(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法、および、表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20221109BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20221109BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20221109BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/0481
G06Q10/06 300
(21)【出願番号】P 2021529639
(86)(22)【出願日】2019-07-03
(86)【国際出願番号】 JP2019026540
(87)【国際公開番号】W WO2021001973
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 佐也香
(72)【発明者】
【氏名】土川 公雄
(72)【発明者】
【氏名】横瀬 史拓
(72)【発明者】
【氏名】増田 健
(72)【発明者】
【氏名】卜部 有記
【審査官】萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0293154(US,A1)
【文献】八木 佐也香 他3名,業務実態把握を目的とした複数ウィンドウ併用状況の可視化手法の検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2018年11月08日,pp.27-32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048 - 3/0488
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末画面上における表示オブジェクトの階層構造の設定情報および前記表示オブジェクトの属するグループの設定情報を示した表示設定情報と、画面上の操作対象と操作内容との組み合わせごとに、当該操作対象と操作内容との組み合わせである操作イベントの示す、前記階層構造またはグループに関する設定内容を示す動作設定情報と、前記表示オブジェクトそれぞれの画面上での配置位置を示す表示状態情報とを記憶する記憶部と、
前記画面上の表示オブジェクトに対する操作イベントを受け付けると、前記表示状態情報および前記動作設定情報を参照して、前記操作イベントの示す、前記階層構造または前記グループに関する設定内容を特定する動作管理部と、
前記特定された設定内容に基づき、前記表示設定情報における前記階層構造の設定情報または前記グループの設定情報を変更し、変更後の前記表示設定情報に基づき、前記表示オブジェクトの階層構造または前記表示オブジェクトの属するグループを変更した前記表示状態情報を生成する生成部と、
前記生成された表示状態情報に基づく画面表示を行う可視化部と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示オブジェクトは、タイムラインを構成する行オブジェクトである
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記特定された設定内容が、前記階層構造を変更するものである場合、変更後の前記表示設定情報に基づき、前記表示状態情報を再度生成し、前記特定された設定内容が、前記グループの設定情報を変更するものである場合、前記変更後の表示設定情報に基づき、前記表示状態情報を変更する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記階層構造の設定内容は、
前記階層の入れ替え、追加、削除、展開および縮約の少なくともいずれか
であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記グループに関する設定内容は、
前記グループの作成、削除、変更、既存のグループからの離脱および別グループへの移動の少なくともいずれか
であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項6】
表示制御装置により実行される表示制御方法であって、
前記表示制御装置は、端末画面上における表示オブジェクトの階層構造の設定情報および前記表示オブジェクトの属するグループの設定情報を示した表示設定情報と、画面上の操作対象と操作内容との組み合わせごとに、当該操作対象と操作内容との組み合わせである操作イベントの示す、前記階層構造またはグループに関する設定内容を示す動作設定情報と、前記表示オブジェクトそれぞれの画面上での配置位置を示す表示状態情報とを記憶する記憶部を備え、
前記画面上の表示オブジェクトに対する操作イベントを受け付けると、前記表示状態情報および前記動作設定情報を参照して、前記操作イベントの示す、前記階層構造または前記グループに関する設定内容を特定する工程と、
前記特定した設定内容に基づき、前記表示設定情報における前記階層構造の設定情報または前記グループの設定情報を変更し、変更後の前記表示設定情報に基づき、前記表示オブジェクトの階層構造または前記表示オブジェクトの属するグループを変更した前記表示状態情報を生成する工程と、
前記生成された表示状態情報に基づく画面表示を行う工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
コンピュータにより実行される表示制御プログラムであって、
前記コンピュータは、端末画面上における表示オブジェクトの階層構造の設定情報および前記表示オブジェクトの属するグループの設定情報を示した表示設定情報と、画面上の操作対象と操作内容との組み合わせごとに、当該操作対象と操作内容との組み合わせである操作イベントの示す、前記階層構造またはグループに関する設定内容を示す動作設定情報と、前記表示オブジェクトそれぞれの画面上での配置位置を示す表示状態情報とを記憶する記憶部を備え、
前記画面上の表示オブジェクトに対する操作イベントを受け付けると、前記表示状態情報および前記動作設定情報を参照して、前記操作イベントの示す、前記階層構造または前記グループに関する設定内容を特定するステップと、
前記特定した設定内容に基づき、前記表示設定情報における前記階層構造の設定情報または前記グループの設定情報を変更し、変更後の前記表示設定情報に基づき、前記表示オブジェクトの階層構造または前記表示オブジェクトの属するグループを変更した前記表示状態情報を生成するステップと、
前記生成された表示状態情報に基づく画面表示を行うステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御方法、および、表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業の業務改善活動は、「業務実態の把握」、「問題点の分析」、「改善策の検討」、「改善策の実行・評価」というサイクルで行われることが一般的である。このうち、「業務実態の把握」のステップにおいて、多くの現場で採用されている、人手によるヒアリング、観察・時間計測等によるアナログな業務分析手法が用いられることがある。このような業務分析手法が用いられると、稼働がかかることに加え、一部の作業者の主観に偏る場合があるため、分析結果が属人的であったり、データの網羅性に欠けたりする等の課題がある。上記の課題に対し、端末の操作ログを取得し可視化することで、属人性を排除して、より効率的かつ網羅的、細粒度で業務実態を把握することが可能になる。ここで、操作ログとして取得可能なデータ項目として、例えば、ユーザ名、端末名、アプリケーション名、ウィンドウタイトル、URL/ファイルパス、ウィンドウハンドルなどが考えられる。
【0003】
これらの情報を用いた可視化方法として、例えば、画面上のx軸方向に時刻軸をとり、y軸方向にデータを構成する要素を配置し、y軸上の行に相当する各要素の出現する時間帯を横長の矩形で表示するタイムラインが一般的に知られている。タイムラインを業務分析に適用する場合、例えば、ユーザにより操作されたアプリケーション名やウィンドウタイトルを要素とすることで、端末上のウィンドウの利用状況を分析することが可能である(非特許文献2参照)。
【0004】
ここで、多くの要素が含まれる場合にも必要な情報を一覧化し、分析者が上記の要素間の関連性を把握しやすくするため、意味のある単位で要素をグルーピングする技術が提案されている。既存のグルーピング技術として、例えばデータ項目などの同一の単位で要素を階層化するアプローチ(非特許文献1参照)と、データ項目をキーとしたルールをもとに、任意の単位でのグループを作成するアプローチ(非特許文献2参照)が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】M. Weber et al., Folding Methods for Event Timelines in Performance Analysis, In 2015 IEEE International Parallel and Distributed Processing Symposium Workshop, pp. 205-214, May 2015.
【文献】八木 佐也香他,業務実態把握を目的とした複数ウィンドウ併用状況の可視化手法の検討, 信学技報, vol. 118, no. 303, ICM2018-29, pp. 27-32, 2018年11月.
【文献】中島一, 増田健, 高橋郁也, 業務アプリケーション操作可視化のためのハイブリッドなGUI状態の取得方式の提案(情報通信マネジメント), 電子情報通信学会技術研究報告: 信学技報, vol.111,no. 279, pp. 49-54, 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、ログに含まれるデータ項目をもとにした画一的なグルーピング方法が採用されているため、分析者はあらかじめグルーピングすべき単位を定めておく必要があり、分析観点が未知の場合に適用するのは困難である。例えば、上記の各要素を階層化する技術は、分析目的に応じて各要素の階層関係を柔軟に変更できなかった。また、上記の任意の単位でのグループを作成する技術は、設定を記述するためには、グルーピングのキーとすべきデータ項目を定めておく必要があった。グルーピングの観点が未知である場合には、例えば、ログ上の特徴にもとづいて、グルーピングを行うことが有効である。ログ上の特徴にもとづいて、グルーピングを行うこととは、具体的には、タイムライン上に占める時間が長い要素を注目すべき要素群、あるいは短時間しか出現しない要素を些末な要素群としてグルーピングする、あるいは、ある作業中に利用するシステム名を含む要素に着目し、タイムライン上で当該要素と近接した時間に出現する要素群を同一の作業としてグルーピングする、などが該当する。
【0007】
また、業務分析において、分析者の立場や分析のフェーズにより、分析の目的やそれに伴うグルーピングの観点が変更される場合もある。例えば、ユーザごとの稼働の把握という目的に対しては、まずユーザごとに日あるいは週、月という単位で要素を階層化することが有効である。一方で、顧客ごとの処理の流れを分析するという目的に対しては、まず顧客の識別情報(顧客ID等)という単位で階層化することが有効である。しかし従来の技術は、タイムライン上で試行錯誤的に階層を切り替え、関連のある要素をグルーピングしながら多様な要因により発生する業務上の問題箇所を探索するような使い方には適用できない。その結果、分析者が、タイムラインを用いた業務分析を行いにくいという問題があった。そこで、本発明は、前記した問題を解決し、分析者が、業務分析を行いやすくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するため、本発明は、端末画面上における表示オブジェクトの階層構造の設定情報および前記表示オブジェクトの属するグループの設定情報を示した表示設定情報と、画面上の操作対象と操作内容との組み合わせごとに、当該操作対象と操作内容との組み合わせである操作イベントの示す、前記階層構造またはグループに関する設定内容を示す動作設定情報と、前記表示オブジェクトそれぞれの画面上での配置位置を示す表示状態情報とを記憶する記憶部と、前記画面上の表示オブジェクトに対する操作イベントを受け付けると、前記表示状態情報および前記動作設定情報を参照して、前記操作イベントの示す、前記階層構造または前記グループに関する設定内容を特定する動作管理部と、前記特定された設定内容に基づき、前記表示設定情報における前記階層構造の設定情報または前記グループの設定情報を変更し、変更後の前記表示設定情報に基づき、前記表示オブジェクトの階層構造または前記表示オブジェクトの属するグループを変更した前記表示状態情報を生成する生成部と、前記生成された表示状態情報に基づく画面表示を行う可視化部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分析者は、例えば、タイムライン上で試行錯誤的に階層を切り替え,関連のある要素をグルーピングしながら多様な要因により発生する業務上の問題箇所を探索できる。その結果、分析者が、業務分析を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、表示制御装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1の動作管理部の処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図1の表示加工部の処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図1の動作設定情報の例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、操作ログと行オブジェクトの例を示す図である。
【
図6】
図6は、階層の入れ替えの画面例を示す図である。
【
図7】
図7は、階層の追加および削除の画面例を示す図である。
【
図8】
図8は、階層の展開および縮約の画面例を示す図である。
【
図9】
図9は、階層設定の画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、行オブジェクトの属するグループの設定の画面例を示す図である。
【
図11】
図11は、行オブジェクトの属するグループの削除の画面例を示す図である。
【
図12】
図12は、行オブジェクトの属するグループ名の変更の画面例を示す図である。
【
図13】
図13は、行オブジェクトの属するグループの変更の画面例を示す図である。
【
図14】
図14は、行オブジェクトの属するグループから離脱するときの画面例を示す図である。
【
図15】
図15は、行オブジェクトの属するグループの変更の画面例を示す図である。
【
図16】
図16は、表示制御プログラムを実行するコンピュータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。また、以下に説明する実施形態において、端末画面上の表示オブジェクトは、タイムラインを構成する行オブジェクトである場合を例に説明するが、これに限定されない。
【0012】
[構成]
図1を用いて、表示制御装置10の構成を説明する。まず、表示制御装置10が用いる操作ログについて説明する。操作ログは、端末情報、ログインユーザ情報、端末画面上におけるユーザの操作対象のアプリケーションに関する情報、操作内容、操作時刻を示した情報である。上記のユーザの操作対象のアプリケーションに関する情報は、例えば、ユーザ名、端末名、アプリケーション名、ウィンドウタイトル、URL/ファイルパス、ウィンドウハンドル等である。
【0013】
なお、表示制御装置10は、これらのデータ項目に加え、ウィンドウ上に表示されているGUI情報を取得する技術(非特許文献3参照)を用いて、顧客ID等の識別情報となる項目の表示内容を取得し、該識別情報を、上記のユーザの操作対象のアプリケーションに関する情報として記録することも可能である。
【0014】
なお、以下の説明において、「階層」とは操作ログ等に示されるユーザの操作内容を構成する要素のうち、同じデータ項目あるいはユーザの設定した単位(例えば、グループや期間)に属する要素をまとめたものである。また、「グループ」は、ユーザの操作内容のうち、任意の要素に着目してまとめたものである。また、「行オブジェクト」は、端末画面上におけるユーザの操作内容ログ中でタイムスタンプ以外のデータ項目が一致するレコードをまとめたオブジェクトである。
【0015】
例えば、操作ログは、
図5の符号501に示すように、端末画面上におけるウィンドウの切り替えイベントが発生したタイミングで、当該ウィンドウにおけるユーザの操作の開始時刻および終了時刻、ユーザ名、操作対象のウィンドウタイトル、当該ウィンドウにおいて用いられているアプリケーション名等を示した情報である。
【0016】
表示制御装置10は、例えば、
図5の操作ログの入力を受け付けると当該操作ログに示される、当該操作のユーザ名、操作対象のウィンドウタイトル、当該ウィンドウにおいて用いられるアプリケーション名と、当該操作の開始時刻から終了時刻までの時間帯とを示すタイムラインの行オブジェクトとを生成し、表示する。このとき、表示制御装置10は、予め設定された各行オブジェクトの階層関係やグループに基づき、各行オブジェクトを階層化したりグループ化したりした表示画面を生成し、表示する(符号502参照)。
【0017】
ここで、表示制御装置10は、ユーザ(分析者)から、例えば、表示画面から各行オブジェクトの階層構造やグループの設定内容の変更を指示する操作入力を受け付けると、これに基づき、表示画面上における行オブジェクトの階層構造を変更したり(
図6参照)、グループの設定内容を変更したり(
図13参照)する。
【0018】
表示制御装置10は、表示加工部(生成部)11と、動作管理部12と、表示状態管理部13と、可視化部14とを備える。表示制御装置10には、例えば、
図1に示すように、ユーザの操作を受け付けるユーザ入力部と、画面を出力する画面出力部とが接続される。
【0019】
表示加工部11は、動作管理部12により特定された行オブジェクトに対する設定内容に基づき、表示設定情報(
図10参照)における行オブジェクトの階層構造の設定情報または行オブジェクトの属するグループの設定情報を変更する。そして、表示加工部11は、変更後の表示設定情報に基づき、行オブジェクトの階層構造または行オブジェクトの属するグループを変更した表示状態情報(
図8参照)を生成する。
【0020】
この表示状態情報は、操作ログの示す操作内容を表す行オブジェクトそれぞれの画面上での配置位置を示す情報であり、例えば、
図8の下部に示すように、ユーザの端末画面の表示状態をJSON等の形式で記述したものである。この表示状態情報は、行オブジェクト全体の階層構造の他、各行オブジェクトについての情報(例えば、当該行オブジェクトのキーであるデータ項目、値、当該行オブジェクトがグループラベルか否か(isGroup:true/false)、当該行オブジェクトがグループ内の要素か否か(inGroup:true/false)、当該行オブジェクトの階層の展開状態(isExpanded:true/false)、当該行オブジェクトの選択状態(selected:true/false)等)を含む。表示加工部11は、表示状態情報を生成すると、当該表示状態情報を可視化部14に送る。
【0021】
また、表示設定情報は、行オブジェクトの階層構造の設定情報および行オブジェクトの属するグループの設定情報を示した情報である。この表示設定情報は、例えば、初期段階では、初期の画面の表示設定を示した表示設定ファイル(
図1参照)に基づき生成される。
【0022】
表示設定情報は、例えば、
図10に示すように、行オブジェクトの属するグループの設定情報であるグループ設定テーブルと、行オブジェクトの階層構造の設定情報である階層設定テーブルとを備える。
【0023】
グループ設定テーブルは、例えば、
図10に示すように、グループ名と、当該グループ名のグループに属するオブジェクトの条件を示した情報である。また、階層設定テーブルは、階層のキーとなるデータ項目ごとに、当該要素の属する階層を示した情報である。例えば、
図10に示す階層設定テーブルは、1層目がデータ、2層目がアプリケーション(ap)、3層目がウィンドウタイトル(title)であることを示す。また、この階層設定テーブルは、
図10に示すように、各階層が一括展開可能か否か(true/false)を示す情報を含んでいてもよい。
【0024】
図1の説明に戻る。動作管理部12は、画面上のオブジェクトに対する操作イベントを受け付けると、表示状態情報および動作設定情報(
図4参照)を参照して、操作イベントの操作対象および操作内容の組み合わせの示す設定内容を特定する。例えば、動作管理部12は、表示状態情報および動作設定情報(
図4参照)を参照して、受け付けた操作イベントの示す設定内容が、階層の入れ替えかグループの変更か等を特定する。この動作設定情報は、オブジェクトに対する操作対象および操作内容の組み合わせごとに、当該操作対象および操作内容の組み合わせの示す設定内容(階層またはグループに関する設定内容)を示した情報である。
【0025】
例えば、
図4に示す動作設定情報は、操作対象と操作内容の組み合わせごとに、当該操作対象と操作内容との組み合わせは、どのような設定内容を示すものかが定義されている。例えば、
図4に示す動作設定情報は、画面上において階層ラベルのオブジェクトを対象にドラッグ&ドロップの操作が行われた場合、当該操作は、選択された階層の入れ替えという設定内容であることを示す。なお、
図4に示す動作設定情報に示される操作対象のオブジェクトは、画面上に表示される階層ラベル、行ラベル(グループ内)またはグループ行ラベル(
図4の符号401参照)、またはそれ以外の任意の行に付与された行ラベルであるが、これら以外のオブジェクトを操作対象としてもよい。
【0026】
なお、動作設定情報に定義される設定内容は、例えば、
図4に示す、階層の入れ替え、追加、削除、展開および縮約、グループ(全体)に対する作成、削除および変更、グループ(個別)に対するグループからの離脱、グループの変更等であるが、これ以外の設定内容が定義されていてもよい。
【0027】
表示状態管理部13は、表示加工部11により生成された表示状態情報を管理する。また、可視化部14は、表示加工部11により生成された表示状態情報に基づいて、タイムラインのy軸上での行オブジェクトの配置を決定し、非特許文献2に記載の方法と同様の方法で矩形の色相や透明度等の属性値を決定した上で、タイムラインを構成するオブジェクト(矩形、ラベル、軸等を含む)を生成し、当該生成結果をディスプレイ等の画面出力部に出力する。
【0028】
なお、前記した表示設定情報、表示状態情報および動作設定情報は、表示制御装置10の備えるメモリやハードディスク等の記憶装置(記憶部)に記憶される。
【0029】
[処理手順]
次に、
図2および
図3を用いて、表示制御装置10が、ユーザから、画面上の行オブジェクトの表示の変更を指示する操作入力を受け付けた場合の処理を説明する。
【0030】
まず、ユーザ入力部が、例えば、マウスやキーボード等により、ユーザから画面上の行オブジェクトの表示の変更を指示する操作入力を受け付けると、動作管理部12は、ユーザ入力部からユーザの操作内容と操作対象のオブジェクトの情報を受け取る(
図2のS1)。次に、動作管理部12は、S1で受け取った情報に基づき、操作対象のオブジェクトの種別が行オブジェクトか階層ラベルかを判定する(S2)。ここで、動作管理部12は、操作対象のオブジェクトの種別が行オブジェクトであると判定した場合(S2で「行オブジェクト」)、表示状態管理部13に表示状態情報を問い合わせる(S3)。
【0031】
S3の後、動作管理部12は、問い合わせの結果得られた、表示状態情報をもとに、操作対象の行オブジェクトを特定する(S4)。例えば、動作管理部12は、表示状態情報の選択状態と展開状態をもとに、選択されている行オブジェクトを特定する。その後、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、設定対象のオブジェクトと設定内容を特定し、表示加工部11に通知する(S5)。一方、S2において動作管理部12が、操作対象のオブジェクトの種別は階層ラベルであると判定した場合(S2で「階層ラベル」)、S5の処理へ進む。
【0032】
ここで、S4の処理について、詳細に説明する。例えば、動作管理部12は、行オブジェクトの階層構造を保存するためのオブジェクトまたは配列(例えば、keyChain)を用意した上で、表示状態情報に含まれる各行オブジェクトを順に探索していき、展開状態かつ非選択状態の行オブジェクトが存在すれば、該行オブジェクトのキーと値を上記のkeyChainに追加する。また、動作管理部12は、上記の各行オブジェクトの探索の結果、非展開状態かつ選択状態の行オブジェクトが存在すれば、該行オブジェクトを操作対象とみなして、該行オブジェクトのキーと値をkeyChainに追加する。
【0033】
例えば、表示状態情報が
図8に例示されるものである場合、動作管理部12は、以下の処理を行う。
(1)キーが“user_name”、値が“User A”の行オブジェクトは展開状態かつ非選択状態なので、動作管理部12は、keyChainにキーと値を追加する( keyChain: {“user_name”: “User A”})
(2)キーが“ap”、値が“EXCEL.EXE”の行オブジェクトは非展開状態かつ選択状態なので、動作管理部12は、keyChainにキーと値を追加する( keyChain: {“user_name”: “User A”, “ap”: “EXCEL.EXE”} )
【0034】
そして、動作管理部12は、上記の(2)までの処理で生成されたkeyChainに記載のオブジェクトを設定対象のオブジェクトとして通知する。
【0035】
次に、表示加工部11は、動作管理部12から通知された設定対象のオブジェクトと設定内容を受け取ると(
図3のS10)、当該設定対象のオブジェクトと設定内容に基づき、表示設定情報を変更する(S11)。
【0036】
ここで、表示加工部11は、S11における表示設定情報の変更内容が有効であると判定した場合(S12でYes)、S13へ進む。そして、表示加工部11は、表示設定情報の変更が、当該表示設定情報の階層設定を変更するものか否かを判定する(S13)。ここで、表示加工部11が、表示設定情報の変更は、階層設定を変更するものであると判定した場合(S13でYes)、表示加工部11は、表示用データと、変更された表示設定情報における当該階層設定とに基づき、表示状態情報を再構築する(S14:表示用データをもとに新たな階層表示の設定から表示状態情報を再構築)。そして、表示加工部11は、S14で再構築した表示状態情報を可視化部14に通知する(S17)。なお、S12において、表示加工部11が、S11における表示設定情報の変更内容は有効ではないと判定した場合(S12でNo)、処理を終了する。
【0037】
一方、S12における表示設定情報の変更が、当該表示設定情報の階層設定を変更するものではない場合(S13でNo)、表示加工部11は、表示状態管理部13から現在の表示状態情報を取得する(S15)。そして、表示状態情報を変更する(S16)。例えば、S11における表示設定情報の変更が、当該表示設定情報におけるグループの設定を変更するものである場合、表示加工部11は、表示状態管理部13から現在の表示状態情報を取得する。そして、表示加工部11は、取得した表示状態情報を、変更された表示設定情報に基づき変更し、変更後の表示状態情報を可視化部14に通知する(S17)。
【0038】
このようにすることで、表示制御装置10は、ユーザ(分析者)からの操作に応じて画面上の行オブジェクトの表示を変更することができる。
【0039】
なお、表示加工部11は、階層の変更等、表示状態情報に大きな変更が必要な場合には、表示状態情報を再構築し、可視化部14へ通知する。一方、行オブジェクトの属するグループの変更等、表示状態情報に大きな変更が必要ない場合には、表示加工部11は、現在の表示状態情報を変更し、可視化部14へ通知する。
【0040】
つまり、表示状態情報は、前記したとおり、行オブジェクトの全体の階層構造と、階層構造の展開状態や選択状態の情報とを含んでいる。これにより、例えば、行オブジェクトの属するグループの変更や階層の展開等、ユーザの操作の前後で表示が大きく変化しない操作については、表示加工部11は、表示状態情報を部分的に更新すればよい。その結果、表示加工部11は、行オブジェクトの属するグループの変更や階層の展開等、表示状態情報に大きな変更が必要ない操作について、その操作内容を反映した表示状態情報を速やかに可視化部14へ通知することができる。
【0041】
次に、表示制御装置10が、
図6から
図15を用いて、ユーザから、画面上の行オブジェクトの表示の変更を指示する操作入力を受け付けた場合の画面例を説明する。
【0042】
[階層の入れ替え]
まず、
図6を用いて表示制御装置10が、ユーザから、階層の入れ替え(階層化の順序の変更)を指示する操作入力を受け付けた場合の画面例を説明する。
【0043】
例えば、表示制御装置10が、
図6の符号601に示すように、ユーザから、画面上に表示される階層ラベルのオブジェクトのドラッグ&ドロップを示す操作を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が当該オブジェクトの示す階層名の階層の入れ替えであることを特定する。そして、表示加工部11は、特定された設定内容に基づき、表示設定情報における階層設定(階層設定テーブル)を変更する。その後、表示加工部11は、変更された表示設定情報に基づき、表示状態情報を再構築する。
【0044】
例えば、特定された設定内容が、「ユーザ」の階層と「顧客」の階層との入れ替えである場合、表示加工部11は、
図6に示すように階層設定テーブルにおける「ユーザ」の階層と、「顧客」の階層とを入れ替える。そして、表示加工部11は、階層を入れ替えた階層設定テーブルに基づき、「顧客」の下の階層に、「ユーザ」の階層を配置した表示状態情報を再構築する。そして、可視化部14は、再構築された表示状態情報に基づき、
図6の符号602に示すように「顧客」の下の階層に「ユーザ」の階層を配置した画面を描画する。
【0045】
表示制御装置10が上記のような画面を表示することで、ユーザ(分析者)は、例えば、1人の顧客に複数のユーザが関与する業務について、顧客単位での業務分析等を行いやすくなる。
【0046】
[階層の追加および削除]
次に、
図7を用いて表示制御装置10が、ユーザから、階層の追加または削除を指示する操作入力を受け付けた場合の画面例を説明する。
【0047】
例えば、表示制御装置10が、
図7の符号701に示すように、ユーザから、画面上に表示される「アプリケーション」の階層ラベルのオブジェクトの右クリックとメニュー選択で「削除」の選択を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が当該オブジェクトの示す階層名をもつ階層の削除であることを特定する。そして、表示加工部11は、特定された設定内容に基づき、表示設定情報における階層設定(階層設定テーブル)を変更する。その後、表示加工部11は、変更された表示設定情報に基づき、表示状態情報を再構築する。
【0048】
例えば、特定された設定内容が、「アプリケーション」の階層の削除である場合、表示加工部11は、
図7の符号703に示すように、表示設定情報における階層設定テーブルから「アプリケーション」の階層を削除する。そして、表示加工部11は、当該階層設定テーブルに基づき、「ユーザ」の階層と「ウィンドウタイトル」の階層との間にある「アプリケーション」の階層を削除した表示状態情報を再構築する。そして、可視化部14は、再構築された表示状態情報に基づき、
図7の符号702に示すように、ユーザ名の表示の下の階層に、当該ユーザ名のユーザの用いるウィンドウのウィンドウタイトルを配置した画面を描画する。
【0049】
また、例えば、表示制御装置10が、
図7の符号702に示すように、ユーザから、画面上に表示される「アプリケーション」の階層ラベルのオブジェクトの右クリックとメニュー選択で「追加」の選択を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が当該オブジェクトの示す階層名の階層の追加であることを特定する。そして、表示加工部11は、
図7の符号704に示すように、表示設定情報における階層設定テーブルの「ユーザ」の階層と「ウィンドウタイトル」の階層との間に「アプリケーション」の階層を追加する。そして、表示加工部11は、当該階層設定テーブルに基づき、「ユーザ」の階層と「ウィンドウタイトル」の階層との間に「アプリケーション」の階層を追加した表示状態情報を再構築する。そして、可視化部14は、再構築された表示状態情報に基づき、
図7の符号701のように、ユーザ名の表示の下の階層に、アプリケーション名を配置し、さらにその下の階層に、ウィンドウタイトル名を配置した画面を描画する。
【0050】
[階層の展開および縮約]
また、
図8を用いて表示制御装置10が、ユーザから、階層の展開または縮約を指示する操作入力を受け付けた場合の画面例を説明する。なお、階層の展開とは、対象の階層を展開し、当該階層内に含まれる要素(データ項目の値)を表示することである。また、階層の縮約とは、対象の階層を折り畳み、階層名のみを表示することである。
【0051】
例えば、表示制御装置10が、ユーザから、
図8の符号801に示す画面上において行ラベルのオブジェクトのダブルクリックを示す操作を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が、当該行ラベルのオブジェクトの属する階層の展開であることを特定する。そして、表示加工部11は、表示状態情報を
図8の符号803に示すように変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図8の符号802に示すように、選択された行ラベルのオブジェクトの下位の階層を展開した画面を描画する。
【0052】
なお、表示制御装置10が、ユーザから、
図8の符号802に示す画面上において行ラベルのオブジェクトのダブルクリックを示す操作を受け付けると、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が、当該行ラベルのオブジェクトの属する階層の縮約であることを特定する。そして、表示加工部11は、表示状態情報を
図8の符号804に示すように変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図8の符号801のように、選択された行ラベルのオブジェクトの下位の階層を縮約した画面を描画する。
【0053】
なお、階層の変更を指示する操作入力は、例えば、
図9に示すような設定画面から受け付けてもよい。例えば、表示加工部11は、
図9に示すように、データ項目(キー)の属する階層設定を行う画面を用意し、当該画面から、タイムライン(行オブジェクト)に反映したい順に階層を並べ替え可能とするようにしてもよい。なお、上記の画面において、指定可能なキーは、例えば、プルダウンメニュー等から選択してもよい。
【0054】
上記のように、表示制御装置10が、ユーザ(分析者)の操作に基づき、画面上における階層の入れ替え、追加、削除、展開、縮約の表示制御を行うことで、ユーザは様々な観点から業務分析を行いやすくなる。
【0055】
[グループ作成]
また、
図10を用いて表示制御装置10が、ユーザから、画面上の行オブジェクトの属するグループの作成を指示する操作入力を受け付けた場合の画面例を説明する。
【0056】
例えば、表示制御装置10が、ユーザから、
図10の符号1001に示す画面上において、任意の行オブジェクト(「設備データ.xlsx」、「顧客情報.xlsx」および「オーダ登録」)を選択した後、右クリックしてグループ作成メニューを選択し、グループ名(「オーダ登録業務」)を入力する操作を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が、選択された行ラベルのオブジェクトの属するグループの作成であることを特定する。そして、表示加工部11は、表示設定情報におけるグループ設定テーブルに、
図10の符号1002に示す情報(「設備データ.xlsx」、「顧客情報.xlsx」および「オーダ登録」を示す条件と、グループ名「オーダ登録業務」)を追加する。そして、表示加工部11は、上記のグループが追加された表示設定情報に基づき、表示状態情報を変更する。
【0057】
例えば、表示加工部11は、「オーダ登録業務」のグループが追加された表示設定情報に基づき、表示状態情報を、「設備データ.xlsx」、「顧客情報.xlsx」および「オーダ登録」の行オブジェクトをグループ化し、グループ名「オーダ登録業務」を表示した表示状態情報に変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図10の符号1002のように、選択された行オブジェクトをグループ化した画面を描画する。
【0058】
なお、表示加工部11が、画面上に既存のグループが無い状態から新規にグループを作成する場合、階層設定テーブルの予め指定した階層(例えば、1番目の階層)に「グループ」の階層を追加するものとする。
【0059】
[グループ削除]
また、
図11を用いて表示制御装置10が、ユーザから、画面上の行オブジェクトの属するグループの削除を指示する操作入力を受け付けた場合の画面例を説明する。なお、
図11~
図15において、説明を分かりやすくするため、表示設定情報のうち、階層設定テーブルの記載を省き、グループ設定テーブルのみを記載している。
【0060】
例えば、表示制御装置10が、ユーザから、
図11の符号1101に示す画面上において、グループの行ラベル「オーダ登録業務」を選択した後、右クリックし、メニュー選択で「グループ削除」の選択を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が、選択されたグループの行ラベルの示すグループの削除であることを特定する。そして、表示加工部11は、
図11の下部に示すように、表示設定情報におけるグループ設定テーブルから、選択された「オーダ登録業務」のグループの情報を削除する。そして、表示加工部11は、上記の「オーダ登録業務」のグループの情報が削除された表示設定情報に基づき、表示状態情報を変更する。
【0061】
例えば、表示加工部11は、上記の「オーダ登録業務」のグループの情報が削除された表示設定情報に基づき、表示状態情報を、「オーダ登録業務」のグループ化が解除された表示状態情報に変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図11の符号1102のように、「オーダ登録業務」のグループ化が解除された画面を描画する。
【0062】
[グループ名変更]
また、
図12を用いて表示制御装置10が、ユーザから、画面上の行オブジェクトの属するグループ名の変更を指示する操作入力を受け付けた場合の画面例を説明する。
【0063】
例えば、表示制御装置10が、ユーザから、
図12の符号1201に示す画面上において、グループの行ラベルを選択した後、右クリックし、メニュー選択で「グループ編集」でグループ名の入力を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が、選択されたグループのグループ名の変更であることを特定する。そして、表示加工部11は、例えば、
図12の下部に示すように、表示設定情報における、グループ設定テーブルにおける当該行ラベルの属するグループ名を「オーダ登録業務」から「新規オーダ登録」に変更する。そして、表示加工部11は、上記のグループ名が変更された表示設定情報に基づき、表示状態情報を変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図12の符号1202のように、当該行ラベルの属するグループ名を「新規オーダ登録」に変更した画面を描画する。
【0064】
なお、ユーザにより選択された行の変更後のグループ名が、既存のグループ名と同じものである場合、表示制御装置10は、当該行を既存のグループに含めるようにしてもよい。
【0065】
例えば、表示制御装置10が、ユーザから、
図13の符号1301に示す画面上において、「オーダ登録業務」のグループの行ラベルを選択した後、右クリックし、メニュー選択の「グループ編集」で、既存のグループ名である「新規オーダ登録」というグループ名の入力を受け付けた場合を考える。この場合、表示加工部11は、例えば、
図13の下部に示すように、表示設定情報における「新規オーダ登録」のグループに、「オーダ登録業務」のグループに属していた行オブジェクト(「設備データ.xlsx」、「顧客情報.xlsx」および「オーダ登録」)を含める。その後、表示加工部11は、上記のグループ名が変更された表示設定情報に基づき、表示状態情報を変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図13の符号1302のように、「新規オーダ登録」のグループに属する行オブジェクトとして「設備データ.xlsx」、「顧客情報.xlsx」、「オーダ登録」が追加された画面を描画する。
【0066】
[グループからの離脱]
また、
図14を用いて表示制御装置10が、ユーザから、画面上で選択された行オブジェクトについて、当該行オブジェクトの属するグループからの離脱を指示する操作を受け付けた場合の画面例を説明する。
【0067】
例えば、表示制御装置10が、ユーザから、
図14の符号1401に示す画面上において、「オーダ登録業務」のグループ内の行ラベルを選択した後、右クリックし、メニュー選択で「グループから離脱」の入力を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が、選択された行について当該行の属するグループからの離脱であることを特定する。
【0068】
その後、表示加工部11は、例えば、
図14の下部に示すように、表示設定情報のグループ設定テーブルにおける「オーダ登録業務」の条件から、選択された行オブジェクト「設備データ.xlsx」の情報を削除する。そして、表示加工部11は、行オブジェクト「設備データ.xlsx」の情報が削除された表示設定情報に基づき、表示状態情報を変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図14の符号1402のように、選択された行オブジェクト「設備データ.xlsx」を「グループ以外」に移動させた画面を描画する。
【0069】
[所属グループの変更]
また、
図15を用いて表示制御装置10が、ユーザから、画面上で選択された行オブジェクトについて、当該行オブジェクトの属するグループからの離脱し、別のグループへ移動するよう指示する操作を受け付けた場合の画面例を説明する。
【0070】
例えば、表示制御装置10が、ユーザから、
図15の符号1501に示す画面上において、「オーダ登録業務」のグループ内の行ラベルを選択した後、右クリックし、メニュー選択で「グループ変更」でグループ名「設備管理業務」の入力を受け付けた場合を考える。この場合、動作管理部12は、動作設定情報(
図4参照)に基づき、当該操作の示す設定内容が、選択された行オブジェクトの属するグループの変更であることを特定する。
【0071】
その後、表示加工部11は、例えば、
図15の下部に示すように、表示設定情報のグループ設定テーブルにおける「オーダ登録業務」の条件から、選択された行オブジェクト「設備データ.xlsx」の情報を削除する。そして、表示加工部11は、グループ設定テーブルに「設備管理業務」のグループを追加し、当該グループの条件として行オブジェクト「設備データ.xlsx」の情報を記載する。その後、表示加工部11は、上記の変更後の表示設定情報に基づき、表示状態情報を変更する。そして、可視化部14は、変更された表示状態情報に基づき、
図15の符号1502のように、選択された行オブジェクト「設備データ.xlsx」を「設備管理業務」のグループに移動させた画面を描画する。
【0072】
以上説明した表示制御装置10によれば、ユーザが、業務分析を行う際の観点に合わせて、画面上におけるタイムラインを構成する各行オブジェクトの表示結果を見ながら、試行錯誤的にタイムラインを構成する各行オブジェクト階層およびグループの変更を行うことができる。その結果、ユーザは、様々な観点から業務分析を行いやすくなる。
【0073】
なお、前記した実施形態において、各行オブジェクトの階層となるキーは、操作における、ユーザ名、顧客ID、操作対象のウィンドウタイトル、当該ウィンドウにおいて用いられているアプリケーション名等である場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、各オブジェクトの階層となるキーとして、日次、週次、月次等の「期間」を用いてもよい。
【0074】
例えば、行オブジェクトの階層として「ユーザ名」、「顧客ID」および「期間」を用いる場合、ユーザ(分析者)は、表示制御装置10により行オブジェクトを「顧客ID」ごとに階層化し、続いて、「ユーザ」ごとに階層化することで、複数のユーザが関与する業務の流れを確認することができる。また、ユーザ(分析者)は、表示制御装置10により行オブジェクトを「ユーザ」ごとに階層化し、続いて、「期間」ごとに階層化することで、各ユーザの業務傾向および周期性を確認することができる。このように、ユーザ(分析者)は、業務分析に特有の様々な観点に基づき、階層を柔軟に変更できるので、行オブジェクト(タイムライン)の表示を見ながら、適切なグルーピング方法を試行することができる。
【0075】
[プログラム]
また、上記の実施形態で述べた表示制御装置10の機能を実現するプログラムを所望の情報処理装置(コンピュータ)にインストールすることによって実装できる。例えば、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして提供される上記のプログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を表示制御装置10として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ、ラック搭載型のサーバコンピュータ等が含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistants)等がその範疇に含まれる。また、表示制御装置10を、クラウドサーバに実装してもよい。
【0076】
図16を用いて、上記のプログラム(表示制御プログラム)を実行するコンピュータの一例を説明する。
図16に示すように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0077】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。ディスクドライブ1100には、例えば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース1050には、例えば、マウス1110およびキーボード1120が接続される。ビデオアダプタ1060には、例えば、ディスプレイ1130が接続される。
【0078】
ここで、
図16に示すように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094を記憶する。前記した実施形態で説明した表示設定情報、表示状態情報および動作設定情報は、例えばハードディスクドライブ1090やメモリ1010に記憶される。
【0079】
そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した各手順を実行する。
【0080】
なお、上記の表示制御プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば、着脱可能な記憶媒体に記憶されて、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、上記のプログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、LANやWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 表示制御装置
11 表示加工部
12 動作管理部
13 表示状態管理部
14 可視化部