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  • 特許-信号伝送システム及び信号伝送方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】信号伝送システム及び信号伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20221109BHJP
   H04M 17/00 20060101ALI20221109BHJP
   H04W 4/24 20090101ALI20221109BHJP
   H04W 84/14 20090101ALI20221109BHJP
【FI】
H04M15/00 B
H04M17/00 Z
H04W4/24
H04W84/14
H04M15/00 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019138947
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021022864
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 博幸
(72)【発明者】
【氏名】徳安 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】福園 隼人
(72)【発明者】
【氏名】小野 優
(72)【発明者】
【氏名】立田 努
(72)【発明者】
【氏名】中山 智裕
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-278452(JP,A)
【文献】特開2001-16624(JP,A)
【文献】特開昭61-48268(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0081645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 15/00-17/00
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号に対して課金信号が重畳されたアナログ信号を送信装置から受信装置へ伝送する信号伝送システムにおいて、
前記送信装置は、
前記アナログ信号から音声信号を分離する分離部と、
前記分離部が分離した音声信号をAD変換するAD変換部と、
前記アナログ信号から課金信号を検出する検出部と、
前記検出部が検出した課金信号を符号化する符号化部と、
前記AD変換部がAD変換した音声信号、及び前記符号化部が符号化した課金信号を前記受信装置に対して送信する送信部と
を有し、
前記受信装置は、
前記送信部が送信した音声信号及び課金信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した音声信号をDA変換するDA変換部と、
前記受信部が受信した課金信号を復号する復号部と、
前記復号部が復号した課金信号をアナログ波に変換する変換部と、
前記DA変換部がDA変換した音声信号、及び前記アナログ波を合成する合成部と
を有することを特徴とする信号伝送システム。
【請求項2】
前記検出部は、
前記アナログ信号が含む複数の異なる電位、及び電位の変化タイミングを検出することにより、課金信号を検出すること
を特徴とする請求項1に記載の信号伝送システム。
【請求項3】
前記符号化部は、
前記検出部が検出した電位の変化タイミングにおけるレベル及びアップダウンの少なくともいずれかを示すように、前記検出部が検出した課金信号を符号化すること
を特徴とする請求項2に記載の信号伝送システム。
【請求項4】
前記変換部は、
予め定められている課金信号規格を参照する波形の正規化をともなって、前記復号部が復号した課金信号を前記アナログ波に変換すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の信号伝送システム。
【請求項5】
音声信号に対して課金信号が重畳されたアナログ信号を送信装置から受信装置へ伝送する信号伝送方法において、
前記アナログ信号から音声信号を分離する分離工程と、
分離した音声信号をAD変換するAD変換工程と、
前記アナログ信号から課金信号を検出する検出工程と、
検出した課金信号を符号化する符号化工程と、
AD変換した音声信号、及び符号化した課金信号を前記受信装置に対して送信する送信工程と、
送信した音声信号及び課金信号を受信する受信工程と、
受信した音声信号をDA変換するDA変換工程と、
受信した課金信号を復号する復号工程と、
復号した課金信号をアナログ波に変換する変換工程と、
DA変換した音声信号及び前記アナログ波を合成する合成工程と
を含むことを特徴とする信号伝送方法。
【請求項6】
前記検出工程は、
前記アナログ信号が含む複数の異なる電位、及び電位の変化タイミングを検出することにより、課金信号を検出すること
を特徴とする請求項5に記載の信号伝送方法。
【請求項7】
前記符号化工程は、
検出した電位の変化タイミングにおけるレベル及びアップダウンの少なくともいずれかを示すように、検出した課金信号を符号化すること
を特徴とする請求項6に記載の信号伝送方法。
【請求項8】
前記変換工程は、
予め定められている課金信号規格を参照する波形の正規化をともなって、復号した課金信号を前記アナログ波に変換すること
を特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の信号伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号伝送システム及び信号伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加入者系の信号伝送システムには、例えば課金をともなう公衆電話装置を収容する加入者局に対して、交換局からアナログ信号である音声信号に重畳された課金信号を伝送するものがある。また、交換局などに接続された基地局が、加入者局との間で無線デジタル通信を行う信号伝送システムとして、固定無線アクセスシステム(FWA:Fixed Wireless Access)がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、公衆電話交換網に接続される交換機、該交換機に接続される基地局、該基地局との間で無線通信を行う加入者局、該加入者局に接続される電話機を備えて構成され、加入者局が受信した音声信号と課金信号とを別経路にて送出する無線公衆電話システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、投入した硬貨及びカードの種別や数量を計数し、収納硬貨情報として、加入者局装置へ伝達する機能を有する公衆端末と、公衆端末からの収納硬貨情報を発信後に、基地局装置に伝達する機能を有する加入者局装置と、加入者局装置からの収納硬貨情報を基に、上位装置からの硬貨収納信号に対して、適切な課金信号を再生する機能を有する基地局装置とを備えた課金信号伝送システムが開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、無線公衆電話装置を、無線基地局と無線通信し交換機から送出される原課金信号に固有の送出時間や周波数などの課金信号パターンを保持して返答メッセージを返送するとともに課金信号パターンに基づき二次課金信号を生成して公衆電話機に送出する無線端末を含むWLL(Wireless Local Loop)システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-128952号公報
【文献】特開2003-069745号公報
【文献】特開2002-247242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アナログ信号である音声信号をデジタル化するためには、例えばPCM(Pulse Code Modulation)などが一般的に用いられる。また、課金信号は、通話中の音声信号に重畳された電圧転極によって伝送されるアナログ的な信号である。
【0008】
例えば、課金信号を重畳された音声信号を一括してデジタル化するためには、全ての信号レベルを含む大きなダイナミックレンジのAD変換器が必要になる。また、デジタル化した信号を再生するためにも、ダイナミックレンジの大きなDA変換器が必要になる。
【0009】
課金をともなう上述の信号伝送システムにおいて、音声信号の音質を保ったままでPCMにおけるダイナミックレンジを大きくとった場合、高性能なAD変換器の利用によるコストの上昇、及び必要ビット数の増加による通信帯域の圧迫などが課題となる。
【0010】
このとき、音声圧縮技術を利用してビットレートを低減する方法もあるが、処理遅延の増加、演算コストの上昇などが課題となる。また、音声とは違う信号を音声用コーデックに入力してしまうと、音質が悪化してしまうことが考えられる。
【0011】
また、一般的に高圧縮の音声コーデックを利用すると、処理遅延が大きくなる傾向がある。そして、音声以外の信号である課金信号に対して音声信号と同じ処理を行うと、課金信号の遅延やジッタが大きくなってしまうという問題があった。
【0012】
本発明は、音声信号とともに課金信号を効率的に伝送することができる信号伝送システム及び信号伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様にかかる信号伝送システムは、音声信号に対して課金信号が重畳されたアナログ信号を送信装置から受信装置へ伝送する信号伝送システムにおいて、前記送信装置が、前記アナログ信号から音声信号を分離する分離部と、前記分離部が分離した音声信号をAD変換するAD変換部と、前記アナログ信号から課金信号を検出する検出部と、前記検出部が検出した課金信号を符号化する符号化部と、前記AD変換部がAD変換した音声信号、及び前記符号化部が符号化した課金信号を前記受信装置に対して送信する送信部とを有し、前記受信装置が、前記送信部が送信した音声信号及び課金信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した音声信号をDA変換するDA変換部と、前記受信部が受信した課金信号を復号する復号部と、前記復号部が復号した課金信号をアナログ波に変換する変換部と、前記DA変換部がDA変換した音声信号、及び前記アナログ波を合成する合成部とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様にかかる信号伝送方法は、音声信号に対して課金信号が重畳されたアナログ信号を送信装置から受信装置へ伝送する信号伝送方法において、前記アナログ信号から音声信号を分離する分離工程と、分離した音声信号をAD変換するAD変換工程と、前記アナログ信号から課金信号を検出する検出工程と、検出した課金信号を符号化する符号化工程と、AD変換した音声信号、及び符号化した課金信号を前記受信装置に対して送信する送信工程と、送信した音声信号及び課金信号を受信する受信工程と、受信した音声信号をDA変換するDA変換工程と、受信した課金信号を復号する復号工程と、復号した課金信号をアナログ波に変換する変換工程と、DA変換した音声信号及び前記アナログ波を合成する合成工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、音声信号とともに課金信号を効率的に伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態にかかる信号伝送システムの構成の概要を例示する図である。
図2】基地局の構成例を示す図である。
図3】基地局が行う信号処理を模式的に示す図である。
図4】加入者局の構成例を示す図である。
図5】加入者局が行う信号処理を模式的に示す図である。
図6】比較例の信号伝送システムにおける送信装置が送信するアナログ信号と、受信装置が再生したアナログ信号とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を用いて信号伝送システムの一実施形態を説明する。図1は、一実施形態にかかる信号伝送システム1の構成の概要を例示する図である。
【0018】
図1に示すように、信号伝送システム1は、例えばアナログ電話回線を用いた交換局(中継交換機)2に接続された基地局3が、無線伝送路4を介して加入者局(加入者線交換機)5に接続された固定無線アクセスシステムである。無線伝送路4は、デジタル信号を伝送する狭帯域の無線伝送路であるが、有線の伝送路に替えられてもよい。加入者局5は、アナログ電話回線を介して公衆電話端末6を収容している。
【0019】
そして、信号伝送システム1は、公衆電話端末6と図示しない他の電話機(受信側端末)との間の音声通信(通話)を可能にしている。例えば、信号伝送システム1は、公衆電話端末6が発信側端末として他の電話機に対して発信を行った場合、他の電話機からの応答を公衆電話端末6に対して送信する全二重の音声通信を実現する。
【0020】
ここでは、発信側端末に課金される場合を例に説明する。具体的には、交換局2は、受信側端末からのアナログ信号である音声信号(応答信号)と、当該音声信号に重畳された課金信号とを基地局3に対して出力する。
【0021】
基地局3は、課金信号を重畳された音声信号をデジタル信号に変換し、無線伝送路4を介して加入者局5へ送信する。加入者局5は、基地局3から受信したデジタル信号からアナログ信号である音声信号と課金信号とを再生し、公衆電話端末6に対して出力する。
【0022】
以下、課金信号を重畳された音声信号の伝送に着目して、基地局3を送信装置とし、加入者局5を受信装置とする信号伝送について説明する。
【0023】
図2は、基地局3の構成例を示す図である。図3は、基地局3が行う信号処理を模式的に示す図である。図2に示すように、基地局3は、分離部30、AD変換部32、検出部34、符号化部36及び送信部38を有する。
【0024】
分離部30は、交換局2から入力されるアナログ信号から音声信号を分離し、分離した音声信号をAD変換部32に対して出力する。交換局2から入力されるアナログ信号は、図3に示したように、音声信号に対して課金信号が重畳されている。なお、交換局2から入力されるアナログ信号には、若干の波形歪が含まれている。
【0025】
音声信号は、図3に示したレンジAの範囲内で振幅して時間的に連続変化するアナログ信号である。課金信号は、ノーマル状態、オフ(0電位)、レバース状態の3つの電圧レベルを示すようにレンジBの範囲内で極性反転する転極パルス(タイミング情報)を含む信号である。つまり、分離部30は、レンジBよりも狭く、音声信号のAD変換に必要十分なレンジAの範囲内で振幅する音声信号をAD変換部32に対して出力する。
【0026】
AD変換部32は、レンジAの範囲内で振幅する音声信号をAD変換し、送信部38に対して出力する。つまり、AD変換部32は、レンジBのダイナミックレンジを必要とせず、レンジAのダイナミックレンジでAD変換をすることができればよい。
【0027】
検出部34は、電位検出部340及びタイミング検出部342を有し、交換局2から入力されるアナログ信号から課金信号を検出し、符号化部36に対して出力する。具体的には、電位検出部340は、交換局2から入力されるアナログ信号から、図3に示したノーマル、オフ、レバースの3つの電位を検出する。タイミング検出部342は、例えば図3に示した電位の変化タイミングa,b,c,dなどを検出する。
【0028】
符号化部36は、検出部34が検出した課金信号のノーマル、オフ、レバースの3つの電位、及び電位の変化タイミングa,b,c,dなどを符号化し、送信部38に対して出力する。
【0029】
課金信号には、予め定められた規格パターンが有る。そのため、課金信号の波形を音声信号と同じ粒度で伝送する必要はなく、粗いタイミングであっても受信装置側において正確に再生成することが可能である。
【0030】
例えば、符号化部36は、ノーマル、オフ、レバースの3つの電位のレベルを、アップダウン符号などを用いて符号化してもよいし、耐エラー性を向上させるために3つの電位のレベル状態符号を生成してもよい。
【0031】
送信部38は、AD変換部32がAD変換したデジタルの音声信号と、符号化部36が符号化した課金信号を、例えばデジタル信号の電波として、無線伝送路4を介して加入者局5へ送信する。なお、送信部38は、音声信号と課金信号を個別に送信してもよいし、音声信号と課金信号を共通のストリームによってまとめて送信してもよい。
【0032】
なお、基地局3は、分離部30が音声信号と課金信号を分離し、分離部30が分離した課金信号に対して検出部34が検出を行うように構成されてもよい。
【0033】
図4は、加入者局5の構成例を示す図である。図5は、加入者局5が行う信号処理を模式的に示す図である。図4に示すように、加入者局5は、受信部50、DA変換部52、復号部54、変換部56、及び合成部58を有する。
【0034】
受信部50は、基地局3が無線伝送路4を介して送信した音声信号及び課金信号を受信し、DA変換部52及び復号部54に対して出力する。受信部50は、音声信号をDA変換部52に対して出力し、課金信号を復号部54に対して出力する機能を備えていてもよい。
【0035】
DA変換部52は、受信部50から入力された音声信号をDA変換し、合成部58に対して出力する。ここで、DA変換部52は、上述したレンジBよりも狭いレンジAの範囲内で音声信号をDA変換することができる。
【0036】
復号部54は、受信部50から入力された課金信号を復号し、変換部56に対して出力する。
【0037】
変換部56は、比較制御部560及び生成部562を有し、復号部54が復号した課金信号をアナログ波に変換して合成部58へ出力する。具体的には、比較制御部560は、復号部54が復号した課金信号と、図5に示したように予め定められている課金信号規格とを比較参照し、課金信号の波形を正規化するように制御を行う。生成部562は、比較制御部560の制御に応じて正規化した課金信号を生成する。
【0038】
合成部58は、DA変換部52がDA変換した音声信号、及び変換部56が変換したアナログ波を合成し、アナログ電話回線を介して公衆電話端末6に合成結果を出力する。つまり、合成部58は、変換部56が正規化した課金信号を生成しているので、波形歪を補正した信号(課金信号を重畳された音声信号)を再生することができる。
【0039】
次に、信号伝送システムの比較例について説明する。比較例の信号伝送システムは、課金信号を重畳された音声信号(アナログ信号)を送信装置がそのまま一括してAD変換してデジタル伝送し、受信装置が伝送信号をDA変換してアナログ信号を再生するものとする。
【0040】
図6は、比較例の信号伝送システムにおいて、送信装置が送信するアナログ信号(AD変換前)と、デジタル信号に変換されて伝送された信号を受信装置が受信後に再生したアナログ信号(DA変換後)とを示す図である。
【0041】
図6に示すように、比較例の信号伝送システムにおいて、送信装置は、音声信号のAD変換に必要十分なレンジAよりも広いレンジBのダイナミックレンジでAD変換を行うことができるAD変換器が必要である。また、AD変換器は、音声信号用のサンプリング周期を全ての信号に対して適用することとなる。
【0042】
また、比較例の信号伝送システムにおいて、受信装置は、音声信号のDA変換に必要十分なレンジAよりも広いレンジBのダイナミックレンジでDA変換を行うことができるDA変換器が必要である。
【0043】
この場合、比較例の信号伝送システムは、送信装置がレンジBのダイナミックレンジでAD変換したデータを全て受信装置へ伝送する。よって、上述した信号伝送システム1よりも多くのデータを伝送することとなり、無線伝送路4よりも大きな伝送帯域が必要となる。
【0044】
また、受信装置が再生するアナログ信号は、送信装置が送信した原信号をそのまま再生することとなり、波形歪もそのまま再生される。
【0045】
このように、上述した信号伝送システム1は、PCMにおけるダイナミックレンジを小さくすることができるので、装置コストを低減することができる。また、信号伝送システム1は、全体的な伝送に必要なビットレートを削減することができ、伝送路が狭帯域であっても効率的に信号を伝送することができる。
【0046】
また、信号伝送システム1は、課金信号を送信する交換機などよりも公衆電話端末6に近い位置にある加入者局5が課金信号を生成するので、交換機などから送信される課金信号がそのまま伝送されるよりも正確な課金動作が可能である。
【0047】
また、信号伝送システム1は、音声処理のためのフレーム化タイミングに左右されない正しいタイミングでの課金信号の伝送が可能であるため、課金信号の正確な伝送をすることができる。
【0048】
さらに、信号伝送システム1は、課金信号を音声信号から分離して伝送するので、送達確認の機能を付加することも可能である。
【0049】
また、従来技術には基地局が課金信号を全て読み込んだ後に符号化して送信するものがあるが、この場合には原理的に課金符号長分の遅延が避けられない。これに対し、信号伝送システム1は、全ての課金信号を読み込むことなく順次に伝送することができるので、信号伝送の遅延を低減することができる。
【0050】
すなわち、上述した信号伝送システム1は、音声信号に対して課金信号が重畳されたアナログ信号から音声信号を分離した後にAD変換して伝送するので、音声信号とともに課金信号を効率的に伝送することができる。
【0051】
また、信号伝送システム1は、公衆電話端末6を既存の構成から変更する必要がなく、無線伝送路4と同じ距離をメタル線で伝送する場合よりも正確に課金処理することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
1・・・信号伝送システム、2・・・交換局、3・・・基地局、4・・・無線伝送路、5・・・加入者局、6・・・公衆電話端末、30・・・分離部、32・・・AD変換部、34・・・検出部、36・・・符号化部、38・・・送信部、50・・・受信部、52・・・DA変換部、54・・・復号部、56・・・変換部、58・・・合成部、340・・・電位検出部、342・・・タイミング検出部、560・・・比較制御部、562・・・生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6