IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本ゼオン株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】重合体及びポジ型レジスト組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/22 20060101AFI20221109BHJP
   C08F 212/04 20060101ALI20221109BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
C08F220/22
C08F212/04
G03F7/039 501
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018219461
(22)【出願日】2018-11-22
(65)【公開番号】P2020084007
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】星野 学
【審査官】久保田 葵
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-106066(JP,A)
【文献】特開2018-106062(JP,A)
【文献】国際公開第2017/130873(WO,A1)
【文献】特開2000-298345(JP,A)
【文献】特開昭62-223750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F
G03F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】
〔式(I)中、Rは、フッ素原子の数が4の有機基である。〕
で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
【化2】
〔式(II)中、Rは、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基であり、Rは、水素原子、非置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基であり、p及びqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。〕
で表される単量体単位(B)と、
を有し、
前記R が2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基であり、
重量平均分子量(Mw)が、65000以上であり、且つ、
重合体の分子量分布(Mw/Mn)が、1.6以下である、
重合体。
【請求項2】
重量平均分子量(Mw)が、160000以下である、請求項1に記載の重合体。
【請求項3】
前記単量体単位(B)が、4-フルオロ-α-メチルスチレン単位である、請求項1又は2に記載の重合体。
【請求項4】
請求項1~の何れかに記載の重合体と、溶剤とを含む、ポジ型レジスト組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体及びポジ型レジスト組成物に関し、特には、ポジ型レジストとして好適に使用し得る重合体及び当該重合体を含むポジ型レジスト組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造等の分野において、極端紫外線(Extreme ultraviolet;EUV)及び電子線などの電離放射線、並びに紫外線などの短波長の光(以下、電離放射線と短波長の光とを合わせて「電離放射線等」と称することがある。)の照射により主鎖が切断されて現像液に対する溶解性が増大する重合体が、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用されている。
【0003】
そして、例えば特許文献1には、高感度な主鎖切断型のポジ型レジストとして、α-メチルスチレン(AMS)単位とα-クロロアクリル酸メチル単位とを含有するα-メチルスチレン・α-クロロアクリル酸メチル共重合体よりなるポジ型レジストが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特公平8-3636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、半導体集積回路の高集積化への要求から、レジスト組成物を用いて得られるレジストパターンを微細化して解像度を向上させることが求められている。また、主鎖切断型のポジ型レジストにおいては、パターニングの際の効率を高め、かつ得られるレジストパターンが明瞭であること、すなわち、パターニングの結果、レジスト膜が残っている部分と、溶解している部分との境界が明瞭であることが求められる。具体的には、より明瞭性の高いレジストパターン形成を可能とする観点からは、レジストには、照射量が特定量に至らなければ現像液に溶解せず、特定量に至った時点で速やかに主鎖が切断され現像液に溶解される特性を有すること、すなわち電離放射線等の照射量の常用対数と、現像後のレジストの残膜厚との関係を示す感度曲線の傾きの大きさを表すγ値を高めることが求められている。しかしながら、特許文献1に記載のα-メチルスチレン・α-クロロアクリル酸メチル共重合体よりなるポジ型レジストでは、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができる、レジストとして良好に使用可能な重合体、及び該重合体を含むポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、フッ素原子の数が4の有機基を有するα-クロロアクリル酸フルオロエステル単位を含有する所定の重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いて形成したレジストが、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用した際に、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを良好に形成可能であることを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の重合体は、下記一般式(I):
【化1】
〔式(I)中、Rは、フッ素原子の数が4の有機基である。〕
で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
【化2】
〔式(II)中、Rは、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基であり、Rは、水素原子、非置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基であり、p及びqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。〕で表される単量体単位(B)と、を有する、ことを特徴とする。重合体にフッ素原子の数が4の有機基を有するα-クロロアクリル酸フルオロエステル単位を含有させれば、当該重合体をポジ型レジストとして使用した際に、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができる。
なお、本発明において、式(II)中のpが2以上の場合には、複数あるRは互いに同一でも異なっていてもよく、また、式(II)中のqが2以上の場合には、複数あるRは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0009】
ここで、本発明の重合体では、前記Rがテトラフルオロアルキル基であることが好ましい。単量体単位(A)のRがテトラフルオロアルキル基であれば、得られるレジストパターンの解像度及び明瞭性を一層向上させることができる。
【0010】
さらに、本発明の重合体では、前記Rが2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基であることが好ましい。単量体単位(A)のRが2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基であれば、得られるレジストパターンの解像度及び明瞭性を一層向上させることができる。
【0011】
さらにまた、本発明の重合体は、重量平均分子量(Mw)が、30000以上160000以下であることが好ましい。重合体の重量平均分子量(Mw)が、上記範囲内であれば、ポジ型レジストとして使用した際の解像度及び明瞭性を向上させることができる。
【0012】
さらにまた、本発明の重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が、1.8以下であることが好ましい。重合体の分子量分布(Mw/Mn)が、1.8以下であれば、得られるレジストパターンの明瞭性を一層高めることができる。
【0013】
そして、本発明の重合体は、前記単量体単位(B)が、4-フルオロ-α-メチルスチレン単位であることが好ましい。単量体単位(B)が、4-フルオロ-α-メチルスチレン単位であれば、ポジ型レジストとして使用した際の感度を向上させることができる。
【0014】
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体の何れかと、溶剤とを含むことを特徴とする。ポジ型レジスト組成物が、上述した重合体を含有していれば、かかるポジ型レジスト組成物を用いて、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の重合体によれば、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができる主鎖切断型のポジ型レジストを提供することができる。
本発明のポジ型レジスト組成物によれば、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを効率的に形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の重合体は、EUV及び電子線などの電離放射線、並びに、紫外線などの短波長の光の照射により主鎖が切断されて低分子量化する、主鎖切断型のポジ型レジストとして良好に使用することができる。そして、本発明のポジ型レジスト組成物は、ポジ型レジストとして本発明の重合体を含むものであり、例えば、ビルドアップ基板などのプリント基板、半導体、フォトマスク、及び、モールドなどの製造プロセスにおいてレジストパターンを形成する際に好適に用いることができる。
【0017】
(重合体)
本発明の重合体は、下記の一般式(I):
【化3】
〔式(I)中、Rは、フッ素原子の数が4の有機基である。〕で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
【化4】
〔式(II)中、Rは、水素原子、フッ素原子、非置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基であり、Rは、水素原子、非置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基であり、p及びqは、0以上5以下の整数であり、p+q=5である。〕で表される単量体単位(B)と、を有する。
【0018】
なお、本発明の重合体は、単量体単位(A)及び単量体単位(B)以外の任意の単量体単位を含んでいてもよいが、重合体を構成する全単量体単位中で単量体単位(A)及び単量体単位(B)が占める割合は、合計で90mol%以上であることが好ましく、実質的に100mol%であることがより好ましく、100mol%である(即ち、重合体は単量体単位(A)及び単量体単位(B)のみを含む)ことがさらに好ましい。
【0019】
なお、本発明の重合体は、単量体単位(A)及び単量体単位(B)を有する限り、例えば、ランダム重合体、ブロック重合体、交互重合体(ABAB・・・)、などのいずれであってもよいが、交互重合体を90質量%以上(上限は100質量%)含む重合体であることが好ましい。ここで、交互重合体同士が架橋体を形成しないことが好ましい。単量体単位(A)のRにフッ素原子が含まれることにより、架橋体が形成しなくなる。
【0020】
そして、本発明の重合体は、所定の単量体単位(A)及び単量体単位(B)を含んでいるので、電離放射線等(例えば、電子線、KrFレーザー、ArFレーザー、EUVレーザーなど)が照射されると、主鎖が切断されて低分子量化する。また、本発明の重合体は、フッ素原子の数が4の有機基を有する単量体単位(A)を含むので、ポジ型レジストとして使用した場合に、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができる。さらにまた、本発明の重合体は、少なくとも単量体単位(A)がフッ素原子を含むので、当該重合体をポジ型レジストとして使用した際に、レジストパターンの倒れの発生を十分に抑制可能である。
【0021】
<単量体単位(A)>
ここで、単量体単位(A)は、下記の一般式(III):
【化5】
(式(III)中、R1は、式(I)と同様である。)で表される単量体(a)に由来する構造単位である。
【0022】
そして、重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(A)の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができる。
【0023】
ここで、得られるレジストパターンの解像度を高める観点から、式(I)及び式(III)中のRは、フッ素原子の数が4の有機基であることが必要である。
例えば、式(I)及び式(III)中のRとしては、テトラフルオロアルキル基、テトラフルオロアルコキシアルキル基、又はテトラフルオロアルコキシアルケニル基が挙げられる。中でも、解像度及び明瞭性が一層高いレジストパターンを形成可能とする観点から、Rがテトラフルオロアルキル基であることが好ましい。そして、かかるテトラフルオロアルキル基としては、例えば、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,4,4-テトラフルオロブチル基が挙げられる。中でも、より一層解像度及び明瞭性の高いレジストパターンを形成可能とする観点から、Rが2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基であることが特に好ましい。
【0024】
そして、上述した式(I)で表される単量体単位(A)を形成し得る、上述した式(III)で表される単量体(a)としては、特に限定されることなく、例えば、α-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、及びα-クロロアクリル酸3,3,4,4-テトラフルオロブチル等のα-クロロアクリル酸フルオロアルキルエステル;α-クロロアクリル酸テトラフルオロエトキシメチルエステル、α-クロロアクリル酸テトラフルオロエトキシエチルエステル等のα-クロロアクリル酸フルオロアルコキシアルキルエステル;α-クロロアクリル酸テトラフルオロエトキシビニルエステル等のα-クロロアクリル酸フルオロアルコキシアルケニルエステル;などが挙げられる。
【0025】
<単量体単位(B)>
また、単量体単位(B)は、下記の一般式(IV):
【化6】
(式(IV)中、R~R、並びに、p及びqは、式(II)と同様である。)で表される単量体(b)に由来する構造単位である。
【0026】
そして、重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(B)の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができる。
【0027】
ここで、式(II)及び式(IV)中のR~Rを構成し得る、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、特に限定されることなく、アルキル基中の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した構造を有する基が挙げられる。
また、式(II)及び式(IV)中のR~Rを構成し得る非置換のアルキル基としては、特に限定されることなく、非置換の炭素数1以上5以下のアルキル基が挙げられる。中でも、R~Rを構成し得る非置換のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
【0028】
そして、重合体をレジストパターンの形成に使用した際の感度を高める観点からは、式(II)及び式(IV)中に複数存在するR及び/又はRの少なくとも何れかがフッ素原子を含むことが好ましく、式(II)及び式(IV)中のpが5であり、qが0であり、5つあるRのうちの、4位のRがフッ素原子であり、その他の4つのRが水素原子であることがより好ましい。
【0029】
そして、上述した式(II)で表される単量体単位(B)を形成し得る、上述した式(IV)で表される単量体(b)としては、特に限定されることなく、例えば、以下の(b-1)~(b-11)等のα-メチルスチレン(AMS)及びその誘導体(例えば、4-フルオロ-α-メチルスチレン:4FAMS)が挙げられる。
【化7】
【0030】
そして、現像液に対する溶解性を高めて、重合体をレジストパターンの形成に使用した際の感度を高める観点からは、単量体単位(B)は、上記式(b-2)にて示される4-フルオロ-α-メチルスチレン(4FAMS)に由来する単位であることが好ましい。
【0031】
(重合体の性状)
<重量平均分子量>
ここで、本発明の重合体の重量平均分子量(Mw)は、160000以下であることが好ましく、30000以上であることが好ましく、60000以上であることがより好ましく、65000以上であることが更に好ましく、75000以上であることが特に好ましい。重合体の重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、重合体を用いて形成されるレジストパターンの解像度及び明瞭性を十分に向上させることができる。
【0032】
<数平均分子量>
また、本発明の重合体の数平均分子量(Mn)は、19000以上であることが好ましく、38000以上であることがより好ましく、100000以下であることが好ましい。重合体の数平均分子量(Mn)が19000以上であれば、過剰に低い照射量でレジスト膜の現像液に対する溶解性が高まることを抑制することができ、得られるレジストパターンの明瞭性が過度に低下することを抑制することができる。
【0033】
<分子量分布>
本発明の重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.8以下であることが好ましく、1.6以下であることがより好ましい。重合体の分子量分布(Mw/Mn)がかかる上限値以下であれば、得られるレジストパターンの明瞭性を効果的に高めることができる。なお、重合体の分子量分布は、特に限定されることなく、例えば、1.25以上でありうる。重合体の分子量分布(Mw/Mn)が1.25以上であれば、重合体の製造容易性を高めることができる。
【0034】
(重合体の調製方法)
そして、上述した単量体単位(A)及び単量体単位(B)を有する重合体は、例えば、単量体(a)と単量体(b)とを含む単量体組成物を重合させた後、任意に得られた重合物を精製することにより調製することができる。
なお、重合体の組成、分子量分布、重量平均分子量及び数平均分子量は、重合条件及び精製条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、重合体の組成は、重合に使用する単量体組成物中の各単量体の含有割合を変更することにより調整することができる。また、重量平均分子量及び数平均分子量は、重合温度を高くすれば、小さくすることができる。さらに、重量平均分子量及び数平均分子量は精製時に用いる溶媒の種類及び混合溶媒の際には混合比率を適宜変更することにより調整することができる。更に、重量平均分子量及び数平均分子量は、重合時間を適切な範囲内とすることで、大きくすることができる。
【0035】
<単量体組成物の重合>
ここで、本発明の重合体の調製に用いる単量体組成物としては、単量体(a)及び単量体(b)を含む単量体成分と、任意で使用可能な溶媒と、重合開始剤と、任意に添加される添加剤との混合物を用いることができる。そして、単量体組成物の重合は、既知の方法を用いて行うことができる。中でも、溶媒を使用する場合には、溶媒としてシクロペンタノンなどを用いることが好ましい。また、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。なお、重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、重合開始剤の配合量を変更することによっても調整することができる。具体的には、重量平均分子量及び数平均分子量は、重合開始剤の配合量を少なくすれば、大きくすることができ、反対に、重合開始剤の配合量を多くすれば、小さくすることができる。
【0036】
また、単量体組成物を重合して得られた重合物は、そのまま重合体として使用してもよい。また、重合物を含む重合溶液を、ヘキサン等の貧溶媒に滴下して析出させて、得られた析出物を重合体として使用しても良い。更にまた、特に限定されることなく、重合物を含む溶液にテトラヒドロフラン等の良溶媒を添加した後、良溶媒を添加した溶液をメタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に滴下して重合物を凝固させることにより回収し、以下のようにして精製することもできる。
【0037】
<重合物の精製>
得られた重合物を精製する場合に用いる精製方法としては、特に限定されることなく、再沈殿法やカラムクロマトグラフィー法などの既知の精製方法が挙げられる。中でも、精製方法としては、再沈殿法を用いることが好ましい。
なお、重合物の精製は、複数回繰り返して実施してもよい。
【0038】
そして、再沈殿法による重合物の精製は、例えば、得られた重合物をテトラヒドロフラン等の良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、テトラヒドロフラン等の良溶媒とメタノール、ヘキサン等の貧溶媒との混合溶媒、又は、一種又は複数種の貧溶媒からなる溶媒に滴下し、重合物の一部を析出(即ち、再沈殿)させることにより行うことが好ましい。重合物の溶液を滴下する溶媒の種類又は組成を変更することにより、得られる重合体の分子量分布、重量平均分子量及び数平均分子量を調整することができる。中でも、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒中に重合物の溶液を滴下して重合物の精製を行う場合には、良溶媒及び貧溶媒の種類及び混合比率、並びに、混合溶媒と重合物との量比等を変更することにより、得られる重合体の分子量分布、重量平均分子量及び数平均分子量を容易に調整することができる。具体的には、例えば、混合溶媒中の良溶媒の割合を高めるほど、混合溶媒中で析出する重合体の分子量を大きくすることができる。また、例えば、重合物の混合溶媒に対する量比が過度に小さくならないようにすることで、混合溶媒中で析出する重合体の分子量を大きくすることができる。
【0039】
なお、再沈殿法により重合物を精製する場合、本発明の重合体としては、再沈殿した重合物を用いてもよいし、再沈殿しなかった重合物(即ち、溶媒中に溶解している重合物)を用いてもよい。ここで、溶媒中で析出しなかった重合物は、濃縮乾固などの既知の手法を用いて溶媒中から回収することができる。
【0040】
(ポジ型レジスト組成物)
本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体と、溶剤とを含み、任意に、レジスト組成物に配合され得る既知の添加剤を更に含有する。そして、本発明のポジ型レジスト組成物は、上述した重合体をポジ型レジストとして含有しているので、レジストパターンの形成に使用した際に解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができる。
【0041】
<溶剤>
なお、溶剤としては、上述した重合体を溶解可能な溶剤であれば特に限定されることなく、例えば、特許第5938536号公報に記載されたような既知の溶剤を用いることができる。中でも、適度な粘度のポジ型レジスト組成物を得てポジ型レジスト組成物の塗工性を向上させる観点からは、溶剤としては、有機酸である、n-ペンチルエステル、n-ヘキシルエステル、酢酸2-メトキシ-1-メチルエチル、酢酸イソアミル、又はそれらの混合物が好ましく、酢酸2-メトキシ-1-メチルエチル、酢酸イソアミル、又はそれらの混合物がより好ましく、酢酸イソアミルが更に好ましい。
【0042】
(レジストパターン形成方法)
本発明のレジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法は、(1)本発明のポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程(レジスト膜形成工程)と、(2)レジスト膜を露光する工程(露光工程)と、(3)露光されたレジスト膜を現像する工程(現像工程)と、を含むことが好ましい。さらに、任意に、現像工程の後に現像液を除去するリンス工程を更に含んでいてもよい。
【0043】
<レジスト膜形成工程>
上記工程(1)では、レジストパターンを利用して加工される基板などの被加工物の上に、本発明のポジ型レジスト組成物を塗布し、塗布したポジ型レジスト組成物を乾燥させてレジスト膜を形成する。塗布方法及び乾燥方法は特に限定されることなく、既知の塗布方法及び乾燥方法にて行うことができる。
【0044】
<露光工程>
上記工程(2)では、レジスト膜に対して電離放射線や光を照射して所望のパターンを描画する。なお、電離放射線や光の照射には、電子線描画装置やレーザー描画装置などの既知の描画装置を用いることができる。
【0045】
<現像工程>
上記工程(3)では、露光工程で露光されたレジスト膜と、現像液とを接触させてレジスト膜を現像し、被加工物上にレジストパターンを形成する。
ここで、レジスト膜と現像液とを接触させる方法は、特に限定されることなく、現像液中へのレジスト膜の浸漬やレジスト膜への現像液の塗布等の既知の手法を用いることができる。
【0046】
[現像液]
本発明のレジストパターン形成方法で使用する現像液としては、特に限定されることなく、CF3CFHCFHCF2CF3、CF3CF2CHCl2、CClF2CF2CHClF、C818等のフッ素系溶剤(ハイドロフルオロエーテル溶剤以外のフッ素含有溶剤);COCH、COCH、COC、CCF(OCH)C等のハイドロフルオロエーテル溶剤;メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(イソプロピルアルコール)等のアルコール;酢酸アミル、酢酸ヘキシルなどのアルキル基を有する酢酸エステル;フッ素系溶剤とアルコールとの混合物;フッ素系溶剤とアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;アルコールとアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;フッ素系溶剤とアルコールとアルキル基を有する酢酸エステルとの混合物;などを用いることができる。中でも、得られるレジストパターンの解像度及び明瞭性を一層高める観点から、フッ素系溶剤を用いることが好ましい。なお、フッ素系溶剤を含む混合物を現像液とする場合に、現像液全体に対するフッ素系溶剤の占める比率は、50体積%超であることが好ましく、75体積%超であることがより好ましく、90体積%以上であることがさらに好ましく、95体積%以上であることが特に好ましい。
【0047】
そして、現像工程における現像時間及び現像温度等の現像条件は、所望の品質のレジストパターンを得るように適宜設定することができる。例えば、現像時間は、1分間以上4分間以下であり得る。また、例えば、現像液の温度は、21℃以上25℃以下とすることができる。
【0048】
<リンス工程>
現像工程の後に任意で実施することができるリンス工程では、被加工物上のレジストパターン中に残留した現像液、及び、レジスト膜の溶解残渣等を、リンス液を用いて除去することができる。かかるリンス工程を実施することで、得られるレジストパターンの明瞭性を高めることができる。
【0049】
リンス工程にて用いることができるリンス液としては、特に限定されることなく、既知の溶剤を用いることができる。例えば、現像液として使用可能な溶剤として上記列挙した各種溶剤を、リンス液として用いることができる。リンス液として用いる溶剤は、使用する現像液の種類に応じて適宜選定することができる。具体的には、リンス液の選定では、現像液と混ざり易いリンス液を選択し、現像液との置換が容易となるようにすることが好ましい。中でも、高解像度のレジストパターンを形成する観点からは、現像液としてCFCFHCFHCFCFのようなハイドロフルオロエーテル以外のフッ素系溶剤を用いた場合には、リンス液としては、COCHのようなハイドロフルオロエーテル溶剤を用いることが好ましい。
【実施例
【0050】
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
そして、実施例及び比較例において、重合体の重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布、並びに、重合体よりなるポジ型レジストの耐パターン倒れ性、Eth、γ値(明瞭性)、及び解像度は、下記の方法で測定及び評価した。
【0051】
<重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布>
実施例、比較例で得られた各種重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー社製、HLC-8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
【0052】
<レジスト膜の耐パターン倒れ性>
スピンコーター(ミカサ社製、MS-A150)を使用し、実施例、比較例で調製したポジ型レジスト組成物を、直径4インチのシリコンウェハ上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上に厚さ50nmのレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS-S50)を用いてレジスト膜を最適露光量(Eop)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液としてフッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレルXF(登録商標)、CFCFHCFHCFCF)を用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った。その後、リンス液として、ハイドロフルオロエーテル溶剤であるCOCH(3M社製、「Novec(登録商標)7100」)を用いて、温度23℃で10秒間リンス処理して、レジストパターンを形成した。そして、形成したレジストパターンのパターン倒れの有無を観察した。なお、最適露光量(Eop)は、それぞれEthの約2倍の値を目安として、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ20nm(実施例1~18、比較例1~2)、又は、25nm(比較例3~4)とした。
そして、以下の基準に従って耐パターン倒れ性を評価した。
A:パターン倒れ無し
B:パターン倒れ有り
【0053】
<レジスト膜のγ値>
スピンコーター(ミカサ社製、MS-A150)を使用し、実施例、比較例で調製したポジ型レジスト組成物を直径4インチのシリコンウェハ上に厚さ500nmになるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上にレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS-S50)を用いて、電子線の照射量が互いに異なるパターン(寸法500μm×500μm)をレジスト膜上に複数描画し、レジスト用現像液として、フッ素系溶剤(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレルXF(登録商標)、CFCFHCFHCFCF)を用いて、温度23℃で1分間の現像処理を行った。なお、電子線の照射量は、4μC/cm2から200μC/cm2の範囲内で4μC/cm2ずつ異ならせた。次に、描画した部分のレジスト膜の厚みを光学式膜厚計(SCREENセミコンダクタソリューション社製、ラムダエース)で測定し、電子線の総照射量の常用対数と、現像後のレジスト膜の残膜率(=(現像後のレジスト膜の膜厚/シリコンウェハ上に形成したレジスト膜の膜厚)との関係を示す感度曲線を作成した。そして、得られた感度曲線(横軸:電子線の総照射量の常用対数、縦軸:レジスト膜の残膜率(0≦残膜率≦1.00))について、下記の式を用いてγ値を求めた。なお、下記の式中、Eは、残膜率0.20~0.80の範囲において感度曲線を二次関数にフィッティングし、得られた二次関数(残膜率と総照射量の常用対数との関数)に対して残膜率0を代入した際に得られる総照射量の対数である。また、Eは、得られた二次関数上の残膜率0の点と残膜率0.50の点とを結ぶ直線(感度曲線の傾きの近似線)を作成し、得られた直線(残膜率と総照射量の常用対数との関数)に対して残膜率1.00を代入した際に得られる総照射量の対数である。そして、下記式は、残膜率0と1.00との間での上記直線の傾きを表している。
【数1】
γ値の値が大きいほど、感度曲線の傾きが大きく、明瞭性の高いパターンを良好に形成し得ることを示す。
【0054】
<Eth>
「レジスト膜のγ値」の評価方法と同様にして、実施例、比較例で調製したポジ型レジスト組成物を用いて、シリコンウェハ上にレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜の初期厚みTを光学式膜厚計(SCREENセミコンダクタソリューション社製、ラムダエース)で測定した。また、γ値の算出の際に得られた直線(感度曲線の傾きの近似線)の残膜率が0となる際の、電子線の総照射量Eth(μC/cm)を求めた。なお、Ethの値が小さいほど、レジスト膜の感度が高く、レジストパターンの形成効率が高いことを意味する。
【0055】
<レジストパターンの解像度>
スピンコーター(ミカサ社製、MS-A150)を使用し、実施例、比較例で調製したポジ型レジスト組成物を4インチのシリコンウェハ上に厚み40nmとなるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上にポジ型レジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS-5700)を用いて、線幅18nm、20nm、22nm、25nmのラインアンドスペース1:1のパターンを、各実施例、比較例における最適露光量(Eop)で、それぞれ電子線描画し、電子線描画済ウエハを得た。
電子線描画済ウエハを、23℃において、<レジスト膜の耐パターン倒れ性>を評価した際と同じ現像液に1分間、リンス液に10秒間浸漬することで、ラインアンドスペースパターンを形成した。走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)にて倍率5万倍で観察を行い、パターンが分離解像した最小のラインアンドスペース幅を調べた。
【0056】
(実施例1)
<重合体の調製>
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(ACATFP)3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)3.7508955gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.0059564gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.6818gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、76℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた重合溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体;crude)を得た。
得られた重合体(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(ACATFP)単位を50mol%、α-メチルスチレン(AMS)単位を50mol%含んでいた。
【0057】
[重合体(crude)の精製]
次いで、得られた重合体(crude)2gを18gのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ(10質量%)、得られた重合体溶液をメタノール(MeOH)200gに滴下し、白色の凝固物(α-メチルスチレン単位及びα-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。そして、得られた重合体(1回精製済重合体)について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
【0058】
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた1回精製済重合体を溶剤としての酢酸イソアミルに溶解させ、重合体の濃度が2質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)を調製した。そして、重合体よりなるポジ型レジスト膜の耐パターン倒れ性、γ値、及びEth、並びに、ポジ型レジスト膜を用いて得られるレジストパターンの解像度を上記に従って評価した。結果を表1に示す。
【0059】
(実施例2)
実施例1において、重合体の調製時の撹拌時間を6時間から2時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、重合体(crude)の精製及びポジ型レジスト組成物の調製をし、各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0060】
(実施例3)
実施例2にて得られた1回精製済重合体に対して、さらに下記精製(2回目の精製)を行って、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製し、各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
[重合体の精製(2回目の精製)]
実施例2にて得られた1回精製済重合体1gを9gのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ(10質量%)、得られた重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α-メチルスチレン単位及びα-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体(2回精製済重合体)を得た。そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
【0062】
(実施例4)
実施例2にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、メタノール(MeOH)100gに滴下したこと以外は、実施例3の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
(実施例5)
実施例2にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、THF3gとメタノール(MeOH)97gとの混合溶媒に滴下したこと以外は、実施例3の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例6)
実施例2にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、ヘキサン100gに滴下したこと以外は、実施例3の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
(実施例7)
実施例2にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、THF20gとヘキサン80gとの混合溶媒に滴下したこと以外は、実施例3の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
(実施例8)
以下の点以外は、実施例1の<重合体の調製>の記載と同様にして、重合体を得た。
重合体を調製するにあたり、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルの添加量を0.0059564gから0.0119128gに変更し、溶媒としてのシクロペンタノンの添加量を1.6818gから6.7400gに変更した。さらに、得られた重合溶液にTHFを加えることなく、重合溶液を直接ヘキサンに滴下し、重合体を析出させた。そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表1に示す。
【0067】
そして、上記のようにして得られた重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製し、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
(実施例9)
重合体を調製するに当たり、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルの添加量を0.0119128gから0.0238255gに変更したこと以外は、実施例8と同様にして、重合体を得た。このようにして得られた重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例10)
重合体(crude)の調製を下記のように行ったこと以外は、実施例1と同様にして、重合体(1回精製済重合体)を得た。かかる重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた重合体(1回精製済重合体)及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0070】
<重合体(crude)の調製>
単量体(a)としてのびα-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル3.0g及び単量体(b)としての4-フルオロ-α-メチルスチレン4.3322686gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.0059624gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.9361gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、76℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた重合溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体;crude)を得た。そして、得られた重合体(crude)について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。
得られた重合体(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(ACATFP)単位を50mol%、4-フルオロ-α-メチルスチレン(4FAMS)単位を50mol%含んでいた。
【0071】
(実施例11)
重合体(crude)の調製時の撹拌時間を6時間から2時間に変更したこと以外は、実施例10と同様にして、重合体(1回精製済重合体)を得た。かかる重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた重合体(1回精製済重合体)及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0072】
(実施例12)
実施例11にて得られた重合体(1回精製済重合体)に対して、さらに下記精製(2回目の精製)を行って、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製し、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0073】
[重合体の精製(2回目の精製)]
実施例11にて得られた1回精製済重合体1gを9gのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ(10質量%)、得られた重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α-メチルスチレン単位及びα-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体(2回精製済重合体)を得た。そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表2に示す。
【0074】
(実施例13)
実施例11にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、メタノール(MeOH)100gに滴下したこと以外は、実施例12の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0075】
(実施例14)
実施例11にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、THF3gとメタノール(MeOH)97gとの混合溶媒に滴下したこと以外は、実施例12の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0076】
(実施例15)
実施例11にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、ヘキサン100gに滴下したこと以外は、実施例12の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0077】
(実施例16)
実施例11にて得られた1回精製済重合体を精製するにあたり、重合体溶液をTHF6gとメタノール(MeOH)204gとの混合溶媒に滴下する代わりに、THF20gとヘキサン80gとの混合溶媒に滴下したこと以外は、実施例12の[重合体の精製(2回目の精製)]の記載と同様にして、2回精製済重合体を得た。かかる2回精製済重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製した。得られた2回精製済重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0078】
(実施例17)
重合体(crude)を調製するに当たり、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルの添加量を0.0059624gから0.0119128gに変更し、溶媒としてのシクロペンタノンの添加量を1.9361gから7.7409gに変更した。さらに、得られた重合溶液にTHFを加えることなく、重合溶液を直接ヘキサンに滴下し、重合物を析出させた。これらの点以外は、実施例10と同様にして重合体(crude)を調製し、更に、得られた重合体(Crude)について、実施例1と同様にして、重合体(1回精製済重合体)を得た。かかる重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0079】
(実施例18)
重合体を調製するに当たり、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルの添加量を0.0119128gから0.0238255gに変更したこと以外は、実施例17と同様にして、重合体を得た。このようにして得られた重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製した。得られた重合体及びポジ型レジスト組成物について、上記に従って各種測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0080】
(比較例1)
実施例1において、調製した重合体(crude)を用いる代わりに、以下の方法で調製したα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)とα-メチルスチレンとの重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製し、各種測定及び評価を行った。結果を表3に示す。
<重合体(Crude)の調製>
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)3.4763522gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.0055128gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.6204662gを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体:Crude)を得た。得られた重合体は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を50mol%、α-メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
<重合体(Crude)の精製>
次いで、上記で得られた重合体(Crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF150gとメタノール(MeOH)850gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α-メチルスチレン単位及びα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表3に示す。
【0081】
(比較例2)
実施例1において調製した重合体(crude)を用いる代わりに、下記のようにして調製した重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製し、各種評価及び測定を行った。結果を表3に示す。
【0082】
<重合体(crude)の調製>
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0g及び単量体(b)としての4-フルオロ-α-メチルスチレン(4FAMS)3.234826gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.0052065gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体;crude)を得た。得られた重合体(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を50mol%、4-フルオロ-α-メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
<重合体(crude)の精製>
次いで、得られた重合体(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF50gとメタノール(MeOH)950gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(4-フルオロ-α-メチルスチレン単位及びα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表3に示す。
【0083】
(比較例3)
実施例1において調製した重合体(crude)を用いる代わりに、下記のようにして調製した重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製し、各種評価及び測定を行った。結果を表3に示す。
【0084】
<重合体(crude)の調製>
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン2.8738gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.0046gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.4696gを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体;crude)を得た。得られた重合体(crude)は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル単位を50mol%、α-メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
<重合体(crude)の精製>
次いで、得られた重合体(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF100gとメタノール(MeOH)900gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α-メチルスチレン単位及びα-クロロアクリル酸2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表3に示す。
【0085】
(比較例4)
実施例1において調製した重合体(crude)を用いる代わりに、下記のようにして調製した重合体を用い、且つ、ポジ型レジスト組成物の調製における溶剤として、酢酸イソアミルに代えて、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポジ型レジスト組成物を調製し、各種評価及び測定を行った。結果を表3に示す。
【0086】
<重合体(crude)の調製>
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸トリフルオロエチル(ACATFE)3.0g及び単量体(b)としてのα-メチルスチレン4.3984992gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.0069751gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.8513686gを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉及び窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合体;crude)を得た。得られた重合体(crude)は、α-クロロアクリル酸トリフルオロエチル単位を50mol%、α-メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
<重合体(crude)の精製>
次いで、得られた重合体(crude)を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF150gとメタノール(MeOH)850gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α-メチルスチレン単位及びα-クロロアクリル酸トリフルオロエチル単位を含有する重合体)を析出させた。その後、析出した重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の重合体を得た。そして、得られた重合体について、重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布を測定した。結果を表3に示す。
【0087】
なお、表1~3中、
「ACATFP」は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピルを示し、
「ACAPFP」は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルを示し、
「ACATFE」は、α-クロロアクリル酸トリフルオロエチルを示し、
「AMS」は、α-メチルスチレンを示し、
「4FAMS」は、4-フルオロ-α-メチルスチレンを示し、
「PGMEA」は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートを示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
表1~3より、フッ素原子の数が4の有機基を有する単量体単位を含む、所定の重合体をポジ型レジストとして使用した場合に、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成し得たことが分かる。一方、かかる所定の重合体を使用しなかった比較例1~4のポジ型レジストでは、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができなかったことが分かる。
また、実施例1~9及び実施例10~18を、それぞれ昇順に1対1で対応させることで、重合体に含まれる単量体単位(B)が、4-フルオロ-α-メチルスチレン単位である場合に、ポジ型レジストとしての感度が高まることが分かる。
そして、実施例2~5及び実施例11~14より、重合体の分子量分布(Mw/Mn)が、1.6以下で、かつ重量平均分子量(Mw)が65000以上である場合に、γ値が特に高くなり、得られるレジストパターンの明瞭性を高めることができることが分かる。
さらに、実施例3~5及び実施例12~14より、重量平均分子量(Mw)が75000以上である場合に、レジストパターンの明瞭性(γ値)及び解像度をより一層高めることができることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の重合体によれば、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを形成することができる主鎖切断型のポジ型レジストを提供することができる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物によれば、解像度及び明瞭性の充分に高いレジストパターンを効率的に形成することができる。