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▶ ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】再生可能な材料由来の官能化促進樹脂
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/67 20060101AFI20221107BHJP
   C08G 18/36 20060101ALI20221107BHJP
   C08G 18/81 20060101ALI20221107BHJP
   C08G 18/71 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
C08G18/67 010
C08G18/36
C08G18/81 008
C08G18/71 080
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018529550
(86)(22)【出願日】2016-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-13
(86)【国際出願番号】 US2016062822
(87)【国際公開番号】W WO2017099976
(87)【国際公開日】2017-06-15
【審査請求日】2019-11-15
(31)【優先権主張番号】62/264,623
(32)【優先日】2015-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】メッサーナ、 アンドリュー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ドボラク、 デイビッド ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャコビン、 アンソニー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】グスタフソン、 ダレル
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-013643(JP,A)
【文献】特開平11-302347(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101497684(CN,A)
【文献】特開2012-229408(JP,A)
【文献】特表2012-525481(JP,A)
【文献】特表2010-532410(JP,A)
【文献】特開平10-287724(JP,A)
【文献】特開2009-249613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C09D 101/00-201/10
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化植物油由来の油性骨格を含み、
Uは、ヒドロカルビルリンカーを含み、ヒドロカルビルリンカーと共に、ウレタン結合および重合促進基を含み、さらに任意に遊離イソシアネート基またはヒドロキシル基を含む基であり、
MAは、(メタ)アクリレート含有基、アルコキシ含有基およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーを含み、
油性骨格が、ヒドロキシル化大豆油、ヒドロキシル化アーモンド油、ヒドロキシル化キャノーラ油、ヒドロキシル化ココナッツ油、ヒドロキシル化コーン油、ヒドロキシル化綿実油、ヒドロキシル化亜麻仁油、ヒドロキシル化リンシードオイル、ヒドロキシル化オリーブ油、ヒドロキシル化パーム油、ヒドロキシル化ピーナッツ油、ヒドロキシル化ベニバナ油、ヒドロキシル化ゴマ油、ヒドロキシル化ヒマワリ油、ヒドロキシル化クルミ油、ヒドロキシル化ヒマシ油またはこれらの組み合わせ由来であり、
ヒドロキシル化植物油が、1.7~7.0eq/molのヒドロキシル官能価を有し、
重合促進基が、活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、
に相当する重合性ポリマー。
【請求項2】
(メタ)アクリレート含有基が、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-イソシアネートエチルメタクリレート、2-イソシアネートエチルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)(メタ)アクリレート、3-イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、2-イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、4-イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、3-イソシアネートブチル(メタ)アクリレートおよび2-イソシアネートブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される反応物残基を含む、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項3】
Uが、さらにイソホロンジイソシアネート(IPDI)、IPDIイソシアヌレート、ポリマーIPDI、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIのイソシアヌレート、TDI-トリメチロールプロパン付加物、ポリマーTDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDIイソシアヌレート、HDIビウレート、ポリマーHDI、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート(DDDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NDI)および4,4’-ジベンジルジイソシアネート(DBDI)からなる群から選択されるジイソシアネート反応物残基を含む、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項4】
アルコキシ含有基が、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルジメチルエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルジメチルメトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、4-アミノブチルメチルジエトキシシラン、4-アミノブチルジメチルエトキシシラン、4-アミノブチルトリメトキシシラン、4-アミノブチルメチルジメトキシシラン、4-アミノブチルジメチルメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、1-アミノ-2-(ジメチルエトキシシリル)プロパン、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、m-アミノフェニルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3-アミノプロピルペンタメチルジシロキサン、11-アミノウンデシルトリエトキシシランおよび11-アミノウンデシルトリメトキシシランからなる群から選択される反応物残基を含む、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【請求項5】
重合促進基が下記の構造を有する、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【化1】



(式中、Rは、任意に置換されていてもよく、ヘテロ原子SまたはNを含んでもよいヒドロカルビル基C1~20であり、
nおよびmは、それぞれ1~13である。)
【請求項6】
重合促進基が、以下の構造の残基である、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【化2】
【請求項7】
重合促進基が、以下の構造の1つの残基である、請求項1に記載の重合性ポリマー。
【化3】

【請求項8】
請求項1に記載の反応生成物と硬化系とを含み、硬化系がフリーラジカル開始剤系、湿気硬化系およびこれらの組み合わせからなる群から選択される硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
求項1~のいずれか1項に記載の重合性ポリマーを生成するために調製されるポリウレタン中間体であって、植物油由来のヒドロキシル化油性成分、ジイソシアネート化合物および活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、重合促進化合物との反応から形成されるNCO末端ポリマーであるポリウレタン中間体
【請求項10】
植物油由来のヒドロキシル化油性成分が、ヒドロキシル化大豆油を含む、請求項に記載のポリウレタン。
【請求項11】
ジイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、IPDIイソシアヌレート、ポリマーIPDI、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIのイソシアヌレート、TDI-トリメチロールプロパン付加物、ポリマーTDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDIイソシアヌレート、HDIビウレート、ポリマーHDI、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート(DDDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NDI)および4,4’-ジベンジルジイソシアネート(DBDI)からなる群から選択される、請求項に記載のポリウレタン。
【請求項12】
請求項1~のいずれか1項に記載の重合性ポリマーを形成する方法であって、方法が、
a)植物油に由来するヒドロキシル化油性成分をジイソシアネート化合物および活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、重合促進化合物と反応させることにより、ポリウレタンポリマーを形成する工程
b)ポリウレタンポリマーを(i)ヒドロキシル官能基を含む(メタ)アクリレートモノマーと反応させて硬化性(メタ)アクリレート官能化重合性ポリマーを得る工程;または(ii)ポリウレタンを、アミン官能基を含むアルコキシモノマーと反応させて、硬化性アルコキシ官能化重合性ポリマーを得る工程を含む方法。
【請求項13】
植物油由来のヒドロキシル化油性成分がヒドロキシル化大豆油を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
出発反応物中のOH/NCO当量比が、0.99~0.10である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
質的に全てのNCO基がOH基と反応するまで行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
属ベースの触媒をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化植物油由来の油性骨格を含み、
Uは、ヒドロカルビルリンカーを含み、ヒドロカルビルリンカーと共に、ウレタン結合および重合促進基を含み、さらに任意に遊離イソシアネート基またはヒドロキシル基を含む基であり、
MAは、(メタ)アクリレート含有基を含み、
ヒドロキシル化植物油が、1.7~7.0eq/molのヒドロキシル官能価を有し、
油性骨格が、ヒドロキシル化大豆油、ヒドロキシル化アーモンド油、ヒドロキシル化キャノーラ油、ヒドロキシル化ココナッツ油、ヒドロキシル化コーン油、ヒドロキシル化綿実油、ヒドロキシル化亜麻仁油、ヒドロキシル化リンシードオイル、ヒドロキシル化オリーブ油、ヒドロキシル化パーム油、ヒドロキシル化ピーナッツ油、ヒドロキシル化ベニバナ油、ヒドロキシル化ゴマ油、ヒドロキシル化ヒマワリ油、ヒドロキシル化クルミ油、ヒドロキシル化ヒマシ油またはこれらの組み合わせ由来であり、
重合促進基が、活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、
に相当する重合性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを形成する方法であって、
(i)(メタ)アクリレート官能化イソシアネート化合物、(ii)活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物であり、ジオール化合物が任意に置換されていてもよいジオール化合物および(iii)再生可能資源由来のヒドロキシル化植物油由来の油性化合物と反応させることを含み、反応を25℃~100℃の温度で2~24時間行う方法。
【請求項18】
構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化植物油由来の油性骨格を含み、
Uは、ヒドロカルビルリンカーを含み、ヒドロカルビルリンカーと共に、ウレタン結合および重合促進基を含み、さらに任意に遊離イソシアネート基またはヒドロキシル基を含む基であり、
MAは、アルコキシ含有基を含み、
ヒドロキシル化植物油が、1.7~7.0eq/molのヒドロキシル官能価を有し、
油性骨格が、ヒドロキシル化大豆油、ヒドロキシル化アーモンド油、ヒドロキシル化キャノーラ油、ヒドロキシル化ココナッツ油、ヒドロキシル化コーン油、ヒドロキシル化綿実油、ヒドロキシル化亜麻仁油、ヒドロキシル化リンシードオイル、ヒドロキシル化オリーブ油、ヒドロキシル化パーム油、ヒドロキシル化ピーナッツ油、ヒドロキシル化ベニバナ油、ヒドロキシル化ゴマ油、ヒドロキシル化ヒマワリ油、ヒドロキシル化クルミ油、ヒドロキシル化ヒマシ油またはこれらの組み合わせ由来であり、
重合促進基が、活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、
に相当する重合性アルコキシ官能化ポリウレタンポリマーを形成する方法であって、
(i)アルコキシ官能化イソシアネート化合物、(ii)活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物であり、ジオール化合物が任意に置換されていてもよいジオール化合物および(iii)再生可能資源由来のヒドロキシル化植物油由来の油性化合物と反応させることを含み、反応を25℃~100℃の温度で2~24時間行う方法。
【請求項19】
油性化合物が、ヒドロキシル化大豆油を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
油性化合物が、ヒドロキシル化大豆油を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
(メタ)アクリレート官能化イソシアネート化合物が、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートおよび2-アクリロイルオキシエチルイソシアネートからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
アルコキシ官能化イソシアネート化合物が、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルジメチルエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランおよび3-イソシアネートプロピルジメチルメトキシシランからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
以下の反応スキーム:
【化4】

を含む請求項12に記載の方法。
【請求項24】
a)植物油由来のヒドロキシル化油性成分を、1または2以上のアルコキシC1~4基を含むジイソシアネートおよび活性窒素を含む脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、重合または促進基と反応させることによってポリウレタンポリマーを形成する工程、および
b)反応性アミノ基を含むアルコキシモノマーとポリウレタンポリマーとをさらに反応させる工程を含む請求項1、3~7のいずれか1項に記載の重合性ポリマーを形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、再生可能な材料由来の官能化促進樹脂の調製およびそれから製造される組成物に関する。より詳細には、本発明は、ポリマーに組み込まれた重合促進基を含む再生可能資源から調製された官能化樹脂およびそれから製造される硬化性組成物の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、特に石油系製品の代替手段として、再生可能資源の材料に重点が置かれている。多くの企業が、さらなる反応およびポリマー材料の製造に有用な官能基を含むように植物油を改質することに焦点を当てている。例えば、米国特許第6,891,053号は、植物または動物脂肪などのエポキシ化油脂化学物質を混合して油脂化学油ベースのポリオールを製造する方法および活性化または酸浸出粘土を用いて油脂化学油ベースのポリオールを形成するアルコールを開示している。米国特許第8,757,294号および第8,575,378号は、少なくとも1つのC=C基を含む植物油を用いて、その基を求核性官能基および活性水素基と反応させることによって改質植物ベースのポリオールを製造する他の方法を開示している。その結果は、更なる反応、例えばアミン化合物と反応して、ポリウレタンを形成するために有用なヒドロキシル官能化を有する特定の植物油である。
【0003】
近年、ヒドロキシル官能性を有する市販の改質植物油が、材料を製造するための再生可能資源として市販されている。例えば、アリゾナ州スプリングデールのBiobased TechnologiesによってAgrolという商品名で販売されているいくつかの大豆ベースのポリオールは、ポリウレタンの製造に使用できる再生可能なポリオールの有用な供給源として開示されている。
【0004】
植物油などの再生可能な材料を使用して、様々な官能性を含み、結合促進基、すなわちポリマーに組み込まれた重合促進基を含むポリウレタンポリマーを形成する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様では、重合性樹脂が形成され、これは、構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化植物油由来の油性骨格を含み、
Uは、ヒドロカルビルリンカーを含み、ヒドロカルビルリンカーと共に、ウレタン結合および重合促進基を含み、さらに任意に遊離イソシアネート基またはヒドロキシル基を含む基であり、
MAは、(メタ)アクリレート含有基、アルコキシ含有基およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーを含む、
に相当する重合性ポリマーを含む。
【0006】
本発明の別の態様では、重合性樹脂を提供し、これは、
a)植物油由来のヒドロキシル化油性成分、ジイソシアネート化合物および活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、重合促進化合物との反応から形成されるNCO末端ポリマーおよび
b)ヒドロキシル化(メタ)アクリレートモノマー、アルコキシ官能化モノマー、アミン官能化化合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される成分
の反応の反応生成物によって調製されるポリウレタンを含む。
【0007】
本発明の別の態様では、再生可能資源からポリウレタンポリマーを形成する方法であって、ポリウレタンポリマーは、(メタ)アクリレート官能化および/またはアルコキシ官能化され、方法が、
a)植物油に由来するヒドロキシル化油性成分をジイソシアネート化合物および活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、重合促進化合物と反応させることにより、ポリウレタンポリマーを形成する工程
b)ポリウレタンポリマーを(i)ヒドロキシル官能基を含む(メタ)アクリレートモノマーと反応させて硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを得る工程;または(ii)ポリウレタンを、アミンおよび/またはイソシアネート官能基を含むアルコキシモノマーと反応させて、硬化性アルコキシ官能化モノマーを得る工程を含む方法を含む。
【0008】
本発明のさらに別の態様では、
a)構造:
MA-U-A-U-MA
式中、
Aは、ヒドロキシル化植物油由来の油性骨格を含み、
Uは、ヒドロカルビルリンカーを含み、ヒドロカルビルリンカーと共に、ウレタン結合および重合促進基を含み、さらに任意に遊離イソシアネート基またはヒドロキシル基を含む基であり、
MAは、任意に1または2以上の湿気硬化性基を含有する(メタ)アクリレート含有基を含む、
に相当するポリマー;
b)フリーラジカル開始剤系、湿気硬化系およびそれらの組み合わせからなる群から選択される硬化系を含む重合性樹脂を提供する。
【0009】
本発明の別の態様では、重合性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを形成する方法であって、(i)(メタ)アクリレート官能化イソシアネート化合物、(ii)活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物であり、ジオール化合物が任意に置換されていてもよいジオール化合物および(iii)再生可能資源由来のヒドロキシル化油性化合物と反応させることを含み、反応を重合促進基を含む重合性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタン化合物を形成するのに十分な時間および温度で行う方法を提供する。
【0010】
本発明の別の態様では、重合性アルコキシ官能化ポリウレタンポリマーを形成する方法であって、(i)アルコキシ官能化イソシアネート化合物、(ii)活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物であり、ジオール化合物が任意に置換されていてもよいジオール化合物および(iii)再生可能資源由来のヒドロキシル化油性化合物と反応させることを含み、反応を重合促進基を含む重合性アルコキシ官能化ポリウレタン化合物を形成するのに十分な時間および温度で行う方法を提供する。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、
a)植物油由来のヒドロキシル化油性成分を、1または2以上のアルコキシC1~4基を含むジイソシアネートおよび活性窒素を含む脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、ジオール化合物が任意に置換されていてもよい、重合または促進基と反応させることによってポリウレタンポリマーを形成する工程、および
b)反応性アミノ基および湿気硬化基を含有する化合物とポリウレタンポリマーとをさらに反応させる工程を含む再生可能資源から硬化性ポリウレタンポリマーを形成する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<発明の詳細な説明>
本発明は、植物油などのバイオベースのポリオール材料を使用する新規なプロセスおよび硬化性ポリマー/組成物を提供する。植物油は、一般に、その化学構造中にヒドロキシル基を含むように改変を必要とし、このような生成物は、現在、市販されている。本発明は、バイオベースのポリオールとジイソシアネートおよび重合促進化合物とを最初に反応させ、さらに生ずる生成物をヒドロキシル含有(メタ)アクリレートとを反応させて、(メタ)アクリル化ポリウレタンを得ることを含む方法を介したこのようなバイオベースポリオールの使用を含む。さらに、NCO基および/またはアルコキシ基C1~4などのヒドロキシル基または湿気硬化性基がバイオベースポリオールに組み込まれ得るように、バイオベースポリオールのさらなる改変が行われてもよい。そのような場合、そこから形成された得られるポリウレタンは湿気硬化能力を有してもよい。
【0013】
種々の再生可能なヒドロキシル化植物油(バイオベースのポリオールとしても知られている)を本発明において使用することができる。例えば、大豆油、アーモンド油、キャノーラ油、ココナッツ油、タラ肝油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、リンシードオイル、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ油、クルミ、ヒマシ油およびそれらの組み合わせを使用することができる。
【0014】
好ましい再生可能なヒドロキシル化植物油の中には、本明細書にさらに記載するように、Biobased Technologies、スプリングデール、アリゾナ州によって販売されているAgrolの商品名で市販されているものがある。Agrolポリオールは、天然大豆に由来するヒドロキシル化大豆油である。ヒドロキシル化の程度は変化し得、70~200mgKOH/gのヒドロキシル価が用いられ得る。これらの大豆由来ポリオールの粘度は、25℃で約200~約3,000、ヒドロキシル官能価は1.7~7.0eq/molの範囲で変えることができる。
【0015】
本発明に使用することができるジイソシアネートには、限定されないが、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、IPDIイソシアヌレート、ポリマーIPDI、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ポリマーMDI、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIのイソシアヌレート、TDI-トリメチロールプロパン付加物、ポリマーTDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、HDIイソシアヌレート、HDIビウレート、ポリマーHDI、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニル-4,4’-ジイソシアネート(DDDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NDI)、および4,4’-ジベンジルジイソシアネート(DBDI)が含まれる。
【0016】
ジイソシアネートの組み合わせも使用することができる。モノイソシアネートもまた、本発明において使用することができる。
【0017】
得られる本発明のポリウレタンに組み込まれる有用な重合促進化合物の中には、活性窒素化合物を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、化合物は、置換されていてもよい。そのような化合物は、一般構造
【0018】
【化1】
(式中、Rは、任意に置換されていてもよい、ヒドロカルビル基C1~20であり、
nおよびmは、それぞれ1~13である。)
で示されてもよい。
【0019】
本発明の樹脂に組み込むことができる特に有用な促進剤には、以下が挙げられる。
【0020】
【化2】
【0021】
NCO官能化バイオベースのポリオールとの反応に有用な(メタ)アクリレート含有ヒドロキシル化合物の中には、限定されないが、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-イソシアネートエチルメタクリレート、2-イソシアネートエチルアクリレート、およびポリ(プロピレングリコール)(メタ)アクリレートが含まれる。
【0022】
本明細書で述べるように、バイオベースのポリオールがNCO基またはヒドロキシル基などの他の反応性基も含む場合、それから形成される得られるポリウレタンは、さらなる反応に利用可能なこれらの基を有することができる。従って、本発明で使用されるバイオベースのポリオールから形成された本発明のポリウレタンは、(メタ)アクリレート官能性のような官能性を有する種々のポリウレタン最終生成物を可能にし、次にそれから製造される最終硬化性組成物に使用されるフリーラジカル硬化メカニズムを可能にする。
【0023】
本発明のポリウレタンから種々の硬化性組成物を製造することができる。例えば、接着剤組成物、シーラントおよびコーティングは、本発明の再生可能な組成物から形成され得る有用な製品の1つである。
【0024】
本発明のポリウレタン組成物は、フリーラジカルおよび/またはUV硬化メカニズムを有する硬化性組成物に組み込むことができる。
【0025】
フリーラジカルメカニズムを介して硬化する組成物に組み込む場合、組成物は通常フリーラジカル開始剤を含む。有用なフリーラジカル開始剤の例には、限定されないが、クメンヒドロペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド、および過安息香酸tert-ブチルなどの過酸化物に加水分解するペルエステルなどが含まれる。このようなペルオキシ化合物の量は、全組成物の約0.1~約10重量%、好ましくは約1~約5重量%の範囲で変わり得る。
【0026】
光硬化する組成物に配合する場合、組成物は通常、光開始剤を含む。有用な光開始剤には、限定されないが、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-N、N-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの組み合せ、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドおよび2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの組み合わせ、および[ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド]、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニル-ホスフィンオキシドおよび2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの組み合せ、dl-カンファーキノン、アルキルピルビン酸塩、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、ビス(n-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル]チタン、ジエトキシアセトフェノンおよびそれらの組み合わせである。
【0027】
光開始剤は、全組成物の約0.001重量%~約2.0重量%の量で使用することができる。
【0028】
促進剤も有利に含むことができる。そのような促進剤には、種々の第2および第3の有機アミンならびに当該技術分野でも知られているスルフィミド(例えば、安息香酸スルフィミド)が含まれる。これらは、組成物全体の約0.1~約5重量パーセント、望ましくは約1~約2重量パーセントの濃度範囲で使用することができる。
【0029】
増粘剤、可塑剤などの他の作用物質も当技術分野で公知であり、それらが意図された目的のために添加剤の機能を妨害しないという条件で機能的に望ましい場合には有利に組み込むことができる。
【0030】
<硬化性官能化ポリウレタンポリマーの調製>
本発明の方法では、植物油由来のヒドロキシル化油性成分を、ジイソシアネートおよび活性窒素を有する脂肪族または芳香族ジオール化合物を含み、化合物が、置換されていてもよい重合促進化合物と反応させて、結合重合促進基を含むポリウレタン中間体を形成する。
【0031】
反応物の化学量論は、ポリウレタン中間体が、さらなる反応に使用されることを意図した未反応ペンダントNCO基を含むように制御される。すなわち、ペンダントNCO基は、例えば、ヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分、多官能アルコール成分、またはアルコキシ含有アミン成分とのさらなる反応のためのポリウレタン中間体上に残る。残留NCOの量は、約5~90重量%、好ましくは25~70重量%、より好ましくは30~60重量%である。
【0032】
出発反応物のジイソシアネート成分中のNCO対OHの当量比は、NCO対OHの望ましくは約0.99~約0.10、より望ましくは約0.7~0.2、さらにより望ましくは約0.6~約0.5当量である。反応は、適切な溶媒を用いてまたは用いずに反応器内で行う。溶媒を使用する場合、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、キシレンなどの極性溶媒を使用することができる。反応は、一般に、約25℃~約100℃、望ましくは約40℃~約80℃、より望ましくは約60℃~約75℃の温度で行われる。ジブチルスズジラウレート(とりわけ本明細書にさらに記載される)のような金属ベースの触媒は、全反応混合物の重量に基づき、約0.01%~約5%、望ましくは0.5%~約2%、より望ましくは約0.1%~約1.0%である。この反応は、ヒドロキシル基をNCO基と実質的に完全に反応させるのに必要な時間実施される。反応時間は、約2~約24時間、望ましくは3~12時間、より望ましくは4~8時間で変化し得る。
【0033】
反応中に過剰のNCO基が存在するため、形成された中間ポリウレタンは、付加的な成分との反応に利用可能なペンダントなNCO基を含む。1つの特に望ましい更なる反応は、硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを得るために中間ポリウレタンとヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分(例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA))との反応を含む。望ましくは、中間ポリウレタンとヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分との反応におけるNCO:OHの当量比は、約1:0.01~約1:1.2である。この反応は、前述した様々な用途に有用な硬化性(メタ)アクリレート官能化ポリウレタンポリマーを生じる。
【0034】
中間ポリウレタンとヒドロキシル含有(メタ)アクリレート成分との反応は、イソシアネートおよびヒドロキシル基を完全に反応させるのに必要な時間行われる。典型的には、反応時間は約2~約12時間、好ましくは約3~約12時間、より好ましくは4~8時間の範囲であり得る。
【0035】
本発明に従って製造された中間ポリマーおよび最終ポリマー中に存在する再生可能な成分の量は、約30重量%~約70重量%、より望ましくは約45重量%~約60重量%の範囲であり得る。特定のヒドロキシル化油性材料の選択のために、形成された最終生成物は、約1~約10重量%、望ましくは約2重量%~約5重量%の(ヒドロキシル化油性材料中に存在するジイソシアネートと短鎖ジオールとの反応に起因する)硬質(比較的剛性)セグメントを含有してもよい。
【0036】
本発明のポリウレタンを調製する他の特に有用な方法は、以下の反応工程を含む。
【0037】
【化3】
【実施例
【0038】
<実施例>
Agrol2.0は、65~75のヒドロキシル価、≦1.0の酸価(mg KOH/g)、25℃で約233の粘度を有するBioBased Technologies、スプリングデール、アリゾナ州から入手可能である天然大豆由来のヒドロキシル化大豆油の商品名である。
【0039】
Agrol3.6は、107~117のヒドロキシル価、≦1.0の酸価(mg KOH/g)、25℃で約720の粘度を有するBioBased Technologies、スプリングデール、アリゾナ州から入手可能な天然大豆に由来するヒドロキシル化大豆油の商品名である。
【0040】
Pomoflex 6156は、Piedmont Chemical Industries I、LLC、331 Burton Avenue、High Point、NC 27262により製造されたコハク酸およびプロパンジオール由来のバイオベースのポリオールである。これは、約2,000の分子量、2.0の官能性、56mg KOH/gのヒドロキシル価、および<1.0の酸価(mg KOH/g)を有する。
【0041】
<例1>
<IPDI(OH:NCO=1.0:1.72)で伸長された3%促進ジオールを有する硬化性(メタ)アクリレート官能化Agrol4.0ベースのポリウレタン樹脂の調製>
熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に、Agrol4.0(300.00g、0.199モル)、1,2-プロパンジオール、3-(3,4-ジヒドロ-1(2H)-キノリニル)-(17.38g、0.084モル)、ジブチルスズジラウレート(0.58g、0.001モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.07g、0.00006モル)および4-メトキシフェノール(0.07g、0.0006モル)を添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合した。イソホロンジイソシアネート(176.59g、0.794モル)を加え、+3時間反応させた。その後、残留イソシアネート含有量を決定するために滴定を行う。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(71.41g、0.548モル、1:1の残留NCO:OH当量)を添加し、60℃で+3時間混合した。メタクリル化ポリウレタン促進樹脂を滴下し(535.2g、収率94.5%)、透明で黄色の粘性樹脂を得た。
【0042】
<例2>
<IPDI(OH:NCO=1.0:2.0)で伸長された3%促進ジオールを有する硬化性(メタ)アクリレート官能化Agrol4.0ベースのポリウレタン樹脂の調製>
Agrol4.0(136.00g、0.090モル)、1,2-プロパンジオール、3-(3,4-ジヒドロ-1(2H)-キノリニル)-(9.51g、0.046モル)、ジブチルスズジラウレート(0.30g、0.0005モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸[3-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.30g、0.00025モル)および4-メトキシフェノール(0.30g、0.0024モル)を熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合する。次いで、イソホロンジイソシアネート(96.66g、0.426モル)を加え、+3時間反応させる。その後、残留イソシアネート含有量を決定するために滴定を行う。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(55.46g、0.426モル、1:1の残留NCO:OH当量)を添加し、60℃で+3時間混合する。メタクリル化ポリウレタン促進樹脂を滴下し(291.2g、収率97.5%)、透明で黄色の粘性樹脂を得た。
【0043】
<例3>
<IPDI(OH:NCO=1.0:2.0)で伸長された3%促進ジオールを有する硬化性(メタ)アクリレート官能化Agrol5.6ベースのポリウレタン樹脂の調製>
Agrol5.6(132.40g、0.067モル)、1,2-プロパンジオール、3-(3,4-ジヒドロ-1(2H)-キノリニル)-(9.32g、0.045モル)、ジブチルスズジラウレート(0.31g、0.0005モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.46g、0.00039モル)および4-メトキシフェノール(0.46g、0.0037モル)を熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合する。次いで、イソホロンジイソシアネート(106.96g、0.472mol)を加え、+3時間反応させる。その後、残留イソシアネート含有量を決定するために滴定を行う。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(61.37g、0.471モル、1:1の残留NCO:OH当量)を加え、60℃で+3時間混合する。メタクリル化ポリウレタン促進樹脂を滴下し(304.9g、収率97.9%)、透明で黄色の粘性樹脂を得た。
【0044】
<例4>
<IPDI(OH:NCO=1.0:2.0)で伸長された3%促進ジオールを有する硬化性(メタ)アクリレート官能化Pomoflex61112ベースのポリウレタン樹脂の調製>
Pomoflex611121(115.24g、0.115モル)、1,2-プロパンジオール、3-(3,4-ジヒドロ-1(2H)-キノリニル)-(6.70g、0.032モル)、ジブチルスズジラウレート(0.23g、0.0004モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.23g、0.00019モル)および4-メトキシフェノール(0.23g、0.0018モル)を熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合する。次いで、イソホロンジイソシアネート(68.08g、0.300モル)を加え、+3時間反応させる。その後、残留イソシアネート含有量を決定するために滴定を行う。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(39.06g、0.300モル、1:1の残留NCO:OH当量)を加え、60℃で+3時間混合する。メタクリル化ポリウレタン促進樹脂を滴下し(218.5g、収率95.1%)、透明で黄色の粘性樹脂を得た。
【0045】
<例5>
<IPDI(OH:NCO=1.0:2.0)で伸長された1.5%促進ジオールを有する硬化性(メタ)アクリレート官能化Agrol4.0ベースのポリウレタン樹脂の調製>
Agrol4.0(145.60g、0.097モル)、1,2-プロパンジオール、3-(3,4-ジヒドロ-1(2H)-キノリニル)-(4.40g、0.021モル)、ジブチルスズジラウレート(0.30g、0.0005モル)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸[3-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]-2,2-ビス[[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロポキシ]メチル]プロピル]エステル(0.30g、0.00025モル)および4-メトキシフェノール(0.30g、0.0024モル)を熱電対、スターラー、コンデンサーおよび窒素入口/出口を備えた2Lのジャケット付き重合反応器に添加した。内容物を60℃に加熱し、15分間混合する。次いで、イソホロンジイソシアネート(90.82g、0.400モル)を加え、+3時間反応させる。その後、残留イソシアネート含有量を決定するために滴定を行う。次いで、ヒドロキシプロピルメタクリレート(57.71g、0.400モル、1:1の残留NCO:OH当量)を添加し、60℃で+3時間混合する。メタクリル化ポリウレタン促進樹脂を滴下して(285.4g、収率95.3%)、透明で黄色の粘性樹脂を得た。