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  • 特許-定電圧回路及び電子機器 図1
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  • 特許-定電圧回路及び電子機器 図6A
  • 特許-定電圧回路及び電子機器 図6B
  • 特許-定電圧回路及び電子機器 図6C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】定電圧回路及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
G05F1/56 310F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021525480
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(86)【国際出願番号】 JP2019023337
(87)【国際公開番号】W WO2020250349
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】三井 健司
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-118452(JP,A)
【文献】特開2014-6794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
請求項1又は2に記載の定電圧回路を備えたことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源電圧に基づいて所定の電圧を発生する定電圧回路と、当該定電圧回路を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演算増幅回路及び演算増幅回路を使用した定電圧回路では、消費電流を低減させると、動作周波数が低域になり定電圧回路に接続されている負荷過渡変動に対して応答性を確保する事が難しくなる。それを解決する手段として、出力電圧に連動した電圧を微分回路に入力し、上記微分回路の出力電圧を増幅し、その増幅電圧に応じた電流を演算増幅器の消費電流に重畳させ、増加させることで動作周波数を広帯域に変化させることで応答性を向上させる手法(以下、従来例という。)が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、今までの微分回路の入力信号を増幅する手法では増幅段を用いることで、高周波帯域の微小な出力電圧信号に対しても増幅を行い、演算増幅器の出力が不安定になる、意図せず消費電流が増加する問題があった。また、過渡応答性向上させるため動作周波数帯域を広げるために微分回路を構成する抵抗成分を大きくしようとすると抵抗素子面積が大きくなる。
【0004】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、定電圧回路の高周波に対する動作安定動作を維持しつつ負荷過渡応答特性を改善できる定電圧回路と、当該定電圧回路を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る定電圧回路は、所定の基準電圧と出力電圧の誤差を、定電流源を含む演算増幅器により増幅し、前記増幅した電圧に基づいて負荷電流を制御することにより、出力電圧が所定の定電圧になるように制御する定電圧回路であって、
前記出力電圧を所定の帯域に制限した交流成分のみを検出して、前記検出された検出電圧を出力する電圧検出手段と、
前記検出電圧の交流成分を増幅して、前記増幅された増幅電圧を出力する電圧増幅手段と、
前記増幅電圧に基づいて、所定のしきい値以上であるか否かを示す判定信号を出力する判定手段と、
前記判定信号に基づいて、前記演算増幅器の定電流源の電流値を増加することで、前記演算増幅器の消費電流を一時的に増加させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る定電圧回路によれば、出力電圧に重畳される一部周波数の帯域のみを検出、増幅を容易に実現することで、定電圧回路の高周波に対する動作安定動作を維持しつつ負荷過渡応答特性の改善を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。
図2】実施形態2に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。
図3】実施形態3に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。
図4】実施形態4に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。
図5】従来例及び実施形態1に係る検知回路(増幅回路含む)の周波数特性を示すグラフである。
図6A】実施形態1に係る定電圧回路の出力電圧Vout、その負荷電流Iload、演算増幅器1の消費電流Iss、及び従来例に係る定電圧回路の出力電圧Voutpの時間波形を示す波形図である。
図6B図6Aの両軸の拡大図である。
図6C図6Aの時間軸の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる実施形態について図面を参照して説明する。なお、同一又は同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0009】
実施形態1.
図1は実施形態1に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。
【0010】
図1において、実施形態1に係る定電圧回路は、基準電圧発生回路7により電源電圧Vddから発生された基準電圧Vrefを、定電流源14,15を含む演算増幅器1により増幅し、前記増幅した電圧に基づいて電流制御回路5により負荷電流Iloadを制御することにより、出力電圧Voutが所定の定電圧になるように制御する。出力電圧Voutを出力する出力端子Toutと接地電圧(GND)との間には負荷6が接続される。ここで、負荷6は、例えば定電圧回路から電源電圧Vddの供給を受ける所定の機能を有する電子機器等である。負荷6は具体的には、定電圧回路から電源電圧の供給を受ける自動車用の電子機器、又は定電圧回路から電源供給を受けるコピー機又はプリンタといった画像形成装置等である。また、これらの電子機器又は装置がそれぞれ定電圧回路を有するように構成してもよい。
【0011】
図1の定電圧回路は、演算増幅器1と、過渡特性改善回路2と、電流制御回路5と、平滑用キャパシタ20とを備えて構成される。ここで、過渡特性改善回路2は、電圧検出回路3と、電圧増幅手段である増幅回路4とを備えて、オーバーシュート又はアンダーシュート等を防止して過渡特性を改善する。また、基準電圧発生回路7は電源電圧Vddから所定の基準電圧Vrefを発生する。
【0012】
電流制御回路5は、
(1)出力電圧Voutを分圧して分圧電圧Vfbを生成し出力する出力電圧検出用の抵抗R10,R11と、
(2)ゲートに入力される信号に応じて出力電圧Voutを出力する電流の制御を行うPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタという。)からなるドライバトランジスタM1と、
(3)抵抗R10の一端と、トランジスタM1のゲートとの間に接続され、抵抗及びキャパシタの直列回路である位相補償回路8と、
を備える。
【0013】
演算増幅器1は、分圧電圧Vfbが基準電圧VrefになるようにドライバトランジスタM1の動作制御を行う誤差増幅回路を構成する。過渡特性改善回路2は、出力電圧Voutを検出しかつ増幅して定電流源14を制御する。ここで、演算増幅器1は、カレントミラー回路を構成するPMOSトランジスタM4,M5と、NチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタという。)M2,M3と、所定の定電流を供給する定電流源15と、所定の定電流を供給する定電流源14、およびスイッチSW1とを備える。
【0014】
電源電圧Vddに接続された入力端子Tinと出力端子Toutとの間にドライバトランジスタM1が接続され、出力端子Toutと接地電圧(GND)との間に、抵抗R10及びR11の直列回路が接続される。ここで、抵抗R10とR11との接続点から分圧電圧Vfbが出力される。演算増幅器1の反転入力端子を構成するNMOSトランジスタM3のゲートには基準電圧Vrefが基準電圧発生回路7から入力され、演算増幅器1の非反転入力端子を構成するNMOSトランジスタM2のゲートには分圧電圧Vfbが入力される。NMOSトランジスタM2及びM3は差動対を構成し、PMOSトランジスタM5及びM4はカレントミラー回路を形成して前記差動対の負荷を構成する。
【0015】
PMOSトランジスタM4及びM5において、各ソースは入力電圧Vddにそれぞれ接続されており、各ゲートは互いに接続され当該接続点はPMOSトランジスタM4のドレインに接続される。また、PMOSトランジスタM4のドレインはNMOSトランジスタM2のドレインに接続され、PMOSトランジスタM5のドレインはNMOSトランジスタM3のドレインに接続される。NMOSトランジスタM2及びM3の各ソースは互いに接続され、当該接続点と接地電圧(GND)との間において、定電流源14及びスイッチSW1の直列回路と、定電流源15とが並列接続されている。なお、出力端子VoutとMOSトランジスタM1のゲートとの間には、位相補償回路8が接続される。
【0016】
以上のように構成された演算増幅器1は、基準電圧Vrefと分圧電圧Vfbとの電圧差を増幅してドライバトランジスタM1のゲートに出力し、ドライバトランジスタM1から出力される出力電流を制御して出力電圧Voutが所定の電圧になるように制御する。
【0017】
過渡特性改善回路2は、電圧検出回路3と、増幅回路4と、判定回路を構成するインバータ16とを備えて構成される。電圧検出回路3は、NMOSトランジスタM8,M9と、所定の定電流を供給する定電流源12と、出力電圧Voutの変動を検出するキャパシタ17とを備える。定電流源12の一端は電源電圧Vddに接続され、定電流源12の他端はNMOSトランジスタM8のドレイン及びNMOSトランジスタM9のゲートに接続される。キャパシタ17はNMOSトランジスタM8のソース、及びソース接地のNMOSトランジスタM9のドレインに接続され、NMOSトランジスタM8のドレインはNMOSトランジスタM9のゲートに接続される。なお、NMOSトランジスタM8のゲートには所定のバイアス電圧が印加される。また、NMOSトランジスタM9のゲートは増幅回路4の入力端子に接続される。
【0018】
次に、過渡特性改善回路2の動作について説明する。
【0019】
NMOSトランジスタM8,M9及び定電流源12で構成された電圧検出回路3は、出力電圧Voutの高周波の交流成分のみを検出し、検出波形と同相の信号を増幅して、検出電圧Vdとして出力する。当該電圧検出回路3からの検出電圧Vdは増幅回路4により、交流成分を増幅された後、増幅された交流成分に対して、判定回路であるインバータ16によってしきい値判定を行う。すなわち、インバータ16は、入力される交流成分の電圧が所定のしきい値電圧未満となったときに、Hレベルの判定信号をスイッチSW1の制御端子に出力してスイッチSW1をオンする。一方、入力される交流成分の電圧が所定のしきい値電圧以上となったときに、Lレベルの判定信号をスイッチSW1の制御端子に出力してスイッチSW1をオフする。これにより、インバータ16は演算増幅器1の所定の定電流を供給する定電流源14をオン/オフ制御する。なお、スイッチSW1は例えばMOSトランジスタで構成される。
【0020】
NMOSトランジスタM8のドレインをNMOSトランジスタM9のゲートに接続することによって、NMOSトランジスタM9のドレインの出力抵抗が低下する。出力電圧変動を検出するキャパシタ17をNMOSトランジスタM8のソースに接続することで、NMOSトランジスタM8のソースノードとNMOSトランジスタM9のドレインノードの出力抵抗が並列に接続されて構成される出力抵抗とキャパシタ17で決まるフィルタ周波数に応じた交流成分に対して動作可能かつ定電流源12の電流値に応じたNMOSトランジスタM9のMOS特性に応じて高域の周波数成分を減衰させる周波数範囲選択型の電圧検出回路3を構成できる。
【0021】
以上のように構成された実施形態1によれば、前記判定信号に基づいて、演算増幅器1の定電流源14の電流値を増加する(スイッチSW1をオン)ことで、前記演算増幅器の消費電流を一時的に増加させる制御手段を備え、これにより、定電圧回路の応答特性が高速かつ高精度で安定に動作させることができる。また、当該周波数範囲選択型(帯域通過フィルタを含む)電圧検出回路3を用いることで、低消費状態では実現できなかった高周波帯域の応答が可能になるとともに、スイッチSW1をオンにしたときの高周波帯域の利得を減衰させることで発振のリスクを抑制できる。これにより、消費電流を削減しても高周波成分に対する応答を可能にしつつ、従来例に係るシリコン抵抗素子を含む微分回路等を必要としないため、従来技術に比較してチップ面積を小さくすることができる。さらに、周波数範囲選択型(帯域通過フィルタを含む)電圧検出回路3を用いて通過帯域よりも高い帯域の外乱ノイズを除去することで、ロバスト性の高い回路を実現できる。なお、電圧検出回路3は、PMOSトランジスタを用いて構成しても同様の効果が得られる。
【0022】
図5は従来例及び実施形態1に係る検知回路(増幅回路含む)の周波数特性を示すグラフである。図5において、101は従来例に係る微分回路及び増幅回路の周波数特性であり、102は実施形態1に係る周波数範囲選択型の電圧検出回路3及び増幅回路4の周波数特性である。図5から明らかなように、フィルタ周波数に応じた交流成分に対して動作可能かつ定電流源12の電流値に応じたNMOSトランジスタM9のMOS特性に応じて高域の周波数成分を減衰させることができる。従って、消費電流を削減しても周波数範囲選択型の電圧検出回路3で指定した高周波成分に対する応答を可能にすることで演算増幅器の出力電圧が安定しつつ、従来例に係る微分回路等を必要としないため、従来技術に比較してチップ面積を小さくすることができる。
【0023】
図6Aは、実施形態1に係る定電圧回路の出力電圧Vout、その負荷電流Iload、及び演算増幅器1の消費電流Iss、並びに従来例に係る定電圧回路(過渡特性改善回路2を非搭載)の出力電圧Voutpの時間波形を示す波形図である。また、図6B図6Aの両軸の拡大図であり、図6C図6Aの時間軸の拡大図である。図5及び図6A図6Cから明らかなように、本発明を利用しない場合に比べて過渡応答時間を短縮することができ、出力変動時の高周波成分を増幅するという従来の特性をそのままに、増幅を意図しない帯域の信号を減衰させることで高速応答と安定動作を両立させることができる。
【0024】
実施形態2.
図2は実施形態2に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。実施形態2に係る定電圧回路は、図2において、増幅回路4の具体的な構成を示したことを特徴としている。以下、上記相違点について詳述する。
【0025】
図2において、増幅回路4は、増幅器4A、4Bと、インバータ16,18A,18Bと、ノアゲート19とを備えて構成される。増幅器4Aは、定電流源13と、NMOSトランジスタM6と、PMOSトランジスタM7とが直列に接続されて構成される。以下、実施形態1との相違点について詳述する。
【0026】
電圧検出回路3のNMOSトランジスタM9のゲートはPMOSトランジスタM7のゲートに接続されてソースフォロア回路を構成し、電圧検出回路3からの検出電圧VdがPMOSトランジスタM7のゲートに印加される。定電流源13の一端は電源電圧Vddに接続され、定電流源13の他端はNMOSトランジスタM6のドレインに接続される。NMOSトランジスタM6のゲートには所定のバイアス電圧Vbias1が印加される。NMOSトランジスタM6のソースはドレイン接地のPMOSトランジスタM7のソースに接続され、NMOSトランジスタM6のドレインは判定回路であるインバータ18Aを介してノアゲート19の第1の入力端子に接続される。
【0027】
増幅器4Bは、定電流源13Bと、NMOSトランジスタM10,M11とが直列に接続されて構成される。定電流源13Bの一端は電源電圧Vddに接続され、定電流源13Bの他端はNMOSトランジスタM10のドレイン及びノアゲート19の第2の入力端子にインバータ18Bを介して接続される。NMOSトランジスタM10のゲートには所定のバイアス電圧Vbias1が印加される。NMOSトランジスタM10のソースはソース接地のNMOSトランジスタM11のドレインに接続される。電圧検出回路3からの検出電圧VdがNMOSトランジスタM11のゲートに印加される。
【0028】
さらに、ノアゲート19からの出力信号は判定回路であるインバータ16に入力される。
【0029】
以上のように構成された増幅回路4のうちの増幅器4Aは、検出電圧Vdにおけるアンダーシュートを増幅するために、増幅用PMOSトランジスタM7に対して所定の動作点で動作するゲート接地増幅回路を構成するNMOSトランジスタM6を接続して前記検出電圧Vdを、NMOSトランジスタM6を介して増幅し出力する。また、増幅器4Bにおいては、検出電圧Vdにおけるオーバーシュートを増幅するために、増幅用NMOSトランジスタM11に対して所定の動作点で動作するゲート接地増幅回路を構成するNMOSトランジスタM10を接続して前記検出電圧Vdを、NMOSトランジスタM11を介して増幅し出力する。
【0030】
以上のように構成された定電圧回路においては、実施形態1の作用効果に加えて、検出電圧Vdにおけるアンダーシュート及びオーバーシュートを防止することができ、高い精度で高速応答と安定動作を両立させることができる。
【0031】
実施形態3.
図3は実施形態3に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。実施形態3に係る定電圧回路は、図2において、増幅回路4を、実施形態2に係る増幅器4Aのみで構成したことを特徴とする。
【0032】
以上のように構成された定電圧回路においては、実施形態1の作用効果に加えて、実施形態2で上述したように検出電圧Vdにおけるアンダーシュートを防止することができ、より高い精度で高速応答と安定動作を両立させることができる。
【0033】
実施形態4.
図4は実施形態4に係る定電圧回路の構成例を示す回路図である。実施形態4に係る定電圧回路は、図2において、増幅回路4を実施形態2に係る増幅器4Bのみで構成したことを特徴とする。
【0034】
以上のように構成された定電圧回路においては、実施形態3の作用効果に加えて、実施形態2で上述したように検出電圧Vdにおけるオーバーシュートを防止することができ、より高い精度で高速応答と安定動作を両立させることができる。
【0035】
変形例.
以上の実施形態1~4においては、定電圧回路について開示しているが、負荷6が電子機器であるとき、定電圧回路を電子機器に内蔵してもよい。
【0036】
特許文献1との比較.
特許文献1には、急速な負荷電流の急激な変化に対する応答速度を速くする目的で、微分回路を有する定電圧回路ついて開示されている。ここでは、出力電圧が急峻に変動した場合にのみ、微分回路の出力電圧を増幅回路で増幅させ、増幅された微分回路の出力電圧に応じた電流を演算増幅器の中間ノードに電流を重畳させて応答させることを特徴としている。
【0037】
しかし、当該特許文献1に係る発明では、高周波帯域の微小な出力電圧信号に対しても増幅を行い、演算増幅器の出力が不安定になり、消費電流が増加するという問題と、周波数帯域を下げるために微分回路を構成する抵抗成分を大きくしようとすると抵抗素子面積が大きくなるという問題は解消できていない。
【0038】
これに対して、本発明の実施形態では、過渡応答の瞬間に出力電圧の微分波形を利用することが可能でありつつ、出力電圧に対する増幅周波数範囲制限を定電流源の電流値に応じて容易に実行できるため、意図しない帯域の高周波成分に対する電流増幅を抑制することができる。このため、高速な過渡応答特性を維持しつつ、微小な高周波成分が出力電圧に重畳された場合でも安定した動作を維持できる。
【符号の説明】
【0039】
1 演算増幅器
2 過渡特性改善回路
3 電圧検出回路
4 増幅回路
4A,4B 増幅器
5 電流制御回路
6 負荷
7 基準電圧発生回路
8 位相補償回路
12~15,13B 定電流源
16 インバータ
17 キャパシタ
18A,18B インバータ
19 ノアゲート
20 キャパシタ
M1~M11 MOSトランジスタ
R10,R11 抵抗
SW1 スイッチ
Tin 入力端子
Tout 出力端子
Vdd 電源電圧
Vd 検出電圧
Vbias,Vbias1 バイアス電圧
Vref 基準電圧
Vfb 分圧電圧
Iload 負荷電流
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【文献】特開2015-158732号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C