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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】基板位置決め装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20221107BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20221107BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
H01L21/68 G
H01L21/30 562
G03F7/20 521
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021501044
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019042145
(87)【国際公開番号】W WO2020018633
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】62/701,268
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/512,699
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モラディアン, アラ
(72)【発明者】
【氏名】テッシュ, トラヴィス
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特許第6276449(JP,B1)
【文献】特開2012-132838(JP,A)
【文献】特開平05-172511(JP,A)
【文献】特開2010-087473(JP,A)
【文献】特開2014-103156(JP,A)
【文献】特開2004-193344(JP,A)
【文献】特開2015-135874(JP,A)
【文献】特開2008-066367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットブレードをロボットアーム延長部に接続する回転ジョイントを含むロボットアームと、
非円形基板の表面プロファイルおよび前記ロボットアーム上の前記基板の位置を測定するように構成された3次元(3D)照射マッピング装置と、
前記3D照射マッピング装置および前記ロボットアームと通信するコントローラであって、前記3D照射マッピング装置から表面プロファイルデータを受け取り、前記ロボットアーム上の前記基板の前記位置を調整するように構成されたコントローラと、
複数のリフトピンを備えるターゲット面であって、前記リフトピンは、互いに独立して前記ターゲット面に直交して移動するように構成されており、前記コントローラは、前記表面プロファイルデータに基づいて前記リフトピンの位置を調整するために、前記リフトピンと通信する、ターゲット面と、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記3D照射マッピング装置は、3Dレーザマッピング装置を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記3Dレーザマッピング装置が、透明基板の前記表面プロファイルを測定するように構成されている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記3Dレーザマッピング装置が、正方形、長方形、三角形、六角形、多角形、菱形、および平行四辺形である基板の前記表面プロファイルを測定するように構成されている、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記3Dレーザマッピング装置が、レーザ源およびレーザセンサを備える、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ロボットアームのx方向、y方向およびx-y平面内での回転の運動を制御するコントローラをさらに備える、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記コントローラは、基板が前記ロボットブレード上にある状態で前記基板がチャンバ内に装填されている間、前記基板の前記表面プロファイルを測定するように構成されている、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
1つまたは複数の透明な多角形EUVマスクブランクを受け入れるように構成されたEUVマスクブランクローディングシステムと、
物理的気相堆積チャンバ、予洗浄チャンバ、およびマルチカソードPVDチャンバを含む真空チャンバへのアクセスを提供するための複数のポートを含む基板ハンドリング真空チャンバへのアクセスを提供するための保持チャンバと、をさらに備え、
前記コントローラは、前記基板が、前記保持チャンバ、前記物理的気相堆積チャンバ、前記予洗浄チャンバ、および前記マルチカソードPVDチャンバのうちの少なくとも1つに移動されるときに、前記ロボットアーム上の前記基板の前記位置を調整するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記基板が前記ターゲット面に対して平行になるように、前記リフトピンを前記ターゲット面に対して直交して独立に移動させるようにさらに構成されている、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記リフトピンを含むリフトピンアセンブリを軸の周りで回転させて、前記基板を位置合わせするようにさらに構成されている、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記コントローラは、前記リフトピンアセンブリを移動させて、前記ターゲット面に対して前記基板をセンタリングするようにさらに構成されている、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
チャンバ内で基板を位置合わせする方法であって、
回転ジョイントを含むロボットアームのロボットブレード上に配置された多角形形状を有する基板を、チャンバ内で移動させることと、
表面プロファイルデータを取得するために、3次元(3D)照射マッピング装置を使用して、前記基板が移動している間に、前記基板の表面プロファイルと、前記ロボットアーム上の前記基板の位置を測定することと、
前記ロボットブレードをx-y平面内で回転させ、前記ロボットブレードを移動させることによって、前記基板の前記位置を調整することと、
複数のリフトピンを備えるターゲット面を含む前記チャンバ内に前記基板を配置することであって、前記リフトピンは、互いに独立して前記ターゲット面に直交して移動するように構成されており、コントローラは、前記表面プロファイルデータに基づいて前記リフトピンの位置を調整するために、前記リフトピンと通信する、前記基板を配置することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記表面プロファイルデータを取得することと、前記3D照射マッピング装置および前記ロボットアームと通信する前記コントローラを提供することとをさらに含み、前記コントローラは、前記3D照射マッピング装置から表面プロファイルデータを受け取り、前記ロボットアーム上の前記基板の前記位置を調整するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記3D照射マッピング装置は、レーザ源と、コントローラと通信するレーザセンサとを備え、前記3D照射マッピング装置は、前記基板を表すデジタル3D形状、ならびに前記ロボットアーム上の位置または点に対する前記基板の位置を生成する、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は概して、基板などのワークピースを処理し、位置合わせすることに関し、より具体的には、位置決め装置を利用してワークピースを処理する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 集積回路は、保持チャンバまたは「ロードロック」チャンバおよび様々な基板処理チャンバを含むチャンバ内での基板の配置を伴う処理によって製造される。チャンバには、堆積チャンバ、熱処理チャンバ、エッチングチャンバ、プラズマチャンバ、および基板を処理するための他のチャンバが含まれるが、これらに限定されるわけではない。1つのチャンバ内で2つ以上の処理が実行されてもよい。例えば、プラズマ処理、熱処理、およびエッチングは、単一のチャンバまたは別個のチャンバ内で実行されてもよい。多くの半導体処理システムでは、基板は、ロボットアームまたはロボットアームを含む1つまたは複数の前方開口型統合ポッド(FOUP)によってチャンバに供給される。基板上にパターニングされた材料を生成することなど、基板の処理には、露出された材料の堆積および除去のための制御された方法が必要となる。しかしながら、堆積および除去の前に、基板の正確な配置は、プロセス制御の重要な側面である。
【0003】
[0003] FOUP内の基板配置の変動、処理チャンバ内の基板配置、およびロボットアームからのウエハ移送の一貫性および再現性など、いくつかの理由により、基板は、正確にピックアップされ、同じ様に配置されないことがある。したがって、種々の基板が処理チャンバ内で正確に同じ位置に配置されない可能性がある。これは、流れの状態、見通し線、または他の処理に重要な物理特性または化学特性のわずかな変動に敏感な処理の歩留まり性能に影響を及ぼし得る。
【0004】
[0004] 従来、円形シリコン基板(ウエハとも称される)の中心(またはエッジ)を検出することは、一連の発光ダイオードおよびセンサを使用することを含み、ウエハは、いくつかの発光ダイオードから放出される光の経路を遮断する。この手法は、鋭いエッジを有する円形ウエハには十分であり得る。しかしながら、円形の基板またはウエハの位置を検出するための従来の方法は、円形でない基板またはウエハには不十分であるため、多角形、例えば、長方形または正方形の基板などの他の一般的な形状には、基板位置決め装置および方法の改善が必要であることが判明している。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の1つまたは複数の実施形態は、ロボットアームと、3次元(3D)照射マッピング装置と、コントローラとを備える基板処理装置を対象とする。ロボットアームは、ロボットブレードをロボットアーム延長部に接続する回転ジョイントを含む。3次元(3D)照射マッピング装置は、非円形基板の表面プロファイルと、ロボットアーム上の基板の位置を測定するように構成されている。コントローラは、3D照射マッピング装置およびロボットアームと通信を行っている。コントローラは、3D照射マッピング装置から表面プロファイルデータを受け取り、ロボットアーム上の基板の位置を調整するように構成されている。
【0006】
[0006] 本開示のさらなる実施形態は、極端紫外線(EUV)マスク製造システムを対象とする。EUVマスクブランクローディングシステムは、1つまたは複数の透明な多角形EUVマスクブランクを受けるように構成されている。保持チャンバは、物理的気相堆積チャンバ、予洗浄チャンバ、およびマルチカソードPVDチャンバを含む真空チャンバへのアクセスを提供するため、複数のポートを含む基板ハンドリング真空チャンバへのアクセスを提供する。ロボットアームは、ロボットブレードをロボットアーム延長部に接続する回転ジョイントを含む。ロボットブレードは、x方向、y方向に、およびx-y平面内で回転して移動するように構成されている。3次元(3D)照射マッピング装置は、非円形基板の表面プロファイルと、ロボットアーム上の基板の位置を測定するように構成されている。コントローラは、3D照射マッピング装置およびロボットアームと通信を行っている。コントローラは、3D照射マッピング装置から表面プロファイルデータを受け取り、基板が保持チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、予洗浄チャンバ、およびマルチカソードソースPVDチャンバのうちの少なくとも1つに移動されるときに、ロボットアーム上の基板の位置を調整するように構成されている。
【0007】
[0007] 本開示のさらなる実施形態は、チャンバ内で基板を位置合わせする方法を対象とする。多角形の形状を有する基板をチャンバ内で移動させ、回転ジョイントを含むロボットアームのロボットブレード上に配置する。3次元(3D)照射マッピング装置を使用して、基板の表面プロファイルと、基板が移動している間のロボットアーム上の基板の位置を測定する。基板の位置は、ロボットブレードをx-y平面内で回転させてロボットブレードを動かすことによって調整される。基板はチャンバ内に配置される。
【0008】
[0008] 本開示のさらなる実施形態は、ロボットアーム、3次元(3D)照射マッピング装置、ターゲット面、およびコントローラを含む基板処理装置を対象とする。ロボットアームは、基板を支持するためのロボットブレードを含む。3次元(3D)照射マッピング装置は、非円形基板の表面プロファイルと、ロボットアーム上の基板の位置を測定するように構成されている。ターゲット面は、ターゲット面に直交して独立に移動するように構成された複数のリフトピンを備える。コントローラは、3D照射マッピング装置およびリフトピンと通信を行っている。コントローラは、3D照射マッピング装置から表面プロファイルデータを受信し、表面プロファイルデータに基づいてリフトピンの位置を調整するように構成されている。
【0009】
[0009] 本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって、得ることができる。そのうちのいくつかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかしながら、添付の図面は本開示の実施形態を示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見做されず、本開示が他の等しく有効な実施形態も許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による、例示的な処理ツールの1つの実施形態の上平面図である。
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ロボットアームとコントローラの概略上面図である。
図3図3のAは、本開示の実施形態による、位置合わせシステムの上平面図である。図3のBは、Aに示した位置合わせシステムの側面図である。図3のCは、基板のスキャニングと位置合わせ後の、Aに示した位置合わせシステムの上平面図である。図3のDは、Cの位置合わせシステムの側面図である。
図4A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、時間の関数としての、離散セグメントでスキャンされた基板のプロファイルのマップを示す。
図4B図4Aに示した基板のプロファイルのマップを示す。
図5】本開示の特定の態様による、例示的な基板処理システムの上面図である。
図6A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、傾斜エッジを有する基板を透過した光の部分概略側面図を示す。
図6B】異なる位置合わせ条件下での図6Aの実施形態の透過プロファイルを示す。
図6C】異なる位置合わせ条件下での図6Aの実施形態の透過プロファイルを示す。
図6D】異なる位置合わせ条件下での図6Aの実施形態の透過プロファイルを示す。
図7図6Cにしたがって位置合わせされた基板の例示的な複合反射率測定値を示す。
図8A】基準面上の傾斜した基板を示す。
図8B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、図8Aの基板を使用する位置合わせシステムの概略図を示す。
図8C】基板X軸に沿って切り取られた図8Aの基板の例示的な複合反射率グラフを示す。
図8D】基板Y軸に沿って切り取られた図8Aの基板の例示的な複合反射率グラフを示す。
図9A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、位置合わせシステムの部分概略図を示す。
図9B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、位置合わせシステムの部分概略図を示す。
図10】本開示の1つまたは複数の実施形態による、位置合わせシステムの部分概略図を示す。
図11】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ロボットブレードのエンドエフェクタ内の回転軸を使用する位置合わせシステムの部分概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0030] 以下、添付の図面を参照して、本開示による様々な実施形態をより詳細に説明する。ワークピース位置合わせ装置および方法は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が一貫した完全なものであり、システムおよび方法の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0012】
[0031] 便宜上および明確にするために、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「垂直方向(vertical)」、「水平方向(horizontal)」、「横方向(lateral)」、および「縦方向(longitudinal)」といった用語は、本明細書では、図に見られるように、これらの構成要素およびこれらを構成する部分の相対的な配置および配向を説明するために使用される。専門用語には、具体的に言及された単語、その派生語、および、同様の意味および/または重要度の単語が含まれる。
【0013】
[0032] 本明細書で使用されるように、単数形で列挙され、「a」または「an」という語が続く要素または動作は、除外することが明示的に示されない限り、複数の要素または動作を含むものとして理解されるべきである。さらに、本開示の「一実施形態」への言及は、限定を意図するものではない。付加的な実施形態は、列挙された特徴を組み込むこともできる。
【0014】
[0033] 本明細書で使用される「基板」とは、製造プロセス中に層処理が実施される任意の基板、または、基板上に形成された材料面のことを指す。例えば、処理が実施される基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、ガラスセラミクス、低膨張率ガラス、超低膨張率ガラス(例えば、Corning社から市販されているULE(登録商標)ガラス)、Zerodur(登録商標)低膨張率リチウムアルミノシリケートガラス、サファイア、ならびに、金属、金属窒化物、金属合金などの他の任意の材料、および他の導電性材料などが含まれる。基板には、半導体ウエハなどのウエハ、および前文で列挙した材料などの他のタイプの材料から作製されたウエハが含まれるが、これらに限定されるものではない。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、および/またはベークするために、基板は前処理プロセスに曝露されることがある。本開示では、基板自体の表面に直接的に層処理を行うことに加えて、開示されている層処理ステップのうちの任意のステップが、より詳細に後述するように、基板に形成された下部層に実施されることもある。「基板表面(substrate surface)」という用語は、文脈に示唆されるこのような下部層を含むことが意図されている。したがって、例えば、層(層は膜と称されることもある)または部分的な層が基板表面に堆積している場合には、新たに堆積した層の露出面が基板表面となる。
【0015】
[0034] 図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、堆積(例えば、化学気相堆積、物理的気相堆積、および原子層堆積)、エッチング、加熱、熱処理、ベーキング、および/または硬化を含む、基板を処理するために使用される処理ツールまたはシステム100の一実施形態の上面図を示す。図において、一対のFOUP(前方開口型統合ポッド)102は、第1のロボットアーム104によって受け取られ、処理チャンバ109a~109cの基板処理区域108a~108fのうちの1つに配置される前に、低圧保持チャンバまたは保持領域(ロードロックチャンバとも称される)(本明細書では、保持チャンバ106と称される)に配置され得る基板(例えば、指定された直径の半導体ウエハ)を供給する。本明細書で使用されるように、保持チャンバ106は、保持チャンバが、1つまたは複数の処理が行われる処理チャンバに移動される前に、処理される基板が配置されるチャンバであるという点で、処理チャンバと区別される。保持チャンバ106から処理チャンバ109a~109fへ、およびその逆方向に、基板を移送するために、第2のロボットアーム110が用いられてもよい。
【0016】
[0035] 処理チャンバ109a~109cの基板処理区域108a~108fは、その上に基板または層を(例えば、化学気相堆積、物理的気相堆積、および原子層堆積により)堆積、アニーリング、加熱、熱処理、硬化、および/またはエッチングするための1つまたは複数のシステム構成要素を含むことができる。したがって、チャンバ109a~109cは、化学気相堆積(CVD)チャンバ、物理的気相堆積(PVD)チャンバ、原子層堆積(ALD)チャンバ、流動性化学気相堆積(FCVD)チャンバ、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)チャンバ、アニーリングチャンバ、熱処理チャンバ、急速熱処理(RTP)チャンバ、硬化チャンバ、エッチングチャンバ、またはプラズマエッチングチャンバのいずれかであってもよい。このチャンバのリストは、例示にすぎず、限定するものではない。例示的な層は、流動性誘電体、多層反射スタック、または吸収層であってもよいが、多くのタイプの層が、処理ツールを使用して形成または処理されてもよい。一構成では、処理チャンバ(例えば、108c~108dおよび108e~108f)の処理区域の2つのペアを使用して、基板上に材料を堆積させることができ、処理区域の第3のペア(例えば、108a~108b)を使用して、堆積した材料をアニールすることができる。別の構成では、処理区域の2つのペア(例えば、108c~108dおよび108e~108f)は、基板上の層の堆積およびアニールの両方を行うように構成することができ、処理区域の第3のペア(例えば、108a~108b)を使用して、堆積した層を紫外線または電子ビームにより硬化させることができる。さらに別の構成では、処理区域の3つのペア(例えば、108a~108f)はすべて、基板上に層を堆積および硬化させる、または堆積した層に特徴をエッチングするように構成することができる。
【0017】
[0036] さらに別の構成では、処理区域の2つのペア(例えば、108c~108dおよび108e~108f)を使用して、層の堆積ならびに紫外線または電子ビームによる硬化の両方を行うことができ、処理区域の第3のペア(例えば、108a~108b)を使用して、層をアニールすることができる。加えて、1つまたは複数の処理区域108a~108fは処理チャンバとして構成することができ、湿式処理チャンバ、又はドライ処理チャンバであってよい。これらの処理チャンバは、湿気を含む雰囲気中で層を加熱することを含み得る。したがって、システム100の実施形態は、堆積した層上に湿式およびドライアニールの両方を行うための、湿式処理区域108a~108bと、アニール処理区域108c~108dを含むことができる。システム100によって、層のための堆積チャンバ、エッチングチャンバ、アニールチャンバ、および硬化チャンバのさらなる構成が検討されていることを理解されたい。いくつかの実施形態では、処理区域は、タンデム処理領域またはチャンバとして配置または構成されている。
【0018】
[0037] 以上のことを考慮すると、本開示の1つまたは複数の実施形態の利点は、円形基板には有用であるが非円形基板には有用でない現在の基板位置検出および位置合わせ装置に関する問題が、ロボットブレード上の非円形基板の位置を検出し、ロボットブレードが基板をチャンバ内に装填している間に基板を位置合わせするシステムを提供することによって解決されることである。1つまたは複数の実施形態によれば、本明細書で使用される「非円形」は、円ではなく、正方形、長方形、三角形、六角形、多角形、菱形、および平行四辺形を含む形状を指す。
【0019】
[0038] 多角形基板などの非円形基板を正確に位置決めする装置を提供することは、軟X線投影リソグラフィとしても知られる極端紫外線リソグラフィ(EUV)用の素子の製造において非常に有益である。EUVは、0.13ミクロン以下、最小の特徴サイズの半導体デバイス製造用の深紫外線リソグラフィで代替され始めている。EUVシステムは、光の透過ではなく反射によって動作する。非反射吸収マスクパターンでコーティングされた一連のミラーまたはレンズ素子、および反射素子またはマスクブランクの使用によって、パターン化された化学光がレジストでコーティングされた半導体ウエハ上で反射される。
【0020】
[0039] 従来のEUVブランク処理は、例えば、152mm×152mmのブランクレチクルをコーティングツール内に配置して、様々なコーティングを塗布することを含み得る。構成されているように、正方形レチクルは、キャリアアセンブリ(例えば、300mmキャリアアセンブリ)内に挟まれて、300mmウエハと同様にコーティングツールを通過できるようにする。キャリアアセンブリは、キャリアベースと、レチクルブランクと、キャリアシールドとを含み得る。レチクルの製造時には、キャリアアセンブリは製造プロセス中に位置合わせされてもよい。本明細書に開示される装置および方法は、様々な半導体処理チャンバ、システムおよび方法、例えば、堆積およびエッチング処理で有用であり、位置情報が処理結果に直接影響するため、チャンバ内部のウエハの正確な位置を検出し監視することが重要である。例えば、特定の導電経路の配置、または複数のチャンバ内でのエッチングは、チャンバ内でのウエハの反復可能かつ正確な配置の能力に依存する。
【0021】
[0040] ここで図2および図3A図3Dを参照すると、本開示の1つまたは複数の実施形態により、多角形基板202を処理するための基板処理装置200が提供される。いくつかの実施形態では、多角形基板202を処理することは、基板を支持するキャリア204を利用することを含む。一実施例では、キャリア204はキャリアアセンブリであり、基板202はEUVレチクルブランクである。第1のロボットアーム104および第2のロボットアーム110は、図2に示す例示的な実施形態のように構成されている。他の実施形態では、基板202は、ロボットアーム214のロボットブレード(エンドエフェクタ206)上に直接支持され、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)は、遠位端208および近位端210を有する。ロボットアーム214は、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)をロボットアーム延長部216に接続する回転ジョイント212をさらに含む。ロボットブレード(エンドエフェクタ206)は、図2のX-Y軸によって示されるように、X-Y平面内を移動する。これにより、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)は、矢印220で示すようにY方向で前後に移動し、矢印222で示すようにX方向で前後に移動する。さらに、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)は、矢印224によって示されるように、軸Zの周りを回転運動する。運動は、電気モータ、トランスミッション(例えば、リードスクリュー)、ベルトおよびプーリー、リニアベアリングおよびロータリーベアリング、ならびに機械部品のうちの1つまたは複数を含む共通のドライブトレインによって制御される。
【0022】
[0041] ロボットブレード(エンドエフェクタ206)およびロボットアーム延長部216を備えるロボットアーム214は、図1に示す処理ツールの一部であり、図1に示す第1のロボットアーム104に置換されて、基板202を前方開口型統一ポッド102から取り出し、基板202を保持チャンバ106に装填する。同様に、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)およびロボットアーム延長部216を備えるロボットアーム214は、基板202を保持チャンバ106から取り出し、基板202を処理チャンバ109a~109c内の処理領域108a~108fの1つに装填するために、図1の第2のロボットアーム110として利用される。
【0023】
[0042] さらに図2および図3A図3Dを参照すると、装置200は、非円形基板、例えば多角形基板、およびいくつかの実施形態では多角形透明基板の表面プロファイルを測定するように構成された3次元(3D)照射マッピング装置260を含む。3次元照射マッピング装置260は、基板202を走査し、コントローラ270と通信している照射源250を備える。3次元照射マッピング装置はさらに、基板202を透過するか、基板202から反射される照射255を感知する照射センサ252を備える。いくつかの実施形態では、基板は、照射源250によって放出される照射255の波長に対して透明である。このような実施形態では、照射センサ252は、透明基板202を透過する照射を検出するために、照射源250に対向して配置される。図3A図3Dに示す実施形態などの他の実施形態では、照射255は基板202で反射される。いくつかの実施形態では、照射源250はレーザ源を備え、照射センサはレーザ照射を検出するレーザセンサを備える。1つまたは複数の実施形態によれば、位置または光強度に基づいて非円形基板の存在を検出するためにレーザセンサが使用される。レーザセンサの利点には、長い距離、可視ビームスポットおよび正確な検出が含まれる。
【0024】
[0043] 図3Aは、装置200の上平面図を示しており、基板202が幅202aおよび長さ202bを有する長方形であることを示す。図3Aに見られるように、基板は、X-Y平面内で位置合わせされていない。図3Bは、照射255を発する照射源250を有する装置200の側面図を示しており、照射センサ252によって感知される照射255は、基板202で反射される。図3Cでは、基板202の位置は、回転ジョイント212を中心として矢印224の方向に基板を回転させることによって補正されている。照射源250および照射センサ252は、図3Aおよび図3Bに示すように、基板202の右側から移動し、図3Cおよび図3Dに示すように、基板202の左側を通過するように示されている。
【0025】
[0044] コントローラ270は、照射源250が基板202を走査するときに、照射源250の運動を制御する。照射源250および照射センサ252は、電気モータ、空気圧駆動装置又は油圧駆動装置(図示せず)によって移動されるキャリッジ(搬送台、図示せず)上に取り付けられる。コントローラ270は、基板202を走査するための信号を照射源250に送信し、これにより照射源250(およびオプションとして照射センサ252)は、基板202の幅または長さにわたって走査を行う。コントローラ270は、中央処理装置272を含み、この中央処理装置は、照射センサ252から表面プロファイルデータを受け取り、表面プロファイルデータに基づいて多角形基板のプロファイルを計算するように構成されている。1つまたは複数の実施形態では、3次元照射マッピング装置260は、基板202がロボットブレード上にある状態でチャンバ内へ基板202が装填される間、多角形基板の表面プロファイルを測定するように構成されている。別の言い方をするならば、3次元照射マッピング装置260は、基板が動いている間、すなわち、ロボットアーム214が基板202を保持チャンバまたは処理チャンバなどのチャンバ内へ移動させている間に、多角形基板の表面プロファイルを測定する。したがって、3次元照射マッピング装置は、基板202のチャンバ内への移動中に、多角形基板202の表面プロファイルをインシトゥ(その場)で測定し、X軸、Y軸またはX-Y平面内の回転のうちの1つまたは複数における基板位置に調整を行うことによって、基板202の位置を動的に調整する。
【0026】
[0045] 中央処理装置(CPU)272、メモリ274およびサポート回路276を含むコントローラ270は、通信リンク253によって照射源250および照射センサ252に連結され、基板の装填、基板の取出しおよびチャンバ内に配置された基板の位置合わせの制御を容易にする。メモリ274は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスクなどの任意のコンピュータ可読媒体、あるいは、装置またはCPU272に対してローカルまたはリモートにある、他の任意の形態のデジタルストレージであってもよい。サポート回路276は、従来の様態でCPU272をサポートするように、CPU272に連結される。いくつかの実施形態では、これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、およびサブシステムなどを含む。メモリ274に記憶されたソフトウェアルーチンまたは一連のプログラム命令は、CPU272によって実行されると、基板202をロボットアームによって装填し、3次元(3D)照射マッピング装置260に非円形基板の表面プロファイルを測定させ、次いで、ロボットアーム214およびロボットブレード(エンドエフェクタ206)に、x-y平面内のx軸、y軸、または回転のうちの1つまたは複数に対して基板202の位置を調整させる。したがって、コントローラ270は、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)の回転を制御し、また、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)の移動を制御して、所望の位置にワークピースを装填する。いくつかの実施形態では、ロボットブレード(エンドエフェクタ206)の回転およびロボットブレード(エンドエフェクタ206)の移動は、1つのコントローラ270によって制御されてもよい。図1に示したような処理ツール100、または図5に示したようなEUVマスクブランク製造システム300で使用される場合、EUVマスク製造システム300または処理ツールまたはシステム100およびロボットアーム214およびロボットブレードは、1つのコントローラ270によって制御されてもよく、あるいは代替的に別個のコントローラがあってもよい。
【0027】
[0046] いくつかの実施形態では、3次元照射マッピング装置260は、レーザ照射を利用する。1つまたは複数の実施形態では、レーザ照射は、スペクトルの紫外線領域、可視領域、および赤外線領域を含む。いくつかの実施形態では、レーザ用の紫外線照射は、180nm~400nmの波長からなる。いくつかの実施形態では、可視領域は、400nm~700nmの波長の照射からなる。いくつかの実施形態では、スペクトルの赤外線領域は、700nm~1mmの波長の照射からなる。
【0028】
[0047] したがって、1つまたは複数の実施例によれば、3次元照射マッピング装置260は、3次元レーザマッピング装置または3次元レーザスキャニング装置を含む。3次元レーザマッピング装置は、基板が移動している間に、例えば、図1に示した基板処理ツールのように、基板処理ツールの1つの場所から別の場所へ移動している間に、より具体的には、基板202が保持チャンバまたは処理チャンバなどのチャンバ内へ移動している間に、多角形基板の表面プロファイルを測定するように構成されている。1つまたは複数の実施形態では、3次元レーザマッピング装置は、x-y平面における配向、ならびにx-y平面内でのx軸、y軸、またはx-y平面に直交するz軸の周りの回転を測定するように構成されている。本明細書で使用されているように、x-y平面は、一般的に、例えばデカルト座標系のx-y平面におけるように、基板の平坦な面にほぼ平行な平面を指す。
【0029】
[0048] 3次元レーザマッピング装置260は、レーザ表面プロファイロメータ、または基板の3Dプロファイルを得ることができる任意のタイプのレーザマッピング装置またはスキャニング装置であってもよい。3Dレーザマッピング装置は、多角形基板、およびいくつかの実施形態では透明基板の表面プロファイルを測定およびマッピングするように構成されている。本明細書で使用されているように、「表面プロファイル」は、x、yおよびz平面における基板の任意の位置変動、ならびにx-y軸またはx、yおよびz軸の周りの任意の回転を含む、基板のトポグラフィを意味する。
【0030】
[0049] 一実施形態では、3Dレーザスキャニング装置は、x-y平面内の基板位置のx軸、y軸に沿った任意の変動を捕捉し、x-y平面内における任意の回転を検出するように構成されてもよい。一実施形態では、基板は透明材料で構成されている。
【0031】
[0050] ここで図4Aおよび図4Bを参照すると、本開示の1つまたは複数の実施形態により走査された基板の3Dプロファイルは、位置(偏心、またはx-y平面におけるオフセット)に関する包括的な情報を含む。図4Aは、矢印220の方向に移動する基板202の3Dプロファイルを得るように構成されている照射源250の上平面図である。点線の構成要素0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、nの各々は、照射センサ(図示せず)によって得られた任意の数の走査プロファイルで、次にコントローラ270に送信される。単なる例示に過ぎないが、図4Aでは、システムによって11個の走査された構成要素が得られる。図4Bでは、走査された構成要素0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11のデジタルマップが、コントローラ270のCPU 272によって再現されている。コントローラ270は、デジタルマップを処理し、次に制御信号をロボットアームに送り、基板の位置を調整して所望の位置にする。
【0032】
[0051] 1つまたは複数の実施形態によれば、3Dレーザマッピング装置は、ロボットアームが基板を、例えば保持チャンバへ、または保持チャンバから処理チャンバへ移動させるときに基板を走査するラインレーザスキャナまたはレーザポイントスキャナのアレイを備える。いくつかの実施形態におけるラインレーザスキャナは、光学レンズ(例えば、円筒レンズアセンブリ)によって1次元に拡大されたレーザビームを含む。ラインレーザは、ターゲット基板上に投射され、ターゲットからの拡散反射光は、光学系を通ってセンサのマトリックスに向けられる。センサが受け取る反射光の相対的な位置に基づいて、ターゲットのトポロジーがデジタル的に再生成される。このような測定は、距離を測定するための光学三角測量とも称される。このようなレーザ源は、例えば、クラス2、405nm(青色)のレーザであり、ラインに延長され、センサの下方の移動基板の速度に関連する速度でトリガされる。複数のラインプロファイルがCPUによって処理され、基板の実際の位置の3Dマップが作成される。コントローラのメモリは、基板が配置されるべき所望の位置を記憶し、所望の位置に対する正確な実際の位置が定量化される。この情報、すなわち、実際の位置対所望の位置は、CPUによって処理され、チャンバ内の基板配置を補正するために使用される。コントローラは、ロボットアームに制御信号を送り、基板がチャンバ内に配置される前に基板の位置を調整する。ロボットアームは、x-y平面における基板のx軸、y軸、または回転の位置を調整するように、CPUによって命令される。したがって、基板を中心からずらして配置し、その後物理的に移動させて位置を調整する必要はないであろう。
【0033】
[0052] 正確な配置を目的として基板がチャンバ内に移動(またはチャンバ内で移動)されているときに基板のデジタルマップを再構成することは、必ずしも高解像度撮像システムまたは電荷結合素子(CCD)カメラを必要としない。CCDはまた、透明な基板(例えば、ガラス、石英、サファイア)を捕捉することができない。1つまたは複数の実施形態によれば、1組の線形レーザセンサが利用される。代替的に、いくつかの実施形態では、厚みを検出し、基板位置の3Dマップを再構成するため、三角測量(反射光でのシフト)に基づいて動作するセンサヘッドが使用される。反射位置のシフトに基づいて、「厚み」が推定される。これは、光の三角測量とも称される概念である。測定波長の選択は基板の透過スペクトルに依存する。例えば、石英基板は、約4ミクロンを超える波長の光に対して不透明である。異なる波長のレーザビームは、異なる測定タイプ(例えば、透過、反射)に使用される。例えば、石英は、センサが基板を検出するのに適正であろう赤色レーザの約8%を反射するであろう。一組のセンサから収集されたデータを処理することによって、基板を表すデジタル3D形状を生成すること、また、チャンバ内のターゲット位置または点に対する基板の位置を生成することが可能となる。いくつかの実施形態では、一組のセンサからの処理データは、回転ジョイント212などの、ロボットアーム上のターゲット位置または点に対する基板の位置を生成する。この位置情報は、ロボットアームの動作を補正することによって、x-y平面における中心からのずれ(off-centricity)または回転の不均衡(rotational disparities)を補正するために使用される。この方法は、任意の形状の基板、特に非円形基板のための基板ハンドリングおよび移送のインシトゥ監視の正規の部分となり得る。この方法は、FOUP、保持チャンバ、またはロードロックチャンバなどの移送チャンバ内、または処理チャンバ内で使用され得る。いずれの場合も、センサからウエハ領域への直線的な透明経路または反射経路のみが必要となる。したがって、いくつかの実施形態では、この方法は、石英窓を有する既存の移送チャンバ、配向器(orienter)、または処理チャンバに対して実装される。
【0034】
[0053] 本開示の別の態様は、チャンバ内で多角形の形状を有する基板を移動させることであって、回転ジョイントを含むロボットアームのロボットブレード上に配置された基板を移動させることと、基板が移動している間に、基板の表面プロファイルと、ロボットアーム(またはターゲット位置)に対する基板の位置とを測定するために3次元(3D)照射マッピング装置を使用することと、ロボットブレードをx-y平面内で回転させることによってロボットブレードを移動させ、基板の位置を調整することと、基板をチャンバ内に配置することとを含む、チャンバ内で基板を位置合わせする方法に関する。1つまたは複数の実施形態では、基板は、チャンバ内の所望の位置に配置される。所望の位置は、事前に決定され、コントローラのメモリ、例えば、コントローラ270に関して上述したメモリなどに記憶された所定の位置であってもよい。
【0035】
[0054] 本方法のいくつかの実施形態によれば、本方法は、表面プロファイルデータを取得することと、3D照射マッピング装置およびロボットアームと通信するコントローラを提供することとを含み、コントローラは、3D照射マッピング装置から表面プロファイルデータを受け取り、ターゲット位置(例えば、基板支持体)に対する基板の位置を調整するように構成されている。コントローラは、ロボットアームが基板を処理チャンバ内に移動させている間、基板の実際の位置を比較し、実際の位置を所望の位置と比較する。いくつかの実施形態では、この方法は、表面プロファイルデータをメモリに記憶することを含む。本方法のいくつかの実施形態によれば、3Dマッピング装置は、レーザ源と、コントローラと通信するレーザセンサとを備える。1つまたは複数の実施形態では、3Dマッピング装置は、ロボットアーム上の位置または点に対する基板の位置だけでなく、基板を表すデジタル3D形状を生成する。
【0036】
[0055] 上述のように、この装置および方法は、EUVマスクなどのEUVデバイスの製造に有益である。図5は、EUVマスク製造システム300を示し、これは、多角形基板、例えば、1つまたは複数の実施形態にしたがって本明細書に記載の石英、シリカ、ガラス、または超低膨張率ガラスからなる多角形透明基板を処理するための装置200を含む。EUVマスク製造システム300は、多角形または多角形で透明な1つまたは複数のマスクブランク304を受け取るように構成されたマスクブランク装填およびキャリアハンドリングシステム302を含むことができる。保持チャンバ306により、基板ハンドリング真空チャンバ308へのアクセスが提供される。示されている実施形態では、基板ハンドリング真空チャンバ308は、2つの真空チャンバ、例えば、第1の真空チャンバ310と第2の真空チャンバ312を含む。第1の真空チャンバ310内には、第1の基板ハンドリングシステム314があり、第2の真空チャンバ312内には、第2の基板ハンドリングシステム316がある。
【0037】
[0056] 基板ハンドリング真空チャンバ308は、種々の他のシステムまたはチャンバの取り付けのため、およびこれらの種々の他のシステムまたはチャンバへのアクセスを提供するために、その外縁部の周りに複数のポートを有してもよい。この非限定的な実施形態では、第1の真空チャンバ310は、ガス抜きチャンバ318と、第1の物理的気相堆積チャンバ320と、第2の物理的気相堆積(PVD)チャンバ322と、予洗浄チャンバ324とを有する。さらに、第2の真空チャンバ312は、第1のマルチカソードPVDチャンバ326と、流動性化学気相堆積(FCVD)チャンバ328と、硬化チャンバ330と、第2の真空チャンバに接続された第2のマルチカソードPVDチャンバ332とを含み得る。
【0038】
[0057] 第1の基板ハンドリングシステム314は、連続的な真空下で、保持チャンバ306および第1の真空チャンバ310の外縁部の周りの様々なチャンバの中で、スリットバルブを介して、基板(基板334など)を移動させることができる。第2の基板ハンドリングシステム316は、連続的な真空下で基板を維持している間に、第2の真空チャンバ312の周りで基板(基板336など)を移動させることができる。集積EUVマスク製造システム300は、レチクル処理システムと共に動作してもよい。多角形基板を処理するための装置200は、キャリアハンドリングシステム302に隣接して、またはその近傍で利用される。特に、非円形基板の表面プロファイルを測定するように構成された3次元(3D)照射マッピング装置260は、本明細書の図2および図3A図3Bに関して説明したように、種々のチャンバ、すなわち、ガス抜きチャンバ318、第1の物理的気相堆積チャンバ320、第2の物理的気相堆積チャンバ322、予洗浄チャンバ324、第1のマルチカソードPVDチャンバ326、流動性化学気相堆積(FCVD)チャンバ328、硬化チャンバ330、および第2のマルチカソードPVDチャンバ332に、基板334および336を正確に配置するために使用される。これらのチャンバのうちの1つまたは複数における多角形基板の正確な配置は、EUVマスクおよびEUVレチクルの生産要件を満たし、正確な製造を行うために重要である。既存のシステムおよび装置は、位置を正確に検出し、非円形基板を配置することができず、特に、多角形基板がロボットアームのロボットブレード上にあり、保持チャンバまたは処理チャンバ内に移動されているときなど、基板が移動している間に、ロボットアーム上の位置または点に対する基板の位置を検出することができない。
【0039】
[0058] 集積EUVマスク製造システム300の種々のチャンバは、基板の吸収/反射特性を変化させるように構成されている。例えば、1つまたは複数のプロセスは、層(反射層)が追加されるにつれて、ブランクをベアガラスから様々な状態に変化させる。処理チャンバに入る前の基板の位置合わせは、いくつかの実施形態では、処理後とは異なる照射源/センサ構成を用いて行われる。いくつかの実施形態では、集積マスク製造システム300は、2つ以上のタイプの照射源および/または2つ以上のタイプのセンサを含む。照射源および/またはセンサは、別々にまたは同時に動作される。例えば、照射源は、(一緒に、または別々に)センサによって測定される2つの別個の波長の照射を供給するように構成されている。基板は、同時に両方の波長を使用して測定され、位置合わせの目的では、波長のうちの1つのみが評価される。いくつかの実施形態では、2つ以上のタイプのセンサがある。例えば、システムは、透過センサおよび反射率センサを含んでもよく、基板は、処理(例えば、ブラッグ反射器の形成)前の透過および処理後の反射率によって測定されてもよい。
【0040】
[0059] いくつかの実施形態では、基板は、照射源からの光の透過/反射を変え得る1つまたは複数の傾斜エッジを有する。図6Aは、傾斜エッジ251a、251bを有する基板202の部分側面図で、複数の照射ベクトル255a、255b、255cは照射の透過減衰を示している。第1の照射ベクトル255aは、基板202に遭遇せず、照射センサ252に最大の透過信号を提供する。
【0041】
[0060] 第2の照射ベクトル255bは、基板202の傾斜エッジ251a、251bを通過する。第1の傾斜エッジ251aでは、入射する照射の一部281aが反射または散乱され、その結果、減少した量の照射281bが基板202の本体を通過する。第2の傾斜エッジ251bでは、照射281bの一部281cが反射または散乱され、その結果、さらに減少した量の照射281dがセンサ252で測定される。第3の照射ベクトル255cは、基板202の本体を通過し、その結果、センサ252では測定される照射の最大吸光度/最小透過率が得られる。
【0042】
[0061] 図6Bから図6Dは、異なる中心位置または回転位置で、基板202に対する3つのベクトルA、B、Cに沿った測定を示す。図6Bでは、基板202は、中心から外れた状態で、測定ベクトルA、B、Cと位置合わせされている。ベクトルAおよびBで測定された透過強度は、矩形波の形状を有する結果となる。図示された実施形態は理想化されたもので、当業者であれば、基板の傾斜部分における透過率が信号応答の非線形性を引き起こし得ることを認識するであろう。ベクトルCに沿って測定された強度は、センサで測定された最大透過値と同じ一定値のままで、ベクトルCに沿って基板202が存在しなかったことを示している。
【0043】
[0062] 図6Cは、基板202が中心から外れており、測定ベクトルA、B、Cと正しく位置合わせされていない実施形態を示している。ベクトルに沿って通過する基板部分の長さが異なるため、各ベクトルの透過強度応答は異なる。異なるベクトルにおける透過プロファイルの傾斜部分の角度および長さは、基板の回転の度合いの測定値を提供する。
【0044】
[0063] 図6Dは、基板202が中心に置かれ、測定ベクトルA、B、Cと位置合わせされている実施形態を示しており、各ベクトルに沿った透過強度応答は、同様の形状を有する。最小値から最大値までのベクトルAおよびベクトルCの強度測定値の差は、ベクトルBについて観察された差よりも小さい。これは、ベクトルAおよびCが基板の傾斜エッジに沿って配置されているために生じる。図6B図6Dに示された強度応答曲線は、例示および説明を目的としているため、理想化されている。当業者であれば、基板の傾斜エッジおよび任意の所与のベクトルに沿って入射する照射強度の変動は、理想化された信号応答に対して変化を引き起こし得ることを認識するであろう。傾斜エッジ251a、251bの散乱または反射の影響は、透過応答の非線形性を引き起こし得る。特定のベクトルに沿った傾斜エッジの長さは、ベクトルに対する基板の回転角度に比例するため、透過した照射の非線形性は、スキュー角の測定値をもたらす。
【0045】
[0064] 図6B図6Dに図示された各々のケースで、または他の構成では、ベクトルからの個々のセンサ出力は、基板配向の3次元マップを形成するため、一緒に「縫い」合わされる。いくつかの実施形態では、これは、基板をy方向に移動させながら、スライス(ベクトル)をx方向および/またはy方向に走査(測定)することによって行われる。
【0046】
[0065] 図6B図6Dに示した実施形態は、基板202を通る照射源250から入射する照射の透過プロファイルを示す。当業者であれば、入射する照射の吸収(透過率の逆数)を測定できることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、入射する照射の反射率は、図3Bおよび図3Dに例示されているように、基板の上方に配置されたセンサを使用して測定される。図7は、図6Cに示された基板位置に対する例示的な反射率曲線を示している。傾斜エッジ251a、251bの角度/長さとともに、基板の傾斜角は、強度プロファイルの形状を変化させることになる。強度プロファイルの傾斜部分の相対的な傾斜および長さは、基板の中心および/または配向の測定値を提供する。
【0047】
[0066] 基板配向のプロファイルは、回外ロボット(supinating robot)との不整合を修正するためにマッピングされる。図8Aは、図示された基準面263(ターゲット面とも称される)に対して、x-z平面およびy-z平面の両方において傾斜された基板202の等角図を示す。図8Bは、図8Aにしたがって傾斜された基板と共に使用するための位置合わせシステムの一部を示す。この実施形態の回転ジョイント212は、基板とターゲット267との移動および位置合わせのための3つの自由度を提供する。基板202が照射源250を通過して移動されると、基板の角度と位置がx-z面およびy-z面に沿って測定される。図8Cおよび図8Dは、それぞれ、x-z平面およびy-z平面に沿った基板202の代表的なプロファイルを示す。これらのプロファイルの形状は、2つの面の傾斜の程度を決定するために使用される。
【0048】
[0067] 図9Aは、y軸に沿って見た回転ジョイント212およびブレード(エンドエフェクタ206)を示すロボットアーム214の部分図を示す。回転ジョイント212は、矢印268によって示されるように、(図示したページの面に直交して延びる)y軸に沿って回転し、基板202およびエンドエフェクタ(ブレード206)を移動させて、ロールを調節する。言い換えるならば、回転ジョイント212は、y-z平面内で矢印268によって示されるように回転する。図9Bは、(図示したページの面に直交して延びる)x軸に沿って見た回転ジョイント212およびブレード(エンドエフェクタ206)を示すロボットアーム214の部分図を示す。回転ジョイント212は、矢印269によって示されるようにx軸に沿って回転し、基板202およびブレード(エンドエフェクタ206)を移動させて、ピッチまたはドルーピング(drooping)を調節する。言い換えるならば、回転ジョイント212は、x-z平面内で矢印269によって示されるように回転する。図9Aおよび図9Bに示された運動を組み合わせて、基板202の十分な回転運動および角運動をもたらし、基板をターゲット面に位置合わせする。
【0049】
[0068] 図10は、リフトピン288a、288b、288cを使用して基板202の傾斜をなくす、本開示の別の実施形態を示す。いくつかの実施形態のリフトピンは、リフトピンの端部によって形成される平面を調整するために、独立した軸を有する。基板の配向が測定され、リフトピン288a、288b、288cが基板202の配向に一致するように調整される。リフトピンが後退すると、基板は中央に配置され、位置合わせされる。例えば、図10に示した基板202は、図8Aにしたがって傾斜される。リフトピン288a、288b、288cは、ターゲット267の表面から異なる距離だけ延びるように独立して制御される。図では、リフトピン288aは距離Daを延長し、リフトピン288bは距離Dbを延長し、リフトピン288cは距離Dcを延長する。延長距離は、基板がリフトピン上に下降されるとき、リフトピンの各々が同時に基板に接触するように構成されている。いくつかの実施形態のターゲット267は、(図8Bに示されるように)回転軸289を有し、これは、z軸の周り(すなわち、x-y平面内)で基板202を回転させるために使用される。リフトピンとターゲット回転との組み合わせは、処理のために基板202の傾斜をなくし、位置合わせするために使用される。
【0050】
[0069] いくつかの実施形態では、ターゲット面は、ターゲット面に直交して(すなわち、z軸に沿って)独立して移動するように構成された複数のリフトピン288a、288b、288cを備える。図示した実施形態は、3つのリフトピンを含むが、1つまたは複数の実施形態では、3つより多いまたは少ないリフトピンが使用される。いくつかの実施形態では、コントローラは、3D照射マッピング装置およびリフトピンと通信を行う。コントローラは、3D照射マッピング装置から表面プロファイルデータを受信し、表面プロファイルデータに基づいてリフトピンのうちの1つまたは複数の位置を調整するように構成されている。いくつかの実施形態のリフトピンの調整は、基板とターゲット面とが平行になるように、ターゲット面に対して基板を水平にする。
【0051】
[0070] いくつかの実施形態では、リフトピンは、z軸の周りを回転する、および/またはx軸方向またはz軸方向のうちの1つまたは複数の方向に移動するリフトピンアセンブリ(図示せず)の一部である。いくつかの実施形態では、コントローラは、リフトピンを含むリフトピンアセンブリを軸の周りで回転させて、基板を位置合わせするようにさらに構成されている。リフトピンアセンブリは、リフトピン間の相対距離が同じになるように、個々のリフトピンを同時に移動する。いくつかの実施形態では、コントローラはさらに、リフトピンアセンブリを移動(または平行移動)させて、ターゲット面に対して基板をセンタリングする(すなわち、x-y平面内の移動)ように構成されている。このようにして、基板をリフトピン上に配置する前に、基板の位置および配向が決定される。次いで、リフトピンは、基板を水平にするように調整され、基板の位置合わせおよび位置決めのために回転および/または平行移動される。
【0052】
[0071] 図11は、基板の位置合わせに使用されるロボットアーム214の別の実施形態を示す。図示されているロボットアーム214は、アーム214に関してシータ(回転)調整のためのエンドエフェクタ206内に軸283を有する。図示した軸283は、基板を支持し、軸283の周りを回転することができる1つの面を有する。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ206の軸283は、2つ以上の接触点を有するリフトピンタイプのアセンブリを備える。使用時には、軸283は、z軸に沿って(図面の紙面から外に)延在し、基板をエンドエフェクタ206の上方に持ち上げる。軸283は、基板をエンドエフェクタ206上に戻すために、回転および下降される。いくつかの実施形態では、基板は、軸283が上昇位置にある状態でエンドエフェクタ206上に位置決めされ、基板は、軸283または回転ジョイント212のうちの1つまたは複数を使用して位置合わせされる。位置合わせされると、基板はエンドエフェクタ206上に下降される。基板は、基板を処理チャンバに装填する前に、エンドエフェクタ206に対して調整される。
【0053】
[0072] この明細書全体を通じて、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」、または「実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体の様々な箇所での「1つまたは複数の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態について言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0054】
[0073] 本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に対して様々な改変および変形を行い得ることが、当業者には明らかになろう。このように、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内である改変例および変形例を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10
図11