IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7172512表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム
<>
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図1
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図2
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図3A
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図3B
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図3C
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図4
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図5
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図6
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図7
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図8
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図9
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図10
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図11
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図12
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図13
  • 特許-表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20221109BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20221109BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20221109BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20221109BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20221109BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20221109BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20221109BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221109BHJP
【FI】
H04N5/232 933
G02B7/28 N
G03B13/36
G03B17/02
G03B17/18 Z
G06F3/0481
G06F3/0484
G06F3/0488
H04N5/232 160
H04N5/232 945
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018224202
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020088762
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 鉄兵
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-008954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G02B 7/28
G03B 13/36
G03B 17/02
G03B 17/18
G06F 3/0481
G06F 3/0484
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、
前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、
を備え、
前記表示部は、
前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、
前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有し、
前記制御部は、
前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行い、
前記第2の領域内でドラッグ操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行い、
前記第2の領域内でタップ操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行わず、
前記入力操作がないときは前記第2の領域を示す表示を行わない、
表示装置。
【請求項2】
表示オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、
前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、
前記表示オブジェクトの移動指示を入力する操作部と、
を備え、
前記表示部は、
前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、
前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有し、
前記制御部は、
前記操作部によって入力された前記移動指示に応じて前記第2の領域を示す表示を行い、
前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行い、
前記第2の領域内で行われた前記入力操作に応じて前記第2の領域を示す表示を行わず、
前記入力操作がないときは前記第2の領域を示す表示を行わない、
表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記操作部によって入力された前記移動指示に応じて前記表示オブジェクトが移動する位置が前記第2の領域の境界と接する位置の場合、前記第2の領域を示す表示を行い、
前記第2の領域の境界と接していない位置である場合、前記移動指示に応じて前記第2の領域を示す表示を行わない、
請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記操作部によって入力された前記移動指示に応じて前記表示オブジェクトが移動できる場合、前記移動指示に応じて前記第2の領域を示す表示を行わない、
請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の表示装置を備え、
前記第1の領域が撮像範囲であり、
前記第2の領域が測距可能な範囲であり、
前記表示オブジェクトが測距エリア枠である、
撮像装置。
【請求項6】
表示オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、
前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、
を備え、
前記表示部は、
前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、
前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有する表示装置の表示方法であって、
前記検出部により前記表示部への前記指示体の近接または接触を検出する検出ステップと、
前記判定部により、検出ステップの検出結果に基づいて前記表示部への前記入力操作を判定する判定ステップと、
前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行う第1表示ステップと、
前記第2の領域内でドラッグ操作が行われた場合に、前記第2の領域を示す表示を行う第2表示ステップと、
前記第2の領域内でタップ操作が行われた場合に、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行わない第1非表示ステップと、
前記入力操作がないときは、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行わない第2非表示ステップと、
を含む、表示方法。
【請求項7】
表示オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、
前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、
前記表示オブジェクトの移動指示を入力する操作部と、
を備え、
前記表示部は、
前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、
前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有する表示装置の表示方法であって、
前記検出部により前記表示部への前記指示体の近接または接触を検出する検出ステップと、
前記判定部により、検出ステップの検出結果に基づいて前記表示部への前記入力操作を判定する判定ステップと、
前記操作部によって入力された前記移動指示に応じて前記第2の領域を示す表示を行う第1表示ステップと、
前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行う第2表示ステップと、
前記第2の領域内で行われた前記入力操作に応じて、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行わない第1非表示ステップと、
前記入力操作がないときは、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行わない第2非表示ステップと、
を含む、表示方法。
【請求項8】
表示オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、
前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、
を備え、
前記表示部は、
前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、
前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有する表示装置の表示プログラムであって、
前記表示部への前記指示体の近接または接触を検出する検出機能と、
前記検出機能の検出結果に基づいて前記表示部への前記入力操作を判定する判定機能と、
前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に、前記第2の領域を示す表示を行う第1表示機能と、
前記第2の領域内でドラッグ操作が行われた場合に、前記第2の領域を示す表示を行う第2表示機能と、
前記第2の領域内でタップ操作が行われた場合に、前記第2の領域を示す表示を行わない第1非表示機能と、
前記入力操作がないときは、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行わない第2非表示機能と、
をコンピュータに実現させるための表示プログラム。
【請求項9】
表示オブジェクトを表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する制御部と、
前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、
前記表示オブジェクトの移動指示を入力する操作部と、
を備え、
前記表示部は、
前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、
前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有する表示装置の表示プログラムであって、
前記表示部への前記指示体の近接または接触を検出する検出機能と、
前記検出機能の検出結果に基づいて前記表示部への前記入力操作を判定する判定機能と、
前記操作部によって入力された前記移動指示に応じて前記第2の領域を示す表示を行う第1表示機能と、
前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に、前記第2の領域を示す表示を行う第2表示機能と、
前記第2の領域内で行われた前記入力操作に応じて、前記第2の領域を示す表示を行わない第1非表示機能と、
前記入力操作がないときは、前記制御部により前記第2の領域を示す表示を行わない第2非表示機能と、
をコンピュータに実現させるための表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、撮像装置、表示方法、及び、表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置を含む電子機器では、タッチパネル等の表示装置を備え、タッチパネル上でのタッチ操作によって電子機器の各種操作を行う構成が知られている。
【0003】
特許文献1には、デジタルカメラ等の撮像装置において、タッチパネル操作で測距エリアの指定を行う場合、タッチパネルへの近接を検出した位置に測距エリア枠(表示オブジェクト)を表示する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1などの従来の表示装置では、タッチパネル操作で測距エリアの指定を行うとき、指定位置に測距エリアを移動できないことを報知するための移動可能領域の表示がないため、タッチパネル操作の検出に失敗したので移動できなかったのか移動可能領域外を指定したから移動できなかったのか判断がつかないという問題や、測距エリアの指定画面に移動可能領域を常時表示することによって移動可能領域を報知させたものの撮像範囲の表示が煩雑となり被写体を確認する妨げとなってしまう問題があり、タッチパネル操作による測距エリア指定における操作性が低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、ユーザのタッチ操作により表示オブジェクトを移動させる際に表示オブジェクトの移動可能領域を好適に報知可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一観点に係る表示装置は、表示オブジェクトを表示する表示部と、前記表示部の表示を制御する制御部と、前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、を備え、前記表示部は、前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有し、前記制御部は、前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行い、前記第2の領域内でドラッグ操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行い、前記第2の領域内でタップ操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行わず、前記入力操作がないときは前記第2の領域を示す表示を行わない。
同様に、上述した課題を解決するために、本発明の一観点に係る表示装置は、表示オブジェクトを表示する表示部と、前記表示部の表示を制御する制御部と、前記表示部への指示体の近接または接触を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記表示部への入力操作を判定する判定部と、前記表示オブジェクトの移動指示を入力する操作部と、を備え、前記表示部は、前記検出部が検出可能な全領域である第1の領域と、前記第1の領域の一部であり、前記入力操作に応じて前記表示オブジェクトが移動可能な第2の領域と、を有し、前記制御部は、前記操作部によって入力された前記移動指示に応じて前記第2の領域を示す表示を行い、前記第2の領域外で前記入力操作が行われた場合に前記第2の領域を示す表示を行い、前記第2の領域内で行われた前記入力操作に応じて前記第2の領域を示す表示を行わず、前記入力操作がないときは前記第2の領域を示す表示を行わない。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザのタッチ操作により表示オブジェクトを移動させる際に表示オブジェクトの移動可能領域を好適に報知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】レンズ交換式デジタルカメラ(撮像装置)の基本的なハードウェア構成図
図2】画像表示LCDの表示画面の構成の一例を示す図
図3A】第1実施形態の表示装置における表示オブジェクトの移動パターンを説明する図
図3B】第1実施形態の表示装置における表示オブジェクトの移動パターンを説明する図
図3C】第1実施形態の表示装置における表示オブジェクトの移動パターンを説明する図
図4】第1実施形態に係る表示装置の機能ブロック図
図5】第1実施形態におけるタッチ操作による表示オブジェクトの移動制御のフローチャート
図6】第2実施形態におけるタッチ操作による表示オブジェクトの移動制御のフローチャート
図7】移動可能領域の表示例を示す図
図8】第3実施形態に係る表示装置の機能ブロック図
図9】第3実施形態における移動可能領域の表示制御のフローチャート
図10】第4実施形態における移動可能領域の表示制御のフローチャート
図11】第5実施形態に係る表示装置の機能ブロック図
図12】第5実施形態における移動可能領域の表示制御のフローチャート
図13】第6実施形態における移動可能領域の表示制御のフローチャート
図14】第7実施形態における移動可能領域の表示制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0010】
[第1実施形態]
図1図5を参照して第1実施形態を説明する。本実施形態では、表示装置10を備える機器としてレンズ交換式デジタルカメラ(撮像装置)100を挙げて説明する。
【0011】
図1は、レンズ交換式デジタルカメラ(撮像装置)100の基本的なハードウェア構成図である。以降ではレンズ交換式デジタルカメラ100を単に「デジタルカメラ100」とも表記する。図1に示すように、デジタルカメラ100には、交換レンズ200が交換可能に取り付けられる。デジタルカメラ100および交換レンズ200の動作は、制御装置101によって制御される。
【0012】
操作部材102は、デジタルカメラ100の操作入力をユーザが入力するための部材であり、具体的にはシャッターボタンや、他のスイッチ、レバー類を含む。操作部材102のシャッターボタンが操作されると、制御装置101は、レンズ駆動装置103を介してレンズ201の焦点調整(AF)を行い、絞り/シャッター駆動装置104を介して絞り202の開閉を調節し露光制御(AE)およびシャッター105を開閉する。
【0013】
シャッター105の開閉によって交換レンズ200を通してイメージセンサ106が受光して捉えた画像信号は、信号処理装置107を介して画像処理装置108に送られる。画像処理装置108にて所定の画像処理を行うとき、処理途中のデータの一時的な保存場所としてバッファメモリ109が使われる。画像処理が完了した画像データは、カードI/F110を介して接続された着脱可能なメモリーカード111に記録される。
【0014】
画像データおよび各種情報表示は、LCD制御装置112を介して画像表示LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)113に表示される。また画像表示LCD113はタッチパネル115が具備されており、ユーザの手指やタッチペンなどの指示体20の接触または近接を検出するとタッチパネル制御装置114に出力する。タッチパネル制御装置114は、タッチパネル115からの入力を基にタッチ操作状態を判別し制御する。このように操作部材102の他、タッチパネル115を操作することでもデジタルカメラ100の各種設定を行うことができる。
【0015】
なお、上記の制御装置101、信号処理装置107、画像処理装置108、LCD制御装置112、タッチパネル制御装置114は、LSIなどを含む集積回路などのハードウェアによって実現される。
【0016】
上記のデジタルカメラ100の構成要素のうち、LCD制御装置112(制御部)、画像表示LCD113(表示部)、タッチパネル制御装置114(判定部)、タッチパネル115(検出部)が、本実施形態に係る表示装置10を構成する。
【0017】
図2は、画像表示LCD113の表示画面の構成の一例を示す図である。以降の説明では、表示画面の左右方向をx方向、上下方向をy方向とする。
【0018】
デジタルカメラ100が撮影可能状態にあるとき、画像表示LCD113にはライブビューが表示される。ライブビューは、イメージセンサ106が捉えた画像を画像表示LCD113にリアルタイムに表示し、撮影できる機能である。このライブビューの画面全体が撮像範囲113Aであり、ユーザがタッチ操作可能な領域である。以降ではこの領域を「検出可能領域113A(第1の領域)」と呼ぶ。ユーザは、焦点調節を実施する位置を、画面上に表示される測距エリア枠(表示オブジェクト)113Cで指定することができる。ここで、使用する交換レンズ200の種類によっては、撮像範囲113Aの周辺部では焦点調整が難しい場合がある。このため、画面上の測距可能な範囲113Bは、撮像範囲113Aの一部、具体的には画面の撮像中心を含む狭い領域に限定される。以降では、この領域を表示オブジェクト113Cの「移動可能領域113B(第2の領域)」と呼ぶ。したがって、測距エリア枠(表示オブジェクト)113Cの移動可能な範囲は、この移動可能領域113B内に制限される。
【0019】
なお、図2と、以降の説明で参照する表示画面に関する図面(図3A図3B図3C図7)では、移動可能領域113Bが検出可能領域113Aの中央からやや左側にずれて図示されている。しかしながら、移動可能領域113Bは、その中心位置が検出可能領域113Aの中心位置と一致するよう、検出可能領域113Aの中央部に配置されるのが好ましい。
【0020】
本実施形態の表示装置10は、このようなデジタルカメラの画面上でタッチ操作を行うときの表示オブジェクト113Cの移動を制御することができる。図3A図3Cは、第1実施形態の表示装置10における表示オブジェクト113Cの移動パターンを説明する図である。図3A図3Cでは、ユーザの指20の軌跡が太い実線の矢印で、表示オブジェクト113Cの軌跡が太い点線の矢印で図示されている。
【0021】
図3Aに示すように、移動可能領域113B内でのタッチ操作の場合、タッチした絶対的な座標に表示オブジェクト113Cが移動する。図3Aの例では、操作前の画面(a)では移動可能領域113Bの左側にあった表示オブジェクト113Cが、操作後の画面(b)では、ユーザの指20がタッチされた右側の位置に瞬間的に移動する。
【0022】
連続的なタッチ座標の時系列変化(ドラッグ操作の軌跡)に基づく表示オブジェクト113Cの移動は、ドラッグ操作の軌跡に沿って表示オブジェクト113Cが相対的に移動できるときは移動させる。一方、移動可能領域113Bの境界に達してそれ以上、ドラッグ操作の軌跡に沿って表示オブジェクト113Cを相対的に移動できないときは、ドラッグ操作の軌跡のうちx方向のX成分またはy方向のY成分の移動できる成分方向のみ移動させる。
【0023】
例えば図3Bに示すように、操作前の画面(a)では指20が表示オブジェクト113C上に配置された状態から、操作後の画面(b)のように表示オブジェクト113C上から移動可能領域113Bの外へドラッグ操作が行われた場合には、画面(b)のとおり、操作の前半はドラッグ操作と同じ軌跡で表示オブジェクト113Cが移動し、表示オブジェクト113Cが移動可能領域113Bの上端に達すると、表示オブジェクト113Cはこれ以上y方向には移動できないため、ドラッグ操作の軌跡のx成分のみを反映してx方向に表示オブジェクト113Cが移動する。
【0024】
また、図3Cに示すように、表示オブジェクト113Cから離れた位置かつ移動可能領域113Bの外の位置からドラッグ操作が行われた場合でも、画面(b)のとおり表示オブジェクト113Cはこのドラッグ操作に基づき移動する。すなわち、画面(a)のとおり表示オブジェクト113Cの初期位置が図3Bと同じ場合には、ドラッグ操作の軌跡が同じならば指20の初期位置によらず表示オブジェクト113Cの軌跡も図3Bと同じとなる。
【0025】
図4は、第1実施形態に係る表示装置10の機能ブロック図である。本実施形態の表示装置10は、図3A図3Cに例示したような表示オブジェクト113Cの移動パターンを実現するための機能として、図4に示すようにタッチ検出部11と、操作判定部12と、第1移動制御部13と、第2移動制御部14とを備える。
【0026】
タッチ検出部11は、画面表示LCD113及びタッチパネル115への指示体20の近接または接触を検出する。
【0027】
操作判定部12は、タッチ検出部11の検出結果に基づいて画面表示LCD113及びタッチパネル115への入力操作を判定する。操作判定部12は、入力操作がタップ操作、ドラッグ操作のどちらであるかを判定する。
【0028】
第1移動制御部13及び第2移動制御部14は、入力操作に基づき画面表示LCD113上での表示オブジェクト113Cの動作を制御する。第1移動制御部13は、操作判定部12により画面表示LCD113及びタッチパネル115へのタップ操作を判定した場合、タップ操作の座標が移動可能領域113B内のときは表示オブジェクト113Cをその座標へ移動し、移動可能領域113B外のときは表示オブジェクト113Cをその座標へ移動しない。
【0029】
第2移動制御部14は、操作判定部12により画面表示LCD113及びタッチパネル115へのドラッグ操作を判定した場合、検出可能領域113A内におけるドラッグ操作の座標変化に基づいて表示オブジェクト113Cを移動可能領域113B内で移動させる。
【0030】
図4に示すタッチ検出部11、操作判定部12、第1移動制御部13、第2移動制御部14の各機能は、図1のLCD制御装置112及びタッチパネル制御装置114を構成するLSIなどのハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(オブジェクト移動プログラム)を読み込ませることにより、LCD制御装置112及びタッチパネル制御装置114の制御のもとで画像表示LCD113、タッチパネル115を動作させることで実現される。また、表示装置10を構成するLCD制御装置112及びタッチパネル制御装置114は、CPU(Central Processing Unit)CPUやRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などを含むコンピュータ装置とも表現できる。すなわち、本実施形態のオブジェクト移動プログラムをコンピュータ上で実行させることで、表示装置10は、図4のタッチ検出部11、操作判定部12、第1移動制御部13、第2移動制御部14として機能する。
【0031】
より詳細には、タッチ検出部11は、図1のタッチパネル115及びタッチパネル制御装置114により実現される。操作判定部12は、図1のタッチパネル制御装置114により実現される。第1移動制御部13及び第2移動制御部14は、LCD制御装置112により実現される。
【0032】
図5を参照して第1実施形態に係るオブジェクト移動方法を説明する。図5は、第1実施形態におけるタッチ操作による表示オブジェクト113Cの移動制御のフローチャートである。
【0033】
ステップS1では、タッチ検出部11(タッチパネル115)により、画面表示LCD113への指示体20の近接または接触、すなわちタッチ操作の開始有無が検出される(検出ステップ)。タッチ検出部11は、所定のサンプリング周期で接触または近接の状態を検出し、その都度タッチパネル制御装置114にてタッチした座標を算出している。タッチ操作開始前(ステップS1:NO)では、表示オブジェクト113Cは前回のタッチ操作終了時の表示座標に表示されている。ここでタッチ操作が開始された場合(ステップS1:YES)、操作判定部12により、タッチした座標が表示オブジェクト113Cの移動可能領域113B内の座標か否かが判定される(ステップS2)。
【0034】
タッチ操作開始座標が移動可能領域113B内の座標である場合(ステップS2:YES)、タッチした絶対的な座標に基づいて表示オブジェクト113Cを移動する(ステップS3)。ここでタッチ開始座標から一定以上の座標変化がない(ほぼ動いていない)ままタッチ操作が終了した場合(ステップS5:YESかつステップS7:YES)、すなわちタップ操作が行われると、ステップS3で移動した座標で表示オブジェクト113Cの位置指定が完了する。つまり、ステップS3→S5→S7の流れでは、図3Aの画面(a)→(b)に例示した移動パターンになる。
【0035】
一方、タッチ開始座標から一定以上の座標変化があった場合(ステップS5:NO)、すなわちドラッグ操作が行われると、連続的なタッチ座標の時系列変化(軌跡)に基づいて表示オブジェクト113CをステップS3で移動した座標を起点として移動可能領域113B内で相対移動させ(ステップS6)、タッチ操作終了(ステップS8:YES)の時点で表示オブジェクト113Cを表示している座標で位置指定が完了する。つまり、ステップS3→S5→S6→S8の流れでは、図3Bの画面(a)→(b)に例示した移動パターンになる。
【0036】
タッチ操作開始座標が移動可能領域113B内の座標ではない場合(ステップS2:NO)、表示オブジェクト113Cをタッチ操作開始前の座標から移動させない(ステップS4)。ここでタッチ開始座標から一定以上の座標変化がない(ほぼ動いていない)ままタッチ操作が終了した場合(ステップS5:YESかつステップS7:YES)、すなわちタップ操作が行われると、タッチ操作開始前の座標で表示オブジェクト113Cの位置指定が完了する。つまり、ステップS4→S5→S7の流れでは、図3Cの画面(a)に例示した状態のまま終了する。
【0037】
一方、タッチ開始座標から一定以上の座標変化があった場合(ステップS5:NO)、すなわちドラッグ操作が行われると、連続的なタッチ座標の時系列変化(軌跡)に基づいて表示オブジェクト113Cをタッチ操作開始前の座標を起点として移動可能領域113B内で相対移動させ(ステップS6)、タッチ操作終了(ステップS8:YES)の時点で表示オブジェクト113Cを表示している座標で位置指定が完了する。つまり、ステップS4→S5→S6→S8の流れでは、図3Cの画面(a)→(b)に例示した移動パターンになる。
【0038】
上記のフローチャートのうち、ステップS3→S5→S7の流れと、ステップS4→S5→S7の流れでは、操作判定部12により、タッチ検出部11のタッチ操作の検出結果に基づいて画面表示LCD113への入力操作がタップ操作と判定される処理(判定ステップ)と、第1移動制御部13により、タップ操作の座標が移動可能領域113B内のときは表示オブジェクト113Cをその座標へ移動し、移動可能領域113B外のときは表示オブジェクトをその座標へ移動しない処理(第1移動ステップ)とが実施される。
【0039】
一方、上記のフローチャートのうち、ステップS3→S5→S6→S8の流れと、ステップS4→S5→S6→S8の流れでは、操作判定部12により、タッチ検出部11のタッチ操作の検出結果に基づいて画面表示LCD113への入力操作がドラッグ操作と判定される処理(判定ステップ)と、第2移動制御部14により、検出可能領域113A内におけるドラッグ操作の座標変化に基づいて表示オブジェクト113Cを移動可能領域113B内で移動させる処理(第2移動ステップ)が実施される。
【0040】
本実施形態の効果を説明する。従来、デジタルカメラなどの携帯機器においてタッチパネル115のタッチ操作によって表示オブジェクト113Cの移動操作を行う構成では、タッチ操作用の領域は、表示オブジェクト113Cの移動可能領域113Bに制限されていた。このため、タッチ操作がタッチパネル115の検出可能領域113A上で行われても、移動可能領域113B外の場合にはタッチ操作が受け付けられず、表示オブジェクト113Cの移動が停止されるため、表示オブジェクト113Cの移動操作の操作性が低下してしまうという問題があった。
【0041】
これに対して第1実施形態の表示装置10では、ドラッグ操作で表示オブジェクト113Cを相対移動させるときは、移動可能領域113Bよりも広い検出可能領域113Aをタッチ操作用の領域として利用可能としながら、表示オブジェクト113Cは移動可能領域113B内で表示を制限できる。また、タップ操作で表示オブジェクト113Cを絶対的な座標に基づいて移動させるときは、移動可能領域113B内で表示を制限できる。これにより、上記の従来構成の場合の問題を解消でき、表示オブジェクト113Cの移動操作の操作性を向上でき、この結果ユーザのタッチ操作の操作性を向上できる。
【0042】
[第2実施形態]
図6を参照して第2実施形態を説明する。図6は、第2実施形態におけるタッチ操作による表示オブジェクト113Cの移動制御のフローチャートである。
【0043】
図6のフローチャートは、基本的には図5のフローチャートと同様であり、図6のステップS21~S28の各処理は、図5のステップS1~8の各処理と同様である。
【0044】
図5図6の制御フローの差異は、タッチ操作開始の座標が移動可能領域内ではない場合(ステップS21:YESかつステップS22:NO)、以後の動作がタップ操作またはドラッグ操作いずれの場合も無効操作として表示オブジェクト113Cをタッチ操作開始前の座標から変更しない点である(図5のフローでは、タップ操作は無効操作としているが、ドラッグ操作は表示オブジェクトを相対移動させている)。つまり、ステップS24にて、表示オブジェクト113Cをタッチ操作開始前の座標に継続表示(移動しない)処理を実施した後には、タッチ操作終了(ステップS29:YES)の時点で表示オブジェクト113Cをタッチ操作開始前の座標のままで処理を終了する。
【0045】
すなわち、第2実施形態では、第2移動制御部14は、ドラッグ操作の開始座標が移動可能領域113B外のときは表示オブジェクト113Cを移動しない機能も有する。図6のフローチャートでは、ステップS24→S29の流れでは、第1移動制御部13(LCD制御装置112)により、タップ操作の座標が移動可能領域113B外のときは表示オブジェクトをその座標へ移動しない処理と、第2移動制御部14(LCD制御装置112)により、ドラッグ操作の座標が移動可能領域113B外のときは表示オブジェクトをその座標へ移動しない処理とが実施される。
【0046】
[第3実施形態]
図7図9を参照して第3実施形態を説明する。第3実施形態では、上記の第1、第2実施形態の表示オブジェクト113Cの移動制御において、移動可能領域113Bの表示/非表示を制御する。
【0047】
図7は、移動可能領域113Bの表示例を示す図である。図7(a)は移動可能領域113Bの表示無しの画面例であり、(b)、(c)は移動可能領域113Bの表示ありの画面例である。図7(a)~(c)に示すように、表示オブジェクト113C(測距エリア枠)は、移動可能領域113Bの表示の有無に関係なく表示される。移動可能領域113Bの表示は、図7(b)に示すように境界を表示することや、図7(c)に示すように移動可能領域113B外を塗りつぶすなどのパターンがあるが、いずれの場合も表示オブジェクト113Cの表示を阻害しない様態が好ましい。また、図7(c)の移動可能領域113B外を塗りつぶす場合、透過色を用いて被写体像の全体の確認を阻害しない様態が好ましい。
【0048】
図8は、第3実施形態に係る表示装置10の機能ブロック図である。第3実施形態では、上記のような移動可能領域113Bのこのような要求を満たすべくタッチ操作中に移動可能領域113Bの表示/非表示を制御する。本実施形態の表示装置10は、上記の移動可能領域の表示処理を実現するための機能として、図8に示すようにタッチ検出部11と、操作判定部12と、表示制御部15とを備える。
【0049】
タッチ検出部11、操作判定部12は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0050】
表示制御部15は、移動可能領域113B外で入力操作が行われた場合に移動可能領域113Bを示す表示を行う。一方、移動可能領域113B内で行われた入力操作に応じて、移動可能領域113Bを示す表示を行わないように制御する。より詳細には、移動可能領域113B内でドラッグ操作が行われた場合に移動可能領域113Bを示す表示を行い、移動可能領域113B内で前記タップ操作が行われた場合に移動可能領域113Bを示す表示を行わない。また、入力操作がないときは移動可能領域113Bを示す表示を行わない。
【0051】
表示制御部15は、図1のLCD制御装置112により実現される。
【0052】
図9は、第3実施形態における移動可能領域113Bの表示制御のフローチャートである。
【0053】
ステップS31では、タッチ検出部11がタッチ操作を検出する前、すなわち入力操作が無い状態では、表示制御部15(LCD制御装置112)により、移動可能領域113Bが表示されないように制御される(第2非表示ステップ)。タッチ操作を開始した場合(ステップS32:YES)、タッチした座標が表示オブジェクト113Cの移動可能領域113B内の座標か否かを判定する(ステップS33)。
【0054】
移動可能領域113B外をタッチしたとき(ステップS33:NO)は、表示制御部15により、移動可能領域113Bが表示される(ステップS34:表示ステップ)。移動可能領域113Bの表示パターンは、例えば図7(b)の境界表示や、図7(c)の領域外の塗りつぶし表示などである。
【0055】
一方、移動可能領域113B内をタッチしたとき(ステップS33:YES)は、タッチ開始座標から一定以上の座標変化がない(ほぼ動いていない)ままタッチ操作が終了した場合(ステップS35:YESかつステップS37:YES)、すなわちタップ操作が行われると、移動可能領域113Bは非表示状態のまま(ステップS39:第1非表示ステップ)で本制御フローを終了する。
【0056】
また、タッチ開始座標から一定以上の座標変化があった場合(ステップS35:NO)、すなわちドラッグ操作が行われると、タッチ開始座標が移動可能領域113Bの内外どちらにある場合(ステップS33のYES、NOの両方の場合)でもドラッグ操作中は移動可能領域113Bが表示される(ステップS36)。タッチ操作終了(ステップS38:YES)の時点で、移動可能領域113Bが非表示に切り替えられ(ステップS39)、本制御フローを終了する。
【0057】
第3実施形態では、移動可能領域113B内のタップ操作で絶対的な座標に伴う表示オブジェクト113Cの移動時には移動可能領域113Bを表示せず、移動可能領域113B外を報知する必要性が考えられる操作に限定して移動可能領域113Bを表示することができる。このため、移動可能領域113Bを常時表示させた場合に生じる問題、すなわち表示が煩雑となり被写体の確認にも支障が出るという問題を解消できる。これにより、タッチパネル操作による測距エリア指定における操作性を向上でき、ユーザのタッチ操作により表示オブジェクト113Cを移動させる際に表示オブジェクト113Cの移動可能領域113Bを好適に報知できる。
【0058】
また、第3実施形態の移動可能領域113Bの表示制御は、第1、第2実施形態のタッチ操作による表示オブジェクト113Cの移動制御と併用することにより、ユーザのタッチ操作の操作性がより向上する。
【0059】
[第4実施形態]
図10を参照して第4実施形態を説明する。図10は、第4実施形態における移動可能領域113Bの表示制御のフローチャートである。図10のフローチャートは、基本的には第3実施形態の図9のフローチャートと同様であり、図10のステップS41~S45、S49、S51の各処理は、図9のステップS31~S35、S37、S39の各処理と同様である。
【0060】
図10のフローチャートでは、表示制御部15により、ドラッグ操作中は、タッチ座標が移動可能領域113B外のとき(ステップS46:NO)は移動可能領域113Bが表示され(ステップS48)、タッチ座標が移動可能領域113B内のとき(ステップS46:YES)は移動可能領域113Bが表示されない(ステップS47)。
【0061】
第4実施形態では、第3実施形態の表示制御に加えて、移動可能領域113B外で開始されたドラッグ操作が移動可能領域113B内に進入した場合には、移動可能領域113Bが非表示に切り替えられる。これにより、より高精度に、移動可能領域113B外を報知する必要性が考えられる操作に限定して移動可能領域113Bを表示することができる。
【0062】
[第5実施形態]
図11図12を参照して第5実施形態を説明する。図11は、第5実施形態に係る表示装置10の機能ブロック図である。第5実施形態では、ユーザが操作部材102を用いて表示オブジェクト113Cを移動操作する。この場合、タッチ操作のように移動可能領域113B外を直接ポイントすることはないので、移動可能領域113Bの表示制御は、第3、第4実施形態のタッチ操作時の表示制御(図7図8)と異なるものとなる。
【0063】
第5実施形態では、操作部材102によって入力された、表示オブジェクト113Cの移動指示に応じて、移動可能領域113Bを示す表示を行う。本実施形態の表示装置10は、上記の移動可能領域の表示処理を実現するための機能として、図10に示すように操作検出部16と、表示制御部17とを備える。
【0064】
操作検出部16は、操作部材102によって入力された、表示オブジェクト113Cの移動指示を検出する。ここで操作部材102は、例えば、十字キーや8方向レバーなどの方向指示に用いられる操作部材である。これらの操作部材は、移動方向指示を保持する操作(十字キーの押し続け操作、8方向レバーの倒し続け操作)ができるものとする。
【0065】
表示制御部17は、操作検出部16により検出された移動指示に基づき、移動可能領域113Bの表示/非表示を制御する。
【0066】
操作検出部16及び表示制御部17は、図1のLCD制御装置112により実現される。
【0067】
図12は、第5実施形態における移動可能領域113Bの表示制御のフローチャートである。操作検出部16により移動操作の入力が検出される前では、表示オブジェクト113Cは移動可能領域113B内に配置されているので、移動可能領域113Bは非表示状態となっている(ステップS61)。そして、ステップS62にて、操作検出部16により、表示オブジェクト113Cの移動操作の開始が検出されると(ステップS62のYES)、表示制御部17により、移動可能領域113Bが表示される(ステップS63)。移動操作の継続中(ステップS64のNO)は、移動可能領域113Bの表示が継続され、移動操作が終了すると(ステップS64のYES)、移動可能領域113Bが非表示に切り替えられて(ステップS65)、本制御フローを終了する。
【0068】
つまり第5実施形態では、移動方向指示を保持する操作中に移動可能領域を表示し、移動指示操作を行っていないときは移動可能領域を表示しない。第5実施形態では、移動可能領域113Bの表示を移動操作中に限定するので、移動可能領域113Bを常時表示させると表示が煩雑となり被写体の確認にも支障が出るという問題を解消できる。
【0069】
[第6実施形態]
図13を参照して第6実施形態を説明する。図13は、第6実施形態における移動可能領域113Bの表示制御のフローチャートである。
【0070】
第6実施形態では、操作部材102によって入力された移動指示に応じて表示オブジェクト113Cが移動する位置が、移動可能領域113Bの境界と接する位置の場合、移動可能領域113Bを示す表示を行う。また、表示オブジェクト113Cが、移動可能領域113Bの境界と接していない位置である場合、移動指示に応じて移動可能領域113Bを示す表示を行わない。
【0071】
図13のステップS71、S72、S76、S77の各処理は、図12のステップS61、S62、S64、S65と同様である。
【0072】
図13のフローチャートでは、操作検出部16により、移動操作の開始が検出されると(ステップS72のYES)、ステップS73にて表示制御部17により、表示オブジェクト113Cが移動可能領域113Bの外縁の境界部分と接するか否かが判定される。そして、移動方向指示を保持する操作中に、表示オブジェクト113Cが移動可能領域113Bの境界と接するとき(ステップS73のYES)には、表示制御部17により、移動可能領域113Bが表示に切り替えられる(ステップS74)。一方、移動方向指示を保持する操作中であっても表示オブジェクト113Cが移動可能領域の境界に接していないとき(ステップS73のNO)には、表示制御部17により、移動可能領域113Bは非表示のまま維持される(ステップS75)。
【0073】
第6実施形態では、操作前の状態では移動可能領域113Bを表示せず、表示オブジェクト113Cが移動可能領域113Bの境界と接する状態となって移動可能領域113B外に出そうな旨を報知する必要性が高い操作に限定して、移動可能領域を表示することができる。このため、移動可能領域を常時表示させると表示が煩雑となり被写体の確認にも支障が出るという問題を解消できる。
【0074】
[第7実施形態]
図14を参照して第7実施形態を説明する。図14は、第7実施形態における移動可能領域113Bの表示制御のフローチャートである。
【0075】
第7実施形態では、操作部材102によって入力された移動指示に応じて表示オブジェクト113Cが移動できる場合、移動指示に応じて移動可能領域113Bを示す表示を行わない。
【0076】
図14のステップS81、S82、S86、S87の各処理は、図13のステップS71、S72、S76、S77と同様である。
【0077】
図14のフローチャートでは、操作検出部16により、移動操作の開始が検出されると(ステップS82のYES)、ステップS83にて表示制御部17により、指示方向に表示オブジェクト113Cが移動できるか否かが判定される。そして、移動方向指示を保持する操作中に、表示オブジェクト113Cが指示した方向に移動できないとき(ステップS83のNO)には、表示制御部17により、移動可能領域113Bが表示に切り替えられる(ステップS85)。一方、移動方向指示を保持する操作中であっても表示オブジェクト113Cが指示した方向に移動できるとき(ステップS83のYES)には、表示制御部17により、移動可能領域113Bは非表示のまま維持される(ステップS84)。
【0078】
第7実施形態では、操作前の状態では移動可能領域113Bを表示せず、表示オブジェクト113Cが指示方向に移動できない状態となって、移動可能領域113B外を報知する必要性が高い操作に限定して、移動可能領域113Bを表示することができる。このため、移動可能領域113Bを常時表示させると表示が煩雑となり被写体の確認にも支障が出るという問題を解消できる。
【0079】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0080】
10 表示装置
20 指示体
100 デジタルカメラ(撮像装置)
102 操作部材
112 LCD制御装置(制御部)
113 画像表示LCD(表示部)
113A 検出可能領域(第1の領域)
113B 移動可能領域(第2の領域)
113C 表示オブジェクト
114 タッチパネル制御装置(判定部)
115 タッチパネル(検出部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【文献】特許第5373229号公報
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14