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特許7173943磁気テープカートリッジ、記録装置、記録方法、再生システム、及び再生方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】磁気テープカートリッジ、記録装置、記録方法、再生システム、及び再生方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 27/00 20060101AFI20221109BHJP
   G11B 23/30 20060101ALI20221109BHJP
   G11B 23/107 20060101ALI20221109BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G11B27/00 A
G11B23/30 E
G11B23/107
G11B20/10 301Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019176489
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021057090
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 謙二
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-025224(JP,A)
【文献】特開2006-323918(JP,A)
【文献】特開平07-296571(JP,A)
【文献】特開2009-253378(JP,A)
【文献】特開平04-211868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 27/00
G11B 20/10
G11B 23/107
G11B 23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データが記録される磁気テープと、前記磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジに対する記録対象のデータであって、テキストを含むデータに対して自然言語処理を行うことによりワードを抽出する抽出部と、
前記記録媒体に、前記磁気テープに記録された前記データの検索用のキーワードとして、前記抽出部により抽出されたワードを記録する記録部
を備えた記録装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記記録対象のデータについて、出現頻度が高い順に予め定められた数のワードを抽出する
請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
データが記録される磁気テープと、前記磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジに対する記録対象のデータであって、テキストを含むデータに対して自然言語処理を行うことによりワードを抽出し、
前記記録媒体に、前記磁気テープに記録された前記データの検索用のキーワードとして、抽出したワードを記録する
記録方法。
【請求項4】
データが記録される磁気テープと、前記磁気テープに記録された前記データの検索用のキーワードが記録された前記磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジと、
ユーザによって入力されたキーワードを受け付ける受付部と、
前記磁気テープカートリッジの中から、前記受付部により受け付けられたキーワードが記録された前記記録媒体を有する前記磁気テープカートリッジを特定する特定部と、
前記特定部により特定された磁気テープカートリッジの前記磁気テープから、前記検索用のキーワードを含むデータを再生する制御を行う制御部と、
を含み
前記データは、テキストを含むデータであり、
前記キーワードは、前記データのテキストに対して自然言語処理を行うことにより抽出されたワードである
再生システム。
【請求項5】
前記キーワードは、前記データにおいて、出現頻度が高い順に予め定められた数のワードである
請求項4に記載の再生システム。
【請求項6】
前記記録媒体は、非接触で情報の読み取りが可能であり、
前記特定部は、非接触で前記記録媒体から読み取らせた前記検索用のキーワードに基づいて、前記受付部により受け付けられたキーワードが記録された前記記録媒体を有する前記磁気テープカートリッジを特定し、
前記制御部は、検索対象の前記磁気テープカートリッジのうちの前記特定部により特定された磁気テープカートリッジのみをテープドライブにロードし、かつロードした磁気テープカートリッジの前記磁気テープから、前記検索用のキーワードを含むデータを再生する制御を行う
請求項4又は請求項5に記載の再生システム。
【請求項7】
ユーザによって入力されたキーワードを受け付け、
データが記録される磁気テープと、前記磁気テープに記録された前記データの検索用のキーワードが記録された前記磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの中から、受け付けたキーワードが記録された前記記録媒体を有する前記磁気テープカートリッジを特定し、
特定した磁気テープカートリッジの前記磁気テープから、前記検索用のキーワードを含むデータを再生する制御を行う再生方法であって、
前記データは、テキストを含むデータであり、
前記キーワードは、前記データのテキストに対して自然言語処理を行うことにより抽出されたワードである
再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気テープカートリッジ、記録装置、記録方法、再生システム、及び再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気テープカートリッジが備える磁気テープに記録されたバックアップデータに関するデータ関連情報を、磁気テープカートリッジが備えるIC(Integrated Circuit)タグに記録する技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術では、データ関連情報として、バックアップデータの内容、種類、及び記録日時等がICタグに記録される。
【0003】
また、磁気テープカートリッジが備える磁気テープに記録されたデータのカテゴリを特定するための検索キーワードと、磁気テープカートリッジの識別情報とを対応付けたインデックス情報を磁気ディスクに記憶する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-323918号公報
【文献】特開2006-92707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気テープに記録されたデータは、磁気テープを磁気テープカートリッジの筐体から引き出さないとデータが読み取れないため、必ずしも検索し易いものではなかった。
【0006】
特許文献1に記載のICタグに記録されているデータ関連情報では、どのようなデータが記録されているかを検索することはできるが、ユーザが検索したいキーワードを含むデータを検索することができない。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術は、検索キーワードと磁気テープカートリッジとが1対1で対応付けられるものであり、検索キーワードはインデックスとして用いられるものである。従って、ユーザが磁気テープから目的のデータを検索するためには、磁気テープにどのようなデータが記録されているかを把握している必要があり、必ずしも検索性が高いものではなかった。
【0008】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、磁気テープに記録されたデータの検索性を高めることができる磁気テープカートリッジ、記録装置、記録方法、再生システム、及び再生方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の磁気テープカートリッジは、データが記録される磁気テープと、磁気テープに記録されたデータの検索用のキーワードが記録された磁気テープ以外の記録媒体と、を備える。
【0010】
なお、本開示の磁気テープカートリッジは、磁気テープに記録されたデータが、テキストを含むデータであり、キーワードが、磁気テープに記録されたデータから抽出されたワードであってもよい。
【0011】
また、本開示の磁気テープカートリッジは、データが、タイトル、属性、及び本文を含むものであり、キーワードが、少なくとも本文から抽出されたワードを含んでもよい。
【0012】
また、本開示の磁気テープカートリッジは、本文には、画像及び図表の少なくとも一方の説明文が含まれてもよい。
【0013】
また、本開示の磁気テープカートリッジは、磁気テープには複数のデータが記録されており、キーワードの少なくとも1つが、磁気テープに記録された複数のデータのうちの少なくとも2つに対応付けられていてもよい。
【0014】
また、本開示の記録再生装置は、データが記録される磁気テープと、磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの記録媒体に、磁気テープに記録されたデータの検索用のキーワードを記録する記録部を備える。
【0015】
また、本開示の記録方法は、データが記録される磁気テープと、磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの記録媒体に、磁気テープに記録されたデータの検索用のキーワードを記録するものである。
【0016】
また、本開示の再生システムは、データが記録される磁気テープと、磁気テープに記録されたデータの検索用のキーワードが記録された磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジと、ユーザによって入力されたキーワードを受け付ける受付部と、磁気テープカートリッジの中から、受付部により受け付けられたキーワードが記録された記録媒体を有する磁気テープカートリッジを特定する特定部と、特定部により特定された磁気テープカートリッジの磁気テープから、キーワードを含むデータを再生する制御を行う制御部と、を含む。
【0017】
また、本開示の再生方法は、ユーザによって入力されたキーワードを受け付け、データが記録される磁気テープと、磁気テープに記録されたデータの検索用のキーワードが記録された磁気テープ以外の記録媒体と、を備えた磁気テープカートリッジの中から、受け付けたキーワードが記録された記録媒体を有する磁気テープカートリッジを特定し、特定した磁気テープカートリッジの磁気テープから、キーワードを含むデータを再生する制御を行うものである。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、磁気テープに記録されたデータの検索性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】磁気テープカートリッジの構成の一例を示すブロック図である。
図2】記録再生システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】データ記録処理の一例を示すフローチャートである。
図5】検索情報の一例を示す図である。
図6】情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図7】情報処理装置により実行される検索処理の一例を示すフローチャートである。
図8】テープドライブにより実行される検索処理の一例を示すフローチャートである。
図9】変形例に係るテープドライブにより実行される検索処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0021】
図1を参照して、本実施形態に係る磁気テープカートリッジ10の構成を説明する。図1に示すように、磁気テープカートリッジ10は、磁気によって情報が記録される磁気テープMTと、無線通信等によって非接触で情報の記録及び読み取りが可能な磁気テープMT以外の記録媒体の一例としてのRFID(Radio Frequency IDentifier)タグ12とを備えている。RFIDタグ12には、磁気テープMTに記録された複数のデータから目的のデータを検索するために用いられる検索情報14等が記録される。検索情報14の詳細については後述する。磁気テープMTの例としては、LTO(Linear Tape-Open)テープが挙げられる。
【0022】
図2を参照して、磁気テープカートリッジ10に対するデータの記録及び再生を行う記録再生システム30の構成を説明する。図2に示すように、記録再生システム30は、情報処理装置32及びテープライブラリ40を含む。テープライブラリ40は、複数のスロット42及びテープドライブ44を備えている。記録再生システム30が開示の技術に係る再生システムの一例であり、テープドライブ44が開示の技術に係る記録装置の一例である。
【0023】
スロット42には、磁気テープカートリッジ10が格納される。テープドライブ44には、スロット42から取り出された磁気テープカートリッジ10がロードされる。また、テープドライブ44にロードされた磁気テープカートリッジ10の磁気テープMTに対するデータの記録又は再生が終了した後、磁気テープカートリッジ10がテープドライブ44からアンロードされてから、スロット42に格納される。
【0024】
テープドライブ44は、制御部46、読取書込部48、及び磁気ヘッドHを備えている。磁気ヘッドHは、磁気テープMTに対するデータの記録を行う記録素子と、磁気テープMTに対するデータの再生を行う再生素子とを含む記録再生素子RWDを備えている。ここでいう再生とは、磁気テープMTに記録されたデータ等を表す信号を読み取ることを意味する。制御部46が開示の技術に係る記録部、特定部、及び制御部の一例である。
【0025】
読取書込部48は、制御部46による制御によって、磁気テープカートリッジ10に内蔵されたRFIDタグ12に記録された情報を非接触で読み取り、読み取った情報を制御部46に出力する。また、読取書込部48は、制御部46による制御によって、情報を非接触でRFIDタグ12に記録する。読取書込部48の例としては、RFIDリーダーライターが挙げられる。
【0026】
制御部46は、PLD(Programmable Logic Device)、一時記憶領域としてのメモリ、及び不揮発性の記憶部等を含む。制御部46は、読取書込部48の制御及び磁気ヘッドHの制御等を行う。
【0027】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置32のハードウェア構成を説明する。図3に示すように、情報処理装置32は、CPU(Central Processing Unit)20、一時記憶領域としてのメモリ21、及び不揮発性の記憶部22を含む。また、情報処理装置32は、液晶ディスプレイ等の表示部23、キーボードとマウス等の入力部24、ネットワークに接続されるネットワークI/F(InterFace)25、及びテープライブラリ40が接続される外部I/F26を含む。CPU20、メモリ21、記憶部22、表示部23、入力部24、ネットワークI/F25、及び外部I/F26は、バス27に接続される。情報処理装置32の例としては、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等が挙げられる。
【0028】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部22には、検索プログラム29が記憶される。CPU20は、記憶部22から検索プログラム29を読み出してからメモリ21に展開し、展開した検索プログラム29を実行する。
【0029】
次に、図4を参照して、記録再生システム30が磁気テープカートリッジ10にデータを記録するデータ記録処理の流れを説明する。図4に示すデータ記録処理は、例えば、記録対象の複数のデータ(以下、「記録対象データ」という)が、情報処理装置32からテープドライブ44に入力された場合に、テープドライブ44の制御部46によって実行される。ここでは、テープドライブ44に磁気テープカートリッジ10がロードされた状態でデータ記録処理が実行されるものとする。本実施形態では、各記録対象データがテキストを含むデータである例を説明する。ここでいうテキストを含むデータとは、文書データに限定されず、例えば、テキストを含む属性が付与された画像データ等も含む。また、記録対象データには、データのタイトル、属性、及び本文を含むデータも存在する。また、記録対象データが、画像及び図表の少なくとも一方を含むデータである場合は、そのデータの本文に、画像及び図表の少なくとも一方の説明文が含まれる。
【0030】
図4のステップS10で、制御部46は、情報処理装置32からテープドライブ44に入力された複数の記録対象データを取得する。ステップS12で、制御部46は、各記録対象データから各記録対象データの検索用のキーワードを抽出する。具体的には、例えば、制御部46は、各記録対象データに対して公知の自然言語処理を行うことによって、各記録対象データからワードを抽出する。そして、制御部46は、各記録対象データについて、例えば、頻度が高い順に予め定められた数のワードを、その記録対象データの検索用のキーワードとして抽出する。このワードの抽出処理は、記録対象データが本文を含むものである場合は、少なくとも本文に対して行われる。なお、ステップS12の検索用のキーワードの抽出処理は、情報処理装置32のCPU20によって実行されてもよい。
【0031】
ステップS14で、制御部46は、磁気ヘッドHを制御し、ステップS10で取得した複数の記録対象データを磁気テープMTに記録する。ステップS16で、制御部46は、読取書込部48を制御し、ステップS12で各記録対象データから抽出した検索用のキーワードと、ステップS10で取得した各記録対象データの識別情報と、各記録対象データの磁気テープMT上の記録位置とを対応付けた検索情報14をRFIDタグ12に記録する。ステップS16の処理が終了すると、データ記録処理が終了する。データ記録処理が終了すると、テープドライブ44から磁気テープカートリッジ10がアンロードされる。なお、データ記録処理の終了後、テープドライブ44から磁気テープカートリッジ10をアンロードせずに、次の動作を待機してもよい。
【0032】
図4に示すデータ記録処理によって、磁気テープMTに複数のデータが記録され、RFIDタグ12に検索情報14が記録される。図5に、検索情報14の一例を示す。図5に示すように、検索情報14は、検索用のキーワードと、データの識別情報(図5の例では、データ名)と、データの磁気テープMT上の記録位置とが対応付けられた情報である。本実施形態では、少なくとも1つの検索用のキーワードが、磁気テープMTに記録された複数のデータのうちの少なくとも2つに対応付けられる。データの磁気テープMT上の記録位置の例としては、磁気テープMTのデータバンドの番号と、磁気テープMTの長手方向の位置を表す情報との組み合わせが挙げられる。
【0033】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る情報処理装置32の機能的な構成について説明する。図6に示すように、情報処理装置32は、受付部50、出力部52、及び取得部54を含む。CPU20が検索プログラム29を実行することで、受付部50、出力部52、及び取得部54として機能する。
【0034】
受付部50は、ユーザによって入力部24を介して入力されたキーワードを受け付ける。なお、受付部50は、ネットワークを介して情報処理装置32と通信可能に接続された端末装置(図示省略)に対してユーザが入力し、端末装置から送信されたキーワードをネットワークI/F25を介して受け付けてもよい。
【0035】
出力部52は、受付部50により受け付けられたキーワードをテープドライブ44に出力する。取得部54は、出力部52からテープドライブ44へ出力されたキーワードに対応してテープドライブ44から出力されたデータを取得する。そして、取得部54は、取得したデータを記憶部22に記憶する。
【0036】
次に、図7及び図8を参照して、データの検索処理の流れを説明する。図7に示す検索処理は、ユーザによって入力部24を介してキーワードが入力された場合に、情報処理装置32のCPU20によって実行される。
【0037】
図7のステップS20で、受付部50は、ユーザによって入力部24を介して入力されたキーワードを受け付ける。ステップS22で、出力部52は、ステップS20で受け付けられたキーワードをテープドライブ44に出力する。ステップS24で、取得部54は、ステップS22の処理によりテープドライブ44へ出力されたキーワードに対応して、後述する図8に示す検索処理のステップS40の処理によりテープドライブ44から出力されたデータを取得する。そして、取得部54は、取得したデータを記憶部22に記憶する。ステップS24の処理が終了すると、図7に示す検索処理が終了する。
【0038】
図7に示す検索処理のステップS22の処理によってキーワードがテープドライブ44に入力されると、テープドライブ44の制御部46によって図8に示す検索処理が実行される。
【0039】
図8のステップS30で、制御部46は、図7のステップS22の処理により情報処理装置32から入力されたキーワードを取得する。ステップS32で、制御部46は、磁気テープカートリッジ10を移動する移動機構(図示省略)を制御し、スロット42に格納された磁気テープカートリッジ10をテープドライブ44にロードする。ステップS32の処理が繰り返し実行される際には、それまでにロードされていない磁気テープカートリッジ10が処理対象とされる。
【0040】
ステップS34で、制御部46は、読取書込部48を制御し、ステップS32でテープドライブ44にロードされた磁気テープカートリッジ10のRFIDタグ12に記録された検索情報14を読み取らせる。そして、制御部46は、読取書込部48により読み取られた検索情報14を取得する。
【0041】
ステップS36で、制御部46は、ステップS34で取得した検索情報14に含まれる検索用のキーワードに、ステップS30で取得したキーワードが存在するか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS42に移行し、肯定判定となった場合は、処理はステップS38に移行する。ステップS36の処理により、制御部46が、複数の磁気テープカートリッジ10の中から、受付部50により受け付けられたキーワードが記録されたRFIDタグ12を有する磁気テープカートリッジ10を特定する特定部として機能する。
【0042】
ステップS38で、制御部46は、磁気ヘッドHを制御し、ステップS34で取得した検索情報14におけるステップS30で取得したキーワードに対応するデータ名のデータを、磁気テープMT上の対応する記録位置から再生させる。そして、制御部46は、磁気ヘッドHにより再生されたデータを取得する。
【0043】
ステップS40で、制御部46は、ステップS38で取得したデータを情報処理装置32に出力する。ステップS42で、制御部46は、磁気テープカートリッジ10をテープドライブ44からアンロードする。アンロードされた磁気テープカートリッジ10は、スロット42に格納される。
【0044】
ステップS44で、制御部46は、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS32に戻り、肯定判定となった場合は、図8に示す検索処理が終了する。この終了タイミングの例としては、検索対象の全ての磁気テープカートリッジ10に対するステップS32からステップS42までの処理の実行が終了したタイミングが挙げられる。なお、テープライブラリ40が複数のテープドライブ44を備える場合は、ステップS30からステップS44までの処理を、複数のテープドライブ44を用いて並列に実行してもよい。この場合、テープドライブ44毎に、検索対象とする磁気テープカートリッジ10を予め定めておく形態が例示される。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の磁気テープカートリッジ10からユーザにより入力されたフリーのキーワードを含むデータが記録されている磁気テープカートリッジ10を検索することができる。従って、ユーザは、各磁気テープカートリッジ10にどのようなデータが記録されているかを把握していなくても、目的のデータを検索することができる。このため、磁気テープに記録されたデータの検索性を高めることができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、検索用のキーワードが、磁気テープカートリッジ10が備えるRFIDタグ12に記録されている。従って、磁気テープカートリッジ10が他のシステムに移送された場合において、管理情報の更新等を行わなくとも、磁気テープカートリッジ10に記録されたデータを検索することができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、ユーザにより入力されたキーワードを含む全てのデータを再生する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザにより入力されたキーワードを含む全てのデータの一覧を表示部23に表示する形態としてもよい。この場合、ユーザは、表示部23に表示されたデータの一覧から、目的のデータを選択する。そして、この場合、制御部46は、磁気ヘッドHを制御し、ユーザにより入力されたキーワードを含む全てのデータのうち、ユーザにより選択されたデータのみを再生させる。
【0048】
また、上記実施形態において、磁気テープカートリッジ10をスロット42とテープドライブ44との間で移動させる移動機構に、RFIDタグ12に記録された情報を非接触で読み取る読取部を設けてもよい。この形態における制御部46により実行される検索処理の流れの一例を図9に示す。図9における図8と同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。図9では、図8のステップS32に代わるステップS32Aが、ステップS36とステップS38の間で実行される。また、図9では、図8のステップS34に代えてステップS34Aが実行される。また、図9では、ステップS36の判定が否定判定となった場合は、処理がステップS44に移行する。
【0049】
図9のステップS34Aで、制御部46は、移動機構に設けられた読取部を制御し、スロット42に格納された磁気テープカートリッジ10のRFIDタグ12に記録された検索情報14を読み取らせる。そして、制御部46は、読取部により読み取られた検索情報14を取得する。ステップS34Aの処理が繰り返し実行される際には、それまでにRFIDタグ12に記録された検索情報14が読み取られていない磁気テープカートリッジ10が処理対象とされる。
【0050】
ステップS32Aで、制御部46は、移動機構を制御し、ステップS34Aで検索情報14が読み取られた磁気テープカートリッジ10をテープドライブ44にロードする。この形態例では、検索対象の全ての磁気テープカートリッジ10のうち、ユーザにより入力されたキーワードを含むデータが記録された磁気テープカートリッジ10のみをテープドライブ44にロードすることになるため、上記実施形態に比較して、検索時間を短縮することができる。
【0051】
また、上記実施形態において情報処理装置32が備える受付部50等の機能部をテープドライブ44の制御部46が備えてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 磁気テープカートリッジ
12 RFIDタグ
14 検索情報
20 CPU
21 メモリ
22 記憶部
23 表示部
24 入力部
25 ネットワークI/F
26 外部I/F
27 バス
29 検索プログラム
30 記録再生システム
32 情報処理装置
40 テープライブラリ
42 スロット
44 テープドライブ
48 読取書込部
50 受付部
52 出力部
54 取得部
H 磁気ヘッド
MT 磁気テープ
RWD 記録再生素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9