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特許7170932撮像装置、制御装置、撮像装置の動作方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-04
(45)【発行日】2022-11-14
(54)【発明の名称】撮像装置、制御装置、撮像装置の動作方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/28 20210101AFI20221107BHJP
   G02B 7/34 20210101ALI20221107BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20221107BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221107BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
G02B7/28 N
G02B7/34
G03B13/36
G03B15/00 H
H04N5/232 120
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022501625
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2020040813
(87)【国際公開番号】W WO2021166332
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2020027211
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國分 秀昭
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-031877(JP,A)
【文献】特開2018-037959(JP,A)
【文献】特開2011-090048(JP,A)
【文献】特開2009-139795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28
G02B 7/34
G03B 13/36
G03B 15/00
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサと、を備え、 前記フォーカスレンズが前記プロセッサの指示に従って前記イメージセンサによる本露光の期間を回避して移動し、かつ、前記イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に前記本露光が行われることで連写が行われる撮像装置であって、
前記プロセッサは、
連写期間内で、前記本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第1合焦位置を演算し、
前記連写期間内で前記第1合焦位置を参照して前記特定フレームよりも複数フレーム先の前記特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第2合焦位置を予測し、
前記第2合焦位置に向けて前記フォーカスレンズを移動させる
撮像装置。
【請求項2】
前記特定フレームは、前記本露光が行われる各フレームである請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1合焦位置を参照して前記特定フレームよりも2フレーム以上先の前記第2合焦位置を予測する請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1合焦位置を参照して前記特定フレームよりも2フレーム先の前記第2合焦位置を予測する請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1合焦位置を参照して前記特定フレームよりも3フレーム以上先の前記第2合焦位置を予測する請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記本露光が行われるフレーム毎に前記第2合焦位置を予測する請求項3から請求項5の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、予測した最新の前記第2合焦位置に向けて前記フォーカスレンズを移動させる請求項1から請求項6の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記イメージセンサによる連写用フレームレートを高めるに従って、前記特定フレームから、前記第2合焦位置を予測する先のフレームまでのフレーム数を増加させる請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、複数フレーム分の前記第1合焦位置を参照して前記第2合焦位置を予測する請求項1から請求項8の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、最新の前記本露光が行われた最新フレームで演算して得た前記第1合焦位置と、前記最新フレームと時間的に隣接する過去フレームで演算して得た前記第1合焦位置とを含む複数の前記第1合焦位置を参照して前記第2合焦位置を予測する請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記イメージセンサに対して、連写間隔内でライブビュー画像用の撮像を行わせる請求項1から請求項10の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記ライブビュー画像用の撮像期間に前記イメージセンサによって撮像されることで得られた画像データに基づいて、前記撮像期間内に前記第1合焦位置を演算する請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記撮像期間を利用して前記フォーカスレンズを移動させる請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
開口の大きさが可変な絞りを備え、
前記プロセッサは、前記絞りを制御することで、前記本露光が行われている期間内の前記開口を第1の大きさとし、前記撮像期間内の前記開口を前記第1の大きさよりも大きな第2の大きさとする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記イメージセンサに対して前記連写間隔内で複数フレーム分のライブビュー画像用の撮像を行わせ、
前記イメージセンサに対して前記ライブビュー画像用の撮像を行わせる毎に前記第1合焦位置を演算する請求項11から請求項14の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記イメージセンサは、位相差画素群を有し、
前記プロセッサは、前記位相差画素群によって撮像されることで得られた位相差画素データに基づいて前記第1合焦位置を演算する請求項1から請求項15の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項17】
メカニカルシャッタを備え、
前記プロセッサは、前記メカニカルシャッタの巻き上げに要する巻き上げ期間を回避して前記フォーカスレンズを移動させる請求項1から請求項16の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記フォーカスレンズを含む撮像レンズに対して前記フォーカスレンズの移動を指示する指示信号を送信し、
前記プロセッサは、前記巻き上げの終了よりも、前記撮像レンズとの間の通信タイムラグの分だけ早く前記指示信号を前記撮像レンズに送信する請求項17に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記第2合焦位置に前記フォーカスレンズが到達する前に、前記本露光の開始タイミングが到来した場合に、前記フォーカスレンズを停止させ、前記イメージセンサに対して前記本露光を開始させる請求項1から請求項18の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記イメージセンサによる連写が開始される前段階で、前記連写の1フレーム目の前記特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第3合焦位置を予測し、
前記1フレーム目の前記本露光が開始される前に前記第3合焦位置に向けて前記フォーカスレンズを移動させる請求項1から請求項19の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記第3合焦位置に前記フォーカスレンズが到達する前に、前記1フレーム目の前記本露光の開始タイミングが到来した場合に、前記フォーカスレンズを停止させ、前記イメージセンサに対して前記本露光を開始させる請求項20に記載の撮像装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、
前記イメージセンサによる連写が開始される前段階、又は、前記連写の1フレーム目の本露光が行われている間に、前記連写の2フレーム目の前記特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第4合焦位置を予測し、
前記2フレーム目の前記本露光が開始される前に前記第4合焦位置に向けて前記フォーカスレンズを移動させる請求項1から請求項21の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記第4合焦位置に前記フォーカスレンズが到達する前に、前記2フレーム目の前記本露光の開始タイミングが到来した場合に、前記フォーカスレンズを停止させ、前記イメージセンサに対して前記本露光を開始させる請求項22に記載の撮像装置。
【請求項24】
プロセッサと、
前記プロセッサに内蔵又は接続されたメモリと、を備え、
フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサによる本露光の期間を前記フォーカスレンズが前記プロセッサの指示に従って回避して移動し、かつ、前記イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に前記本露光が行われることで連写が行われる撮像装置に対して適用される制御装置であって、
前記プロセッサは、
連写期間内で、前記本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第1合焦位置を演算し、
前記連写期間内で前記第1合焦位置を参照して前記特定フレームよりも複数フレーム先の前記特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第2合焦位置を予測し、
前記第2合焦位置に向けて前記フォーカスレンズを移動させる
制御装置。
【請求項25】
プロセッサと、フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサと、を備え、前記フォーカスレンズが前記プロセッサの指示に従って前記イメージセンサによる本露光の期間を回避して移動し、かつ、前記イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に前記本露光が行われることで連写が行われる撮像装置の動作方法であって、
連写期間内で、前記本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第1合焦位置を演算すること、
前記連写期間内で前記第1合焦位置を参照して前記特定フレームよりも複数フレーム先の前記特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第2合焦位置を予測すること、及び 前記第2合焦位置に向けて前記フォーカスレンズを移動させることを含む
撮像装置の動作方法。
【請求項26】
プロセッサと、フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサと、を備え、前記フォーカスレンズが前記プロセッサの指示に従って前記イメージセンサによる本露光の期間を回避して移動し、かつ、前記イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に前記本露光が行われることで連写が行われる撮像装置に対して適用されるコンピュータに、
連写期間内で、前記本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第1合焦位置を演算すること、
前記連写期間内で前記第1合焦位置を参照して前記特定フレームよりも複数フレーム先の前記特定被写体に対する前記フォーカスレンズの第2合焦位置を予測すること、及び 前記第2合焦位置に向けて前記フォーカスレンズを移動させることを含む処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、撮像装置、制御装置、撮像装置の動作方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、特定の被写体の動きに追従して自動合焦動作が可能な撮像装置が開示されている。特許文献1に記載の撮像装置は、フレーム単位で連続して被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、撮像部により生成された撮像画像をリアルタイムに表示する表示部と、表示部にリアルタイムに表示される撮像画像に重畳して、自動合焦させる領域を示すAF枠を表示する制御部と、を備え、制御部が、以前のフレームの撮像画像から特定の被写体の動きを検出し、検出した動きに基づいて、現フレームの撮像画像における特定の被写体の位置を予測し、予測した位置に基づいて表示部に表示される撮像画像においてAF枠を表示する。
【0003】
特許文献2には、焦点調節可能な光学系を含む撮影光学系と、撮影光学系の第1瞳部分領域を通過する光束を受光する第1焦点検出画素と、第1瞳部分領域と異なる撮影光学系の第2瞳部分領域を通過する光束を受光する第2焦点検出画素とを複数配列し、撮影光学系により結像された像を光電変換する撮像素子と、撮像素子の出力信号から被写体を検出し、被写体から焦点検出領域である第1の領域と第2の領域と第3の領域を検出する被写体領域検出手段と、被写体の第1の領域と第2の領域の焦点検出を行う焦点検出手段と、第2の領域の焦点検出結果に基づいて焦点調節を行う焦点調節手段と、第1と第2と第3の領域の焦点検出結果に基づいて被写体の移動速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段による移動速度に基づいて被写体の位置を予測する予測手段と、予測手段により予測した被写体の位置に焦点検出領域を変更する焦点検出領域変更手段と、を有することを特徴とする撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-218106号公報
【文献】特開2018-107547号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、特定被写体に対して連写が行われる場合に、連写の時間間隔を長くすることなく、特定被写体に対してフォーカスレンズの合焦位置を追従させることができる撮像装置、制御装置、撮像装置の動作方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術に係る第1の態様は、プロセッサと、フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサと、を備え、フォーカスレンズがプロセッサの指示に従ってイメージセンサによる本露光の期間を回避して移動し、かつ、イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に本露光が行われることで連写が行われる撮像装置であって、プロセッサが、連写期間内で、本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対するフォーカスレンズの第1合焦位置を演算し、連写期間内で第1合焦位置を参照して特定フレームよりも複数フレーム先の特定被写体に対するフォーカスレンズの第2合焦位置を予測し、第2合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させる撮像装置である。
【0007】
本開示の技術に係る第2の態様は、特定フレームが、本露光が行われる各フレームである第1の態様に係る撮像装置である。
【0008】
本開示の技術に係る第3の態様は、プロセッサが、第1合焦位置を参照して特定フレームよりも2フレーム以上先の第2合焦位置を予測する第1の態様又は第2の態様に係る撮像装置である。
【0009】
本開示の技術に係る第4の態様は、プロセッサが、第1合焦位置を参照して特定フレームよりも2フレーム先の第2合焦位置を予測する第3の態様に係る撮像装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第5の態様は、プロセッサが、第1合焦位置を参照して特定フレームよりも3フレーム以上先の第2合焦位置を予測する第3の態様に係る撮像装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第6の態様は、プロセッサが、本露光が行われるフレーム毎に第2合焦位置を予測する第3の態様から第5の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第7の態様は、プロセッサが、予測した最新の第2合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させる第1の態様から第6の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第8の態様は、プロセッサが、イメージセンサによる連写用フレームレートを高めるに従って、特定フレームから、第2合焦位置を予測する先のフレームまでのフレーム数を増加させる第1の態様又は第2の態様に係る撮像装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第9の態様は、プロセッサが、複数フレーム分の第1合焦位置を参照して第2合焦位置を予測する第1の態様から第8の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第10の態様は、プロセッサが、最新の本露光が行われた最新フレームで演算して得た第1合焦位置と、最新フレームと時間的に隣接する過去フレームで演算して得た第1合焦位置とを含む複数の第1合焦位置を参照して第2合焦位置を予測する第9の態様に係る撮像装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第11の態様は、プロセッサが、イメージセンサに対して、連写間隔内でライブビュー画像用の撮像を行わせる第1の態様から第10の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0017】
本開示の技術に係る第12の態様は、プロセッサが、ライブビュー画像用の撮像期間にイメージセンサによって撮像されることで得られた画像データに基づいて、撮像期間内に第1合焦位置を演算する第11の態様に係る撮像装置である。
【0018】
本開示の技術に係る第13の態様は、プロセッサが、撮像期間を利用してフォーカスレンズを移動させる第12の態様に係る撮像装置である。
【0019】
本開示の技術に係る第14の態様は、開口の大きさが可変な絞りを備え、プロセッサは、絞りを制御することで、本露光が行われている期間内の開口を第1の大きさとし、撮像期間内の開口を第1の大きさよりも大きな第2の大きさとする第13の態様に係る撮像装置である。
【0020】
本開示の技術に係る第15の態様は、プロセッサが、イメージセンサに対して連写間隔内で複数フレーム分のライブビュー画像用の撮像を行わせ、イメージセンサに対してライブビュー画像用の撮像を行わせる毎に第1合焦位置を演算する第11の態様から第14の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0021】
本開示の技術に係る第16の態様は、イメージセンサが、位相差画素群を有し、プロセッサは、位相差画素群によって撮像されることで得られた位相差画素データに基づいて第1合焦位置を演算する第1の態様から第15の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0022】
本開示の技術に係る第17の態様は、メカニカルシャッタを備え、プロセッサが、メカニカルシャッタの巻き上げに要する巻き上げ期間を回避してフォーカスレンズを移動させる第1の態様から第16の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0023】
本開示の技術に係る第18の態様は、プロセッサが、フォーカスレンズを含む撮像レンズに対してフォーカスレンズの移動を指示する指示信号を送信し、プロセッサが、巻き上げの終了よりも、撮像レンズとの間の通信タイムラグの分だけ早く指示信号を撮像レンズに送信する第17の態様に係る撮像装置である。
【0024】
本開示の技術に係る第19の態様は、プロセッサが、第2合焦位置にフォーカスレンズが到達する前に、本露光の開始タイミングが到来した場合に、フォーカスレンズを停止させ、イメージセンサに対して本露光を開始させる第1の態様から第18の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0025】
本開示の技術に係る第20の態様は、プロセッサが、イメージセンサによる連写が開始される前段階で、連写の1フレーム目の特定被写体に対するフォーカスレンズの第3合焦位置を予測し、1フレーム目の本露光が開始される前に第3合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させる第1の態様から第19の態様の何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0026】
本開示の技術に係る第21の態様は、プロセッサが、第3合焦位置にフォーカスレンズが到達する前に、1フレーム目の本露光の開始タイミングが到来した場合に、フォーカスレンズを停止させ、イメージセンサに対して本露光を開始させる第20の態様に係る撮像装置である。
【0027】
本開示の技術に係る第22の態様は、プロセッサが、イメージセンサによる連写が開始される前段階、又は、連写の1フレーム目の本露光が行われている間に、連写の2フレーム目の特定被写体に対するフォーカスレンズの第4合焦位置を予測し、2フレーム目の本露光が開始される前に第4合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させる第1の態様から第21の態様に何れか1つの態様に係る撮像装置である。
【0028】
本開示の技術に係る第23の態様は、プロセッサが、第4合焦位置にフォーカスレンズが到達する前に、2フレーム目の本露光の開始タイミングが到来した場合に、フォーカスレンズを停止させ、イメージセンサに対して本露光を開始させる第22の態様に係る撮像装置である。
【0029】
本開示の技術に係る第24の態様は、プロセッサと、プロセッサに内蔵又は接続されたメモリと、を備え、フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサによる本露光の期間をフォーカスレンズがプロセッサの指示に従って回避して移動し、かつ、イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に本露光が行われることで連写が行われる撮像装置に対して適用される制御装置であって、プロセッサは、連写期間内で、本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対するフォーカスレンズの第1合焦位置を演算し、連写期間内で第1合焦位置を参照して特定フレームよりも複数フレーム先の特定被写体に対するフォーカスレンズの第2合焦位置を予測し、第2合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させる制御装置である。
【0030】
本開示の技術に係る第25の態様は、プロセッサと、フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサと、を備え、フォーカスレンズがプロセッサの指示に従ってイメージセンサによる本露光の期間を回避して移動し、かつ、イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に本露光が行われることで連写が行われる撮像装置の動作方法であって、連写期間内で、本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対するフォーカスレンズの第1合焦位置を演算すること、連写期間内で第1合焦位置を参照して特定フレームよりも複数フレーム先の特定被写体に対するフォーカスレンズの第2合焦位置を予測すること、及び第2合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させることを含む、撮像装置の動作方法である。
【0031】
本開示の技術に係る第26の態様は、プロセッサと、フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサと、を備え、フォーカスレンズがプロセッサの指示に従ってイメージセンサによる本露光の期間を回避して移動し、かつ、イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に本露光が行われることで連写が行われる撮像装置に対して適用されるコンピュータに、連写期間内で、本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対するフォーカスレンズの第1合焦位置を演算すること、連写期間内で第1合焦位置を参照して特定フレームよりも複数フレーム先の特定被写体に対するフォーカスレンズの第2合焦位置を予測すること、及び第2合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させることを含む処理を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態に係る撮像装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2図1に示す撮像装置の背面側の外観の一例を示す背面図である。
図3】実施形態に係る撮像装置の光電変換素子に含まれる各画素の配置の一例を示す概略図である。
図4図3に示す光電変換素子に含まれる第1位相差画素及び第2位相差画素に対する被写体光の入射特性の一例を示す概念図である。
図5図3に示す光電変換素子に含まれる非位相差画素の構成の一例を示す概略構成図である。
図6】実施形態に係る撮像装置のハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。
図7】実施形態に係る撮像装置に含まれるコントローラの構成の一例を示すブロック図である。
図8】実施形態に係る合焦制御処理の処理内容の一例を示すタイムチャートである。
図9】実施形態に係る撮像装置に含まれるCPUの要部機能の一例を示すブロック図である。
図10】実施形態に係る撮像装置によってライブビュー画像用撮像が行われる場合の処理内容の一例を示すブロック図である。
図11】実施形態に係る撮像装置によって行われる処理であって、ライブビュー画像用撮像期間から連写開始タイミングが到来するまでに行われる処理の内容の一例を示すブロック図である。
図12】実施形態に係る撮像装置において連写開始タイミングが到来した場合の処理内容の一例を示すブロック図である。
図13】実施形態に係る撮像装置に含まれるメカニカルシャッタが全開状態から先幕閉状態に遷移する間に行われる処理の内容の一例を示すブロック図である。
図14】実施形態に係る撮像装置において連写中の本露光期間に行われる処理の内容の一例を示すブロック図である。
図15】実施形態に係る撮像装置において連写の1フレーム目の本露光期間に行われる処理の内容の一例を示すブロック図である。
図16】実施形態に係る撮像装置において連写の1フレーム目の本露光期間が終了してから先幕閉状態に至るまでの処理の内容の一例を示すブロック図である。
図17】実施形態に係る撮像装置において連写の1フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われる期間の処理の内容の一例を示すブロック図である。
図18】実施形態に係る撮像装置において連写の2フレーム目以降の本露光期間に行われる処理の内容の一例を示すブロック図である。
図19A】実施形態に係る合焦制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図19B図19Aに示すフローチャートの続きである。
図19C図19Bに示すフローチャートの続きである。
図19D図19Cに示すフローチャートの続きである。
図20】実施形態に係る合焦制御処理の処理内容の第1変形例を示すタイムチャートである。
図21】実施形態に係る合焦制御処理の処理内容の第2変形例を示すタイムチャートである。
図22】実施形態に係る合焦制御処理の処理内容の第3変形例を示すタイムチャートである。
図23】実施形態に係る合焦制御処理の処理内容の第4変形例を示すタイムチャートである。
図24】実施形態に係る合焦制御処理プログラムが記憶されている記憶媒体から、合焦制御処理プログラムが撮像装置内のコントローラにインストールされる態様の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に従って本開示の技術に係る撮像装置と撮像装置の動作方法の実施形態の一例について説明する。
【0034】
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
【0035】
CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。ICとは、“Integrated Circuit”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。PLDとは、“Programmable Logic Device”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。SoCとは、“System-on-a-chip”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。USBとは、“Universal Serial Bus”の略称を指す。HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。ELとは、“Electro-Luminescence”の略称を指す。I/Fとは、“Interface”の略称を指す。UIとは、“User Interface”の略称を指す。TOFとは、“Time of Flight”の略称を指す。fpsとは、“frame per second”の略称を指す。MFとは、“Manual Focus”の略称を指す。AFとは、“Auto Focus”の略称を指す。
【0036】
本明細書の説明において、「垂直」とは、完全な垂直の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの垂直を指す。本明細書の説明において、「一致」とは、完全な一致の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの一致を指す。
【0037】
一例として図1に示すように、撮像装置10は、レンズ交換式で、かつ、レフレックスミラーが省略されたデジタルカメラである。撮像装置10は、撮像装置本体12と、撮像装置本体12に交換可能に装着される交換レンズ14と、を備えている。なお、ここでは、撮像装置10の一例として、レンズ交換式で、かつ、レフレックスミラーが省略されたデジタルカメラが挙げられているが、本開示の技術はこれに限定されない。レンズ固定式のデジタルカメラであってもよいし、スマートデバイス、ウェアラブル端末、細胞観察装置、眼科観察装置、又は外科顕微鏡等の各種の電子機器に内蔵されるデジタルカメラであってもよい。
【0038】
撮像装置本体12には、イメージセンサ16が設けられている。イメージセンサ16は、CMOSイメージセンサである。交換レンズ14が撮像装置本体12に装着された場合に、被写体を示す被写体光は、交換レンズ14を透過してイメージセンサ16に結像され、被写体の画像を示す画像データがイメージセンサ16によって生成される。
【0039】
なお、本実施形態では、イメージセンサ16としてCMOSイメージセンサを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、イメージセンサ16がCCDイメージセンサ等の他種類のイメージセンサであっても本開示の技術は成立する。
【0040】
撮像装置本体12の上面には、レリーズボタン18及びダイヤル20が設けられている。ダイヤル20は、撮像系の動作モード及び再生系の動作モード等の設定の際に操作され、ダイヤル20が操作されることによって、撮像装置10では、動作モードとして撮像モードと再生モードとが選択的に設定される。
【0041】
レリーズボタン18は、撮像準備指示部及び撮像指示部として機能し、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作が検出可能である。撮像準備指示状態とは、例えば待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、「待機位置から半押し位置まで押下される状態」を「半押し状態」といい、「待機位置から全押し位置まで押下される状態」を「全押し状態」という。撮像装置10の構成によっては、撮像準備指示状態とは、ユーザの指がレリーズボタン18に接触した状態であってもよく、撮像指示状態とは、操作するユーザの指がレリーズボタン18に接触した状態から離れた状態に移行した状態であってもよい。
【0042】
レリーズボタン18は、撮像装置10に対して連写の指示を与える場合にも操作される。連写は、イメージセンサ16による本露光を伴う連続的な静止画像用の撮像である。撮像装置10に対して撮像モードが設定されている状況下で、レリーズボタン18の全押し状態が一定時間(例えば、0.5秒)以上継続されると、連写が開始される。連写は、全押状態が解除されるまで行われる。撮像装置10では、イメージセンサ16によって既定の時間間隔で連続的に本露光が行われることで連写が行われる。ここで、既定の時間間隔とは、例えば、数fpsの連写用フレームレート(例えば、8fps)によって定められる1フレーム分の時間間隔を指す。
【0043】
一例として図2に示すように、撮像装置本体12の背面には、タッチパネル・ディスプレイ22及び指示キー24が設けられている。
【0044】
タッチパネル・ディスプレイ22は、ディスプレイ26及びタッチパネル28(図3も参照)を備えている。ディスプレイ26の一例としては、有機ELディスプレイが挙げられる。ディスプレイ26は、有機ELディスプレイではなく、液晶ディスプレイなどの他種類のディスプレイであってもよい。
【0045】
ディスプレイ26は、画像及び/又は文字情報等を表示する。ディスプレイ26は、撮像装置10が撮像モードの場合に、ライブビュー画像用の撮像、すなわち、連続的な撮像が行われることにより得られたライブビュー画像の表示に用いられる。ライブビュー画像用の撮像(以下、「ライブビュー画像用撮像」とも称する)は、例えば、60fpsのフレームレートに従って行われる。
【0046】
ここで、「ライブビュー画像」とは、イメージセンサ16によって撮像されることにより得られた画像データに基づく表示用の動画像を指す。ライブビュー画像は、一般的には、スルー画像とも称されている。また、ディスプレイ26は、撮像装置10に対してレリーズボタン18を介して静止画像用の撮像の指示が与えられた場合に、静止画像用の撮像が行われることで得られた静止画像の表示にも用いられる。更に、ディスプレイ26は、撮像装置10が再生モードの場合の再生画像の表示及びメニュー画面等の表示にも用いられる。
【0047】
タッチパネル28は、透過型のタッチパネルであり、ディスプレイ26の表示領域の表面に重ねられている。タッチパネル28は、指又はスタイラスペン等の指示体による接触を検知することで、ユーザからの指示を受け付ける。なお、本実施形態では、撮像装置10に対する連写の指示がタッチパネル28を介しても行われる。すなわち、ディスプレイ26に表示された撮像開始用のソフトキーをユーザがタッチパネル28を介して継続的にオンすることで連写が開始される。連写は、撮像開始用のソフトキーに対してのタッチパネル28を介したオン状態が解除されるまで継続される。なお、以下では、説明の便宜上、上述した「全押し状態」には、撮像開始用のソフトキーに対してユーザがタッチパネル28を介してオンした状態も含める。
【0048】
なお、本実施形態では、タッチパネル・ディスプレイ22の一例として、タッチパネル28がディスプレイ26の表示領域の表面に重ねられているアウトセル型のタッチパネル・ディスプレイを挙げているが、これはあくまでも一例に過ぎない。例えば、タッチパネル・ディスプレイ22として、オンセル型又はインセル型のタッチパネル・ディスプレイを適用することも可能である。
【0049】
指示キー24は、各種の指示を受け付ける。ここで、「各種の指示」とは、例えば、各種メニューを選択可能なメニュー画面の表示の指示、1つ又は複数のメニューの選択の指示、選択内容の確定の指示、選択内容の消去の指示、ズームイン、ズームアウト、及びコマ送り等の各種の指示等を指す。また、これらの指示はタッチパネル28によってされてもよい。
【0050】
一例として図3に示すように、イメージセンサ16は、光電変換素子30を備えている。光電変換素子30は、受光面30Aを有する。光電変換素子30は、受光面30Aの中心と光軸OA(図1参照)とが一致するように撮像装置本体12(図1参照)内に配置されている。光電変換素子30は、マトリクス状に配置された複数の感光画素を有しており、受光面30Aは、複数の感光画素によって形成されている。感光画素は、フォトダイオードPDを有する画素であり、受光した光を光電変換し、受光量に応じた電気信号を出力する。光電変換素子30に含まれている感光画素の種類は、位相差画素Pと、位相差画素Pとは異なる画素である非位相差画素Nとの2種類である。
【0051】
フォトダイオードPDには、カラーフィルタが配置されている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(緑色)波長域に対応するGフィルタ、R(赤色)波長域に対応するRフィルタ、及びB(青色)波長域に対応するBフィルタを含む。
【0052】
一般的に、非位相差画素Nは、通常画素とも称される。光電変換素子30は、非位相差画素Nとして、R画素、G画素、及びB画素の3種類の感光画素を有する。R画素、G画素、B画素、及び位相差画素Pは、行方向(例えば、撮像装置本体12の底面を水平面に接触させた状態での水平方向)及び列方向(例えば、水平方向に対して垂直な方向である垂直方向)の各々に既定の周期性で規則的に配置されている。R画素は、Rフィルタが配置されたフォトダイオードPDに対応する画素であり、G画素及び位相差画素Pは、Gフィルタが配置されたフォトダイオードPDに対応する画素であり、B画素は、Bフィルタが配置されたフォトダイオードPDに対応する画素である。
【0053】
受光面30Aには、複数の位相差画素ライン32Aと複数の非位相差画素ライン32Bとが配列されている。位相差画素ライン32Aは、位相差画素Pを含む水平ラインである。具体的には、位相差画素ライン32Aは、位相差画素Pと非位相差画素Nとが混在している水平ラインである。非位相差画素ライン32Bは、複数の非位相差画素Nのみを含む水平ラインである。
【0054】
受光面30Aには、位相差画素ライン32Aと、既定ライン数分の非位相差画素ライン32Bとが列方向に沿って交互に配置されている。ここで言う「既定ライン数」とは、例えば、2ラインを指す。なお、ここでは、既定ライン数として、2ラインを例示しているが、本開示の技術はこれに限らず、既定ライン数は、3ライン以上の数ラインであってもよいし、十数ライン、数十ライン、又は数百ライン等であってもよい。
【0055】
位相差画素ライン32Aは、1行目から最終行にかけて列方向に2行飛ばしで配列されている。位相差画素ライン32Aの一部の画素が位相差画素Pである。具体的には、位相差画素ライン32Aは、位相差画素Pと非位相差画素Nとが周期的に配列された水平ラインである。位相差画素Pは、第1位相差画素Lと第2位相差画素Rとに大別される。位相差画素ライン32Aには、G画素として第1位相差画素Lと第2位相差画素Rとがライン方向に数画素間隔で交互に配置されている。
【0056】
第1位相差画素L及び第2位相差画素Rは、列方向で交互に現れるように配置されている。図3に示す例では、4列目において、1行目から列方向に沿って第1位相差画素L、第2位相差画素R、第1位相差画素L、及び第2位相差画素Rの順に配置されている。すなわち、第1位相差画素Lと第2位相差画素Rとが1行目から列方向に沿って交互に配置されている。また、図3に示す例では、10列目において、1行目から列方向に沿って第2位相差画素R、第1位相差画素L、第2位相差画素R、及び第1位相差画素Lの順に配置されている。すなわち、第2位相差画素Rと第1位相差画素Lとが1行目から列方向に沿って交互に配置されている。
【0057】
光電変換素子30は、2つの領域に区分される。すなわち、光電変換素子30は、非位相差画素区分領域30N及び位相差画素区分領域30Pを有する。位相差画素区分領域30Pは、複数の位相差画素Pによる位相差画素群であり、被写体光を受光して受光量に応じた電気信号として位相差画像データを生成する。位相差画像データは、例えば、測距に用いられる。非位相差画素区分領域30Nは、複数の非位相差画素Nによる非位相差画素群であり、被写体光を受光して受光量に応じた電気信号として非位相差画像データを生成する。非位相差画像データは、例えば、可視光画像としてディスプレイ26(図2参照)に表示される。
【0058】
一例として図4に示すように、第1位相差画素Lは、遮光部材34A、マイクロレンズ36、及びフォトダイオードPDを備えている。第1位相差画素Lでは、マイクロレンズ36とフォトダイオードPDの受光面との間に遮光部材34Aが配置されている。フォトダイオードPDの受光面における行方向の左半分(受光面から被写体を臨む場合の左側(換言すると、被写体から受光面を臨む場合の右側))は、遮光部材34Aによって遮光されている。
【0059】
第2位相差画素Rは、遮光部材34B、マイクロレンズ36、及びフォトダイオードPDを備えている。第2位相差画素Rでは、マイクロレンズ36とフォトダイオードPDの受光面との間に遮光部材34Bが配置されている。フォトダイオードPDの受光面における行方向の右半分(受光面から被写体を臨む場合の右側(換言すると、被写体から受光面を臨む場合の左側))は、遮光部材34Bによって遮光されている。なお、以下では、説明の便宜上、遮光部材34A及び34Bを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「遮光部材」と称する。
【0060】
交換レンズ14は、撮像レンズ40を備えている。撮像レンズ40の射出瞳を通過する光束は、左領域通過光38L及び右領域通過光38Rに大別される。左領域通過光38Lとは、撮像レンズ40の射出瞳を通過する光束のうち、位相差画素P側から被写体側を臨む場合の左半分の光束を指し、右領域通過光38Rとは、撮像レンズ40の射出瞳を通過する光束のうち、位相差画素P側から被写体側を臨む場合の右半分の光束を指す。撮像レンズ40の射出瞳を通過する光束は、瞳分割部として機能するマイクロレンズ36、遮光部材34A、及び遮光部材34Bにより左右に分割され、第1位相差画素Lが被写体光として左領域通過光38Lを受光し、第2位相差画素Rが被写体光として右領域通過光38Rを受光する。この結果、左領域通過光38Lに対応する被写体像に相当する第1位相差画像データと、右領域通過光38Rに対応する被写体像に相当する第2位相差画像データとが光電変換素子30によって生成される。
【0061】
撮像装置10では、例えば、同一の位相差画素ライン32Aにおいて、1ライン分の第1位相差画像データと1ライン分の第2位相差画像データとのずれ量αに基づいて被写体までの距離、すなわち、被写体距離が測定される。なお、ずれ量αから被写体距離が導出される方法は公知技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0062】
一例として図5に示すように、非位相差画素Nは、位相差画素Pに比べ、遮光部材を有しない点が異なる。非位相差画素NのフォトダイオードPDは、被写体光として左領域通過光38L及び右領域通過光38Rを受光する。
【0063】
一例として図6に示すように、撮像レンズ40は、対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、及び絞り40Cを備えている。
【0064】
対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、及び絞り40Cは、被写体側(物体側)から撮像装置本体12側(像側)にかけて、光軸OAに沿って、対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、及び絞り40Cの順に配置されている。
【0065】
また、交換レンズ14は、スライド機構42、モータ44、及びモータ46を備えている。スライド機構42には、光軸OAに沿ってスライド可能にフォーカスレンズ40Bが取り付けられている。また、スライド機構42にはモータ44が接続されており、スライド機構42は、モータ44の動力を受けて作動することでフォーカスレンズ40Bを光軸OAに沿って移動させる。絞り40Cは、開口の大きさが可変な絞りである。絞り40Cにはモータ46が接続されており、絞り40Cは、モータ46の動力を受けて作動することで露出を調節する。なお、交換レンズ14の構成物及び/又は動作方法は、必要に応じて変更可能である。
【0066】
モータ44及び46は、マウント(図示省略)を介して撮像装置本体12に接続されており、撮像装置本体12からの命令に従って駆動が制御される。なお、本実施形態では、モータ44及び46の一例として、ステッピングモータが採用されている。従って、モータ44及び46は、撮像装置本体12からの命令によりパルス信号に同期して動作する。また、図6に示す例では、モータ44及び46が交換レンズ14に設けられている例が示されているが、これに限らず、モータ44及び46のうちの一方が撮像装置本体12に設けられていてもよいし、モータ44及び46の双方が撮像装置本体12に設けられていてもよい。
【0067】
撮像装置10では、撮像モードの場合に、撮像装置本体12に対して与えられた指示に従ってMFモード及びAFモードが選択的に設定される。MFモードは、手動でピントを合わせる動作モードである。MFモードでは、例えば、ユーザによって交換レンズ14のフォーカスリングが操作されることで、フォーカスリングの操作量に応じた移動量でフォーカスレンズ40Bが光軸OAに沿って移動し、これによってピントが調節される。
【0068】
AFモードでは、撮像装置本体12が被写体距離に応じた合焦位置の演算を行い、演算して得た合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを移動させることで、ピントを調節する。ここで、合焦位置とは、ピントが合っている状態でのフォーカスレンズ40Bの光軸OA上での位置を指す。
【0069】
なお、以下では、説明の便宜上、フォーカスレンズ40Bを合焦位置に合わせる制御を「AF制御」とも称する。また、以下では、説明の便宜上、合焦位置の演算を「AF演算」とも称する。
【0070】
一例として図6に示すように、撮像装置本体12は、イメージセンサ16、コントローラ48、画像メモリ50、UI系デバイス52、外部I/F54、光電変換素子ドライバ56、モータドライバ58、モータドライバ60、先幕用ソレノイドドライバ62、後幕用ソレノイドドライバ64、先幕用ソレノイドアクチュエータ66、後幕用ソレノイドアクチュエータ68、及び入出力インタフェース70を備えている。また、撮像装置本体12は、メカニカルシャッタ72を備えている。また、イメージセンサ16は、信号処理回路74を備えている。
【0071】
入出力インタフェース70には、コントローラ48、画像メモリ50、UI系デバイス52、外部I/F54、光電変換素子ドライバ56、モータドライバ58、モータドライバ60、先幕用ソレノイドドライバ62、後幕用ソレノイドドライバ64、及び信号処理回路74が接続されている。
【0072】
コントローラ48は、CPU48A、ストレージ48B、及びメモリ48Cを備えている。CPU48Aは、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例であり、ストレージ48B及びメモリ48Cは、本開示の技術に係る「メモリ」の一例であり、コントローラ48は、本開示の技術に係る「制御装置」及び「コンピュータ」の一例である。
【0073】
CPU48A、ストレージ48B、及びメモリ48Cは、バス76を介して接続されており、バス76は入出力インタフェース70に接続されている。
【0074】
なお、図6に示す例では、図示の都合上、バス76として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス76は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
【0075】
ストレージ48Bは、各種パラメータ及び各種プログラムを記憶している。ストレージ48Bは、不揮発性の記憶装置である。ここでは、ストレージ48Bの一例として、EEPROMが採用されている。EEPROMはあくまでも一例に過ぎず、EEPROMに代えて、又は、EEPROMと共に、HDD、及び/又はSSD等をストレージ48Bとして適用してもよい。また、メモリ48Cは、各種情報を一時的に記憶し、ワークメモリとして用いられる。メモリ48Cの一例としては、RAMが挙げられるが、これに限らず、他の種類の記憶装置であってもよい。
【0076】
ストレージ48Bには、各種プログラムが記憶されている。CPU48Aは、ストレージ48Bから必要なプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ48C上で実行する。CPU48Aは、メモリ48C上で実行するプログラムに従って撮像装置本体12の全体を制御する。図6に示す例では、画像メモリ50、UI系デバイス52、外部I/F54、光電変換素子ドライバ56、モータドライバ58、モータドライバ60、先幕用ソレノイドドライバ62、及び後幕用ソレノイドドライバ64がCPU48Aによって制御される。
【0077】
光電変換素子30には、光電変換素子ドライバ56が接続されている。光電変換素子ドライバ56は、光電変換素子30によって行われる撮像のタイミングを規定する撮像タイミング信号を、CPU48Aからの指示に従って光電変換素子30に供給する。光電変換素子30は、光電変換素子ドライバ56から供給された撮像タイミング信号に従って、リセット、露光、及び電気信号の出力を行う。撮像タイミング信号としては、例えば、垂直同期信号及び水平同期信号が挙げられる。
【0078】
交換レンズ14が撮像装置本体12に装着された場合、撮像レンズ40に入射された被写体光は、撮像レンズ40によって受光面30Aに結像される。光電変換素子30は、光電変換素子ドライバ56の制御下で、受光面30Aによって受光された被写体光を光電変換し、被写体光の光量に応じた電気信号を、被写体光を示すアナログ画像データとして信号処理回路74に出力する。具体的には、信号処理回路74が、露光順次読み出し方式で、光電変換素子30から1フレーム単位で且つ水平ライン毎にアナログ画像データを読み出す。アナログ画像データは、位相差画素Pによって生成されたアナログの位相差画像データと、非位相差画素Nによって生成されたアナログの非位相差画像データとに大別される。
【0079】
信号処理回路74は、光電変換素子30から入力されたアナログ画像データをデジタル化し、デジタル画像データを生成する。信号処理回路74は、非位相差画像データ処理回路74A及び位相差画像データ処理回路74Bを備えている。非位相差画像データ処理回路74Aは、アナログの非位相差画像データをデジタル化することでデジタルの非位相差画像データを生成する。位相差画像データ処理回路74Bは、アナログの位相差画像データをデジタル化することでデジタルの位相差画像データを生成する。
【0080】
なお、以下では、説明の便宜上、デジタルの非位相差画像データとデジタルの位相差画像データとを区別して説明する必要がない場合、「デジタル画像データ」と称する。また、以下では、説明の便宜上、アナログ画像データとデジタル画像データとを区別して説明する必要がない場合、「画像データ」と称する。
【0081】
メカニカルシャッタ72は、フォーカルプレーンシャッタであり、絞り40Cと受光面30Aとの間に配置されている。メカニカルシャッタ72は、フレーム72A、先幕72B、及び後幕72Cを備えている。フレーム72Aは、薄板状の枠体であり、撮像レンズ40から射出された被写体光を透過させて受光面30Aに導く。フレーム72Aは、開口72A1と枠縁とで形成されている。枠縁は、矩形状に形成されており、開口72A1の形状、面積、及び厚さを画定している。開口72A1は、矩形状であり、フレーム72Aの中央部に形成されている。フレーム72Aは、開口72A1の中心が光軸OAと一致するように受光面30Aよりも被写体側に配置されている。先幕72B及び後幕72Cの各々は、複数枚の羽根を備えている。先幕72Bは、フレーム72Aよりも被写体側に配置されており、後幕72Cは、フレーム72Aよりも受光面30A側に配置されている。
【0082】
メカニカルシャッタ72は、全開状態と先幕閉状態と後幕閉状態との間で状態が遷移する。全開状態は、先幕72B及び後幕72Cによって開口72A1が全開されている状態である。全開状態では、先幕72Bの複数枚の羽根が、フレーム72Aの下縁部の被写体側に重ねて収容されており、後幕72Cの複数枚の羽根が、フレーム72Aの上縁部の受光面30A側に重ねて収容されている。先幕72Bによって開口72A1が遮蔽される場合、先幕72Bの複数枚の羽根が破線矢印A方向に巻き上げられ、先幕72Bの複数枚の羽根によって開口72A1が遮蔽される。また、後幕72Cによって開口72A1が遮蔽される場合、後幕72Cの複数枚の羽根が破線矢印B方向に引き下ろされ、後幕72Cの複数枚の羽根によって開口72A1が遮蔽される。
【0083】
先幕閉状態は、先幕72Bが開口72A1を遮蔽し、かつ、後幕72Cが開口72A1を開放している状態である。全開状態から先幕閉状態にする場合、破線矢印A方向に先幕72Bが巻き上げられる。後幕閉状態は、後幕72Cが開口72A1を遮蔽し、かつ、先幕72Bが開口72A1を開放している状態である。全開状態から後幕閉状態にする場合、破線矢印B方向に後幕72Cが引き下ろされる。
【0084】
先幕用ソレノイドアクチュエータ66及び後幕用ソレノイドアクチュエータ68の各々は、動力源であるソレノイドを有するアクチュエータである。先幕用ソレノイドドライバ62は、CPU48Aからの指示に従って、先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御する。後幕用ソレノイドドライバ64は、CPU48Aからの指示に従って、後幕用ソレノイドアクチュエータ68を制御する。
【0085】
先幕72Bは、先幕用ソレノイドアクチュエータ66に機械的に連結されており、先幕用ソレノイドアクチュエータ66は、先幕用ソレノイドドライバ62の制御下で動力を生成し、生成した動力を先幕72Bに付与することで先幕72Bの巻き上げ及び引き下ろしを選択的に行う。後幕72Cは、後幕用ソレノイドアクチュエータ68に機械的に連結されており、後幕用ソレノイドアクチュエータ68は、後幕用ソレノイドドライバ64の制御下で動力を生成し、生成した動力を後幕72Cに付与することで後幕72Cの巻き上げ及び引き下ろしを選択的に行う。
【0086】
撮像装置10では、ライブビュー画像用撮像と、静止画像及び/又は動画像を記録するための記録画像用の撮像とが露光順次読み出し方式(ローリングシャッタ方式)で行われる。イメージセンサ16は、電子シャッタ機能を有しており、ライブビュー画像用撮像は、メカニカルシャッタ72を全開状態にしたまま作動させずに、電子シャッタ機能を働かせることで実現される。
【0087】
これに対し、静止画像用の撮像は、電子シャッタ機能を働かせ、かつ、メカニカルシャッタ72を先幕閉状態から後幕閉状態に遷移させるようにメカニカルシャッタ72を作動させることで実現される。メカニカルシャッタ72を先幕閉状態から後幕閉状態に遷移させる場合、先幕72B及び後幕72Cのうち、後幕72Cの引き下ろしに先立って、先ず、先幕72Bの引き下ろしが開始される。そして、先幕72Bの引き下ろしが開始されてから、先幕72Bに遅れて後幕72Cの引き下ろしが開始される。先幕72Bの引き下ろしが開始されてから後幕72Cの引き下ろしが開始されるまでのタイムラグは、指定されたシャッタスピードに応じて定まり、タイムラグが長いほど先幕72Bと後幕72Cとの間の隙間が広くなり、これに伴って本露光が行われる時間が長くなる。
【0088】
画像メモリ50には、デジタル画像データが記憶される。すなわち、非位相差画像データ処理回路74Aが画像メモリ50に対して非位相差画像データを記憶させ、位相差画像データ処理回路74Bが画像メモリ50に対して位相差画像データを記憶させる。CPU48Aは、画像メモリ50からデジタル画像データを取得し、取得したデジタル画像データを用いて各種処理を実行する。
【0089】
UI系デバイス52は、ディスプレイ26を備えており、CPU48Aは、ディスプレイ26に対して各種情報を表示させる。また、UI系デバイス52は、受付デバイス80を備えている。受付デバイス80は、タッチパネル28及びハードキー部82を備えている。ハードキー部82は、指示キー24(図2参照)を含む複数のハードキーである。CPU48Aは、タッチパネル28によって受け付けられた各種指示に従って動作する。なお、ここでは、ハードキー部82がUI系デバイス52に含まれているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、ハードキー部82は、外部I/F54に接続されていてもよい。
【0090】
外部I/F54は、撮像装置10の外部に存在する装置(以下、「外部装置」とも称する)との間の各種情報の授受を司る。外部I/F54の一例としては、USBインタフェースが挙げられる。USBインタフェースには、スマートデバイス、パーソナル・コンピュータ、サーバ、USBメモリ、メモリカード、及び/又はプリンタ等の外部装置(図示省略)が直接的又は間接的に接続される。
【0091】
モータドライバ58は、モータ44に接続されており、CPU48Aからの指示に従ってモータ44を制御する。モータ44が制御されることによって、スライド機構42を介してフォーカスレンズ40Bの光軸OA上での位置が制御される。フォーカスレンズ40Bは、CPU48Aからの指示に従って、イメージセンサ16による本露光の期間を回避して移動する。
【0092】
また、モータドライバ60は、モータ46に接続されており、CPU48Aからの指示に従ってモータ46を制御する。モータ46が制御されることによって絞り40Cの開口の大きさが制御される。
【0093】
ところで、一般的なAF機能付き撮像装置によって、合焦対象領域(例えば、特定の動体を含む撮像対象領域)に対してAF制御を伴う連写が行われる場合、連写用フレームレートが高くなると、これに伴って連写間にフォーカスレンズを移動させる時間も短くなる。フォーカスレンズの移動時間が短くなると、合焦対象領域に対するフォーカスレンズの合焦位置の追従も困難になる。例えば、AF機能付き撮像装置によって連写の1フレーム毎に1フレーム先の合焦位置が予測され、予測された合焦位置に向けてフォーカスレンズを移動させるようにしたとしても、連写間隔(例えば、連写用フレームレートによって規定される1フレーム分の時間)が短過ぎてフォーカスレンズの移動時間が十分に確保することができない場合がある。このような場合、予測された合焦位置にフォーカスレンズが到達する前に本露光の開始タイミングが到来してしまい、フォーカスレンズを停止せざるを得なくなる。
【0094】
そこで、このような事情を鑑み、本実施形態に撮像装置10では、一例として図7に示すように、ストレージ48Bに合焦制御処理プログラム84が記憶されており、CPU48Aによって合焦制御処理プログラム84に従って合焦制御処理が実行される。合焦制御処理は、CPU48Aによって、ストレージ48Bから合焦制御処理プログラム84が読み出され、読み出された合焦制御処理プログラム84がメモリ48C上で実行されることによって実現される。合焦制御処理プログラム84は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。以下、合焦制御処理の構成に関して具体的に説明する。
【0095】
図8には、撮像モードにおいて、連写が行われる前段階でライブビュー画像用撮像が行われている期間(以下、「ライブビュー画像用撮像期間」とも称する)にレリーズボタン18(図1参照)が全押し状態とされることで連写が開始された場合にCPU48Aによって行われる合焦制御処理の一例が示されている。
【0096】
図8に示す例では、連写用の撮像が行われる期間、すなわち、記録画像用の連続的な撮像が行われている期間(以下、「連写期間」とも称する)のうちの1フレーム目から3フレーム目までの3フレーム分の連写が行われる態様が示されている。また、連写期間では、連写のフレーム毎に、記録画像用の1フレーム分の本露光が行われ、かつ、複数フレーム分(以下に示す例では、3フレーム分)のライブビュー画像用撮像が行われる。
【0097】
また、図8に示す例において、「閉」とは、先幕閉状態を指し、「開」とは、先幕72Bが全開されている状態、又は、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態から後幕閉状態への遷移中の状態を指す。先幕72Bが全開されている状態とは、全開状態又は後幕閉状態を指す。メカニカルシャッタ72が全開状態の場合、ライブビュー画像用撮像が行われ、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態から後幕閉状態への遷移中の状態では、イメージセンサ16によって本露光が行われる。
【0098】
なお、以下では、説明の便宜上、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態から後幕閉状態への遷移中に全開状態にならないことを前提として説明するが、これはあくまでも一例に過ぎない。本露光の期間を長くする場合には、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態から後幕閉状態への遷移中に全開状態になることもあり得る。このようにメカニカルシャッタ72が先幕閉状態から後幕閉状態への遷移中に全開状態になったとしても本開示の技術は成立する。
【0099】
一例として図8に示すように、ライブビュー画像用撮像期間では、メカニカルシャッタ72が全開状態でライブビュー画像用撮像が行われる。ライブビュー画像用撮像期間では、ライブビュー画像用撮像が行われることによって非位相差画像データ処理回路74Aによって生成された非位相差画像データが、画像メモリ50に記憶される。そして、CPU48Aによって画像メモリ50から非位相差画像データが読み出され、読み出された非位相差画像データにより示される画像がライブビュー画像としてディスプレイ26に表示される。
【0100】
また、ライブビュー画像用撮像期間では、ライブビュー画像用撮像が行われることによって位相差画像データ処理回路74Bによって位相差画像データが生成され、画像メモリ50に記憶される。CPU48Aは、画像メモリ50から位相差画像データを読み出し、読み出した位相差画像データに基づいて、被写体内の合焦対象領域に関する被写体距離を測定する。合焦対象領域は、例えば、被写体内のうち、ユーザによって受付デバイス80を介して指定された領域であり、本実施形態では、合焦対象領域として、被写体の中央部が合焦対象領域として採用されている。
【0101】
なお、合焦対象領域は、固定された領域であってもよいし、撮像範囲内での位置が変更される領域であってもよい。合焦対象領域は、例えば、画像データ等に基づく画像認識処理がCPU48Aによって行われることで認識された特定の動体(例えば、特定の人物、特定の自動車、特定の自転車、又は特定の航空機など)を追従する領域であってもよい。
【0102】
ライブビュー画像用撮像期間において、CPU48Aは、測定して得た被写体距離に基づいてAF演算を行う。また、ライブビュー画像用撮像期間において、CPU48Aは、AF演算を行って得た合焦位置に基づいて、連写の1フレーム目の本露光が開始されるタイミングでの合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置を予測する。ここで、Nを自然数としたとき、連写のNフレーム目とは、連写期間においてN番目に本露光が行われるフレームを指す。合焦位置の予測は、例えば、最新の複数のAF演算(例えば、現時点から過去に遡って最新の2回のAF演算)によって得られた複数の合焦位置に基づいて行われる。CPU48Aは、モータドライバ58を制御することで、予測した合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを光軸OAに沿って移動させる。
【0103】
レリーズボタン18が全押しされ、全押し状態が一定時間以上継続すると、やがて連写を開始するタイミング(以下、「連写開始タイミング」とも称する)が到来する。連写開始タイミングが到来すると、ディスプレイ26のライブビュー画像は非表示される。すなわち、ディスプレイ26のうちのライブビュー画像が表示される表示領域がブラックアウトされる。また、連写開始タイミングが到来すると、連写が開始される。連写開始タイミングは、例えば、先幕72Bで開口72A1を閉じることを指示する先幕閉信号がCPU48Aから先幕用ソレノイドドライバ62に出力されたタイミングである。先幕用ソレノイドドライバ62は、先幕閉信号が入力されると、メカニカルシャッタ72を全開状態から先幕閉状態に遷移させるように、先幕72Bの巻き上げを開始する。先幕72Bの巻き上げ中に、本露光に備えて絞り40Cの開口の大きさが調節される。
【0104】
メカニカルシャッタ72が先幕閉状態になると、先幕72Bの引き下ろしが開始される。また、先幕72Bの引き下ろしが開始されてから遅延して後幕72Cの引き下ろしが開始される。これによって、連写の1フレーム目の本露光が開始される。また、本露光が開始されるタイミングで、フォーカスレンズ40Bを停止させる。本露光中にフォーカスレンズ40Bが移動していると、撮像されて得られた画像に対してフォーカスレンズ40Bの移動に起因する歪みが生じてしまうからである。
【0105】
連写の1フレーム目の本露光が行われている間、CPU48Aは、AF演算を行って得た最新の合焦位置に基づいて、連写の2フレーム目の本露光が行われるタイミングでの合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置を予測する。この場合も、合焦位置の予測は、例えば、ライブビュー画像用撮像期間で得られた最新の複数のAF演算によって得られた複数の合焦位置と、連写の1フレーム目の予測が完了してから現時点までの経過時間とに基づいて行われる。なお、ここでは、連写の1フレーム目の本露光が行われている間に、連写の2フレーム目の予測が行われる形態例を挙げて説明しているが、本開示の技術はこれに限定されず、連写の1フレーム目の本露光が開始される前段階で連写の2フレーム目の予測が行われるようにしてもよい。例えば、連写の1フレーム目の予測と並行して、連写の2フレーム目の予測が行われるようにしてもよい。
【0106】
連写の1フレーム目の本露光が終了すると、メカニカルシャッタ72が後幕閉状態となり、連写の1フレーム目のデジタル画像データの読み出しが開始される。ここで、デジタル画像データの読み出しとは、連写の1フレーム目のデジタル画像データが画像メモリ50に記憶され、CPU48Aによって画像メモリ50からデジタル画像データが読み出されて既定の記憶領域(ここでは、一例としてストレージ48B)に記憶されるまでの処理を指す。
【0107】
連写の1フレーム目の本露光が終了すると、CPU48Aは、モータドライバ58を制御することで、連写の1フレーム目の本露光が行われている間に予測した合焦位置(連写期間の2フレーム目の合焦位置)に向けてフォーカスレンズ40Bの移動を再開させる。
【0108】
デジタル画像データの読み出しが終了すると、後幕72Cが巻き上げられ、メカニカルシャッタ72が後幕閉状態から先幕閉状態へ遷移する。この間も、フォーカスレンズ40Bは、連写の1フレーム目の本露光が行われている間に予想された合焦位置に向けて移動し続けている。メカニカルシャッタ72が先幕閉状態になると、先幕72Bが引き下ろされてメカニカルシャッタ72は先幕閉状態から全開状態に遷移し、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われ、これによって得られた非位相差画像データにより示される画像がライブビュー画像としてディスプレイ26に表示される。なお、ここでは、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が例示されているが、これはあくまでも一例に過ぎず、1又は2フレーム分のライブビュー画像用撮像であってもよいし、4フレーム以上のライブビュー画像用撮像であってもよく、ライブビュー画像用撮像のフレームレートに応じて定まるフレーム数分のライブビュー画像用撮像が行われる。
【0109】
また、ここで、ライブビュー画像用撮像が行われる毎に、ライブビュー画像用撮像が行われることによって得られた非位相差画像データに基づいて、CPU48Aによって、AF演算が行われる。そして、AF演算が行われる毎に、最新の複数のAF演算から得られた複数の合焦位置に基づいて、CPU48Aによって、連写の2フレーム先の本露光が行われるタイミングでの合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置が予測される。
【0110】
一方で、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われている間も、フォーカスレンズ40Bは、連写の1フレーム目の本露光が行われている間に予想された合焦位置に向けて移動し続けている。つまり、CPU48Aは、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われている間を利用して、フォーカスレンズ40Bを、予想された最新の合焦位置に向けて移動させ続けている。
【0111】
3フレーム目のライブビュー画像用撮像が終了すると、CPU48Aは、モータドライバ58を制御することで、3フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われることに伴って予測された最新の合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを光軸OAに沿って移動させる。
【0112】
合焦制御処理において、連写の2フレーム目以降の各フレームでは、レリーズボタン18の全押し状態が解除されるまでの間、本露光期間に連写の次フレーム(図8に示す例では、連写の1フレーム目)の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置の予測が行われないということを除いて、連写開始タイミングが到来してからの連写の1フレーム目の処理と同様の処理が繰り返し行われる。
【0113】
一例として図9に示すように、合焦制御処理は、合焦位置演算部48A1、合焦位置予測部48A2、及び制御部48A3によって実現される。CPU48Aは、ストレージ48Bから合焦制御処理プログラム84を読み出し、読み出した合焦制御処理プログラム84をメモリ48C上で実行することで、合焦位置演算部48A1、合焦位置予測部48A2、及び制御部48A3として動作する。
【0114】
合焦位置演算部48A1は、連写期間内で、本露光が行われる特定フレームにおいて、合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置を演算する。合焦位置予測部48A2は、連写期間内で、合焦位置演算部48A1によって演算されて得られた合焦位置を参照して特定フレームよりも複数フレーム先の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置を予測する。制御部48A3は、モータドライバ58を介してモータ44を制御することで、イメージセンサ16による本露光の期間を回避して移動させる。また、制御部48A3は、合焦位置予測部48A2によって予測された合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを移動させる。なお、ここで、特定フレームとは、連写期間内で本露光が行われる各フレームを指す。また、上述した合焦対象領域は、本開示の技術に係る「特定被写体」の一例である。
【0115】
一例として図10に示すように、撮像装置10によってライブビュー画像用撮像が行われる場合、制御部48A3は、先幕72Bの全開を指示する先幕開信号を先幕用ソレノイドドライバ62に出力し、かつ、後幕72Cの全開を指示する後幕開信号を後幕用ソレノイドドライバ64に出力する。先幕用ソレノイドドライバ62は、制御部48A3から入力された先幕開信号に応じて先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで、先幕72Bを全開させる。後幕用ソレノイドドライバ64は、制御部48A3から入力された後幕開信号に応じて後幕用ソレノイドアクチュエータ68を制御することで、後幕72Cを全開させる。
【0116】
また、制御部48A3は、撮像タイミング信号を光電変換素子ドライバ56に出力し、光電変換素子ドライバ56は、制御部48A3から入力された撮像タイミング信号に従ってイメージセンサ16に対して露光を行わせる。イメージセンサ16によって露光されることで得られたデジタル画像データは画像メモリ50に記憶される。画像メモリ50には、デジタル画像データとして非位相差画像データ及び位相差画像データが記憶される。
【0117】
一例として図11に示すように、撮像装置10によってライブビュー画像用撮像が行われると、制御部48A3は、画像メモリ50からライブビュー画像データとして非位相差画像データを取得する。制御部48A3は、ライブビュー画像データにより示される画像をライブビュー画像としてディスプレイ26に対して表示させる。
【0118】
ライブビュー画像用撮像期間から連写開始タイミングが到来するまでの間に、合焦位置演算部48A1は、画像メモリ50から最新の位相差画像データを取得し、取得した位相差画像データに基づいて合焦対象領域に関する被写体距離を測定する。そして、合焦位置演算部48A1は、測定した被写体距離に基づいてAF演算を行うことで、合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの現在の合焦位置(以下、「現在合焦位置」と称する)を導出する。
【0119】
メモリ48Cには、合焦位置時系列情報が記憶されている。合焦位置時系列情報は、AF演算が行われる毎に得られた現在合焦位置の時系列を示す情報である。現在合焦位置の時系列は、例えば、直近の過去3回分のAF演算によって得られた現在合焦位置の時系列である。合焦位置演算部48A1は、現在合焦位置を導出する毎に、導出して得た最新の現在合焦位置をメモリ48Cに記憶させることで合焦位置時系列情報を更新する。なお、現在合焦位置は、本開示の技術に係る「第1合焦位置」の一例である。また、ここでは、現在合焦位置の時系列として、直近の過去3回分のAF演算によって得られた現在合焦位置の時系列を例示しているが、これはあくまでも一例に過ぎず、現在合焦位置の時系列は、過去の複数回分のAF演算によって得られた現在合焦位置の時系列であればよく、過去の複数回分のAF演算が、現時点に近い期間に行われた複数回分のAF演算であれば更によい。
【0120】
合焦位置予測部48A2は、イメージセンサ16による連写が開始される前段階で、連写の1フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置を予測する。具体的に説明すると、合焦位置予測部48A2は、メモリ48Cから合焦位置時系列情報を取得し、取得した合焦位置時系列情報に基づいて、連写が開始された場合の1フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置(以下、「連写開始時合焦位置」とも称する)を予測する。ここで、連写開始時合焦位置は、本開示の技術に係る「第3合焦位置」の一例である。
【0121】
制御部48A3は、合焦位置予測部48A2によって予測された合焦位置へのフォーカスレンズ40Bの移動を指示するレンズ移動信号を生成してモータドライバ58に出力する。図11に示す例では、合焦位置予測部48A2によって連写開始時合焦位置が予測されるので、制御部48A3によって生成されて出力されるレンズ移動信号は、合焦位置予測部48A2によって予測された連写開始時合焦位置へのフォーカスレンズ40Bの移動を指示する信号である。モータドライバ58は、制御部48A3から入力されたレンズ移動信号に応じてスライド機構42を作動させることで、連写開始時合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを光軸OAに沿って移動させる。
【0122】
一例として図12に示すように、連写開始タイミングが到来した場合、制御部48A3は、上述した先幕閉信号を先幕用ソレノイドドライバ62に出力する。先幕用ソレノイドドライバ62は、制御部48A3から入力された先幕閉信号に応じて先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで、先幕72Bの巻き上げを開始し、メカニカルシャッタ72を全開状態から先幕閉状態へ遷移させる。また、制御部48A3は、ディスプレイ26のライブビュー画像を非表示することを示す非表示制御信号をディスプレイ26に出力することで、ディスプレイ26に対してライブビュー画像を非表示させる。これにより、ディスプレイ26の画面内のうちのライブビュー画像が表示される表示画面はブラックアウトされる。
【0123】
一例として図13に示すように、ストレージ48Bには、F値が記憶されている。ストレージ48Bに記憶されているF値は、撮像装置10に対して与えられた条件(例えば、受付デバイス80によって受け付けられた指示、及び/又は、ライブビュー画像の明るさ等)に応じて更新される可変値である。なお、ストレージ48Bに記憶されているF値は、変更不可な固定値であってもよい。
【0124】
メカニカルシャッタ72が全開状態から先幕閉状態への遷移している間に、制御部48A3は、ストレージ48BからF値を取得し、取得したF値に基づいて、絞り40Cの開口の大きさを制御するF値制御信号を生成してモータドライバ60に出力する。F値制御信号は、絞り40Cの開口の大きさを、ストレージ48Bから制御部48A3によって取得された最新のF値に対応する大きさに制御する信号である。モータドライバ60は、制御部48A3から入力されたF値制御信号に従ってモータ46を制御することで絞り40Cの開口の大きさを制御する。
【0125】
連写期間のうちの本露光が行われる期間(以下、「本露光期間」とも称する)では、一例として図14に示すように、制御部48A3は、上述した先幕閉信号を先幕用ソレノイドドライバ62に出力し、先幕閉信号を出力してから、事前に定められたシャッタスピードに応じた時間だけ遅延させて後幕閉信号を後幕用ソレノイドドライバ64に出力する。後幕閉信号は、後幕72Cで開口72A1を閉じることを指示する信号である。
【0126】
先幕用ソレノイドドライバ62は、制御部48A3から入力された先幕閉信号に応じて先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで先幕72Bの引き下ろしを開始する。後幕用ソレノイドドライバ64は、制御部48A3から入力された後幕閉信号に応じて後幕用ソレノイドアクチュエータ68を制御することで後幕72Cの引き下ろしを開始する。これにより、メカニカルシャッタ72は先幕閉状態から後幕閉状態へ遷移する。メカニカルシャッタ72が先幕閉状態から後幕閉状態への遷移している間、制御部48A3は、光電変換素子ドライバ56に撮像タイミング信号を出力し、光電変換素子ドライバ56は、制御部48A3から入力された撮像タイミング信号に応じて、イメージセンサ16に対して本露光を行わせる。
【0127】
連写の1フレーム目の本露光が開始されるタイミングが到来すると、フォーカスレンズ40Bが連写開始時合焦位置に到達していなかったとしても、一例として図15に示すように、制御部48A3は、フォーカスレンズ40Bの停止を指示するレンズ停止信号をモータドライバ58に出力する。モータドライバ58は、制御部48A3から入力されたレンズ停止信号に応じてモータ44を制御することでフォーカスレンズ40Bを停止させる。
【0128】
また、合焦位置予測部48A2は、メモリ48Cから合焦位置時系列情報を取得し、取得した合焦位置時系列情報に基づいて、先のフレームの合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置(以下、「先フレーム合焦位置」とも称する)を予測する。図15に示す例では、先フレーム合焦位置として、1フレーム先の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置が合焦位置予測部48A2によって予測される。ここで、1フレーム先の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置は、本開示の技術に係る「第4合焦位置」の一例である。
【0129】
合焦位置予測部48A2は、予測した先フレーム合焦位置をメモリ48Cに対して記憶させる。メモリ48Cに記憶される先フレーム合焦位置は、合焦位置予測部48A2によって先フレーム合焦位置が予測される毎に、最新の先フレーム合焦位置に更新される。
【0130】
連写の1フレーム目の本露光期間が終了した時点で、メカニカルシャッタ72は後幕閉状態である。そこで、次のライブビュー画像用撮像を開始するための準備段階として、一例として図16に示すように、制御部48A3は、先幕閉信号を先幕用ソレノイドドライバ62に出力する。先幕用ソレノイドドライバ62は、制御部48A3から入力された先幕閉信号に応じて先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで先幕72Bの巻き上げを開始する。また、先幕72Bの巻き上げが完了すると、制御部48A3は、後幕閉信号を後幕用ソレノイドドライバ64に出力する。後幕用ソレノイドドライバ64は、制御部48A3から入力された後幕閉信号に応じて後幕用ソレノイドアクチュエータ68を制御することで後幕72Cの巻き上げを開始する。後幕72Cの巻き上げが完了すると、メカニカルシャッタ72は先幕閉状態となる。
【0131】
連写の1フレーム目の本露光期間が終了してから先幕閉状態に至るまでの間に、制御部48A3は、メモリ48Cから最新の先フレーム合焦位置を取得し、取得した先フレーム合焦位置に応じたレンズ移動信号を生成してモータドライバ58に出力する。ここで、制御部48A3によって生成されて出力されるレンズ移動信号は、最新の先フレーム合焦位置へのフォーカスレンズ40Bの移動を指示する信号である。モータドライバ58は、制御部48A3から入力されたレンズ移動信号に応じてスライド機構42を作動させることで、2フレーム目の本露光が開始されるまでの間、最新の先フレーム合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを光軸OAに沿って移動させる。なお、制御部48A3による最新の先フレーム合焦位置に基づくレンズ移動信号の出力は、連写の現フレーム(例えば、連写の1フレーム目)において次々回の連写のフレーム(例えば、連写の3フレーム目)に向けての先フレーム合焦位置の予測が完了するまで継続される。
【0132】
また、連写の1フレーム目の本露光期間が終了してからメカニカルシャッタ72が先幕閉状態に至るまでの間に、制御部48A3は、イメージセンサ16から画像メモリ50を介して非位相差画像データを取得し、取得した非位相差画像データをストレージ48Bに対して記憶させる。
【0133】
メカニカルシャッタ72が先幕閉状態に至ると、連写の1フレーム目のライブビュー画像用撮像が開始される。連写の各フレームでは、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われる。連写の1フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われる期間では、撮像装置10によって、図10に示す例と同様の処理が行われる。
【0134】
また、一例として図17に示すように、連写の1フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われる間、合焦位置演算部48A1は、図11に示す例と同様に、画像メモリ50から位相差画像データを取得する。合焦位置演算部48A1は、取得した位相差画像データに基づいてAF演算を行って現在合焦位置を導出する。そして、合焦位置演算部48A1は、図11に示す例と同様に、導出した現在合焦位置をメモリ48Cに対して記憶させることで、メモリ48C内の合焦位置時系列情報を更新する。
【0135】
なお、連写の2フレーム目以降も、現在合焦位置がメモリ48Cに記憶されることによってメモリ48C内の合焦位置時系列情報が更新される。2フレーム目以降に更新されて得られた合焦位置時系列情報には、最新の本露光が行われた最新フレームでAF演算して得た現在合焦位置と、最新フレームと時間的に隣接する過去フレームでAF演算して得た現在合焦位置とが含まれる。なお、例えば、Nを2以上の自然数としたとき、最新フレームがN番目のフレームであれば、過去フレームとは、N-1番目のフレームを指す。
【0136】
連写の1フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われる間、合焦位置予測部48A2は、複数フレーム分の現在合焦位置を参照して先フレーム合焦位置を予測する。ここでは、合焦位置時系列情報が複数フレーム分の現在合焦位置に相当する。従って、合焦位置予測部48A2は、メモリ48Cから合焦位置時系列情報を取得し、取得した合焦位置時系列情報に基づいて先フレーム合焦位置を予測する。ここでは、先フレーム合焦位置として、連写の2フレーム先の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置が合焦位置予測部48A2によって予測される。合焦位置予測部48A2は、予測した先フレーム合焦位置をメモリ48Cに対して記憶させることで、メモリ48C内の先フレーム合焦位置を更新する。ここで、合焦位置予測部48A2によって予測される先フレーム合焦位置、すなわち、連写の2フレーム先の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置は、本開示の技術に係る「第2合焦位置」の一例である。
【0137】
連写の1フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われる期間では、CPU48Aの制御下でイメージセンサ16によって3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われる。また、図11に示す例と同様に、ライブビュー画像がディスプレイ26に表示される。連写の1フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われる期間では、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われるので、3フレーム分のライブビュー画像がディスプレイ26に表示される。また、連写の2フレーム目以降においも、連写の1フレーム目と同様に、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われる。すなわち、連写間隔内で、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われる。ここでは、3フレーム分のライブビュー画像用撮像が例示されているが、1フレーム分のライブビュー画像用撮像であってもよいし、2フレーム分のライブビュー画像用撮像であってもよいし、4フレーム以上のライブビュー画像用撮像であってもよい。
【0138】
このように、連写間隔内、すなわち、連写のフレーム毎に、イメージセンサ16によって3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われる。そして、合焦位置演算部48A1によるAF演算、及び合焦位置予測部48A2による先フレーム合焦位置の予測も3回行われる。この場合、AF演算が行われる毎に、メモリ48C内の合焦位置時系列情報が更新され、先フレーム合焦位置の予測が行われる毎に、メモリ48C内の先フレーム合焦位置が更新される。連写の2フレーム目以降も、フレーム毎に同様の処理が行われる。なお、連写の2フレーム目以降で更新された合焦位置時系列情報は、本開示の技術に係る「複数の第1合焦位置」の一例である。
【0139】
制御部48A3は、メモリ48Cから最新の先フレーム合焦位置を取得し、取得した先フレーム合焦位置に応じたレンズ移動信号を生成してモータドライバ58に出力する。ここで、制御部48A3によって生成されて出力されるレンズ移動信号は、最新の先フレーム合焦位置へのフォーカスレンズ40Bの移動を指示する信号である。ここで、最新の先フレーム合焦位置とは、連写の2フレーム先(連写用の本露光が行われる2フレーム先)の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置を指す。従って、ライブビュー画像用撮像が行われる期間において、モータドライバ58は、制御部48A3から入力されたレンズ移動信号に応じてスライド機構42を作動させることで、最新の先フレーム合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを光軸OAに沿って移動させる。
【0140】
また、制御部48A3による最新の先フレーム合焦位置に基づくレンズ移動信号の出力は、次フレームの本露光の開始まで継続される。例えば、現在の連写のフレームが1フレーム目であれば、連写の2フレーム目の本露光の開始まで、制御部48A3による最新の先フレーム合焦位置に基づくレンズ移動信号の出力は継続される。そして、次フレームの本露光期間終了後に、制御部48A3による最新の先フレーム合焦位置に基づくレンズ移動信号の出力は、再開されて、次フレームでの先フレーム合焦位置の予測(ライブビュー画像用撮像の3フレーム分の予測のうちの3フレーム目の予測)が完了するまで継続される。現在の連写のフレームが1フレーム目であれば、2フレーム目の本露光期間終了後に、制御部48A3による最新の先フレーム合焦位置に基づくレンズ移動信号の出力が再開されて、2フレーム目での先フレーム合焦位置の予測(ライブビュー画像用撮像の3フレーム分の予測のうちの3フレーム目の予測)が完了するまで継続される。
【0141】
連写の2フレーム目でも、先ず、一例として図12に示すように、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態となる。連写の3フレーム目以降も同様である。連写の2フレーム以降の本露光期間では、一例として図18に示すように、制御部48A3は、図14に示す例と同様に、先幕用ソレノイドアクチュエータ66を作動させることで先幕72Bの引き下ろしを開始してから、遅れて後幕用ソレノイドアクチュエータ68を作動させることで後幕72Cの引き下ろしを開始する。
【0142】
このように本露光が開始されるタイミングが到来した場合、最新の先フレーム合焦位置にフォーカスレンズ40Bが到達していなかったとしても、制御部48A3は、図15に示す例と同様に、モータドライバ58にレンズ停止信号を出力する。モータドライバ58は、制御部48A3から入力されたレンズ停止信号に応じてモータ44を制御することでフォーカスレンズ40Bを停止させる。
【0143】
次に、撮像装置10の作用について図19A図19Dを参照しつつ説明する。
【0144】
図19A図19Dには、CPU48Aによって実行される合焦制御処理の流れの一例が示されている。なお、以下では、説明の便宜上、撮像装置10に対して撮像モードが設定されている状態を前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、レリーズボタン18が全押し状態とされることで連写が開始されることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、ライブビュー画像用撮像が行われる前提としてメカニカルシャッタ72が全開状態であることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、ライブビュー画像用撮像のフレームレートは60fpsであり、連写のフレームレートは8fpsであることを前提として説明する。
【0145】
図19Aに示す合焦制御処理では、先ず、ステップST100で、制御部48A3は、ライブビュー画像用撮像タイミングが到来したか否かを判定する。ライブビュー画像用撮像タイミングとは、例えば、ライブビュー画像用撮像のフレームレートによって規定された時間間隔毎のタイミングを指す。ステップST100において、ライブビュー画像用撮像タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、合焦制御処理はステップST114へ移行する。ステップST100において、ライブビュー画像用撮像タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST102へ移行する。
【0146】
ステップST102で、制御部48A3は、イメージセンサ16に対してライブビュー画像用撮像を行わせ、その後、合焦制御処理はステップST104へ移行する。イメージセンサ16によってライブビュー画像用撮像が行われることで得られた非位相差画像データ及び位相差画像データは画像メモリ50に記憶される。非位相差画像データにより示される画像はライブビュー画像としてディスプレイ26に表示される。
【0147】
ステップST104で、合焦位置演算部48A1は、画像メモリ50から最新の位相差画像データを取得し、その後、合焦制御処理はステップST106へ移行する。
【0148】
ステップST106で、合焦位置演算部48A1は、ステップST104で取得した位相差画像データに基づいてAF演算を行うことで現在合焦位置を導出し、その後、合焦制御処理はステップST108へ移行する。
【0149】
ステップST108で、合焦位置演算部48A1は、ステップST106で導出した現在合焦位置をメモリ48Cに対して記憶させることで合焦位置時系列情報を更新し、その後、合焦制御処理はステップST110へ移行する。
【0150】
ステップST110で、合焦位置予測部48A2は、メモリ48Cから合焦位置時系列情報を取得し、取得した合焦位置時系列情報に基づいて連写開始時合焦位置を予測し、その後、合焦制御処理はステップST112へ移行する。
【0151】
ステップST112で、制御部48A3は、モータドライバ58を介してモータ44を制御することで、ステップST110で予測された連写開始時合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bの移動を開始させ、その後、合焦制御処理はステップST114へ移行する。
【0152】
ステップST114で、制御部48A3は、連写開始タイミングが到来したか否かを判定する。ステップST114において、連写開始タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、合焦制御処理はステップST100へ移行する。ステップST114において、連写開始タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST116へ移行する。
【0153】
ステップST116で、制御部48A3は、先幕用ソレノイドドライバ62を介して先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで先幕72Bの巻き上げを開始してメカニカルシャッタ72の全開状態から先幕閉状態への遷移を開始させ、その後、合焦制御処理はステップST118へ移行する。
【0154】
ステップST118で、制御部48A3は、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態か否かを判定する。ステップST118において、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態でない場合は、判定が否定されて、ステップST118の判定が再び行われる。ステップST118において、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態の場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST120へ移行する。
【0155】
ステップST120で、制御部48A3は、絞り40Cの現時点のF値が既定値でないか否かを判定する。ここで、既定値とは、例えば、ストレージ48Bに記憶されているF値を指す。ステップST120において、絞り40Cの現時点のF値が既定値の場合は、判定が否定されて、合焦制御処理はステップST124へ移行する。ステップST120において、絞り40Cの現時点のF値が既定値でない場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST122へ移行する。
【0156】
ステップST122で、制御部48A3は、モータ46を制御することで絞り40CのF値を既定値に設定し、その後、合焦制御処理はステップST124へ移行する。
【0157】
ステップST124で、制御部48A3は、モータドライバ58を介してモータ44を制御することでフォーカスレンズ40Bを停止させ、その後、合焦制御処理はステップST126へ移行する。
【0158】
ステップST126で、制御部48A3は、先幕用ソレノイドドライバ62を介して先幕用ソレノイドアクチュエータ66を作動させることで先幕72Bの引き下ろしを開始してから、遅れて後幕用ソレノイドドライバ64を介して後幕用ソレノイドアクチュエータ68を作動させることで後幕72Cの引き下ろしを開始する。これにより、メカニカルシャッタ72が先幕72B及び後幕72Cによって開放され、イメージセンサ16によって本露光が開始される。
【0159】
次のステップST128で、合焦位置予測部48A2は、メモリ48Cから合焦位置時系列情報を取得し、その後、合焦制御処理はステップST130へ移行する。
【0160】
ステップST130で、合焦位置予測部48A2は、ステップST128で取得した合焦位置時系列情報に基づいて、先フレーム合焦位置として、連写の2フレーム目の合焦位置を予測し、その後、合焦制御処理はステップST132へ移行する。
【0161】
ステップST132で、制御部48A3は、イメージセンサ16による本露光が終了したか否かを判定する。ステップST132において、イメージセンサ16による本露光が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップST132の判定が再び行われる。ステップST132において、イメージセンサ16による本露光が終了した場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST134へ移行する。
【0162】
ステップST134で、制御部48A3は、信号処理回路74に対して、非位相差画像データを画像メモリ50に出力させる。これにより、画像メモリ50には非位相差画像データが記憶される。そして、制御部48A3は、画像メモリ50から非位相差画像データを読み出し、読み出した非位相差画像データをストレージ48Bに対して記憶させる。本ステップST134の処理が実行された後、合焦制御処理はステップST136へ移行する。
【0163】
ステップST136で、制御部48A3は、モータドライバ58を介してモータ44を制御することで、ステップST130で予測された先フレーム合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bの移動を開始させ、その後、合焦制御処理はステップST138へ移行する。
【0164】
本露光が終了した時点で、メカニカルシャッタ72は後幕閉状態である。そこで、ステップST138で、制御部48A3は、メカニカルシャッタ72の後幕閉状態から先幕閉状態への遷移を開始させる。具体的には、先ず、制御部48A3は、先幕用ソレノイドドライバ62を介して先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで先幕72Bを巻き上げる。先幕72Bの巻き上げが完了すると、制御部48A3は、後幕用ソレノイドドライバ64を介して後幕用ソレノイドアクチュエータ68を制御することで後幕72Cを巻き上げる。後幕72Cの巻き上げが完了すると、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態となる。ステップST138の処理の実行された後、合焦制御処理は、図19Cに示すステップST140へ移行する。
【0165】
図19Cに示すステップST140で、制御部48A3は、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態であるか否かを判定する。ステップST140において、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態でない場合は、判定が否定されて、ステップST140の判定が再び行われる。ステップST140において、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態の場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST142へ移行する。
【0166】
ステップST142で、制御部48A3は、メカニカルシャッタ72の先幕閉状態から全開状態への遷移を開始させる。すなわち、制御部48A3は、先幕用ソレノイドドライバ62を介して先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで先幕72Bの引き下ろしを開始し、その後、合焦制御処理はステップST144へ移行する。
【0167】
ステップST144で、メカニカルシャッタ72が全開状態であるか否かを判定する。ステップST144において、メカニカルシャッタ72が全開状態でない場合は、判定が否定されて、ステップST144の判定が再び行われる。ステップST144において、メカニカルシャッタ72が全開状態の場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST146へ移行する。
【0168】
ステップST146で、制御部48A3は、上述したライブビュー画像用撮像タイミングが到来したか否かを判定する。ステップST146において、ライブビュー画像用撮像タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップST146の判定が再び行われる。ステップST146において、ライブビュー画像用撮像タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST148へ移行する。
【0169】
ステップST148で、制御部48A3は、イメージセンサ16に対してライブビュー画像用撮像を行わせ、その後、合焦制御処理はステップST150へ移行する。イメージセンサ16によってライブビュー画像用撮像が行われることで得られた非位相差画像データ及び位相差画像データは画像メモリ50に記憶される。非位相差画像データにより示される画像はライブビュー画像としてディスプレイ26に表示される。
【0170】
ステップST150で、合焦位置演算部48A1は、画像メモリ50から最新の位相差画像データを取得し、その後、合焦制御処理はステップST152へ移行する。
【0171】
ステップST152で、合焦位置演算部48A1は、ステップST150で取得した位相差画像データに基づいてAF演算を行うことで現在合焦位置を導出し、その後、合焦制御処理はステップST154へ移行する。
【0172】
ステップST154で、合焦位置演算部48A1は、ステップST152で導出した現在合焦位置をメモリ48Cに対して記憶させることで合焦位置時系列情報を更新し、その後、合焦制御処理はステップST156へ移行する。
【0173】
ステップST156で、合焦位置予測部48A2は、メモリ48Cから合焦位置時系列情報を取得し、その後、合焦制御処理はステップST158へ移行する。
【0174】
ステップST158で、合焦位置予測部48A2は、ステップST156で取得した合焦位置時系列情報に基づいて、先フレーム合焦位置として、連写の2フレーム先の合焦位置を予測し、その後、合焦制御処理はステップST160へ移行する。本ステップST158で合焦位置予測部48A2によって予測された先フレーム合焦位置はメモリ48Cに記憶され、メモリ48C内の先フレーム合焦位置が更新される。
【0175】
ステップST160で、制御部48A3は、ステップST144の判定が肯定されてから現時点までの間にステップST148のライブビュー画像用撮像が行われたフレーム数(以下、「ライブビューフレーム数」と称する)が既定フレーム数に達したか否かを判定する。ここでは、既定フレーム数として、3フレームが採用されている。ステップST160において、ライブビューフレーム数が既定フレーム数未満の場合は、判定が否定されて、合焦制御処理はステップST146へ移行する。ステップST160において、ライブビューフレーム数が既定フレーム数に達した場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理は、図19Dに示すステップST162へ移行する。
【0176】
図19Dに示すステップST162で、制御部48A3は、先幕用ソレノイドドライバ62を介して先幕用ソレノイドアクチュエータ66を制御することで先幕72Bの巻き上げを開始してメカニカルシャッタ72の全開状態から先幕閉状態への遷移を開始させ、その後、合焦制御処理はステップST164へ移行する。
【0177】
ステップST164で、制御部48A3は、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態か否かを判定する。ステップST164において、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態でない場合は、判定が否定されて、ステップST164の判定が再び行われる。ステップST164において、メカニカルシャッタ72が先幕閉状態の場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST166へ移行する。
【0178】
ステップST166で、制御部48A3は、メモリ48Cから最新の先フレーム合焦位置を取得し、モータドライバ58を介してモータ44を制御することで、最新の先フレーム合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bの移動を開始させ、その後、合焦制御処理はステップST168へ移行する。
【0179】
ステップST168で、制御部48A3は、絞り40Cの現時点のF値が既定値でないか否かを判定する。ステップST168において、絞り40Cの現時点のF値が既定値の場合は、判定が否定されて、合焦制御処理はステップST172へ移行する。ステップST168において、絞り40Cの現時点のF値が既定値でない場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST170へ移行する。
【0180】
ステップST170で、制御部48A3は、モータ46を制御することで絞り40CのF値を既定値に設定し、その後、合焦制御処理はステップST172へ移行する。
【0181】
ステップST172で、制御部48A3は、モータドライバ58を介してモータ44を制御することでフォーカスレンズ40Bを停止させ、その後、合焦制御処理はステップST174へ移行する。
【0182】
ステップST174で、制御部48A3は、先幕用ソレノイドドライバ62を介して先幕用ソレノイドアクチュエータ66を作動させることで先幕72Bの引き下ろしを開始してから、遅れて後幕用ソレノイドドライバ64を介して後幕用ソレノイドアクチュエータ68を作動させることで後幕72Cの引き下ろしを開始する。これにより、メカニカルシャッタ72が先幕72B及び後幕72Cによって開放され、イメージセンサ16によって本露光が開始される。
【0183】
次のステップST176で、制御部48A3は、イメージセンサ16による本露光が終了したか否かを判定する。ステップST176において、イメージセンサ16による本露光が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップST176の判定が再び行われる。ステップST176において、イメージセンサ16による本露光が終了した場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理はステップST178へ移行する。
【0184】
ステップST178で、制御部48A3は、信号処理回路74に対して、非位相差画像データを画像メモリ50に出力させる。これにより、画像メモリ50には非位相差画像データが記憶される。そして、制御部48A3は、画像メモリ50から非位相差画像データを読み出し、読み出した非位相差画像データをストレージ48Bに対して記憶させる。本ステップST784の処理が実行された後、合焦制御処理はステップST180へ移行する。
【0185】
ステップST180で、制御部48A3は、合焦制御処理を終了する条件(以下、「終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。終了条件の一例としては、レリーズボタン18の全押し状態が解除された、との条件が挙げられる。ステップST180において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、合焦制御処理は、図19Bに示すステップST138へ移行する。ステップST180において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、合焦制御処理が終了する。
【0186】
以上説明したように、撮像装置10では、連写期間内で、本露光が行われる各フレームにおいて、合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの現在合焦位置が演算され、連写期間内で現在合焦位置に基づいて2フレーム先の合焦対象領域に対する先フレーム合焦位置が予測される。そして、フォーカスレンズ40Bが、本露光期間を回避しながら先フレーム合焦位置に向けて移動する。
【0187】
例えば、Nを自然数としたとき、連写のNフレーム目の最後に先フレーム合焦位置(例えば、連写の2フレーム先の合焦位置)が予測された場合に、連写のNフレーム目の最後に先フレーム合焦位置の予測が完了した時点から、連写のN+1フレーム目の最後に先フレーム合焦位置(例えば、連写の2フレーム先の合焦位置)の予測が完了するまでの間、フォーカスレンズ40Bが、本露光期間を回避しながら最新の先フレーム合焦位置に向けて移動する。そのため、本実施形態に係る撮像装置10は、連写期間内で本露光が行われるフレーム毎に1フレーム先について予測された合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bが移動する場合に比べ、フォーカスレンズ40Bの移動距離を長く確保することができる。この結果、連写期間内で本露光が行われるフレーム毎に1フレーム先について予測された合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bが移動する場合に比べ、フォーカスレンズ40Bを、予測した先フレーム合焦位置に近付けることが可能となる。
【0188】
従って、本構成によれば、合焦対象領域に対して連写が行われる場合に、連写の時間間隔を長くすることなく(連写用フレームレートを低くすることなく)、合焦対象領域に対してフォーカスレンズ40Bの合焦位置を追従させることができる。
【0189】
また、撮像装置10では、連写期間内において、本露光が行われるフレーム毎に現在合焦位置が演算され、演算された現在合焦位置に基づいて2フレーム先の合焦対象領域に対する先フレーム合焦位置が予測される。従って、本構成によれば、複数回の本露光が行われてから現在合焦位置が演算され、演算された現在合焦位置に基づいて先フレーム合焦位置が予測される場合に比べ、合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置の追従性を高めることができる。
【0190】
また、撮像装置10では、連写期間内において、現在合焦位置が参照されて現在のフレームよりも2フレーム先の合焦位置が予測される。これにより、予測された2フレーム先の合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを移動させることができる。従って、本構成によれば、現在のフレームよりも1フレーム分先の合焦位置が予測され、予測された合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを移動させる場合に比べ、予測した合焦位置にフォーカスレンズ40Bを到達させ易くすることができる。なお、演算された現在合焦位置に基づいて3フレーム以上先の合焦位置が予測されるようにしてもよく、この場合も、同様の効果が得られる。
【0191】
また、撮像装置10では、連写期間内において本露光が行われるフレーム毎に先フレーム合焦位置が予測される。従って、本構成によれば、本露光が行われるフレーム毎に先フレーム合焦位置が予測されない場合に比べ、合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの追従性を高めることができる。
【0192】
また、撮像装置10では、連写期間内において予測された最新の先フレーム合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを移動させている。従って、本構成によれば、最新の先フレーム合焦位置よりも過去に予測されて得られた先フレーム合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bを移動させる場合に比べ、合焦対象領域に対して精度良くピントを合わせることができる。
【0193】
また、撮像装置10では、合焦位置時系列情報に基づいてAF演算が行われ、AF演算が行われることで得られた現在合焦位置が参照されて先フレーム合焦位置が予測される。合焦位置時系列情報は、現在合焦位置の時系列を示す情報である。つまり、先フレーム合焦位置は、複数フレーム分の現在合焦位置が参照されて予測される。従って、本構成によれば、1フレーム分の現在合焦位置を参照して先フレーム合焦位置が予測される場合に比べ、先フレーム合焦位置の予測精度を高めることができる。
【0194】
また、撮像装置10では、連写のフレーム毎にAF演算が行われ、AF演算が行われることによって得られた現在合焦位置がメモリ48Cに記憶されることによって合焦位置時系列情報が更新される。そのため、連写の2フレーム目以降に更新されて得られた合焦位置時系列情報には、最新の本露光が行われた最新フレームでAF演算して得た現在合焦位置と、最新フレームと時間的に隣接する過去フレームでAF演算して得た現在合焦位置とが含まれる。そして、撮像装置10では、合焦位置時系列情報が参照されて先フレーム合焦位置が予測される。従って、本構成によれば、最新の本露光よりも過去に行われた本露光のフレームでAF演算して得た複数の現在合焦位置のみが参照されて先フレーム合焦位置(例えば、連写の2フレーム分先の合焦位置)が予測される場合に比べ、先フレーム合焦位置(例えば、連写の2フレーム分先の合焦位置)の予測精度を高めることができる。
【0195】
また、撮像装置10では、連写間隔内(連写のフレーム間)でライブビュー画像用撮像が行われる。従って、本構成によれば、連写中であってもライブビュー画像を得ることができる。
【0196】
また、撮像装置10では、連写間隔内でライブビュー画像用撮像が行われることによって得られた位相差画像データに基づいて、連写間隔内でライブビュー画像用撮像が行われている期間内に現在合焦位置が演算される。従って、本構成によれば、ライブビュー画像用撮像が行われる期間の終了を待ってから現在合焦位置が演算される場合に比べ、現在合焦位置を早く得ることができる。そして、現在合焦位置が演算されて得られた現在合焦位置が参照されて先フレーム合焦位置が予測されるので、ライブビュー画像用撮像が行われる期間が経過した後に演算されて得られた現在合焦位置が参照されて先フレーム合焦位置が予測される場合に比べ、先フレーム合焦位置を早く得ることができる。
【0197】
また、撮像装置10では、フォーカスレンズ40Bが、ライブビュー画像用撮像が行われる期間を利用して、先フレーム合焦位置に向けて移動する。従って、本構成によれば、ライブビュー画像用撮像期間の終了を待ってからフォーカスレンズ40Bを移動させる場合に比べ、フォーカスレンズ40Bを長距離移動させることができる。
【0198】
また、撮像装置10では、連写間隔内で3フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われ、ライブビュー画像用撮像が行われる毎に現在合焦位置が演算される。従って、本構成によれば、連写間隔内で複数フレーム分のライブビュー画像用撮像が行われている間に1つの現在合焦位置のみが演算される場合に比べ、先フレーム合焦位置の予測に用いる現在合焦位置の選択肢を増やすことができる。
【0199】
なお、本実施形態では、連写間隔内の3フレーム分のライブビュー画像用撮像のうち、3フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われることによって得られた位相差画像データに基づいて現在合焦位置が演算されているが、本開示の技術はこれに限定されず、1フレーム目、2フレーム目、及び/又は3フレーム目のライブビュー画像用撮像が行われることによって得られた位相差画像データに基づいて現在合焦位置が演算されるようにしてもよい。複数フレーム分ライブビュー画像用撮像が行われることによって得られた複数の位相差画像データが合成されることで得られた合成画像データに基づいて現在合焦位置が演算されるようにしてもよい。
【0200】
また、連写間隔内に4フレーム以上のライブビュー画像用撮像が行われるようにしてもよく、この場合も、複数フレーム分ライブビュー画像用撮像が行われることによって得られた複数の位相差画像データが合成されることで得られた合成画像データに基づいて現在合焦位置が演算されるようにしてもよい。
【0201】
また、撮像装置10では、位相差画像データに基づいて現在合焦位置が演算される。従って、本構成によれば、コントラストAF方式で現在合焦位置が演算される場合に比べ、迅速に現在合焦位置を演算することができる。
【0202】
また、撮像装置10では、先フレーム合焦位置にフォーカスレンズ40Bが到達する前に、本露光の開始タイミングが到来した場合に、レンズ停止信号がモータドライバ58に出力される。これにより、フォーカスレンズ40Bが停止し、フォーカスレンズ40Bが停止した状態で本露光が開始される。従って、本構成によれば、本露光が開始されているときであってもフォーカスレンズ40Bを移動させる場合に比べ、フォーカスレンズ40Bの移動に起因する歪みが少ない画像を連写によって得ることができる。
【0203】
また、撮像装置10では、イメージセンサ16による連写が開始される前段階で、連写開始時合焦位置が予測される。連写開始時合焦位置は、連写が開始された場合の1フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置である。そして、フォーカスレンズ40Bは、連写の1フレーム目の本露光が開始される前に連写開始時合焦位置に向けて移動する。従って、本構成によれば、イメージセンサ16による連写の1フレーム目についても、合焦対象領域に対してピントを合わせることができる。
【0204】
また、撮像装置10では、連写開始時合焦位置にフォーカスレンズ40Bが到達する前に、本露光の開始タイミングが到来した場合に、レンズ停止信号がモータドライバ58に出力される。これにより、フォーカスレンズ40Bが停止し、フォーカスレンズ40Bが停止した状態で本露光が開始される。従って、本構成によれば、イメージセンサ16による連写の1フレーム目の本露光が開始されているときであってもフォーカスレンズ40Bを移動させる場合に比べ、イメージセンサ16による連写のうちの1フレーム目の撮像によって、フォーカスレンズ40Bの移動に起因する歪みが少ない画像を得ることができる。
【0205】
また、撮像装置10では、連写の1フレーム目の本露光が行われている間に、連写の2フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの先フレーム合焦位置が予測される。ここで予測される先フレーム合焦位置は、1フレーム先の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置、すなわち、連写の2フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの合焦位置である。そして、フォーカスレンズ40Bは、連写の2フレーム目の本露光が開始される前に先フレーム合焦位置に向けて移動する。従って、本構成によれば、イメージセンサ16による連写の2フレーム目についても、合焦対象領域に対してピントを合わせることができる。
【0206】
更に、撮像装置10では、連写の2フレーム目の合焦位置として予測された先フレーム合焦位置にフォーカスレンズ40Bが到達する前に、本露光の開始タイミングが到来した場合に、レンズ停止信号がモータドライバ58に出力される。これにより、フォーカスレンズ40Bが停止し、フォーカスレンズ40Bが停止した状態で本露光が開始される。従って、本構成によれば、イメージセンサ16による連写の2フレーム目の本露光が開始されているときであってもフォーカスレンズ40Bを移動させる場合に比べ、イメージセンサ16による連写のうちの2フレーム目の撮像によって、フォーカスレンズ40Bの移動に起因する歪みが少ない画像を得ることができる。
【0207】
なお、上記実施形態では、連写の1フレーム目の本露光が行われている間に、連写の2フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの先フレーム合焦位置が予測される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、イメージセンサ16による連写が開始される前段階(例えば、図8に示すライブビュー画像用撮像期間)に連写の2フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの先フレーム合焦位置が予測されるようにしてもよく、ここで予測された先フレーム合焦位置に向けてフォーカスレンズ40Bの移動を開始させるようにしてもよい。これにより、イメージセンサ16による連写の2フレーム目についても、合焦対象領域に対してピントを合わせることができる。また、イメージセンサ16による連写が開始されるタイミングと連写の1フレーム目の本露光が開始されるタイミングとの間(例えば、メカニカルシャッタ72が全開状態から先幕閉状態へ遷移している間)に連写の2フレーム目の合焦対象領域に対するフォーカスレンズ40Bの先フレーム合焦位置が予測されるようにしてもよい。この場合も、同様の効果が期待できる。
【0208】
また、上記実施形態では、例えば、メカニカルシャッタ72を全開状態から先幕閉状態に遷移させる場合に、先幕72B及び後幕72Cを巻き上げる期間もフォーカスレンズ40bを移動させる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、図20に示すように、制御部48A3は、モータドライバ58を介してモータ44を制御することで、先幕72B及び後幕72Cのうちの少なくとも一方の巻き上げに要する巻き上げ期間を回避してフォーカスレンズ40Bを移動させるようにしてもよい。従って、本構成によれば、巻き上げ期間にもフォーカスレンズ40Bの移動を継続させる場合に比べ、撮像装置10の消費電力を低減することができる。
【0209】
また、巻き上げ期間を回避してフォーカスレンズ40Bを移動させる場合、一例として図21に示すように、制御部48A3は、制御部48A3と撮像レンズ40との間の通信タイムラグが考慮された既定の送信開始タイミングで、フォーカスレンズ40Bの移動を指示する指示信号を撮像レンズ40に送信するようにしてもよい。すなわち、制御部48A3は、メカニカルシャッタ72の巻き上げの終了よりも、制御部48A3と撮像レンズ40との間の通信タイムラグ分だけ早く指示信号を撮像レンズ40に送信するようにすればよい。なお、ここで、指示信号には、上述したレンズ移動信号と、レンズ移動信号に基づいてモータドライバ58によって生成されてモータ44に出力される信号とが含まれる。このように、メカニカルシャッタ72の巻き上げの終了よりも、制御部48A3と撮像レンズ40との間の通信タイムラグ分だけ早く指示信号を撮像レンズ40に送信することで、制御部48A3と撮像レンズ40との間の通信タイムラグを考慮せずに撮像レンズ40に指示信号が送信される場合に比べ、フォーカスレンズ40Bの移動時間を長く確保することができる。
【0210】
また、上記実施形態では、ストレージ48Bに記憶されているF値の用途は限定されていないが、ストレージ48Bに記憶されているF値の用途は様々である。例えば、ストレージ48Bに記憶されているF値は、撮像用F値とAF用F値であってもよく、本露光期間に絞り40Cの大きさが制御部48A3によって撮像用F値により示される大きさとされ、AF演算が行われる期間、すなわち、ライブビュー画像用撮像が行われる期間に絞り40Cの大きさが制御部48A3によってAF用F値により示される大きさとされるようにしてもよい。
【0211】
ライブビュー画像用撮像が行われる期間内では、ライブビュー画像用撮像が行われることによって得られた位相差画像データがAF演算に用いられるので、ピントの精度を高めるために、絞り40Cの開口は、本露光期間に用いられる開口の大きさよりも大きい方が好ましい。そこで、ストレージ48Bに対して、“本露光用の開口の大きさ(以下、「第1の大きさ」と称する)<AF演算用の開口の大きさ(以下、「第2の大きさ」と称する)”となるように定められた撮像用F値及びAF用F値を記憶させておく。撮像用F値は、第1の大きさを示すF値であり、AF用F値は、第2の大きさを示すF値である。
【0212】
そして、一例として図22に示すように、連写の特定フレームにおいて、本露光が開始される前段階で、制御部48A3によってストレージ48B内の撮像用F値に従って絞り40Cの開口が第1の大きさに制御され、本露光期間が終了してからライブビュー画像用撮像が開始されるまでの間に、制御部48A3によってストレージ48B内のAF用F値に従って絞り40Cの開口が第2の大きさに制御される。ここで連写の特定フレームとは例えば連写の各フレームであり、本露光が開始される前段階とは、例えば、メカニカルシャッタ72が全開状態から先幕閉状態に遷移している間である。また、本露光期間が終了してからライブビュー画像用撮像が開始されるまでの間とは、例えば、デジタル画像データの読み出し期間である。本構成によれば、ライブビュー画像用撮像期間内での絞り40Cの開口を本露光期間内での絞り40Cの開口よりも小さくする場合に比べ、本露光が行われることによって得られる画像の画質を高めることができる。
【0213】
また、上記実施形態では、連写の2フレーム先の本露光時の合焦位置が合焦位置予測部48A2によって予測される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、合焦位置予測部48A2は、イメージセンサ16による連写用フレームレートを高めるに従って、特定フレーム(例えば、連写の各フレーム)から、合焦位置を予測する先のフレームまでのフレーム数を増加させるようにしてもよい。例えば、図23に示すように、合焦位置予測部48A2は、合焦位置を予測する先を2フレーム先から3フレーム先に増加させてもよいし、合焦位置を予測する先を4フレーム以上先としてもよい。
【0214】
このように、連写用フレームレートを高めるに従って、特定フレームから、合焦位置を予測する先のフレームまでのフレーム数を増加させる(例えば、2フレームから3フレーム以上に増加させる)ことで、連写用フレームレートを高めた場合であっても合焦対象領域に対してフォーカスレンズ40Bの合焦位置を追従させることができる。
【0215】
また、上記実施形態では、非位相差画素区分領域30Nと位相差画素区分領域30Pとを併用する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、非位相差画素区分領域30N及び位相差画素区分領域30Pに代えて、位相差画像データと非位相差画像データとが選択的に生成されて読み出されるエリアセンサとしてもよい。この場合、エリアセンサには、複数の感光画素が2次元状に配列されている。エリアセンサに含まれる感光画素には、例えば、遮光部材を有しない独立した一対のフォトダイオードが用いられる。非位相差画像データが生成されて読み出される場合、感光画素の全領域(一対のフォトダイオード)によって光電変換が行われ、位相差画像データが生成されて読み出される場合(例えば、パッシブ方式の測距を行う場合)、一対のフォトダイオードのうちの一方のフォトダイオードによって光電変換が行われる。ここで、一対のフォトダイオードのうちの一方のフォトダイオードは、上記実施形態で説明した第1位相差画素Lに対応するフォトダイオードであり、一対のフォトダイオードのうちの一方のフォトダイオードは、上記実施形態で説明した第2位相差画素Rに対応するフォトダイオードである。なお、エリアセンサに含まれる全ての感光画素によって位相差画像データと非位相差画像データとが選択的に生成されて読み出されるようにしてもよいが、これに限らず、エリアセンサに含まれる一部の感光画素によって位相差画像データと非位相差画像データとが選択的に生成されて読み出されるようにしてもよい。
【0216】
また、上記実施形態では、位相差画素Pとして像面位相差画素が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、光電変換素子30に含まれている位相差画素Pに代えて非位相差画素Nが配置されるようにし、複数の位相差画素Pが含まれる位相差AF板が光電変換素子30とは別体で撮像装置本体12に設けられるようにしてもよい。 また、上記実施形態では、位相差画像データに基づく測距結果を利用したAF方式、すなわち、位相差AF方式を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、位相差AF方式に代えて、コントラストAF方式を採用してもよい。また、ステレオカメラから得られた一対の画像の視差を用いた測距結果に基づくAF方式、又は、レーザ光等によるTOF方式の測距結果を利用したAF方式を採用してもよい。
【0217】
また、上記実施形態では、ローリングシャッタ方式による撮像方式を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、グローバルシャッタ方式による撮像方式であってもよい。
【0218】
また、上記実施形態では、メカニカルシャッタ72の一例としてフォーカルプレーンシャッタを挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、フォーカルプレーンシャッタに代えて、レンズシャッタ等の他種類のメカニカルシャッタを適用しても本開示の技術は成立する。
【0219】
また、上記実施形態では、数fpsのフレームレートに従って行われる連写を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、数十fps~数百fpsのフレームレートに従って行われる連写、すなわち、記録動画用の撮像に対しても本開示の技術は適用可能である。
【0220】
また、上記実施形態では、ストレージ48Bに合焦制御処理プログラム84が記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図24に示すように、合焦制御処理プログラム84が記憶媒体200に記憶されていてもよい。記憶媒体200は、非一時的記憶媒体である。記憶媒体200の一例としては、SSD又はUSBメモリなどの任意の可搬型の記憶媒体が挙げられる。
【0221】
記憶媒体200に記憶されている合焦制御処理プログラム84は、コントローラ48にインストールされる。CPU48Aは、合焦制御処理プログラム84に従って合焦制御処理を実行する。
【0222】
また、通信網(図示省略)を介してコントローラ48に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に合焦制御処理プログラム84を記憶させておき、上述の撮像装置10の要求に応じて合焦制御処理プログラム84がダウンロードされ、コントローラ48にインストールされるようにしてもよい。
【0223】
なお、コントローラ48に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部、又はストレージ48Bに合焦制御処理プログラム84の全てを記憶させておく必要はなく、合焦制御処理プログラム84の一部を記憶させておいてもよい。
【0224】
図24に示す例では、撮像装置10にコントローラ48が内蔵されている態様例が示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、コントローラ48が撮像装置10の外部に設けられるようにしてもよい。
【0225】
図24に示す例では、CPU48Aは、単数のCPUであるが、複数のCPUであってもよい。また、CPU48Aに代えてGPUを適用してもよい。
【0226】
図24に示す例では、コントローラ48が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コントローラ48に代えて、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスを適用してもよい。また、コントローラ48に代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
【0227】
上記実施形態で説明した合焦制御処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、合焦制御処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで合焦制御処理を実行する。
【0228】
合焦制御処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、合焦制御処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0229】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、合焦制御処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、合焦制御処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、合焦制御処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0230】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の合焦制御処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0231】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0232】
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0233】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0234】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0235】
(付記1)
プロセッサと、
上記プロセッサに内蔵又は接続されたメモリと、を備え、
フォーカスレンズを含む撮像レンズにより光が結像されるイメージセンサによる本露光の期間を上記フォーカスレンズが上記プロセッサの指示に従って回避して移動し、かつ、上記イメージセンサによって既定の時間間隔で連続的に上記本露光が行われることで連写が行われる撮像装置に対して適用される制御装置であって、
上記プロセッサは、
連写期間内で、上記本露光が行われる特定フレームにおいて、特定被写体に対する上記フォーカスレンズの第1合焦位置を演算し、
上記連写期間内で上記第1合焦位置を参照して上記特定フレームよりも複数フレーム先の上記特定被写体に対する上記フォーカスレンズの第2合焦位置を予測し、
上記第2合焦位置に向けて上記フォーカスレンズを移動させる
制御装置。
【0236】
(付記2)
上記特定フレームは、上記本露光が行われる各フレームである付記1に記載の制御装置。
【0237】
(付記3)
上記プロセッサは、上記第1合焦位置を参照して上記特定フレームよりも2フレーム以上先の上記第2合焦位置を予測する付記1又は付記2に記載の制御装置。
【0238】
(付記4)
上記プロセッサは、上記第1合焦位置を参照して上記特定フレームよりも2フレーム先の上記第2合焦位置を予測する付記3に記載の制御装置。
【0239】
(付記5)
上記プロセッサは、上記第1合焦位置を参照して上記特定フレームよりも3フレーム以上先の上記第2合焦位置を予測する付記3に記載の制御装置。
【0240】
(付記6)
上記プロセッサは、上記本露光が行われるフレーム毎に上記第2合焦位置を予測する付記3から付記5の何れか1つに記載の制御装置。
【0241】
(付記7)
上記プロセッサは、予測した最新の上記第2合焦位置に向けて上記フォーカスレンズを移動させる付記1から付記6の何れか1つに記載の制御装置。
【0242】
(付記8)
上記プロセッサは、上記イメージセンサによる連写用フレームレートを高めるに従って、上記特定フレームから、上記第2合焦位置を予測する先のフレームまでのフレーム数を増加させる付記1又は付記2に記載の制御装置。
【0243】
(付記9)
上記プロセッサは、複数フレーム分の上記第1合焦位置を参照して上記第2合焦位置を予測する付記1から付記8の何れか1つに記載の制御装置。
【0244】
(付記10)
上記プロセッサは、最新の上記本露光が行われた最新フレームで演算して得た上記第1合焦位置と、上記最新フレームと時間的に隣接する過去フレームで演算して得た上記第1合焦位置とを含む複数の上記第1合焦位置を参照して上記第2合焦位置を予測する付記9に記載の制御装置。
【0245】
(付記11)
上記プロセッサは、上記イメージセンサに対して、連写間隔内でライブビュー画像用の撮像を行わせる付記1から付記10の何れか1つに記載の制御装置。
【0246】
(付記12)
上記プロセッサは、上記ライブビュー画像用の撮像期間に上記イメージセンサによって撮像されることで得られた画像データに基づいて、上記撮像期間内に上記第1合焦位置を演算する付記11に記載の制御装置。
【0247】
(付記13)
上記プロセッサは、上記撮像期間を利用して上記フォーカスレンズを移動させる付記12に記載の制御装置。
【0248】
(付記14)
上記プロセッサは、開口の大きさが可変な絞りを制御することで、上記本露光が行われている期間内の上記開口を第1の大きさとし、上記撮像期間内の上記開口を上記第1の大きさよりも大きな第2の大きさとする付記13に記載の制御装置。
【0249】
(付記15)
上記プロセッサは、上記イメージセンサに対して上記連写間隔内で複数フレーム分のライブビュー画像用の撮像を行わせ、上記イメージセンサに対して上記ライブビュー画像用の撮像を行わせる毎に上記第1合焦位置を演算する付記11から付記14の何れか1つに記載の制御装置。
【0250】
(付記16)
上記イメージセンサは、位相差画素群を有し、
上記プロセッサは、上記位相差画素群によって撮像されることで得られた位相差画素データに基づいて上記第1合焦位置を演算する付記1から付記15の何れか1つに記載の制御装置。
【0251】
(付記17)
上記プロセッサは、メカニカルシャッタの巻き上げに要する巻き上げ期間を回避して上記フォーカスレンズを移動させる付記1から付記16の何れか1つに記載の制御装置。
【0252】
(付記18)
上記プロセッサは、上記フォーカスレンズを含む撮像レンズに対して上記フォーカスレンズの移動を指示する指示信号を送信し、
上記プロセッサは、上記巻き上げの終了よりも、上記撮像レンズとの間の通信タイムラグの分だけ早く上記指示信号を上記撮像レンズに送信する付記17に記載の制御装置。
【0253】
(付記19)
上記プロセッサは、上記第2合焦位置に上記フォーカスレンズが到達する前に、上記本露光の開始タイミングが到来した場合に、上記フォーカスレンズを停止させ、上記イメージセンサに対して上記本露光を開始させる付記1から付記18の何れか1つに記載の制御装置。
【0254】
(付記20)
上記プロセッサは、
上記イメージセンサによる連写が開始される前段階で、上記連写の1フレーム目の上記特定被写体に対する上記フォーカスレンズの第3合焦位置を予測し、
上記1フレーム目の上記本露光が開始される前に上記第3合焦位置に向けて上記フォーカスレンズを移動させる付記1から付記19の何れか1つに記載の制御装置。
【0255】
(付記21)
上記プロセッサは、上記第3合焦位置に上記フォーカスレンズが到達する前に、上記1フレーム目の上記本露光の開始タイミングが到来した場合に、上記フォーカスレンズを停止させ、上記イメージセンサに対して上記本露光を開始させる付記20に記載の制御装置。
【0256】
(付記22)
上記プロセッサは、
上記イメージセンサによる連写が開始される前段階、又は、上記連写の1フレーム目の本露光が行われている間に、上記連写の2フレーム目の上記特定被写体に対する上記フォーカスレンズの第4合焦位置を予測し、
上記2フレーム目の上記本露光が開始される前に上記第4合焦位置に向けて上記フォーカスレンズを移動させる付記1から付記21の何れか1つに記載の制御装置。
【0257】
(付記23)
上記プロセッサは、上記第4合焦位置に上記フォーカスレンズが到達する前に、上記2フレーム目の上記本露光の開始タイミングが到来した場合に、上記フォーカスレンズを停止させ、上記イメージセンサに対して上記本露光を開始させる付記22に記載の制御装置。
【符号の説明】
【0258】
10 撮像装置
12 像装置本体
14 交換レンズ
16 イメージセンサ
18 レリーズボタン
20 ダイヤル
22 タッチパネル・ディスプレイ
24 指示キー
24 タッチパネル・ディスプレイ
26 ディスプレイ
28 タッチパネル
30 光電変換素子
30A 受光面
30N 非位相差画素区分領域
30P 位相差画素区分領域
32A 位相差画素ライン
32B 非位相差画素ライン
34A 遮光部材
34B 遮光部材
36 マイクロレンズ
38L 左領域通過光
38R 右領域通過光
40 撮像レンズ
40A 対物レンズ
40B フォーカスレンズ
40C 絞り
42 スライド機構
44 モータ
46 モータ
48 コントローラ
48A1 合焦位置演算部
48A2 合焦位置予測部
48A3 制御部
48B ストレージ
48C メモリ
50 画像メモリ
52 UI系デバイス
54 外部I/F
56 光電変換素子ドライバ
58 モータドライバ
60 モータドライバ
62 先幕用ソレノイドドライバ
64 後幕用ソレノイドドライバ
66 先幕用ソレノイドアクチュエータ
66 後幕ソレノイドアクチュエータ
68 後幕用ソレノイドアクチュエータ
70 入出力インタフェース
72 メカニカルシャッタ
72A フレーム
72A1 開口
72B 先幕
72C 後幕
74 信号処理回路
74A 非位相差画像データ処理回路
74B 位相差画像データ処理回路
76 バス
80 受付デバイス
82 ハードキー部
84 合焦制御処理プログラム
200 記憶媒体
α ずれ量
A 破線矢印
B 破線矢印
L 位相差画素
N 非位相差画素
OA 光軸
P 位相差画素
PD フォトダイオード
R 位相差画素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図20
図21
図22
図23
図24