角形その他の多角形、円形、及び楕円形など、様々な形態があり得る。
図7に示すカバープレート58は圧電素子52の可動空間59を保し、かつ、圧電素子52の周囲を封止する部材である。
【0136】
カバープレート58の上方には、図示しない供給側インク室、及び回収側インク室が形成される。供給側インク室は、図示しない連通路を介して、図示しない供給側共通本流路に連結される。回収側インク室は、図示しない連通路を介して、図示しない回収側共通本流路に連結されている。
【0137】
なお、本実施形態では、インクジェットヘッド30としてライン型ヘッドを適用する態様を例示したが、インクジェットヘッド30はシリアル型を適用し得る。また、本実施形態ではインクジェットヘッド30の吐出方式としてピエゾジェット方式を例示したが、インクジェットヘッド30はサーマル方式等の他の吐出方式を適用し得る。
【0138】
[読取部の構成]
図8は読取部の構成例を示す模式図である。同図に示す読取部20は、第一撮像ユニット40、第一読取搬送ローラ42A、第二読取搬送ローラ42B、及び基準背景部材44を備える。第一撮像ユニット40は、第一照明装置124及び第一撮像装置126を備える。
【0139】
第一照明装置124は、LED照明装置等の任意の照明装置を適用し得る。なお、LEDはLight Emitting Diodeの省略語である。第一照明装置124は反射系に対応した照明であり、基材28の表面28Bの側の位置に配置される。換言すると、第一照明装置124は基材28に対して第一撮像ユニット40と同じ側の位置に配置される。
【0140】
第一撮像装置126は、第一照明装置124から印刷物28Aに照射された照明光の反射光を受光する。第一撮像装置126は、複数の読取素子が規定の配置に基づき並べられたラインセンサが適用される。
【0141】
第一撮像装置126は、基材28の幅方向について基材28の全幅に対応する長さに渡って、複数の読取素子が一列に並べられたラインセンサを適用し得る。第一撮像装置126は、複数のラインセンサをジグザクに配置して、基材28の幅方向について基材28の全幅に対応する構成を適用してもよい。
【0142】
第一撮像装置126は、基材28の全幅に満たない長さに渡って複数の読取素子が並べられたラインセンサを適用し、基材28の幅方向について基材28と相対移動して、基材28の幅方向について基材28の全幅の読み取りを実施してもよい。かかる構成では、第一撮像装置126及び基材28の少なくともいずれかを移動させる相対移動部を備える。
【0143】
ここで、基材28の幅方向は、基材28の搬送方向と直交し、かつ、基材28の印刷対象の面と平行となる方向である。本明細書における直交という用語には、二つの方向が90度未満又は90度を超える角度で交差する場合であっても、二つの方向が90度で交差する場合と同様の作用効果を得ることが可能な、実質的な直交を含み得る。
【0144】
また、平行という用語には、二つの方向が交差する場合であっても、二つの方向が平行な場合と同様の作用効果を得ることが可能な、実質的な平行を含み得る。
【0145】
読取素子は、CCDイメージセンサを適用してもよいし、CMOSイメージセンサを適用してもよい。なお、CCDはCharge Coupled Deviceの省略語である。また、CMOSはComplementary Metal Oxide Semiconductorの省略語である。
【0146】
基準背景部材44は、図示しない支持部材を用いて規定の位置に規定の姿勢で支持される。基準背景部材44は、背景面44Aが白色の塗装が施された金属板及び樹脂板を適用し得る。基材28の幅方向における基準背景部材44の長さは、基材28の全幅以上である。基準背景部材44は、基材28の幅方向について、複数の板状部材をつなぎ合わせて構成してもよい。
【0147】
基準背景部材44の基材28の搬送方向における長さは、基材28の搬送速度、及び第一撮像装置126の読取周期に応じて決められる。基準背景部材44は、基材28の裏面28Cと接触しない程度に基材28の裏面28Cに近接させて配置される。ここでいう基材28の搬送速度は、基材28の搬送速度の絶対値として表される基材28の速さと読み替えが可能である。
【0148】
[読取部を用いた読取方法の概要]
読取部20が、反射系読取システム及び透過系読取システムの両者を備える場合、読取部20は大規模なシステムになってしまうという欠点、及び白色インクを用いた画像は透過系読取システムのみを用いることができるという欠点が存在する。上記の欠点を解決するために、基準背景として白色背景の読取領域を備え、基準背景を用いてブラックインクに対応するインクジェットヘッド30Kの補正を実施する。
【0149】
図9は基材に印刷された代用背景及び補正検査画像の模式図である。同図に示す基材28は、補正したインクジェットヘッド30Kを用いて基材28に代用背景300が印刷され、代用背景300の上に白色インクを用いて白色インクの補正検査画像302が印刷される。
【0150】
代用背景300はブラックインクを用いたべた画像を適用し得る。なお、べた画像は、基材28のインク被覆率が100パーセント未満の場合を含み得る。白色インクの補正検査画像302は、インクジェットヘッド30Wのノズルごとの着弾位置測定用のノズルチェックパターン304、及び白色インクの印刷むら測定用のパッチ306を含み得る。
【0151】
次に、第一撮像装置126を用いて補正検査画像302を読み取り、補正検査画像302の読取画像が生成される。このようにして、白色の背景面44Aを有する基準背景部材44を備える場合における白色インクの読み取りに、反射系読取システムを適用することができ、高品質白色インクの読取画像を安定して生成し得る。
【0152】
反射系読取システムを適用して、透明の基材28を用いた印刷物28Aの読み取りを実施する際に、検査対象のインクの色及び補正対象のインクの色と、印刷物28Aの基準背景の色及び代用背景の色との関係が重要であることは記述のとおりである。
【0153】
また、基準背景の色及び代用背景の色の均一性も、反射系読取システムを適用して、透明の印刷物28Aの読み取りを実施する際の重要な要素である。基準背景及び代用背景に突起及び穴等が存在する場合、印刷物28Aの読取画像に突起等が写り込み、正常な検査及び正常な補正が困難となり得る。
【0154】
代用背景の印刷は補正後のインクジェットヘッド30Kが適用されるので、代用背景の均一性は、補正後のインクジェットヘッド30Kの印刷精度に大きく影響される。すなわち、代用背景の均一性は、代用背景の印刷に適用されるインクジェットヘッド30Kの品質及び仕様等に応じて決められる。
【0155】
[読取方法の手順]
図10は実施形態に係る読取方法の手順を示すフローチャートである。ブラックインクヘッド補正工程S10では、
図2に示す上位システム110は、
図1に示すインクジェットヘッド30Kの補正に用いられる補正検査画像302のデータを生成する。
【0156】
すなわち、ブラックインクヘッド補正工程S10では、印刷制御ユニット130は、インクジェットヘッド30Kを用いて基材28へブラックインクの補正検査画像302を印刷する。次に、印刷制御ユニット130は、第一撮像ユニット40を用いてブラックインクの補正検査画像を読み取り、ブラックインクの補正検査画像の読取画像を生成する。
【0157】
印刷制御ユニット130は、上位システム110へブラックインクの補正検査画像の読取画像を送信する。上位システム110は、ブラックインクの補正検査画像の読取画像に基づいて、インクジェットヘッド30Kに適用されるブラックインク補正データを生成する。
【0158】
上位システム110は、ブラックインク補正データを印刷制御ユニット130へ送信する。印刷制御ユニット130は、ブラックインク補正データを適用して、インクジェットヘッド30Kの補正を実施する。ブラックインクヘッド補正工程S10の後に代用背景印刷工程S12へ進む。なお、ブラックインクヘッド補正工程S10は、白色インクの読み取りの事前に実施されていてもよい。
【0159】
代用背景印刷工程S12では、印刷制御ユニット130はインクジェットヘッド30Kを用いて基材28へ代用背景300を印刷する。代用背景印刷工程S12の後に補正検査画像印刷工程S14へ進む。なお、実施形態に示す代用背景印刷工程S12は、第一印刷工程の一例に相当する。
【0160】
補正検査画像印刷工程S14では、印刷制御ユニット130は、インクジェットヘッド30Wを用いて代用背景300の上に白色インクの補正検査画像302を印刷する。補正検査画像印刷工程S14の後に補正検査画像読取工程S16へ進む。なお、実施形態に示す補正検査画像印刷工程S14は、第二印刷工程の一例に相当する。
【0161】
補正検査画像読取工程S16では、読取制御ユニット120は、第一撮像ユニット40を用いて補正検査画像302の読み取りを実施し、補正検査画像302の読取画像を生成する。補正検査画像読取工程S16の後に読取画像記憶工程S18へ進む。
【0162】
なお、実施形態に示す補正検査画像読取工程S16は、読取工程の一例に相当する。また、実施形態に示す補正検査画像読取工程S16は、構成要素として照明工程を含み得る。
【0163】
読取画像記憶工程S18では、読取制御ユニット120は補正検査画像302の読取画像を記憶する。読取画像記憶工程S18の後に読取画像送信工程S20へ進む。なお、読取画像記憶工程S18と読取画像送信工程S20との順序を入れ替えてもよい。
【0164】
読取画像送信工程S20では、読取制御ユニット120は、上位システム110へ補正検査画像302の読取画像を送信する。読取画像送信工程S20の後に読取終了判定工程S22へ進む。
【0165】
読取終了判定工程S22では、読取制御ユニット120は、上位システム110から補正検査画像302の読取画像を受信した旨の情報を取得したか否かを判定する。上位システム110から補正検査画像302の読取画像を受信した旨の情報を取得していない場合はNo判定となり、読取終了判定工程S22においてYes判定となるまで、読取終了判定工程S22を継続する。
【0166】
一方、読取終了判定工程S22において、読取制御ユニット120が上位システム110から補正検査画像302の読取画像を受信した旨の情報を取得したと判定した場合はYes判定となり、読取制御ユニット120は読取方法を終了する。
【0167】
[代用背景印刷手順の変形例]
本実施形態に示す読取方法では、基準背景部材44の背景面44Aを用いて補正をしたインクジェットヘッド30Kから吐出させたブラックインクを用いた代用背景300の上に白色インクを用いて補正検査画像302を印刷し、補正検査画像302の読み取りを実施した。すなわち、代用背景300と補正検査画像302との印刷順序は、ブラックインク、白色インクの順となる態様が好ましい。つまり、まずは、ブラックインクを用いた補正検査画像302の印刷、及び基準背景部材44の背景面44Aを用いたブラックインクの補正検査画像302の読み取りを実施する。そして、ブラックインクを用いた代用背景300の印刷、白色インクを用いた補正検査画像302の印刷、及び白色インクを用いた補正検査画像302の読み取りを実施するという流れになる。
【0168】
但し、印刷順序は必ずしも上記の順序でなくてもよい。例えば、基材28の搬送を
図1に示す搬送方向と逆方向に搬送して基材28を巻き戻す等の対応を実施した場合、印刷順序を変更することが可能である。
【0169】
代用背景300を印刷した後であり補正検査画像302の印刷前に、代用背景300を乾燥させる代用背景乾燥工程を実施することで、代用背景300の上に補正検査画像302を印刷した際に、代用背景300と補正検査画像302との混合を防止し得る。
【0170】
代用背景300と補正検査画像302との混合を防止し得る他の態様として、基材28の表面28Bに代用背景300を印刷し、基材28の裏面28Cに補正検査画像302を印刷する態様が挙げられる。
【0171】
[代用背景及び補正検査画像のインク色]
本実施形態では、ブラックインクを用いて代用背景300を印刷する態様を例示したが、代用背景300に適用されるインクの色は、補正検査画像302の読み取りの際に補正検査画像302が代用背景300と区別できる色であれば、ブラックに限定されない。
【0172】
例えば、シアンインク及びマゼンタインク等のプロセスカラーインクを用いて代用背景300を印刷してもよい。また、ブラックインクに代わり、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを混合して代用背景300を印刷してもよい。
【0173】
補正検査画像302の色もまた、ホワイトインクに限定されない。補正検査画像302の色は、補正検査画像302の読み取りの際に補正検査画像302が代用背景300と区別できる色であればよい。
【0174】
すなわち、補正検査画像302の読み取りの際に補正検査画像302が代用背景300と区別できる色であれば、代用背景300の色と補正検査画像302のとは任意の組み合わせが可能である。
【0175】
代用背景300に適用されるインクと補正検査画像302に適用されるインクとは、読取部20を用いた読取信号値の差が10パーセント以上となるインクを適用し得る。例えば、代用背景300にブラックインクを適用した場合、ブラックインクと同量のインクを付与した場合に、読取部20を用いた読取信号値の差が10パーセント以上となるインクを補正検査画像302に適用し得る。
【0176】
Rチャンネル、Gチャンネル、及びBチャンネルのそれぞれの信号値が、0から1023までの値で表されるCCDを読取部20に適用した場合を考える。ブラックインクを用いた代用背景の読取値は各チャンネルとも0となる。補正検査画像302のRチャンネル、Gチャンネル、及びBチャンネルの少なくともいずれかの読取信号値が102以上となるインクを補正検査画像302に適用し得る。ここで、読取信号値の102という値は、計算値である102.3の小数点第一位の値を切り捨てた値である。
【0177】
なお、実施形態に示すブラックは黒色に相当する。実施形態に示すブラックは第一色の一例に相当する。実施形態に示すブラックインクは第一インクの一例に相当する。実施形態に示す白は第二色の一例に相当する。実施形態に示す白色インクは第二インクの一例に相当する。
【0178】
また、実施形態に示すインクジェットヘッド30Kは、第一印刷部の一例に相当する。実施形態に示すインクジェットヘッド30Wは、第二印刷部の一例に相当する。
【0179】
[基準背景部材の背景面の色]
基準背景部材44の背景面44Aの色は、代用背景300の印刷に適用される色の読み取りが可能であれば、白色に限定されない。但し、複数の色に対して一つの基準背景部材44を用いて対応する場合は、基準背景部材44の背景面44Aの色は白色が好ましい。
【0180】
[作用効果]
上記の如く構成されたインクジェット印刷装置10及び読取方法によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
【0181】
〔1〕
透明の基材28に対して、印刷補正が実施されたインクジェットヘッド30Kからブラックインクを吐出させて、代用背景300を印刷する。代用背景300を背景として白色インクの補正検査画像302を印刷する。第一撮像ユニット40を用いて補正検査画像302の読み取りを実施し、補正検査画像302の読取画像を生成する。これにより、高品質な補正検査画像302の読取画像を安定して取得し得る。また、代用背景300はむら補正等が実施されたインクジェットヘッド30Kからブラックインクが適用される。これにより、均一な単一色の代用背景300を背景とする補正検査画像302を生成し得る。
【0182】
〔2〕
印刷補正は、濃度むら補正が適用される。これにより、印刷幅方向における濃度むら等の発生が抑制された均一な単一色の代用背景を印刷し得る。
【0183】
〔3〕
基準背景として、基準背景部材44の背景面44Aが適用される。これにより、基準背景部材44とは別に、代用背景300に適用されるインクを補正する際の基準部材を備える必要がない。また、補正検査画像302の補正に適用される読取部20を用いて、代用背景300に適用されるインクの読み取りを実施し得る。
【0184】
〔4〕
基準背景部材44の背景面44Aと同一色及び同系色のインクを補正検査画像302とし得る。これにより、基準背景部材44の背景面44Aと同一色及び同系色のインクは、他のインクと同じ印刷方式を適用し得る。
【0185】
[印刷補正の具体例]
〔濃度むら補正〕
インクジェットヘッド30は、ノズルごとの印刷特性にばらつきが生じる。ノズルごとの印刷特性のばらつきに対して対処をせずに印刷を実施した場合、ノズルごとのインク吐出量のばらつき、ノズルごとのインク着弾位置のばらつき、及びノズルごとのインク濃度のばらつきなどの影響を受け、印刷画像に濃度むらが生じる。以下に、ブラックインクの濃度むら補正について説明する。
【0186】
図11は濃度むら補正の説明図である。
図11の符号400は補正前の印刷信号を示す。印刷信号400は、横軸を印刷幅方向位置xとし、縦軸を印刷信号値S(x)とするグラフを用いて表す。なお、印刷幅方向位置は、印刷における基材28の幅方向の位置を表す。印刷幅方向位置は各ノズルの位置に対応している。
【0187】
符号402は印刷信号400を用いて印刷した印刷サンプル画像を示す。印刷サンプル画像402は単一色のべた画像である。符号404は印刷サンプル画像402の読取画像を示す。符号406は読取画像404の読取データプロファイルを表す。読取データプロファイル406は、横軸を読取幅方向位置xとし、縦軸を読取信号値P(x)とするグラフを用いて表す。なお、読取幅方向位置は、読み取りにおける基材28の幅方向の位置を表す。読取幅方向位置は印刷幅方向に対応している。
【0188】
まず、印刷幅方向について一定の信号値を有する印刷信号400を用いて印刷サンプル画像402を印刷する。印刷サンプル画像402は印刷幅方向について濃度むらが発生する。印刷サンプル画像402の読取画像404は、印刷サンプル画像402と同様に読取幅方向について濃度むらが発生する。
【0189】
読取画像404の読取幅方向位置について、読取搬送方向の各位置における読取信号値の平均値を算出して読取信号値P(x)として、読取データプロファイル406を作成する。
【0190】
図12は補正係数導出の説明図である。
図12に示す符号410は読取信号値の目標値P
targetを表す。むら補正係数I(x)は、読取信号値P(x)及びP
targetを用いて、式1を用いて表される。
【0191】
I(x)=P
target/P(x) …式1
図13は補正後の印刷信号を用いて印刷された印刷画像の説明図である。印刷信号420は、横軸を印刷幅方向位置xとし、縦軸を印刷信号値S(x)とするグラフを用いて表す。同図に示す符号422は、
図11に示す補正前の印刷信号400の印刷信号値を表す。
【0192】
補正後の印刷信号420は、補正前の印刷信号400の印刷信号値S(x)に対して、むら補正係数I(x)を乗算して生成される。補正後の印刷信号420を用いて生成された印刷画像430は、印刷幅方向位置における濃度むらが抑制され、均一なべた画像となっている。
【0193】
本実施形態ではブラックインクの濃度むら補正を例示したが、本実施形態に示す濃度むら補正はシアン等の他の色の濃度むら補正にも適用可能である。また、本実施形態に示す濃度むら補正は一例であり、他の方式を適用してもよい。
【0194】
インクジェット印刷装置10は、インクジェットヘッド30C、インクジェットヘッド30M、インクジェットヘッド30Y、インクジェットヘッド30K、及びインクジェットヘッド30Wのそれぞれについて、むら補正係数が導出される。
【0195】
インクジェット印刷装置10は、インクジェットヘッド30C等のそれぞれのむら補正係数を記憶するむら補正係数記憶部を備える。むら補正係数記憶部は、印刷システム102に具備されてもよいし、上位システム110に具備されてもよい。
【0196】
[シェーディング補正]
〔シェーディング補正の概要〕
次に、シェーディング補正について説明する。ラインセンサを用いた印刷物28Aの読み取りでは、読み取りの実施前にラインセンサ単体を用いて、白基準面等を用いたシェーディング補正を実施する。これにより、ラインセンサの読取素子ごとのばらつき、及び照明装置のばらつきを補正し得る。
【0197】
しかし、ラインセンサ単体を用いたシェーディング補正では、補正が十分でないことがあり得る。紙媒体を用いた印刷物を読み取る場合は、紙媒体の地の部分を読み取って紙白シェーディング補正が実施される。基準背景部材44の背景面44Aを用いた読み取りの場合は、紙媒体の代用として基準背景部材44の背景面44Aを読み取り、基準背景部材44の背景面44Aの読取データに基づいてシェーディング補正が実施される。
【0198】
代用背景300を用いた読み取りの場合は、代用背景300の面内における濃度むら補正を実施した際に取得したむら補正係数I(x)のうち最新のものをシェーディング補正係数として代用し得る。また、代用背景300を印刷する際に代用背景300を読み取り、代用背景300の読取データをシェーディング補正係数とし得る。
【0199】
インクジェット印刷装置10は、基準背景部材44の背景面44Aの読取データに基づいて導出された基準背景シェーディング補正係数、及び代用背景300の読取データに基づいて導出された代用背景シェーディング補正係数が導出される。
【0200】
インクジェット印刷装置10は、基準背景シェーディング補正係数を記憶する基準背景シェーディング補正係数記憶部、及び代用背景シェーディング補正係数を記憶する代用背景シェーディング補正係数記憶部を備える。
【0201】
基準背景シェーディング補正係数記憶部及び代用背景シェーディング補正係数記憶部は、読取システム100に具備されてもよいし、上位システム110に具備されてもよい。基準背景シェーディング補正係数記憶部及び代用背景シェーディング補正係数記憶部は、それぞれについて個別の記憶装置を適用してもよいし、一つの記憶装置を適用してもよい。
【0202】
〔シェーディング補正の具体例〕
図14は白基準面の読取画像及び白基準面の読取信号プロファイルを示す説明図である。
図8に示す第一撮像装置126を用いた印刷物28Aの読み取りを実施する際に、基準背景部材44の背景面44Aを用いて読取素子の感度ばらつき等を補正する。なお、紙媒体を用いる場合は紙媒体の地を適用してもよい。
【0203】
透明の基材28を用いる場合は、基材28から紙白を取得することができないので、紙媒体の地に代わり、印刷画像の背景など印刷画像の白地領域を適用してもよい。シェーディング補正の処理は、読取対象物が紙媒体の地であるか、印刷画像の白地領域であるかに依存せずに同様の処理を適用し得る。
【0204】
白基準面の読取画像500は、第一撮像装置126を用いて、基準背景部材44の背景面44Aの読み取りを実施して取得した。第一撮像装置126の読取素子ごとの感度のばらつきに起因するむらが発生している。
【0205】
図14には、横軸を読取幅方向位置xとし、縦軸を読取信号値V(x)としたグラフ形式を用いて読取データプロファイル510を表す。読取データプロファイル510は、白基準面の読取画像500の読取幅方向の各位置について読取搬送方向の信号値の平均値を算出し、読取幅方向の位置ごとの信号値として導出される。
【0206】
図15はシェーディング補正係数の説明図である。
図15には、横軸を読取幅方向位置とし、縦軸を読取信号値V(x)とするグラフ520を示す。符号522はシェーディング補正前の読取信号値を表す。
【0207】
読取幅方向の各位置について、式2を用いて表されるシェーディング補正係数Gsad(x)を算出する。式2におけるVmeanは、読取幅方向の各位置xにおける読取信号値V(x)の平均値である。平均値Vmeanは符号524を付して同図に図示する。
【0208】
Gsad(x)=Vmean/V(x) …式2
読取画像500の画素値をZ(x,y)とし場合、シェーディング補正後の画素値Zsad(x,y)は、式3を用いて表される。
【0209】
Zsad(x,y)=Gsad(x)×Z(x,y) …式3
読取画像の各画素の画素値Z(x,y)に対して式3を適用して、シェーディング補正後の各画素の画素値が算出される。なお、本実施形態に示すシェーディング補正は一例であり、他の方式を適用してもよい。
【0210】
インクジェット印刷装置10は、基準背景シェーディング補正係数を用いてシェーディング補正を実施する第一シェーディング補正部、及び代用背景シェーディング補正係数を用いてシェーディング補正を実施する第二シェーディング補正部を備える。
図2に示す読取制御ユニット120は、第一シェーディング補正及び第二シェーディング補正部として機能し得る。
【0211】
[インクジェット方式以外の印刷装置への適用例]
本実施形態では、インクジェット方式の印刷装置を例示したが、本実施形態に示す読取方法は、電子写真方式などの印刷素子を用いて色材を基材へ付着させる他の方式の印刷装置にも適用可能である。
【0212】
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0213】
10 インクジェット印刷装置
12 基材供給部
14 第一中間搬送部
16 印刷部
18 第二中間搬送部
20 読取部
22 乾燥部
24 検品部
24A 第二撮像装置
24B 第二照明装置
24C 第一読取ローラ
24D 第二読取ローラ
24E 第二撮像ユニット
26 集積部
28 基材
28A 印刷物
28B 表面
28C 裏面
30 インクジェットヘッド
30A ノズル面
30C インクジェットヘッド
30M インクジェットヘッド
30Y インクジェットヘッド
30K インクジェットヘッド
30W インクジェットヘッド
32 印刷ドラム
34 ヘッドモジュール
35 電気接続用ケーブル
36 支持フレーム
37 ノズル配置部
38 ダミープレート
38A 表面
39 ノズル列
39A ノズル開口
40 第一撮像ユニット
42A 第一読取搬送ローラ
42B 第二読取搬送ローラ
44 基準背景部材
44A 背景面
50 イジェクタ
51 圧力室
52 圧電素子
53 ノズル流路
54 個別供給路
55 供給側共通支流路
56 振動板
57 個別電極
58 カバープレート
59 可動空間
60 圧電体
100 読取システム
102 印刷システム
104 メンテナンスシステム
106 乾燥システム
108 搬送システム
110 上位システム
120 読取制御ユニット
130 印刷制御ユニット
132 印刷ユニット
140 メンテナンス制御ユニット
142 メンテナンスユニット
150 乾燥制御ユニット
152 乾燥ユニット
160 搬送制御ユニット
162 搬送ユニット
200 制御ユニット
202 プロセッサ
204 メモリ
206 ストレージ装置
208 ネットワークコントローラ
210 電源装置
211 ネットワーク
212 バス
220 入出力インターフェース
222 ディスプレイコントローラ
224 入力コントローラ
230 表示装置
232 入力装置
300 代用背景
302 補正検査画像
304 ノズルチェックパターン
306 パッチ
400 補正前の印刷信号
402 印刷サンプル画像
404 読取画像
406 読取データプロファイル
410 読取信号値の目標値
420 補正後の印刷信号
422 補正前の印刷信号の印刷信号値
430 むら補正後の印刷画像
500 白基準面の読取画像
510 読取データプロファイル
520 シェーディング補正係数を説明するグラフ
522 シェーディング補正前の読取信号値
524 読取信号値の平均値
S10からS22 読取方法の各工程