(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】光学ユニット及び光学装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/022 20210101AFI20221109BHJP
【FI】
H01S5/022
(21)【出願番号】P 2018202108
(22)【出願日】2018-10-26
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2018020524
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】廣居 正樹
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-092319(JP,A)
【文献】特開2014-150199(JP,A)
【文献】特開2009-176809(JP,A)
【文献】特開2008-226948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0247611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が配列した発光素子アレイと、前記複数の発光素子から放射された光の光路上に、前記発光素子アレイに対向して配置されるレンズアレイと、前記発光素子アレイと前記レンズアレイとの間に設けられ、前記発光素子アレイと前記レンズアレイとを固定する固定部と、を備えた光学モジュールと、
前記発光素子アレイよりも熱膨張係数が大きい部材と、
前記光学モジュールを、前記部材の一の面上に拘束する拘束部と、
を有し、
前記拘束部は、前記光学モジュールを前記一の面に平行な平面内で膨張収縮可能に拘束
し、
前記光学モジュールは、第1の側面と、該第1の側面と交わる第2の側面と、該第1の側面と対向する第3の側面と、を有し、
前記部材は、前記第1の側面が突き当たる第1の突き当て部を有し、
前記第1の突き当て部と前記第1の側面が当接すると共に、前記第3の側面と前記部材との間に隙間が存在することを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記部材は、前記光学モジュールの前
記第2の側面が突き当たる第2の突き当て部を有することを特徴とする請求項
1に記載の光学ユニット。
【請求項3】
前記拘束部は、1箇所のみで前記光学モジュールを前記部材に固定するモジュール固定部材を有することを特徴とする請求項1
又は2に記載の光学ユニット。
【請求項4】
前記モジュール固定部材は、前記光学モジュールの前記第1の側面と前記第2の側面とが交わる角部を前記部材に固定することを特徴とする請求項
3に記載の光学ユニット。
【請求項5】
前記拘束部は、前記光学モジュールの前記平面内での膨張に対して反発する反発部材を有することを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の光学ユニット。
【請求項6】
前記反発部材は、前記光学モジュールを前記部材に押し付けて前記光学モジュールの前記平面に垂直な方向での位置を保持することを特徴とする請求項
5に記載の光学ユニット。
【請求項7】
前記反発部材は、
前記光学モジュールを前記部材の前記一の面および前記第1の突き当て部に押し付けることを特徴とする請求項
5又は
6に記載の光学ユニット。
【請求項8】
請求項1乃至
7のいずれか1項に記載の光学ユニットと、
前記発光素子から放射された光が入射する光学素子と、
を備えることを特徴とする光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニット及び光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多色画像形成装置においては高速化が年々進むことで、オンデマンドプリンティングシステムとして簡易印刷に用いられるようになりつつあり、より高精細な画像品質が求められている。高精細化に関し、2次元の発光素子アレイを用いることで、感光体上での副走査間隔を記録密度の1/nにでき、単位画素をn×mの複数ドットのマトリクス構成とすることが可能である。
【0003】
最近、このような2次元の発光素子アレイを集光することで高出力レーザとして用いられる用途が考えられている。例えば、レーザ点火プラグの光源として用いられる。高出力レーザなどの光学部品として用いる場合、2次元の発光素子アレイからの光を効率良くかつ小スポットに集光することが望まれる。そのためには、2次元の発光素子アレイからの光を一度コリメートしてから集光することが有効である。この構成では、発光素子ごとにコリメートできるように、コリメートレンズは発光素子に接近した位置に設置され、2次元のレンズアレイを2次元の発光素子アレイ上に設けることが有効である。2次元の発光素子アレイと2次元のレンズアレイとを高精度に位置合わせするためには、2次元の発光素子アレイ上に直接2次元のレンズアレイをはんだ等により強固に固定することが望まれる。
【0004】
しかし、2次元の発光素子アレイと2次元のレンズアレイとの間には、材料の相違に起因する熱膨張係数の大きな相違が存在するため、その接合時の残留応力の影響で接合時や経時に接合部にひびが入ったり剥がれたりする。この残留応力を緩和する技術が特許文献1に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術によれば所期の目的は達成できるものの、発光素子アレイ及びレンズアレイを含む光学モジュールを放熱部材に固定する方法については検討されていない。
【0006】
本発明は、光学モジュールを放熱部材等の熱膨張係数の大きい部材に取り付けた場合でも、レンズアレイと発光素子アレイとの接合後の熱負荷により接合部に生じる応力を抑制することができる光学ユニット及び光学装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
光学ユニットの一態様は、複数の発光素子が配列した発光素子アレイと、前記複数の発光素子から放射された光の光路上に、前記発光素子アレイに対向して配置されるレンズアレイと、前記発光素子アレイと前記レンズアレイとの間に設けられ、前記発光素子アレイと前記レンズアレイとを固定する固定部と、を備えた光学モジュールと、前記発光素子アレイよりも熱膨張係数が大きい部材と、前記光学モジュールを、前記部材の一の面上に拘束する拘束部と、を有し、前記拘束部は、前記光学モジュールを前記一の面に平行な平面内で膨張収縮可能に拘束し、前記光学モジュールは、第1の側面と、該第1の側面と交わる第2の側面と、該第1の側面と対向する第3の側面と、を有し、前記部材は、前記第1の側面が突き当たる第1の突き当て部を有し、前記第1の突き当て部と前記第1の側面が当接すると共に、前記第3の側面と前記部材との間に隙間が存在することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、光学モジュールを放熱部材等の熱膨張係数の大きい部材に取り付けた場合でも、レンズアレイと発光素子アレイとの接合後の熱負荷により接合部に生じる応力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】光学ユニットの参考例を示す平面図である。
【
図1B】光学ユニットの参考例を示す断面図である。
【
図2】光学ユニットの参考例に含まれる発光デバイスを示す平面図である。
【
図3】発光デバイスにおける接合時の残留応力の発生状態を示す図である。
【
図4】発光デバイスの残留応力による影響を示す図である。
【
図5A】第1の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図である。
【
図5B】第1の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
【
図6A】第2の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図である。
【
図6B】第2の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
【
図7A】第3の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図である。
【
図7B】第3の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
【
図8A】第4の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図である。
【
図8B】第4の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
【
図9A】第5の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図である。
【
図9B】第5の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
【
図10】第6の実施形態に係るレーザ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0011】
(参考例)
本願発明者は、光学ユニットにて接合部にひびや剥がれが発生する原因を究明すべく検討を行った。この検討の際に参考にした光学ユニットの参考例について説明する。
図1Aは、光学ユニットの参考例を示す平面図であり、
図1Bは、光学ユニットの参考例を示す断面図である。
図1Bは、
図1A中のI-I線に沿った断面図に相当する。
【0012】
図1A及び
図1Bに示すように、参考例の光学ユニット900は、光学モジュール961、集光レンズ953、放熱部材958及びカバー959を含む。光学モジュール961は発光デバイス960、サブマウント904及びパッケージ基板908を含む。発光デバイス960は2次元の発光素子アレイ902、2次元のレンズアレイ901及び固定部903を含む。パッケージ基板908は、基部908a並びに基部908aから互いに逆方向に延出したフランジ908b及び908cを含む。放熱部材958に凹部958aが形成されており、凹部958a内で光学モジュール961がフランジ908bの2箇所及びフランジ908cの2箇所で固定ねじ910により放熱部材958に固定されている。すなわち、光学モジュール961はパッケージ基板908の四隅4点を固定ねじ910で放熱部材958に固定されている。
図1Aでは、集光レンズ953及びカバー959を省略してある。
【0013】
図2は、発光デバイス960を示す平面図である。
図2では、電気的な接合は省略してある。発光デバイス960では、発光素子ごとにコリメートするために、発光素子アレイ902とレンズアレイ901とを高精度に位置合わせしてある。エリア907は発光素子アレイ902の発光エリアを示し、エリア906はレンズアレイ901のコリメートエリアを示している。発光素子アレイ902及びレンズアレイ901は固定部903により4箇所で互いに固定されている。
【0014】
従来、特許文献1に記載された構成を採用しない場合、発光素子アレイ902とレンズアレイ901との間の熱膨張係数の大きな相違に起因して、これらの接合部にひび割れや剥離が生じることがある。ここで、接合部にひび割れが発生したり、剥がれたりする理由について、
図3及び
図4に基づき説明する。
図3は、発光デバイス960における接合時の残留応力の発生状態を示す図である。
図4は、発光デバイス960の残留応力による影響を示す図である。
【0015】
発光素子アレイ902とレンズアレイ901とは、はんだ等の固定部903により固定されている。このため、固定部903により接合する際の温度変化等により、
図3に示すように、レンズアレイ901が撓み、固定部903に応力が発生する場合がある。
【0016】
発光素子アレイ902は一般的にGaAs基板を用いて形成されており、レンズアレイ901は一般的に石英基板を用いて形成されているため、
図3に示すように、発光素子アレイ902の収縮がレンズアレイ901の収縮よりも大きくなる。なお、
図3中の矢印の長さは、温度変化による収縮の大きさを示している。応力は常に作用しているため、接合時に加熱した状態から常温の状態に戻したときや経時に接合部でひび割れや破壊が発生するおそれがある。
【0017】
具体的には、発光デバイス960では、例えば、
図4(a)に示すように、発光素子アレイ902にひび割れ909aが発生する場合がある。また、例えば、
図4(b)に示すように、レンズアレイ901にひび割れ909bが発生する場合がある。また、例えば、
図4(c)に示すように、固定部903にひび割れ909cが発生する場合がある。
【0018】
特許文献1に記載の構成によれば、これらのひび割れを抑制することができる。すなわち、3個以上の固定部903のうちの一部を残りのものとは異なる材料から構成することにより、これらのひび割れを抑制することができる。また、少なくとも一つの固定部903に応力吸収部材を設けることによっても、これらのひび割れを抑制することができる。
【0019】
発光素子アレイ902を構成する発光素子は高出力であり、発熱量が大きい。この熱を外部に放出させるために、光学ユニット900では、光学モジュール961を放熱部材958に固定している。この光学ユニット900では、
図1Bに示すように、発光デバイス960がサブマウント904を介して発光素子アレイ902と同レベルの熱膨張係数を持つパッケージ基板908上に設けられて光学モジュール961が構成され、光学モジュール961が放熱部材958に固定され、集光レンズ953が取り付けられたカバー959により光学モジュール961が覆われている。
【0020】
しかしながら、この参考例の光学ユニット900において、固定部903の材料を適切に選択しても、固定部903に応力吸収部材を設けても、発光デバイス960を含む光学モジュール961を放熱部材958に固定した上で信頼性試験における熱サイクル等の熱負荷を与えると、接合部にひびや剥がれが発生することがある。この原因を究明すべく、本願発明者が鋭意検討を重ねた結果、光学ユニット900に組み込まれた状態で発光素子アレイ902に作用する熱応力は、光学ユニット900に組み込まれず、光学モジュール961の単体の状態で発光素子アレイ902に作用する熱応力よりも著しく大きいことが明らかになった。すなわち、光学ユニット900に組み込まれた状態では、放熱部材958及びカバー959の全体の熱膨張係数が、光学モジュール961全体の熱膨張係数よりも著しく大きく、かつ、光学モジュール961が放熱部材958に固定されているため、発光素子アレイ902が放熱部材958及びカバー959の熱応力の影響を大きく受けていることが明らかになった。そして、固定部903の工夫だけでは、このような大きな熱応力を十分に緩和できず、ひび割れや剥がれが生じてしまうのである。放熱部材958及びカバー959の総体積が光学モジュール961の体積よりも大きいことも、発光素子アレイ902に大きな熱応力が作用する一因である。更に、接合部にひびや剥がれが発生すると、発光素子アレイ902及びレンズアレイ901が、光軸方向や光軸方向に垂直な方向に相対的にずれるため、発光素子から放射されたレーザ光等の光がレンズの適切な場所を通過できなくなる。この結果、光学ユニット900の光学特性が劣化してしまう。
【0021】
放熱効率の観点から、放熱部材958の材料としては、純度が高い銅が好ましが、銅の熱膨張係数は大きい。このため、純度が高い銅を放熱部材958に用いると、光学モジュール961との間に大きな熱膨張係数の差が生じる。熱膨張係数の差を小さくするために、銅合金又はセラミック等を放熱部材958に用いると、放熱効率が大きく低下してしまい、光学モジュール961の性能を十分に引き出せなくなる。このように、光学ユニット900の参考例では、光学モジュール961の性能と固定部903の破壊耐性とがトレードオフの関係にある。
【0022】
なお、一般的な材料を用いた場合、レンズアレイ901の熱膨張係数は約1×10-6/℃、発光素子アレイ902の熱膨張係数は約6×10-6/℃、サブマウント904の熱膨張係数は約7×10-6/℃、パッケージ基板908の熱膨張係数は約7×10-6/℃である。その一方で、一般的な材料を用いた場合、放熱部材958の熱膨張係数は約17×10-6/℃、カバー959の熱膨張係数は約23×10-6/℃である。従って、参考例の光学ユニット900では、放熱部材958及びカバー959の影響により、発光素子アレイ902の熱ひずみが非常に大きくなると考えられる。
【0023】
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態について説明する。
図5Aは、第1の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図であり、
図5Bは、第1の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
図5Bは、
図5A中のI-I線に沿った断面図に相当する。
【0024】
図5A及び
図5Bに示すように、第1の実施形態に係る光学ユニット100は、光学モジュール161、集光レンズ153、放熱部材158及びカバー159を含む。光学モジュール161は放熱部材158の一の面上に固定されている。光学モジュール161は発光デバイス160、サブマウント104及びパッケージ基板108を含む。発光デバイス160は2次元の発光素子アレイ102、2次元のレンズアレイ101及び固定部103を含む。パッケージ基板108は矩形の平面形状を有しており、基部108a並びに基部108aから互いに逆方向に延出したフランジ108b及び108cを含む。なお、
図5Aでは、集光レンズ153及びカバー159を省略してある。
【0025】
発光デバイス160では、発光素子ごとにコリメートするために、発光素子アレイ102とレンズアレイ101とが高精度に位置合わせされ、はんだ等の固定部103を用いて4箇所で互いに接合されている。発光素子アレイ102に2次元の発光エリア107が含まれ、レンズアレイ101に2次元のコリメートエリア106が含まれる。発光デバイス160は、はんだ等を用いてサブマウント104に接合され、サブマウント104は、はんだ等を用いてパッケージ基板108に接合されている。例えば、固定部103に用いられるはんだはSnAgCu系はんだ等のPbフリーはんだであり、発光素子アレイ102とサブマウント104との接合に用いられるはんだはAuSnはんだであり、サブマウント104とパッケージ基板108との接合に用いられるはんだはSnAgCu系はんだ等のPbフリーはんだである。
【0026】
放熱部材158に、平面形状が矩形で側面141~144を備えた凹部158aが形成されており、側面141と側面142とが交わる頂点に逃げ部115が形成されている。凹部158aの底面、側面141及び143の対並びに側面142及び144の対は互いに直交しており、凹部158aの底面がXY平面にあり、側面141及び143がYZ平面にあり、側面142及び144がZX平面にある直交3軸を定義することができる。光学モジュール161の平面形状はパッケージ基板108の平面形状と一致し、パッケージ基板108は、それぞれが側面141~144と対向する側面131~134を有する。側面131は、第1の突き当て基準面である側面141に当接し、側面132は、第2の突き当て基準面である側面142に当接している。また、側面133と側面143との間、及び側面134と側面144との間に隙間が存在する。突き当て基準面(側面141及び142)は突き当て部の一例である。
【0027】
パッケージ基板108は側面141と側面142とが交わる頂点の近傍で、固定ねじ110を用いて放熱部材158に固定されている。この頂点の対角に位置する頂点の近傍において、板ばね111が固定ねじ112により放熱部材158に取り付けられている。固定ねじ110は拘束部またはモジュール固定部材の一例であり、板ばね111および固定ねじ112は、拘束部または反発部材の一例である。板ばね111の押し付け力は、例えば60Nである。板ばね111は、フランジ108cを凹部158aの底面に押し付けると共に、パッケージ基板108を側面141に押し付ける。従って、板ばね111は、光学モジュール161のXY平面内での膨張に対して反発しつつ、光学モジュール161のZ軸方向での位置を保持する。板ばね111から光学モジュール161に作用する力は、放熱部材158を基準として、光学モジュール161のZ軸方向の位置が保持されつつ、XY平面内での膨張及び収縮が可能な程度である。また、例えば、パッケージ基板108と放熱部材158との間には熱伝導グリスが塗布されており、パッケージ基板108と放熱部材158との間に熱伝導性及び潤滑性が付与されている。
【0028】
図5Bに示すように、発光素子アレイ102から放射された光は発光素子ごとに放射角を持ったレーザ光であるが、2次元のレンズアレイ101を通過する際にコリメートされ、平行光になる。コリメートされた光はカバー159に設けられた集光レンズ153によってスポット状に集光される。そして、集光された光は、例えば、光ファイバ156の一端に入射し、光ファイバ156の他端から放射される。例えば、光ファイバ156は、中心部のコア154と、その周囲を覆うクラッド155とを含む二層構造になっており、集光レンズ153で集光された光がコア154に入射し、コア154内を伝播する。
【0029】
発光素子アレイ102は光の放射に付随して発熱する。レンズアレイ101と発光素子アレイ102との間の熱膨張係数の差に起因して固定部103に作用する応力は、特許文献1に記載された構成や、固定部103に応力吸収部材を含ませることで緩和することができる。また、純度が高い銅等、放熱効率が高く、熱膨張係数が大きい材料が放熱部材158に用いられたとしても、放熱部材158の熱ひずみは発光素子アレイ102にほとんど影響を及ぼさない。これは、光学モジュール161と放熱部材158とが固定ねじ110によって一点のみで互いに連結されており、板ばね111は、光学モジュール161を放熱部材158に押し付ける一方で、放熱部材158を基準とした光学モジュール161の相対的な膨張及び収縮を妨げないからである。従って、発光素子アレイ102の温度変化に伴って放熱部材158が光学モジュール161よりも大きく膨張したり、収縮したりしても、光学モジュール161は放熱部材158の膨張及び収縮の影響をほとんど受けず、放熱部材158の膨張又は収縮に起因する接合部のひび割れ及び剥がれを防止することができる。また、光学モジュール161の熱膨張は固定ねじ110の位置を起点とし、光学モジュール161の熱収縮は固定ねじ110の位置を収束点とする。従って、熱膨張及び熱収縮のサイクルが生じても、光学モジュール161の放熱部材158を基準とする位置は一定に保持される。
【0030】
ここで、光学モジュール161を放熱部材158に取り付ける方法について説明する。この方法では、先ず、パッケージ基板108をその裏面に熱伝導グリスを塗布した上で凹部158a内に載置する。次いで、パッケージ基板108をXY平面内で移動させて、側面131を第1の突き当て基準面である側面141に突き当て、側面132を第2の突き当て基準面である側面142に突き当てる。このとき、パッケージ基板108の側面131と側面132とが交わる角部は逃げ部115に入り込み、側面141、側面142のいずれにも接触しない。その後、固定ねじ110を用いてフランジ108bを放熱部材158に一点のみで固定する。続いて、側面131が側面141に接し、側面132が側面142に接し、光学モジュール161の裏面が凹部158aの底面に接した状態が保持されるように、板ばね111をフランジ108cにかける。このようにして、パッケージ基板108を、放熱部材158に対して高精度に位置合わせしながら取り付けることができる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図6Aは、第2の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図であり、
図6Bは、第2の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
図6Bは、
図6A中のI-I線に沿った断面図に相当する。
図6Aでは、集光レンズ153及びカバー159を省略してある。第1の実施形態においては突き当て基準面を突き当て部としていたのに対し、第2の実施形態では突き当て基準ピンを突き当て部としている点で第1の実施形態と異なる。
【0032】
第2の実施形態に係る光学ユニット200では、凹部158a内で、側面141の近傍に二つの第1の突き当て基準ピン241が設けられ、側面142の近傍に第2の突き当て基準ピン242が設けられている。二つの突き当て基準ピン241はY軸方向に並んで配置されている。パッケージ基板108の側面131が二つの突き当て基準ピン241に当接し、側面132が突き当て基準ピン242に当接している。板ばね111は、フランジ108cを凹部158aの底面に押し付けると共に、パッケージ基板108を二つの突き当て基準ピン241に押し付ける。板ばね111から光学モジュール161に作用する力は、放熱部材158を基準として、光学モジュール161のZ軸方向の位置が保持されつつ、XY平面内での膨張及び収縮が可能な程度である。なお、逃げ部115は設けられていない。突き当て基準ピン241及び242は突き当て部の一例である。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0033】
第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様に、発光素子アレイ102の温度変化に伴って放熱部材158が光学モジュール161よりも大きく膨張したり、収縮したりしても、光学モジュール161は放熱部材158の膨張及び収縮の影響をほとんど受けず、放熱部材158の膨張又は収縮に起因する接合部のひび割れ及び剥がれを防止することができる。また、光学モジュール161の熱膨張は固定ねじ110の位置を起点とし、光学モジュール161の熱収縮は固定ねじ110の位置を収束点とする。従って、熱膨張及び熱収縮のサイクルが生じても、光学モジュール161の放熱部材158を基準とする位置は一定に保持される。
【0034】
ここで、光学モジュール161を放熱部材158に取り付ける方法について説明する。この方法では、先ず、パッケージ基板108をその裏面に熱伝導グリスを塗布した上で凹部158a内に載置する。次いで、パッケージ基板108をXY平面内で移動させて、側面131を二つの突き当て基準ピン241に突き当て、側面132を突き当て基準ピン242に突き当てる。このとき、突き当て基準ピン241は側面141から離間し、突き当て基準ピン242は側面142から離間しているため、パッケージ基板108の側面131と側面132とが交わる角部は側面141、側面142のいずれにも接触しない。その後、固定ねじ110を用いてフランジ108bを放熱部材158に一点のみで固定する。続いて、側面131が二つの突き当て基準ピン241に接し、側面132が突き当て基準ピン242に接し、光学モジュール161の裏面が凹部158aの底面に接した状態が保持されるように、板ばね111をフランジ108cにかける。このようにして、パッケージ基板108を、放熱部材158に対して高精度に位置合わせしながら取り付けることができる。
【0035】
突き当て基準ピン241又は242の一方が設けられていなくてもよい。この場合、第1の実施形態のように、側面131が突き当て基準面としての側面141に当接するか、側面132が突き当て基準面としての側面142に当接して、光学モジュール161が位置決めされる。この場合に、第1の実施形態と同様に逃げ部115を設けてもよい。
【0036】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図7Aは、第3の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図であり、
図7Bは、第3の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
図7Bは、
図7A中のI-I線に沿った断面図に相当する。
図7Aでは、集光レンズ153及びカバー159を省略してある。
【0037】
第3の実施形態に係る光学ユニット300では、第1の実施形態における固定ねじ110、板ばね111及び固定ねじ112に替えて、板ばね311a~311d及び固定ねじ312a~312dが設けられている。詳細には、凹部158a内で、側面141と側面142とが交わる頂点の近傍において、板ばね311aが固定ねじ312aにより放熱部材158に取り付けられ、側面142と側面143とが交わる頂点の近傍において、板ばね311bが固定ねじ312bにより放熱部材158に取り付けられ、側面143と側面144とが交わる頂点の近傍において、板ばね311cが固定ねじ312cにより放熱部材158に取り付けられ、側面144と側面141とが交わる頂点の近傍において、板ばね311dが固定ねじ312dにより放熱部材158に取り付けられている。フランジ108bに板ばね311a及び311dがかかり、フランジ108cに板ばね311b及び311cがかかっている。板ばね311a及び311dは、フランジ108bを凹部158aの底面に押し付けると共に、パッケージ基板108を板ばね311b及び311cに押し付け、板ばね311b及び311cは、フランジ108cを凹部158aの底面に押し付けると共に、パッケージ基板108を板ばね311a及び311dに押し付ける。更に、側面131~134と側面141~144との間に、シリコーンゴム等の弾性部材316が設けられている。板ばね311a~311dは、光学モジュール161のXY平面内での膨張に対して反発しつつ、光学モジュール161のZ軸方向での位置を保持する。板ばね311a~311dは、拘束部または反発部材の一例である。また、弾性部材316は、光学モジュール161のXY平面内での膨張に対して反発する。板ばね311a~311d及び弾性部材316から光学モジュール161に作用する力は、放熱部材158を基準として、光学モジュール161のZ軸方向の位置が保持されつつ、XY平面内での膨張及び収縮が可能な程度である。なお、逃げ部115は設けられていない。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0038】
第3の実施形態では、光学モジュール161と放熱部材158とが、互いに連結されておらず、板ばね311a~311dは光学モジュール161を基準とした放熱部材158の相対的な膨張及び収縮を妨げない。従って、第1の実施形態と同様に、発光素子アレイ102の温度変化に伴って放熱部材158が光学モジュール161よりも大きく膨張したり、収縮したりしても、光学モジュール161は放熱部材158の膨張及び収縮の影響をほとんど受けず、放熱部材158の膨張又は収縮に起因する接合部のひび割れ及び剥がれを防止することができる。さらに、板ばね311a~311dに加えて弾性部材316を備えることが好ましい。弾性部材316の作用により、光学モジュール161は+X方向及び-X方向に同等に弾性変形する。従って、熱膨張及び熱収縮のサイクルが生じても、光学モジュール161の放熱部材158を基準とする位置は一定に保持される。
【0039】
ここで、光学モジュール161を放熱部材158に取り付ける方法について説明する。この方法では、先ず、パッケージ基板108をその裏面に熱伝導グリスを塗布した上で凹部158a内に載置する。次いで、パッケージ基板108を所定の位置までXY面内で移動させる。その後、板ばね311a及び311bと板ばね311c及び311dとが光学モジュール161を互いに押し付け合い、光学モジュール161の裏面が凹部158aの底面に接した状態が保持されるように、板ばね311a及び311bをフランジ108bにかけ、板ばね311c及び311dをフランジ108cにかける。続いて、側面131~134と側面141~144との間の隙間に弾性部材316を設ける。このようにして、パッケージ基板108を、放熱部材158に対して高精度に位置合わせしながら取り付けることができる。
【0040】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
図8Aは、第4の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図であり、
図8Bは、第4の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
図8Bは、
図8A中のI-I線に沿った断面図に相当する。
図8Aでは、集光レンズ153及びカバー159を省略してある。
【0041】
第4の実施形態に係る光学ユニット400では、第1の実施形態における固定ねじ110、板ばね111及び固定ねじ112に替えて、中央固定ねじ417が設けられている。詳細には、放熱部材158の裏面に孔158bが形成され、孔158b内に凹部158aから突出する中央固定ねじ417が設けられている。そして、パッケージ基板108が中央固定ねじ417を用いて放熱部材158に固定されている。中央固定ねじ417は、拘束部またはモジュール固定部材の一例である。また、側面131~134と側面141~144との間に隙間が存在する。なお、逃げ部115は設けられていない。他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0042】
第4の実施形態では、光学モジュール161と放熱部材158とが中央固定ねじ417によって一点のみで互いに連結されており、光学モジュール161を基準とした放熱部材158の相対的な膨張及び収縮は妨げられない。従って、第1の実施形態と同様に、発光素子アレイ102の温度変化に伴って放熱部材158が光学モジュール161よりも大きく膨張したり、収縮したりしても、光学モジュール161は放熱部材158の膨張及び収縮の影響をほとんど受けず、放熱部材158の膨張又は収縮に起因する接合部のひび割れ及び剥がれを防止することができる。
【0043】
第4の実施形態においても、純度が高い銅等、放熱効率が高く、熱膨張係数が大きい材料が放熱部材158に用いられたとしても、放熱部材158の熱ひずみは発光素子アレイ102にほとんど影響を及ぼさない。これは、光学モジュール161と放熱部材158とが中央固定ねじ417によって一点のみで互いに連結されているからである。従って、発光素子アレイ102の温度変化に伴って放熱部材158が光学モジュール161よりも大きく膨張したり、収縮したりしても、光学モジュール161は放熱部材158の膨張及び収縮の影響をほとんど受けず、放熱部材158の膨張又は収縮に起因する接合部のひび割れ及び剥がれを防止することができる。また、光学モジュール161の熱膨張は中央固定ねじ417の位置を起点とし、光学モジュール161の熱収縮は中央固定ねじ417の位置を収束点とする。従って、熱膨張及び熱収縮のサイクルが生じても、光学モジュール161の放熱部材158を基準とする位置は一定に保持される。
【0044】
ここで、光学モジュール161を放熱部材158に取り付ける方法について説明する。この方法では、先ず、パッケージ基板108をその裏面に熱伝導グリスを塗布した上で凹部158a内に載置する。次いで、パッケージ基板108を所定の位置までX軸方向及びY軸方向に移動させる。その後、中央固定ねじ417を用いてパッケージ基板108を放熱部材158に一点のみで固定する。このようにして、パッケージ基板108を、放熱部材158に対して高精度に位置合わせしながら取り付けることができる。
【0045】
中央固定ねじ417の熱伝導率は放熱部材158の熱伝導率以上であることが好ましく、中央固定ねじ417の材料が放熱部材158の材料と同一であってもよい。中央固定ねじ417の材料は特に限定されないが、Ag又はCu等の熱伝導性が良好な材料が好ましい。CuW及びCuMo等の金属が用いられてもよく、AlN、SiC等の熱伝導性の優れたセラミックスが用いられてもよい。
【0046】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
図9Aは、第5の実施形態に係る光学ユニットを示す平面図であり、
図9Bは、第5の実施形態に係る光学ユニットを示す断面図である。
図9Bは、
図9A中のI-I線に沿った断面図に相当する。
図9Aでは、集光レンズ153及びカバー159を省略してある。
【0047】
第5の実施形態に係る光学ユニット500では、第4の実施形態に係る光学ユニット400におけるパッケージ基板108と凹部158aの側面との間に、シリコーンゴム等の弾性部材316が設けられている。他の構成は第4の実施形態と同様である。
【0048】
第5の実施形態によっても、第4の実施形態と同様に、発光素子アレイ102の温度変化に伴って放熱部材158が光学モジュール161よりも大きく膨張したり、収縮したりしても、光学モジュール161は放熱部材158の膨張及び収縮の影響をほとんど受けず、放熱部材158の膨張又は収縮に起因する接合部のひび割れ及び剥がれを防止することができる。また、光学モジュール161の熱膨張は中央固定ねじ417の位置を起点とし、光学モジュール161の熱収縮は中央固定ねじ417の位置を収束点とする。更に、弾性部材316の作用により、光学モジュール161は+X方向及び-X方向に同等に弾性変形する。従って、熱膨張及び熱収縮のサイクルが生じても、光学モジュール161の放熱部材158を基準とする位置は一定に保持される。
【0049】
板ばね111又は311a~311dに代えて、プランジャー等のコイルばねが用いられてもよい。板ばねの押し付け力は特に限定されず、例えば20N~200Nであることが好ましい。押し付け力が20N未満であると、板ばねの作用を十分に得ることができない可能性があり、押し付け力が200N超であると、光学モジュール161が過剰に放熱部材158に拘束される可能性がある。
【0050】
はんだの材料も上記のものに限定されず、SnCu系はんだ、SnCuNiP系はんだ又は純Sn100はんだが用いられてもよい。はんだに代えて、焼結金属又は熱伝導性の優れた樹脂接合材を用いて接合されていてもよい。焼結金属としては、焼結Au、焼結Ag、焼結Cu、焼結Ni及び焼結Cu合金が挙げられる。熱伝導性の優れた樹脂接合材としては、Au、Ag、Cu、Ni又はAl系の粒子又はフィラーを含む樹脂接合材が挙げられる。
【0051】
固定部103については、4個の固定部103のうちの一部が残りのものとは異なる材料から構成されているか、又は少なくとも1個の固定部103に応力吸収部材が設けられていることが好ましい。
【0052】
光学モジュール161と放熱部材158との間の熱伝導グリスに代えて、熱伝導性の優れた弾性部材が用いられてもよい。光学モジュールの平面形状は長方形に限定されず、例えば円形であってもよい。光学モジュールの平面形状に拘わらず、板ばね等の反発部材は、平面視で、少なくとも光学モジュールの重心を間に挟む2点に配置されることが好ましい。
【0053】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、光学ユニットを備えたレーザ装置に関する。レーザ装置は光学装置の一例である。
図10は、第6の実施形態に係るレーザ装置を示す図である。
【0054】
図10に示すように、第6の実施形態に係るレーザ装置600は、面発光レーザアレイ602、第1集光光学系603、光ファイバ604、第2集光光学系605及びレーザ共振器606を備えている。面発光レーザアレイ602及び第1集光光学系603が光学ユニット601に含まれ、光学ユニット601として、例えば光学ユニット100、200、300、400又は500が用いられる。すなわち、例えば、面発光レーザアレイ602は発光素子アレイ102を含むことができ、第1集光光学系603はレンズアレイ101及び集光レンズ153を含むことができる。以下の説明では、面発光レーザアレイ602からの光の射出方向を+Z方向とする。
【0055】
面発光レーザアレイ602は、励起用光源であり、複数の発光部を有している。各発光部は、垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。例えば、面発光レーザアレイ602から射出される光の波長は808nmである。
【0056】
面発光レーザアレイ602は、射出される光の、温度による波長ずれが非常に少ないため、励起波長のずれによって特性が大きく変化するQスイッチレーザを励起するのに有利な光源である。そこで、面発光レーザアレイ602を励起用光源に用いると、環境の温度制御を簡易なものにできるという利点がある。
【0057】
第1集光光学系603は、面発光レーザアレイ602から射出される光を集光する。
【0058】
光ファイバ604は、第1集光光学系603によって光が集光される位置にコアの-Z側端面の中心が位置するように配置されている。ここでは、光ファイバ204として、例えば、コア径が1.5mm、NAが0.39の光ファイバが用いられている。
【0059】
光ファイバ604を設けることによって、面発光レーザアレイ602をレーザ共振器606から離れた位置に置くことができる。これにより配置設計の自由度を増大させることができる。
【0060】
光ファイバ604に入射した光はコア内を伝播し、コアの+Z側端面から射出される。
【0061】
第2集光光学系605は、光ファイバ604から射出された光の光路上に配置され、該光を集光する。第2集光光学系605で集光された光は、レーザ共振器606に入射する。
【0062】
レーザ共振器606は、例えば、レーザ媒質及び可飽和吸収体を有するQスイッチレーザであり、レーザ共振器606内で光が共振し増幅される。レーザ共振器606は光学素子の一例である。
【0063】
光学装置はレーザ装置に限定されない。例えば、光学装置が光学素子として受光素子を有していてもよい。例えば、光学ユニット100、200、300、400又は500に含まれる発光素子から放射された光が測定対象物に照射され、測定対象物からの反射光または透過光が受光素子に入射してもよい。すなわち、光学装置が、光学ユニット100、200、300、400又は500に含まれる発光素子から放射された光が、測定対象物を介して受光素子に入射する構成を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
100、200、300、400、500 光学ユニット
101 レンズアレイ
102 発光素子アレイ
103 固定部
104 サブマウント
108 パッケージ基板
110、112、312a~312d 固定ねじ
111、311a~311d 板ばね
131~134、141~144 側面
158 放熱部材
158a 凹部
160 発光デバイス
161 光学モジュール
241、242 突き当て基準ピン
316 弾性部材
417 中央固定ねじ
600 レーザ装置
601 光学ユニット
602 面発光レーザアレイ
603 第1集光光学系
606 レーザ共振器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】