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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】画像形成システム及びシート処理装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221109BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20221109BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J29/38 206
B65H31/00 Z
B65H37/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018211786
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020075465
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】原口 陽介
(72)【発明者】
【氏名】浅見 真治
(72)【発明者】
【氏名】古橋 朋裕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道貴
(72)【発明者】
【氏名】星野 智道
(72)【発明者】
【氏名】米山 史晴
(72)【発明者】
【氏名】日高 信
(72)【発明者】
【氏名】坂野 広樹
(72)【発明者】
【氏名】國枝 晶
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢裕
(72)【発明者】
【氏名】森永 拓哉
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-069440(JP,A)
【文献】特開2006-186735(JP,A)
【文献】特開2011-112763(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0194020(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B65H 37/00
B65H 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、画像形成処理後の当該記録媒体に対する後処理を実行する複数のシート処理装置と、を含む画像形成システムであって、
前記複数のシート処理装置は、前記画像形成装置の後段に配置される上流側装置である第一のシート処理装置と、前記第一のシート処理装置の後段に配置される下流側装置であり、前記第一のシート処理装置と前記記録媒体に係る情報である記録媒体情報を相互に通信可能に接続される第二のシート処理装置と、を含み、
前記第一のシート処理装置は、
前記画像形成装置と前記記録媒体情報の送受をするための第一通信インタフェースと、
前記第二のシート処理装置と前記記録媒体情報の送受をするための第二通信インタフェースと、
前記画像形成装置から搬送された前記記録媒体を搬出する搬出手段と、
前記搬出手段が前記第二のシート処理装置に接続しているか否かを判定する搬送経路判定手段と、
前記記録媒体が搬出されたことを検知する搬出検知手段と、
前記第二通信インタフェースを介して、前記搬出手段により搬出された記録媒体が前記第二のシート処理装置に搬入されたか否かを判定する搬入判定手段と、
前記搬出検知手段が前記記録媒体を検知した後に、前記搬入判定手段による判定が、当該記録媒体の搬入がされていないこと示すとき、搬送異常を示す異常警報を出力する警報手段と、
前記搬送経路判定手段が、前記搬出手段は前記第二のシート処理装置に接続されていないと判定したときには、前記警報手段を作動させずに前記記録媒体搬出させる制御手段と、を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記第一のシート処理装置は、
前記搬出手段により搬出された前記記録媒体を前記第二のシート処理装置とは異なる排出先に排出させるか、前記記録媒体の搬出先を前記第二のシート処理装置とするか、を切り替える切替手段を有し、
前記制御手段は、前記搬送経路判定手段が、前記搬出手段は前記第二のシート処理装置に接続されていないと判定したとき、前記記録媒体の搬送経路を前記排出先に切り替えるように前記切替手段を動作させる、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記搬出手段が前記第二のシート処理装置に接続されているか否かを設定する設定情報を、前記第一通信インタフェースを介して前記画像形成装置から受け取って記憶する設定手段を有し、
前記制御手段は、前記搬送経路判定手段における判定の結果と、前記設定情報による設定の内容が矛盾するときは、前記搬送経路判定手段による判定の結果を優先して制御を行う、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記搬出検知手段は、前記第一のシート処理装置が有する前記記録媒体の搬出口に設置されるセンサである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記搬出手段は、前記第二のシート処理装置に接続されていなくても、前記記録媒体を下流側装置に向けて搬出する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、画像形成処理後の当該記録媒体に対する後処理を実行する複数のシート処理装置と、を含む画像形成システムにおいて、前記画像形成装置の後段に配置される上流側装置であるシート処理装置であって、
前記画像形成装置と記録媒体情報の送受をするための第一通信インタフェースと、
後段に配置される下流側装置である他のシート処理装置と前記記録媒体情報の送受をするための第二通信インタフェースと、
前記画像形成装置から搬送された前記記録媒体を前記他のシート処理装置に搬送する搬出手段と、
前記搬出手段が前記他のシート処理装置に接続しているか否かを判定する搬送経路判定手段と、
前記記録媒体が搬出されたことを検知する搬出検知手段と、
前記第二通信インタフェースを介して、前記搬出手段により搬出された記録媒体が前記他のシート処理装置に搬入されたか否かを判定する搬入判定手段と、
前記搬出検知手段が前記記録媒体を検知した後に、前記搬入判定手段による判定が、当該記録媒体が搬入されていないこと示すものであるとき、搬送異常を示す異常警報を出力する警報手段と、
前記搬送経路判定手段が、前記搬出手段は前記他のシート処理装置に接続されていないと判定したときには、前記警報手段を作動させずに前記記録媒体搬出させる制御手段と、を有することを特徴とするシート処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム及びシート処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された記録媒体に対する後処理を行うシート処理装置と、を接続して構成される画像形成システムが知られている。当該画像形成システムにおいて、複数の後処理を行うシート処理装置を分けて、複数のシート処理装置を用いて構成されるものもある。ここで、「後処理」とは、画像形成処理が施された記録媒体に対する、仕分け、スタック、綴じ、折り、穴あけ等の処理をいう。
【0003】
様々な後処理を施すために複数のシート処理装置を含んで構成される画像形成システムも知られている。複数のシート処理装置を含む画像形成システムの場合、画像形成装置の後段に配置される第一のシート処理装置に、画像形成処理が施された記録媒体が搬入されて所定の後処理が施される。その後、第一のシート処理装置の後段に配置される第二のシート処理装置に当該記録媒体が搬送されて所定の後処理が施される。第二のシート処理装置の後段に更に、第三、第四のシート処理装置が設置されている場合、記録媒体は、これらシート処理装置に対して次々に搬送される。そして、当該記録媒体に対して、各シート処理装置において実行される所定の後処理が施される。
【0004】
本明細書では、説明の為に、画像形成システムに含まれる画像形成装置から複数のシート処理装置に対して記録媒体が搬送される搬送方向において、画像形成装置を最上流装置、最も後段に設置されるシート処理装置を最下流装置とする。また、本明細書では、画像形成システムに含まれる複数のシート処理装置のうち、相対的に上流側に配置されるシート処理装置を「一のシート処理装置」とし、相対的に下流側に配置されたシート処理装置を「他のシート処理装置」とする。
【0005】
通常の構成からなる画像形成システムでは、「一のシート処理装置」と「他のシート処理装置」との間に記録媒体を搬送する経路(搬送経路)が確立されている。しかし、何らかの理由によって、搬送経路が確立していない状態で記録媒体が搬送されると、一のシート処理装置から搬出された記録媒体を他のシート処理装置が検知しない状態になる。従来の画像形成システムでは、一のシート処理装置から搬送された記録媒体を下流側に配置される他のシート処理装置が検知しないとき、「搬送異常を示す情報」をユーザに報知する。この場合、ユーザは、搬送異常を解除するために、画像形成システムを構成する全ての装置で搬送異常を解除する操作をする必要があった。なお、搬送異常を解除する操作とは、例えば、各装置のカバーを開けて内部に記録媒体が詰まっていないことを確認する、または記録媒体を除去する、ことをした後に当該カバーを閉める操作である。
【0006】
記録媒体の搬送異常を解除するために、各装置のカバーの開閉などを行わずとも、上流側に配置される装置から搬送異常の解除を行える画像形成システムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている画像形成システムは、後段のシート処理装置に記録媒体が到達しないときに生ずる搬送異常(未到達ジャム)を解除するとき、記録媒体が存在しない装置に対する操作(カバーの開閉など)をユーザに強いることを避けることができる。
【0008】
しかし、特許文献1に開示されている画像形成システムでは、シート処理装置が備える記録媒体の搬送経路が確立していること、すなわち、装置間で記録媒体を受渡しする手段が連結していることを前提とする。また、特許文献1に開示されている画像形成システムでは、上流側の装置で下流側の未到達ジャムを解除するには、上流側の装置で記録媒体の搬送異常(ジャム)が発生していることが前提となる。
【0009】
したがって、特許文献1の技術を適用可能な画像形成システムでは、シート処理装置の連結を解除して確保した装置間に空間に記録媒体を大量にスタックさせるように構成を変更しようとする場合のシステム構成の変更には対応できない。
【0010】
例えば、大量の記録媒体のスタックを行いたい場合、その処理(大量スタック処理)に対応するシート処理装置を画像形成システムの最下流に配置する構成にしなければならない。仮に、大量スタック処理に対応するシート処理装置を用いない場合に、大量の記録媒体のスタックを行いたい場合、連結されているシート処理装置の連結を外して、装置間に記録媒体のスタック用のスペースを確保するなどの対応が必要となる。このような対応を特許文献1の画像形成システムで行うとすれば、下流側のシート処理装置に記録媒体が到達しないことで必ず未到達ジャム(搬送異常)が生ずることになる。そしてこの場合、上流側の装置では記録媒体のジャムは発生していないので、上流側で搬送異常を解除することはできず、従来のように、ユーザに異常解除のための操作を強いることになる。
【0011】
すなわち、特許文献1を含む従来から知られている画像形成システムでは、シート処理装置の構成や設置スペース及び装置間のスペースの制約によって、スタックできる記録媒体の量が制限される。つまり、従来技術では、複数の後処理装置を用いた構成において、記録媒体を大量にスタックできる構成の自由度を高めることに関して課題がある。
【0012】
本発明は、複数の後処理装置を用いたシステム構成において、記録媒体を大量にスタックできる構成の自由度を高めることができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は、シート状の記録媒体に画像を形成
する画像形成装置と、画像形成処理後の当該記録媒体に対する後処理を実行する複数のシ
ート処理装置と、を含む画像形成システムであって、前記複数のシート処理装置は、前記
画像形成装置の後段に配置される上流側装置である第一のシート処理装置と、前記第一の
シート処理装置の後段に配置される下流側装置であり、前記第一のシート処理装置と前記
記録媒体に係る情報である記録媒体情報を相互に通信可能に接続される第二のシート処理
装置と、を含み、前記第一のシート処理装置は、前記画像形成装置と前記記録媒体情報の
送受をするための第一通信インタフェースと、前記第二のシート処理装置と前記記録媒体
情報の送受をするための第二通信インタフェースと、前記画像形成装置から搬送された前
記記録媒体を搬出する搬出手段と、前記搬出手段が前記第二のシート処理装置に接続して
いるか否かを判定する搬送経路判定手段と、前記記録媒体が搬出されたことを検知する搬
出検知手段と、前記第二通信インタフェースを介して、前記搬出手段により搬出された記
録媒体が前記第二のシート処理装置に搬入されたか否かを判定する搬入判定手段と、前記
搬出検知手段が前記記録媒体を検知した後に、前記搬入判定手段による判定が、当該記録
媒体の搬入がされていないこと示すとき、搬送異常を示す異常警報を出力する警報手段と
、前記搬送経路判定手段が、前記搬出手段は前記第二のシート処理装置に接続されていな
いと判定したときには、前記警報手段を作動させずに前記記録媒体搬出させる異常警報の出力を停止する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の後処理装置を用いたシステム構成において、記録媒体を大量にスタックできる構成の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る画像形成システムの実施形態を示すシステム構成図。
図2】上記実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成図。
図3】上記実施形態に係る後処理装置のハードウェア構成図。
図4】上記後処理装置の機能ブロック図。
図5】本実施形態に係る画像形成システムの構成の例を示す図。
図6】本実施形態に係る画像形成システムにおける後処理の例を示すフローチャート。
図7】本実施形態に係る画像形成システムにおける後処理の別例を示すフローチャート。
図8】本実施形態に係る画像形成システムにおける後処理のさらなる別例を示すフローチャート。
図9】本実施形態に係る画像形成システムにおける後処理のさらなる別例を示すフローチャート。
図10】本実施形態に係る画像形成システムの構成の別例を示す図。
図11】本実施形態に係る画像形成システムの構成のさらなる別例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[本発明の要旨]
まず、本発明の要旨について概説する。本発明に係る画像形成システムは、画像形成装置と、複数のシート処理装置とを含んで構成される。ここで、複数のシート処理装置は、画像形成システム内における相対的な位置として、画像形成装置の後段に配置される。そして、複数のシート処理装置のうち、画像形成装置の直後の位置に配置されるシート処理装置を「上流側装置」とし、上流側装置の後段に配置されるシート処理装置を「下流側装置」とする。なお、上流側、下流側とは、画像形成処理が施された記録媒体がシート処理装置において搬送される搬送方向における「上流」と「下流」に対応する概念である。すなわち、本発明に係る画像形成システムでは、相対的に上流側に配置されるシート処理装置を「上流側装置」とし、相対的に下流側に配置されるシート処理装置を「下流側装置」として区別する。
【0017】
当該画像形成システムに含まれる画像形成装置と複数のシート処理装置は、通信インタフェースを介して相互に通信可能に接続されている。この通信インタフェースを介して画像形成処理が施されて搬送され後処理の対象となる記録媒体に関する情報を相互に通信する機能を備える。
【0018】
本発明に係る画像形成システムは、上流側装置と、下流側装置が物理的に連結されていない状態において、上流側装置から下流側装置に記録媒体が搬出された場合であっても、下流側装置における未到達ジャムとして検知しないように制御することを要旨の一つとする。
【0019】
上記の要旨を有する本発明に係る画像形成システムによれば、上流側装置と下流側装置の物理的な(機械的な)連結を外すことで確保できるスペースに、上流側装置から搬出される記憶媒体を自由にスタックさせることができる。したがって、従来から知られている画像形成システムよりも、大量の記録媒体のスタックを可能とするシステム構成の自由度を高めることができる。
【0020】
[画像形成システムの第一実施形態]
以下、本発明に係る画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシステム1000の構成図である。システム1000は、画像形成装置100と、「上流側装置」に相当し、第一のシート処理装置である第一後処理装置200と、「下流側装置」に相当し、第二のシート処理装置である第二後処理装置300と、を含む構成からなる。
【0021】
画像形成装置100は、例えば、フルカラーの画像をシート状の記録媒体に形成するいわゆる「カラープリンタ」であって、多数枚の記録媒体を連続的に高速で搬送し、電子写真方式により記録媒体に画像を形成して印刷する業務用途に適した装置である。画像形成装置100は、第一後処理装置200に対して記録媒体を受け渡す搬送経路を構成する「第一搬送路101」を備え、第一通信線102を介して第一後処理装置200と通信可能に接続されている。
【0022】
第一後処理装置200は、第一搬送路101を介して、画像形成装置100から記録媒体を受け取るように構成されている。また、第一後処理装置200は、第一通信線102を介して当該記録媒体に関する情報を、画像形成装置100との間で送受する機能を備える。ここで、「記録媒体に関する情報」とは、画像形成処理が施された記録媒体の大きさや質など、記録媒体の特性に関する情報(シート情報)や、当該記録媒体が上流側の装置(例えば、画像形成装置100)から搬出されたことを示す情報、当該記録媒体を下流側の装置(例えば、第一後処理装置200)に搬入されたことを示す情報、などを含む情報である。
【0023】
第一後処理装置200は、本実施形態に係る上流側装置であって、第二後処理装置300に第二搬送路201を介して記録媒体を搬出するように構成されている。また、第一後処理装置200は、自装置において記録媒体をスタックできる第一格納部203を備えている。
【0024】
第一後処理装置200は、第一通信線102と接続する第一通信インタフェースを構成する第一通信モジュール245を介して画像形成装置100と記録媒体に関する情報である「記録媒体情報」を送受する。また、第一後処理装置200は、第二通信路202を介して下流側装置である第二後処理装置300と相互に通信可能に接続されている。第一後処理装置200は、この第二通信路202との第二通信インタフェースを構成する第二通信モジュール246に接続される第二通信路202を介して、第二後処理装置300と記録媒体情報の送受を行う機能を備える。
【0025】
第二後処理装置300は、本実施形態に係る下流側装置であって、上流側装置である第一後処理装置200とは、第二搬送路201と接続して搬送経路を構成する第三搬送路301を介して記録媒体を搬入するように構成されている。また、第二後処理装置300は、自装置において記録媒体をスタックできる第二格納部303を備えている。
【0026】
[画像形成装置100のハードウェア構成]
次に、本実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成について図2を参照しながら説明する。本実施形態に係る画像形成装置100には、プリンタ、ファクシミリ、スキャナなどの複数の機能を備える情報処理装置の一例である複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)を適用することができる。
【0027】
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)110、RAM(Random Access Memory)120、ROM(Read Only Memory)130、I/F(Interface)140が共通バス150を介して接続されている。また、I/F140には、HDD(Hard Disk Drive)141、いわゆるスキャナである画像読取りユニット142、プリンタである画像形成ユニット143、操作パネル144、第一通信線102と接続して他の装置との情報の送受を実行する通信モジュール145が接続されている。
【0028】
CPU110は演算手段であり、画像形成装置100全体の動作を制御する制御手段を構成する。RAM120は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU110が情報を処理する際の作業領域として用いられる記憶手段を構成する。ROM130は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納される記憶手段を構成する。HDD141は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどを格納する記憶手段をする。
【0029】
I/F140は、共通バス150と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。通信モジュール145は、第一後処理装置200との間で第一通信線102を介して記録媒体情報の送受を行う第一通信インタフェースを構成する。
【0030】
操作パネル144は、画像形成装置100の動作状態の表示する情報表示手段であり、動作設定情報の入力に用いられる情報入力手段も構成する。操作パネル144はいわゆる「タッチパネル」であって、ユーザが直接操作することで、記録媒体の種別などを設定することができる。また、操作パネル144を介して、画像形成装置100を含むシステム1000において、画像形成装置100の下流側に接続される第一後処理装置200と第二後処理装置300における相互の接続状態に関する設定も行うことができる。ここでいう「設定」とは、第一後処理装置200が備える第二搬送路201と、第二後処理装置300が備える第三搬送路301が物理的に(機械的に)接続されているか否かを示す情報を、上流側装置である第一後処理装置200が備える記憶手段に記憶させることをいう。
【0031】
以上のハードウェア構成を備える画像形成装置100は、ROM130に格納された制御用プログラムや、HDD141などの記憶媒体からRAM120にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU110が備える演算機能によって処理する装置である。その処理によって、画像形成装置100の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、上述した構成を含むハードウェア資源との組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置100が所定の機能を発揮することになる。
【0032】
[第一後処理装置200のハードウェア構成]
次に、本実施形態に係る第一後処理装置200のハードウェア構成について図3を参照しながら説明する。本実施形態に係る第一後処理装置200は、CPU210、RAM220、ROM230、I/F240が共通バス250を介して接続された構成を備えている。また、I/F240には、HDD241、媒体搬出部242、接続検知センサ243、媒体検知センサ244、第一通信モジュール245、第二通信モジュール246、搬送経路切替部247が接続されている。
【0033】
CPU210は演算手段であり、第一後処理装置200全体の動作を制御する制御手段を構成する。RAM220は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU210が情報を処理する際の作業領域として用いられる記憶手段を構成する。ROM230は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納される記憶手段を構成する。HDD241は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどを格納する記憶手段をする。
【0034】
I/F240は、共通バス250と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。
【0035】
媒体搬出部242は、第二搬送路201か第一格納部203に、第一後処理装置200において所定の後処理と施された記録媒体を搬出するための搬出手段を構成する。媒体搬出部242は、記録媒体を第一後処理装置200の筐体の外部に搬出させるための機構を含み、制御手段によって動作が制御されることで、記録媒体を所定の方向に搬送する。
【0036】
接続検知センサ243は、第二搬送路201が第三搬送路301と物理的に(機械的に)接続されているか否かを検知する接続検知手段を構成する。接続検知センサ243は、第二搬送路201が第三搬送路301に接続されて搬送経路が確立している状態を検知する接触センサでもよいし、第二搬送路201と第三搬送路301が嵌まり合って搬送経路が確立しているときに動作するスイッチを用いて構成することもできる。接続検知センサ243は、第二搬送路201が第三搬送路301に嵌合する位置、すなわち第二搬送路201の下流側の先端付近に設置される。
【0037】
媒体検知センサ244は、第一後処理装置200から記録媒体が搬出されたことを検知するセンサであって、例えば、第一後処理装置200が有する記録媒体の搬出口である、第二搬送路201の下流側の端部付近に設置される。媒体検知センサ244は、第一後処理装置200の外部に記録媒体が搬出されたとき、すなわち第二搬送路201を介して記録媒体が下流側装置に搬送されたとき、記録媒体が第一格納部203に搬送されたとき、などを検知する。すなわち、媒体検知センサ244は、記録媒体が第一後処理装置200の筐体の外部に搬出されたときに、その記録媒体を検知して制御手段に通知するように構成されている。
【0038】
第一通信モジュール245は、第一通信線102が接続され、これを介して画像形成装置100と通信可能な状態を確立する第一通信インタフェースを構成する。
【0039】
第二通信モジュール246は、第二通信路202が接続され、これを介して第二後処理装置300と通信可能な状態を確立する第二通信インタフェースを構成する。
【0040】
搬送経路切替部247は、記録媒体の搬出先を第二後処理装置300とするか第一格納部203とするかを切り替える切替手段を構成する。
【0041】
なお、画像形成装置100の操作パネル144を介して、第二搬送路201が第三搬送路301に対して物理的に(機械的に)接続されているとする設定情報を、受け取ったとき、その設定情報は、RAM120などの記憶手段に記憶する。すなわち、第一後処理装置200が備える記憶手段は、設定情報を受け取って記憶する設定手段を構成する。
【0042】
以上のハードウェア構成を備える第一後処理装置200は、ROM230に格納された制御用プログラムおよびや、HDD241などの記憶媒体からRAM220にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU210が備える演算機能によって処理する装置である。その処理によって、第一後処理装置200の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、上述した構成を含むハードウェア資源との組み合わせによって、第一後処理装置200に係る機能ブロックが構成される。
【0043】
なお、下流側装置である第二後処理装置300のハードウェア構成は、第一後処理装置のハードウェア構成とほぼ同様であるから詳細な説明を省略する。
【0044】
[第一後処理装置200の機能ブロック]
次に第一後処理装置200の機能構成について、図4の機能ブロック図を用いて説明する。図4に示す様に、第一後処理装置200は、制御部21と、経路接続判定部22と、搬出検知部23と、搬出先制御部24と、搬入判定部25と、警報発出部26と、第一通信部27と、第二通信部28と、搬出先設定部29と、を有する。
【0045】
制御部21は、第一後処理装置200の全体の動作を制御する。制御部21は、経路接続判定部22、搬出検知部23、搬出先制御部24、搬入判定部25、警報発出部26、第一通信部27、搬出先設定部29、相互の情報を送受するように構成されていて、これら各機能部の動作を制御する。
【0046】
経路接続判定部22は、接続検知センサ243の検知結果を受け取り、第二搬送路201と第三搬送路301により、第一後処理装置200が第二後処理装置300に接続しているか否かを判定する。言い換えると、経路接続判定部22は、第一後処理装置200と第二後処理装置300の間の搬送経路が確立していて、第一後処理装置200から第二後処理装置300に対し記録媒体を搬送できる状態になっているか否かを判定する。経路接続判定部22は、搬送経路判定手段を構成する。
【0047】
搬出検知部23は、媒体検知センサ244の検知結果を受け取り、記録媒体が第一後処理装置200から搬出されたことを検知する。搬出検知部23は搬出検知手段を構成する。
【0048】
搬出先制御部24は、媒体搬出部242を動作させて、記録媒体の搬出先を第二後処理装置300とするか、第一格納部203とするかを切り替える。搬出先制御部24は、画像形成装置100を介して行われる設定情報による搬出先設定に基づいて、媒体搬出部242を動作させることもできる。また、搬出先制御部24は、経路接続判定部22によって搬送経路が確立されていないことを検知したときには、設定情報に基づく搬出先設定が第二後処理装置300であっても、その設定内容を無視して、搬出先を第二搬送路201として設定することもできる。また、搬出先制御部24は、搬出先設定が第二後処理装置300であっても、経路接続判定部22によって搬送経路が確立されていないことが検知されたときには、搬出先を第一格納部203に切り替えるように制御してもよい。搬出先制御部24は、経路接続判定部22における判定の結果と設定情報に基づく搬出先設定の内容が矛盾するときは、経路接続判定部22における判定の結果を優先するように制御してもよい。
【0049】
搬入判定部25は、搬出検知部23において記録媒体の搬出が検知された後に、搬出先から記録媒体の搬入を示す情報が通知されたか否かを判定する。すなわち、搬入判定部25は、第二通信路202と第二通信部28を介して第二後処理装置300から、記録媒体を搬入したことを示す情報の有無を受け付けるか、または、第一格納部203に記録媒体を搬出したことを示す情報の有無を受け付ける。搬入判定部25は、搬入判定手段を構成する。
【0050】
警報発出部26は、搬出検知部23が記録媒体の搬出を検知した後に、搬入判定部25が搬出先からの搬入を示す情報が通知されていないと判定されたとき、制御部21の制御に基づいて、ユーザに搬送異常を示す異常警報を発出する警報手段を構成する。ここで異常警報とは、ユーザが搬送異常を認知可能にするものであればよく、音の出力、操作パネル144への表示、他の情報処理装置への送信される情報などを含む。なお、制御部21は、搬出検知部23が記録媒体の搬出を検知した後に、搬入判定部25が搬出先からの搬入を示す情報が通知されていないと判定されたとき、かつ、経路接続判定部22において搬送経路が確立していないと判定されているときは、警報発出部26の動作を停止させるように制御する。
【0051】
第一通信部27は、第一通信線102を介して画像形成装置100から記録媒体情報を受け取り、制御部21に通知する。また、第一通信部27は、画像形成装置100から設定情報を受け取ったときは、搬出先設定部29に対して設定情報を通知する。
【0052】
第二通信部28は、第二通信路202を介して第二後処理装置300から記録媒体情報を受け取り、搬入判定部25に通知する。
【0053】
搬出先設定部29は、第一通信部27から通知された設定情報をRAM220等の記憶部に記憶する。また、搬出先設定部29は、記憶している設定情報を読み出して制御部21に通知する。
【0054】
[システム1000の動作]
次に、本発明に係る画像形成システムの特徴について詳細に説明する。例えば、図5に示すように、第一後処理装置200と第二後処理装置300の間の搬送経路を解除する。すなわち、第二搬送路201と第三搬送路301を接続せずに、第一後処理装置200と第二後処理装置300の間に空間Sを設けるように構成する。この空間Sには、第一後処理装置200において後処理を施されて排出された記録媒体を大量にスタックすることができる。すなわち、システム1000の最下流に大量のスタックを可能にする装置を設けずとも、自由なレイアウトで大量の記録媒体をスタックできるようになる。
【0055】
従来の画像形成システムでは、図5のような構成において記録媒体の搬出を行うと、下流側装置である第二後処理装置300で記録媒体の搬入が検知されないので、搬送異常(未到達ジャム)となる。この場合、上流側装置での記録媒体の搬出は正常に行われていることから、搬送異常を解除するには、各装置に対して搬送異常を解除する操作をユーザが行わなければならない。
【0056】
本実施形態に係るシステム1000によれば、図5に示すように構成して記録媒体を搬出しても、搬送異常となることを抑制することができ、ユーザに異常解除の操作を強いることなく、大量の記録媒体をスタックできる構成の自由度を向上させることができる。
【0057】
[システム1000に係る動作フローの第一実施形態]
次に、システム1000における動作フローの例について、図6のフローチャートを用いて説明する。第一後処理装置200において後処理が行われると、まず、経路接続判定部22において、第二搬送路201と第三搬送路301による搬送経路が確立しているか否かを判定する(S601)。搬送経路が確立していないとき(S601/NO)、第二搬送路201から記録媒体を搬出し(S602)、当該処理を終了する。このとき、搬送異常は報知されない。
【0058】
搬送経路が確立しているとき(S601/NO)、第二搬送路201から第三搬送路301に対して記録媒体を搬出し(S603)、その後、搬入判定部25において、下流側装置である第二後処理装置300における記録媒体の搬入が正常に行われたか否かを判定する(S604)。
【0059】
S604において、記録媒体の搬入が正常に行われたと判定されたとき(S604/YES)、第二後処理装置300において、再度の後処理を実行し(S605)、当該処理を終了する。S604において、記録媒体の搬入が正常に行われていないと判定されたとき(S604/NO)、警報発出部26によって搬送異常を報知する処理を実行し、搬出処理は終了する。
【0060】
[第一実施形態における効果]
上記の動作フローによれば、第一後処理装置200と第二後処理装置300の物理的な(機械的な)接続が解除されていることを上流側装置である第一後処理装置200が判定できる。これによって、上流側装置と下流側装置における搬送経路が構成されていなくても、記録媒体を搬出して、記録媒体を積み上げることができる。このとき、第二後処理装置300において記録媒体の搬入を示す情報がなくても、未到達ジャムとして判定することを抑制することができる。したがって、システム1000における装置レイアウト(装置構成)の自由度を向上させて、下流側の任意の位置に空間Sを設けて、記録媒体を大量にスタックさせることができるようになる。
【0061】
[システム1000に係る動作フローの第二実施形態]
次に、システム1000における動作フローの別例について、図7のフローチャートを用いて説明する。第一後処理装置200において後処理が行われると、まず、搬出先設定部29において記憶されている設定情報を読み出し、第二搬送路201と第三搬送路301による搬送経路が確立されている設定になっているか否かを判定する(S701)。搬送経路が設定されていないとき(S701/NO)、第二搬送路201を介して、記録媒体をそのまま搬出し(S702)、当該処理を終了する。
【0062】
搬送経路が設定されているとき(S701/YES)、第二搬送路201と第三搬送路301により確立されている搬送経路を介して、記録媒体を搬出する(S703)。その後、搬入判定部25において、下流側装置である第二後処理装置が記録媒体の搬入を正常に行ったが否かを判定する(S704)。
【0063】
S704において、記録媒体の搬入が正常に行われたと判定されたとき(S704/YES)、第二後処理装置300において、再度の後処理を実行して(S705)、当該処理を終了する。S704において、記録媒体の搬入が正常に行われていないと判定されたとき(S704/NO)、警報発出部26によって搬送異常を報知する処理を実行し、搬出処理は終了する。
【0064】
[第二実施形態における効果]
第一後処理装置200と第二後処理装置300の物理的な(機械的な)接続がなされて搬送経路が確立しているかどうかを、画像形成装置100から設定することで、第一後処理装置200からの記録媒体の搬出ができる状態であるか否かの判定ができる。その状態で記録媒体を搬出したときに、第二後処理装置300から搬入を示す情報を受け取れなくても、未到達ジャムとして判定することを抑制する。これによって、システム1000における装置レイアウト(装置構成)の自由度を向上させて、下流側の任意の位置で記録媒体を大量にスタックさせる空間Sを確保することができるようになる。
【0065】
[システム1000に係る動作フローの第三実施形態]
次に、システム1000における動作フローのさらなる別例について、図8のフローチャートを用いて説明する。第一後処理装置200において後処理が行われると、まず、搬出先設定部29において記憶されている設定情報を読み出し、第二搬送路201と第三搬送路301による搬送経路が確立している設定となっているか否かを判定する(S801)。搬送経路が確立していないとき(S801/NO)、経路接続判定部22において、第二搬送路201と第三搬送路301による搬送経路が確立しているか否かを判定する(S802)。
【0066】
S802において、搬送経路が確立されていると判定されたとき(S802/YES)、第二搬送路201を介して、記録媒体を搬出する(S804)。その後、搬入判定部25において、下流側装置である第二後処理装置が記録媒体の搬入を正常に行ったが否かを判定する(S805)。
【0067】
また、S801において、搬送経路が設定されているとき(S801/YES)、第二搬送路201を介して、記録媒体を搬出する(S804)。その後、搬入判定部25において、下流側装置である第二後処理装置が記録媒体の搬入を正常に行ったが否かを判定する(S805)。
【0068】
S805において、記録媒体の搬入が正常に行われたと判定されたとき(S805/YES)、第二後処理装置300において、再度の後処理を実行し(S806)、当該処理を終了する。S805において、記録媒体の搬入が正常に行われていないと判定されたとき(S805/NO)、警報発出部26によって搬送異常を報知する処理を実行し、搬出処理は終了する。
【0069】
[第三実施形態における効果]
第一後処理装置200と第二後処理装置300の物理的な(機械的な)接続がなされて搬送経路が確立しているかどうかの判定において、画像形成装置100からの設定よりも、接続検知センサ243による検知結果を優先させる。これによって、第一後処理装置200からの記録媒体の搬出ができる状態であるか否かの判定をより確実に行うことができる。これによって、システム1000における装置レイアウト(装置構成)の変更による搬送異常の発生をより効果的に抑制できるようになる。
【0070】
[システム1000に係る動作フローの第四実施形態]
次に、システム1000における動作フローのさらなる別例について、図9のフローチャートを用いて説明する。第一後処理装置200において後処理が行われると、まず、搬出先設定部29において記憶されている搬出先設定情報を読み出して、画像形成装置から通知されている記録媒体情報と搬送経路設定、搬送経路接続に基づき、当該記録媒体の搬出先を第一格納部203とするか否かの判定をする(S901)。
【0071】
ここで、S901の処理について詳細に説明する。本実施形態に係る搬出先設定部29において記憶されている設定情報には、記録媒体の種別を問わず、搬出先を一意に設定する情報が含まれる。その他に、記録媒体情報の内容に応じて搬出先の設定を切り替えるように搬出先制御部24を動作させるための情報が含まれている。
【0072】
例えば、画像形成装置100から通知されている処理対象の記録媒体に係る記録媒体情報において、当該記録媒体の種類が特定の種類の場合には、当該記録媒体の搬出先を第一格納部203とするのではなく、第二搬送路201とするように、搬出先制御部24に搬出先を制御させる。
【0073】
また、搬出先を第二後処理装置300が備える第二格納部303としてもよい。この場合、第一後処理装置200から第二後処理装置300への搬出が正常に行われることが前提となる。
【0074】
また、記録媒体情報に含まれる後処理対象の記録媒体の種類の他に、累積の後処理量(記録媒体の数量)によって、搬出先を適宜切り替えるように制御してもよい。
【0075】
S901において、搬出先が第一格納部203に設定されていると判定されたときは(S901/YES)、第一後処理装置200において後処理を施した記録媒体をスタッカである第一格納部203に排出して(S909)、当該処理を終了する。
【0076】
S901において、搬出先が第一格納部203に設定されていないと判定されたときは(S901/NO)、第二搬送路201と第三搬送路301による搬送経路が確立している設定となっているか否かを判定する(S902)。搬送経路が確立している設定になっていないとき(S902/NO)、経路接続判定部22において、第二搬送路201と第三搬送路301による搬送経路が確立しているか否かを判定する(S903)。
【0077】
S903において、搬送経路が確立されていると判定されたとき(S903/YES)、第二搬送路201を介して、記録媒体を排出し(S905)、その後、搬入判定部25において、下流側装置である第二後処理装置が記録媒体の搬入を正常に行ったが否かを判定する(S906)。
【0078】
また、S902において、搬送経路が確立している設定になっているとき(S902/YES)、第二搬送路201を介して、記録媒体を排出し(S905)、その後、搬入判定部25において、下流側装置である第二後処理装置が記録媒体の搬入を正常に行ったが否かを判定する(S906)。
【0079】
S906において、記録媒体の搬入が正常に行われたと判定されたとき(S906/YES)、第二後処理装置300において、再度の後処理を実行し(S907)、当該処理を終了する。S906において、記録媒体の搬入が正常に行われていないと判定されたとき(S906/NO)、警報発出部26によって搬送異常を報知する処理を実行し、当該処理は終了する。
【0080】
[第四実施形態における効果]
記録媒体情報に基づいて、搬出先を制御することで、第一格納部203に搬出する種類の記録媒体であっても、第一後処理装置200の下流側に大量にスタックさせることができる。すなわち、記録媒体に応じて搬出先の設定をより柔軟に行うことができ、より高い自由度で大量の記録媒体をスタックさせる構成を得ることができる。これによって、通常であれば、第一格納部203にしか搬出できない記録媒体であっても、システム構成や設定を変更してシステム1000を再起動させることなく、通信インタフェースを接続したままでも、システム構成を変更することができる。結果として、システム構成に係るダウンタイムを削減することもできる。
【0081】
[画像形成システムの第二実施形態]
以下、本発明に係る画像形成システムの別のシステム構成について図10を用いながら説明する。本実施形態に係るシステム1000aは、すでに説明をした実施形態と同様に、画像形成装置100と、上流側装置に相当する第一後処理装置200と、下流側装置に相当する第二後処理装置300と、を含むように構成されている。先の実施形態との違いは、各装置の通信接続の形態である。
【0082】
本実施形態に係るシステム1000aは、画像形成装置100と第一後処理装置200とを通信可能に接続する第一通信線102aと、画像形成装置100と第二後処理装置300とを通信可能に接続する第二通信線202aと、を備えている。ここで、第一後処理装置200と第二後処理装置300を直接接続する通信線は備えないが、画像形成装置100を介して、通信可能に構成されている。
【0083】
システム1000aによれば、第一後処理装置200と第二後処理装置300を個別の通信線で接続しないので、両装置の間の空間をより大きく設けることができるようになる。そして、すでに説明した実施形態同様、両装置の間の空間に記録媒体を排出しても、未到達ジャムとはならないので、大量の記録媒体のスタックの自由度をより高めることができる。
【0084】
なお、更に別の実施形態として図11に示すシステム1000bのように、下流側装置の数が1台である構成に限定することなく、第三後処理装置400をさらなる下流側装置として用いてもよい。この場合、第二実施形態と同様に、画像形成装置100から各下流側装置(第一後処理装置200,第二後処理装置300,第三後処理装置400)に対して個別に接続させてもよい。
【0085】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
21 :制御部
22 :経路接続判定部
23 :搬出検知部
24 :搬出先制御部
25 :搬入判定部
26 :警報発出部
27 :第一通信部
28 :第二通信部
29 :搬出先設定部
100 :画像形成装置
101 :第一搬送路
102 :第一通信線
102a :第一通信線
200 :第一後処理装置
201 :第二搬送路
202 :第二通信路
203 :第一格納部
242 :媒体搬出部
243 :接続検知センサ
244 :媒体検知センサ
245 :第一通信モジュール
246 :第二通信モジュール
247 :搬送経路切替部
300 :第二後処理装置
301 :第三搬送路
303 :第二格納部
400 :第三後処理装置
1000 :システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【文献】特開2013-130730号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11