(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-10
(45)【発行日】2022-11-18
(54)【発明の名称】高温セラミックヒータ上の集積化基板温度測定
(51)【国際特許分類】
C23C 16/52 20060101AFI20221111BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20221111BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20221111BHJP
【FI】
C23C16/52
C23C16/458
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2019560118
(86)(22)【出願日】2018-05-03
(86)【国際出願番号】 US2018030899
(87)【国際公開番号】W WO2018204651
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-05-06
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン, イチェン
(72)【発明者】
【氏名】チョードゥリー, ルパンカール
(72)【発明者】
【氏名】パンソン, ジェイ ディー., ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】シャーラー, ジェーソン エム.
(72)【発明者】
【氏名】パナヴァラッピル クマランクッティ, ハニシュ クマール
【審査官】篠原 法子
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-331457(JP,A)
【文献】特開平08-255800(JP,A)
【文献】特開2001-308024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0184028(US,A1)
【文献】特表2002-542620(JP,A)
【文献】国際公開第2015/116428(WO,A1)
【文献】米国特許第06086246(US,A)
【文献】特表2010-533863(JP,A)
【文献】特開平09-297072(JP,A)
【文献】特開平08-031919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0004990(US,A1)
【文献】米国特許第5355425(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00-16/56
C23C 14/00-14/58
H01L 21/68
H01L 21/205
H01L 21/302
H05H 1/46
G01J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持アセンブリであって、
支持シャフト、
前記支持シャフト上に配置された基板支持体、及び
前記基板支持体上に配置されるべき基板の温度を測定するための基板温度モニタリングシステムであって、
光ファイバチューブと、
前記光ファイバチューブに結合された光ガイドであって、
前記光ガイドが、少なくとも400mmの長さ及び少なくとも40mmの内径を有するサファイアチューブであり、前記光ガイドの少なくとも一部が、前記支持シャフトを通って前記基板支持体の中へと延びる開口内に配置される、光ガイドと、
前記光ファイバチューブと前記光ガイドとの接合部の周りに配置された冷却アセンブリであって、基板処理中、前記光ファイバチューブを
100℃未満の温度に維持する、冷却アセンブリと
を備えた基板温度モニタリングシステム
を備えている基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記基板温度モニタリングシステムが、
前記光ガイドの側方移動を制限することによって前記光ガイドを損傷から保護するように前記開口内に配置されたシース
をさらに備えている、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記シースが、前記支持シャフトと同じ材料を含む、請求項
2に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
前記基板支持体上に基板が配置されたとき、前記光ガイドの端部が、前記基板から1mm以内にある、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記光ファイバチューブと前記光ガイドとの前記接合部が、真空密封によって、前記開口から隔離されている、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
前記基板支持体が、基板受容面と同一平面上に又は前記基板受容面の下方に位置付けされた窓をさらに備えている、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
前記光ガイドが、前記窓から0.5mm以内に延びる、請求項
6に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
処理チャンバであって、
処理空間を画定するチャンバ本体、及び
前記処理空間内に配置された基板支持アセンブリ
を備え、
前記基板支持アセンブリが、
支持シャフトと、
前記支持シャフト上に配置された基板支持体と、
前記基板支持体上に配置されるべき基板の温度を測定するための基板温度モニタリングシステムであって、
光ファイバチューブ、
前記光ファイバチューブに結合された光ガイドであって、
前記光ガイドが、少なくとも400mmの長さ及び少なくとも40mmの内径を有するサファイアチューブであり、前記光ガイドの少なくとも一部が、前記支持シャフトを通って前記基板支持体の中へと延びる開口内に配置される、光ガイド、及び
前記光ファイバチューブと前記光ガイドとの接合部の周りに配置された冷却アセンブリであって、基板処理中、前記光ファイバチューブを
100℃未満の温度に維持する、冷却アセンブリ
を備えた基板温度モニタリングシステムと
を備えている、処理チャンバ。
【請求項9】
前記基板温度モニタリングシステムが、
前記光ガイドの側方移動を制限することによって前記光ガイドを損傷から保護するように前記開口内に配置されたシース
をさらに備えている、請求項
8に記載の処理チャンバ。
【請求項10】
前記基板支持体上に基板が配置されたとき、前記光ガイドの端部が、前記基板から1mm以内にある、請求項
8に記載の処理チャンバ。
【請求項11】
前記光ファイバチューブと前記光ガイドとの前記接合部が、真空密封によって、前記開口から隔離されている、請求項
8に記載の処理チャンバ。
【請求項12】
前記基板支持体が、基板受容面と同一平面上に又は前記基板受容面の下方に位置付けされた窓をさらに備えている、請求項
8に記載の処理チャンバ。
【請求項13】
基板を処理する方法であって、
請求項8に記載の処理チャンバの処理空間内に配置された基板支持アセンブリの基板受容面上に基板を位置付けすることと、
1つ又は複数の処理ガスを前記処理空間内に流すことと、
前記1つ又は複数の処理ガスのプラズマを形成することと、
前記基板を
110℃以上の温度に加熱することと、
光ファイバチューブを使用して、前記基板の温度を測定することと、
前記光ファイバチューブを、
100℃以下の温度に維持することと、
前記基板上に材料層を堆積することと
を含む方法。
【請求項14】
前記基板の温度を測定することが、前記光ファイバチューブによって受信した光学情報を前記処理チャンバに連結されたコントローラに伝達することを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板支持アセンブリが、
支持シャフトと、
前記支持シャフト上に配置された基板支持体と、
前記基板の温度を測定するための基板温度モニタリングシステムであって、
前記光ファイバチューブ、
前記光ファイバチューブに結合された光ガイドであって、
前記光ガイドが、少なくとも400mmの長さ及び少なくとも40mmの内径を有するサファイアチューブであり、前記光ガイドの少なくとも一部が、前記支持シャフトを通って前記基板支持体の中へと延びる開口内に配置される、光ガイド、及び
前記光ファイバチューブと前記光ガイドとの接合部の周りに配置された冷却アセンブリであって、基板処理中、前記光ファイバチューブを
100℃未満の温度に維持する、冷却アセンブリ
を備えた基板温度モニタリングシステムと
を備えている、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
前記基板が、
500℃以上の温度に加熱される、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書に記載された実施形態は、概して、プラズマ強化半導体デバイス製造処理に関し、より具体的には、プラズマ化学気相堆積(PECVD)チャンバにおいて使用される基板温度モニタリングシステム、及びこれに関する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体デバイス製造には、微小な集積回路を基板上で製作することを可能にする多くの異なる化学的且つ物理的処理が含まれる。集積回路を構成する材料層は、化学気相堆積、物理気相堆積、エピタキシャル成長などによって製作される。
【0003】
[0003]集積回路製作の際に、様々な材料層の堆積又はエッチングにプラズマ強化処理が使用されることが多い。プラズマ強化処理は、熱処理よりも多くの利点を提供する。例えば、プラズマ化学気相堆積(PECVD)は、堆積処理が、類似の熱処理で達成可能な温度及び堆積速度よりも低温及び高堆積速度で行われることを可能にする。したがって、PECVDは、非常に大規模な又は超大規模な集積回路(VLSI又はULSI)デバイス製造のためのバックエンド・オブ・ライン(BEOL)プロセスのような、厳密なサーマルバジェットが伴う集積回路製造において有利である。
【0004】
[0004]典型的に、処理チャンバ内部での基板のプラズマ強化処理の間、プラズマからのイオンが基板に衝突して、基板の望ましくない一時的温度上昇(例えば、温度スパイク)が引き起こされる。プラズマ強化チャンバ内の基板処理の間に基板温度をモニタリングする従来の方法は、典型的に、基板が配置された基板支持体の温度を測定することと、基板支持体の温度から基板の温度を推測することとに頼ってきた。残念ながら、多くのプラズマ強化処理の低圧雰囲気によって、基板と基板支持体との間の熱伝達が不十分となり、結果としてそれらの間の温度差が大きくなる。
【0005】
[0005]したがって、当該技術分野では、プラズマ強化基板処理の間、基板の温度を直接モニタリングする装置及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本明細書に記載された実施形態は、半導体デバイス製造システムにおいて使用される基板温度モニタリングシステム、具体的には、プラズマ化学気相堆積(PECVD)処理などのプラズマ強化堆積処理の間に基板の温度を直接モニタリングするための温度モニタリングシステム、及びこれに関連する方法を提供する。
【0007】
[0007]一実施形態では、基板支持アセンブリは、支持シャフト、支持シャフト上に配置された基板支持体、及び基板支持体上に配置されるべき基板の温度を測定するための基板温度モニタリングシステムを含む。基板温度モニタリングシステムは、光ファイバチューブ、光ファイバチューブに結合された光ガイド、及び光ファイバチューブと光ガイドとの接合部の周りに配置された冷却アセンブリを含む。ここでは、光ガイドの少なくとも一部は、支持シャフトを通って基板支持体の中へと延びる開口内に配置され、冷却アセンブリは、基板処理中、光ファイバチューブを約100℃未満の温度に維持する。
【0008】
[0008]別の実施形態では、処理チャンバは、処理空間を規定するチャンバ本体、及び処理空間内に配置された基板支持アセンブリを含む。基板支持アセンブリは、支持シャフト、支持シャフト上に配置された基板支持体、及び基板支持体上に配置されるべき基板の温度を測定するための基板温度モニタリングシステムを含む。基板温度モニタリングシステムは、光ファイバチューブ、光ファイバチューブに結合された光ガイド、及び光ファイバチューブと光ガイドとの接合部の周りに配置された冷却アセンブリを含む。ここでは、光ガイドの少なくとも一部は、支持シャフトを通って基板支持体の中へと延びる開口内に配置され、冷却アセンブリは、基板処理中、光ファイバチューブを約100℃未満の温度に維持する。
【0009】
[0009]別の実施形態では、基板を処理する方法は、処理チャンバの処理空間内に配置された基板支持アセンブリの基板受容面上に基板を位置付けすることと、1つ又は複数の処理ガスを処理空間内に流すことと、1つ又は複数の処理ガスのプラズマを形成することと、光ファイバチューブを使用して、基板の温度を測定することであって、基板の温度が、約110℃を越え、光ファイバチューブが、約100℃未満の温度で維持される、基板の温度を測定することと、基板上に材料層を堆積することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
[0010]本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【0011】
【
図1】一実施形態に係る、本明細書に記載された方法を実施するために使用される、例示的なプラズマ処理チャンバの概略断面図である。
【
図2A】一実施形態に係る、
図1のプラズマ処理チャンバからの基板支持アセンブリの断面図である。
【
図2B】
図2Aに示す基板支持アセンブリの一部の近接図である。
【
図3】一実施形態に係る、基板を処理する方法を示すフロー図である。
【0012】
[0015]明確性のために、適用可能である場合には、図に共通する同一の要素を示すために、同一の参照番号が使用された。さらに、一実施形態の要素を、本明細書に記載された他の実施形態で利用するために有利に適合させてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0016]本明細書に記載された実施形態は、プラズマ強化処理チャンバにおいて使用される基板温度モニタリングシステム、具体的には、プラズマ化学気相堆積(PECVD)処理などのプラズマ強化堆積処理の間に基板の温度を直接モニタリングするための温度モニタリングシステム、及びこれに関連する方法を提供する。
【0014】
[0017]従来、PECVD処理などのプラズマ強化堆積処理の間、処理されている基板の温度は、基板が配置された基板支持体の温度を測定することと、基板支持体の温度から基板の温度を推測することによって、モニタリングされてきた。残念ながら、基板温度の間接的な測定は、基板支持体と基板との間の不十分な熱伝達に起因して不正確であることが多く、又は、基板温度の変化(例えば、温度スパイク)を適時に反映しない場合がある。これは、特にPECVD処理などの処理において問題である。この場合、処理チャンバの処理空間内の低圧雰囲気により、結果として、基板支持体の誘電材料と基板との間の熱伝達が不十分になる。さらに、従来の直接基板温度測定システムは、PECVDの間に達するより高い基板温度(例えば、550℃以上)には適していない。なぜなら、その光ファイバ構成要素が、このような高温用途に耐えられないからである。したがって、本明細書に提供された実施形態は、比較的高い処理温度(例えば、約100℃を越える温度)で基板をプラズマ処理する間、基板の温度を直接モニタリングすることを可能にする。具体的には、本明細書に記載された実施形態は、基板支持アセンブリ内に配置された、又は、基板支持アセンブリを通って延在する温度モニタリングシステムを使用して、基板支持体上に配置された基板の非活性表面の温度を直接測定することを可能にする。
【0015】
[0018]
図1は、一実施形態に係る、本明細書に提示された方法を実施するために使用される、例示的なプラズマ処理チャンバの概略断面図である。本明細書に記載された方法を実施するために使用され得る、他の例示的な堆積チャンバには、Producer(登録商標)ETERNA CVD(登録商標)システム又はUltima HDP CVD(登録商標)システム(両方ともカリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から入手可能である)、並びに他の製造業者の適切な堆積チャンバが含まれる。
【0016】
[0019]処理チャンバ100は、処理空間104を画定するチャンバ本体102、処理空間104内に配置されたシャワーヘッド110、及びシャワーヘッド110に対向する処理空間104内に配置された基板支持アセンブリ120を含む。シャワーヘッド110は、シャワーヘッド110を貫通するように配置された複数の開口(図示せず)を有し、ガス源114から、処理ガスを処理空間104の中へと分配するように使用される。ここでは、シャワーヘッド110は、RF又は他のAC周波数電源などの電源118に電気的に結合される。電源118は、電力を供給し、それにより、処理ガスのプラズマ112との容量性結合を通して、プラズマ112が点火且つ維持される。他の実施形態では、処理チャンバ100は、誘導性プラズマ発生器を備えており、RF電力を処理ガスに誘導性結合することを通して、プラズマが形成される。
【0017】
[0020]ここでは、基板支持アセンブリ120は、移動可能な支持シャフト106、及び支持シャフト106上に配置され、支持シャフト106に連結された基板支持体107を含む。移動可能な支持シャフト106は、チャンバ本体102のベース壁を通って密封的に延在する(例えば、チャンバベースの下方の領域において、ベローズ(図示せず)に囲まれている等)。基板支持体107は、第1の表面、ここでは基板受容面109と、第1の表面の反対側の第2の表面111とを特徴とする。幾つかの実施形態では、基板支持体107上に配置された基板101は、電気抵抗加熱素子などのヒータ(図示せず)、及び基板支持体107内に配置された1つ又は複数の冷却チャネル(図示せず)のうちの一方又は両方を使用して、所望の処理温度で又は所望の処理温度の範囲内に維持される。典型的に、1つ又は複数の冷却チャネルは、比較的高い電気抵抗又は冷媒源を有する改質された水源などの冷却剤源(図示せず)に流体連結される。
【0018】
[0021]処理空間104は、1つ又は複数の専用真空ポンプなどの真空源126に流体連結される。真空源126は、処理空間104を準大気圧状態に維持し、そこから処理ガス及び他のガスを排気する。典型的に、リフトピンシステム(図示せず)は、ロボットハンドラーによって基板101へのアクセスを可能にすることにより、基板支持体107を出入りする基板101の移動を容易にする。基板101は、チャンバ本体102の側壁における開口(図示せず)を通して、処理空間104を出入りするように移動させられる。基板処理中、チャンバ本体102は、ドア又はバルブ(図示せず)を用いて密封される。
【0019】
[0022]ここでは、処理チャンバ100は、それに連結されたコントローラ190をさらに含む。コントローラ190には、基板処理の制御を容易にするために処理システムの様々な構成要素に連結された、メモリ194及び大容量記憶デバイスと共に動作可能なプログラム可能な中央処理装置(CPU)192、入力制御ユニット、並びにディスプレイユニット(図示せず)(例えば、電源、クロック、キャッシュ、入出力(I/O)回路、及びライナ)が含まれる。
【0020】
[0023]上述の処理チャンバ100の制御を容易にするため、CPU192は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するように、プログラム可能なロジックコントローラ(PLC)などの、産業用設定で使用できる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つであってもよい。メモリ194は、CPU192に連結されており、メモリ194は、非一過性であり、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカル若しくは遠隔のデジタルストレージなど、容易に利用可能なメモリのうちの1つ又は複数であってもよい。支持回路196は、従来の態様でプロセッサを支持するためにCPU192に連結される。処理チャンバ100の動作を制御する指令は、メモリ194内に、典型的にソフトウェアルーティンとして記憶される。さらに、ソフトウェアルーティンは、CPU192によって制御されている処理チャンバ100から遠隔に位置する第2のCPU(図示せず)によって記憶且つ/又は実行され得る。
【0021】
[0024]メモリ194は、指令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態をとっており、CPU192によって実行されると、処理チャンバ100の動作を促進する。メモリ194内の指令は、本開示の方法を実装するプログラムなどのプログラム製品の形態をとっている。プログラムコードは、数々の異なるプログラミング言語のうちの任意の1つに適合し得る。一実施例では、本開示は、コンピュータシステムと共に使用されるためのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実装され得る。プログラム製品の1つ又は複数のプログラムは、実施形態の機能(本明細書に記載された方法を含む)を規定する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、(i)情報が永久的に記憶される書込み不能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブ、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリによって読み出し可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)が含まれるが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載された方法の機能を方向付けるコンピュータ可読指令を運ぶ際には、本開示の実施形態である。
【0022】
[0025]ここでは、
図2A及び
図2Bにさらに図示且つ説明するように、処理チャンバ100は、基板支持アセンブリ120と一体化された温度モニタリングシステム124を特徴としている。
【0023】
[0026]
図2Aは、一実施形態に係る、温度モニタリングシステム124と一体化された、
図1の処理チャンバ100の基板支持アセンブリ120の概略断面図である。
図2Bは、
図2Aの近接図である。温度モニタリングシステム124は、基板支持体107上に配置された基板101の温度を直接測定するように使用される。ここでの温度モニタリングシステム124は、光ファイバチューブ212、及び光ガイド214を含む。光ファイバチューブ212は、1つ又は複数の締め具230(例えば、光ファイバチューブ212と、光ガイド214との両方が両側の端部にねじ込まれるナット)を用いて、光ガイド214に結合される。光ガイド214は、光ファイバチューブ212を基板101から遠隔に位置付けすることを可能にし、且つ、基板101に関連付けられる比較的高い基板処理温度を可能にする。ここでは、光ガイド214は、光ファイバチューブ212から発せられた赤外線(IR)ビームを、基板101の非活性表面(すなわち、基板の表面が基板支持体107と接触している表面)に向けて、支持シャフト106の長さまで誘導又は方向付けする。基板101の非活性表面によって反射した赤外線ビームは、光ガイド214を通して、光ファイバチューブ212まで戻るよう方向付けられる。別の実施形態では、光ファイバチューブ212は、受動光ファイバチューブであり、光ガイド214は、基板101から発せられたIR赤外線を受動光ファイバチューブへと送信又は誘導するように用いられる。ここでは、光ファイバチューブ212は、コントローラ190に結合される。コントローラ190は、基板101の非活性表面から発せられた又は反射した受信赤外線ビームに基づいて、基板101の温度を判断する。典型的に、光ガイド214は、サファイアチューブなどのサファイア、又は、IR光を光ファイバチューブ212から基板101の底部まで方向付けるのに適切な任意の他の材料から形成される。
【0024】
[0027]光ファイバ接合部220などの、光ファイバチューブ212と光ガイド214との接合部は、支持シャフト106に連結された冷却アセンブリ204内に配置される。冷却アセンブリ204は、温度モニタリングシステム124を基板支持アセンブリ120と統合するためのアダプタ206などの、温度モニタリングシステムアダプタ、及びアダプタ206の周りに配置された冷却ジャケット208を含む。基板処理中、冷却アセンブリ204は、光ファイバチューブ212の温度を110℃以下に維持するように使用され、これにより、幾つかの実施形態では、約550℃を越える基板処理温度からの熱エネルギーへの過剰な又は持続的な曝露による光ファイバチューブ212の損傷を防止する。
【0025】
[0028]ここでは、光ガイド214の少なくとも一部は、開口202内に配置される。開口202は、支持シャフト106を通って、少なくとも部分的に基板支持体107を通って延在する。幾つかの実施形態では、開口202は、基板支持体107を通って、例えば、その基板受容面109を通って、延在する。典型的に、冷却アセンブリ204から連続的な経路が、基板支持体107を少なくとも部分的に通り、幾つかの実施形態では、基板支持体の基板受容面109まで至るように、開口202は、冷却アセンブリ204を通ってさらに延在するか、又は部分的に通って延在する。ここでは、開口202は、光ファイバ接合部220に近接して位置するOリングのような真空密封部236によって、処理空間104の外側の大気条件から隔離される。光ファイバ接合部220は、処理空間104内の処理条件、及びそれに関連付く温度から隔離される。
【0026】
[0029]典型的に、基板101から反射した且つ/又は発せられた赤外放射線などの放射線が、光ガイド214内に受け入れられ、支持シャフト106及び/又は基板支持体107の表面などの他の表面から反射した又は発せられた放射線が、光ガイド214内に受け入れられないように、基板101に近接する光ガイド214の端部は位置付けされる。幾つかの実施形態では、光ガイド214の端部が、基板受容面109と同一平面上にあるか、又は基板受容面109の直下にあるように、光ガイド214は、光ファイバ接合部220から基板支持体107の基板受容面109へと延在する。幾つかの実施形態では、光ガイド214の端部が、基板支持体107に位置付けされた基板から、約0mmから約1mm若しくは約0mmから約0.5mm、又は約0.5mm未満だけ離間されるように、光ガイド214は、基板受容面109の約1mm以内(例えば、約0.5mm以内)まで延在する。幾つかの実施形態では、基板支持体107は、基板受容面109の下方に又は基板受容面109と同一平面上に配置された窓(図示せず)をさらに含む。光ガイド214は、窓まで延在するか、又は窓から1mm以内(例えば、0.5mm以内)まで延在する。典型的に、窓は、赤外放射線に対して透過性のある、サファイア、イットリウム、又は石英などの耐食材料から形成されている。幾つかの実施形態では、窓は、基板支持体107の基板受容面109と一体的に形成されている。光ガイド214の端部を、基板支持体107に配置された基板101の非活性表面から約1mm(例えば、約0.5mm)以内に位置付けすることにより、基板温度測定の正確性を、約250℃を越える基板温度に対しては約2℃以内まで望ましく改善する。
【0027】
[0030]幾つかの実施形態では、温度モニタリングシステム124は、保護シース(外被)222をさらに含む。保護シース222は、光ガイド214を取り囲み、その側方移動を開口202内で制限することにより、光ガイド214を損傷から保護する。典型的に、シース222は、アルミナなどの、支持シャフト106と同様の又は類似の材料から形成される。幾つかの実施形態では、光ガイド214は、少なくとも約380mm(例えば、少なくとも約400mm)の長さを有する。幾つかの実施形態では、光ガイド214は、少なくとも約40mm、少なくとも約50mm、少なくとも約60mm、例えば、少なくとも約70mm、又は少なくとも約80mmの内径を有する。
【0028】
[0031]
図3は、一実施形態に係る、基板を処理する方法を示すフロー図である。作業301では、方法300は、処理チャンバ(例えば、
図1に記載された処理チャンバ100)の処理空間内に配置された基板支持体(例えば、
図1、及び
図2A~Bに記載された基板支持体)上に基板を位置付けすることを含む。
【0029】
[0032]作業302では、方法300は、1つ又は複数の処理ガスを処理空間内に流すことを含む。典型的に、1つ又は複数の処理ガスは、1つ又は複数の材料堆積前駆体ガスを含む。1つ又は複数の材料堆積前駆体ガスは、同時に、連続的に、又はこれらの組み合わせで、処理空間内に流動する。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の処理ガスは、希釈ガス(例えば、希ガス、N2、又はこれらに組み合わせ)をさらに含む。作業303では、方法300は、処理ガスのプラズマを点火且つ維持することを含む。
【0030】
[0033]作業304では、方法300は、光ファイバチューブを使用して、基板の温度を測定することを含む。ここでは、基板の温度は、基板処理の間、約110℃に達するか、又は約110℃を越える(約150℃超、約200℃超、約250℃超、約300℃超、約350℃超、約400℃超、約450℃超、約500℃超など、例えば、約550℃超)。典型的に、光ファイバチューブは、方法300の間に損傷することを防止するため、約100℃未満の温度で維持される。
【0031】
[0034]作業305では、方法300は、基板上に材料層を堆積することを含む。ここでは、材料層は、基板の活性表面の上の又は基板の活性表面との、1つ又は複数の材料堆積前駆体ガスの反応生成物を含む。幾つかの実施形態では、方法300は、処理空間を約10Torr未満の処理圧力に維持することをさらに含む。
【0032】
[0035]幾つかの実施形態では、基板の温度を測定することは、光ファイバチューブに結合された光ガイドを通して、基板の非活性表面から発せられた且つ/又は反射したIR放射線を方向付けることを含む。幾つかの実施形態では、光ファイバチューブを約100℃未満の温度に維持することは、光ガイドと光ファイバチューブとの接合部を約100℃未満の温度に維持することを含む。幾つかの実施形態では、方法300は、光ファイバチューブから赤外線ビームを発して、光ガイドを通して、赤外線ビームを基板の非活性表面に向けて方向付けることをさらに含む。
【0033】
[0036]幾つかの実施形態では、基板の温度を測定することは、基板によって反射した且つ/又は発せられた赤外放射線などの、光ファイバチューブによって受信した光学情報を処理チャンバに連結されたコントローラに伝達することを含む。幾つかの実施形態では、当該方法は、基板の温度をモニタリングすることと、それに基づいて、1つ又は複数の基板処理条件を変更することとをさらに含む。例えば、幾つかの実施形態では、当該方法は、基板の温度が閾値を超えたと判断したことに応答して、1つ又は複数の基板処理条件を変更することを含む。幾つかの実施形態では、閾値とは、典型的な平均基板処理温度の約20%超、典型的な平均基板処理温度の約30%超、又は基板温度の望ましくないスパイクを示すその他の閾値など、スパイクを示す温度の上昇率である。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の処理条件を変更することは、処理ガス流量、基板処理時間、処理空間の処理圧力、基板支持体の温度、シャワーヘッドに供給される電力、基板の処理停止、基板の新しい処理シーケンスの開始のうちの1つ、又はこれらの組み合わせを変更することを含む。幾つかの実施形態では、基板の温度をモニタリングすることは、例えば、統計的分析又は統計的処理制御(SPC)目的のため、システムコントローラ又はこれと通信するファブレベルソフトウェア(fab level software)に記憶され得る基板温度情報を収集することを含む。幾つかの実施形態では、当該方法は、所望のユーザに制御不能事象を伝達するように設計された任意の形態のアラート(視覚的及び聴覚的アラームを含む)を使用して、基板の温度が閾値を超えるなどの制御不能事象をユーザに警告することをさらに含む。
【0034】
[0037]本明細書に記載された実施形態は、PECVD処理に関連付けられた温度処理環境(550℃以上の温度など)において、基板温度の直接的な測定且つモニタリングを提供する。基板温度の直接モニタリングは、有益には、改善された処理制御方法を可能ならしめ、且つ、安定的で反復可能な処理システム性能を確保するために使用され得るデータを提供する。
【0035】
[0038]以上の説明は、特定の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱せずに、他の実施形態及びさらなる実施形態を考案してもよく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。