(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】トリアジン化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 251/24 20060101AFI20221111BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20221111BHJP
C07C 257/20 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
C07D251/24
C07D401/04
C07C257/20
(21)【出願番号】P 2018014041
(22)【出願日】2018-01-30
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(72)【発明者】
【氏名】相原 秀典
(72)【発明者】
【氏名】山縣 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中村 慎司
(72)【発明者】
【氏名】中野 健央
(72)【発明者】
【氏名】内田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特許第6794029(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第102382069(CN,A)
【文献】特開平07-188190(JP,A)
【文献】GORMLEY, WT et al.,Thermally Stable Polymers Containing the Triazine Ring,United States Department of Commerce, Office of Technical Service, PB Report,1959年,Vol. 144, No. 900,pp. 1-18
【文献】CHEN, C et al.,A Convenient Synthetic Method for Trisubstituted s-Triazines,Journal of Organic Chemistry,1995年,Vol. 60,pp. 8428-8430
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 251/24
C07D 401/04
C07C 257/20
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素化合物の存在下に一般式(5)で示されるアシルアミジン化合物と、一般式(4)で示される化合物と、を反応させることを特徴とする、一般式(1)で示されるトリアジン化合物の製造方法:
【化1】
式中、Ar
1及びAr
2は、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基
(該アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)
を表す;
【化2】
式中、Ar
3は、
連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基
(該アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)であり、かつ、
Ar
2と異なる基を表す;
Yは、式(B)から(D)のいずれか1つで示される基を表す;
【化3】
式中、Rは、炭素数1~4のアルキル基を表す;
【化4】
式中、Ar
1、Ar
2、及びAr
3は、前記一般式(4)及び(5)と同義である。
【請求項2】
一般式(4)におけるYが、式(C)から(D)のいずれか1つで示される基である、請求項1に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項3】
一般式(4)におけるAr
3が、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~20のアリール基又は炭素数5~20のヘテロアリール基である、請求項1又は2に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項4】
一般式(4)におけるAr
3が、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~12のアリール基又は炭素数5~12のヘテロアリール基である、請求項1から3のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項5】
一般式(4)におけるAr
3が、フェニル基又は2-ピリジル基
(該フェニル基又は2-ピリジル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)
である、請求項1から4のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項6】
一般式(5)におけるAr
1及びAr
2が、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~20のアリール基又は炭素数5~20のヘテロアリール基である、請求項1から5のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項7】
一般式(5)におけるAr
1及びAr
2が、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~12のアリール基又は炭素数5~12のヘテロアリール基である、請求項1から6のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項8】
一般式(5)におけるAr
1及びAr
2が、各々独立に、フェニル基
(該フェニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)
である、請求項1から7のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項9】
一般式(2)で示される酸塩化物と、一般式(3)で示されるアミジン化合物と、を反応させて、前記一般式(5)で表されるアシルアミジン化合物を得る、請求項1から8のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法:
【化5】
式中、Ar
1は、前記一般式(5)と同義である;
【化6】
式中、Ar
2は、前記一般式(5)と同義である;
【化7】
式中、Ar
1及びAr
2は前記一般式(5)と同義である。
【請求項10】
塩基の存在下に前記一般式(5)で示されるアシルアミジン化合物と、前記一般式(4)で示される化合物と、を反応させることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項11】
ケイ素化合物が、一般式(6)で示されるシラン化合物である、
請求項1から10のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法:
【化8】
式中、R
4及びR
5は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又はフェニル基を表す;
X
1及びX
2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1~4のアルコキシ基を表す。
【請求項12】
X
1が水素原子である、請求項11に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項13】
ケイ素化合物が、一般式(7)で示されるシラザン化合物である、請求項1から10のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法:
【化9】
式中、R
6、R
7、R
8、R
9は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又はフェニル基を表す;
X
3は、水素原子を表す。
【請求項14】
R
6、R
7、R
8、R
9が、メチル基である、請求項13に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【請求項15】
ケイ素化合物が、一般式(8)で示されるトリシラザン化合物である、請求項1から10のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【化10】
式中、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又はフェニル基を表す。
【請求項16】
R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15がメチル基である、請求項15に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアジン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1,3,5-トリアジン環の2,4,6位に種々の芳香族基を有するトリアリールトリアジン化合物は、有機電界発光素子に用いる電荷輸送材料の合成中間体として有用である。
【0003】
しかしながら、非特許文献1に開示されているような、1,3,5-トリアジンの合成法として一般に知られている酸触媒による芳香族ニトリルの環化三量化反応では、トリアジン環に異なる2種類の芳香族基を有するトリアリールトリアジン化合物を選択的に得ることはできない。
【0004】
これに対して、特許文献1には、芳香族ニトリルと、芳香族カルボン酸塩化物と、に対して、塩化アンチモンを作用させることでトリアリールトリアジン化合物を製造する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には芳香族アルデヒドと、芳香族アミジンと、からトリアリールトリアジン化合物を製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-95452号公報
【文献】国際公開第2005/085387号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【文献】Chemistry Letters,1999年,7巻,545頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1にかかる製造方法ではトリアリールトリアジン化合物の反応収率について改善の余地がある。また、特許文献1にかかる製造方法では、後処理の際に反応試剤である塩化アンチモンに由来する難溶性の無機塩が生成するため、この無機塩の除去及び処理に費用を要することがわかった。
【0009】
また、特許文献2にかかる製造方法では、反応性に劣る芳香族アルデヒドを活性化するために一旦イミン中間体へ変換することが必要である点、及びトリアジン環の形成工程において酸化剤を必要とする点が不経済であることがわかった。
【0010】
そこで、本発明の一態様は、電荷輸送材料の合成中間体として有用な、2位、4位及び6位にアリール基を有するトリアジン化合物の簡便かつ安価であり、高選択的な製造方法を提供することに向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
即ち本発明の一態様は、下記[1]~[18]である。
[1] 一般式(5)で示されるアシルアミジン化合物と、一般式(4)で示される化合物と、を反応させることを特徴とする、一般式(1)で示されるトリアジン化合物の製造方法:
【0012】
【0013】
式中、Ar1及びAr2は、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基
(該アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)
を表す;
【0014】
【0015】
式中、Ar3は、
連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基
(該アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)であり、かつ、
Ar2と異なる基を表す;
Yは、式(A)から(D)のいずれか1つで示される基を表す;
【0016】
【0017】
式中、Rは、炭素数1~4のアルキル基を表す;
【0018】
【0019】
式中、Ar1、Ar2、及びAr3は、前記一般式(4)及び(5)と同義である。
[2] 一般式(4)におけるYが、一般式(B)から(D)のいずれか1つで示される基である、前記[1]に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[3] 一般式(4)におけるYが、一般式(C)から(D)のいずれか1つで示される基である、前記[1]又は[2]に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[4] 一般式(4)におけるAr3が、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数5~20のアリール基である、前記[1]から[3]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[5] 一般式(4)におけるAr3が、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数5~12のアリール基である、前記[1]から[4]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[6] 一般式(4)におけるAr3が、フェニル基又は2-ピリジル基
(該フェニル基又は2-ピリジル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)
である、前記[1]から[5]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[7] 一般式(5)におけるAr1及びAr2が、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数5~20のアリール基である、前記[1]から[6]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[8] 一般式(5)におけるAr1及びAr2が、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数5~12のアリール基である、前記[1]から[7]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[9] 一般式(5)におけるAr1及びAr2が、各々独立に、フェニル基
(該フェニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)
である、前記[1]から[8]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[10] 一般式(2)で示される酸塩化物と、一般式(3)で示されるアミジン化合物と、を反応させて、前記一般式(5)で表されるアシルアミジン化合物を得る、前記[1]から[9]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法:
【0020】
【0021】
式中、Ar1は、前記一般式(5)と同義である;
【0022】
【0023】
式中、Ar2は、前記一般式(5)と同義である;
【0024】
【0025】
式中、Ar1及びAr2は前記一般式(5)と同義である。
[11] 塩基の存在下に前記一般式(5)で示されるアシルアミジン化合物と、前記一般式(4)で示される化合物と、を反応させることを特徴とする、前記[1]から[10]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[12] ケイ素化合物の存在下に前記一般式(5)で示されるアシルアミジン化合物と、前記一般式(4)で示される化合物と、を反応させることを特徴とする、前記[1]から[11]のいずれか1項に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[13] ケイ素化合物が、一般式(6)で示されるシラン化合物である、前記[12]に記載のトリアジン化合物の製造方法:
【0026】
【0027】
式中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又はフェニル基を表す;
X1及びX2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1~4のアルコキシ基を表す。
[14] X1が水素原子である、前記[13]に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[15] ケイ素化合物が、一般式(7)で示されるシラザン化合物である、前記[12]に記載のトリアジン化合物の製造方法:
【0028】
【0029】
式中、R6、R7、R8、R9は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又はフェニル基を表す;
X3は、水素原子を表す。
[16] R6、R7、R8、R9が、メチル基である、前記[15]に記載のトリアジン化合物の製造方法。
[17] ケイ素化合物が、一般式(8)で示されるトリシラザン化合物である、前記[12]に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【0030】
【0031】
式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又はフェニル基を表す。
[18] R10、R11、R12、R13、R14、R15が、メチル基である、前記[17]に記載のトリアジン化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一態様によれば、電荷輸送材料の合成中間体として有用なトリアジン化合物を、簡便かつ安価であり、高選択的に得ることができるトリアジン化合物の製造方法が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の一態様に記載したアシルアミジン化合物の縮合反応により、トリアジン化合物を効率よく製造できることを見出した。また、この際、トリアジン化合物の2位、4位及び6位にそれぞれ異なるアリール基を導入することができることも見出した。さらに、該縮合反応にケイ素化合物を添加することでトリアジン化合物の収率が向上することも併せて見出し、本発明の一態様を完成するに至った。
【0034】
以下に本発明の一態様にかかるトリアジン化合物の製造方法を詳細に説明する。
【0035】
本発明の一態様は、一般式(5)で示されるアシルアミジン化合物と、一般式(4)で示される化合物と、を反応させる、一般式(1)で示されるトリアジン化合物の製造方法であって:
【0036】
【0037】
式中、Ar1及びAr2は、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基
(該アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)
を表す;
【0038】
【0039】
式中、Ar3は、
連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基
(該アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)であり、かつ、
Ar2と異なる基を表す;
Yは、式(A)から(D)のいずれか1つで示される基を表す;
【0040】
【0041】
式中、Rは、炭素数1~4のアルキル基を表す;
【0042】
【0043】
式中、Ar1、Ar2、及びAr3は、前記一般式(4)及び(5)と同義である。
【0044】
該製造方法で得られる、前記一般式(1)で示されるトリアジン化合物(トリアジン化合物(1))について、Ar1、Ar2、Ar3の定義と共に説明する。
【0045】
Ar1、Ar2、Ar3で表される連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基としては、特に限定されるものではないが、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~12のアリール基であることがより好ましい。
【0046】
Ar1、Ar2、Ar3で表される連結及び/又は縮環していてもよい炭素数5~26のヘテロアリール基としては、特に限定されるものではないが、各々独立に、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数5~20のヘテロアリール基であることが好ましく、連結及び/又は縮環していてもよい炭素数5~12の含窒素ヘテロアリール基であることがより好ましい。また、ヘテロアリール基の中でも含窒素ヘテロアリール基であることが特に好ましい。
【0047】
なお、Ar2と、Ar3と、は互いに異なる基を表す。
【0048】
該アリール基又はヘテロアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、アントラニル基、ピレニル基、ビフェニリル基、ビナフチル基、フェニルナフチル基、フェニルアントラニル基、フェニルピレニル基、ナフチルフェニル基、ナフチルアントラニル基、ナフチルピレニル基、トリプチセニルフェニル基、ピリジルフェニル基、フェニルピリジル基、ジフェニルピリジル基、ナフチルピリジル基、ジナフチルピリジル基、フェナントリルピリジル基、ジフェナントリルピリジル基、アントラニルピリジル基、ジアントラニルピリジル基、ピレニルピリジル基、ペリレニルピリジル基、フルオランテニルピリジル基、フルオレニルピリジル基、トリプチセニルピリジル基、ビピリジル基、ターピリジル基、フェニルビピリジル基、フェニルナフチルピリジル基、キノリル基、イソキノリル基等を例示することができる。これらのうち、トリアジン化合物(1)の収率が良い点で、フェニル基、ビフェニリル基又はナフチル基が好ましい。
【0049】
Ar1、Ar2、Ar3で表されるフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等で置換された連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記(i)~(xxvi)に示す基が挙げられる。
(i):2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、2,6-クロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2,3,5-トリクロロフェニル基、3,4,5-トリクロロフェニル基、2,3,5,6-テトラクロロフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタクロロフェニル基。
(ii):2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2,3-ジブロモフェニル基、2,4-ジブロモフェニル基、2,5-ジブロモフェニル基、2,6-ブロモフェニル基、3,4-ジブロモフェニル基、3,5-ジブロモフェニル基、2,3,5-トリブロモフェニル基、3,4,5-トリブロモフェニル基。
(iii):2-ヨードフェニル基、3-ヨードフェニル基、4-ヨードフェニル基、3,4-ジヨードフェニル基、3,5-ジヨードフェニル基。
(iv):2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2,3-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2,5-ジフルオロフェニル基、2,6-フルオロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基、2,3,5-トリフルオロフェニル基、3,4,5-トリフルオロフェニル基、2,3,5,6-テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル基。
(v):2-ブロモ-3-クロロフェニル基、3-ブロモ-2-クロロフェニル基、2-ブロモ-4-クロロフェニル基、4-ブロモ-2-クロロフェニル基、2-ブロモ-5-クロロフェニル基、5-ブロモ-2-クロロフェニル基、2-ブロモ-6-クロロフェニル基、3-ブロモ-4-クロロフェニル基、4-ブロモ-3-クロロフェニル基、3-ブロモ-5-クロロフェニル基、4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル基、3-ブロモ-5-ヨードフェニル基、5-ヨード-3-クロロフェニル基、3-ブロモ-5-フルオロフェニル基、3-クロロ-5-フルオロフェニル基。
(vi):2-クロロナフタレン-1-イル基、3-クロロナフタレン-1-イル基、4-クロロナフタレン-1-イル基、5-クロロナフタレン-1-イル基、8-クロロナフタレン-1-イル基、2,3-ジクロロナフタレン-1-イル基、2,6-ジクロロナフタレン-1-イル基、4,8-ジクロロナフタレン-1-イル基、2,4,5-トリクロロナフタレン-1-イル基、5,6,7,8-テトラクロロナフタレン-1-イル基、2,3,4,5,6,7,8-ヘプタクロロナフタレン-1-イル基、1-クロロナフタレン-2-イル基、3-クロロナフタレン-2-イル基、4-クロロナフタレン-2-イル基、6-クロロナフタレン-2-イル基、1,3-ジクロロナフタレン-2-イル基、4,5,8-トリクロロナフタレン-2-イル基。
(vii):2-ブロモナフタレン-1-イル基、3-ブロモナフタレン-1-イル基、4-ブロモナフタレン-1-イル基、5-クロロナフタレン-1-イル基、8-クロロナフタレン-1-イル基、2,3-ジブロモナフタレン-1-イル基、2,6-ジブロモナフタレン-1-イル基、4,5-ジブロモナフタレン-1-イル基、2,4,5-トリブロモナフタレン-1-イル基、1-ブロモナフタレン-2-イル基、3-ブロモナフタレン-2-イル基、4-ブロモナフタレン-2-イル基、6-ブロモナフタレン-2-イル基、1,3-ジブロモナフタレン-2-イル基、5,6,7,8-テトラブロモナフタレン-2-イル基。
(viii):2-ヨードナフタレン-1-イル基、3-ヨードナフタレン-1-イル基、4-ヨードナフタレン-1-イル基、5-ヨードナフタレン-1-イル基、8-ヨードナフタレン-1-イル基、1-ヨードナフタレン-2-イル基、3-ヨードナフタレン-2-イル基、4-ヨードナフタレン-2-イル基、6-ヨードナフタレン-2-イル基。
(ix):5-クロロ-2,3,4-トリフルオロナフタレン-1-イル基、2,4,5-トリフルオロナフタレン-1-イル基、5,6,7,8-テトラフルオロナフタレン-1-イル基、2,3,4,5,6,7,8-ヘプタフルオロナフタレン-1-イル基、1,3,4-トリフルオロナフタレン-2-イル基、3,4,5,6-テトラフルオロナフタレン-2-イル基、5,6,7,8-テトラフルオロナフタレン-2-イル基、1,3,4,5,6,7,8-ヘプタフルオロナフタレン-2-イル基、4-ブロモ-2-クロロナフタレン-1-イル基、3-ブロモ-5-クロロナフタレン-1-イル基、4-ブロモ-5-クロロ-7-ヨードナフタレン-1-イル基、3-ブロモ-1-クロロナフタレン-2-イル基、4-ブロモ-3-クロロナフタレン-2-イル基、3-ブロモ-5-クロロナフタレン-2-イル基、6-ブロモ-4-クロロナフタレン-2-イル基、3-ブロモ-5,6,7,8-テトラフルオロナフタレン-2-イル基。
(x):2-クロロフェナントレン-1-イル基、3-クロロフェナントレン-1-イル基、4-クロロフェナントレン-1-イル基、6-クロロフェナントレン-1-イル基、7-クロロフェナントレン-1-イル基、9-クロロフェナントレン-1-イル基、2,7-ジクロロフェナントレン-1-イル基、3,6-ジクロロフェナントレン-1-イル基、3,9-ジクロロフェナントレン-1-イル基、6,10-ジクロロフェナントレン-1-イル基、9,10-ジクロロフェナントレン-1-イル基、2,4,6-トリクロロフェナントレン-1-イル基、3,9,10-トリクロロフェナントレン-1-イル基、3,6,9,10-テトラクロロフェナントレン-1-イル基、1-クロロフェナントレン-2-イル基、3-クロロフェナントレン-2-イル基、6-クロロフェナントレン-2-イル基、7-クロロフェナントレン-2-イル基、9-クロロフェナントレン-2-イル基、10-クロロフェナントレン-2-イル基、1,9-ジクロロフェナントレン-2-イル基、3,6-ジクロロフェナントレン-2-イル基、3,9-ジクロロフェナントレン-2-イル基、9,10-ジクロロフェナントレン-2-イル基、3,9,10-トリクロロフェナントレン-2-イル基、7,8,9,10-テトラクロロフェナントレン-2-イル基、1-クロロフェナントレン-3-イル基、2-クロロフェナントレン-3-イル基、6-クロロフェナントレン-3-イル基、9-クロロフェナントレン-3-イル基、10-クロロフェナントレン-3-イル基、2,7-ジクロロフェナントレン-3-イル基、9,10-ジクロロフェナントレン-3-イル基、1-クロロフェナントレン-9-イル基、2-クロロフェナントレン-9-イル基、3-クロロフェナントレン-9-イル基、4-クロロフェナントレン-9-イル基、5-クロロフェナントレン-9-イル基、6-クロロフェナントレン-9-イル基、7-クロロフェナントレン-9-イル基、8-クロロフェナントレン-9-イル基、10-クロロフェナントレン-9-イル基、2,7-ジクロロフェナントレン-9-イル基、3,6-ジクロロフェナントレン-9-イル基、1,2,3-トリクロロフェナントレン-9-イル基、2,4,6-トリクロロフェナントレン-9-イル基。
(xi):2-ブロモフェナントレン-1-イル基、3-ブロモフェナントレン-1-イル基、4-ブロモフェナントレン-1-イル基、5-ブロモフェナントレン-1-イル基、6-ブロモフェナントレン-1-イル基、7-ブロモフェナントレン-1-イル基、8-ブロモフェナントレン-1-イル基、9-ブロモフェナントレン-1-イル基、10-ブロモフェナントレン-1-イル基、2,7-ジブロモフェナントレン-1-イル基、3,6-ジブロモフェナントレン-1-イル基、3,9-ジブロモフェナントレン-1-イル基、6,10-ジブロモフェナントレン-1-イル基、9,10-ジブロモフェナントレン-1-イル基、2,4,6-トリブロモフェナントレン-1-イル基、3,9,10-トリブロモフェナントレン-1-イル基、3,6,9,10-テトラブロモフェナントレン-1-イル基、1-ブロモフェナントレン-2-イル基、3-ブロモフェナントレン-2-イル基、6-ブロモフェナントレン-2-イル基、7-ブロモフェナントレン-2-イル基、9-ブロモフェナントレン-2-イル基、10-ブロモフェナントレン-2-イル基、1,9-ジブロモフェナントレン-2-イル基、3,6-ジブロモフェナントレン-2-イル基、3,9-ジブロモフェナントレン-2-イル基、9,10-ジブロモフェナントレン-2-イル基、3,9,10-トリブロモフェナントレン-2-イル基、7,8,9,10-テトラブロモフェナントレン-2-イル基、1-ブロモフェナントレン-3-イル基、2-ブロモフェナントレン-3-イル基、6-ブロモフェナントレン-3-イル基、9-ブロモフェナントレン-3-イル基、10-ブロモフェナントレン-3-イル基、2,7-ジブロモフェナントレン-3-イル基、9,10-ジブロモフェナントレン-3-イル基、1-ブロモフェナントレン-9-イル基、2-ブロモフェナントレン-9-イル基、3-ブロモフェナントレン-9-イル基、4-ブロモフェナントレン-9-イル基、5-ブロモフェナントレン-9-イル基、6-ブロモフェナントレン-9-イル基、7-ブロモフェナントレン-9-イル基、8-ブロモフェナントレン-9-イル基、10-ブロモフェナントレン-9-イル基、2,7-ジブロモフェナントレン-9-イル基、3,6-ジブロモフェナントレン-9-イル基、1,2,3-トリブロモフェナントレン-9-イル基、2,4,6-トリブロモフェナントレン-9-イル基。
(xii):7-ヨードフェナントレン-1-イル基、9-ヨードフェナントレン-1-イル基、3,6-ジヨードフェナントレン-1-イル基、3-ヨードフェナントレン-2-イル基、10-ヨードフェナントレン-2-イル基、6,9,10-トリヨードフェナントレン-2-イル基、2-ヨードフェナントレン-9-イル基、3-ヨードフェナントレン-9-イル基、6-ヨードフェナントレン-9-イル基、8-ヨードフェナントレン-9-イル基、3,6-ジヨードフェナントレン-9-イル基。
(xiii):9,10-ジフルオロフェナントレン-1-イル基、2,3,4,5,6,7,8,9,10-ノナフルオロフェナントレン-1-イル基、3,6-ジフルオロフェナントレン-2-イル基、1,3,4,5,6,7,8,9,10-ノナフルオロフェナントレン-2-イル基、1,2,4,5,6,7,8,9,10-ノナフルオロフェナントレン-3-イル基、2,7-ジフルオロフェナントレン-9-イル基、3,6-ジフルオロフェナントレン-9-イル基、1,2,3,4,5,6,7,8,10-ノナフルオロフェナントレン-9-イル基。
(xiv):2-ブロモ-7-クロロフェナントレン-1-イル基、6-ブロモ-3-クロロフェナントレン-1-イル基、9-ブロモ-10-クロロフェナントレン-1-イル基、3,6-ジブロモ-8-クロロフェナントレン-1-イル基、7-ブロモ-3-クロロ-9-ヨードフェナントレン-1-イル基、6-ブロモ-3-クロロフェナントレン-2-イル基、9-ブロモ-10-ヨードフェナントレン-2-イル基、6-ブロモ-3-クロロフェナントレン-9-イル基、2-ブロモ-7-クロロフェナントレン-9-イル基、3-ブロモ-5,6,7,8-テトラフルオロフェナントレン-9-イル基。
(xv):2-クロロアントラセン-1-イル基、3-クロロアントラセン-1-イル基、4-クロロアントラセン-1-イル基、5-クロロアントラセン-1-イル基、6-クロロアントラセン-1-イル基、7-クロロアントラセン-1-イル基、8-クロロアントラセン-1-イル基、9-クロロアントラセン-1-イル基、10-クロロアントラセン-1-イル基、2,4-ジクロロアントラセン-1-イル基、4,5-ジクロロアントラセン-1-イル基、2,6-ジクロロアントラセン-1-イル基、6,7-ジクロロアントラセン-1-イル基、9,10-ジクロロアントラセン-1-イル基、2,3,4-トリクロロアントラセン-1-イル基、4,8,10-トリクロロアントラセン-1-イル基、2,9,10-トリクロロアントラセン-1-イル基、4,5,9-トリクロロアントラセン-1-イル基、1-クロロアントラセン-2-イル基、3-クロロアントラセン-2-イル基、4-クロロアントラセン-2-イル基、5-クロロアントラセン-2-イル基、6-クロロアントラセン-2-イル基、7-クロロアントラセン-2-イル基、8-クロロアントラセン-2-イル基、9-クロロアントラセン-2-イル基、10-クロロアントラセン-2-イル基、1,3-ジクロロアントラセン-2-イル基、1,5-ジクロロアントラセン-2-イル基、1,8-ジクロロアントラセン-2-イル基、6,7-ジクロロアントラセン-2-イル基、9,10-ジクロロアントラセン-2-イル基、1,5,9-トリクロロアントラセン-2-イル基、1,8,9-トリクロロアントラセン-2-イル基、5,6,7-トリクロロアントラセン-2-イル基、1-クロロアントラセン-9-イル基、2-クロロアントラセン-9-イル基、3-クロロアントラセン-9-イル基、4-クロロアントラセン-9-イル基、10-クロロアントラセン-9-イル基、1,8-ジクロロアントラセン-9-イル基、4,5-ジクロロアントラセン-9-イル基、2,7-ジクロロアントラセン-9-イル基、3,6-ジクロロアントラセン-9-イル基、2,3,6,7-テトラクロロアントラセン-9-イル基。
(xvi):2-ブロモアントラセン-1-イル基、3-ブロモアントラセン-1-イル基、4-ブロモアントラセン-1-イル基、5-ブロモアントラセン-1-イル基、6-ブロモアントラセン-1-イル基、7-ブロモアントラセン-1-イル基、8-ブロモアントラセン-1-イル基、9-ブロモアントラセン-1-イル基、10-ブロモアントラセン-1-イル基、2,4-ジブロモアントラセン-1-イル基、4,5-ジブロモアントラセン-1-イル基、2,6-ジブロモアントラセン-1-イル基、6,7-ジブロモアントラセン-1-イル基、9,10-ジブロモアントラセン-1-イル基、2,3,4-トリブロモアントラセン-1-イル基、4,8,10-トリブロモアントラセン-1-イル基、2,9,10-トリブロモアントラセン-1-イル基、4,5,9-トリブロモアントラセン-1-イル基、1-ブロモアントラセン-2-イル基、3-ブロモアントラセン-2-イル基、4-ブロモアントラセン-2-イル基、5-ブロモアントラセン-2-イル基、6-ブロモアントラセン-2-イル基、7-ブロモアントラセン-2-イル基、8-ブロモアントラセン-2-イル基、9-ブロモアントラセン-2-イル基、10-ブロモアントラセン-2-イル基、1,3-ジブロモアントラセン-2-イル基、1,5-ジブロモアントラセン-2-イル基、1,8-ジブロモアントラセン-2-イル基、6,7-ジブロモアントラセン-2-イル基、9,10-ジブロモアントラセン-2-イル基、1,5,9-トリブロモアントラセン-2-イル基、1,8,9-トリブロモアントラセン-2-イル基、5,6,7-トリブロモアントラセン-2-イル基、1-ブロモアントラセン-9-イル基、2-ブロモアントラセン-9-イル基、3-ブロモアントラセン-9-イル基、4-ブロモアントラセン-9-イル基、10-ブロモアントラセン-9-イル基、1,8-ジブロモアントラセン-9-イル基、4,5-ジブロモアントラセン-9-イル基、2,7-ジブロモアントラセン-9-イル基、3,6-ジブロモアントラセン-9-イル基。
(xvii):3-ヨードアントラセン-1-イル基、5-ヨードアントラセン-1-イル基、6-ヨードアントラセン-1-イル基、10-ヨードアントラセン-1-イル基、2,6-ジヨードアントラセン-1-イル基、9,10-ジヨードアントラセン-1-イル基、1-ヨードアントラセン-2-イル基、3-ヨードアントラセン-2-イル基、6-ヨードアントラセン-2-イル基、10-ヨードアントラセン-2-イル基、9,10-ジヨードアントラセン-2-イル基、3-ヨードアントラセン-9-イル基、10-ヨードアントラセン-9-イル基、2,9-ジヨードアントラセン-9-イル基、3,6-ジヨードアントラセン-9-イル基。
(xviii):2,3,4,5,6,7,8,9,10-ノナフルオロアントラセン-1-イル基、1,3,4,5,6,7,8,9,10-ノナフルオロアントラセン-2-イル基、1,2,3,4,5,6,7,8,10-ノナフルオロアントラセン-9-イル基。
(xix):2-ブロモ-4-クロロアントラセン-1-イル基、5-ブロモ-4-クロロアントラセン-1-イル基、2-ブロモ-6-ヨードアントラセン-1-イル基、7-ブロモ-6-クロロアントラセン-1-イル基、9-ブロモ-10-クロロアントラセン-1-イル基。
(xx):6-クロロ-2-ピリジル基、5-クロロ-2-ピリジル基、4-クロロ-2-ピリジル基、3-クロロ-2-ピリジル基、2-クロロ-3-ピリジル基、4-クロロ-3-ピリジル基、5-クロロ-3-ピリジル基、6-クロロ-3-ピリジル基、2-クロロ-4-ピリジル基、3-クロロ-4-ピリジル基。
(xxi):4-ブロモ-2-ピリジル基、3-ブロモ-2-ピリジル基、2-ブロモ-3-ピリジル基、4-ブロモ-3-ピリジル基、5-ブロモ-3-ピリジル基、6-ブロモ-3-ピリジル基、2-ブロモ-4-ピリジル基、3-ブロモ-4-ピリジル基。
(xxii):4-ヨード-2-ピリジル基、3-ヨード-2-ピリジル基、2-ヨード-3-ピリジル基、4-ヨード-3-ピリジル基、5-ヨード-3-ピリジル基、6-ヨード-3-ピリジル基、2-ヨード-4-ピリジル基、3-ヨード-4-ピリジル基。
(xxiii):3,4-ジクロロ-2-ピリジル基、3,5-ジクロロ-2-ピリジル基、3,6-ジクロロ-2-ピリジル基、4,5-ジクロロ-2-ピリジル基、4,6-ジクロロ-2-ピリジル基、5,6-ジクロロ-2-ピリジル基、2,4-ジクロロ-3-ピリジル基、2,5-ジクロロ-3-ピリジル基、2,6-ジクロロ-3-ピリジル基、4,5-ジクロロ-3-ピリジル基、4,6-ジクロロ-3-ピリジル基、5,6-ジクロロ-3-ピリジル基、2,3-ジクロロ-4-ピリジル基、2,5-ジクロロ-4-ピリジル基、2,6-ジクロロ-4-ピリジル基、3,5-ジクロロ-4-ピリジル基。
(xxiv):3,4-ジブロモ-2-ピリジル基、3,5-ジブロモ-2-ピリジル基、3,6-ジブロモ-2-ピリジル基、4,5-ジブロモ-2-ピリジル基、4,6-ジブロモ-2-ピリジル基、5,6-ジブロモ-2-ピリジル基、2,4-ジブロモ-3-ピリジル基、2,5-ジブロモ-3-ピリジル基、2,6-ジブロモ-3-ピリジル基、4,5-ジブロモ-3-ピリジル基、4,6-ジブロモ-3-ピリジル基、5,6-ジブロモ-3-ピリジル基、2,3-ジブロモ-4-ピリジル基、2,5-ジブロモ-4-ピリジル基、2,6-ジブロモ-4-ピリジル基、3,5-ジブロモ-4-ピリジル基。
(xxv):3,4-ジヨード-2-ピリジル基、3,5-ジヨード-2-ピリジル基、3,6-ジヨード-2-ピリジル基、4,5-ジヨード-2-ピリジル基、4,6-ジヨード-2-ピリジル基、5,6-ジヨード-2-ピリジル基、2,4-ジヨード-3-ピリジル基、2,5-ジヨード-3-ピリジル基、2,6-ジヨード-3-ピリジル基、4,5-ジヨード-3-ピリジル基、4,6-ジヨード-3-ピリジル基、5,6-ジヨード-3-ピリジル基、2,3-ジヨード-4-ピリジル基、2,5-ジヨード-4-ピリジル基、2,6-ジヨード-4-ピリジル基、3,5-ジヨード-4-ピリジル基。
(xxvi):6-クロロ-4-フェニル-2-ピリジル基、4-クロロ-6-フェニル-2-ピリジル基、6-クロロ-4-(1-ナフチル)-2-ピリジル基、4-クロロ-6-(1-ナフチル)-2-ピリジル基、6-クロロ-4-(2-ナフチル)-2-ピリジル基、4-クロロ-6-(2-ナフチル)-2-ピリジル基、6-クロロ-4-(9-フェナントリル)-2-ピリジル基、4-クロロ-6-(9-フェナントリル)-2-ピリジル基、6-クロロ-4-(2-トリプチセニル)-2-ピリジル基、4-クロロ-6-(2-トリプチセニル)-2-ピリジル基。
【0050】
Ar1、Ar2、Ar3で表される炭素数1~12のアルキル基で置換された連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基は、上述の連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基が、炭素数1~12のアルキル基で置換されたものである。該炭素数1~12のアルキル基は、直鎖状、分岐状及び環状アルキル基のいずれでもよく、特に限定されるものではない。該炭素数1~12のアルキル基としては、具体的には、メチル基、シクロヘキシルメチル基、エチル基、2-シクロペンチルエチル基、プロピル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2-ペンチル基、2-メチルペンタン-2-イル基、4,4-ジメチルペンタン-2-イル基、3-ペンチル基、3-エチルペンタン-3-イル基、シクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル基、3-エチルシクロペンチル基、ヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-ヘキシル基、2-メチルヘキサン-2-イル基、5,5-ジメチルヘキサン-2-イル基、3-ヘキシル基、2,4-ジメチルヘキサン-3-イル基、シクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-プロピルシクロヘキシル基、4,4-ジメチルシクロヘキシル基、ヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、オクチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、4-オクチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノニル基、5-ノニル基、デシル基、2-デシル基、5-デシル基等を例示することができる。これらのうち、トリアジン化合物(1)の収率が良い点で、炭素数1~4の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0051】
Ar1、Ar2、Ar3で表される炭素数1~10のアルコキシ基で置換された連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基は、上述の連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基が、炭素数1~10のアルコキシ基で置換されたものである。該炭素数1~10のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状及び環状アルコキシ基のいずれでもよく、特に限定されるものではない。該炭素数1~10のアルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、2-シクロペンチルエトキシ基、プロポキシ基、2-メチルプロプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、3-シクロプロピルプロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、ペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、3-エチルペンチルオキシ基、2,4-ジメチルペンチルオキシ基、2-ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、2,5-ジメチルシクロペンチルオキシ基、3-エチルシクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2-メチルヘキシルオキシ基、3,3-ジメチルヘキシルオキシ基、4-エチルヘキシルオキシ基、2-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4-エチルシクロヘキシルオキシ基、4-プロピルシクロヘキシルオキシ基、4,4-ジメチルシクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、2-ヘプチルオキシ基、3-ヘプチルオキシ基、4-ヘプチルオキシ基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オキシ基、オクチルオキシ基、2-オクチルオキシ基、3-オクチルオキシ基、4-オクチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-オキシ基、ノニルオキシ基、5-ノニルオキシ基、デシルオキシ基、2-デシルオキシ基、5-デシルオキシ基等を例示することができる。
【0052】
Ar1、Ar2、Ar3で表される炭素数2~10のアルケニル基で置換された連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基は、上述の連結及び/又は縮環していてもよい炭素数6~26のアリール基又は炭素数5~26のヘテロアリール基が、炭素数2~10のアルケニル基で置換されたものである。該炭素数2~10のアルケニル基は、特に限定されるものではないが、具体的には、ビニル基、1-プロペニル基、1-ブテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、1-ヘプテニル基、1-オクテニル基、1-ノネニル基、1-デセニル基等を例示することができる。
【0053】
Ar3は、フェニル基又は2-ピリジル基(該フェニル基又は2-ピリジル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)であることが好ましい。また、Ar1及びAr2は、各々独立に、フェニル基(該フェニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基で置換されていてもよい。)であることが好ましい。
【0054】
トリアジン化合物(1)としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の1-1~1-428に示す構造の化合物を具体的に示すことができる。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
次に、本発明の一態様にかかるトリアジン化合物の製造方法について、具体的な工程を例に挙げて説明する。
【0084】
本発明の一態様にかかるトリアジン化合物の製造方法は、次の工程1及び工程2を含む。
【0085】
【0086】
(式中、Ar1、Ar2、Ar3は前記と同じ意味を表す。)
Yは、式(A)から(D)のいずれか1つで示される基を表す。
【0087】
【0088】
Rは、炭素数1~4のアルキル基を表す。該炭素数1~4のアルキル基は、直鎖状、分岐状及び環状アルキル基のいずれでもよい。該炭素数1~4のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、1-メチルエチル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、2-メチルプロピル基、tert-ブチル基、シクロブチル基などを例示することができる。これらのうち、式(B)で示されるイミダート化合物の反応性が良い点で、炭素数1~4の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がさらに好ましい。
【0089】
ここで、Yが、式(B)から(D)のいずれか1つで示される基であることが好ましく、式(C)から(D)のいずれか1つで示される基であることがより好ましい。
【0090】
工程1は、式(2)で表される酸塩化物(酸塩化物(2))と、式(3)で表されるアミジン化合物(アミジン化合物(3))と、を反応させ、工程2に用いる式(5)で表されるアシルアミジン化合物(アシルアミジン化合物(5))を製造する工程である。工程1は、一般的なアミン類のN-アシル化反応の条件を適用することにより、収率よくアシルアミジン化合物(5)を得ることができる。
【0091】
工程1に用いる酸塩化物(2)は当業者の良く知る汎用的な方法で製造することができる。例えば、日本化学会編、「第4版実験化学講座」、22巻、115~127頁に開示されている方法等に従えば、収率よくアシルアミジン化合物(5)を得ることができる。また、市販品を用いてもよい。
【0092】
工程1に用いるアミジン化合物(3)は当業者の良く知る汎用的な方法で製造することができ、例えば、Journal of Medicinal Chemistry,1990年,33巻,1230-1241頁に開示されている方法等に従えば、収率よくアミジン化合物(3)を得ることができる。また、市販品を用いてもよい。
【0093】
また、工程1に用いるアミジン化合物(3)は、その化学的に許容される塩と塩基とを混合し、反応系中で生成させてもよい。アミジン化合物(3)の化学的に許容される塩は、無機酸塩及び有機酸塩のいずれでもよい。無機酸塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩等を例示することができる。有機酸塩としては、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等を例示することができる。これらのうち、安価である点で無機酸塩が好ましく、塩酸塩がさらに好ましい。
【0094】
工程1に用いるアミジン化合物(3)のモル当量は、好ましくは酸塩化物(2)に対して1当量以上である。
【0095】
工程1は塩基の存在下に実施することで、アシルアミジン化合物(5)の反応収率を向上させることができる。工程1で用いられる塩基は、無機塩基及び有機塩基のいずれでもよい。無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の金属酢酸塩、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等の金属リン酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロピルオキシド、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルキルオキシド;等を例示することができる。有機塩基としてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン等の第三級アルキルアミン;ピリジン、ピラジン、キノリン等の環状アジン;N-メチルピロリジン、N-メチルピペリジン、N,N’-ジメチルピペラジン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の第三級環状アミン;等を例示することができる。アシルアミジン化合物(5)の反応収率が良い点で、有機塩基が好ましく、第三級アルキルアミンがさらに好ましく、トリエチルアミンが殊更好ましい。
【0096】
工程1に用いる塩基のモル当量は、酸塩化物(2)に対して1当量以上である。アミジン化合物(3)をその化学的に許容される塩から反応系中で生成させる場合には、工程1に用いる塩基のモル当量は、酸塩化物(2)及びアミジン化合物(3)の化学的に許容される塩に対して、それぞれ1当量以上である。
【0097】
工程1は溶媒中で実施することができる。用いることのできる溶媒に特に制限はなく、反応を阻害しない溶媒であればよい。このような溶媒としては、具体的には、下記(A)~(G)が例示できる。
(A):ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル。
(B):ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン、アニソール、テトラリン等の芳香族炭化水素。
(C):ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1-クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素。
(D):ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ-ラクトン等のエステル。
(E):N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド。
(F):ジメチルスルホキシド(DMSO)。
(G):アセトニトリル、プロピオニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル。
【0098】
これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の比で混合して用いてもよい。溶媒の使用量に特に制限はない。これらのうち、工程1の反応収率がよい点でエーテル、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素又はこれらの混合溶媒を用いることが好ましく、クロロホルムがさらに好ましい。
【0099】
工程1を実施する際の反応温度には特に制限はない。工程1は、例えば、-20℃~100℃から適宜選択された温度にて実施することができ、アシルアミジン化合物(5)の反応収率が良い点で0℃~80℃から適宜選択された温度にて実施することが好ましい。
【0100】
アシルアミジン化合物(5)は、工程1の反応の終了後に通常の処理を行うことで得ることができる。必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華又は分取HPLC等で精製してもよい。また、精製を行わず、工程2に供してもよい。
【0101】
なお、アシルアミジン化合物(5)は、次の式で表される互変異性構造(5)、(5a)及び(5b)を取ることができる。
【0102】
【0103】
(式中、Ar1及びAr2は前記と同じ意味を表す。)
本態様にかかる製造方法はこれらの互変異性体全てを包含するものであるが、便宜上、一般式(5)の構造で記載する。
【0104】
工程2は、式(5)で示されるアシルアミジン化合物(アシルアミジン化合物(5))と、式(4)で示される化合物(化合物(4))と、を反応させ、式(1)で示されるトリアジン化合物(トリアジン化合物(1))を製造する工程である。この工程2は、塩基の存在下に一般式(5)で示されるアシルアミジン化合物と、化合物(4)と、を反応させることが好ましい。
【0105】
工程2に用いる化合物(4)は、次に示すアミド化合物(4A)、イミダート化合物(4B)、アミジン化合物(4C)及びニトリル化合物(4D)から成る群より適宜選択して用いることができる。これらのうち、トリアジン化合物(1)の反応収率が良い点で、イミダート化合物(4B)、アミジン化合物(4C)又はニトリル化合物(4D)が好ましく、アミジン化合物(4C)又はニトリル化合物(4D)がさらに好ましい。
【0106】
【0107】
(式中、Ar3及びRは前記と同じ意味を表す。)
工程2に用いるアミド化合物(4A)及びニトリル化合物(4D)は当業者の良く知る方法に従い製造することができる。また、市販品を用いてもよい。アミド化合物(4A)は前記工程1にて記載したように入手することができる。イミダート化合物(4B)は、例えば、Tetrahedron,2014年,70巻,1635-1645頁に開示された方法に従い、製造することができる。
【0108】
工程2に用いる化合物(4)のモル当量は、トリアジン化合物(1)の収率が良い点で、アシルアミジン化合物(5)に対して1当量以上であることが好ましく、1~30当量の範囲にあることがさらに好ましい。
【0109】
工程2に用いるイミダート化合物(4B)又はアミジン化合物(4C)は、その化学的に許容される塩と塩基とを混合し、反応系中で生成させてもよい。イミダート化合物(4B)、アミジン化合物(4C)の化学的に許容される塩は、無機酸塩及び有機酸塩のいずれでもよい。無機酸塩としては塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩等を例示することができる。有機酸塩としては、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等を例示することができる。これらのうち、安価である点で無機酸塩が好ましく、塩酸塩がさらに好ましい。この際、用いる塩基は工程1にて例示した塩基と同様のものを例示することができる。トリアジン化合物(1)の収率が良い点で、第三級アルキルアミン又は金属炭酸塩が好ましく、トリエチルアミン、リン酸カリウム又は炭酸水素ナトリウムがさらに好ましい。用いる塩基のモル当量は、イミダート化合物(4B)又はアミジン化合物(4C)の化学的に許容される塩に対して、1当量以上である。
【0110】
工程2は、ケイ素化合物の存在下に行うことでトリアジン化合物(1)の収率を向上させることができる。該ケイ素化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、後述する一般式(6)で示されるシラン化合物、一般式(7)で表されるシラザン化合物、又は一般式(8)で表されるトリシラザン化合物が好ましい。
【0111】
一般式(6)で示されるシラン化合物(以下、シラン化合物(6)、と記載する)は下記式で表される。
【0112】
【0113】
(式中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。X1及びX2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1~4のアルコキシ基を表す。)
シラン化合物(6)中、R4及びR5で表される炭素数1~4のアルキル基は、各々独立に、直鎖状、分岐状及び環状アルキル基のいずれでもよく、特に限定されるものではない。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基等を例示することができる。これらのうち、トリアジン化合物(1)の収率が良い点で、炭素数1~4の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0114】
シラン化合物(6)中、R4及びR5で表される炭素数1~4のアルコキシ基は、各々独立に、直鎖状、分岐状及び環状アルコキシ基のいずれでもよく、特に限定されるものではない。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、1-メチルエチルオキシ基、1,1-ジメチルエチルオキシ基、プロピルオキシ基、1-メチルプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、シクロブチルオキシ基等を例示することができる。これらのうち、トリアジン化合物(1)の収率が良い点で、炭素数1~4の直鎖状アルコキシ基が好ましく、エトキシ基がさらに好ましい。
【0115】
シラン化合物(6)中、X1及びX2で表されるハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、各々独立に、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を例示することができる。これらの中でも、安価かつ反応性が良い点で、塩素原子が好ましい。
【0116】
シラン化合物(6)中、X1及びX2で表される炭素数1~4のアルコキシ基としては、R4及びR5で例示した炭素数1~4のアルコキシ基と同様のものを例示することができる。これらの中でもトリアジン化合物(1)の収率が良い点で、炭素数1~4の直鎖状アルコキシ基が好ましく、エトキシ基がさらに好ましい。
【0117】
シラン化合物(6)中、X1及びX2としては水素原子が好ましい。
【0118】
工程2に用いることが好ましいシラン化合物(6)としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の6-1~6-75に示す構造の化合物を具体的に示すことができる。
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
6-1~6-75に示すシラン化合物(6)のうち、6-2、6-9、6-12が好ましい。
【0124】
一般式(7)で示されるシラザン化合物(以下、シラザン化合物(7)、と記載する)は下記式で表される。
【0125】
【0126】
(式中、R6、R7、R8、R9は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又はフェニル基を表す。X3は、水素原子を表す。)
シラザン化合物(7)中、R6、R7、R8、R9で表される炭素数1~4のアルキル基としては、前記R4及びR5で例示した炭素数1~4のアルキル基と同様のものを例示することができる。これらの中でもトリアジン化合物(1)の収率が良い点で、炭素数1~4の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0127】
R6、R7、R8、R9で表される炭素数2~4のアルケニル基としては、特に限定されるものではないが、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基等を例示することができる。
【0128】
工程2に用いることが好ましいシラザン化合物(7)としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の7-1~7-39に示す構造の化合物を具体的に例示することができる。
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
7-1~7-39に示すシラザン化合物(7)のうち、7-1が好ましい。
【0134】
一般式(8)で示されるトリシラザン化合物(以下、トリシラザン化合物(8)、と記載する)は下記式で表される。
【0135】
【0136】
(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基又はフェニル基を表す。)
トリシラザン化合物(8)中、R10、R11、R12、R13、R14、R15で表される炭素数1~4のアルキル基としては、前記R4及びR5で例示した炭素数1~4のアルキル基と同様のものを例示することができる。これらの中でもトリアジン化合物(1)の収率が良い点で、炭素数1~4の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
【0137】
R10、R11、R12、R13、R14、R15で表される炭素数2~4のアルケニル基としては、特に限定されるものではないが、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基等を例示することができる。
【0138】
工程2に用いることが好ましいトリシラザン化合物(8)としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の8-1~8-18に示す構造の化合物を具体的に例示することができる。
【0139】
【0140】
【0141】
8-1~8-18に示すトリシラザン化合物(8)のうち、8-2が好ましい。
【0142】
工程2に用いるケイ素化合物のモル当量は、アシルアミジン化合物(5)に対して、0.1~100当量の範囲にあることが好ましく、1~10当量の範囲にあることがさらに好ましい。
【0143】
工程2は溶媒中で実施することができる。用いることのできる溶媒に特に制限はなく、反応を阻害しない溶媒であればよい。このような溶媒としては、具体的には、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、CPME、THF、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン、アニソール、テトラリン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1-クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素;DMF、DMAc、NMP等のアミド;DMSO等を例示することができる。これらのうち1種を用いてもよく、これらのうち2種以上を任意の比で混合して用いてもよい。溶媒の使用量に特に制限はない。これらのうち、工程2の反応収率がよい点でDMSO、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素又はこれらの混合溶媒を用いることが好ましく、キシレンがさらに好ましい。
【0144】
工程2は、60℃~200℃から適宜選択された温度にて実施することができ、トリアジン化合物(1)の収率が良い点で80℃~160℃から適宜選択された温度にて実施することが好ましい。
【0145】
トリアジン化合物(1)は、工程2の反応の終了後に通常の処理を行うことで得ることができる。必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華、分取HPLC等で精製してもよい。
【0146】
以上の本発明の一態様にかかるトリアジン化合物の製造方法によれば、電荷輸送材料、特に有機電界発光素子に用いる電荷輸送材料の合成中間体として有用な、2位、4位及び6位にアリール基を有するトリアジン化合物の簡便かつ高選択的な製造方法を提供することができる。
【実施例】
【0147】
以下、実施例及び参考例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
【0148】
本発明の一態様にかかる製造方法により得られるトリアジン化合物の同定には、以下の分析方法を用いた。1H-NMR及び19F-NMRの測定には、Bruker ASCEND 400(400MHz及び376MHz)を用いた。1H-NMRは、重クロロホルム(CDCl3)、重トルエン(Toluene-d8)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。DI-MSは島津製作所 GCMS-QP2010SEを、HPLCは島津製作所 LC-2040C 3Dをそれぞれ用いた。また、試薬類は市販品を用いた。
実施例-1-1
【0149】
【0150】
アルゴン気流下、N-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(300mg,1.0mmol)、6-クロロ-2-ピリジンカルボニトリル(208mg,1.5mmol)、及びリン酸カリウム(425mg,2.0mmol)をDMF(2.0mL)に懸濁した。この懸濁液を80℃で16時間加熱撹拌した。その後、室温に冷却し、水を加えて固体を濾別し、水、メタノールで洗浄した。この固体をメタノールに懸濁させ、60℃で加熱撹拌後、固体を濾別することで、目的の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(6-クロロ-2-ピリジル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(55mg,13%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.88(dt,J=8.6,1.9Hz,2H),8.84-8.81(m,2H),7.74(dd,J=7.7,0.8Hz,1H),7.94(t,J=7.7Hz,1H),7.83(dt,J=8.6,1.9Hz,2H),7.74-7.71(m,2H),7.67-7.58(m,4H),7.52(tt,J=7.3,1.2Hz,2H),7.43(tt,J=7.3,1.2Hz,1H).
実施例-1-2
【0151】
【0152】
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(37.8g,140mmol)をキシレン(1.0L)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(11.8g,140mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(66.7mL,140mmol)を加え、室温で10分撹拌した後、さらに100℃で1時間撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(42.1g,140mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、メタノール500mLを加えて、析出した固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体をトルエンに溶解させ、活性炭を加えて室温で撹拌後、セライトに通じてからろ液を濃縮した。この粗生成物を再結晶(トルエン)により精製することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン(化合物(1-287))を得た(35.9g,51%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.82(d,J=8.6Hz,2H),8.80(dd,J=1.6Hz,1.6Hz,1H),8.78(d,J=8.2Hz,2H),8.70(dd,J=1.8Hz,1.6Hz,1H),7.82(d,J=8.6Hz,2H),7.56(dd,J=1.8Hz,1.6Hz,1H),7.72(d,J=7.8Hz,2H),7.61-7.65(m,3H),7.51(dd,J=7.8Hz,7.3Hz,2H),7.43(t,J=7.3Hz,1H).DI-MS(m/Z):497[M]
実施例-1-3
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)を加え、100℃で2時間撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、100℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(174mg,70%)。
実施例-1-4
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(120μL,0.5mmol)を加え、室温で5分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(175mg,70%)。
実施例-1-5
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)を加え、室温で5分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、80℃で7時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(142mg,57%)。
実施例-1-6
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)を加え、室温で5分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、50℃で27時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(86mg,35%)。
実施例-1-7
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(168mg,67%)。
実施例-1-8
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(360μL,1.5mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、130℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(156mg,63%)。
実施例-1-9
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、100℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(161mg,65%)。
実施例-1-10
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(1.2mL,10mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(82mg,33%)。
実施例-1-11
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(81mg,0.3mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(25mg,0.3mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(360μL,1.5mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(103mg,69%)。
実施例-1-12
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(360μL,1.5mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(133mg,53%)。
実施例-1-13
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(360μL,1.5mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(146mg,58%)。
実施例-1-14
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(18.9g,70mmol)をキシレン(500mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(5.9g,70mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(48.0mL,210mmol)を加え、100℃で1時間撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(21.0g,70mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、メタノール500mLを加えて、析出した固体をろ取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体をトルエンに溶解し、活性炭を加えて室温で撹拌した後、セライトに通じた。このろ液から再結晶を行うことで白色固体の2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-(4-ビフェニリル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(20.5g,59%)。
実施例-1-15
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(540mg,2.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(715μL,3.0mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(300mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(341mg,68%)。
実施例-1-16
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(135mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液にトリエチルアミン(70μg,0.5mmol)、テトラメチルジシラザン(260μL,1.5mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(113mg,45%)。
実施例-1-17
アルゴン雰囲気下、N-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(300mg,1.0mmol)、3-ブロモ-5-クロロベンゾニトリル(325mg,1.5mmol)、及びリン酸カリウム(425mg,2.0mmol)をDMF(2.0mL)に懸濁
した。この懸濁液を80℃で64時間加熱撹拌した。その後、室温に冷却し、水を加えて固体を濾別し、水、メタノールで洗浄した。この固体をメタノールに懸濁させ、70℃で加熱撹拌後、固体を濾別することで、目的の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを白色固体として得た(253mg,51%)。
実施例-1-18
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン塩酸塩(157mg,1.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(480μL,2.0mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)-3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン(414mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(350mg,70%)。
実施例-1-19
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン(60mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液にヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)及びN-(4-フェニルベンゾイル)-3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン(207mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで粗生成物を162mg得た。この粗生成物をHPLCにて解析したところ、2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを137mg(55%)含んでいた。
実施例-1-20
アルゴン雰囲気下、エチル 3-ブロモ-5-クロロベンズイミダート(150mg,0.5mmol)をキシレン(3.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)を加え、室温で10分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(150mg,0.5mmol)を加え、150℃で7時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで粗生成物を56mg得た。この粗生成物をHPLCにて解析したところ、2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを3.8mg(2%)含んでいた。
実施例-1-21
【0153】
【0154】
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン塩酸塩(78mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42mg,0.5mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)及びN-(4-ヨードベンゾイル)-4-クロロベンズアミジン(192mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-(4-クロロフェニル)-4-(4-ヨードフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(166mg,71%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.73(d,J=6.8Hz,2H),8.69(d,J=8.7Hz,2H),8.46(d,J=8.6Hz,2H),7.92(d,J=8.6Hz,2H),7.54(d,J=8.7Hz,2H),7.65-7.52(m,3H).DI-MS(m/Z):469[M]
実施例-1-22
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン(601mg,5.0mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液にN-(4-ヨードベンゾイル)-4-クロロベンズアミジン(192mg,0.5mmol)を加え、150℃で7時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-(4-クロロフェニル)-4-(4-ヨードフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(21mg,9%)。
実施例-1-23
【0155】
【0156】
アルゴン雰囲気下、4-クロロベンズアミジン塩酸塩(191mg,1.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(480μL,2.0mmol)を加え、100℃で1時間撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(300mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-(1,1’-[ビフェニル]-4-イル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(262mg,62%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.83(d,J=8.6Hz,2H),8.78(d,J=8.1Hz,2H),8.74(d,J=8.7Hz,2H),7.81(d,J=8.6Hz,2H),7.72(d,J=7.0Hz,2H),7.58-7.66(m,3H),7.56(d,J=8.7Hz,2H),7.51(dd,J=7.4,7.0Hz,2H),7.42(t,J=7.4Hz,1H).DI-MS(m/Z):419[M]
実施例-1-24
【0157】
【0158】
アルゴン雰囲気下、4-ブロモベンズアミジン塩酸塩(18.8g,80mmol)をキシレン(600mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(6.72g,80mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(38.1mL,160mmol)を加え、100℃で1時間撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジン(24.0g,80mmol)を加え、150℃で6時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体を再結晶(キシレン、次いでトルエン)により繰り返し精製することで白色固体の2-(1,1’-[ビフェニル]-4-イル)-4-(4-ブロモフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(13.1g,35%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.83(d,J=8.5Hz,2H),8.78(d,J=8.2Hz,2H),8.67(d,J=8.6Hz,2H),7.81(d,J=8.5Hz,2H),7.72(d,J=8.6Hz,2H),7.71(d,J=7.8Hz,2H)7.57-7.64(m,3H),7.51(dd,J=7.8,7.3Hz,2H),7.42(t,J=7.3Hz,1H).
実施例-1-25
【0159】
【0160】
アルゴン雰囲気下、4-ブロモベンズアミジン塩酸塩(236mg,1.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84.0mg,1.0mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(476μL,2.0mmol)を加え、室温で30分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(4-ヨードベンゾイル)-4-クロロベンズアミジン(385mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-(4-ブロモフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-6-(4-ヨードフェニル)-1,3,5-トリアジンを得た(344mg,63%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.68(d,J=8.7Hz,2H),8.60(d,J=8.6Hz,2H),8.45(d,J=8.6Hz,2H),7.93(d,J=8.6Hz,2H),7.71(d,J=8.6Hz,2H),7.55(d,J=8.7Hz,2H).DI-MS(m/Z):547[M]
実施例-1-26
【0161】
【0162】
アルゴン雰囲気下、3-ブロモベンズアミジン塩酸塩(118mg,0.5mmol)をキシレン(3.8mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(42.0mg,0.5mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(238μL,1.0mmol)を加え、室温で30分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(2-ブロモベンゾイル)-4-ブロモベンズアミジン(191mg,0.5mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、ヘキサン、次いでジエチルエーテルで洗浄することで白色固体の2-(2-ブロモフェニル)-4-(3-ブロモフェニル)-6-(4-ブロモフェニル)-1,3,5-トリアジンを得た(144mg,53%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.86(dd,J=1.2,1.0Hz,1H),8.67(brd,J=7.9Hz,1H),8.61(d,J=8.6Hz,2H),8.11(dd,J=7.7,1.8Hz,1H),7.81(ddd,J=8.0,7.9,1.0Hz,1H),7.74(ddd,J=7.9,2.0,1.0Hz,1H),7.21(d,J=8.6Hz,2H),7.52(ddd,J=7.7,7.5,1.1Hz,1H),7.45(t,J=8.0Hz,1H),7.40(dd,J=7.5,1.8Hz,1H).
実施例-1-27
【0163】
【0164】
アルゴン雰囲気下、3-フェニルベンズアミジン塩酸塩(233mg,1.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)を加え、室温で10分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(3-ブロモ-5-クロロベンゾイル)ベンズアミジン(338mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)により精製することで白色固体の2-(1,1’-[ビフェニル]-3-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(242mg,48%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.96(dd,J=1.6,1.4Hz,1H),8.72-8.79(m,4H),8.69(dd,J=1.9,1.4Hz,1H),7.86(d,J=7.7Hz,1H),7.74-7.76(m,3H),7.58-7.69(m,4H),7.54(dd,J=7.8,7.4Hz,2H),7.44(t,J=7.4Hz,1H).
実施例-1-28
【0165】
【0166】
アルゴン雰囲気下、4-メチルベンズアミジン塩酸塩(171mg,1.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(240μL,1.0mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(3-ブロモ-5-クロロベンゾイル)ベンズアミジン(338mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)により精製することで白色固体の2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-(4-メチルフェニル)フェニル-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(189mg,43%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.78(dd,J=1.7,1.6Hz,1H),8.75(d,J=8.2Hz,2H),8.67(dd,J=1.7,1.6Hz,1H),8.64(d,J=8.0Hz,2H),7.74(dd,J=1.7,1.7Hz,2H),7.57-7.65(m,3H),7.39(d,J=8.0Hz,1H),2.49(s,3H).
実施例-1-29
【0167】
【0168】
アルゴン雰囲気下、4-ブロモベンズアミジン塩酸塩(236mg,1.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(480μL,2.0mmol)を加え、室温で5分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(3-ブロモ-5-クロロベンゾイル)ベンズアミジン(338mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)、次いで再結晶(トルエン)により精製することで白色固体の2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-(4-ブロモフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(187mg,37%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.76(dd,J=1.9,1.4Hz,1H),8.74(d,J=8.3Hz,2H),8.66(dd,J=1.9,1.4Hz,1H),8.63(d,J=8.6Hz,2H),7.56(dd,J=1.9,1.9Hz,1H),7.73(d,J=8.6Hz,2H),7.58-7.67(m,3H).DI-MS(m/Z):501[M]
実施例-1-30
【0169】
【0170】
アルゴン雰囲気下、4-ブロモベンズアミジン塩酸塩(236mg,1.0mmol)をキシレン(7.5mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(84mg,1.0mmol)、ヘキサメチルシクロトリシラザン(480μL,2.0mmol)及びN-ベンゾイル-4-クロロベンズアミジン(258mg,1.0mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-(4-ブロモフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(244mg,58%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.74(d,J=6.8Hz,2H),8.70(d,J=8.6Hz,2H),8.63(d,J=8.6Hz,2H),7.71(d,J=8.6Hz,2H),7.54(d,J=8.6Hz,2H),7.66-7.52(m,3H).
実施例-1-31
【0171】
【0172】
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(8.1g,30mmol)をキシレン(225mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(2.5g,30mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(14.3mL,60mmol)を加え、室温で30分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(1-ナフトエ)ベンズアミジン(8.2g,30mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)、次いで再結晶(トルエン)により精製することで白色固体の2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-(1-ナフチル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(6.2g,41%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):9.08(d,J=8.8Hz,1H),8.79(d,J=6.2Hz,2H),8.76(brs,1H),8.69(brs,1H),8.52(dd,J=7.2,1.1Hz,1H),8.10(brd,J=8.2Hz,1H),7.98(brd,J=10.8Hz,1H),7.76(dd,J=1.8,1.8Hz,1H),7.56-7.72(m,6H).
実施例-1-32
【0173】
【0174】
アルゴン雰囲気下、3-クロロベンズアミジン塩酸塩(5.73g,30mmol)をキシレン(225mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(2.52g,30mmol及びヘキサメチルシクロトリシラザン(14.3mL,60mmol)を加え、室温で30分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(3-ブロモベンゾイル)ベンズアミジン(9.10g,30mmol)を加え、150℃で6時間撹拌した。室温まで放冷後、反応混合物から低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで白色固体の2-(3-ブロモフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(6.5g,40%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.89(dd,J=1.5,1.0Hz,1H),8.77(d,J=8.4Hz,2H),8.73(dd,J=1.7,1.5,1H),8.71(ddd,J=7.8,1.5,1.2Hz,1H),8.66(ddd,J=7.7,1.5,1.2Hz,1H),7.75(ddd,J=7.9,1.2,1.0Hz,1H),7.58-7.66(m,4H),7.53(dd,J=7.9,7.7Hz,1H),7.47(dd,J=7.9,7.8Hz,1H).
実施例-1-33
【0175】
【0176】
アルゴン雰囲気下、4-ブロモベンズアミジン塩酸塩(2.36g,10mmol)をキシレン(67mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(0.84g,10mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(4.77mL,20mmol)を加え、100℃で1時間撹拌した。次いでこの反応混合物にN-(2-フェニルベンゾイル)-4-フェニルベンズアミジン(3.75g,10mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、残渣に水を加えて固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製することで白色固体の2-(1,1’-[ビフェニル]-2-イル)-4-(1,1’-[ビフェニル]-4-イル)-6-(4-ブロモフェニル)-1,3,5-トリアジンを得た(2.89g,53%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ8.42(d,J=8.5Hz,2H),8.37(d,J=7.6Hz,1H),8.16(d,J=8.6Hz,2H),7.69(d,J=8.5Hz,2H),7.67-7.69(m,2H),7.52-7.65(m,3H),7.58(d,J=8.6Hz,2H),7.49(dd,J=7.8,7.2Hz,2H),7.41(t,J=7.2Hz,1H)7.27-7.38(m,5H).実施例-1-34
【0177】
【0178】
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(10.0g,37mmol)をキシレン(250mL)に懸濁した。この懸濁液に炭酸水素ナトリウム(3.1g,37mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(17.6mL,74mmol)を加え、室温で30分撹拌した。次いでこの反応混合物にN-[4-(2-ナフチル)]ベンゾイルベンズアミジン(13.0g,37mmol)を加え、150℃で5時間撹拌した。撹拌後、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(2.5g,9.3mmol)及びヘキサメチルシクロトリシラザン(4.5mL,19mmol)を加え、150℃でさらに13時間撹拌した。室温まで放冷後、メタノールを加えて析出した固体を濾取し、水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄することで白色固体の2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4-[4-(2-ナフチル)フェニル]-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを得た(14.3g,70%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):8.87(d,J=8.6Hz,2H),8.81(dd,J=1.8,1.5Hz,1H),8.79(d,J=6.6Hz,2H),8.71(dd,J=1.9,1.5Hz,1H),8.17(s,1H),7.95-7.96(m,4H),7.90(d,J=9.4Hz,1H),7.85(d,J=8.5Hz,1H),7.76(dd,J=1.9,1.8Hz,1H),7.59-7.67(m,3H),7.51-7.58(m,2H).DI-MS(m/Z):547[M]
実施例-2-1
【0179】
【0180】
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン塩酸塩(3.05g,20mmol)をクロロホルム(65mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(5.44mL,39mmol)及び4-フェニルベンゾイルクロリド(2.82g,13mmol)を加え、0℃で30分撹拌した後、さらに60℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、得られた残渣に水及びクロロホルムを加え、有機層を抽出した。さらに有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製することで、目的のN-(4-フェニルベンゾイル)ベンズアミジンを白色固体として得た(2.99g,77%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.80(brs,1H),8.46(d,J=8.5Hz,2H),8.07(d,J=7.1Hz,2H),7.70(d,J=8.5Hz,2H),7.65-7.68(m,2H),7.61(t,J=7.7Hz,1H),7.53(dd,J=7.7,7.1Hz,2H),7.47(dd,J=7.7,7.4Hz,2H),7.38(t,J=7.4Hz,1H),6.61(brs,1H).実施例-2-2
【0181】
【0182】
アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアミジン塩酸塩(810mg,3.0mmol)をクロロホルム(15mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(880μL,6.3mmol)と4-フェニルベンゾイルクロリド(650mg,3.0mmol)を加え、0℃で30分撹拌し、さらに60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、低沸点分を留去し、ジエチルエーテル及び水を加え、有機層を抽出した。さらに有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去し、得られた固体を減圧乾固し目的のN-(3-ブロモ-5-クロロベンゾイル)ベンズアミジンを白色固体として得た(1.14g,92%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.74(brs,1H),8.46(d,J=8.5Hz,2H),8.07(dd,J=1.7,1.7Hz,1H),7.97(dd,J=1.8,1.7Hz,1H),7.73(dd,J=1.8,1.7Hz,1H)7.71(d,J=8.5Hz,2H),7.68(d,J=7.7Hz,2H),7.47(dd,J=7.7,7.4Hz,2H),7.39(t,J=7.4Hz,1H),6.47(brs,1H).
実施例-2-3
【0183】
【0184】
アルゴン雰囲気下、4-クロロベンズアミジン塩酸塩(1.91g,10mmol)をクロロホルム(50mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(2.93mL,21mmol)と4-ヨードベンゾイルクロリド(2.66g,10mmol)を加え、0℃で30分撹拌し、さらに60℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を留去し、酢酸エチル及び水を加え、有機層を抽出した。さらに有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)により精製することで白色固体のN-(4-ヨードベンゾイル)-4-クロロベンズアミジンを得た(2.95g,77%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.78(brs,1H),8.07(d,J=8.5Hz,2H),7.97(d,J=8.7Hz,2H),7.81(d,J=8.5Hz,2H),7.50(d,J=8.7Hz,2H),6.56(brs,1H).
実施例-2-4
【0185】
【0186】
アルゴン雰囲気下、4-ブロモベンズアミジン塩酸塩(1.18g,5.0mmol)をクロロホルム(25mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(1.46mL,11mmol)と2-ブロモベンゾイルクロリド(1.1g,5.0mmol)を加え、0℃で30分撹拌し、さらに室温で3時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を留去し、ジエチルエーテル及び水を加え、有機層を抽出した。さらに有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)、次いで再結晶(メタノール)により精製することで白色固体のN-(2-ブロモベンゾイル)-4-ブロモベンズアミジンを得た(1.15g,60%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.64(brs,1H),7.99(d,J=7.6Hz,1H),7.89(d,J=8.6Hz,2H),7.65(d,J=7.89Hz,1H),7.64(d,J=8.6Hz,2H),7.37(dd,J=7.6,7.5Hz,1H),7.27(dd,J=7.9,7.5Hz,1H),6.64(brs,1H).
実施例-2-5
【0187】
【0188】
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン塩酸塩(11.7g,75mmol)をクロロホルム(300mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(22.0mL,158mmol)及び1-ナフトイルクロリド(11.2mL,75mmol)を加え、0℃で30分撹拌した後、さらに60℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、得られた残渣に水及びジエチルエーテルを加え、有機層を抽出した。さらに有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)により精製することで白色固体のN-(1-ナフトイル)ベンズアミジン
を得た(18.9g,92%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.83(brs,1H),9.08(d,J=8.7Hz,1H),8.51(d,J=6.6Hz,2H),8.05(d,J=7.4Hz,1H),7.97(d,J=8.2Hz,1H),7.88(d,J=7.9Hz,1H),7.61-7.50(m,6H),6.64(brs,1H).
実施例-2-6
【0189】
【0190】
アルゴン雰囲気下、4-クロロベンズアミジン塩酸塩(1.91g,10mmol)をクロロホルム(50mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(2.93mL,21mmol)と4-ヨードベンゾイルクロリド(1.41g,10mmol)を加え、0℃で30分撹拌し、さらに60℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を留去し、ジエチルエーテル及び水を加え、有機層を抽出した。さらに有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製することで白色固体のN-ベンゾイル-4-クロロベンズアミジンを得た(1.84g,71%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.72(brs,1H),8.37(d,J=8.2Hz,2H),8.00(d,J=8.6Hz,2H),7.44-7.55(m,3H),7.50(d,J=8.6Hz,2H),6.54(brs,1H).
実施例-2-7
【0191】
【0192】
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン塩酸塩(17.8g,114mmol)をクロロホルム(300mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(33.3L,239mmol)及び3-ブロモベンゾイルクロリド(15.0mL,114mmol)を加え、0℃で30分撹拌した後、さらに40℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、得られた残渣にジエチルエーテル及び水を加え、有機層を抽出した。有機層に一規定塩酸を加えて析出した固体をろ取し、一規定塩酸、水及びジエチルエーテルで洗浄した。得られた固体にクロロホルム及び一規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、有機層を抽出した。さらに有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去することで白色固体のN-(3-ブロモベンゾイル)-ベンズアミジンを得た(25.3g,73%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.78(brs,1H),8.53(s,1H),8.30(d,7.8Hz,1H),8.04(d,J=7.0Hz,2H),7.64(d,J=7.9Hz,1H),7.61(t,J=7.9Hz,1H),7.54(dd,J=8.2,7.0Hz,2H),7.33(dd,J=7.9,7.8Hz,1H),6.68(brs,1H).
実施例-2-8
【0193】
【0194】
アルゴン雰囲気下、4-フェニルベンズアミジン塩酸塩(13.8g,58mmol)及びトリエチルアミン(17.8mL,128mmol)をクロロホルム(145mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、2-フェニルベンゾイルクロリド(12.6g,58mmol)を加え、0℃で30分撹拌し、さらに室温で5時間撹拌した。撹拌後、低沸点分を留去し、得られた固体をろ取し、水及びジエチルエーテルで洗浄することでN-(2-フェニルベンゾイル)-4-フェニルベンズアミジンを得た(18.0g,82%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.44(brs,1H),8.00(d,J=7.5Hz,1H),7.53-7.59(m,4H),7.37-7.51(m,12H),7.31(t,J=7.1Hz,1H),6.49(brs,1H).
実施例-2-9
【0195】
【0196】
アルゴン雰囲気下、ベンズアミジン塩酸塩(12.3g,79mmol)をクロロホルム(350mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(38.3mL,275mmol)及び4-(2-ナフチル)フェニルベンゾイルクロリド(20.9g,79mmol)を加え、0℃で30分撹拌した後、さらに60℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、低沸点分を減圧留去し、得られた残渣に水及び酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。さらに有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加え乾燥した。乾燥剤を濾別後、溶液を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)により精製することで白色固体の目的物を得た(21.2g,77%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):10.82(brs,1H),8.50(d,J=8.4Hz,2H),8.13(s,1H),8.08(d,J=7.7Hz,2H),7.95(d,J=6.1Hz,1H),7.93(d,J=8.8Hz,1H),7.88(d,J=6.9Hz,1H),7.83(d,J=8.4Hz,2H),7.81(d,J=6.1Hz,1H),7.62(t,J=8.3Hz,1H),7.56(dd,J=8.3,7.7Hz,2H),7.48-7.53(m,2H),6.61(brs,1H).
比較例-1
アルゴン雰囲気下、4-シアノビフェニル(179mg,1.0mmol)、3-ブロモ-5-クロロ-ベンゾニトリル(216mg,1.0mmol)、及びベンゾニトリル(103mg,1.0mmol)をクロロホルム(10mL)に懸濁した。この懸濁液にトリフルオロメタンスルホン酸(265μL,3.0mmol)を、0℃にて滴下し、同温で1時間撹拌した後、室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物に水及びクロロホルムを加え、有機層を抽出した。さらに有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。乾燥剤を濾別後、低沸点成分を留去した。得られた混合物にメタノールを加え、析出した固体を濾取し、低沸点成分を減圧留去することで粗生成物(28mg)を得た。この粗生成物をHPLCにて分析したところ、以下の7種類の化合物を含んでいた。
【0197】
【0198】
化合物(9-1):収率0.1%,選択率1%。
化合物(1-425):収率0.7%,選択率10%。
化合物(1-426):収率2.5%,選択率41%。
化合物(1-2):収率1.7%,選択率26%。
化合物(1-287):収率0.5%,選択率10%。
化合物(1-411):収率0.4%,選択率9%。
化合物(1-427):収率0.1%,選択率2%。
比較例-2
アルゴン雰囲気下、4-シアノビフェニル(179mg,1.0mmol)、3-ブロモ-5-クロロ-ベンゾイルクロライド(300mg,1.2mmol)、及びベンゾニトリル(103mg,1.0mmol)をクロロホルム(2.5mL)に懸濁した。この懸濁液を0℃に冷却し、ここに五塩化アンチモン(599mg,2.0mmol)を滴下した。この混合物を室温で10分間撹拌した後、70℃で24時間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却し、これをアンモニア水溶液(15mL)に加えた後、室温で12時間撹拌した。この懸濁液をろ過し、得られた乳白色固体を水、次いでメタノールで洗浄した。乳白色固体を乾燥した後、クロロホルム(40mL)に懸濁し、加熱濾過した。さらに濾別した不溶部にクロロホルム(30mL)を加え、2回加熱濾過した。すべての濾液を集め、低沸点成分を減圧留去した。得られた混合物にメタノールを加え、析出した固体を濾取し、低沸点成分を減圧留去することで粗生成物(259mg)を得た。この粗生成物をHPLCにて分析したところ、以下の4種類の化合物を含んでいた。
【0199】
【0200】
化合物(9-1:収率0.1%,選択率1%。
化合物(1-2):収率22%,選択率79%。
化合物(1-287):収率3.2%,選択率13%。
化合物(1-428):収率0.1%,選択率5%。
【0201】
以上説明したように、本発明の一態様にかかるトリアジン化合物の製造方法によれば、多様な置換基様式を持つトリアジン化合物を効率よく製造することができる。また、比較例-1及び2は、実施例-1-2で合成した2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン(化合物(1-287))を目的物として、各々、非特許文献1及び特許文献1に開示された方法に従って反応を行ったものである。実施例-1-2では51%の収率で目的の化合物(1-287)が得られたのに対し、比較例-1では化合物(1-287)の収率は0.5%と極端に低かった。また、副生物が多数生成し、これら全ての生成物における化合物(1-287)の占める割合(選択率)も10%であった。比較例-2も同様に収率(3.2%)及び選択率(13%)が低いものであった。
【0202】
このように、本発明の一態様にかかるトリアジン化合物の製造方法を用いれば、有機電界発光素子に用いる電荷輸送材料の合成中間体として有用なトリアジン化合物だけでなく、有機トランジスタ、有機薄膜太陽電池、液晶ディスプレイ等に用いる種々の有機電子材料の製造への応用が期待できる。