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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】認証システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/10 20200101AFI20221110BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20221110BHJP
   G09F 11/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G07C9/10
G07B15/00 L
G09F11/00 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018116212
(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公開番号】P2019219862
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】松下 孝一
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0333632(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0281424(US,A1)
【文献】韓国登録特許第1174261(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の認証用情報を読み出す読取装置と、
透明フィルムと、透明フィルムに設けられる透過性を有する導体と、前記導体に接続される複数の発光素子とを備える表示装置を有し、前記読取装置により読み出された認証用情報を用いた認証結果に応じた画像を表示する透明な表示装置と、
前記認証結果に応じて開閉し、前記表示装置が取り付けられる透明なフラップと、
少なくとも一部に透明な部分を有し、前記フラップが設けられるゲート本体と、
を備え、
前記ゲート本体の前記透明な部分に、前記表示装置が取り付けられ、
開いた前記フラップは、前記ゲート本体の前記透明な部分に重なり、前記フラップの表示装置に表示された画像と、前記ゲート本体の表示装置に表示された画像とが組み合わされる、
認証システム。
【請求項2】
前記表示装置は、複数の前記表示装置を備え、
前記表示装置は重ねて配置される
請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記画像は動画像を含む、
請求項1に記載の認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、ガラスなどからなる透明なフラップを備えるセキュリティゲートが登場するに至っている。この種のセキュリティゲートはデザイン性に優れる。しかしながら、透明なフラップなどに、認証結果などを示す表示装置を取り付けるとデザイン性が損なわれる。そのため、この種の表示装置は、取り付け位置や大きさが限られてしまっていた。また、透明な素材は設置場所や周囲の明るさなどによっては、人の目から、見えなくなってしまったり、見にくくなったりしまうことがあった。そのため、利用者の安全を確保する観点から、透明な部分には、衝突を防止するためのシールなどを貼り付ける必要があった。
【0003】
例えば、特許文献1は、ガラス、透明樹脂などの透明な部材を用いた認証システムを開示する。また、例えば、特許文献2,3は、このような認証システムにも使用できる表示装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-196428号公報
【文献】国際特許公報WO2016/047132
【文献】国際特許公報WO2016/047133
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、デザイン性及び安全性を確保しつつ、設計の自由度を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、実施形態にかかる認証システムは、読取装置と、表示装置と、フラップとを備える。読取装置は、個人の認証用情報を読み出す。表示装置は、透明フィルムと、透明フィルムに設けられる透過性を有する導体と、導体に接続される複数の発光素子とを有する表示装置を備え、読取装置により読み出された認証用情報を用いた認証結果に応じた画像を表示する。フラップには、表示装置が設けられ、フラップは、認証結果に応じて開閉する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係るセキュリティゲートの斜視図。
図2】フラップの正面図。
図3】表示装置の平面図。
図4】表示装置の第1の側面図。
図5】表示装置の第2の側面図。
図6】ゲートユニットの側面図。
図7】制御装置のハードウェア構成を示す図。
図8】フラップが開いた状態のセキュリティゲートの斜視図。
図9】セキュリティゲートの動作を説明するための図。
図10】第2の表示装置の動作を説明するための図。
図11】第3の表示装置の動作を説明するための図。
図12】第4の表示装置の展開斜視図。
図13】第5の表示装置をフラップとともに示す図。
図14】第5の表示装置における発光素子付近の導体パターンを示す図。
図15】セキュリティゲートにおける第2の実施形態にかかる表示を示す第1の図。
図16】セキュリティゲートにおける第2の実施形態にかかる表示を示す第2の図。
図17】セキュリティゲートにおける第3の実施形態にかかる表示を示す図。
図18】セキュリティゲートにおける第4の実施形態にかかる表示を示す第1の図。
図19】セキュリティゲートにおける第4の実施形態にかかる表示を示す第2の図。
図20】セキュリティゲートにおける第4の実施形態にかかる表示を示す第3の図。
図21】セキュリティゲートにおける第4の実施形態にかかる表示を示す第4の図。
図22】ゲート本体の透明板に取り付けられた表示装置を示す図。
図23】セキュリティゲートにおける第5の実施形態にかかる表示を示す第1の図。
図24】セキュリティゲートにおける第5の実施形態にかかる表示を示す第2の図。
図25】セキュリティゲートにおける第5の実施形態にかかる表示を示す第3の図。
図26】2枚の透明板の間に表示装置とプリズム形の枠とを挟んで構成されるフラップの断面図。
図27】セキュリティゲートにおける第6の実施形態にかかる表示を示す図。
図28】セキュリティゲートにおける第7の実施形態にかかる表示を示す第1の図。
図29】セキュリティゲートにおける第7の実施形態にかかる表示を示す第2の図。
図30】表示装置が応用された自動ドアを示す図。
図31】フラップのゲート本体への取り付け方法の変形例を示す第1の図。
図32】フラップのゲート本体への取り付け方法の変形例を示す第2の図。
図33】フラップへの表示の変形例を示す第1の図。
図34】フラップへの表示の変形例を示す第2の図。
図35】フラップへの表示の変形例を示す第3の図。
図36】フラップへの表示の変形例を示す第4の図。
図37】フラップ及び透明板への表示を示す第1の図。
図38】フラップ及び透明板への表示を示す第2の図。
図39】フラップ及び透明板への表示を示す第3の図。
図40】フラップ及び透明板への表示の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。説明にあたっては、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸からなる直交座標系を適宜用いる。
【0009】
≪第1の実施形態≫
図1は、第1の実施形態にかかるセキュリティゲート1の斜視図である。セキュリティゲート1は、商業ビルやオフィスビルなどの共有スペースと専有スペースとの間で出入りする人を認証し、人の出入りを制限する。専有スペースは、商業ビルにテナントとして入っている小売店の売り場、オフィスビルにテナントとして入っている企業の受付などである。また、共有スペースは、廊下、階段、エレベータホール、ロビーなどである。セキュリティゲート1は、占有スペースと共有スペースとを区分するフェンスなどに設けられる。以下の実施形態では、セキュリティゲート1の-Y側が共有スペースで、+Y側が専有スペースとなる。
【0010】
セキュリティゲート1は、1組のゲートユニット10A,10Bを有する。ゲートユニット10Aは、YZ面に平行なサイドウォル10、及びサイドウォル10に対し起伏回動するフラップ20を有する。
【0011】
サイドウォル10は、占有スペースと共有スペースとの通路を規定するユニットである。サイドウォル10は、金属製のフレーム11と、フレーム11に設けられる透明板12,13と、フレーム11に設けられるセンサ14及び読取装置15などとを有する。
【0012】
フレーム11は、長手方向をX軸方向とし床面に固定される固定部11aと、この固定部11aに設けられ、Z軸方向を長手方向とする支持柱11bと、X軸方向を長手方向とし、支持柱11bによって、固定部11aの上方に支持されるガイド11cの3部分を有する。フレーム11を構成する固定部11a、支持柱11b、及びガイド11cは、内部が中空の部材を有し、それぞれの内部空間は相互に連絡する。
【0013】
透明板12,13は、長手方向をY軸方向とする長方形板状の部材である。透明板12,13は、アクリル、ガラスなどからなり、可視光に対する光透過性を有する。透明板12,13は、フレーム11を構成する固定部11a、支持柱11b、及びガイド11cによって、YZ面に平行になった状態で支持される。
【0014】
センサ14は、ゲートユニット10Aの近傍に位置する人を検知し、この検知の結果に応じた信号を出力する。センサ14は、ガイド11cの-Y側端部に設けられる。
【0015】
読取装置15は、通行証やカードに設けられたバーコードなどの二次元コード、又はIDカードからの認証用情報を読み取って、読み取った認証用情報を示す信号を出力する。読取装置15は、上記認証用情報を読み取るためのスキャナが露出した状態で、ガイド11cの-Y側端部に設けられる。
【0016】
フラップ20は、正方形板状の部材である。フラップ20は、透明板12,13と同様に、アクリル、ガラスなどから構成され、可視光に対する透過性を有する。フラップ20は、フレーム11の支持柱11bに設けられる駆動機構80(図7参照)によって、支持柱11bを中心に起伏回動可能に支持される。駆動機構80は、モータ、モータからの動力をフラップ20に伝えるリンク機構などを有する。
【0017】
図2は、フラップ20の正面図である。図2に示されるように、フラップ20には、第1の表示装置50が設けられる。図3は、表示装置50の平面図である。図3に示されるように、表示装置50は、所定の図形や文字を表示するように配置された複数の発光素子60を点灯させることにより、当該図形や文字の画像を表示する。本実施形態では、発光素子60は、通行の禁止を示すX形の図形の画像を表示するように配置される。
【0018】
図4は、表示装置50の-X側の側面を示す図である。また、図5は、表示装置50の-Z側の側面を示す図である。図4及び図5に示されるように、表示装置50は、透明フィルム51,52、導体層53、中間樹脂55、及び複数の発光素子60を有する。
【0019】
透明フィルム51,52は、正方形に整形されたフィルムである。透明フィルム51,52は、厚さが50~300μm程度であり、可視光に対する透過性を有する。透明フィルム51,52としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンサクシネート(PES)、アートン(ARTON)、アクリル樹脂などが用られ得る。
【0020】
透明フィルム51の上面には、導体層53が形成される。導体層53は、透光性を有するメッシュパターン或いはITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導体からなる。導体層53は、図3に示されるように、各発光素子60のアノード電極又はカソード電極に接続される複数の導体パターン101~113からなる。複数の導体パターン101~113は、それぞれ長手方向をX軸方向とする長方形に整形され、Z軸方向に等間隔に並んでいる。また、導体パターン101,107,113は、透明フィルム51の+X側端部の上方に引きまわされる。表示装置50では、図5に示されるように、透明フィルム52のX軸方向の寸法の方が、透明フィルム51のX軸方向の寸法よりも短く、透明フィルム51に形成された導体層53の+X側端部が露出した状態になる。そのため、導体パターン101,107,113は、透明フィルム51の-X側端部の上方で露出した状態になる。なお、図3には、長方形の導体パターン101~113が示されているが、長方形の導体パターン101~113は、発光素子60の配列などに応じて、長方形以外の形状をとり得る。
【0021】
表示装置50では、導体パターン107と、導体パターン101,113の間に、発光素子60の種類、数、動作電圧などに応じた電圧、例えば15V程度の直流電力が供給される。
【0022】
導体層53の上面には、複数の発光素子60が配置される。発光素子60は、図3に示されるように、一辺の長さが0.3mm程度の正方形のLEDである。発光素子60の片側の面(+Y側の面)には、カソードとアノードが形成される。発光素子60は、-Y側の面と+Y側の面の双方が発光する。発光素子60の定格電流は、50mA程度である。なお、発光素子60が、熱抵抗の大きい透明フィルムLEDであるときには、その定格電流は10mA程度である。
【0023】
上述のように構成される発光素子60は、導体層53を構成する導体パターン101~113のうちいずれか2つの導体パターンにわたって配置される。導体パターン101~113のうち同一の導体パターン同士に配置される発光素子60は並列に接続された状態になる。また、導体パターン101~107のうち異なる導体パターン同士に配置される発光素子60が直列に接続された状態になる。同様に、導体パターン107~113のうち異なる導体パターン同士に配置される発光素子60が直列に接続された状態になる。
【0024】
図4及び図5に示されるように、中間樹脂55は、透明フィルム51,52の間に配置される。樹脂層24は、可視光に対する透過性を有する。中間樹脂55は、熱可塑性の樹脂、例えば熱可塑性のエラストマーである。中間樹脂55に用いられるエラストマーとしては、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどが考えられる。
【0025】
上述のように構成される表示装置50は、透明な接着剤によって、フラップ20に接着される。表示装置50は、一辺が0.3mmの発光素子60以外は透明な部材で構成される。そのため、フラップ20は、表示装置50が接着されたとしても、ほぼ透明に見える。
【0026】
図5に示されるように、表示装置50では、透明フィルム52の+X側から露出する導体層53にフレキシブルケーブル70が接続される。フレキシブルケーブル70は、可撓性を有するベース基板71と、ベース基板71に形成される導体層75と、導体層75を被覆する保護層72から構成される。図5に示されるように、導体層75は、3つの導体パターン751,752,753から構成される。導体パターン751,752,753それぞれは、導体パターン101,107,113に接続される。図2に示されるように、フレキシブルケーブル70は、フレーム11の内部に敷設される。フレキシブルケーブル70によって、表示装置50は後述する制御装置30に接続される。
【0027】
図6は、ゲートユニット10Aの側面図である。図6に示されるように、ゲートユニット10Aを構成するフレーム11の固定部11aには、制御装置30が配置される。図7は、制御装置30のハードウェア構成を示す図である。図7に示されるように、制御装置30は、演算処理回路30a、主記憶部30b、補助記憶部30c、インタフェース30d、及びこれらを接続するバス30eなどを有するコンピュータである。
【0028】
主記憶部30bは、RAM(Random Access Memory)などから構成され、演算処理回路30aの作業領域として用いられる。また、補助記憶部30cは、ROM(Read Only Memory)やハードディスクなどからなり、演算処理回路30aが実行するプログラムや、演算処理回路30aによる処理結果などを記憶する。
【0029】
インタフェース30dは、アナログインタフェース、デジタルインタフェース、或いはLANインタフェースなどを備える。センサ14、読取装置15、表示装置50、駆動機構80は、インタフェース30dを介して、制御装置30に接続される。
【0030】
演算処理回路30aは、センサ14及び読取装置15の出力に基づいて、表示装置50及び駆動機構80を制御する。
【0031】
図1に戻り、ゲートユニット10Bも、ゲートユニット10Aと同様に,YZ面に平行なサイドウォル10、及びサイドウォル10に対し起伏回動するフラップ20を有する。ゲートユニット10A,10Bは、図1に示されるように、サイドウォル10がそれぞれ平行になり、フラップ20のY軸方向の位置が一致した状態でフロアに設置される。
【0032】
また、ゲートユニット10Bのセンサ14,読取装置15、表示装置50、駆動機構80は、ゲートユニット10Aの制御装置30に接続される。このため、ゲートユニット10A,10Bの構成部は、制御装置30によって制御される。制御装置30は、ゲートユニット10A,10Bの駆動機構80を制御して、それぞれのフラップ20を、図1に示される状態から図8に示される状態になるまで回動させることにより、フラップ20を開かせ得る。また、制御装置30は、駆動機構80を制御して、それぞれのフラップ20を、図8に示される状態から図1に示される状態になるまで回動させることによりフラップ20を閉じさせ得る。
【0033】
次に、上述のように構成されるセキュリティゲート1の動作を説明する。前提として、フラップ20は、図1に示されるように閉じている。
【0034】
制御装置30は、セキュリティゲート1に電源が供給されて起動されると、センサ14,読取装置15からの信号を受信する。制御装置30は、センサ14からの信号に基づいて、セキュリティゲート1に人が近付いてきたときに、ゲートユニット10A,10Bの各フラップ20に設けられた表示装置50を駆動する。具体的には、この駆動は、フレキシブルケーブル70の導体パターン752と導体パターン751,753の間に、発光素子60の種類、数、動作電圧などに応じた電圧の直流電力を供給することにより行われる。これにより、表示装置50の発光素子60が発光して、図9に示されるように、ゲートユニット10A,10Bの各フラップ20に、X形の図形の画像が表示される。表示装置50に表示されるX形の図形の画像は、フラップ20の-Y側及び+Y側の両側から視認できる。
【0035】
この状態のときに、制御装置30は、読取装置15からの信号に、通行しようとする人が所持するIDカードに固有に割り当てられる認証用情報が含まれる場合などには、この認証用情報を抽出する。そして、認証用情報に基づいて、この人の認証を行い、その通行を許可するか否かを判断する。
【0036】
制御装置30は、通行しようとする人を認証し、その通行を許可すると判断した場合には、表示装置50の駆動を停止し、駆動機構80を介して、フラップ20を一定の時間開く。これにより、フラップ20に表示されていたX形の図形の画像が消えて、フラップ20が一定時間だけ開放される。これにより、通行しようとする人は、セキュリティゲート1を通過できるようになる。制御装置30は、通行しようとする人がセキュリティゲート1を通過するか、或いはフラップ20が開いてから一定の時間が経過すると、駆動機構80を制御して、フラップ20を閉じさせる。
【0037】
また、制御装置30は、通行しようとする人を認証せず、その通行を許可しないと判断した場合には、表示装置50の駆動を継続する。これにより、フラップ20へのX形の図形の画像の表示が継続する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係るセキュリティゲート1では、表示装置50がフラップ20に設けられる。そのため、図1におけるガイド11c等に設けられる従来の表示装置に比較して、表示装置を大型化することができ、視認性を大幅に向上させることができる。その結果、フラップ20の安全性を確保できる。
【0039】
表示装置50は、一辺が0.3mm程度の発光素子60以外は透明な部材で構成される。そのため、フラップ20などが透明であっても、デザイン性を損なうことがない。また、表示装置を大型化できるので、種々の文字や図形などの画像を表示できる。したがって、設計の自由度を向上させられる。
【0040】
第1の実施形態では、セキュリティゲート1を通過することができない状態のときに、フラップ20にX形の図形の画像が表示されることとした。これに限らず、セキュリティゲート1を通過できる状態のときに円形の図形の画像を表示することとしてもよい。
【0041】
X形の図形の画像を表示する表示装置50と、透明で円形の図形の画像を表示する第2の表示装置50(不図示)とを重ねてフラップ20に設けることにより、セキュリティゲート1を通過できる状態のときに円形の図形の画像を表示できる。図形の画像を表示する表示装置は、図3に示された発光素子60の配列を、X形から円形に変更することにより得られる。具体的には、制御装置30は、通行しようとする人を認証し、その通行を許可すると判断した場合には、図10を参照するとわかるように、表示装置50の駆動を停止するとともに、図形の画像を表示する表示装置を駆動することにより、フラップ20に表示されたX形の図形の画像の表示を停止して、フラップ20に円形の図形の画像を表示できる。
【0042】
円形の画像を表示する表示装置は、フラップ20に設けられた表示装置50に重ねて接着できる。また、フラップ20の一側の面に表示装置50を接着し、フラップ20の他側の面に円形の画像を表示する表示装置を接着してもよい。表示装置50及び円形の画像を表示する表示装置の双方が透明であるため、状況に応じて自由に設計できる。
【0043】
図3に示された発光素子60を、矢形の図形の輪郭にそって配列することにより、矢印の図形の画像を表示する第3の表示装置50(不図示)を構成できる。第3の表示装置50を、表示装置50及び第2の表示装置50とともに、フラップ20に設けることにより、セキュリティゲート1のフラップ20が開いた時に、通行方向を示す矢形の図形の画像を表示できる。具体的には、制御装置30は、通行しようとする人の通行を許可すると判断した場合には、駆動機構80を制御してフラップ20を開かせ、さらに、第3の表示装置50を駆動することにより、図11に示されるように、フラップ20に通行方向を示す矢形の図形の画像を表示できる。第3の表示装置50は、フラップ20に設けられた第1の表示装置50及び第2の表示装置50等に重ねて接着したり、フラップ20に直接、接着したりできる。
【0044】
第1の実施形態では、発光素子60を備える1つのモジュールからなる表示装置50を説明した。これに限らず、表示装置は、図12に示される第4の表示装置50Cのように、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する発光素子60R,60G,60Bを備える表示装置501,502,503から構成されていてもよい。表示装置501,502,503は、透明な接着剤によって接着される。表示装置50Cでは、表示装置501,502,503を選択的に駆動することにより、赤色、緑色及び青色の3色の光を組み合わせて画像を表示でき、白色や中間色で文字等の画像を表示できる。
【0045】
≪第2の実施形態≫
以下、第2の実施形態にかかる表示を説明する。なお、以下の各実施形態にかかるセキュリティゲート1においては、図13に示される第5の表示装置50Dが用いられる。
【0046】
第1の実施形態では、表示装置50の発光素子60は、図3に示されたようにX形の図形等の輪郭に沿って配置される。この表示装置50は、図13に示される第5の表示装置50Dに置き換えられ得る。表示装置50Dにおいては、赤色、緑色及び青色(R,G,B)の3種類の発光素子60R,60G,60Bそれぞれを1つずつ含む組み合わせが、マトリクス状に配置される。
【0047】
図14に示されるように、表示装置50Dの1組の発光素子60R,60G,60Bの近傍において、導体層53は、導体パターン140,141,142,143,144,145からなる。導体パターン140には、発光素子60R,60G,60Bのアノードが共通に接続される。導体パターン141には、発光素子60Rのカソードが接続され、導体パターン142には、発光素子60Gのカソードが接続され、導体パターン143には、発光素子60Bのカソードが接続される。導体パターン144,145は、他の発光素子60R,60G,60Bの配線などのために用いられる。発光素子60R,60G,60Bそれぞれは、導体パターン141~143への選択的な正電圧の直流電力の供給により個別に点灯され得る。これにより、制御装置30は、表示装置50Dに、任意の写真、図形、文字及びこれらの組み合わせを含む動画像及び静止画像を、赤色、緑色及び青色のいずれかの光の色、又はこれらのうちの2つ以上の光の混合色により表示できる。
【0048】
図15図16は、第2の実施形態にかかる表示を示す第1及び第2の図である。セキュリティゲート1において、図1などに示された-Y側から+Y側への人の通行も、+Y側から-Y側への人の通行も許す設定が制御装置30になされる。さらに、制御装置30に、読取装置15から得られた認証用情報を用いた認証を行う設定がなされる。つまり、この設定においては、認証されさえすれば、共有スペースから専有スペースへの人の通行も、専有スペースから共有スペースへの人の通行も許される。なお、この設定においては、セキュリティゲート1のセンサ14により、近づいてきた人が検出されない限り、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dのいずれにも何らの表示もなされない。
【0049】
このような設定において、センサ14が、セキュリティゲート1の-Y側から近づいてきた人、つまり、共有スペースから専有スペースへの方向に通行しようとする人を検出する。この場合、制御装置30は、図15に示されるように、近づいてきて、読取装置15から得られた認証用情報を用いた認証がなされた人に対して、専有スペースを訪れることを歓迎する「Welcome」の文字の画像を、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dに表示させる。さらに、制御装置30は、駆動機構80を制御して、画像が表示されたフラップ20を開かせる。
【0050】
一方、このような設定において、センサ14が、セキュリティゲート1の+Y側から近づいてきた人、つまり、専有スペースから共有スペースへの方向に通行しようとする人を検出する。この場合には、制御装置30は、図16に示されるように、近づいてきて、読取装置15から得られた認証用情報を用いた認証がなされた人に、この専有スペースを訪れたことを感謝する「Thank You!」の文字の画像を、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dに表示させる。さらに、制御装置30は、駆動機構80を制御してフラップ20を開かせる。
【0051】
なお、各実施形態において、制御装置30は、駆動機構80に開かせたフラップ20を、予め決められた時間の経過の後に閉じさせる。また、各実施形態において、センサ14が人を検出しなくなり、人が通過した後に遠ざかったことが判明して予め決められた時間が経過したなど、予め決められた条件がそろった場合、制御装置30は、表示装置50Dへの表示を初期の状態に戻す。
【0052】
≪第3の実施形態≫
以下、第3の実施形態にかかる表示を説明する。図17は、第3の実施形態にかかる表示を示す図である。
【0053】
商業施設において、セキュリティゲート1には、透明さだけではなく、光学的な装飾効果が求められることがある。このような場合、制御装置30は、図17に示されるように、人が近づいてきたことが検出されない間、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dに、装飾のための模様を表示させる。なお、この場合において、人が近づいてきたことが検出され、近づいてきた人の認証が行われたとき、制御装置30は、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dの表示を、図9図10図15図16に示されたように変更する。さらに、制御装置30は、駆動機構80を制御して、フラップ20を開かせる。
【0054】
≪第4の実施形態≫
以下、第4の実施形態にかかる表示を説明する。図18図19図20図21は、第4の実施形態にかかる表示を示す第1~第4の図である。なお、図18図21には、フラップ20が、完全に開かれ、透明板13に重ねられた場合が示される。
【0055】
セキュリティゲート1の-Y側から+Y側への人の通行、つまり、共有スペースから専有スペースへの人の通行のみを許すための設定が制御装置30になされる。さらに、制御装置30に、読取装置15から得られた認証用情報を用いた認証を行う設定がなされる。なお、この設定においては、セキュリティゲート1へ人が近づいてきたことが検出されない限り、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dのいずれにも何らの表示もなされない。
【0056】
このような設定において、センサ14が、セキュリティゲート1の-Y側から人が近づいてきたことを検出する。さらに、近づいてきた人が読取装置15から得られた認証用情報により認証される。この場合、制御装置30は、駆動機構80を制御して、フラップ20が閉じた状態から完全に開いた状態にさせつつ、図18図21に示されるように、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dへの画像の表示を行う。つまり、制御装置30は、セキュリティゲート1により許可される通行方向を示す「>」形の図形の画像を、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dに、図18図21に示された数、これらの図に示された順番で、予め決められた時間間隔、例えば、0.25秒間隔で表示させる。さらに、制御装置30は、駆動機構80を制御して、フラップ20を開かせる。
【0057】
このような表示は、図21に示された表示が終了した後、図18に示された表示に戻って繰り返される。つまり、この場合には、制御装置30は、フラップ20に取り付けられ、フレーム11により支持された透明板13に重ねられた表示装置50Dに、セキュリティゲート1の通行方向を1つ以上の図形の画像の動きとして示す動画像を、繰り返して表示させることになる。
【0058】
≪第5の実施形態≫
以下、第5の実施形態にかかる表示を説明する。図22は、セキュリティゲート1において、フレーム11により支持された透明板13に取り付けられた表示装置50Dを示す図である。図23図24図25は、第5の実施形態にかかる表示を示す第1~第3の図である。
【0059】
なお、図22には、透明板13に、表示装置として取り付けられた表示装置50Dが示される。また、図23図25には、フラップ20が完全に開かれ、透明板13に重ねられた場合の表示の態様が示される。
【0060】
図22に示されるように、フレーム11により支持された透明板13に表示装置50Dが取り付けられ得る。セキュリティゲート1の-Y側から+Y側への人の通行、つまり、共有スペースから専有スペースへの人の通行のみを許すための設定が制御装置30になされる。さらに、制御装置30に、読取装置15により得られた認証用情報を用いた認証を行う設定がなされる。なお、この設定においては、セキュリティゲート1へ人が近づいてきたことが検出されない限り、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dのいずれにも何らの表示もなされない。
【0061】
このような設定において、センサ14が、セキュリティゲート1の-Y側から人が近づいてきたことを検出する。さらに、読取装置15が、認証のための情報を読み取る。近づいてきた人が認証された場合には、制御装置30は、駆動機構80を制御してフラップ20を開かせつつ、通行が許可される方向を示す「>」形の図形の画像を3つ、図23に示されるように、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dに表示する。同時に、この場合、制御装置30は、通行を許可する方向を示す「>」形の図形の画像を3つ、図24に示されるように、透明板13に取り付けられた表示装置50Dに、水平にずらして表示する。
【0062】
完全に開かれたフラップ20及び透明板13に取り付けられた表示装置50Dが重なりあうと、セキュリティゲート1を通行しようとする人からは、図25に示されるように、6つの図形の画像が見えることになる。つまり、フラップ20と透明板13とが重ね合わされると、フラップ20及び透明板13に取り付けられた表示装置50Dに表示された図形の画像も重ね合わされて表示される。
【0063】
≪第6の実施形態≫
以下、第6の実施形態にかかる表示を説明する。図26は、2枚の透明板200の間に、表示装置50Dと、プリズム形の枠202とを挟んだフラップ20の構成を示す図である。図27は、第6の実施形態にかかる表示を示す図である。
【0064】
図26に示されるように、フラップ20を2枚の透明板200により構成し、表示装置50Dが、これら2枚の透明板200の間に挟み込まれてもよい。図26に示された表示装置50Dに示された枠202は、プリズム形の断面を有し、発光素子60から透明フィルム51,52と水平な方向に漏れて出射された光を、透明フィルム51,52と垂直な方向に反射する。図26に示されたフラップ20の表示装置50Dに、図10に示された図形の画像が表示されると、セキュリティゲート1を通行しようとする人からは、図27に示されるように、枠202に囲まれた図形の画像が見えることになる。
【0065】
≪第7の実施形態≫
以下、第7の実施形態にかかる表示を説明する。図28図29は、第7の実施形態にかかる表示を示す第1,第2の図である。図28に示されるように、セキュリティゲート1の2つのフラップ20それぞれに、+Y側及び-Y側の両方から表示装置50Dが取り付けられる。セキュリティゲート1を通行する人がいないときに、制御装置30は、2つのフラップ20それぞれに、+Y側から取り付けられた表示装置50Dに、人の進行方向を示す上向きの矢印の図形の画像を表示する。また、セキュリティゲート1を通行する人がいないときに、制御装置30は、2つのフラップ20それぞれに、+Y側から取り付けられた表示装置50Dに、人の進行方向を示す上向きの矢印の図形の画像を、位置をずらして表示する。
【0066】
図4図5に示されたように、表示装置50Dの発光素子60は、表示装置50Dの両面に光を出射する。一方、発光素子60から出射された光は、フラップ20及び表示装置50Dの表面で反射もされる。従って、セキュリティゲート1に近づく人からは、発光素子60から直接に射出された光と、反射された光との両方が見える。この結果、図29に示されるように、フラップ20に表示された画像があたかも立体的で、しかも、深い奥行があるかのような印象を、セキュリティゲート1を通過する人に与え得る。また、フラップ20の両側それぞれに取り付けられた表示装置50Dに表示された画像を、フラップ20の動きと同期して変化させたり、点滅させたりすると、さらに印象的な演出がなされ得る。
【0067】
≪第8の実施形態≫
以下、第8の実施形態として、表示装置50Dの自動ドア9への応用を説明する。図30は、表示装置50Dが応用された自動ドア9を示す図である。図30に示されるように、表示装置50Dは、自動ドア9が動作したときに、人や物への衝突を防ぐ防護柵92の下部に取り付けられる。自動ドア9において、表示装置50Dには、図9図10に示されたような図形の画像を、自動ドア9を通行する人に表示する。なお、自動ドア9に読取装置15をさらに設けることにより、通行しようとする人の認証、及び認証されたか否かに応じた通行の許可又は不許可も可能である。
【0068】
以上説明した各実施形態によれば、通常状態ではフラップの光の透過性を高く保ち、必要に応じて、セキュリティゲート又は自動ドアを通行する人にとって理解しやすく効果的な表示をすることができる。また、実施形態によれば、表示装置の透過性を高くすることにより、赤外線センサ、画像認識用カメラなどのセキュリティゲートへの配置を容易にでき、また、これらの配置のための設計も容易にできる。従って、実施形態によれば、デザイン性及び安全性を確保しつつ、設計の自由度を向上することができる。
【0069】
以下、第1~第8の実施形態の変形例を説明する。図13などに示されたフレーム11の中のフレキシブルケーブル70には、フラップ20が回転するときに、捻じれ及び張力が発生する可能性がある。このような捻れ及び張力はフレキシブルケーブル70の配線の断線の原因となり得る。フレーム11の中のフレキシブルケーブル70に、適度な撓みが与えられると、このような断線が予防される。或いは、フラップ20が1方向のみに回転させられるときには、フレキシブルケーブル70を、予めその回転と逆方向に捩じると、このような断線が予防される。
【0070】
図31図32は、フラップ20のフレーム11への取り付けの変形例を示す第1及び第2の図である。図31に示されるように、フラップ20がフレーム11に取り付けられる部分に、フレキシブルケーブル70と表示装置50Dとの接続部分を隠し、また、強化する補強板78が付加されてもよい。
【0071】
なお、フラップ20において目立たないように隠すなどの工夫ができれば、表示装置50Dをフラップ20にネジ止めしてもよい。また、衝突防止マークを付けているときには、その衝突防止マークを利用して、フラップ20と表示装置50Dとのネジ止め部分を隠してもよく、或いは、衝突防止マーク自体をネジ状に加工し、フラップ20と表示装置50Dとのねじ止めのために用いてもよい。
【0072】
フラップ20の光の透過性を保つことができれば、或いは、フレーム11の内部にうまく隠すことができれば、フレキシブルケーブル70の代わりに、図32に示されるように、導電性ペーストにより表示装置50Dと接続された配線材76が用いられ得る。この場合には、表示装置50Dと配線材76との接続部分はフレーム11の内部に設けられて隠される。
【0073】
図33図34図35図36は、図9図10に示されたフラップ20への表示の変形例を示す第1~第4の図である。図9には、セキュリティゲート1のフラップ20それぞれに、X形の図形の画像が表示される場合が例示されたが、図33に示されるように、フラップ20の両方に渡って、1つのX形の図形の画像が表示されてもよい。また、図10には、セキュリティゲート1のフラップ20それぞれに、円形の図形の画像が表示される場合が例示されたが、図34に示されるように、フラップ20の両方に渡って、1つの円形の図形の画像が表示されてもよい。
【0074】
図9図10に示された円形及びX形の図形の画像は、許可及び不許可を示すと、日本語話者以外には必ずしも理解されないことがある。従って、図35図36に示されるように、X形及び円形の図形の画像の代わりに、「Unaccetable」又は「OK」の文字を、フラップ20に取り付けられた表示装置50Dに表示することにより、通過の許可及び不許可を、セキュリティゲート1を通行する人に示してもよい。
【0075】
以下、図28図29に示された表示の変形例を説明する。図37図39は、フラップ20及び透明板13への表示を示す第1~第3の図である。なお、図37図39には、図28図29においてとは異なり、フラップ20のみによらず、フラップ20及び透明板13による表示の態様が示される。
【0076】
何らの表示もされていない状態の透明板13にフラップ20が重ねられたときに、図37に示されるように、制御装置30は、フラップ20に取り付けられた表示装置50に、人が通行する方向を示す右向きの矢形の図形の画像を表示する。さらに、図38に示されるように、制御装置30は、透明板13に取り付けられた表示装置50Dに、フラップ20に表示された図形と同じ図形の画像を、位置をずらして表示する。このような表示を行うと、図39に示されるように、フラップ20が完全に開かれて透明板13に重ねられたときに、これらに表示された画像に、図29に示された画像に対してと同様な効果が与えられる。なお、制御装置30は、透明板13に取り付けられた表示装置50Dに、フラップ20に表示された図形と同じ図形の画像を、位置をずらさず重ねて表示してもよい。
【0077】
図40は、図37図39に示されたフラップ20及び透明板13への表示の変形例を示す図である。図37図39には、フラップ20及び透明板13に、右向きの矢形の図形の画像が表示される場合が例示されたが、フラップ20及び透明板13への表示内容は矢形の図形の画像に限定されず、図40に示されるように、例えば複数の円形の図形の画像であってもよい。
【0078】
セキュリティゲート1においては、フラップ20、透明板13などの透明な部分に、発光素子60を含む透明な表示装置50,50C,50Dが配置され、様々な図形、文字、模様などを示す静止画像及び動画像が表示され得る。従って、実施形態に係るセキュリティゲート1によれば、デザイン性及び安全性を確保しつつ、設計の自由度を向上させることができる。
【0079】
なお、以上、回転により開閉する2つのフラップ20を有する両開きのセキュリティゲート1が説明されたが、セキュリティゲート1は、フラップ20を1つだけ有する片開きの形式であってもよい。また、セキュリティゲート1は、横方向にスライドするフラップ20を有する横スライド形式であってもよい。また、実施形態における表示装置50,50C,50Dによる表示が、フラップ20及び透明板13においてなされる場合が説明されたが、表示装置50,50C,50Dの特性が活かせる場所であれば、透明板120など、セキュリティゲート1のその他の部分に表示がなされてもよい。
【0080】
また、各実施形態及び変形例において表示装置50,50C,50Dに含まれる発光素子60の数及び光の色は、セキュリティゲート1の用途などに応じて、適宜、変更できる。また、透明板12,13の形状は、長方形以外、例えば、正方形であってもよい。また、フラップ20の縦方向及び横方向のサイズは任意であり、フラップ20の形状は、正方形以外、例えば長方形であってもよい。さらに、フラップ20の高さ方向の長さは、人の身長を考慮して決められてもよい。
【0081】
また、表示装置50Dは、マトリクス状に配置され、赤色、緑色及び青色のいずれかの光のみを射出する発光素子60を含むように構成され得る。さらに、それぞれ赤色、緑色及び青色のいずれかの光により画像の表示を行う3枚の表示装置50Dを、重ね合わせてフラップ20又は透明板13に取り付けることもできる。このように3枚の表示装置50Dが取り付けられたフラップ20又は透明板13を用いることにより、制御装置30は、赤色、緑色、青色及びこれらの色の光から合成される色の画像を、フラップ20又は透明板13に表示できる。
【0082】
また、中間樹脂55として、熱可塑性樹脂以外に、熱硬化性樹脂が用いられることがある。また、表示装置50は、外的衝撃への対策のために、アクリル板などの間に挟まれてから、透明な接着剤でフラップ20に接着されてもよい。また、表示装置50は、接着剤なしにアクリル板などの間に挟まれて支持されてもよい。また、以上、図10には、2枚の表示装置50が重ね合わされる場合が示されたが、表示装置50を、円形の図形の画像と、X形の図形の画像とを切り替えて表示するように構成してもよい。
【0083】
また、図30には、表示装置50Dが防護柵92に取り付けられる場合が示されたが、表示装置50Dは、自動ドアにおいて、ドア90の固定部に取り付けられ得、また、電力供給のための工夫をすることにより、ドア90の摺動部に取り付けられ得る。また、図40に示された複数の円形の図形それぞれを、赤、緑及び青色(R,G,B)の3色の発光素子60R,60G,60Bの集合により表示したり、白色の発光素子60により表示したりすることもできる。
【0084】
本発明の実施形態が説明されたが、この実施形態は、例として提示されたものであり、発明の範囲を限定することを意図されていない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更され得る。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 セキュリティゲート
10 サイドウォル
10A,10B ゲートユニット
11 フレーム
11a 固定部
11b 支持柱
11c ガイド
12,13,200 透明板
14 センサ
15 読取装置
20 フラップ
202 枠
30 制御装置
50 表示装置
51,52 透明フィルム
53 導体層
55 中間樹脂
60 発光素子
70 フレキシブルケーブル
76 配線材
80 制御機構
9 自動ドア
90 ドア
92 防護柵
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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