(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-09
(45)【発行日】2022-11-17
(54)【発明の名称】光源装置および光学エンジン
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20221110BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20221110BHJP
H01S 5/40 20060101ALI20221110BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20221110BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221110BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20221110BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
H01S5/40
H01S5/022
F21S2/00 340
F21S2/00 310
F21V7/28 240
F21V31/00 300
(21)【出願番号】P 2019054511
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【氏名又は名称】田中 悠
(72)【発明者】
【氏名】永原 靖治
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-147420(JP,A)
【文献】特開2015-060158(JP,A)
【文献】国際公開第2015/072039(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/105546(WO,A1)
【文献】特開2000-056410(JP,A)
【文献】特開2006-251556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0111620(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00 - 21/64
H01S 5/40
H01S 5/022
F21S 2/00
F21V 7/28
F21V 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレーザモジュールおよび第2のレーザモジュールを含む複数のレーザモジュールであって、それぞれが、第1のレーザビームを出射する少なくとも1個の第1のレーザダイオード、および、第2のレーザビームを出射する少なくとも1個の第2のレーザダイオードを有している、複数のレーザモジュールと、
第1のダイクロイックミラー領域および第2のダイクロイックミラー領域を有するビームコンバイナと、
を備え、
前記第1のレーザビームの波長は、前記第2のレーザビームの波長よりも短く、
前記第1のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記ビームコンバイナの背面側を斜めから照射する位置に配置され、かつ、前記第2のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記ビームコンバイナの正面側を斜めから照射する位置に配置されており、
前記第1のダイクロイックミラー領域は、前記第1のレーザモジュールから出射された前記第1のレーザビームを透過し、かつ、前記第2のレーザモジュールから出射された前記第2のレーザビームを反射し、
前記第2のダイクロイックミラー領域は、前記第1のレーザモジュールから出射され前記第2のレーザビームを透過し、かつ、前記第2のレーザモジュールから出射された前記第1のレーザビームを反射する、光源装置。
【請求項2】
前記複数のレーザモジュールのそれぞれは、
前記第1のレーザダイオードおよび前記第2のレーザダイオードを収容する気密封止パッケージと、
前記第1のレーザビームおよび前記第2のレーザビームがそれぞれ通過する複数のコリメートレンズと、
を有している、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記複数のレーザモジュールのそれぞれは、前記第1のレーザダイオードおよび前記第2のレーザダイオードをそれぞれ電気的に独立した複数の端子に接続する配線を有している、請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記複数のレーザモジュールのそれぞれは、
少なくとも一列に配置された複数の前記第1のレーザダイオードと、
少なくとも一列に配置された複数の前記第2のレーザダイオードと、
を有している、請求項1から3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1のレーザモジュールおよび前記第2のレーザモジュールは直交する配置関係にある、請求項1から4のいずれかに記載の光源装置。
【請求項6】
前記複数のレーザモジュールのそれぞれは、第3のレーザビームを出射する少なくとも1個の第3のレーザダイオードを更に含み、
前記第3のレーザビームの波長は、前記第1のレーザビームの波長と前記第2のレーザビームの波長との間にあり、
前記第1のダイクロイックミラー領域は、前記第3のレーザビームを透過し、
前記第2のダイクロイックミラー領域は、前記第3のレーザビームを反射する、請求項1から5のいずれかに記載の光源装置。
【請求項7】
前記第1のレーザダイオードは、青色レーザダイオードであり、
前記第2のレーザダイオードは、赤色レーザダイオードであり、
前記第3のレーザダイオードは、緑色レーザダイオードである、請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
それぞれが、第1のレーザビームを出射する少なくとも1個の第1のレーザダイオード、および、第2のレーザビームを出射する少なくとも1個の第2のレーザダイオードを有している、第1、第2、および第3のレーザモジュールと、
第1の面と第2の面が交差する交差線を挟んで前記第1の面に沿って並ぶ第1および第2の光学膜と、前記交差線を挟んで前記第2の面に沿って並ぶ第3および第4の光学膜とを含む、ビームコンバイナと、
を備え、
前記第1のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記第1、第2、第3、および第4の光学膜の背面側を斜めから照射する位置に配置され、かつ、前記第2のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記第2および第1の光学膜の正面側を斜めから照射する位置に配置され、かつ、前記第3のレーザモジュールは、前記ビームコンバイナを挟んで前記第2のレーザモジュールと向かい合い、前記第1および第2のレーザビームで前記第3および第4の光学膜の正面側を斜めから照射する位置に配置されており、
前記第1のレーザダイオードから出射された前記第1のレーザビームは波長λ
1を有する第1方向に直線偏光した光であり、
前記第2のレーザダイオードから出射された前記第2のレーザビームは、波長λ
1よりも長い波長λ
2を有する前記第1方向に直線偏光した光または前記第1方向と直交する第2方向に直線偏光した光であり、
前記第1の光学膜は、波長λ
1の光を透過し、かつ波長λ2の光を反射する第1のダイクロイック膜を有し、
前記第2の光学膜は、波長λ
2の光の偏光方向を90度回転させる波長λ
2用λ/2位相差板と、波長λ
2の光を透過し、前記第1方向に偏光した波長λ
1の光を透過し、かつ、前記第2方向に偏光した波長λ
1の光を反射する第2のダイクロイック膜とを有し、
前記第3の光学膜は、波長λ
2の光を透過し、かつ波長λ
1の光を反射する第3のダイクロイック膜を有し、
前記第4の光学膜は、波長λ
1の光の偏光方向を90度回転させる波長λ
1用λ/2位相差板と、波長λ
1の光を透過し、前記波長λ
2用λ/2位相差板を通過しない波長λ
2の光を透過し、かつ、前記波長λ
2用λ/2位相差板を通過した波長λ
2の光を反射する第4のダイクロイック膜とを有し、
前記ビームコンバイナは、前記第1、第2および第3のレーザモジュールのそれぞれから出射された前記第1のレーザビームおよび前記第2のレーザビームを結合する、光源装置。
【請求項9】
前記第2のレーザダイオードから出射された前記第2のレーザビームは、前記第2方向に直線偏光した光であり、
前記第4のダイクロイック膜は、波長λ
1の光を透過し、前記第2方向に偏光した波長λ
2の光を透過し、かつ、前記第1方向に偏光した波長λ
2の光を反射する、請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の少なくとも1個の光源装置と、
前記少なくとも1個の光源装置から出射されたレーザビームが入射する光学系と、
前記光学系を通過した前記レーザビームで照射される空間光変調器と、
前記空間光変調器によって変調された前記レーザビームを投射する投射光学系と、
を備える光学エンジン。
【請求項11】
前記光学系は、
前記少なくとも1個の光源装置から出射された前記レーザビームを集光するレンズと、
前記レンズによって集光された前記レーザビームを通過させるインテグレータと、
を有する、請求項10に記載の光学エンジン。
【請求項12】
前記インテグレータは、ロッドインテグレータおよび/またはライトトンネルを含む、請求項11に記載の光学エンジン。
【請求項13】
前記光学系は、前記レンズと前記インテグレータとの間に配置されたアレイトロイダルレンズを有し、
前記アレイトロイダルレンズに入射する前記レーザビームは、短軸および長軸を有する楕円形状のビーム形状を有し、
前記アレイトロイダルレンズは、前記レーザビームの伝搬方向および前記短軸を含む平面内における曲率が、前記伝搬方向および前記長軸を含む平面内における曲率よりも大きな複数のトロイダルレンズ領域を有している、請求項11または12に記載の光学エンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の半導体レーザ素子を備える光源装置、および当該光源装置を備える光学エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロジェクタでは、光源として、超高圧水銀ランプ、キセノンランプなどの放電ランプが使用されてきた。近年、放電ランプに比べて消費電力および環境負荷に優位性を有する発光ダイオード(LED)を光源とするプロジェクタが実用化された。
【0003】
半導体レーザ素子(以下、「レーザダイオード」または単に「LD」と称する)は、LEDよりも輝度が高く、様々な分野への応用が進められている。LDから出射されたレーザビームで蛍光体を励起し、必要な波長域の光を得るハイブリッド型光源を備えるプロジェクタが実用化されている。
【0004】
蛍光体を用いず、赤色、緑色、および青色LDから出射されたレーザビームを合成する高輝度光源の開発が進められている。特許文献1は、赤色レーザ、緑色レーザ、および青色レーザから出射されたレーザビームをダイクロイックプリズムで合成する光源装置を開示している。特許文献2は、偏光方向が異なるレーザビームを偏光ビームコンバイナで合成する光源装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-88451号公報
【文献】特開2008-3125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
より高い輝度で発光する小型化に適した光源装置および面内均一性の高い照明光を生成する光学エンジンが求められている。
【0007】
本開示の実施形態は、波長帯が異なる複数のレーザビームを結合して輝度を高めることができる、新しい構成を有する光源装置、および当該光源装置を備える光学エンジンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の光源装置は、一実施形態において、第1のレーザモジュールおよび第2のレーザモジュールを含む複数のレーザモジュールであって、それぞれが、第1のレーザビームを出射する少なくとも1個の第1のレーザダイオード、および、第2のレーザビームを出射する少なくとも1個の第2のレーザダイオードを有している複数のレーザモジュールと、第1のダイクロイックミラー領域および第2のダイクロイックミラー領域を有するビームコンバイナとを備える。前記第1のレーザビームの波長は、前記第2のレーザビームの波長よりも短い。前記第1のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記ビームコンバイナの背面側を斜めから照射する位置に配置され、かつ、前記第2のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記ビームコンバイナの正面側を斜めから照射する位置に配置されている。前記第1のダイクロイックミラー領域は、前記第1のレーザモジュールから出射された前記第1のレーザビームを透過し、かつ、前記第2のレーザモジュールから出射された前記第2のレーザビームを反射する。前記第2のダイクロイックミラー領域は、前記第1のレーザモジュールから出射された前記第2のレーザビームを透過し、かつ、前記第2のレーザモジュールから出射された前記第1のレーザビームを反射する。
【0009】
本開示の他の光源装置は、一実施形態において、それぞれが、第1のレーザビームを出射する少なくとも1個の第1のレーザダイオード、および、第2のレーザビームを出射する少なくとも1個の第2のレーザダイオードを有している第1、第2、および第3のレーザモジュールと、第1の面と第2の面が交差する交差線を挟んで前記第1の面に沿って並ぶ第1および第2の光学膜と前記交差線を挟んで前記第2の面に沿って並ぶ第3および第4の光学膜とを含むビームコンバイナと、を備える。前記第1のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記第1、第2、第3、および第4の光学膜の背面側を斜めから照射する位置に配置されている。前記第2のレーザモジュールは、前記第1および第2のレーザビームで前記第2および第1の光学膜の正面側を斜めから照射する位置に配置されている。前記第3のレーザモジュールは、前記ビームコンバイナを挟んで前記第2のレーザモジュールと向かい合い、前記第1および第2のレーザビームで前記第3および第4の光学膜の正面側を斜めから照射する位置に配置されている。前記第1のレーザダイオードから出射された前記第1のレーザビームは波長λ1を有する第1方向に直線偏光した光である。前記第2のレーザダイオードから出射された前記第2のレーザビームは、波長λ1よりも長い波長λ2を有する前記第1方向に直線偏光した光または前記第1方向と直交する第2方向に直線偏光した光である。前記第1の光学膜は、波長λ1の光を透過し、かつ波長λ2の光を反射する第1のダイクロイック膜を有する。前記第2の光学膜は、波長λ2の光の偏光方向を90度回転させる波長λ2用λ/2位相差板と、波長λ2の光を透過し、前記第1方向に偏光した波長λ1の光を透過し、かつ、前記第2方向に偏光した波長λ1の光を反射する第2のダイクロイック膜とを有する。前記第3の光学膜は、波長λ2の光を透過し、かつ波長λ1の光を反射する第3のダイクロイック膜を有する。前記第4の光学膜は、波長λ1の光の偏光方向を90度回転させる波長λ1用λ/2位相差板と、波長λ1の光を透過し、前記波長λ2用λ/2位相差板を通過しない波長λ2の光を透過し、かつ、前記波長λ2用λ/2位相差板を通過した波長λ2の光を反射する第4のダイクロイック膜とを有する。前記ビームコンバイナは、前記第1、第2および第3のレーザモジュールのそれぞれから出射された前記第1のレーザビームおよび前記第2のレーザビームを結合する。
【0010】
本開示の光学エンジンは、一実施形態において、上記のいずれかの少なくとも1個の光源装置と、前記少なくとも1個の光源装置から出射されたレーザビームが入射する光学系と、前記光学系を通過した前記レーザビームで照射される空間光変調器と、前記空間光変調器によって変調された前記レーザビームを投射する投射光学系とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本開示のこれらの実施形態によれば、波長帯が異なる複数のレーザビームを結合して輝度を高めることができる光源装置、および当該光源装置を備える光学エンジンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示における光源装置の第1の実施形態の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図2A】
図2Aは、第1の実施形態における第1のレーザモジュールの模式的な平面図である。
【
図3A】
図3Aは、第1の実施形態におけるビームコンバイナの平面図である。
【
図4A】
図4Aは、ビームコンバイナの他の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図4B】
図4Bは、ビームコンバイナの更に他の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態における光源装置の他の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態におけるレーザモジュールの構成例を示す平面図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態におけるレーザモジュールの他の構成例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態におけるレーザモジュールの更に他の構成例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態におけるビームコンバイナの他の構成例を示す平面図である。
【
図10A】
図10Aは、第1の実施形態におけるレーザモジュールにおける配線接続の例を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、第1の実施形態におけるレーザモジュールにおける配線接続の他の例を示す図である。
【
図11B】
図11Bは、第1の実施形態の他の改変例に係る光源装置を示す図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態における光源装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図13】
図13は、本開示における第2の実施形態における光源装置の構成例を示す断面図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態におけるビームコンバイナの機能を示す図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態におけるビームコンバイナの他の構成例を示す斜視図である。
【
図17B】
図17Bは、第2の実施形態における光源装置の動作を示す他の図である。
【
図17C】
図17Cは、第2の実施形態の改変例における光源装置の動作を示す図である。
【
図18】
図18は、本開示における光学エンジンの実施形態の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、いずれも包括的または具体的な例である。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。
【0014】
<実施形態1>
図1は、本開示の第1の実施形態における光源装置1000の構成例を模式的に示す断面図である。
図1を含む添付図面には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が模式的に示されている。
図1では、X軸が紙面に垂直であり、奥行き方向を向いている。使用時における光源装置1000の向きは任意であり、図示されている光源装置1000の向きによって制限されない。
【0015】
本実施形態の光源装置1000は、複数のレーザモジュール100と、ビームコンバイナ200とを備える。複数のレーザモジュール100から発せられたレーザビームがビームコンバイナ200によって合成または結合(combine)される。ビームコンバイナ200は、合波器として機能する。なお、実際のレーザビームは、伝搬方向に垂直な方向にサイズ(ビーム径)を有しているが、添付図面では、簡単のため、レーザビームのビーム径を無視し、中心軸のみを直線によって記載している。結合されたレーザビームは、Y軸正方向に出射されるため、Y軸正方向の側を「正面」、Y軸負方向の側を「背面」と称することにする。
【0016】
図示される例において、複数のレーザモジュール100は、直交するように配置された第1のレーザモジュール1001および第2のレーザモジュール1002を含む。第1のレーザモジュール1001および第2のレーザモジュール1002は、いずれも、第1のレーザダイオード10、第2のレーザダイオード12、および、第3のレーザダイオード14を有している。以下、レーザダイオードを単に「LD」と表記する。
【0017】
第1のLD10は波長λ1の第1のレーザビームを出射し、第2のLD12は波長λ2の第2のレーザビームを出射する。波長λ1は波長λ2よりも短い。第3のLD14は波長λ3の第3のレーザビームを出射し、波長λ3は波長λ1と波長λ2との間にある。ここで、「レーザビームの波長」は、LDの発振波長と同意義であり、ピーク波長を意味する。一般に、同一条件で製造された同一構造のLDであっても発振波長には個体差があり、また同一のLDであっても動作環境によって変動することもある。λ1、λ2、λ3の値は、異なる色の波長帯に属しており、それぞれの色の波長帯のなかで幅、または、ばらつきを有し得る。「レーザビームの波長」の用語については、より詳しい説明を後に行う。
【0018】
次に、
図2Aおよび
図2Bを参照して、第1のレーザモジュール100
1の構成例を説明する。第2のレーザモジュール100
2は、第1のレーザモジュール100
1と同様の構造、形状およびサイズを有しており、異なる点は配置の向きである。このため、第2のレーザモジュール100
2の構成については、重複した説明は繰り返さない。
図2Aは、第1のレーザモジュール100
1の模式的な平面図であり、
図2Bは、
図2Aにおける第1のレーザモジュール100
1のIIB-IIB線断面図である。
【0019】
図2Aの例において、合計で8個のLD10、12、14が、パッケージを構成する基体100Cの主面に行および列状に配列されている(2行4列配置)。具体的には、Z軸方向に平行な方向(行方向)に延びる各行において、1個の第3のLD14、1個の第1のLD10、2個の第2のLD12が、この順序で並んでいる。X軸方向に平行な方向に延びる第1の列では、2個の第3のLD14がX軸方向に一列に配置されている。第2の列では、2個の第1のLD10がX軸方向に一列に配置されている。第3および第4の列では、それぞれ、2個の第2のLD12がX軸方向に一列に配置されている。本実施形態において、1個のレーザモジュール100
1に搭載される第2のLD12の個数は、第1のLD10の個数または第3のLD14の個数の2倍である。この理由は、後述する。
【0020】
図2Aには、8個のLD10、12、14を2つのLD群に分ける境界線C1が参考のために示されている。
図2Aにおいて境界線C1の右側には、基準波長Λよりも長い波長で発振するLD12が実装されており、境界線C1の左側には、基準波長Λよりも短い波長で発振するLD10、14が実装されている。このように二次元的に配列された複数のLD10、12、14が、基準波長Λに対する発振波長の高低に応じて、異なる2つの領域に分けて実装されることの技術的意義も後述する。
【0021】
一般に、LDは、発振波長の帯域に応じて、例えば、紫外LD、青色LD、緑色LD、赤色LD、および赤外LDに分類され得る。光源装置1000が可視光の光源に用いられる場合、各LD10、12、14は、可視光を発するLDから選択される。本実施形態において、第1のLD10は青色LD、第2のLD12は赤色LD、第3のLD14は緑色LDである。青色LDの発振波長は430nmから480nmであり、例えば450nmから470nmである。緑色LDの発振波長は500nmから540nmであり、例えば520nmから540nmである。赤色LDの発振波長は620nmから660nmであり、例えば630nmから650nmである。したがって、前述した基準波長Λは、例えば、緑色LDの発振波長の上限値と赤色LDの発振波長の下限値の間である540nmから620nmの範囲内から選択され得る。
【0022】
青色LDおよび緑色LDは、主として窒化物半導体材料から形成され得る。窒化物半導体材料としては、例えば、GaN、InGaN、AlGaNが挙げられる。赤色LDは例えば主としてガリウムヒ素系半導体材料から形成され得る。発振波長が近赤外域よりも短いLDを採用し、その光出力を高めていくと、光集塵効果によって動作中のLDの端面(エミッタ)に雰囲気中の塵埃などが付着して光出力が低下し得る。LDに付着する物質は、塵埃に限られず、揮発した有機物がレーザビームと化学的に反応して生成される堆積物の可能性もある。レーザビームの波長が短くなり、光出力が高くなるほど、付着物に起因する劣化が顕著になる。このような問題を回避するため、複数のレーザモジュール100のそれぞれは、各LD10、12、14を収容する気密封止パッケージであることが望ましい。
【0023】
本実施形態では、
図2Bに示されるように、各LD10、12、14の端面(エミッタ)からZ軸方向に出射されたレーザビームが、それぞれ、対応するミラー15によって反射されてY軸方向に向きを変える。各レーザビームは、基体100Cに取りつけられた透光性部材16およびコリメートレンズ18を透過してY軸方向に伝搬する。コリメートレンズ18は、各LD10、12、14から出射されて発散するレーザビームの発散角を小さくし、コリメートする。各LD10、12、14の向きは、この例に限定されない。
図2Bにおいて、各LD10、12、14の端面が例えばY軸方向を向いていれば、各LD10、12、14から出射されたレーザビームは、ミラーで反射されることなく、コリメートレンズ18に入射することができる。この場合はミラーが不要である。各LD10、12、14は、熱伝導性の高い金属製マウント(不図示)に搭載された状態で実装され得る。
【0024】
第1のレーザモジュール100
1および第2のレーザモジュール100
2は、例えば、同一構成を有する複数のレーザモジュール100から選択され、
図1に示されるように直交配置される。本実施形態における光源装置1000が備える各レーザモジュール100は、赤色と緑色と青色の3原色のレーザビームを放射する複数のLD10、12、14を備えている。複数のレーザモジュール100から得られるレーザビームをビームコンバイナ200によって結合(合波)することにより、輝度を約2倍に高めることが可能になる。
【0025】
本実施形態において、赤色LDの光束は青色LDおよび緑色LDの光束に比べて小さいため、各レーザモジュール100に搭載される第2のLD12の個数が、第1のLD10の個数または第3のLD14の個数の2倍である。これにより、各色のLDを時分割駆動する際に白色光を再現することができる。各色のLDの個数は、これに限らず、目的とする光が得られるように調整することができる。
【0026】
第1のLD10、第2のLD12、および第3のLD14の個数は、上記の例に限定されず、それぞれ、1個であってもよいし、2個または3個以上であってもよい。また、典型例において、第1のレーザモジュール1001は、第2のレーザモジュール1002と同様の構造、形状およびサイズを有しているが、本開示の実施形態は、この例に必ずしも限定されない。
【0027】
赤色LDは青色LDおよび緑色LDよりも特性が温度によって変動しやすい場合がある。また、青色LDは緑色LDよりも電力変換効率が良いことから、発熱量は青色LDの方が緑色LDよりも小さい。このため、緑色LDは赤色LDから離して配置することが望ましい。本実施形態では、赤色LD(第2のLD12)の列と緑色LD(第3のLD14)の列との間に青色LD(第1のLD10)の列を並べている。このため、赤色LD(第2のLD12)の発光特性が安定する。
【0028】
なお、本開示の実施形態において、あるレーザモジュール100に搭載された第1のLD10の発振波長は、他のレーザモジュール100に搭載された第1のLD10の発振波長とは、厳密に一致している必要はない。第2のLD12でも同様である。例えば、第1のLD10が青色LDである場合、各レーザモジュール100に搭載される第1のLD10の発振波長は、430~480nmの範囲に含まれていればよい。したがって、本開示において、「第1のレーザビームの波長は、第2のレーザビームの波長よりも短い」の意味は、各レーザモジュールに搭載された第1のLDの発振波長が第1の波長域(例えば青色の波長域)に含まれ、各レーザモジュールに搭載された第2のLDの発振波長が、第1の波長域よりも長波長側に位置する第2の波長域(例えば赤色の波長域)に含まれることを意味する。また、同様に、1つのレーザモジュール100に複数の第1のLD10が搭載されている場合に、それらの発振波長が厳密に一致している必要はない。第2のLD12、第3のLD14についても同様である。
【0029】
フルカラー画像表示のための光学エンジンでは、色域を拡大するため、表示に必要な赤(R)、緑(G)、青(B)の色光が、それぞれ、色ごとにスペクトル幅の狭い単色光であることが望ましい。このため、そのような光学エンジンに本開示の光源装置を用いる場合、各LDから出射されるレーザビームのピーク波長は、色ごとに狭い波長範囲(例えば12nm幅の範囲)に含まれていることが好ましい。例えば複数の青色LDである複数の第1のLD10において、各第1のLD10から出射される第1のレーザビームのピーク波長である波長λ1はすべて、例えば459~471nmの範囲に含まれていることが望ましい。設計値として中心波長が465nmとなるように製造した青色LDを用いる場合、同一の光源装置1000において、個々の第1のLD10から出射される第1のレーザビームのピーク波長は、例えば459~471nmの範囲内で異なる値を示すことがあり得る。この程度の波長のばらつきであれば、画質が劣化しにくいと考えられる。緑色LDおよび赤色LDでも同様の波長ばらつきが許容できる。
【0030】
以下、簡単のため、青色LDからレーザビームをBビーム、緑色LDから出射されたレーザビームをGビーム、赤色LDから出射されたレーザビームをRビームと表記することがある。
図1における「R」、「G」、「B」の符号は、Rビーム、Gビーム、Bビームを表している。
【0031】
次に、
図3Aおよび
図3Bを参照して、ビームコンバイナ200の構成例を説明する。
図3Aは、ビームコンバイナ200の平面図であり、
図3Bは、
図3Aにおけるビームコンバイナ200のIIIB-IIIB線断面図である。
【0032】
図示される例において、ビームコンバイナ200は、第1のダイクロイックミラー領域21および第2のダイクロイックミラー領域22を有している。第1のダイクロイックミラー領域21は、波長λ
1の第1のレーザビームおよび波長λ
3の第1のレーザビームを透過し、かつ、波長λ
2の第2のレーザビームを反射する領域である。一方、第2のダイクロイックミラー領域22は、波長λ
1の第1のレーザビームおよび波長λ
3の第1のレーザビームを反射し、かつ、波長λ
2の第2のレーザビームを透過する領域である。このような波長選択性を示す領域21、22は、
図3Bに示されるように、ビームコンバイナ200の正面200Fに異なる波長選択性を有する誘電体多層膜21L、22Lを透明基板20上に設けることによって作製され得る。誘電体多層膜21L、22Lを構成する誘電体は、例えば、SiO
2、ZrO
2、TiO
2、Al
2O
3、Ta
2O
5、Nb
2O
5、SiN、AlN、SiON、AlONなどである。波長選択性は、誘電体の屈折率および層厚によって調整され得る。ビームコンバイナ200の背面200Bには、反射防止膜が形成されていることが望ましい。
【0033】
透明基板20は、単結晶、多結晶、またはガラス材料から形成され得る。波長λ1、λ3の光を選択的に透過し、波長λ2の光を選択的に反射する誘電体多層膜21Lを設けた領域を第1のダイクロイックミラー領域21とすることができる。波長λ1、λ3の光を選択的に反射し、波長λ2の光を選択的に透過する誘電体多層膜22Lを設けた領域を第2のダイクロイックミラー領域22とすることができる。誘電体多層膜21Lおよび誘電体多層膜22Lは、例えば、各誘電体膜を透明基板20上にスパッタ法等により堆積し、リソグラフィ法等によりパターニングすることにより形成することができる。
【0034】
ビームコンバイナ200は、種々の方法によって製造され、また、種々の構成を備え得る。例えば、
図4Aに示すように、第1のダイクロイックミラー領域21として機能する部品26Aと、第2のダイクロイックミラー領域22として機能する部品26Bとが互いに接合されている構成を有していてもよい。また、
図4Bに示すように、第1のダイクロイックミラー領域21として機能する部分を有する透明基板20と、透明基板20上に固定されて第2のダイクロイックミラー領域22として機能する部品28とを備えていてもよい。
【0035】
再度、
図1を参照する。
図1の例において、第1のレーザモジュール100
1は、レーザビームでビームコンバイナ200の背面200Bの側を斜めから照射する位置に配置されている。これに対して、第2のレーザモジュール100
2は、レーザビームでビームコンバイナ200の正面200Fの側を斜めから照射する位置に配置されている。
【0036】
より詳細には、第1のレーザモジュール1001から出たBビーム(波長λ1)およびGビーム(波長λ3)は、ビームコンバイナ200における第1のダイクロイックミラー領域21の背面200Bに入射し、第1のダイクロイックミラー領域21を透過する。これに対して、第2のレーザモジュール1002から出たBビーム(波長λ1)およびGビーム(波長λ3)は、ビームコンバイナ200における第2のダイクロイックミラー領域22の正面200Fに入射し、第2のダイクロイックミラー領域22で反射される。
【0037】
また、第1のレーザモジュール1001から出たRビーム(波長λ2)は、ビームコンバイナ200における第2のダイクロイックミラー領域22の背面200Bに入射し、第2のダイクロイックミラー領域22を透過する。これに対して、第2のレーザモジュール1002から出たRビームは、ビームコンバイナ200における第1のダイクロイックミラー領域21の正面200Fに入射し、第1のダイクロイックミラー領域21で反射される。
【0038】
図1では、ビームコンバイナ200を透過したレーザビームとビームコンバイナ200で反射されたレーザビームが、異なる光軸上に位置しているように図示されている。しかし、
図5に示されるように、透過したレーザビームと反射されたレーザビームとが同軸に位置していてもよい。
【0039】
本開示の実施形態では、
図2Aを参照しながら説明したように、基準波長Λよりも短い波長で発振するLDと基準波長Λよりも長い波長で発振するLDとを、境界線C1によって区分される異なる領域に分配している。
図6は、境界線C1によって区分される2つの領域と、それぞれの領域に配置されるLDの発振波長が属する色(RGB)との関係を模式的に示す平面図である。上記の実施形態では、境界線C1の片側に、緑色LD(G)と青色LD(B)が配列されているが、本開示の実施形態は、この例に限定されない。例えば
図7に示されるように、境界線C1の右側に赤色LD(R)が配置され、左側には青色LD(B)のみが配置されてもよい。この場合、第1のレーザモジュール100
1だけでは、RGBの3色を備えた光源装置を構成することはできないが、例えば第2のレーザモジュール100
2が緑色LD(G)を境界線C1の左側に備えていれば、RGBの3色を揃えることができる。また、光源装置1000の用途は、表示装置の光源に限定されず、表示装置以外の光源として用いることも可能であり、また、非白色光源として用いることも可能である。なお、
図6の例では緑色LD(G)と青色LD(B)を同じ側に配置しているが、緑色LD(G)を境界線C1の右側に移動し、赤色LD(R)と同じ側に配置してもよい。その場合、ダイクロイックミラー領域21、22が示す反射および透過の特性は、波長λ
1と波長λ
3との間で急峻に変化する必要がある。RGBの3色であれば、一般に、波長λ
1と波長λ
3の間隔よりも、波長λ
1と波長λ
2の間隔が広いため、
図6に示す例を採用することが容易である。
【0040】
図8は、第1のレーザモジュール100
1の変形例を示す平面図である。この例では、第1のレーザモジュール100
1におけるLDの配置が、境界線C1と、境界線C1に直交する境界線C3とによって区分された4つの領域に分配されている。第1のレーザモジュール100
1および第2のレーザモジュール100
2が
図8の構成を有している場合、ビームコンバイナ200は、例えば
図9に示される構成を有し得る。
図9のビームコンバイナ200では、境界線C2と、境界線C2に直交する境界線C4とによって区分された4つの領域に、第1のダイクロイックミラー領域21および第2のダイクロイックミラー領域22が対角状に配置されている。
【0041】
このように、第1のレーザモジュール1001および第2のレーザモジュール1002におけるLDの配置には大きな自由度がある。しかし、第1のLD10、第2のLD12、第3のLD14を、例えば色ごとに独立して発光させるためには、好ましい配置がある。以下、この点を説明する。
【0042】
図10Aは、
図2Aに示された第1のレーザモジュール100
1における配線接続の例を示す図である。
図10Aの例において、第1のレーザモジュール100
1は、基体100Cの主面に設けられたLD10、12、14と、同一の色に属するLDを電気的に接続する複数のワイヤ100Lと、ワイヤ100Lを外部の駆動回路(不図示)に電気的に接続するための複数のリード端子100Tとを有している。X軸方向に1列に並んだ2個の第1のLD10は、「B+」と付されたリード端子100Tと「B-」と付されたリード端子100Tとの間で、ワイヤ100Lを介して直列に接続されている。同様に、X軸方向に1列に並んだ2個の第3のLD14は、「G+」と付されたリード端子100Tと「G-」と付されたリード端子100Tとの間で、ワイヤ100Lを介して直列に接続されている。第2のLD12の場合、X軸方向に並んだそれぞれの列において、2個の第2のLD12が、「R+」と付されたリード端子100Tと「R-」と付されたリード端子100Tとの間で、ワイヤ100Lを介して直列に接続されている。各LD10、12、14のp側電極およびn側電極は、近接するワイヤ100Lと電気的に接続されている。
【0043】
このように、同一の色に属する複数のLDが、色ごとに異なる列に並んで実装されることにより、少ないリード端子100Tで効率的な電気接続を実現することができる。異なる色に属するLDは、電気抵抗が異なるため、駆動回路も異ならせることが望ましい。そして、第1のLD10、第2のLD12、第3のLD14を、それぞれ、異なるリード端子に接続することにより、第1のLD10、第2のLD12、第3のLD14を独立して駆動することができる。その結果、RGBの色ごとに時分割で発光させることも可能になる。
【0044】
図10Bは、各列に3個のLDが並んだ構成例を示す平面図である。このようにLDの個数が増加しても、リード端子100Tの個数は増加させる必要がない。各列におけるLDの個数は、相互に異なっていてもよい。合成後に均一な白色光が得られるように、個々のLDの光出力に応じて、それらの種類と個数が決定される。
【0045】
列方向に隣接するLDは、ワイヤ100Lによる直接的な接続に限らず、導体層などによって、または導体層などを介して電気的に接続されていてもよい。リード端子100Tの位置および形状、ならびにワイヤ100Lのパターンは任意であり、図示されている例に限定されない。
【0046】
図11Aは、本実施形態の改変例に係る光源装置1100を示す図である。光源装置1100は、それぞれが
図1の光源装置1000と同様の構成を有する複数の光源ユニット1000A、1000Bを備えている。これらの光源ユニット1000A、1000Bから出射されたレーザビームは、レンズ400を含む光学系によってほぼ同一の方向に伝搬される。
図11Aの例では、左側に位置する光源ユニット1000Aと右側に位置する光源ユニット1000Bとが鏡面対象の配置関係を有しているが、本開示の実施形態は、この例に限定されない。
図11Bは、他の改変例に係る光源装置1200を示す図である。光源装置1200は、
図11Aの光源ユニット1000Bに代えて光源ユニット1000Cを備えている。光源ユニット1000Cは、左側に位置する光源ユニットAと対比すると、第2のレーザモジュール100
2の向きが上下反転し、かつ、ビームコンバイナ200がX軸に平行な軸に関して時計回りに90度回転した関係にある。
【0047】
このように
図11Aまたは
図11Bに示す構成によれば、4個のレーザモジュール100から出射されたレーザビームが結合される。光源装置1100、1200が備える光源ユニットの個数は2個に限定されない。
図11Aまたは
図11Bの構成が図の紙面に垂直な方向(X軸方向)に沿って並べられていてもよい。
【0048】
なお、前述したように、1個のレーザモジュール100が第1のLD10、第2のLD12、第3のLD14のすべてを備えている必要はない。例えば、
図12に示される光源装置1300では、第1のレーザモジュール100
1および第2のレーザモジュール100
2が、それぞれ、波長λ
1の第1のレーザビーム(Bビーム)を出射する少なくとも1個の第1のLD10、および、波長λ
2の第2のレーザビーム(Rビーム)を出射する少なくとも1個の第2のLD12を有している。第1のダイクロイックミラー領域21は、第1のレーザモジュール100
1から出射された第1のレーザビーム(Bビーム)を透過し、かつ、第2のレーザモジュール100
2から出射された第2のレーザビーム(Rビーム)を反射する。第2のダイクロイックミラー領域22は、第1のレーザモジュール100
1から出射された第2のレーザビーム(Rビーム)を透過し、かつ、第2のレーザモジュール100
2から出射された第1のレーザビーム(Bビーム)を反射する。
【0049】
図12に示される光源装置1300は、単独では、RGBの3色を出力しない。このため、光源装置1300がプロジェクタなどの表示装置の光源として用いられる場合、不足する色(例えば緑色)のレーザ光が他の光源によって補われてもよい。例えば、
図11Aの光源装置1100において、光源ユニット1000A、1000Bが
図12の光源装置1300の構成を備えていてもよい。その場合、例えば、光源ユニット1000AがRビームおよびBビームを出射し、光源ユニット1000BがRビームおよびGビームを出射する構成を備えていてもよい。
【0050】
<実施形態2>
次に、
図13から
図17Cを参照して、本開示による光源装置の第2の実施形態を説明する。
【0051】
まず、
図13を参照して、本実施形態における光源装置1400の全体構成の例を説明する。光源装置1400は、90度ずつ異なる方向を向いた第1のレーザモジュール100
1、第2のレーザモジュール100
2、および第3のレーザモジュール100
3を備えている。本実施形態において、これらのレーザモジュール100
1、100
2、100
3は、いずれも同じ構成を有しているので、総称して「レーザモジュール100」と称する場合がある。本実施形態でも、Y軸正方向の側が「正面」、Y軸負方向の側が「背面」である。
【0052】
複数のレーザモジュール100のそれぞれは、第1のレーザビーム(波長λ
1)を出射する少なくとも1個の第1のLD10、および、第2のレーザビーム(波長λ
2)を出射する少なくとも1個の第2のLD12を有し、λ
1<λ
2の関係が成立している。λ
1は、例えば青色の波長域(430~480nm)に含まれ、λ
2は、例えば赤色の波長域(620~660nm)に含まれる。以下、第1のレーザビーム(波長λ
1)をBビームと称し、第2のレーザビーム(波長λ
2)をRビームと称する。レーザモジュール100のそれぞれは、
図1に示すレーザモジュール100と同一の構成を有していてもよい。ここでは、説明を簡単にするため、第3のレーザビーム(波長λ
3)を出射する少なくとも1個の第3のLDには言及しない。第3のレーザビーム(波長λ
3)は、第1のレーザビーム(波長λ
1)と同様に処理される。
【0053】
光源装置1400は、各レーザモジュール100から出射された複数のレーザビームを結合するビームコンバイナ300を備えている。以下、
図14Aおよび
図14Bを参照して、本実施形態におけるビームコンバイナ300を詳細に説明する。
図14Aは、ビームコンバイナ300の構成例を示す断面図であり、
図14Bは、その分解模式図である。
【0054】
本実施形態におけるビームコンバイナ300は、可視光にとって透明な4個の三角プリズム31、32、33、34を組み合わせて作製されている。以下、「三角プリズム」を単に「プリズム」と表記する。これらのプリズム31~34は、いずれも、X軸方向に延びる三角柱の形状を有しており、単結晶、多結晶、またはガラス材料から形成され得る。図示されている例において、三角柱のYZ面に平行な断面は、頂角が90度の二等辺三角形である。第1のプリズム31と第2のプリズム32は、仮想的な第1の面Jを挟んで隣接している。同様に、第3のプリズム33と第4のプリズム34は、第1の面Jを挟んで隣接している。また、第1のプリズム31と第4のプリズム34は、仮想的な第2の面Kを挟んで隣接し、第2のプリズム32と第3のプリズム33は、第2の面Kを挟んで隣接している。
図14Bに示すように、第1の面Jと第2の面Kとは、X軸方向に延びる交差線Oで交差している。
【0055】
このようなビームコンバイナ300は、交差線Oを挟んで第1の面Jに沿って並ぶ第1の光学膜41および第2の光学膜42と、交差線Oを挟んで第2の面Kに沿って並ぶ第3の光学膜43および第4の光学膜44とを含む。これらの光学膜41~44は、後述するように、波長選択性および/または偏光選択性を有しており、入射光の波長および偏光に応じて異なる光学特性(反射率および透過率)を示す。また、第2の光学膜42および第4の光学膜44は、それぞれ、異なる波長の光に対する半波長板(λ/2位相差板)を含んでいる。
【0056】
図14Bには、プリズム31、32、33、34が組み合わせられて1個のビームコンバイナ300を構成する前の状態が模式的に示されている。第1のプリズム31は、第1斜面31aと第2斜面31bを有し、第2のプリズム32は第1斜面32aと第2斜面32bを有している。また、第3のプリズム33は、第1斜面33aと第2斜面33bを有し、第4のプリズム34は第1斜面34aと第2斜面34bを有している。
【0057】
図14Bに示す例において、第1の光学膜41は、第1のプリズム31の第1斜面31a上に設けられ、第2の光学膜42は、第4のプリズム34の第2斜面34b上に設けられている。第3の光学膜43は、第1のプリズム31の第2斜面31b上に設けられ、第4の光学膜44は、第2のプリズム32の第1斜面32a上に設けられている。このような配置は、あくまでも一例にすぎない。例えば、第1の光学膜41は、第2のプリズム32の第2斜面32b上に設けられもよいし、第2の光学膜42は、第3のプリズム33の第1斜面33a上に設けられてもよい。
【0058】
【0059】
第1のレーザモジュール1001は、Bビーム(波長λ1)で第1および第4の光学膜41、44の背面側を斜めから照射し、Rビーム(波長λ2)で第2および第3の光学膜42、43の背面側を斜めから照射する位置に配置されている。
【0060】
第2のレーザモジュール1002は、Bビーム(波長λ1)で第2の光学膜42の正面側を斜めから照射し、Rビーム(波長λ2)で第1の光学膜41の正面側を斜めから照射する位置に配置されている。
【0061】
第3のレーザモジュール1003は、ビームコンバイナ300を挟んで第2のレーザモジュール1002と向かい合い、Bビーム(波長λ1)で第3の光学膜43の正面側を斜めから照射し、Rビーム(波長λ2)で第4の光学膜44の正面側を斜めから照射する位置に配置されている。
【0062】
本実施形態において、第1のLD10から出射されたBビーム(波長λ1)は第1方向(X軸方向)に直線偏光した光(S偏光)である。ここで、S偏光は、偏光軸(電場ベクトルの向き)が入射面(YZ面)に垂直である直線偏光を意味する。偏光軸が入射面(YZ面)に平行な直線偏光はP偏光である。本実施形態において、第2のLD12から出射されたRビーム(波長λ2)は、第1方向と直交する第2方向(Z軸方向またはY軸方向)に直線偏光した光(P偏光)である。
【0063】
再び、
図14Bを参照する。第1の光学膜41は、Bビームを透過し、Rビームを反射する第1のダイクロイック膜71を有している。第2の光学膜42は、Rビームの偏光方向を90度回転させるRビーム用λ/2位相差板50と、第2のダイクロイック膜72とを有している。この第2のダイクロイック膜72は、RビームおよびS偏光のBビームを透過し、P偏光のBビームを反射する。第3の光学膜43は、Rビームを透過し、Bビームを反射する第3のダイクロイック膜73を有している。第4の光学膜44は、Bビーム光の偏光方向を90度回転させるBビーム用λ/2位相差板60と、第4のダイクロイック膜74とを有している。第4のダイクロイック膜74は、BビームおよびP偏光のRビームを透過し、S偏光のRビーム光を反射する。
【0064】
図15は、第1~第4の光学膜41~44の機能を模式的に示す図である。図では、各構成要素の厚さを誇張して記載している。膜状の形状を有する構成要素の厚さは、例えば、200nmから数μm程度である。本実施形態では、4個のプリズムを用いて第1~第4の光学膜41~44を支持しているが、プリズム以外の透明部材、例えば、
図16に示すような交差する板状透明部材70を用いてもよい。
【0065】
図17Aおよび
図17Bは、いずれも、光源装置1400の動作を模式的に示す断面図である。
図17Aでは、レーザモジュール100
1~100
3の第1のLD10から出射されたBビーム(波長λ
1)の透過および反射の様子が示されている。
図17Bでは、レーザモジュール100
1~100
3の第2のLD12から出射されたRビーム(波長λ
2)の透過および反射の様子が示されている。
【0066】
図17Aに示されるように、第1のレーザモジュール100
1の第1のLD10から出射されたBビームは、第1の光学膜41および第4の光学膜44を透過してビームコンバイナ300から出射される。第2のレーザモジュール100
2の第1のLD10から出射されたBビームは、第4の光学膜44を透過する。具体的には、
図15のBビーム用λ/2位相差板60の働きにより、S偏光からP偏光に変換された後、第4のダイクロイック膜74を透過する。
図17Aの第4の光学膜44を透過した後、P偏光のBビームは、第2の光学膜42(第2のダイクロイック膜72)で反射され、ビームコンバイナ300から出射される。第3のレーザモジュール100
3の第1のLD10から出射されたBビームは、第3の光学膜43で反射された後、第2の光学膜42を透過してビームコンバイナ300から出射される。このBビームは、第2の光学膜42を透過するとき、
図15に示されるRビーム用λ/2位相差板50によってP偏光に変換されず、第2のダイクロイック膜72を透過することができる。
【0067】
次に
図17Bおよび
図15を参照する。まず、
図17Bに示されるように、第1のレーザモジュール100
1の第2のLD12から出射されたRビームは、第3の光学膜43および第2の光学膜42を透過してビームコンバイナ300から出射される。第2の光学膜42を透過するとき、
図15に示すRビーム用λ/2位相差板50によって、RビームはP偏光からS偏光に変換される。第2の光学膜42が有する第2のダイクロイック膜72は、偏光に依存することなくRビームを透過する。第2のレーザモジュール100
2の第2のLD12から出射されたRビームは、第1の光学膜で反射された後、第4の光学膜44を透過する。具体的には、
図15のBビーム用λ/2位相差板60では、P偏光のRビームの偏光変換が生じず、第4のダイクロイック膜74を透過する。第3のレーザモジュール100
3の第2のLD12から出射されたRビームは、第2の光学膜42を透過した後、第4の光学膜44で反射されてビームコンバイナ300から出射される。このRビームは、第2の光学膜42を透過するとき、Rビーム用λ/2位相差板50によってP偏光からS偏光に変換され、第4のダイクロイック膜74で反射される。
【0068】
こうして、本実施形態の光源装置1400によれば、3個のレーザモジュール1001~1003のそれぞれから出射されたおよびBビームおよびRビームを同時または時分割で結合(合波)することができる。各レーザモジュール1001~1003は、第1の実施形態について説明した第3のLD14を備えていてもよい。第1~第4の光学膜41~44は、第3のLD14から出射されたS偏光のGビーム(波長λ3)についても、Bビームと同様に、透過、反射、偏光変換する。
【0069】
上記の実施形態では、第1のLD10からS偏光のBビームが出射され、第2のLD12からはP偏光のRビームが出射される。本開示の光源装置1400は、このような例に限定されない。各LDが出射されるレーザビームの偏光は、LDの構造またはLDチップの配置の向きによって様々に変更し得る。例えば、
図17Cに示されるように、第1のLD10からS偏光のBビームが出射され、第2のLD12からS偏光のRビームが出射されてもよい。その場合、第4の光学膜44における第4のダイクロイック膜74について、P偏光のRビームを反射し、S偏光のRビームを透過する膜に変更すればよい。なお、Bビームについては、透過させる性能は変更する必要はない。
【0070】
以上のことから、第4のダイクロイック膜74は、波長λ1の光(例えばBビーム)を透過し、波長λ2用λ/2位相差板(Rビーム用λ/2位相差板)50を通過しない波長λ2の光を透過し、かつ、波長λ2用λ/2位相差板を通過した波長λ2の光を反射すればよい。
【0071】
<実施形態3>
以下、
図18を参照して、本開示の光学エンジンの実施形態を説明する。
【0072】
本実施形態における光学エンジン2000は、光源装置1500と、光学系600と、空間光変調器700と、投射光学系800とを備える。光源装置1500は、本開示による光源装置であればよく、例えば、
図1に示す光源装置1000と同様の構成を備えている。光学系600には、光源装置1500から出射されたレーザビームが入射する。
図18において、レーザビームが破線によって模式的に示されている。光源装置1500から出射されたレーザビームは、前述したように、複数のLD10、12、14から出射されたレーザビームが結合(合波)したビームである。このため、光源装置1500から出射されたレーザビームは、複数のレーザビーム(Rビーム、Gビーム、Bビーム)の束である。Rビーム、Gビーム、Bビームのそれぞれの直径(ビーム径)は、各ビーム中心の光強度に対して例えば1/e
2以上の光強度を持つ領域のサイズによって規定され得る。ここで、eはネイピア数(約2.71)である。ビーム径は、他の基準によって定義されてもよい。レーザダイオードから出射されたRビーム、Gビーム、Bビームの断面形状は、円ではなく、楕円である。光源装置1500から出射された直後において、Rビーム、Gビーム、Bビームは、均一に混合しておらず、輝度分布は一様ではない。空間光変調器700をレーザビームで照射する前に、Rビーム、Gビーム、Bビームの束は、これらのビームの輝度分布を空間的に均質に近付ける均質化(ホモジナイズ)が行われることが望ましい。
【0073】
空間光変調器700は、光学系600によって上記の均質化を実現する部分を通過したレーザビームで照射される。光学系600は、コリメートレンズ680および反射ミラー690を含み、反射ミラー690がレーザビームを空間光変調器700に向ける。空間光変調器700は、例えばデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)または液晶表示パネル(LCD)などの画像表示パネルから構成されており、動画または静止画を構成する画像のパターンを示すようにレーザビームの強度分布を変調する。空間光変調器700は、不図示の画像プロセッサから画像データを受け取り、表示のための動作を実行する。投射光学系800は、空間光変調器700によって変調されたレーザビームを物体(例えば、スクリーン、建造物の壁面など)の表面に投射して画像を形成する。投射光学系800は、表示の横倍率を変化させるための複数のレンズを含み得る。
【0074】
本実施形態における光学系600は、光源装置1500から出射されたレーザビーム(Rビーム、Gビーム、Bビームの束)を集光する収束レンズ620と、収束レンズ620によって集光されたレーザビームを通過させるインテグレータ(合波光学部品)640とを有する。光の均質化を高めるため、収束レンズ620は、大きな収差(球面収差など)を有していることが好ましい。インテグレータ640は、例えば、ロッドインテグレータおよび/またはライトトンネルを含む。インテグレータ640の内部をレーザビームが通過する過程でレーザビームは反射を繰り返して空間的な混合が進行する。このような多重反射の結果、伝搬方向に垂直な面内における強度分布が、インテグレータ640に入射する前よりも均一に近づく。Rビーム、Gビーム、Bビームのそれぞれについて、このような強度分布の均質化が進行すると、全体として均一化された白色光が形成される。なお、Rビーム、Gビーム、Bビームは、同時にインテグレータ640の内部を伝搬する必要はなく、本実施形態では、時分割で伝搬してもよい。その結果、1個の空間光変調器700によってフルカラー画像を表示することができる(フィールドシーケンシャル方式)。本実施形態における光学エンジン2000は、LEDに比べて単色性に優れるレーザ光でR画像、G画像、B画像を形成するため、表現可能な色域を拡大させることが可能である。
【0075】
本実施形態では、光学系600が、更に、レンズ620とインテグレータ640との間に配置されたアレイトロイダルレンズ660を有している。Rビーム、Gビーム、Bビームのそれぞれは、LDから出射された後、ファーフィールドパターン(遠視野像)で短軸および長軸を有する楕円形状のビーム形状を有している。ビーム発散角は、短軸の方向では相対的に小さく、長軸の方向では相対的に大きい。アレイトロイダルレンズ660は、発散角の小さな方向でビーム発散角を拡大する機能を発揮する。本実施形態におけるアレイトロイダルレンズ660は、4個の連続したトロイダルレンズ領域66を有している。トロイダルレンズ領域66の個数は3以上であることが望ましい。個々のトロイダルレンズ領域66において、ビーム伝搬方向およびビーム径の短軸を含む平面(
図18のYX面)内における曲率が、伝搬方向および長軸を含む平面(
図18のYZ面)内における曲率よりも大きい。このような構成により、発散角が相対的に小さな方向に選択的にビームを発散させることができる。
【0076】
このように、アレイトロイダルレンズ660は、発散角に異方性を有するレーザビームがインテグレータ640に入射するとき、ビーム発散角を拡大してインテグレータ640の内部で多重反射の回数を増加させることを可能にする。インテグレータ640としてライトトンネルを用いる場合、アレイトロイダルレンズ660を挿入することにより、ライトトンネルの長さを例えば100mm程度から30mm程度にまで短縮することが可能になる。本実施形態によれば、インテグレータ640の長さを短縮して光学系600を小型化しつつ、輝度の面内一様性を高めた照明光を生成できる。その結果、従来のプロジェクタでは達成できなかったハイレベルの画像品質の実現が可能である。
【0077】
本開示の光学エンジンは、本実施形態における光学エンジン2000に限定されず、多様な構成をとり得る。光源装置1500からRビーム、Gビーム、Bビームが同時に出射され、波長選択性を有するビームスプリッタでRビーム、Gビーム、Bビームに分岐されてもよい。その場合、Rビーム、Gビーム、Bビームが、別々の空間光変調器によって変調される。
【0078】
以上説明した各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための光源装置および光学エンジンを例示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、各実施形態の部材に特定するものでは決してない。各実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本開示の光源装置は、様々な技術分野に利用され得る。例えば、光学エンジン、照明装置、車載用ヘッドランプに利用され得る。本開示の光学エンジンは、プロジェクタまたは背面投射型テレビジョンなどの表示装置に利用され得る。
【符号の説明】
【0080】
10・・・第1のレーザダイオード(LD)、12・・・第2のLD、14・・・第3のLD、18・・・コリメートレンズ、21・・・第1のダイクロイックミラー領域、22・・・第2のダイクロイックミラー領域、100・・・レーザモジュール、200・・・ビームコンバイナ、300・・・ビームコンバイナ、1000・・・光源装置、1100・・・光源装置、1200・・・光源装置、1300・・・光源装置、1400・・・光源装置、1500・・・光源装置、2000・・・光学エンジン