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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】CMP装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/30 20120101AFI20221107BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
B24B37/30 E
H01L21/304 622K
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018100079
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019202397
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】永井 大智
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-200068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/30
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアと該キャリアの下方に離間して設けられたメンブレンフィルムとの間に供給された圧縮空気で前記メンブレンフィルムが膨張してウェハ全面を押圧するとともに、前記キャリアの下面に圧縮空気で膨張自在に設けられた複数のゾーンが前記メンブレンフィルムを局所的に押圧して、前記ウェハを研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置であって、
前記メンブレンフィルムは、PEEK樹脂製であり、
以下の数式で算出される前記メンブレンフィルムの曲げ剛性が0.66に設定されていることを特徴とするCMP装置。
【数1】
但し、D:メンブレンフィルムの曲げ剛性[kgf・mm]、E:メンブレンフィルムのヤング率[kgf/mm^2]、t:メンブレンフィルムの厚み[mm]、ν:メンブレンフィルムのポアソン比とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェハをCMP研磨するCMP装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造分野では、シリコンウェハ等の半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)を平坦化するCMP装置が知られている。
【0003】
特許文献1記載の研磨装置は、化学的機械的研磨、いわゆるCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術を適用した研磨装置である。この研磨装置では、研磨ヘッドが、キャリアとリテーナリングに周縁を保持された弾性シートとの隙間に形成されたエア室のエア圧でウェハを研磨布に押し付けて研磨する。また、この研磨装置では、キャリアの下面に複数のエアバッグを設けることにより、ウェハの研磨量を局所的に変化させている。
【0004】
この研磨装置では、ウェハに作用する研磨圧力は、エア室内のエア圧に応じて弾性シートがウェハを押圧する圧力及びエアバッグ内のエア圧に応じてエアバッグが弾性シートを押圧する圧力を合算したものである。また、隣り合うエアバッグの境界では、エアバッグが弾性シートを押圧しない分だけ圧力降下が発生するが、ウェハ自体の剛性によって、圧力変化が吸収されて、ウェハに作用する圧力はウェハ全面において連続し、緩やかに変化する研磨形状を得るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3683149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したようなCMP装置では、ウェハが薄くなる等してウェハの剛性が低下すると、隣り合うエアバッグの境界での圧力低下が緩和されず、ウェハに作用する研磨圧力における圧力変化が顕著になり、緩やかに変化する研磨形状を得ることが難しいという問題があった。
【0007】
そこで、ウェハの剛性にかかわらず、緩やかに変化する研磨形状を得るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るCMP装置は、キャリアと該キャリアの下方に離間して設けられたメンブレンフィルムとの間に供給された圧縮空気で前記メンブレンフィルムが膨張して前記ウェハ全面を押圧するとともに、前記キャリアの下面に圧縮空気で膨張自在に設けられた複数のゾーンが前記メンブレンフィルムを局所的に押圧して、前記ウェハを研磨パッドに押し付けて研磨するCMP装置であって、前記メンブレンフィルムは、PEEK樹脂製であり、以下の数式で算出される前記メンブレンフィルムの曲げ剛性が0.66に設定されている。
【数1】
但し、D:メンブレンフィルムの曲げ剛性[kgf・mm]、E:メンブレンフィルムのヤング率[kgf/mm^2]、t:メンブレンフィルムの厚み[mm]、ν:メンブレンフィルムのポアソン比とする。
【0009】
この構成によれば、高剛性のメンブレンフィルムが、隣り合うゾーンの境界において生じがちな圧力降下を吸収することにより、ウェハに作用する圧力がウェハ全面において連続し、緩やかに変化する研磨形状を得ることができる。
【0013】
また、メンブレンフィルムがPEEK樹脂製であることにより、入手し易く、良好な曲げ剛性を有するメンブレンフィルムを得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、高剛性のメンブレンフィルムが、隣り合うゾーンの境界において生じがちな圧力降下を吸収することにより、ウェハに作用する圧力がウェハ全面において連続し、緩やかに変化する研磨形状を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るCMP装置を模式的に示す斜視図。
図2】研磨ヘッドの要部を模式的に示す縦断面図。
図3】研磨ヘッドの縦断面図及び底面図。
図4】従来のCMP装置及び本実施形態に係るCMP装置の各圧力分布を示す模式図。
図5】本発明の実施例及び比較例に係るCMP装置において、中心付近を高圧で研磨した場合の研磨レートを示すグラフ。
図6】本発明の実施例及び比較例に係るCMP装置において、外周付近を高圧で研磨した場合の研磨レートを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
【0017】
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
【0018】
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るCMP装置1を模式的に示す斜視図である。CMP装置1は、ウェハWの一面を平坦に研磨するものである。CMP装置1は、プラテン2と、研磨ヘッド10と、を備えている。
【0020】
プラテン2は、円盤状に形成されており、プラテン2の下方に配置された回転軸3に連結されている。回転軸3がモータ4の駆動によって回転することにより、プラテン2は図1中の矢印D1の方向に回転する。プラテン2の上面には、研磨パッド5が貼付されており、研磨パッド5上に図示しないノズルから研磨剤と化学薬品との混合物であるCMPスラリーが供給される。
【0021】
研磨ヘッド10は、プラテン2より小径の円盤状に形成されており、研磨ヘッド10の上方に配置された回転軸10aに連結されている。回転軸10aが図示しないモータの駆動によって回転することにより、研磨ヘッド10は、図1中の矢印D2の方向に回転する。研磨ヘッド10は、図示しない昇降装置によって垂直方向Vに昇降自在である。研磨ヘッド10は、ウェハWを研磨する際に下降して研磨パッド5にウェハWを押圧する。研磨ヘッド10が研磨するウェハWは、図示しないウェハ搬送機構によって受け渡される。
【0022】
CMP装置1の動作は、図示しない制御手段によって制御される。制御手段は、CMP装置1を構成する構成要素をそれぞれ制御するものである。制御手段は、例えばコンピュータであり、CPU、メモリ等により構成される。なお、制御手段の機能は、ソフトウェアを用いて制御することにより実現されても良く、ハードウェアを用いて動作するものにより実現されても良い。
【0023】
次に、研磨ヘッド10について説明する。図2は、研磨ヘッド10の要部を模式的に示す縦断面図である。なお、図2では、弾性押圧部材70を省略している。図3は、研磨ヘッド10の下部を模式的に示す縦断面図及び底面図である。
【0024】
研磨ヘッド10は、ヘッド本体20と、キャリア30と、リテーナリング40と、メンブレンフィルム50と、バッキングフィルム60と、を備えている。
【0025】
ヘッド本体20は、回転軸10aに接続されており、回転軸10aと共に回転する。ヘッド本体20は、回転部21を介してヘッド本体20の下方に配置されたキャリア30に連結されており、ヘッド本体20及びキャリア30は連動して回転する。
【0026】
キャリア30には、キャリア30の周縁に等間隔に離間して配置されたエアライン31が設けられている。エアライン31の下端は、キャリア30の下面30aとメンブレンフィルム50との間に形成されたエア室Aに開口している。エアライン31は、図示しないエア供給手段としてのエア供給源に接続されており、エア室Aには、エアライン31を介してエアが導入される。エアライン31に供給されるエアの圧力は、図示しないレギュレータによって調整される。エア室A内に供給されたエアは、キャリア30の外周縁に形成されたリムによってメンブレンフィルム50の上方にエア層を形成し、メンブレンフィルム50全面を下方に押圧する。
【0027】
ヘッド本体20とキャリア30との間には、キャリア押圧手段32が設けられている。キャリア押圧手段32は、図示しないエア供給源から供給されるエアによって膨張するエアバッグ等である。エア供給源から供給されるエアの圧力は、図示しないレギュレータによって調整される。キャリア押圧手段32は、供給されるエアの圧力に応じて、キャリア30を介してウェハWを研磨パッド5に押圧する。
【0028】
リテーナリング40は、キャリア30の周囲を囲むように配置されている。リテーナリング40は、上面にメンブレンフィルム50が貼着されたリテーナリングホルダ41を備えている。
【0029】
リテーナリングホルダ41は、例えば、ガラスエポキシ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂から成る。リテーナリングホルダ41は、円環状に形成されており、中央にウェハWを収容する収容ポケット41aを備えている。リテーナリングホルダ41は、スナップリング42を介してリテーナ押圧部材43に取り付けられている。ヘッド本体20とリテーナ押圧部材43との間には、リテーナ押圧手段44が設けられている。なお、符号45は、スナップリング42の上方を覆うカバーである。
【0030】
リテーナ押圧手段44は、図示しないエア供給源から供給されるエアによって膨張するエアバッグ等である。エア供給源から供給されるエアの圧力は、図示しないレギュレータによって調整される。リテーナ押圧手段44は、供給されるエアの圧力に応じて、リテーナ押圧手段44を介してリテーナリング40を研磨パッド5に押圧する。
【0031】
メンブレンフィルム50は、収容ポケット41aを覆うようにリテーナリングホルダ41に貼着されており、エア室Aに圧縮空気が導入されると、空気圧で収容ポケット41a内に向かって弾性変形する。
【0032】
メンブレンフィルム50は、従来のメンブレンフィルムよりも高剛性で形成されており、Dをメンブレンフィルム50の曲げ剛性[kgf/mm]、Eをメンブレンフィルム50のヤング率[kgf/mm^2]、tをメンブレンフィルム50の厚み[mm]、νをメンブレンフィルム50のポアソン比とした場合に、以下の数式で算出されるメンブレンフィルム50の曲げ剛性Dが500以上になるように設定されている。
【数1】
【0033】
また、メンブレンフィルム50の剛性は、以下に設定されるのが好ましい。ウェハWを搬送する際には、メンブレンフィルム50には弾性変形できる程度の適度な柔軟性が必要なためである。
【0034】
メンブレンフィルム50は、適度な強度と柔軟性を兼ね備えた材料が好ましく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)又はポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂が好ましい。メンブレンフィルム50には、物性及び入手性の観点からPEEKが特に好ましいが、PPSやPETであってもヤング率EがPEEKに近く、また比較的に容易に入手できるため好ましい。一方、鋼のような金属では、所望の板厚に形成するのが難しい上、厚みに応じて剛性が大きく増減し、さらに金属は降伏するため搬送時に要求される適度な柔軟性を確保し難い。PEEK、従来のメンブレンフィルムに用いられるフッ素樹脂(PFA)及び鋼の曲げ剛性を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
なお、表1中のヤング率、ポアソン比の引用元は、以下通りである。
[PEEK]
PEEKには、代表例として東レプラスチック精工株式会社製「TPS PEEK」を挙げた。なお、PEEKのヤング率(引張弾性率)は、曲げ弾性率を代用している。
[PFA]
PFAのヤング率は、ウェブサイト(https://www.packing.co.jp/PTFE/ptfe_ippantokusei1.htm)に記載されている数値を挙げている。なお、PFAのポアソン比は、物性が近いポリテトラフルエチレン(PTFE)のポアソン比を代用している。
[PTFA]
PFAのポアソン比は、ウェブサイト(http://www.seal.valqua.co.jp/seal/gasket_detail_tech/153/)に記載されている数値を挙げている。
[鋼]
鋼の代表例として、ウェブサイト(http://www.labnotes.jp/pdf2/physical%20properties.pdf)に記載されているSUS304の数値を挙げている。
【0037】
バッキングフィルム60は、例えば、スウェードフィルムである。バッキングフィルム60は、その中心が研磨ヘッド10の回転軸10a上に位置決めされた状態でメンブレンフィルム50に貼着されている。バッキングフィルム60は、エア室Aに圧縮空気が導入されると、メンブレンフィルム50の弾性変形に伴って弾性変形してウェハWを加圧する。
【0038】
キャリア30の下面30aには、研磨ヘッド10の回転軸10aと同軸上に配置された弾性押圧部材70が設けられている。弾性押圧部材70は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製、フッ素樹脂(PFA)製又はポニフェニレンサルファイド(PPS)製である。PFAは、吸水率が低く適度に柔軟性があって伸びや変形に強い。PPSは、吸水率が低く、伸びや変形に強い上、PFAに比べて安価である。
【0039】
弾性押圧部材70の上面には4本のリム71が立設されており、各リム71は、キャリア30と弾性押圧部材70との間に介装されたレイアウトベース80の環状溝81に挿入されている。リム71は、2液性エポキシ樹脂接着剤等でレイアウトベース80に着脱自在に貼着されている。レイアウトベース80は、図示しないボルトでキャリア30に締結されている。
【0040】
弾性押圧部材70は、リム71を境にして4つのゾーンに区分されている。各ゾーンは、ゾーンエアライン82を介してエア供給源に接続されており、エア供給源から供給されるエアによって独立して膨張可能である。これにより、弾性押圧部材70は、4つに区分されたゾーンが独立して膨張可能に構成される。以下、弾性押圧部材70が区分された各領域を、研磨ヘッド10の外周側から内周側に向かって順に「ゾーンZ1~Z4」とそれぞれ称す。
【0041】
次に、CMP装置1の作用について図4に基づいて説明する。図4(a)に示すように、CMP装置1は、エア室A内に供給される圧縮空気がキャリア30に加えられる押圧力をメンブレンフィルム50を介してウェハWに伝えることで、均一な圧力分布でウェハWを研磨パッド5に押圧してウェハWを研磨することができる。
【0042】
また、弾性押圧部材70の各ゾーンZ1~Z4を圧縮空気の圧力に応じてそれぞれ独立して膨張させることにより、ゾーンZ1~Z4を選択的に加圧して、ウェハWを局所的に研磨することができる。
【0043】
すなわち、図4(b)に示すように、CMP装置1では、ウェハWに作用する研磨圧力Pは、ゾーンZ1~Z4内のエア圧に応じて弾性押圧部材70がメンブレンフィルム50を押圧する圧力P1と、エア室A内のエア圧に応じてメンブレンフィルム50がウェハWを押圧する圧力P2とを合算したものである。
【0044】
そして、CMP装置1では、ゾーンZ1~Z4の境界付近では、硬質の弾性押圧部材70がメンブレンフィルム50を押圧しない分だけ圧力降下が発生する。しかしながら、メンブレンフィルム50が有する剛性によって、上述した弾性押圧部材70の境界付近における圧力降下が吸収されて、ウェハWに作用する圧力PがウェハW全面において連続し、緩やかに変化する研磨形状を得ることができる。
【0045】
一方、軟質のメンブレンフィルムを用いる従来のCMP装置では、図4(c)に示すように、エア室A内のエア圧に応じてメンブレンフィルム50がウェハWを押圧する圧力P2’が一定であっても、ゾーンZ1~Z4の境界付近での柔らかいメンブレンフィルムに作用する圧力P1’がゾーンZ1~Z4の境界付近で大きく降下し、ウェハWに作用する研磨圧力P’の変化が大きくなるため、緩やかに変化する研磨形状を得ることができない。
【実施例
【0046】
次に、表1に示すPEEKを用いた硬質のメンブレンフィルム50、及びPFAを用いた軟質のメンブレンフィルムでCMP研磨をした場合の研磨量を比較した評価データについて説明する。
【0047】
図5、6は、熱酸化膜を研磨した場合の研磨量を示すものである。図5、6は、縦軸に研磨量、横軸に研磨ヘッドの回転中心を原点として径方向座標を表している。本評価で設定された主な研磨条件は、表2の通りである。なお、以下では、各ゾーンの領域を研磨ヘッドの回転中心から径方向に向かって、0~10mmをゾーンZ4、10~30mmをゾーンZ3、30~45mmをゾーンZ2、45~65mmをゾーンZ4に設定した。
【0048】
【表2】
【0049】
図5は、研磨ヘッドの回転中心付近に研磨圧力を集中させた場合の研磨量を比較した評価データである。具体的には、ゾーンZ1~Z4の各圧力が、この順で0[kgf]、5.5[kgf]、5.5[kgf]、6.5[kgf]にそれぞれ設定されている。図5によれば、本実施例に係るCMP装置1は、比較例と比べて、ゾーンZ1~Z4の境界付近(10、30、45mm)での圧力降下が緩和され、全体として緩やかな圧力分布が形成されていることが分かる。
【0050】
図6は、研磨ヘッドの外周付近に研磨圧力を集中させた場合の研磨量を比較した評価データである。具体的には、ゾーンZ1~Z4の各圧力が、この順で5.5[kgf]、4.5[kgf]、3.5[kgf]、0[kgf]にそれぞれ設定されている。図6によれば、本実施例に係るCMP装置1は、比較例と比べて、特にゾーンZ2、Z3の境界付近(30mm)での圧力降下が緩和され、全体として緩やかな圧力分布が形成されていることが分かる。
【0051】
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、上記以外にも種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0052】
1 ・・・CMP装置
2 ・・・プラテン
3 ・・・回転軸
4 ・・・モータ
5 ・・・研磨パッド
10 ・・・研磨ヘッド
10a ・・・回転軸
21 ・・・回転部
30 ・・・キャリア
30a ・・・下面
31 ・・・エアライン
32 ・・・キャリア押圧手段
40 ・・・リテーナリング
41 ・・・リテーナリングホルダ
41a ・・・収容ポケット
42 ・・・スナップリング
43 ・・・リテーナ押圧部材
44 ・・・リテーナ押圧手段
50 ・・・メンブレンフィルム
60 ・・・バッキングフィルム
70 ・・・弾性押圧部材
71 ・・・リム
80 ・・・レイアウトベース
81 ・・・環状溝
82 ・・・ゾーンエアライン
A ・・・エア室
V ・・・垂直方向
W ・・・ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6