(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】包餡食品用フィリング材
(51)【国際特許分類】
A23G 3/40 20060101AFI20221109BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20221109BHJP
A21D 13/31 20170101ALI20221109BHJP
【FI】
A23G3/40
A23G3/34 106
A21D13/31
(21)【出願番号】P 2017102478
(22)【出願日】2017-05-24
【審査請求日】2020-02-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年11月25日 京菓子協同組合「スローカロリー京菓子」審査会における出品
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年1月15日 第20回日本病態栄養学会 年次学術集会における公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年1月15日 第20回日本病態栄養学会 年次学術集会における配布
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年3月7日 京菓子協同組合「研究講座」における実演による公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】糸井 伸行
(72)【発明者】
【氏名】王 旭
【審査官】安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106259802(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105248513(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104664178(CN,A)
【文献】特開2002-218911(JP,A)
【文献】特開2011-000119(JP,A)
【文献】特開2005-021153(JP,A)
【文献】特開2002-330702(JP,A)
【文献】特開平07-194312(JP,A)
【文献】黒胡麻あんぱん~あんまんっぽい餡で~ by ひれまま,クックパッド[online],2012年05月04日,https://cookpad.com/recipe/1801094,[検索日2022年2月1日]
【文献】春限定もっちり ゴマ風味桜あんぱん by MeguBroaden,クックパッド[online],2011年04月13日,https://cookpad.com/recipe/1068991,[検索日2022年2月1日]
【文献】黒ゴマが香る 本格中華あんまん by 飛CHAN,クックパッド[online],2009年07月17日,https://cookpad.com/recipe/753354,[検索日2022年2月2日]
【文献】ちょっと変わり種?中華あんこ by sweetスイート,クックパッド[online],2013年06月11日,https://cookpad.com/recipe/2252549,[検索日2022年2月日]
【文献】天然酵母でゴマあんパン! by ようこkitchen,クックパッド[online],2016年03月02日,https://cookpad.com/recipe/3721443,[検索日2022年2月1日]
【文献】黒ゴマ好きの濃厚ウマウマごま餡 by じろまま,クックパッド[online],2009年11月11日,https://cookpad.com/recipe/961889,[検索日2022年2月1日]
【文献】ホカホカあんまん by ぽこぽ子,クックパッド[online],2006年12月01日,https://cookpad.com/recipe/304874,[検索日2022年2月2日]
【文献】さつま芋あん黒糖まんじゅう by 築野食品こめ油,クックパッド[online],2014年06月18日,https://cookpad.com/recipe/1524101,[検索日2022年2月2日]
【文献】ごまのカロリー - 簡単!栄養andカロリー計算,Wayback machine archive[online],2017年03月26日,https://web.archive.org/web/20170326004456/https://www.eiyoukeisan.com/calorie/gramphoto/konomi/goma.html,[検索日2022年2月1日]
【文献】食品の計量目安 - フロノソラ(*^_^*),Wayback machine archive[online],2013年01月09日,https://web.archive.org/web/20130109040617/https://plaza.rakuten.co.jp/floatingpeach/2001/,[検索日2022年2月1日]
【文献】[みんなの知識 ちょっと便利帳]計量スプーン・計量カップによる重量表 - 食品を計量スプーン・計量カップで量った場合何グラムにあたるのか,Wayback machine archive[online],2017年05月08日,https://web.archive.org/web/20170508183654/https://www.benricho.org/doryoko_cup_spoon/,[検索日2022年2月1日]
【文献】Red Bean Paste Buns (Dou Sha Bao),Healthy gf Asian,2016年10月22日,https://www.healthygfasian.com/red-bean-paste-buns-dou-sha-bao/,[検索日2022.05.27]
【文献】Sweet Red Bean Paste,I Can Do That!,2011年05月04日,https://oggi-icandothat.blogspot.com/2011/05/sweet-red-bean-paste.html,[検索日2022.05.27]
【文献】小豆は餡にすると何倍になるのですか? - 重さで5倍ぐらい。(非常におおまか),Yahoo!知恵袋,2008年04月10日,https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1415854329,[検索日2022.04.14]
【文献】’手作り中華まん(あんまん)', クックパッド, [online], 28-02-2014 uploaded, [Retrieved on 05-01-2021], Retrieved from the internet:<URL: https:/cookpad.com/recipe/2131374>
【文献】’手作り中華まん(あんまん)', クックパッド, [online], 28-02-2014 uploaded, [Retrieved on 05-01-2021], Retrieved from the internet:<URL: https:/cookpad.com/recipe/2131374>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D
A23G
A23L
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
餡及び油脂から成る包餡食品用フィリング材であって、前記餡100質量部に対して油脂0.2~5.0質量部を含有し、前記餡が、豆類、サツマイモ、カボチャ又はクリの餡であり、前記油脂がアマニ油であり、包餡食品があんパン又は饅頭である、包餡食品用フィリング材(ただし前記包餡食品用フィリング材が増粘剤を含む場合を除く)。
【請求項2】
請求項1に記載の包餡食品用フィリング材を生地で包餡し、加熱処理をすることを特徴とする包餡食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包餡食品用フィリング材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
餡は、アズキ、ササゲ、インゲン、エンドウ、リョクトウ等の豆類、サツマイモ等のイモ類、クリなどを煮て練ったものである。このような餡をフィリング材とし、小麦粉を主原料とした生地で包餡し、蒸す、焼成する、油ちょうする等の加熱処理を経ることで、饅頭やあんパン等の包餡食品が得られる。
餡は、その水分含量が製品の日持ちや食感等の品質に影響を及ぼすので、所望する製品の品質を得るために通常水分が30~50質量%になるように調整される。餡を包餡食品のフィリング材として使用する場合、餡のしっとりとした食感が好まれるので餡の水分含量を高め(40~50質量%)に調整されることがあるが、そのために餡と皮やパン等の加熱処理された生地との間に空洞ができやすくなる。これは、包餡後の加熱工程において、餡に含まれる水分が気化して生地が押し上げられ、餡と生地との間に空隙が徐々に広がるためである。餡の水分含量を下げることで空洞を抑制することができるが、水分不足のために餡のしっとり感が不十分になる。このため、空洞を極めて小さくし、かつ餡がしっとりとした包餡食品を製造するには、熟練の技術を必要としていた。
また、餡の水分は加熱処理時に気化するため、包餡後加熱した後の餡は包餡直後の餡よりも粉っぽく、ぱさついた食感になりがちである。
餡の食感の改良について、特許文献1では、煮豆または生餡に、油脂、糖質、澱粉またはセルロース、蛋白質および増粘剤を含有してなる水中油型乳化組成物を前記煮豆または生餡の5~20重量%配合し、炊き上げることを特徴とする加糖餡の製造方法が開示されている。これにより、従来の加糖餡の糖分を増やすことなく、パイ、パン等の詰めもの製品に用いた場合に焼成後においてもパサつきがなく、しっとりした食感のある加糖餡になるが、加糖餡と生地との間の空洞については触れられておらず、また、該水中油型乳化組成物の製造に手間がかかる。
また特許文献2では、澱粉を主成分とするフィリング材と、油脂中にSUS型トリグリセリドを25~90重量%含む水中油型乳化物の起泡物とを混合することを特徴とする、フィリングの製造法が開示されており、フィリング材として豆を原料とする餡を使用できることが記載されている。このフィリング材は、非常に食感が軽く、口中での菓子生地(スポンジ生地やどらやき生地といった挟み物生地)とのバランスが極めて良好であるとされているが、加熱処理を経る包餡食品についての記載はなく、また、水中油型乳化組成物を製造する手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平07-194312
【文献】特開平08-070778
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
饅頭やあんパン等の包餡食品において、加熱処理後にフィリング材と生地との間に空洞が生じ難く、餡のしっとり感が維持されるフィリング材、及び、そのフィリング材を使用した包餡食品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、餡と油脂のみから成り、餡100質量部に対して油脂0.2~5.0質量部含有する包餡食品用フィリング材により饅頭やあんパン等の包餡食品において、加熱処理後にフィリング材と生地との間に空洞が生じ難く、餡のしっとり感が維持されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]餡及び油脂から成る包餡食品用フィリング材であって、前記餡100質量部に対して油脂0.2~5.0質量部を含有する、包餡食品用フィリング材。
[2]前記[1]に記載の包餡食品用フィリング材を生地で包餡し、加熱処理をすることを特徴とする包餡食品の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、饅頭やあんパン等の包餡食品において、加熱処理後にフィリング材と生地との間に空洞が生じ難く、餡のしっとり感が維持されるフィリング材、及び、そのフィリング材を使用した包餡食品を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】左:対照例1のあんパンである。空洞が大きく、水蒸気の押し上げ圧でクラムが圧迫されて密な多孔性構造になっている。また、餡の水分が気化して餡のボリュームが小さくなっている。右:実施例2のあんパンである。空洞が極めて小さく、クラムが十分な多孔性構造を形成しており、餡ボリュームがそのまま維持されている。
【
図2】左:対照例3の饅頭である。空洞が観察される。右:実施例8の饅頭である。空洞が極めて小さい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の包餡食品用フィリング材は餡及び油脂から成り、前記餡100質量部に対して油脂0.2~5.0質量部を含有する。
【0009】
本発明において包餡食品とは、餡などのフィリング材を生地で包餡し、蒸す、焼成する、油ちょうするなどの加熱処理を経ることで得られる食品であって、例えば饅頭、あんパン、揚げ饅頭、焼き饅頭、中華饅頭などが挙げられるが、これに限られない。
【0010】
本発明において餡は、アズキ、ササゲ、インゲン、エンドウ、リョクトウ等の豆類、サツマイモ、カボチャ、クリといった澱粉含有量が高い塊茎、果菜、種実などの原料を煮てそのまま又は砂糖等の甘味性糖類を添加して練ったものをいい、前者を生餡、後者を加糖餡という。豆類を原料とした餡は、その製造方法により、煮た豆の形を残した「粒餡」、煮た豆を潰した「つぶし餡」、煮た豆を潰して裏漉しして種皮を取り除いた「漉し餡」に分類される。
本発明においてはいずれの餡も使用することができるが、マメ科植物の豆から得られる餡が好ましく、より好ましくはマメ科ササゲ属植物(アズキ、ササゲ、リョクトウ、ケツルアズキ、ツルアズキ等)、インゲンマメ属植物(インゲンマメ、ベニバナインゲン等)及びエンドウ属植物(エンドウ等)の豆から得られる餡である。
本発明において使用する餡の水分量は好ましくは30~50質量%であり、さらに好ましくは35~50質量%、最も好ましくは35~45質量%である。
【0011】
本発明において、油脂は食用油脂であれば何れも使用することができる。例えば、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、エゴマ油、アマニ油、オリーブ油、魚油等の常温で液体の油脂;パーム油、やし油、カカオ脂、牛脂、乳脂、豚脂等の常温で固体の油脂;硬化油、エステル交換油脂等の加工油脂;バター、マーガリン類、ショートニング等の油脂加工食品が上げられ、これらを1種もしくは2種以上を使用することができる。最も好ましくはアマニ油である。
【0012】
本発明の包餡食品用フィリング材は、餡100質量部に対して油脂0.2~5.0質量部を含有する。油脂の含有量の下限は好ましくは餡100質量部に対して0.25質量部、より好ましくは餡100質量部に対して0.3質量部、さらに好ましくは餡100質量部に対して0.35質量部、最も好ましくは餡100質量部に対して0.4質量部である。油脂の含有量の上限は好ましくは餡100質量部に対して4.0質量部、より好ましくは餡100質量部に対して3.0質量部、さらに好ましくは餡100質量部に対して2.0質量部、なお好ましくは餡100質量部に対して1.5質量部、最も好ましくは餡100質量部に対して1.0質量部である。油脂の量が餡100質量部に対して0.2質量部未満では効果が得られない。また5.0質量部を超えると、餡が柔らかくなり包餡作業性や保形性が悪くなり、また餡の好ましい香味が損なわれる。
【0013】
本発明の包餡食品の製造方法は、上記本発明の包餡食品用フィリング材を生地で包餡し、加熱処理をすることを特徴とする。
【0014】
本発明において、生地は特に制限無く使用することができる、目的とする包餡品によって適宜選択することができる。例えばあんパンであればパン生地、饅頭であれば小麦粉又は米粉を主体とした生地を使用することができる。
【0015】
本発明において包餡とは餡を生地で包むことを言い、包餡の方法は特に限定されず、人の手で行っても良いし、包餡機などの製造機械によって行っても良い。
【0016】
本発明において、加熱処理の種類や方法は特に限定されず、目的とする包餡食品によって適宜選択することができる。
【実施例】
【0017】
以下本発明を具体的に説明する為に実施例を示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0018】
製造例1 あんパンの製造
下記配合表1の粉原料をミキサー(関東混合機工業株式会社縦型ミキサー)に投入して粉体混合し、液体原料を投入して低速2分間、中速3分間、高速1分間混捏し、油脂原料を投入して更に低速2分間、中速3分間、高速3分間混捏して生地を得た。捏ね上げ温度は27℃であった。得られた生地を相対湿度75%・28℃で60分間発酵させ、45gに分割した。25分間のベンチタイムの後、35gの漉し餡(的場製餡所株式会社製和菓子用こしMK-1)を生地に包み、相対湿度65%・38℃で60分間ホイロした。これを固定窯で9分間焼成してあんパンを得た。
【0019】
【0020】
試験例1 アマニ油含有漉し餡を使用したあんパンの製造
100質量部の漉し餡(的場製餡所株式会社製和菓子用こしMK-1:水分量40質量%)をミキサー(関東混合機工業株式会社縦型ミキサー)に投入し、表1記載のアマニ油(日本製粉社製アマニ油)を添加して60分間混合してアマニ油が均等混合されたアマニ油含有餡を得た。このアマニ油含有餡を使用した以外は製造例1に従ってあんパンを得た。得られたあんパンを評価基準表に従って10名の熟練パネラーにより評価した。結果を表1に示す。なお、アマニ油を添加しない餡を対照例1とした。
実施例1~4では、対照例1よりも空洞が狭くなり、餡のしっとり感が良好であった。比較例1は対照例と同等であり、効果が得られなかった。比較例2では、餡が油っぽい食感になると共に、柔らかく保形性が劣るため、餡のパン生地への包餡作業性が悪くなり、焼成したあんパンが空洞のある扁平状になった。
【0021】
【0022】
【0023】
試験例2 アマニ油含有粒餡を使用したあんパンの製造
100質量部の粒餡(的場製餡所株式会社製和菓子用小倉MO-2:水分量40質量%)をミキサー(関東混合機工業株式会社縦型ミキサー)に投入し、表2記載のアマニ油(日本製粉社製アマニ油)を添加して60分間混合してアマニ油が均等混合されたアマニ油含有餡を得た。このアマニ油含有餡を使用した以外は製造例1に従ってあんパンを得た。試験例1と同様に評価し、結果を表2に示した。なお、アマニ油を添加しない餡を対照例2とした。
餡として粒餡を使用した場合でも、アマニ油を所定量添加することによって漉し餡同様に空洞が狭くなり、餡のしっとり感も得られた。
【0024】
【0025】
試験例3 各種油脂含有漉し餡を使用したあんパンの製造
100質量部の漉し餡(的場製餡所株式会社製和菓子用こしMK-1)をミキサー(関東混合機工業株式会社縦型ミキサー)に投入し、表3記載のラード(月島食品工業株式会社製ラード200P)又はオリーブ油(日本製粉社製DANTEオリーブオイル)を添加して60分間混合して油脂が均等混合された油脂含有餡を得た。この油脂含有餡を使用した以外は製造例1に従ってあんパンを得た。試験例1と同様に評価し、結果を表3に示した。
ラード(固形油)では、空洞を狭くする効果はアマニ油よりもやや弱かった。オリーブ油(液体油)では、アマニ油と同様に空洞を狭くし、餡のしっとり感が向上した。
【0026】
【0027】
製造例2 饅頭の製造
配合表2に従って饅頭生地を製造した。すなわち、篩った上白糖70質量部に17質量部の水を少しずつ加え、杓文字で充分に擦り混ぜ、17質量部の水を更に加えて上白糖を完全に溶解させた。ベーキングパウダーを1質量部の水で溶かして上白糖液に加えた。薄力粉100質量部を篩い入れ、杓文字でさっくりと捏ねた後、軽くもみまとめて饅頭生地を得た。30gに分割して円形に成形した饅頭生地に、20gの漉し餡(的場製餡所株式会社製和菓子用こしMK-1)を包餡した。蒸し器に投入し、12分間蒸して饅頭を得た。
【0028】
【0029】
試験例4 アマニ油含有餡を使用した饅頭の製造
100質量部の漉し餡(的場製餡所株式会社製和菓子用こしMK-1)をミキサー(関東混合機工業株式会社縦型ミキサー)に投入し、表4記載のアマニ油(日本製粉社製アマニ油)を添加して60分間混合してアマニ油が均等混合されたアマニ油含有餡を得た。このアマニ油含有餡を使用した以外は製造例2に従って饅頭を得た。得られた饅頭を上記評価基準表に従って10名の熟練パネラーにより評価した。結果を表4に示す。なお、アマニ油を添加しない餡を対照例3とした。
結果を表4に示した。実施例8の饅頭は、対照例3の饅頭よりも空洞が非常に小さく、しっとりした餡であった。
【0030】