(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】自動分析装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20221108BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
G01N35/00 F
G01N35/10 C
(21)【出願番号】P 2019082644
(22)【出願日】2019-04-24
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 巧
(72)【発明者】
【氏名】常盤 弘二
(72)【発明者】
【氏名】藪谷 千枝
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-003057(JP,A)
【文献】特開2007-322241(JP,A)
【文献】特開2008-190959(JP,A)
【文献】特開2011-102705(JP,A)
【文献】特開2004-170279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬容器に充てんされた試薬を分注する試薬分注機構と、
前記試薬分注機構によって試薬の液面を検知する液面検知部と、
検知された液面の高さから残測定回数を算出し、前記残測定回数と、分注計画から分注までの測定依頼の予約数
に基づき、前記試薬容器が使用可能か否か判定する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記残測定回数の誤差カウントに基づき前記予約数を補正する、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記試薬容器をそれぞれ含む、複数のボトルセットを備え、
前記制御部は、
一つの前記ボトルセットの前記試薬容器の前記予約数が前記残測定回数を超える場合は、
他の前記ボトルセットを使用するよう制御する、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記制御部は、
算出した前記残測定回数が想定より多い、又は少ない回数を累積して前記誤差カウントとする、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動分析装置であって、
前記制御部は、
前記試薬を分注した分注回数で前記誤差カウントを除算することにより誤差割合を算出し、前記誤差割合により前記予約数の補正を行う、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動分析装置であって、
前記制御部は、
前記試薬容器の分注回数が一定値以上に到達してから、前記誤差割合により前記予約数の補正を行う、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項4に記載の自動分析装置であって、
前記制御部は、前記誤差割合による前記予約数の補正により、当該予約数が予め設定した閾値を超えて変化する場合は、前記閾値を上限値として補正を行う、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記制御部は、
前記誤差カウントが予め設定した閾値を超えた場合、前記試薬容器を異常と判定する、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項7に記載の自動分析装置であって、
前記制御部は、
前記試薬容器を異常と判定した場合、出力部に前記試薬容器の異常を出力する、
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
自動分析装置による自動分析方法であって、
前記自動分析装置は、試薬容器に充てんされた試薬を分注する試薬分注機構と、
前記試薬分注機構によって試薬の液面を検知する液面検知部と、検知された液面の高さから残測定回数を算出し、前記残測定回数と、分注計画から分注までの測定依頼の予約数
に基づき、前記試薬容器が使用可能か否か判定する制御部とを備え、
前記制御部は、前記残測定回数の誤差カウントに基づき前記予約数を補正する、
ことを特徴とする自動分析方法。
【請求項10】
請求項9に記載の自動分析方法であって、
前記自動分析装置は、前記試薬容器をそれぞれ含む、複数のボトルセットを備え、
前記制御部は、
一つの前記ボトルセットの前記試薬容器の前記予約数が前記残測定回数を超える場合は、
他の前記ボトルセットを使用するよう制御する、
ことを特徴とする自動分析方法。
【請求項11】
請求項9に記載の自動分析方法であって、
前記制御部は、
算出した前記残測定回数が想定より多い、又は少ない回数を累積して前記誤差カウントと
する、
ことを特徴とする自動分析方法。
【請求項12】
請求項11に記載の自動分析方法であって、
前記制御部は、
前記試薬を分注した分注回数で前記誤差カウントを除算することにより誤差割合を算出し、前記誤差割合により前記予約数の補正を行う、
ことを特徴とする自動分析方法。
【請求項13】
請求項12に記載の自動分析方法であって、
前記制御部は、
前記試薬容器の分注回数が一定値以上に到達してから、前記誤差割合により前記予約数の補正を行う、
ことを特徴とする自動分析方法。
【請求項14】
請求項12に記載の自動分析方法であって、
前記制御部は、前記誤差割合による前記予約数の補正により、当該予約数が予め設定した閾値を超えて変化する場合は、前記閾値を上限値として補正を行う、
ことを特徴とする自動分析方法。
【請求項15】
請求項9に記載の自動分析方法であって、
前記制御部は、
前記誤差カウントが予め設定した閾値を超えた場合、前記試薬容器を異常と判定する、
ことを特徴とする自動分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置に係り、特に試料、試薬の残量を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動分析装置では、試料、試薬容器から試薬、試料を分注するとき、容器内の液面高さを測定し、その高さと、装置に登録済の容器の断面積から、容器の残測定回数を算出する。
【0003】
複数の試薬容器から試薬を分注する測定項目では、最初の試薬を分注してから最後の試薬を分注するまで時間間隔がある。分析後半に試薬を分注する試薬容器の分注可否は、それまでの分注時に算出した残測定回数から判断する。最後の試薬容器まで分注可能と判断すると、装置は該当測定項目の分注を計画する。
【0004】
しかし、試薬容器の断面積は、製造メーカごとに僅かに異なる可能性があり、その場合、残測定回数の算出結果に誤差が生じることがある。特許文献1では、過去の分注データから予測試薬残量を算出することで試薬残量(残測定回数)を補正している。また、特許文献2では、複数の残量式を用いて試薬残量(残測定回数)を算出し、最も適した試薬残量を特定することで試薬残量を補正している。
【0005】
また、試薬容器を設置したときに試薬表面に泡が発生した場合でも、残測定回数に誤差が生じる可能性がある。そのため特許文献3では、過去の分注データから試薬液面高さの近似式を算出することで、実際の試薬液面高さと、近似式から求めた試薬液面高さに差異が生じた場合に、泡発生などの異常を検知する機能を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-322241号公報
【文献】特開2008-190959号公報
【文献】特開2004-170279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように試薬容器の断面積の誤差に基づき、残測定回数の算出も誤差が生じる状態で、複数の試薬容器から試薬を分注する測定項目を連続で分析を継続する場合、分析後半の試薬容器の分注計画から実際の分注までの間に試薬が不足したり、試薬を使い切るように分注計画しても分注後に試薬が余ったりする可能性がある。
【0008】
特許文献1の方法では、分注回数が少ないうちは、十分な補正精度を得ることができない可能性がある。その状態で試薬残量を補正してしまうと、補正自体の誤差により試薬残量が変動し、試薬残量をユーザーインターフェースに表示する装置では、ユーザに対して不信感を与える可能性がある。特許文献2では、複数の残量式を用いるため、全試薬メーカの試薬容器の残量式を記憶する必要があり、アルゴリズムが膨大になる可能性がある。また、試薬表面に泡が発生するタイミングは装置に試薬容器を設置したときである可能性が高く、特許文献3の方法で分注の最初の方の液面高さをもとに近似式を求めても、泡が発生した状態の近似式を求めてしまう可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、泡の影響を排除でき、測定項目を連続で分析を継続した場合でも試薬容器を過不足なく使い切ることを可能とする自動分析装置、及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明においては、試薬容器に充てんされた試薬を分注する試薬分注機構と、試薬分注機構によって試薬の液面を検知する液面検知部と、検知された液面の高さから残測定回数を算出し、残測定回数と、分注計画から分注までの測定依頼の予約数に基づき、試薬容器が使用可能か否か判定する制御部と、を備え、制御部は、残測定回数の誤差カウントに基づき予約数を補正する構成の自動分析装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、泡の影響無く、測定項目を連続で分析を継続しても、分析後半の試薬容器を過不足なく使い切ることが可能な自動分析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】実施例1の試薬の残量管理のフローチャートを示す図である。
【
図3】実施例1の自動分析装置の全体構成図である。
【
図4】実施例1に係る、試薬ディスクを上から見た図である。
【
図5】実施例1に係る、試薬ディスク回転に伴う試薬表面の液揺れを説明する図である。
【
図6】実施例1に係る、液揺れにより液面が低いときに試薬プローブが下降して液面検知で停止した図である。
【
図7】実施例1に係る、液揺れにより液面が高いときに試薬プローブが下降して液面検知で停止した図である。
【
図8】実施例1に係る、試薬表面の小さな泡を説明する図である。
【
図9】実施例1に係る、試薬表面の小さな泡であって、吸引動作により少し泡が割れた状態を説明する図である。
【
図10】実施例1に係る、試薬表面の大きな泡を説明する図である。
【
図11】実施例1に係る、試薬表面の大きな泡が割れた状態を説明する図である。
【
図12】実施例1に係る、装置が認識している断面積より小さい試薬容器を説明する図である。
【
図13】実施例1に係る、装置が認識している断面積より大きな試薬容器を説明する図である。
【
図14】実施例1に係る、分注計画から試薬分注までの動作タイミングを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して順次説明する。なお、以下の説明において、試薬容器内の試薬残量として、残測定回数を例示して説明するが、その他の数値を使って試薬残量を算出しても良い。
【実施例1】
【0014】
実施例1は、予約数を誤差カウントを使って補正することによって、試薬容器が使用可能か否かを判定して分注計画する自動分析装置の実施例である。すなわち、試薬容器に充てんされた試薬を分注する試薬分注機構と、試薬分注機構によって試薬の液面を検知する液面検知部と、検知された液面の高さから残測定回数を算出し、残測定回数と、分注計画から分注までの測定依頼の予約数に基づき、試薬容器が使用可能か否か判定する制御部と、を備え、制御部は、残測定回数の誤差カウントに基づき予約数を補正する自動分析装置、及びその方法の実施例である。
【0015】
最初に、
図3を用いて、実施例1の自動分析装置の全体構成について説明する。自動分析装置100は、主として、試料ディスク101とその同心円状に配置された試料102を収容する試料容器103、反応ディスク104とその同心円状に配置された反応容器202、試料分注機構106、試薬ディスク107とその同心円状に配置された種々の試薬108を収容する試薬容器109、試薬分注機構110、音波照射機構111、撹拌機構112、恒温槽循環液体113、測光機構114、反応容器洗浄機構115を備える機構部と、中央処理部(CPU)からなる演算部が各種のプログラムを実行するコンピュータ118、入力部119、出力部120などを備える全体制御部121から構成される。
【0016】
制御部である全体制御部121は、コンピュータ118、入力部119、出力部120の他、制御回路116、測光回路117を備えている。入力部119は、例えばポインティングデバイス、キーボード、タブレット等であり、ディスプレイなどの出力部120には、測定結果や各種操作に係るグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)等が表示される。なお、本図において全体制御部121は各々の構成部に接続され、装置全体を制御するものとしたが、構成部ごとに独立した制御部を備えるように構成することもできる。
【0017】
自動分析装置100による分析は、主に以下のように実施される。まず、試料ディスク101に設置された試料102が試料容器103から反応容器202へと試料分注機構106により分注される。試料102が収容された反応容器202は、反応ディスク104の回転動作により、試薬分注位置まで移動し、試薬分注機構110が、分析に使用する試薬108を試薬容器109から試料102の入った反応容器202へと分注する。ここで、反応容器202内に収容された、試料102と試薬108との混合液を反応液122という。
【0018】
続いて、音波照射機構111により反応容器202内の反応液122が脱気された後、撹拌機構112により反応容器202内の反応液122の撹拌が行われる。反応容器202は反応ディスク104の下部に満たされた恒温槽循環液体113によって、一定の温度、例えば37℃に保たれており、反応の促進と反応の進行の安定化が図られている。反応容器202内の反応液122は、反応ディスク104の回転動作に伴い、測光機構114を通過するときにその光学特性変化が測光回路117を介して測定される。
【0019】
このようにして得られた測光データは、コンピュータ118に送られ、コンピュータ118内の演算部123であるCPUのプログラム実行によって、試料中の対象成分の濃度が求められるとともに、得られたデータはデータ記憶部124に記憶され、出力部120に結果が表示される。反応後の反応容器202は、反応容器洗浄機構115により洗浄され、次の反応に繰り返し使用される、あるいは、図示しない反応容器廃棄部に廃棄される。ここで、試薬容器内に収容される試薬の残量、または、試薬の残量に対応した測定可能回数である残測定回数は、出力部120に表示される。
【0020】
次に、
図1を用いて、上述した自動分析装置の分注機構の動作と、残測定回数の算出方法について説明する。試料、試薬を分注するとき、分注機構110は試料、試薬の液面まで下降する。このとき、液面を検知する機能を備えた分注機構を使って、以下の分注工程の動作を行う。なお、説明を簡略化するため、試薬を分注する場合のみを記載する。
【0021】
(1)試薬分注機構110を試薬が入った試薬容器109の上に移動させる。その後、試薬の液面の有無をチェックしながら、試薬分注機構110を下降させる(
図1の(a))。
(2)試薬の液面を検知した時点で、試薬分注機構110の下降動作を止める(
図1の(b))。試薬分注機構110の下降が止まったら、再度、液面の有無をチェックする。以降、これを1回目の液面チェックと記載する。
(3)1回目の液面チェックで「液面あり」を確認できたら、試薬容器から、予め設定した分注量だけ試薬を吸引する(
図1の(c))。試薬の吸引後、再度、液面の有無をチェックする。以降、これを2回目の液面チェックと記載する。
(4)2回目の液面チェック後、試薬分注機構110を所定の位置まで上昇させる(
図1の(d))。試薬分注機構110は上昇後、試料が入った反応容器である反応セル202など、試薬を吐出する対象の上に水平に移動する。
【0022】
(5)試薬分注機構110は反応セル202上で水平移動を停止したのち、一定量、すなわち、反応セル202中の試料102に触れない程度、下降する(
図1の(e))。なお、一定量下降しなくても、試薬分注機構110と反応セル202の高さ方向の距離があまり離れていない場合には、この動作は実施しなくてもよい。
(6)反応セル202に設定した分注量だけ試薬を吐出する(
図1の(f))。
(7)試薬の吐出後、試薬分注機構110を所定の位置まで上昇させる(
図1の(g))。なお、先の動作で一定量下降しない場合には、この動作は実施しなくてもよい。その後、分注機構を所定の位置まで戻す。尚、液面を検知する機能、液面検知部については公知の技術、例えば特許文献3等で開示される静電容量変化を測定する方法などを用いて実施できる。
【0023】
上記の「液面を検知した時点で、分注機構の下降を止める」動作が完了した時点で、分注機構の下降量を記憶しておき、予め装置に登録してある試薬容器底までの下降量、および、試薬容器の断面積、測定1回の試薬使用量から、該当試薬容器の試薬残量である残測定回数を算出することができる。試薬容器の残測定回数の算出式を下式1に示す。
【0024】
残測定回数
={(「試薬容器底までの下降量」-「分注機構の下降量」)×「試薬容器の断面積」-「今回の試薬使用量」}÷「測定1回の試薬使用量」 ・・・(式1)
例えば、「試薬容器底までの下降量」を100mm、「分注機構の下降量」を70mm、「試薬容器の断面積」を1000mm2、「今回の試薬使用量」および「測定1回の試薬使用量」を150μlとすると、試薬容器の残測定回数は以下のように算出できる。
【0025】
残測定回数
={(100-70)×1000-150}÷150
=(30000-150)÷150
=199回
次に、
図3に示した実施例1の自動分析装置の試薬容器のチェンジオーバーと、ボトルセットの機能について説明する。
本実施例の試薬容器のチェンジオーバーの機能とは、該当試薬容器の試薬がなくなると、該当試薬容器からの分注をやめて、予め用意してある別の試薬容器から試薬を分注するようにすることを言う。
【0026】
一方、本実施例の試薬容器のボトルセットの機能とは、以下の定義とする。該当の分析項目Aの試薬容器のR1試薬、R3試薬がそれぞれ2個ずつあるとき、R1-1ボトル、R1-2ボトル、R3-1ボトル、R3-2ボトルと記載し、R1-1ボトルとR3-1ボトルのセットをボトルセット1、R1-2ボトルとR3-2ボトルのセットをボトルセット2とする。
【0027】
このとき、ボトルセット1の試薬容器から分注を続けて、R3-1ボトルの試薬が残っている場合でも、R1-1ボトルに試薬がなくなれば、ボトルセット1の試薬がなくなったとみなす。これを本実施例のボトルセットの機能と定義する。また、次の該当項目Aの分注からはボトルセット2の試薬容器を使用するようにチェンジオーバーする。これをボトルセットのチェンジオーバーの機能と定義する。
【0028】
次に、本実施例において、試薬容器の予約数、残測定回数、および分注計画の関係について説明する。試薬容器の予約の機能、および予約数は、以下の定義とする。
【0029】
該当の分析項目Aの試薬容器のR1試薬、R3試薬があるとき、試料分注、R1試薬、R3試薬の順番で分注していくことになるが、R1試薬分注からR3試薬の分注までの間に、例えば5分程度の間隔が空いていることがある。簡単に説明するため、検体を分析するとき、1サイクルを4.5秒として、
図14に分注計画から試薬分注までの動作タイミングの一例を示す。同図において、試薬容器の予約があったタイミング401を開始点とし、R1試薬分注のタイミング403は4.5秒後×4サイクル後、R3試薬分注のタイミング404は4.5秒後×66サイクル後に分注する試薬項目で説明する。
【0030】
自動分析装置が分析依頼を受け付けてから実際に試薬分注する前までの間、試薬は分注していないため試薬容器の残測定回数は更新していないが、試薬を分注する予定になっている。この状態を該当試薬容器の予約として管理し、予約した数を該当試薬容器の「予約数」としてカウントアップしておく。すなわち、分注計画から実際の分注までの分注予定数を予約数とする。そして、実際に試薬分注したとき、「予約数」をカウントダウンし、試薬容器の残測定回数も更新する。
【0031】
つまり、
図14において、該当項目の分注計画の開始のタイミング401で使用中ボトルであるR1-1ボトルの予約数とR3-1ボトルの予約数を、それぞれ+1する。タイミング402で試料分注を行う。次に、R1試薬分注のタイミング403で、R1-1ボトルの予約数を-1し、残測定回数も-1する。次に、R3試薬分注のタイミング404で、R1-3ボトルの予約数を-1し、残測定回数も-1する。
【0032】
同じ項目を連続で分析依頼したとき、毎サイクルの分注計画のタイミングで該当ボトルの予約数が+1されていくが、最初の試薬分注が開始されたら予約数は-1されていくので、予約数の最大値は各試薬ボトルの分析計画から分注までのサイクル数となる。
【0033】
更に本実施例の自動分析装置では、以下の条件式2が成立するときにボトルセット1を使用し、それ以外のときはボトルセット2を使用するように分析計画を行う。すなわち、複数のボトルセット内の一つの試薬容器の予約数がその試薬容器の残測定回数を超えてしまう場合は、他のボトルセット使用するように制御する。
【0034】
「残測定回数」-「予約数」> 0 ・・・(式2)
これにより、例えば残測定回数が100回のR1-1ボトル、残測定回数が66のR3-1ボトルのボトルセット1がある場合、その分析項目を67回連続で分析依頼したとしても、実際にR3-1の試薬分注をする前でも67回目の試薬分注はボトルセット2にチェンジオーバーすることができる。
【0035】
しかし、残測定回数の更新とは違い、「予約数」の更新はソフトカウントで行い、試薬メーカごとの試薬容器の断面積の差異を反映させることができない。従って、自動分析装置が認識している断面積と異なる試薬容器の場合、残測定回数が66のR3-1ボトルのボトルセット1がある場合、「予約数」を66回にカウントアップしてボトルセット2にチェンジオーバーしたとしても、実際は66回分注する前に試薬が空になったり、66回分注しても試薬が余ったりしてしまう。
【0036】
そこで、本実施例の自動分析装置では、「予約数」を後で説明する誤差カウント用いて算出した誤差割合を使って補正する。上述した通り「予約数」は上限値が決まっており、具体的には、「分注計画から実際の分注」までの間に実施可能な分注計画数が上限値となる。例えば、1サイクルあたり4.5秒、且つ、1サイクルあたりに1回分の分注計画を実施し、「分注計画から実際の分注」までの最大間隔が67サイクルである分析装置では、予約数の上限値は67回となる。しかも、予約数が上限値に達するのは、単一分析項目を連続で分析したケースに限られる。実際のルーチンでは、複数の分析項目を分析することが多く、予約数は、せいぜい0~10回程度になると推測できる。
【0037】
よって、万が一、補正自体に誤差が生じていたとしても、補正対象の「予約数」は限られた数値であるため、リスク管理がしやすく、また、実際のルーチンではほとんど影響がでないという利点がある。
【0038】
本実施例では、それまでの該当薬容器の分注で残測定回数が前回値と比べて想定より多く減った回数、または、少なく減った回数を累積でカウントして、「誤差カウント」と定義する。この「誤差カウント」とそれまでの「分注回数」の累積値を使って「誤差割合」を算出し、「予約数」を補正することで、「予約数」が少ないときは補正の効果が弱く、「予約数」が多いときに補正の効果の影響が強く生じることが可能になる。
【0039】
更に、本実施例においては、「誤差カウント」が閾値を超えた場合、ユーザに対して異常を通知し、「誤差カウント」及び「分注回数」をリセットすることで、試薬表面に泡がある場合でも「予約数」の補正に影響を与えないことを可能とできる。
【0040】
図2に示す本実施例の自動分析装置の全体概要フローチャートを用いて、本実施例の構成について詳述する。このフローチャートの処理主体は、主にコンピュータ118である。なお、
図2に示す処理動作において、誤差カウント、分注回数、試薬残量、予約数は試薬ボトルごとの管理値とする。
【0041】
図2に示すフローチャートの処理動作が開始されると、まず試薬分注機構の試薬プローブが試薬ボトルに下降し、液面検知により試薬ボトルの液面高さを算出する(ステップ210、以下、S210)。そして、分注のたびに試薬ボトルの断面積、検知した液面高さ、吸引した試薬の分注量から試薬容器の試薬残量、すなわち残測定回数を算出する(S211)。また、分注回数を1回分加算し(S212)、予約数を1回分減算する(S213)。
【0042】
更に、前回値より残測定回数が想定した規定値より多く減ったか否かをチェックし(S214)、多く減った場合に、その回数を累積してカウントし、誤差カウントとする(S215)。通常、残測定回数は、前回値より1回分減る。そこで、例えば該当分注時点の残測定回数が前回値より2回分減ったら、誤差カウントを1回分加算し、前回値より3回分減ったら、誤差カウントを2回分加算する。また、前回値と等しければ、誤差カウントを1回分減算する。
【0043】
このS215の処理を計算式3として表すと以下のようになる。
【0044】
「誤差カウント」
=「誤差カウント」+「前回の残測定回数」-「今回の残測定回数」-1
・・・(式3)
尚、前回の残測定回数の値は、分析中の試薬分注で算出した残測定回数になるケースと、試薬残量登録を実施したときに算出した残測定回数になるケースがある。式3で得られた「誤差カウント」が所定の閾値を超えた場合(S216でNo)、コンピュータ118は、当該試薬ボトルの異常を出力部120などに出力してユーザに通知し(S217)、更に「誤差カウント」、「分注回数」をリセットするよう制御する。
【0045】
続いて、該当試薬の分析依頼があった場合(S218でYes)、該当分注時点において、分注するたびに、以下の式4で「誤差割合」を算出する(S219)。
【0046】
「誤差割合」
=「誤差カウント」÷「分注回数」 ・・・(式4)
尚、ここで「分注回数」は、該当試薬容器から試薬を吸引するたびに1回分カウントアップする。また、「誤差カウント」、「分注回数」は、試薬容器ごとのカウント値とする。
【0047】
更に、コンピュータ118は、上述したボトルセット1、2を使用する場合、以下の条件式5が成立するか否か判断し(S220)、成立するときにボトルセット1を使用し、それ以外のときはボトルセット2を使用するように分析を計画する。コンピュータ118は、この分析計画を精度良く実行するため、「誤差割合」で「予約数」を補正する。
【0048】
「残測定回数」-「予約数」-「予約数」×「誤差割合」>0 ・・・(式5)
本実施例の自動分析装置のこの機能により、例えば、「誤差割合」が10%となっていれば、試薬容器の残測定回数が100のR1-1ボトル、残測定回数が66のR3-1ボトルのボトルセット1がある場合、その分析項目を67回連続で分析依頼したとしても、条件式5を満たさなくなるときにボトルセット2を使用するようにすれば、予約数60のときに「誤差割合」×「予約数」=6となるため、実際にR3-1の試薬分注をする前でも、60回はボトルセット1で分注し、61~67回目の試薬分注はボトルセット2にチェンジオーバーすることができる。
【0049】
「誤差割合」は同じ試薬容器ではあまり変化しないと考えられることから、以上説明した本実施例の方法で、試薬不足にならず、且つ、試薬を使い切ってボトルセットのチェンジオーバーのタイミングを図ることができる。ここで、この本実施例の理解を深めるため、
図12、
図13を用いて、試薬分注で残測定回数が2回減ったり、1回も減らないケースの説明を行う。
【0050】
図12は試薬容器の断面積が、自動分析装置が認識している断面積より小さい場合の試薬分注の図である。
試薬容器の断面積が、装置が認識している断面積より10%小さい場合、一回の分注で1.1回分減ることになる。
よって、10回分注すると、最後の10回目に2回分減り、合計11回分、試薬残量が減る。
【0051】
図13は試薬容器の断面積が、自動分析装置が認識している断面積より大きい場合の試薬分注の図である。
試薬容器の断面積が、装置が認識している断面積より10%大きい場合、一回の分注で0.9回分減ることになる。
よって、10回分注すると、最後の10回目に1回も減らず、合計9回分、試薬残量が減る。
【0052】
試薬分注で残測定回数が2回減ったり、1回も減らないケースで、試薬容器の断面積に誤差があるケースのほかに、試薬容器内の試薬液揺れによっても同様のケースが発生する。そこで、本実施例の試薬液揺れの定義を説明する。
【0053】
図4は試薬ディスク107内に試薬容器109が置かれ、試薬ディスク107が試薬ディスク回転方向301に回転することで、試薬容器109が試薬分注機構110の試薬プローブの下降位置まで移動する様子を表した図である。
【0054】
図5は試薬ディスクが回転することで試薬容器109が移動し、その勢いで、試薬容器内部の試薬108の表面が試薬表面の揺れ302のように揺れ、傾くことを表した図である。
【0055】
図6は試薬容器109に試薬プローブが下降方向311に下降したとき、試薬表面の揺れ302があることで実際の試薬液面高さ303にムラができ、液面の低い位置に、試薬プローブが接触する様子を表した図である。
その位置で液面検知機能により液面を検知して試薬プローブが停止するため、液面高さは実際より低く算出され、結果として、試薬残量が実際より少なく出力される。
【0056】
一方、
図7は試薬容器に試薬プローブが下降したとき、試薬液面の揺れ302があることで試薬液面高さ303にムラができ、液面の高い位置に、試薬プローブが接触する様子を表した図である。
その位置で液面検知機能により液面を検知して試薬プローブが停止するため、液面高さは実際より高く算出され、結果として試薬残量が実際より多く出力される。
【0057】
以上説明したように、液揺れにより一時的に試薬残量が実際より増えたり減ったりするが、液揺れはランダムに発生するので、分注を継続していけば、試薬残量の一時的な増減は対になって発生する。つまり、誤差カウントが一時的に減ったとしても、分注を継続していけば再び増えて、最終的に±0となる。よって、本実施例の誤差カウントのカウントにより、試薬容器の断面積の誤差による残測定回数の増減と、液揺れによる残測定回数の増減を区別できる。
【0058】
次に、本実施例における試薬表面の泡検知について説明する。試薬登録のときに、以下の計算式6で誤差カウントの「基準値」を更新する。
【0059】
「基準値」=誤差割合×使用数 ・・・(式6)
分析中の試薬分注のときには、例えば10回などの一定の分注回数が経過したら、計算式6から誤差カウントの「基準値」を更新する。
【0060】
更に、分析中の試薬分注のとき、以下の条件式7を満たすとき、ユーザに対して異常を通知する。
【0061】
(基準値+閾値1) < 「誤差カウント」 ・・・(式7)
尚、閾値1は、実験的に求め、固定値とする。
【0062】
条件式7を満たすとき、「誤差割合」自体に誤差が生じている可能性があるため、「誤差カウント」、「測定回数」の累積値をリセットする。尚、リセット後の値は、前回の試薬登録時点の値にしてもよい。
【0063】
先に説明した計算式3を実行する条件として、以下の条件式8、条件式9を追加する。
「今回の残測定回数」-「前回の残測定回数」 < 閾値2・・・(式8)
「今回の残測定回数」-「前回の残測定回数」 > 閾値2・・・(式9)
尚、閾値2も、実験的に求め、固定値とする。
【0064】
これは、泡が発生して誤差カウントが減っても、泡が消えたら誤差カウント増えて、±0になってしまうのを防ぐためであり、泡が発生して誤差カウントが大きく減る場合や、大きく増える場合は誤差カウントをカウントしないようにするものである。
【0065】
誤差カウントは累積値であるため、試薬容器の小さな泡が少しずつ割れて、少しずつ残測定回数が変化した場合でも異常を通知することができる。
【0066】
ここで、本実施例における試薬表面の泡について説明をする。
図8は試薬容器に試薬プローブが下降したとき、試薬液面に小さな泡、すなわち、試薬プローブが接触するだけでは消滅しない泡が発生しており、試薬プローブが接触する様子を表した図である。その位置で液面検知機能により液面を検知して試薬プローブが停止するため、液面高さは実際より高く算出され、結果として、試薬残量が実際より多く出力される。なお、
図8~
図11においては、液揺れは省略して図示した。
【0067】
図9は試薬容器に試薬プローブが下降したとき、試薬液面の小さな泡であり、試薬プローブが接触するだけでは消滅しない泡が、前回の試薬プローブの分注動作により少し減少しており、試薬プローブが接触する様子を表した図である。
その位置で液面検知機能により液面を検知して試薬プローブが停止するため、液面高さは実際より少し高く算出され、結果として、試薬残量が実際より少し多く出力される。
前回の試薬分注で算出した試薬残量より、今回の試薬分注で算出した試薬残量が、1回分より多く減少する。
【0068】
図10は試薬容器に試薬プローブが下降したとき、試薬液面に大きな泡であって、試薬プローブが接触するだけでは消滅しない泡が発生しており、試薬プローブが接触する様子を表した図である。
その位置で液面検知機能により液面を検知して試薬プローブが停止するため、液面高さは実際より高く算出され、結果として、試薬残量が実際より多く出力される。
【0069】
図11は試薬容器に試薬プローブが下降したとき、試薬液面の大きな泡であって、試薬プローブが接触するだけでは消滅しない泡が、前回の試薬プローブの分注動作により割れて、試薬プローブが試薬液面にまで下降する様子を表した図である。
その位置で液面検知機能により液面を検知して試薬プローブが停止するため、液面高さは正しく算出され、結果として、試薬残量は正しく出力される。
前回の試薬分注で算出した試薬残量より、今回の試薬分注で算出した試薬残量が、大きく減少する。
【0070】
尚、試薬表面の泡は主に試薬容器を設置するときに発生する。小さな泡の場合、一気には割れずに、時間経過、および、試薬分注によって、少しずつ割れていく。そのため、分注を続けていくと、試薬残量は少しずつ減っていく。
【0071】
一方、大きな泡の場合、時間経過、および、試薬分注によって、一気に割れる。そのため、分注を続けていくと、試薬残量は1回だけ一気に減る。
【0072】
誤差カウントは、「試薬表面による泡の消滅」、「ユーザが意図的に試薬容器から試薬を抜いたり、試薬を継ぎ足したりして、試薬残量を変化させる」を区別して誤差カウントをカウントする必要がある。そこで、本実施例では上記「基準値」を導入することで、これらを解決している。
【0073】
従来の自動分析装置では、「試薬継ぎ足し」、「試薬を抜く」行為をすると、試薬ディスクの蓋を開ける必要がある。装置起動後、もしくは試薬ディスクの蓋をあけた後は、必ず「試薬登録」をしないと分析できない。ここで、「試薬登録」は、試薬分注機構を各試薬容器液面まで下降させ、各試薬容器の残測定回数を算出し直すことを指す。
【0074】
「試薬継ぎ足し」、「試薬を抜く」行為後に残測定回数は変化するが、誤差カウントは試薬登録では変化させない。「誤差カウント」は、分析に伴う試薬分注のときのみとする。よって、「試薬を抜く」行為後は「誤差カウント」に変化はない、「試薬を抜く」行為をしても、「誤差カウント」による泡検知を実施できる。
【0075】
一方、「試薬継ぎ足し」をすることで「分注回数」が増え、結果的に「試薬容器断面積の誤差」により誤差カウントが増える可能性がある。しかし、試薬表面の泡は主に試薬容器を設置するときに発生する。よって、以上詳述した本実施例によれば、「基準値」を導入することで「誤差カウント」による泡検知を実施できる。
【0076】
本実施例によれば、測定項目を連続で分析を継続しても、分析後半の試薬容器を過不足なく使い切ることが可能な自動分析装置を提供できる。また、本実施例によれば、補正効果は「予約数」が多いときのみ補正が強く作用するため、万が一、補正の精度が低くなった場合でも、通常の運用のように「予約数」が少ない状態では影響がない装置を提供することができる。更に、「予約数」は試薬容器によらず、上限値が決まっているため、リスク管理がしやすい効果もある。また更に、試薬容器の設置時に試薬液面に泡が発生し、試薬分注を継続する過程で泡が少しずつ割れた場合でも、ユーザに対して異常を通知することができる。
【実施例2】
【0077】
実施例2では、実施例1の「誤差割合」による「予約数」の補正に対し、「分注回数」が一定値以上に到達してから補正をする構成とする。すなわち、制御部は、試薬容器の分注回数が一定値以上に到達してから、誤差割合により予約数の補正を行うよう制御を行う実施例である。「分注回数」が少ないと「誤差割合」に誤差が生じやすいため、それを予約数に反映しないようにするためである。
【実施例3】
【0078】
実施例3では、「誤差割合」による「予約数」の補正により、「予約数」が一定値以上変化する場合は、その閾値を上限値とし、その上限値で補正する構成とする。すなわち、制御部は、誤差割合による予約数の補正により、当該予約数が予め設定した閾値を超えて変化する場合は、その閾値を上限値として補正を行うよう制御する実施例である。「誤差割合」に誤差が生じ、想定を超える補正をするリスクを避けるためである。閾値は、「予約数」の上限値は試薬容器によらず一定であるため、その値を閾値にするか、又は、上限値の数~数十%の値を閾値にするのが望ましい。
【0079】
以上の実施例を組み合わせることで、より信頼性の高い自動分析装置を提供することができる。本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0080】
更に、上述した各構成、機能、制御部、コンピュータ等は、それらの一部又は全部を実現するCPUのプログラムを作成する例を中心に説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。すなわち、演算部の全部または一部の機能は、プログラムに代え、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路などにより実現してもよい。
【符号の説明】
【0081】
100 自動分析装置
101 試料ディスク
102 試料
103 試料容器
104 反応ディスク
106 試料分注機構
107 試薬ディスク
108 試薬
109 試薬容器
110 試薬分注機構
111 音波照射機構
112 撹拌機構
113 恒温槽循環液体
114 測光機構
115 反応容器洗浄機構
116 制御回路
117 測光回路
118 コンピュータ
119 入力部
120 出力部
121 全体制御部
122 反応液
123 演算部
124 記憶部
202 反応容器
301 試薬ディスク回転方向
302 試薬表面の揺れ
303 実際の試薬液面高さ
311 試薬分注機構の下降方向
321 試薬表面の泡
331 実際の試薬容器断面積
332 分析装置が認識している断面積
401 分注計画のタイミング
402 試料分注のタイミング
403 R1試薬分注のタイミング
404 R3試薬分注のタイミング