(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】包装体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
B65D75/62 B
(21)【出願番号】P 2020092663
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2021-11-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 英人
(72)【発明者】
【氏名】村井 隆将
(72)【発明者】
【氏名】奥野 真伍
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-109858(JP,A)
【文献】特開平11-100045(JP,A)
【文献】特開2004-042922(JP,A)
【文献】実開昭59-096155(JP,U)
【文献】特開2009-035323(JP,A)
【文献】登録実用新案第3045026(JP,U)
【文献】特開平03-000669(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0021894(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/62
B65D 33/00
B31B 70/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、複数の吸収性物品と、複数の側面部を有し、前記複数の吸収性物品を収納する包装袋と、を備え、前記包装袋は、前記複数の側面部の少なくと
も三つに開封部を含む包装体であって、
前記複数の側面部は、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、
前記開封部は、
前記上下方向に沿って延び、前記幅方向又は前記奥行方向に間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線と、
前記幅方向又は前記奥行方向に沿って延び、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上側の端部同士をつなぐ横弱め線と、
を含み、
前記複数の吸収性物品は、前記包装体内で縦置きに、前記幅方向又は前記奥行方向に整列されており、
前記二本の縦弱め線における前記上下方向の下端の位置は、
前記複数の吸収性物品における前記上下方向の下端の位置よりも高く、
前記複数の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低
く、
前記開封部は、前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方、並びに、前記前面部及び前記後面部の両方、に配置され、
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と、前記前面部及び前記後面部の両方と、において、
前記二本の縦弱め線における前記上下方向の下端の位置は同じであり、
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方における、前記開封部の前記二本の縦弱め線のうちの前記前面部側の縦弱め線と、前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と前記前面部との境界線と、の距離は、前記前面部における、前記開封部の前記二本の縦弱め線のうちの前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方の側の縦弱め線と、当該境界線と、の距離と、同じであり、
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方における、前記開封部の前記二本の縦弱め線のうちの前記後面部側の縦弱め線と、前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と前記後面部との境界線と、の距離は、前記後面部における、前記開封部の前記二本の縦弱め線のうちの前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方の側の縦弱め線と、当該境界線と、の距離と、同じである、
包装体。
【請求項2】
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と、前記前面部及び前記後面部の少なくとも一方と、において、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上端の位置は、同じである、
請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記開封部は、前記包装袋に収納された状態の前記複数の吸収性物品における前記上下方向の上面部分の一部を覆うように形成され、
当該開封部の前記横弱め線は、当該開封部における前記上面部分の一部を覆う部分に形成されている、
請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項4】
前記複数の側面部の各々において、前記幅方向又は前記奥行方向における前記二本の縦弱め線間の距離は、前記幅方向又は前記奥行方向における前記複数の側面部の各々の長さの30%以上、80%以下である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項5】
前記横弱め線における前記幅方向又は奥行方向の中央部分を構成する弱め部同士の距離は、前記二本の縦弱め線の各々を構成する弱め部同士の距離よりも短い、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項6】
前記複数の吸収性物品は、前記上下方向に少なくとも二段に積層されており、
前記二本の縦弱め線における前記上下方向の下端の位置は、
前記複数の吸収性物品のうちの最上段の吸収性物品における前記上下方向の下端の位置よりも高く、
前記最上段の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低い、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項7】
幅方向、奥行方向及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含む複数の側面部を備え
、前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方、並びに、前記前面部及び前記後面部の両方に開封部を含み、前記開封部は、前記上下方向に沿って延び、前記幅方向又は前記奥行方向に間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線と、前記幅方向又は前記奥行方向に沿って延び、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上側の端部同士をつなぐ横弱め線と、を含む、複数の吸収性物品を収納可能な包装袋で
の製造方法あって、
搬送方向、横断方向、及び厚さ方向を有し、前記搬送方向に沿って延びる筒状の樹脂シート部材における、前記横断方向
の少なくとも一方側を
、前記横断方向の内側に向かって谷折りで折り畳むことにより、前記厚さ方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する前記前面部及び前記後面部と、前記前面部と前記後面部との間に折り畳まれ、前記横断方向の右側及び左側
の少なくとも一方に位置する前記右面部及び前記左面部
の少なくとも一方と、を形成する側面形成工程と、
前記前面部及び前記後面部のうちの一方側から他方側に向かって弱め線形成刃を押し付けることにより、前記前面部及び前記後面部に、前記搬送方向に延びる前記二本の縦弱め線及び前記横断方向に延びる前記横弱め線を形成すると同時に、前記右面部及び前記左面部
の少なくとも一方に、前記二本の縦弱め線及び前記横弱め線を形成する弱め線形成工程と、
を備え、
前記二本の縦弱め線における前記搬送方向の下端の位置は、前記包装袋に前記複数の吸収性物品が収納されているとき、前記複数の吸収性物品における前記搬送方向に平行な前記上下方向の下端の位置よりも高く、前記複数の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低くなるように、形成される、
包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品の包装体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
尿取りパッドのような吸収性物品を包装袋に収容した包装体が知られている。包装体は、ミシン目のような弱め線を包装袋に備えている。使用者は、弱め線の切り離しを行って、包装袋に開口部を形成し、その開口部から包装袋に収納された吸収性物品を取り出す。
【0003】
そのような包装体として、例えば、特許文献1に、紙おむつ等の包装袋(包装体)が開示されている。この包装体には、上開口部のシールラインよりも下方で充填収容される被包装物の上面またはその近傍に至るまでの区間で、包装体の底面と概ね平行な破断線(弱め線)が付設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装体では、包装袋に形成された開口部の大きさが大き過ぎると、吸収性物品が意図せずに開口部から外部へ脱落するおそれがある。そうかといって、その開口部の大きさが小さ過ぎると、吸収性物品を取り出すとき、開口部に引っ掛かけてしまい、取り出し難くなるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、包装袋に弱め線で開口部が形成される包装体において、開口部からの吸収性物品の脱落を抑制することと、開口部からの吸収性物品の取り出しを容易にすることとを両立することが可能な包装体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の包装体は次の通りである。
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、複数の吸収性物品と、複数の側面部を有し、前記複数の吸収性物品を収納する包装袋と、を備え、前記包装袋は、前記複数の側面部の少なくとも一つに開封部を含む包装体であって、前記複数の側面部は、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、前記開封部は、前記上下方向に沿って延び、前記幅方向又は前記奥行方向に間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線と、前記幅方向又は前記奥行方向に沿って延び、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上側の端部同士をつなぐ横弱め線と、を含み、前記複数の吸収性物品は、前記包装体内で縦置きに、前記幅方向又は前記奥行方向に整列されており、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の下端の位置は、前記複数の吸収性物品における前記上下方向の下端の位置よりも高く、前記複数の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低い、包装体。
【0008】
本発明の他の態様の包装体の製造方法は次の通りである。
幅方向、奥行方向及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含む複数の側面部を備え、前記複数の側面部の少なくとも一つに開封部を含み、前記開封部は、前記上下方向に沿って延び、前記幅方向又は前記奥行方向に間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線と、前記幅方向又は前記奥行方向に沿って延び、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上側の端部同士をつなぐ横弱め線と、を含む、複数の吸収性物品を収納可能な包装袋であって、搬送方向、横断方向、及び厚さ方向を有し、前記搬送方向に沿って延びる筒状の樹脂シート部材における、前記横断方向の両側を、それぞれ前記横断方向の内側に向かって谷折りで折り畳むことにより、前記厚さ方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する前記前面部及び前記後面部と、前記前面部と前記後面部との間に折り畳まれ、前記横断方向の右側及び左側にそれぞれ位置する前記右面部及び前記左面部と、を形成する側面形成工程と、前記前面部及び前記後面部のうちの一方側から他方側に向かって弱め線形成刃を押し付けることにより、前記前面部及び前記後面部に、前記搬送方向に延びる前記二本の縦弱め線及び前記横断方向に延びる前記横弱め線を形成すると同時に、前記右面部及び前記左面部に、前記二本の縦弱め線及び前記横弱め線を形成する弱め線形成工程と、を備え、前記二本の縦弱め線における前記搬送方向の下端の位置は、前記包装袋に前記複数の吸収性物品が収納されているとき、前記複数の吸収性物品における前記搬送方向に平行な前記上下方向の下端の位置よりも高く、前記複数の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低くなるように、形成される、包装袋の製造方法。
【0009】
本発明によれば、包装袋に弱め線で開口部が形成される包装体において、開口部からの吸収性物品の脱落を抑制することと、開口部からの吸収性物品の取り出しを容易にすることとを両立することが可能な包装体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る包装体の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る包装体の構成例を模式的に示す正面図である。
【
図3】実施形態に係る包装体の構成例を模式的に示す右側面図である。
【
図4】実施形態に係る包装体の包装袋を模式的に示す展開図である。
【
図5】実施形態に係る包装体を前面部及び左面部で開封した状態を示す模式図である。
【
図6】実施形態に係る縦弱め線及び横弱め線の構成例を示す模式図である。
【
図7】実施形態に係る縦弱め線及び横弱め線の構成例を示す模式図である。
【
図8】実施形態に係る包装体の製造方法の一例を示す模式図である。
【
図9】実施形態に係る包装体の他の構成例を模式的に示す正面図及び右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態は、以下の態様に関する。
[態様1]
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、複数の吸収性物品と、複数の側面部を有し、前記複数の吸収性物品を収納する包装袋と、を備え、前記包装袋は、前記複数の側面部の少なくとも一つに開封部を含む包装体であって、前記複数の側面部は、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、前記開封部は、前記上下方向に沿って延び、前記幅方向又は前記奥行方向に間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線と、前記幅方向又は前記奥行方向に沿って延び、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上側の端部同士をつなぐ横弱め線と、を含み、前記複数の吸収性物品は、前記包装体内で縦置きに、前記幅方向又は前記奥行方向に整列されており、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の下端の位置は、前記複数の吸収性物品における前記上下方向の下端の位置よりも高く、前記複数の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低い、包装体。
【0012】
本包装体では、使用者は、包装袋の開封部において、横弱め線及び二本の縦弱め線の切り離しを行って、包装袋に開口部を形成し、その開口部から包装袋に収納された吸収性物品を取り出すことができる。そのとき、二本の縦弱め線における上下方向の下端の位置は、複数の吸収性物品における上下方向の下端の位置よりも高い。そのため、開封部を開封したとき、吸収性物品の下側の部分が、開口部の下端よりも下側に位置することになり、包装袋に保護されることになる。したがって、吸収性物品が意図せずに開口部から外部へ脱落することを抑制できる。更に、吸収性物品を取り出すとき、他の吸収性物品が意図せずに開口部から外部へ脱落することを抑制できる。また、二本の縦弱め線における上下方向の下端の位置は、複数の吸収性物品における上下方向の中間の位置よりも低い。そのため、開封部を開封したとき、吸収性物品の上側の半分以上の部分が、開口部の下端よりも上側に位置することになり、開口部から露出することになる。したがって、吸収性物品を取り出すとき、開口部に引っ掛かることを抑制できる。このように、この包装体において、開口部からの吸収性物品の脱落を抑制することと、開口部からの吸収性物品の取り出しを容易にすることとを両立できる。
【0013】
[態様2]
前記開封部は、前記前面部及び前記後面部の少なくとも一方、及び、前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方の各々に、配置されている、態様1に記載の包装体。
本包装体では、開封部は、前面部又は後面部、及び、右側面部又は左側面部に配置されている。すなわち、包装体では、奥行方向に向いた開封部、及び、幅方向に向いた開封部が形成されている。そのため、使用者は、両開封部を開口することで、幅方向及び奥行方向の二方向に向いた開口部のそれぞれから吸収性物品を取り出すことができる。したがって、任意の場所に包装体を置いても、吸収性物品をいずれかの開封部の開口部から容易に取り出すことができる。
【0014】
[態様3]
前記開封部は、前記包装袋に収納された状態の前記複数の吸収性物品における前記上下方向の上面部分の一部を覆うように形成され、当該開封部の前記横弱め線は、当該開封部における前記上面部分の一部を覆う部分に形成されている、態様1又は2に記載の包装体。
本包装体では、開封部が、包装袋に収納された状態の複数の吸収性物品の上面部分の一部を覆うように形成され、その横弱め線が、その開封部における上面部分の一部を覆う部分に形成されている。そのため、開封部を横弱め線から開封したとき、包装袋に収納された状態の複数の吸収性物品における上面部分から側面部分までの領域が露出するように開口部を形成することができる。それにより、吸収性物品を取り出すとき、吸収性物品一つ一つを開口部で視認し易くすることできると共に、吸収性物品の上面部分を開口部の上側部側の端に引っ掛かり難くすることができる。したがって、吸収性物品を開口部からより容易に取り出すことができる。
【0015】
[態様4]
前記複数の側面部の各々において、前記幅方向又は前記奥行方向における前記二本の縦弱め線間の距離は、前記幅方向又は前記奥行方向における前記複数の側面部の各々の長さの30%以上、80%以下である、態様1乃至3のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、二本の縦弱め線間の距離は、側面部の長さの30%以上、80%以下である。すなわち、開封部の開口部の長さを側面部の長さの30%~80%とし、側面部の開口部以外の部分の長さを側面部の長さの70~20%としている。開封部の開口部の長さを30%以上とすることで、開口部の間口が広がるので、開口部から吸収性物品をより容易に取り出すことができる。更に、開封部の開口部の長さを80%以下とすることで、側面部の開口部以外の部分の長さを20%超とできるので、包装体(包装袋)の形状を崩れに難くすることができる。よって、包装袋の全体の形状を崩さずに、側面部から吸収性物品を容易に取り出すことができる。
【0016】
[態様5]
前記横弱め線における前記幅方向又は奥行方向の中央部分を構成する弱め部同士の距離は、前記二本の縦弱め線の各々を構成する弱め部同士の距離よりも短い、態様1乃至4のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、横弱め線における幅方向の中央部分を構成する弱め部同士の距離は、二本の縦弱め線の各々を構成する弱め部同士の距離よりも短い。そのため、開封部を開封するとき、横弱め線の中央部分に指を入れたとき、隣り合う弱め部同士に切り離しの力を伝搬させ易くすることができる。それにより、横弱め線の切り離しを容易に開始することができ、更に、横弱め線の切り離しに続けて、二本の縦弱め線の各々の切り離しを容易に行うことができる。したがって、開封部の開口部の形成を容易に行うことができ、吸収性物品を開口部からより容易に取り出すことができる。
【0017】
[態様6]
前記複数の吸収性物品は、前記上下方向に少なくとも二段に積層されており、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の下端の位置は、前記複数の吸収性物品のうちの最上段の吸収性物品における前記上下方向の下端の位置よりも高く、前記最上段の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低い、態様1乃至5のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、複数の吸収性物品のうちの最上段の吸収性物品については、開封部を開封したとき、吸収性物品が意図せずに開口部から外部へ脱落することを抑制できる。更に、吸収性物品を取り出すとき、他の吸収性物品が意図せずに開口部から外部へ脱落することを抑制できる。更に、吸収性物品を取り出すとき、開口部に引っ掛かることを抑制できる。また、複数の吸収性物品が少なくとも二段に積層されていても、上側の段の吸収性物品から順に取り出せるので、吸収性物品の一部又は全部が開口部から外にこぼれ出ることもなく、吸収性物品を容易に取り出すことができる。また、未使用の下側の段の吸収性物品は取り出すまで包装袋に覆われているので、その清潔性を保つことができる。このように、この包装体において、開口部からの吸収性物品の脱落を抑制することと、開口部からの吸収性物品の取り出しを容易にすることとを両立でき、下側の段の吸収性物品の清潔性を保つことができる。
【0018】
[態様7]
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と、前記前面部及び前記後面部の少なくとも一方と、において、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の下端の位置は同じである、態様1乃至6のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体は、右面部及び左面部の少なくとも一方と、前面部及び後面部の少なくとも一方と、において、二本の縦弱め線における下端の位置は同じである。そのため、右面部又は左面部の開封部、すなわち幅方向に開口する開封部と、前面部又は後面部の開封部、すなわち奥行方向に開口する開封部と、を両方開封しても、開口部の下端の位置を同じに揃えることができる。それにより、使用者が、いずれか一方の開封部の下端の位置を一度把握してしまえば、いずれの開封部から吸収性物品を取り出す場合でも、下端の位置をその度に目で見て確認しなくても、側面部から吸収性物品を容易に取り出すことができる。
【0019】
[態様8]
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と、前記前面部及び前記後面部の少なくとも一方と、において、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上端の位置は、同じである、態様1乃至7のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、右面部及び左面部の少なくとも一方と、前面部及び後面部の少なくとも一方と、において、二本の縦弱め線における上端の位置は同じである。そのため、右面部又は左面部の開封部、すなわち幅方向に開口する開封部と、前面部又は後面部の開封部、すなわち奥行方向に開口する開封部と、を両方開封しても、開口部の上端の位置を同じに揃えることができる。それにより、使用者が、いずれか一方の開封部の上端の位置を一度把握してしまえば、いずれの開封部から吸収性物品を取り出す場合でも、上端の位置をその度に目で見て確認しなくても、側面部から吸収性物品を容易に取り出すことができる。
【0020】
[態様9]
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方における、前記二本の縦弱め線のうちの前記前面部側の縦弱め線と、前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と前記前面部との境界線と、の距離は、前記前面部における、前記二本の縦弱め線のうちの前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方の側の縦弱め線と、前記境界線と、の距離と、同じであり、
前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方における、前記二本の縦弱め線のうちの前記後面部側の縦弱め線と、前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方と前記後面部との境界線と、の距離は、前記後面部における、前記二本の縦弱め線のうちの前記右面部及び前記左面部の少なくとも一方の側の縦弱め線と、当該境界線と、の距離と、同じである、態様7又は8に記載の包装体。
本包装体では、右面部又は左面部における前面部側の縦弱め線と、右面部又は左面部と前面部との境界線と、の距離は、前面部における右面部側又は左面部側の縦弱め線と、当該境界線と、の距離と、同じである。同様に、本包装体では、右面部又は左面部における後面部側の縦弱め線と、右面部又は左面部と後面部との境界線と、の距離は、後面部における右面部側又は左面部側の縦弱め線と、当該境界線と、の距離と、同じである。ここで、右面部又は左面部における前面部側の縦弱め線と、境界線と、の距離は、右面部又は左面部における開封部の開口部の両外側の各々の部分の幅である。一方、前面部における右面部側又は左面部側の縦弱め線と、境界線と、の距離は、前面部における開封部の開口部の両外側の各々の部分の幅である。同様に、右面部又は左面部における後面部側の縦弱め線と、境界線と、の距離は、右面部又は左面部における開封部の開口部の両外側の各々の部分の幅である。一方、後面部における右面部側又は左面部側の縦弱め線と、境界線と、の距離は、後面部における開封部の開口部の両外側の部分の幅である。これら各開封部の開口部の両外側の部分は、開封後の各側面部の形状の維持、延いては包装体の形状の維持に必要な部分である。したがって、これらの部分の幅のバランスが悪いと、開封後の側面部や包装体の形状の維持が困難となる。そこで、この包装体では、これらの幅が側面部ごとに大きく異なることがないように所定の同一の幅を持たせている。それにより、開封後の側面部や包装体の形状を維持し易くしている。それにより、開封部の開口部の形状が維持されて、吸収性物品の取り出し易さを維持できる。
【0021】
[態様10]
幅方向、奥行方向及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含む複数の側面部を備え、前記複数の側面部の少なくとも一つに開封部を含み、前記開封部は、前記上下方向に沿って延び、前記幅方向又は前記奥行方向に間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線と、前記幅方向又は前記奥行方向に沿って延び、前記二本の縦弱め線における前記上下方向の上側の端部同士をつなぐ横弱め線と、を含む、複数の吸収性物品を収納可能な包装袋であって、搬送方向、横断方向、及び厚さ方向を有し、前記搬送方向に沿って延びる筒状の樹脂シート部材における、前記横断方向の両側を、それぞれ前記横断方向の内側に向かって谷折りで折り畳むことにより、前記厚さ方向の一方側及び他方側にそれぞれ位置する前記前面部及び前記後面部と、前記前面部と前記後面部との間に折り畳まれ、前記横断方向の右側及び左側にそれぞれ位置する前記右面部及び前記左面部と、を形成する側面形成工程と、前記前面部及び前記後面部のうちの一方側から他方側に向かって弱め線形成刃を押し付けることにより、前記前面部及び前記後面部に、前記搬送方向に延びる前記二本の縦弱め線及び前記横断方向に延びる前記横弱め線を形成すると同時に、前記右面部及び前記左面部に、前記二本の縦弱め線及び前記横弱め線を形成する弱め線形成工程と、を備え、前記二本の縦弱め線における前記搬送方向の下端の位置は、前記包装袋に前記複数の吸収性物品が収納されているとき、前記複数の吸収性物品における前記搬送方向に平行な前記上下方向の下端の位置よりも高く、前記複数の吸収性物品における前記上下方向の中間の位置よりも低くなるように、形成される、包装袋の製造方法。
【0022】
本包装体では、一つの弱め線形成刃により、前面部及び後面部における横弱め線及び二本の縦弱め線の形成により、同時に、右面部及び左面部における横弱め線及び二本の縦弱め線を形成することができる。それにより、弱め線を容易に形成できると共に、弱め線の形成の工数を削減でき、製造設備の削減等によるコスト低減が可能となる。そして、この包装袋に複数の吸収性物品を収納することで、開口部からの吸収性物品の脱落を抑制することと、開口部からの吸収性物品の取り出しを容易にすることとを両立し得る包装体を容易に形成できる。
【0023】
以下、実施形態に係る包装体について説明する。ただし、本明細書において、ある方向に「沿う」とは、その方向に対して±30°の範囲の方向に沿うことを含むものとする。また、ある部材等のある方向の端部とは、その部材のその方向の端縁から、その部材等のその方向での全体の長さの1/5(好ましくは1/10)以下の長さの範囲をいう。
【0024】
図1~
図4は実施形態に係る包装体1の構成例を示す模式図である。ただし、
図1は包装体1の構成例を模式的に示す斜視図であり、
図2は包装体1の構成例を模式的に示す正面図であり、
図3は包装体1の構成例を模式的に示す右側面図であり、
図3は包装体1の包装袋2を模式的に示す平面図である。
図4は包装体1の包装袋2を模式的に示す展開図である。
【0025】
包装体1は、互いに直交する幅方向W、奥行方向D、及び上下方向Tを有している。そして、包装体1は、複数の吸収性物品3と、複数の側面部を含み、複数の吸収性物品3を収納する包装袋2と、を備えている。複数の側面部は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14を含んでいる。前面部11及び後面部12は包装体1(包装袋2)の前面及び後面を構成する部分であり、前面部11及び後面部12の一方から他方へ向かう方向が奥行方向Dである。右面部13及び左面部14は包装体1(包装袋2)の右面及び左面を構成する部分であり、右面部13及び左面部14の一方から他方へ向かう方向が幅方向Wである。互いに隣り合う前面部11、右面部13、後面部12及び左面部14で構成される筒の延びる方向が上下方向Tである。なお、複数の側面部は、包装袋2の側面部であると共に、包装体1の側面部でもあるから、包装体1が複数の側面部を有する、ということができる。
【0026】
包装体1(包装袋2)は、互いに隣接する側面部同士が交わる部分に角部19を有している。すなわち、前面部11と右面部13とが交わる部分、前面部11と左面部14とが交わる部分、後面部12と右面部13とが交わる部分、及び後面部12と左面部14とが交わる部分の各々に角部19を有している。ここで、互いに隣接する側面部同士の境界を境界線CLとすると、前面部11と右面部13との境界、前面部11と左面部14との境界、後面部12と右面部13との境界、及び、後面部12と左面部14との境界に境界線CLが存在する。したがって、角部19は境界線CLを含む領域であり、本実施形態では、境界線CLは、角部19における包装体1(包装袋2)の表面に沿う底面部16(後述)に平行な方向の中心に位置している。なお、
図4は、包装袋2を後面部12と左面部14との境界線CLで切断して展開した図である。
【0027】
本実施形態では、包装袋2は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートのような合成樹脂で形成されたシート部材で構成されている。包装袋2には、複数の吸収性物品3が、縦置きされた状態で、幅方向Wに重ねられ一列に並べられつつ、上下方向Tに三段重ねられて収納されている。ただし、吸収性物品3は、上下方向Tに一段でもよく、二段又は四段以上であってもよく、奥行方向Dに重ねられてもよく、各段において二列以上に並べられてもよい。また、本実施形態では、吸収性物品3は尿取りパッドである。ただし、吸収性物品3の種類はこの例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲を逸脱しない限り、他の吸収性物品でもよい。他の吸収性物品としては、生理用ナプキン、失禁パッド、パンツ型おむつ、テープ型おむつ、などが挙げられる。なお、包装体1に内包される折り畳まれた吸収性物品3の大きさは、特に制限はないが、例えば、5~30cm×5~40cm×1~10cmが挙げられる。
【0028】
本実施形態では、包装体1(包装袋2)は直方体の形状を有しており、したがって、その各側面部、すなわち前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々は矩形の形状を有している。ただし、包装体1は、主に変形容易なシート部材及び吸収性物品で構成されているので、厳密な直方体の形状を有していなくてもよい。例えば、吸収性物品3が圧縮されて包装袋2に収納され、その後に吸収性物品3が膨張して包装袋2が内側から伸長した状態のように、側面部の一部又は全部や、角部19の一部又は全部が、曲面を有していたり、丸みを帯びていたり、凸凹を有していたりしてもよい。なお、包装体1(包装袋2)の大きさは、特に制限はないが、例えば、幅方向Wの長さ10~80cm、奥行方向Dの長さ10~80cm、上下方向Tの長さ10~100cmが挙げられる。
【0029】
包装体1(包装袋2)は、複数の側面部の少なくとも一つに開封部20を含んでいる。開封部20は、上下方向Tに沿って延び、幅方向W又は奥行方向Dに間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線25と、幅方向W又は奥行方向Dに沿って延び、二本の縦弱め線25における上下方向Tの上側の端部同士をつなぐ横弱め線24とを含んでいる。ここで、縦弱め線25及び横弱め線24のような弱め線とは、包装袋2のシート部材をその厚さ方向に貫通した部分又は厚さ方向に薄く削ってハーフカットした部分(以下、「弱め部分」ともいう。)が所定の方向に間欠的に複数個並んだものをいい、ミシン目に例示される。弱め線を挟んで両側の部分を、互いに引き離すように引っ張ることで、弱め線に沿って互いに容易に切り離すことができる。そして、横弱め線24及び二本の縦弱め線25の切り離しを行うことで、開封部20を開口して、吸収性物品3を取り出すことができる。
【0030】
本実施形態では、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々に開封部20を含んでいる。そして、前面部11及び後面部12の各々は、上下方向Tに沿って延び、幅方向Wに間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線25と、幅方向Wに沿って延び、二本の縦弱め線25における上下方向Tの上側の端部同士をつなぐ横弱め線24とを含んでいる。一方、右面部13及び左面部14の各々は、上下方向Tに沿って延び、奥行方向Dに間隔を空けて並んだ二本の縦弱め線25と、奥行方向Dに沿って延び、二本の縦弱め線25における上下方向Tの上側の端部同士をつなぐ横弱め線24とを含んでいる。
【0031】
開封部20において、二本の縦弱め線25における上下方向Tの下端の位置H1D、H2Dは、複数の吸収性物品3における上下方向Tの下端3TE2の位置HADよりも高く、複数の吸収性物品3における上下方向Tの中間の位置HAMよりも低い。したがって、開封部20が開封されると、吸収性物品3における上下方向Tの下側の部分は包装袋2に覆われたままとなり、その側の部分よりも上側の部分(半分以上の部分)は露出されることになる。
【0032】
例えば、
図2に示すように、前面部11の二本の縦弱め線25における上下方向Tの下端の位置H1Dは、複数の吸収性物品3における上下方向Tの下端3TE2の位置HADよりも高く、複数の吸収性物品3における上下方向Tの中間の位置HAMよりも低い。ここで、縦弱め線25の下端の位置H1Dと、吸収性物品3の下端3TE2の位置HADとの距離をd11(>0)とし、吸収性物品3の下端3TE2の位置HADと、上端3TE1の位置HAUとの距離をdA0(>0)とすると、d11<dA0/2である。後面部12についても同様である。更に、本実施形態では、
図3に示すように、右面部13の二本の縦弱め線25における上下方向Tの下端の位置H2Dは、複数の吸収性物品3における上下方向Tの下端3TE2の位置HADよりも高く、複数の吸収性物品3における上下方向Tの中間の位置HAMよりも低い。ここで、縦弱め線25の下端の位置H2Dと、吸収性物品3の下端3TE2の位置HADとの距離をd21(>0)とすると、d21<dA0/2である。左面部14についても同様である。ただし、本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、上下方向Tに複数段に重ねられた複数の吸収性物品3のうち、最上段の複数の吸収性物品3に対して、開封部20が形成されている。
【0033】
更に、本実施形態では、開封部20は、包装袋2に収納された状態の複数の吸収性物品3における上下方向Tの上面部分(上端3TE1を含む)の一部を覆うように形成されている。この場合、その開封部20の横弱め線24は、その開封部20のうちの、複数の吸収性物品3における上下方向Tの上面部分(上端3TE1を含む)の一部を覆う部分20Uに形成されている。したがって、開封部20が開封され、部分20Uが除かれると、吸収性物品3における上下方向Tの上面部分(上端3TE1を含む)の一部分は露出されることになる。
【0034】
例えば、
図1及び
図2に示すように、前面部11の開封部20は、複数の吸収性物品3における上下方向Tの上面部分(上端3TE1を含む)の一部を覆う部分20Uを含んでいる。この場合、前面部11の開封部20の横弱め線24は、その開封部20の部分20Uに形成されている。ここで、横弱め線24の下端の位置H1Uと、吸収性物品3の上端3TE1の位置HAUとの距離をd12とすると、d12>0となる。後面部12についても同様である。更に、本実施形態では、
図1及び
図3に示すように、右面部13の開封部20は、複数の吸収性物品3における上下方向Tの上面部分(上端3TE1を含む)の一部を覆う部分20Uを含んでいる。この場合、右面部13の開封部20の横弱め線24は、その開封部20の部分20Uに形成されている。ここで、横弱め線24の下端の位置H2Uと、吸収性物品3の上端3TE1の位置HAUとの距離をd22とすると、d22>0となる。左面部14についても同様である。なお、位置H1U、H2Uは、横弱め線24の下端の位置であり、かつ、縦弱め線25の上端の位置でもある。
【0035】
本実施形態では、包装体1(包装袋2)は、前面部11及び後面部12の各々において幅方向Wに沿って延びるように、及び、右面部13及び左面部14の各々において奥行方向Dに沿って延びるように、それぞれ形成された第1弱め線21と、角部19を跨ぐように形成された第2弱め線22と、を更に備えている。
【0036】
本実施形態では、包装体1(包装袋2)は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々の第1弱め線21及び第2弱め線22よりも上下方向Tの上側の部分で形成された上面部15を更に含んでいる。上面部15は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々の上下方向Tの上側の端部が互いに熱融着された結合部17を含んでいる。結合部17は、弱め線で形成された取手部18を含んでいる。包装体1(包装袋2)は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々の上下方向Tの下側の端部が互いに熱融着された底面部16を更に有している。包装体1(包装袋2)は、上面部15、前面部11、後面部12、右面部13、左面部14及び底面部16により複数の吸収性物品3を包んでいる。
【0037】
図5は、実施形態に係る包装体1を前面部11又は左面部14で開封した状態を示す模式図である。
図5(a)に示すように、包装体1の前面部11において、開封部20の横弱め線24の切り離しを行い、横切断線24aを形成し、続けて二本の縦弱め線25の切り離しを行い、二本の縦切断線25aを形成する。それにより、開口部OPAが形成されて、前面部11の開封部20が開封される。そのとき、開口部OPAでは、吸収性物品3における上下方向Tの下側の部分が包装袋2に覆われつつ、それより上側の部分(半分以上の部分)が露出される。後面部12についても同様である。一方、
図5(b)に示すように、包装体1の左面部14において、開封部20の横弱め線24の切り離しを行い、横切断線24aを形成し、続けて二本の縦弱め線25の切り離しを行い、二本の縦切断線25aを形成する。それにより、開口部OPBが形成されて、左面部14の開封部20が開封される。そのとき、開口部OPBでは、吸収性物品3における上下方向Tの下側の部分が包装袋2に覆われつつ、それより上側の部分(半分以上の部分)が露出される。右面部13についても同様である。
【0038】
本包装体1では、使用者は、包装袋2の開封部20において、横弱め線24及び二本の縦弱め線25の切り離しを行って、包装袋2に開口部OPA及び/又は開口部OPBを形成する。そして、その開口部OPA及び/又は開口部OPBから、包装袋2に収納された吸収性物品3を取り出すことができる。そのとき、二本の縦弱め線25における上下方向Tの下端の位置H1D及び/又は位置H2Dは、複数の吸収性物品3における上下方向Tの下端3TE2の位置HADよりも高い。そのため、開封部20を開封したとき、吸収性物品3の下側の部分が、開口部OPA及び/又は開口部OPBの下端よりも下側に位置することになり、包装袋2に保護されることになる。したがって、吸収性物品3が意図せずに開口部OPA及び/又は開口部OPBから外部へ脱落することを抑制できる。更に、吸収性物品3を取り出すとき、他の吸収性物品3が意図せずに開口部OPA及び/又は開口部OPBから外部へ脱落することを抑制できる。また、二本の縦弱め線25における上下方向Tの下端の位置H1D及び/又は位置H2Dは、複数の吸収性物品3における上下方向Tの中間の位置HAMよりも低い。そのため、開封部20を開封したとき、吸収性物品3の上側の半分以上の部分が、開口部OPA及び/又は開口部OPBの下端よりも上側に位置することになり、開口部OPA及び/又は開口部OPBから露出することになる。したがって、吸収性物品3を取り出すとき、開口部OPA及び/又は開口部OPBに引っ掛かることを抑制できる。このように、この包装体1において、開口部OPA及び/又は開口部OPBからの吸収性物品3の脱落を抑制することと、開口部OPA及び/又は開口部OPBからの吸収性物品3の取り出しを容易にすることとを両立できる。
【0039】
なお、上記のd11、d21、dA0の関係は、0<d11、d21<dA0・(1/2)であればよいが、脱落抑制の観点から、好ましくはdA0(1/20)<d11、d21であり、より好ましくはdA0(2/20)<d11、d21であり、更に好ましくはdA0(3/20)<d11、d21である。一方、上記のd11、d21、dA0の関係は、取り出し易さの観点から、好ましくはd11、d21<dA0・(9/20)であり、より好ましくはd11、d21<dA0・(8/20)であり、更に好ましくはd11、d21<dA0・(7/20)である。
【0040】
また、本実施形態では、
図1~
図4に示すように、開封部20は、前面部11及び後面部12の少なくとも一方、及び、右面部13及び左面部14の少なくとも一方の各々に、配置されていてもよい。すなわち、包装体1では、奥行方向Dに向いた開封部20(前面部11又は後面部12)、及び、幅方向Wに向いた開封部20(右面部13又は左面部14)が形成されている。そのため、使用者は、両開封部20を開口することで、幅方向W及び奥行方向Dの二方向に向いた開口部OPA及び開口部OPBのそれぞれから吸収性物品3を取り出すことができる。よって、任意の場所に包装体1を置いても、吸収性物品3をいずれかの方向の開口部OPA又は開口部OPBから容易に取り出すことができる。
【0041】
また、本実施形態では、
図1~
図4に示すように、開封部20は、包装袋2に収納された状態の複数の吸収性物品3における上下方向Tの上面部分(上端3TE1を含む)の一部を覆う部分20Uを有していてもよい。その場合、当該開封部20の横弱め線24は、その部分20Uに形成されている。そのため、開封部20を横弱め線24から開封したとき、包装袋2に収納された状態の複数の吸収性物品3における上面部分から側面部分までの領域が露出するように開口部OPA及び/又は開口部OPBを形成することができる。それにより、吸収性物品3を取り出すとき、吸収性物品3一つ一つを開口部OPA及び/又は開口部OPBで視認し易くすることできると共に、吸収性物品3の上面部分を開口部OPA及び/又は開口部OPBの上面部15側の端に引っ掛かり難くすることができる。したがって、吸収性物品3を開口部OPA及び/又は開口部OPBからより容易に取り出すことができる。
【0042】
また、本実施形態では、
図1~
図4に示すように、複数の吸収性物品3は、上下方向に少なくとも二段に積層されていてもよい。その場合、二本の縦弱め線25における上下方向Tの下端の位置H1D及び/又は位置H2Dは、複数の吸収性物品3のうちの最上段の吸収性物品3における上下方向Tの下端の位置HADよりも高く、最上段の吸収性物品3における上下方向Tの中間の位置HAMよりも低い。そのため、複数の吸収性物品3のうちの最上段の吸収性物品3について、開口部OPA及び/又は開口部OPBから外部へ脱落することや、取り出すときに開口部OPA及び/又は開口部OPBに引っ掛かることを抑制できる。更に、複数の吸収性物品3が少なくとも二段に積層されていても、上側の段の吸収性物品3から順に取り出せるので、吸収性物品3の一部又は全部が開口部OPA及び/又は開口部OPBから外にこぼれ出ることもなく、吸収性物品3を容易に取り出すことができる。また、未使用の下側の段の吸収性物品3は取り出すまで包装袋2に覆われているので、その清潔性を保つことができる。このように、この包装体1において、開口部OPA及び/又は開口部OPBからの吸収性物品3の脱落を抑制することと、開口部OPA及び/又は開口部OPBからの吸収性物品3の取り出しを容易にすることとを両立でき、下側の段の吸収性物品3の清潔性を保つことができる。
【0043】
図6は、実施形態に係る縦弱め線及び横弱め線の構成例を示す模式図である。本実施形態では、複数の側面部の各々において、幅方向W又は奥行方向D(包装袋2の表面に沿う底面部16に平行な方向)における二本の縦弱め線25間の距離L1は、幅方向W又は奥行方向Dにおける複数の側面部の各々の長さL0の30%以上、80%以下であってもよい。すなわち、L1とL0との関係は、0.3<L1/L0<0.8である。したがって、開封部20の開口部OPA及び/又は開口部OPBの長さを側面部の長さの30%~80%とし、側面部の開口部OPA及び/又は開口部OPB以外の部分の長さを側面部の長さの70~20%としている。開封部20の開口部OPA及び/又は開口部OPBの長さを30%以上とすることで、開口部OPA及び/又は開口部OPBの間口が広がるので、開口部OPA及び/又は開口部OPBから吸収性物品3をより容易に取り出すことができる。更に、開封部20の開口部OPA及び/又は開口部OPBの長さを80%以下とすることで、側面部の開口部OPA及び/又は開口部OPB以外の部分の長さを20%超とできるので、包装体1(包装袋2)の形状を崩れに難くすることができる。よって、包装袋2の全体の形状を崩さずに、側面部から吸収性物品3を容易に取り出すことができる。L1とL0との関係は、好ましくは0.35<L1/L0<0.75であり、より好ましくは0.4<L1/L0<0.7である。なお、
図6は右側部13部又は左側部14の場合を示すが、前側部11及び/又は後側部12でも同様である。
【0044】
図7は、実施形態に係る縦弱め線及び横弱め線の構成例を示す模式図である。本実施形態では、横弱め線24が、中央に位置する中央横弱め線24mと、中央横弱め線24mの両側に位置する端部横弱め線24eと、を含んでいてもよい。その場合、中央横弱め線24mは、間欠的に配置された複数の中央横弱め部分24mwと、隣り合う中央横弱め部分24mw間に位置する複数の中央非横弱め部分24mvとで構成されている。また、端部横弱め線24eは、間欠的に配置された複数の端部横弱め部分24ewと、隣り合う端部横弱め部分24ew間に位置する複数の端部非横弱め部分24evとで構成されている。更に、縦弱め線25は、間欠的に配置された複数の縦弱め部分と、隣り合う縦弱め部分間に位置する複数の非縦弱め部分とで構成されている(符号省略)。ここで、中央横弱め線24mのピッチをLP1とし、中央横弱め部分24mw及び中央非横弱め部分24mvの長さをそれぞれLW1、LV1とする。また、端部横弱め線24eのピッチをLP2とし、端部横弱め部分24ew及び端部非横弱め部分24evの長さをそれぞれLW2、LV2とする。なお、縦弱め線25のピッチは、端部横弱め線24eのピッチと同じであり、縦弱め部分及び非縦弱め部分の長さは、端部横弱め部分24ew及び端部非横弱め部分24evの長さと同じとする。
【0045】
本実施形態では、
図7に示すように、横弱め線24における幅方向W又は奥行方向D(包装袋2の表面に沿う底面部16に平行な方向)の中央部分(中央横弱め線24m)を構成する弱め部(中央横弱め部分24mw)同士の距離(中央非横弱め部分24mvの長さLV1)は、二本の縦弱め線25の各々を構成する弱め部同士の距離(端部非横弱め部分24evの長さLV2)よりも短くてもよい。すなわち、LV1<LV2であってもよい。そのため、開封部20を開封するとき、横弱め線24の中央横弱め線24mに指を入れ易くすることができる。それにより、横弱め線24の切り離しを容易に開始することができ、更に、横弱め線24の切り離しに続けて、二本の縦弱め線25の各々の切り離しを容易に行うことができる。したがって、開封部20の開口部OPA及び/又は開口部OPBの形成を容易に行うことができ、吸収性物品3を開口部OPA及び/又は開口部OPBからより容易に取り出すことができる。また、更に、LW1<LW2であってもよく、LP1<LP2であってもよい。それにより、横弱め線24全体の切り離しを容易に行うことができ、更に、横弱め線24の切り離しに続けて、二本の縦弱め線25の各々の切り離しを容易に行うことができる。また、二本の縦弱め線25の各々を構成する弱め部同士の距離が、横弱め線24を構成する弱め部同士の距離よりも長くてもよい。なお、
図7は右側部13部又は左側部14の場合を示すが、前側部11及び/又は後側部12でも同様である。
【0046】
次に、実施形態に係る包装体1の製造方法について説明する。
図8は、実施形態に係る包装体の製造方法の一例を示す模式図である。この製造方法では、例として、ガゼットタイプの包装体1の製造方法について説明することとする。ただし、本製造方法は、各工程における資材の搬送等において、互いに直交する搬送方向MD、横断方向CD及び厚さ方向TD(図示されず)を有する。
【0047】
まず、複数の吸収性物品3を収納可能な包装袋2を形成する。包装袋2の形成方法は、面形成工程と、弱め線形成工程と、を備えている。
【0048】
側面形成工程は、搬送方向MDに沿って延びる筒状の樹脂性のシート部材50(
図8(a))における、横断方向CDの両側を、それぞれ横断方向CDの内側に向かって谷折りで折り畳む。それにより、側面形成工程は、厚さ方向TDの一方側及び他方側にそれぞれ位置する前面部11及び後面部12と、前面部11と後面部12との間に折り畳まれ、横断方向CDの右側及び左側にそれぞれ位置する右面部13及び左面部14と、を形成する(
図8(b))。このとき、前面部11と後面部12とが厚さ方向TDに重なり、かつ、前面部11及び後面部12の右側の部分と右面部13とが厚さ方向TDに重なり、かつ、前面部11及び後面部12の左側の部分と左面部14とが厚さ方向TDに重なる。
【0049】
弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12のうちの一方側から他方側に向かって(厚さ方向TDに)弱め線形成刃(図示されず)を押し付ける。例えば折り畳まれたシート部材50を、弱め線形成刃を有するロールとアンビルロールとに挟持させる。それにより、弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12に、搬送方向MDに延びる二本の縦弱め線25及び横断方向CDに延びる横弱め線24を形成する。それに伴い、同時に、前面部11と後面部12との間に位置し、厚さ方向TDに重なった右面部13及び左面部14に、搬送方向MDに延びる二本の縦弱め線25及び横断方向CDに延びる横弱め線24が形成される。このとき、二本の縦弱め線25における搬送方向MDの下端の位置が、包装袋2に複数の吸収性物品3が収納されているとき、複数の吸収性物品3における搬送方向MDに平行な上下方向Tの下端の位置よりも高く、複数の吸収性物品3における上下方向Tの中間の位置よりも低くなるよう、二本の縦弱め線25及び横弱め線24が形成される。
【0050】
更に、弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12のうちの一方側から他方側に向かって(厚さ方向TDに)別の弱め線形成刃(図示されず)を押し付ける。例えば折り畳まれ、横弱め線24及び二本の縦弱め線25が形成されたシート部材50を別の弱め線形成刃を有するロールとアンビルロールとに挟持させる。それにより、弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12に、横断方向CDに沿って延びる第1弱め線21及び第2弱め線22を形成する。それに伴い、同時に、前面部11と後面部12との間に位置し、厚さ方向TDに重なった右面部13及び左面部14に、横断方向CDに沿って延びる第1弱め線21及び第2弱め線22が形成される。このとき、隣り合う第1弱め線21同士は角部19で互いに離間し、隣り合う第1弱め線21と第2弱め線22とは、互いに離間し、隣り合う第2弱め線22と第1弱め線21との距離は、隣り合う第1弱め線21同士の距離よりも短く、第2弱め線22の端部の延長線は、当該第2弱め線22の端部と隣り合う第1弱め線21と交差するように、第1弱め線21及び第2弱め線22が形成されてもよい。
【0051】
ただし、二本の縦弱め線25及び横弱め線24を形成する工程と、第1弱め線21及び第2弱め線22を形成する工程とは、どちらを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。同時に行う場合には、例えば、折り畳まれたシート部材50を、弱め線形成刃と別の弱め線形成刃とを有する一つのロールとアンビルロールとで挟持する。なお、同時に、取手部18を形成してもよい。以上のようにして、包装袋2が形成される(
図8(c))。
【0052】
このとき、
図8(c)の包装袋2を後面部12と左面部14との境界線CLで切断して展開すると
図4のようになる。ここで、右面部13と前面部11との境界線CLを含む領域STAについて考える。ただし、領域STAは、包装袋2の表面に沿う底面部16に平行な方向(幅方向W及び奥行方向D)の幅が、右面部13の幅と同じであり、包装袋2の表面に沿う底面部16に平行な方向(幅方向W及び奥行方向D)の中心が、右面部13と前面部11との境界線CLである矩形領域である。このとき、領域STAにおいて、境界線CLを跨ぐ第2弱め線は、境界線CLに対して線対称である。更に、境界線CLの両側に隣り合う前面部11の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線と、右面部13の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線とは、境界線CLに対して線対称である。他の境界線CLを含む領域STA(図示されず)においても同様である。例えば、右面部13と後面部12との境界線CLを含む領域STAでは、その幅は右面部13の幅と同じであり、境界線CLを跨ぐ第2弱め線、隣り合う後面部12及び右面部13の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線は、境界線CLに対して線対称である。また、左面部14と前面部11との境界線CLを含む領域STAでは、その幅は左面部14の幅と同じであり、境界線CLを跨ぐ第2弱め線、隣り合う前面部11及び左面部14の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線は、境界線CLに対して線対称である。また、左面部14と後面部12との境界線CLを含む領域STAでは、その幅は左面部14の幅と同じであり、境界線CLを跨ぐ第2弱め線、隣り合う後面部12及び左面部14の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線は、境界線CLに対して線対称である。
【0053】
その後、形成された包装袋2における底面側の部分を熱融着で封止して底面部16を形成する。次いで、包装袋2における上面側から複数の吸収性物品3を収納する。最後に、包装袋2における上面側の部分を熱融着で封止して結合部17を形成する。以上のようにして、ガゼットタイプの包装体1が形成される。
【0054】
本実施形態では、
図1~
図4に示すように、包装体1がガゼットタイプであってもよい。その場合、右面部13及び左面部14は、それぞれ前面部11及び後面部12との間における、幅方向Wの右側及び左側に谷折りに折り畳まれた部分である。
【0055】
図9は、実施形態に係る包装体1の他の構成例を模式的に示す正面図及び右側面図である。この図では、包装体1の他の構成例の正面図と右側面図とを隣接させて描いている。本実施形態では、右面部13及び左面部14の少なくとも一方と、前面部11及び後面部12の少なくとも一方と、において、二本の縦弱め線25における上下方向Tの下端の位置H2D及び位置H1Dは同じであってもよい。例えば、右面部13における二本の縦弱め線25の下端の位置H2Dと、前面部11における二本の縦弱め線25の下端の位置H1Dと、は同じであってもよい。そのため、右面部13又は左面部14の開封部20、すなわち幅方向Wに開口する開封部20と、前面部11又は後面部12の開封部20、すなわち奥行方向Dに開口する開封部20と、を両方開封しても、開口部OPB及び開口部OPAの下端の位置H2D、H1Dを同じに揃えることができる。それにより、使用者が、いずれか一方の開封部20の下端の位置H2D又はH1Dを一度把握してしまえば、いずれの開封部20から吸収性物品3を取り出す場合でも、下端の位置H2D又はH1Dをその度に目で見て確認せずとも、側面部から吸収性物品3を容易に取り出すことができる。
【0056】
また、本実施形態では、
図9に示すように、右面部13及び左面部14の少なくとも一方と、前面部11及び後面部12の少なくとも一方と、において、二本の縦弱め線25における上下方向Tの上端の位置H2U及び位置H1Uは同じであってもよい。例えば、右面部13における二本の縦弱め線25の上端の位置H2Uと、前面部11における二本の縦弱め線25の上端の位置H1Uと、は同じであってもよい。そのため、右面部13又は左面部14の開封部20、すなわち幅方向Wに開口する開封部20と、前面部11又は後面部12の開封部20、すなわち奥行方向Dに開口する開封部20と、を両方開封しても、開口部OPB及び開口部OPAの上端の位置H2U、H1Uを同じに揃えることができる。それにより、使用者が、いずれか一方の開封部20の上端の位置H2U又はH1Uを一度把握してしまえば、いずれの開封部20から吸収性物品3を取り出す場合でも、上端の位置H2U又はH1Uをその度に目で見て確認せずとも、側面部から吸収性物品3を容易に取り出すことができる。
【0057】
また、本実施形態では、
図9に示すように、右面部13及び左面部14の少なくとも一方における、二本の縦弱め線25のうちの前面部11側の縦弱め線25と、その右面部13及び左面部14の少なくとも一方と前面部11との境界線CLと、の距離d23は、前面部11における、二本の縦弱め線25のうちの、その右面部13及び左面部14の少なくとも一方の側の縦弱め線25と、その境界線CLと、の距離d13と、同じであってもよい。例えば、右面部13における前面部11側の縦弱め線25と、右面部13と前面部11との境界線CLと、の距離d23は、前面部11における右面部13側の縦弱め線25と、その境界線CLと、の距離d13と、同じであってもよい。
ここで、右面部13又は左面部14における前面部11側の縦弱め線25と、境界線CLと、の距離d23は、右面部13又は左面部14における開封部20の開口部OPBの両外側の部分の幅である。一方、前面部11における右面部13側又は左面部14側の縦弱め線25と、境界線CLと、の距離d13は、前面部11における開封部20の開口部OPAの両外側の部分の幅である。これら開封部20の開口部OPB及び開口部OPAの両外側の部分は、開封後の側面部の形状の維持、延いては包装体1の形状の維持に必要な部分である。したがって、これらの部分の幅のバランスが悪いと、開封後の側面部や包装体1の形状の維持が困難となる。そこで、この包装体1では、これらの幅が側面部ごとに大きく異なることがないように所定の同一の幅を持たせている。それにより、開封後の側面部や包装体1の形状を維持し易くしている。それにより、開封部の開口部OPB及び開口部OPAの形状が維持されて、吸収性物品3の取り出し易さを維持できる。
【0058】
また、同様の理由から、右面部13及び左面部14の少なくとも一方における、二本の縦弱め線25のうちの後面部12側の縦弱め線25と、その右面部13及び左面部14の少なくとも一方と後面部12との境界線CLと、の距離は、後面部12における、二本の縦弱め線25のうちの、その右面部13及び左面部14の少なくとも一方の側の縦弱め線25と、その境界線CLと、の距離d13と、同じであってもよい。例えば、右面部13における後面部12側の縦弱め線25と、右面部13と後面部12との境界線CLと、の距離d23は、後面部12における右面部13側の縦弱め線25と、その境界線CLと、の距離と、同じであってもよい。
【0059】
本発明の包装体1は、上述した実施形態に制限されることなく、技術的矛盾が生じない限り、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、他の技術の追加・置換等により適用が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 包装体
2 包装袋
3 吸収性物品
20 開封部
24 横弱め線
25 縦弱め線