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特許7175967一体型サーマルチョークによる高温RF接続
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-11
(45)【発行日】2022-11-21
(54)【発明の名称】一体型サーマルチョークによる高温RF接続
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20221114BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20221114BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20221114BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20221114BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/68 N
H01L21/205
C23C16/44 B
C23C16/505
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020512665
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018049267
(87)【国際公開番号】W WO2019050809
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】15/696,068
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ティモシー・エス.
(72)【発明者】
【氏名】バーカート・ビンス
(72)【発明者】
【氏名】ホリングスワース・ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】スレビン・ダミエン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-509989(JP,A)
【文献】特開2000-188321(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0040148(US,A1)
【文献】特開2016-058670(JP,A)
【文献】特表2011-525719(JP,A)
【文献】特開2008-198975(JP,A)
【文献】特開2005-042150(JP,A)
【文献】特開2009-212296(JP,A)
【文献】特開2008-218181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/683
H01L 21/205
C23C 16/44
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)源をプラズマ処理システムの基板支持体に接続する際に使用するためのサーマルチョークロッドであって、
前記基板支持体に結合されるRFロッドに接続するための第1のコネクタおよび前記RF源に結合するRFストラップに接続するための第2のコネクタを有する管状部材と、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延び、内径を有する管状セグメントとを備え、前記第1のコネクタは、前記管状セグメントの内面に連続する内面を有し、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの前記内面から前記第1のコネクタの外面へと前記管状セグメントに向かう方向にテーパ状である円錐形状の端部領域を有し、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの終端からあらかじめ定められた距離に沿って前記第1のコネクタの壁厚を貫通する複数のスリットを有し、前記管状セグメントの外面は、前記第1のコネクタに近接するねじ領域を有しており、前記ねじ領域は、環状キャップとねじ係合するためのものであり、前記環状キャップは、前記第1のコネクタ上に嵌合するように構成され、かつ、前記第1のコネクタの前記円錐形状の端部領域との接触時に前記第1のコネクタの内径を減少させるように構成される、
サーマルチョークロッド。
【請求項2】
請求項1に記載のサーマルチョークロッドであって、
前記環状キャップは、前記第1のコネクタに近接する前記ねじ領域とねじ係合するための内側ねじ領域、および前記第1のコネクタの前記円錐形状の端部領域と合わさるように構成される内側テーパ壁を有する、サーマルチョークロッド。
【請求項3】
請求項1に記載のサーマルチョークロッドであって、
前記第2のコネクタは、内側ねじ領域を有し、前記サーマルチョークロッドは、前記RFストラップを前記サーマルチョークロッドの前記第2のコネクタに接続するように構成されるねじ式機械的締結具をさらに含む、サーマルチョークロッド。
【請求項4】
請求項3に記載のサーマルチョークロッドであって、
前記ねじ式機械的締結具は、ボルトまたは小ねじのいずれかである、サーマルチョークロッド。
【請求項5】
請求項1に記載のサーマルチョークロッドであって、
前記サーマルチョークロッドは、低い熱伝導率を有する基材で形成され、前記基材は、高導電性材料でめっきされる、サーマルチョークロッド。
【請求項6】
請求項5に記載のサーマルチョークロッドであって、
低い熱伝導率を有する前記基材は、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金を含み、前記基材上にめっきされた前記高導電性材料は、金を含む、サーマルチョークロッド。
【請求項7】
プラズマ処理チャンバに接続された第1の端部および無線周波数(RF)源からRF信号を受信するための第2の端部を有するRF入力ロッドと、
第1のコネクタと、第2のコネクタと、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる管状セグメントとを有するサーマルチョークロッドであって、前記第1のコネクタは、前記管状セグメントの内面に連続する内面を有し、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの前記内面から前記第1のコネクタの外面へと前記管状セグメントに向かう方向にテーパ状である円錐形状の端部領域を有し、前記第1のコネクタは、前記第1のコネクタの終端からあらかじめ定められた距離に沿って前記第1のコネクタの壁厚を貫通する複数のスリットを有し、前記管状セグメントの外面は、前記第1のコネクタに近接するねじ領域を有し、前記第1のコネクタは、前記RF入力ロッドの前記第2の端部を受容するように構成され、前記第2のコネクタは、RFストラップに接続するように構成され、環状キャップは、前記第1のコネクタ上に嵌合するように構成され、かつ、前記第1のコネクタの前記円錐形状の端部領域との接触時に前記第1のコネクタの内径を減少させるように構成されるサーマルチョークロッドと、
前記RFストラップに結合されたRF源と
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載のプラズマ処理システムであって、
前記プラズマ処理チャンバは、処理領域を含み、
前記プラズマ処理システムは、前記チャンバ内で前記処理領域の下に配置された基板支持体をさらに備え、前記RF入力ロッドは、前記基板支持体に結合される、プラズマ処理システム。
【請求項9】
請求項7に記載のプラズマ処理システムであって、
前記環状キャップは、前記第1のコネクタに近接する前記ねじ領域とねじ係合するための内側ねじ領域、および前記第1のコネクタの前記円錐形状の端部領域と合わさるように構成される内側テーパ壁を有する、プラズマ処理システム。
【請求項10】
請求項7に記載のプラズマ処理システムであって、
前記第2のコネクタは、内側ねじ領域を有し、前記サーマルチョークロッドは、前記RFストラップを前記サーマルチョークロッドの前記第2のコネクタに接続するように構成されるねじ式機械的締結具をさらに含む、プラズマ処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、
前記ねじ式機械的締結具は、ボルトまたは小ねじのいずれかである、プラズマ処理システム。
【請求項12】
請求項7に記載のプラズマ処理システムであって、
前記サーマルチョークロッドは、低い熱伝導率を有する基材で形成され、前記基材は、高導電性材料でめっきされる、プラズマ処理システム。
【請求項13】
請求項12に記載のプラズマ処理システムであって、
低い熱伝導率を有する前記基材は、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金を含み、前記基材上にめっきされた前記高導電性材料は、金を含む、プラズマ処理システム。
【請求項14】
無線周波数(RF)源をプラズマ処理チャンバに接続するための方法であって、
第1のコネクタと、第2のコネクタと、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる管状セグメントとを有するサーマルチョークロッドを準備することであって、前記第1のコネクタは、前記管状セグメントの内面に連続する内面を有することと、
無線周波数(RF)入力ロッドの第1の端部を前記サーマルチョークロッドの前記第1のコネクタに挿入し、前記RF入力ロッドの前記第1の端部を前記サーマルチョークロッド内のあらかじめ定められた場所に位置決めすることであって、前記RF入力ロッドは、プラズマ処理チャンバに結合される第2の端部を有することと、
前記第1のコネクタを圧縮して前記第1のコネクタの内径を減少させ、前記第1のコネクタの内面を前記RF入力ロッドの外面に接触させて押し付け、前記RF入力ロッドに機械的に固定することと、
無線周波数(RF)ストラップを前記サーマルチョークロッドの前記第2のコネクタに取り付けることであって、前記RFストラップは、RF源に結合されることと
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記サーマルチョークロッドを準備することは、低い熱伝導率を有する基材を含むサーマルチョークロッドを準備することを含み、前記基材は、高導電性材料でめっきされる、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
低い熱伝導率を有する前記基材は、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金を含み、前記基材上にめっきされた前記高導電性材料は、金を含む、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、
前記第1のコネクタの内径を減少させるために前記第1のコネクタを圧縮することは、前記第1のコネクタの端部領域に設けられたテーパ面を、前記第1のコネクタの前記端部領域に設けられた前記テーパ面と合わさるように構成されるテーパ面と接触させることを含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記第1のコネクタの前記端部領域に設けられた前記テーパ面と合わさるように構成される前記テーパ面は、前記第1のコネクタ上に嵌合するように構成された環状キャップの内面である、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、
前記RF入力ロッドの前記第1の端部が位置決めされる前記サーマルチョークロッド内の前記あらかじめ定められた場所は、前記第1のコネクタと、前記管状セグメントの一部とを含む、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であって、
前記RFストラップを前記サーマルチョークロッドの前記第2のコネクタに取り付けることは、機械的締結具を前記サーマルチョークロッドの前記第2のコネクタに取り付けることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
最新世代のプラズマCVD(PECVD)プロセスでは、高周波電力の増加が必要である。この増加した電力要件は、既存の電気コネクタおよび導体の限界を超えている。高い周囲温度、ならびに導体および接続を流れる電流による加熱により、一般的に使用されている構成要素の能力を超える温度条件が発生する。
【0002】
一部の現在のPECVDプロセスの電気接続は、ねじ山および予圧されたばね座金を使用している。ねじ式電気接続の制限の1つは、ねじによって提供される電気的接触部分が不十分で機器間で一定のレベルを保ち得ないことである。これにより、接続のさらなる電気的な抵抗加熱が引き起こされる。ねじ式電気接続のもう1つの制限は、無線周波数(RF)台座ロッドのねじが非常に脆く、ごく軽いトルクで締め付ける必要があり、そうでなければねじが破損してしまうことである。この軽いトルクでは、高電力の電気接続に必要な電気的接触を提供することができない。
【0003】
他の市販の電気コネクタは、電気的接触を行うためにばね力に依存している。これらのコネクタは、摂氏約150~200度までの温度で使用することができる。高周波電力の増加を必要とするPECVDプロセスでは、通常はセラミック台座を使用するため、電気コネクタが機能しなければならない環境は、摂氏300~350度の範囲となり得る。
【0004】
実施形態はこのような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0005】
例示的な実施形態では、無線周波数(RF)源をプラズマ処理システムの基板支持体に接続する際に使用するためのサーマルチョークロッドは、基板支持体に結合されるRFロッドに接続するための第1のコネクタおよびRF源に結合するRFストラップに接続するための第2のコネクタを有する管状部材を含む。管状セグメントは、内径を有し、第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる。第1のコネクタは、管状セグメントの内面に連続する内面を有し、第1のコネクタは、第1のコネクタの内面から第1のコネクタの外面へと管状セグメントに向かう方向にテーパ状である円錐形状の端部領域を有する。第1のコネクタは、第1のコネクタの終端から所定の距離に沿って第1のコネクタの壁厚を貫通する複数のスリットを有する。管状セグメントの外面は、第1のコネクタに近接するねじ領域を有しており、前記ねじ領域は、環状キャップとねじ係合するためのものであり、前記環状キャップは、第1のコネクタ上に嵌合するように構成され、かつ、第1のコネクタの円錐形状の端部領域との接触時に第1のコネクタの内径を減少させるように構成される。
【0006】
一実施形態では、環状キャップは、第1のコネクタに近接するねじ領域とねじ係合するための内側ねじ領域、および第1のコネクタの円錐形状の端部領域と合わさるように構成される内側テーパ壁を有する。一実施形態では、第2のコネクタは、内側ねじ領域を有し、サーマルチョークロッドは、RFストラップをサーマルチョークロッドの第2のコネクタに接続するように構成されるねじ式機械的締結具をさらに含む。一実施形態では、ねじ式機械的締結具は、ボルトまたは小ねじのいずれかである。
【0007】
一実施形態では、サーマルチョークロッドは、低い熱伝導率を有する基材で形成され、基材は、高導電性材料でめっきされる。一実施形態では、低い熱伝導率を有する基材は、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金を含み、基材上にめっきされた高導電性材料は、金を含む。
【0008】
別の例示的な実施形態では、プラズマ処理システムが提供される。プラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバに接続された第1の端部および無線周波数(RF)源からRF信号を受信するための第2の端部を有するRF入力ロッドを含む。前記システムはまた、第1のコネクタと、第2のコネクタと、これら第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる管状セグメントとを有するサーマルチョークロッドを含む。第1のコネクタは、管状セグメントの内面に連続する内面を有する。さらに、第1のコネクタは、第1のコネクタの内面から第1のコネクタの外面へと管状セグメントに向かう方向にテーパ状である円錐形状の端部領域を有する。第1のコネクタはまた、第1のコネクタの終端から所定の距離に沿って第1のコネクタの壁厚を貫通する複数のスリットを有する。管状セグメントの外面は、第1のコネクタに近接するねじ領域を有する。第1のコネクタは、RF入力ロッドの第2の端部を受容するように構成され、第2のコネクタは、RFストラップに接続するように構成される。環状キャップは、第1のコネクタ上に嵌合するように構成され、かつ、第1のコネクタの円錐形状の端部領域との接触時に第1のコネクタの内径を減少させるように構成される。前記システムはまた、RFストラップに結合されたRF源を含む。
【0009】
一実施形態では、プラズマ処理チャンバは、処理領域を含み、プラズマ処理システムは、チャンバ内で処理領域の下に配置された基板支持体をさらに含む。この実施形態では、RF入力ロッドは、基板支持体に結合される。
【0010】
一実施形態では、環状キャップは、第1のコネクタに近接するねじ領域とねじ係合するための内側ねじ領域、および第1のコネクタの円錐形状の端部領域と合わさるように構成される内側テーパ壁を有する。一実施形態では、第2のコネクタは、内側ねじ領域を有し、サーマルチョークロッドは、RFストラップをサーマルチョークロッドの第2のコネクタに接続するように構成されるねじ式機械的締結具をさらに含む。一実施形態では、ねじ式機械的締結具は、ボルトまたは小ねじのいずれかである。
【0011】
一実施形態では、サーマルチョークロッドは、低い熱伝導率を有する基材で形成され、基材は、高導電性材料でめっきされる。一実施形態では、低い熱伝導率を有する基材は、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金を含み、基材上にめっきされた高導電性材料は、金を含む。
【0012】
さらに別の例示的な実施形態では、無線周波数(RF)源をプラズマ処理チャンバに接続するための方法が提供される。前記方法は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、これら第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる管状セグメントとを有するサーマルチョークロッドを準備することを含み、第1のコネクタは、管状セグメントの内面に連続する内面を有する。前記方法はまた、無線周波数(RF)入力ロッドの第1の端部をサーマルチョークロッドの第1のコネクタに挿入し、RF入力ロッドの第1の端部をサーマルチョークロッド内の所定の場所に位置決めすることを含み、RF入力ロッドは、プラズマ処理チャンバに結合される第2の端部を有する。さらに、前記方法は、第1のコネクタを圧縮して第1のコネクタの内径を減少させ、第1のコネクタの内面をRF入力ロッドの外面に接触させて押し付け、RF入力ロッドに機械的に固定することを含む。前記方法はまた、無線周波数(RF)ストラップをサーマルチョークロッドの第2のコネクタに取り付けることを含み、RFストラップは、RF源に結合される。
【0013】
一実施形態では、サーマルチョークロッドを準備することは、低い熱伝導率を有する基材を含むサーマルチョークロッドを準備することを含み、基材は、高導電性材料でめっきされる。一実施形態では、低い熱伝導率を有する基材は、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金を含み、基材上にめっきされた高導電性材料は、金を含む。
【0014】
一実施形態では、第1のコネクタの内径を減少させるために第1のコネクタを圧縮することは、第1のコネクタの端部領域に設けられたテーパ面を、第1のコネクタの端部領域に設けられたテーパ面と合わさるように構成されるテーパ面と接触させることを含む。一実施形態では、第1のコネクタの端部領域に設けられたテーパ面と合わさるように構成されるテーパ面は、第1のコネクタ上に嵌合するように構成された環状キャップの内面である。
【0015】
一実施形態では、RF入力ロッドの第1の端部が位置決めされるサーマルチョークロッド内の所定の場所は、第1のコネクタと、管状セグメントの一部とを含む。一実施形態では、RFストラップをサーマルチョークロッドの第2のコネクタに取り付けることは、機械的締結具をサーマルチョークロッドの第2のコネクタに取り付けることを含む。
【0016】
本明細書における開示の他の態様および利点は、本開示の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施形態による、堆積動作に使用されるプラズマ処理システムを示す簡略化された概略断面図である。
【0018】
図2図2は、一実施形態による、RF入力ロッドに接続されるプロセスにおけるサーマルチョークロッドの断面図である。
【0019】
図3A図3Aは、一実施形態による、サーマルチョークロッドをRF入力ロッドに接続するプロセスを示す拡大断面図である。
図3B図3Bは、一実施形態による、サーマルチョークロッドをRF入力ロッドに接続するプロセスを示す拡大断面図である。
【0020】
図4A図4Aは、一実施形態による、サーマルチョークロッドの部分斜視図である。
【0021】
図4B図4Bは、別の実施形態による、サーマルチョークロッドの部分斜視図である。
【0022】
図5図5は、一実施形態による、サーマルチョークロッドに接続されたRF入力ロッドを示す切り欠き斜視図である。
【0023】
図6図6は、例示的な実施形態による、無線周波数(RF)源をプラズマ処理チャンバに接続する際に実施される方法動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、例示的な実施形態は、これらの具体的な詳細の一部がなくても実施され得ることが当業者には明らかであろう。他の例では、プロセスの動作および実施態様の詳細が既に周知である場合、詳細な説明はしていない。
【0025】
本発明の実施形態は、無線周波数(RF)入力ロッドをRF源に電気的に接続するための強力なクランプ力を提供するコレット接続を有するサーマルチョークロッドを提供する。サーマルチョークロッドはまた、台座および電流抵抗加熱によって生成される高熱を、上流に位置する敏感な電気的構成要素から隔離する役割も果たす。この熱的機能性は、低い熱伝導率および耐高温能力を有する基材からサーマルチョークロッドを形成することによって実現される。電力の伝導に必要な導電性をサーマルチョークロッドに与えるために、基材は高導電性材料と併せて使用され、一実施形態では、高導電性材料が基材上にめっきされる。
【0026】
図1は、一実施形態による、堆積動作に使用されるプラズマ処理システムを示す簡略化された概略断面図である。プラズマ処理システム100は、チャンバ102を含んでおり、このチャンバ102内に、プロセスガスが流れることができる複数の開口部104aを有するガス分配シャワーヘッド104、および基板支持体106が配置される。チャンバ102は、シャワーヘッド104と基板支持体106との間に位置する処理領域108を有する。プラズマCVD(PECVD)プロセスの場合、基板支持体106は、堆積中に基板(例えば、ウエハ)を支持するための台座とすることができる。基板支持体106内には基板を加熱するためのヒータ110が設けられており、各ヒータは、交流(AC)発生器に結合される。無線周波数(RF)入力ロッド114の一方の端部は、基板支持体106に結合され、基板支持体の一部(例えば、台座)を形成する電極にRF電力を提供する。RF入力ロッド114の他方の端部は、環状キャップ116aを含むサーマルチョークロッド116に接続される。サーマルチョークロッドについては、後ほど、図2図3A図3B図4A図4B、および図5を参照してさらに詳細に説明する。
【0027】
サーマルチョークロッド116には、無線周波数(RF)ストラップ118も接続される。RFストラップ118は、適切なワイヤコネクタを介してインピーダンス整合ネットワーク120に結合される。1つまたは複数のRF発生器を含む無線周波数(RF)発生器システム122は、適切なワイヤコネクタを介してインピーダンス整合ネットワーク120に結合される。動作中、RF発生器システム122は、インピーダンス整合ネットワーク120の入力に送信されるRF信号を生成する。インピーダンス整合ネットワーク120は、整合ネットワークの出力に結合された負荷のインピーダンスを整合ネットワークの入力に結合されたソースのインピーダンスと整合させ、修正RF信号を生成する。修正RF信号は、インピーダンス整合ネットワーク120からワイヤコネクタおよびRFストラップ118を介してサーマルチョークロッド116に送信される。次いで修正RF信号(RF電流)は、その大部分がサーマルチョークロッド116の外面に沿って伝導され、図2図3A、および図3Bを参照して以下でより詳細に説明されるように、サーマルチョークロッドがRF入力ロッドと接触する場所で形成された電気接続を介してRF入力ロッド114に送信される。
【0028】
図2は、一実施形態による、RF入力ロッドに接続されるプロセスにおけるサーマルチョークロッドの断面図である。図2に示すように、サーマルチョークロッド116は、第1のコネクタ116-1と、第2のコネクタ116-2と、これら第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる管状セグメント116xとを含む。管状セグメント116xは、内径を有する。一実施形態では、内径は、約0.125インチ(3.175mm)~約0.156インチ(3.962mm)の範囲にある。本明細書で使用する場合、「約」および「およそ」という用語は、指定されたパラメータが妥当な公差内(例えば、±20%)で変動する可能性があることを意味する。第1のコネクタ116-1の内面は、管状セグメント116xの内面に連続する。一実施形態では、第1のコネクタ116-1の内径は、管状セグメント116xの内径よりも小さい。これは、厳しい公差で局所的に機械加工された部分を界面領域内に設けることを可能にし、また、以下でより詳細に説明するように、サーマルチョークロッドがRF入力ロッド上に完全に摺動されたときを知らせる段差を提供する。第1のコネクタ116-1の壁厚は、管状セグメント116xの壁厚よりも小さくする。一実施形態では、管状セグメント116xの壁厚は、およそ0.250インチ(6.35mm)であり、第1のコネクタ116-1の壁厚は、およそ0.205インチ(5.207mm)である。第1のコネクタ116-1の壁厚を小さくすることにより、圧縮力を与えて第1のコネクタの内径を減少させることが可能となる。この点については、以下でより詳細に説明する。
【0029】
第1のコネクタ116-1の端部領域は、第1のコネクタの内面から第1のコネクタの外面へと管状セグメント116xに向かう方向にテーパ状である円錐形状を有する。一実施形態では、円錐形状の端部領域の表面116-1zは、水平基準線に対して約10度~約30度の角度で配置される。環状キャップ116aとのねじ係合を可能にするために、管状セグメント116xの外面には、第1のコネクタ116-1に近接して、またはその近くにねじ領域116x-1が設けられる。図2の例では、ねじ領域116x-1は、第1のコネクタ116-1に隣接している。他の実施形態では、ねじ領域116x-1を第1のコネクタ116-1から所定の距離だけ離間させることができる。
【0030】
環状キャップ116aは、第1のコネクタ116-1上に嵌合し、その内径を減少させて第1のコネクタとRF入力ロッド114との間に強固な接続を形成するように構成される。環状キャップ116aは、管状セグメント116xの外面のねじ領域116x-1とねじ係合するための内側ねじ領域116a-1を有する。環状キャップ116aはまた、第1のコネクタ116-1の円錐形状の端部領域の表面116-1zと合わさるように構成される内側テーパ壁116a-wを有する。一実施形態では、内側テーパ壁116a-wは、水平基準線に対して約10度~約30度の角度で配置される。
【0031】
RF入力ロッド114をサーマルチョークロッド116に接続するため、環状キャップがサーマルチョークロッドから分離されているか、または第1のコネクタ116-1上に緩くねじ付けられている間に、RF入力ロッドが環状キャップ116aの中央開口部を通して挿入される。次に、RF入力ロッド114の端部が第1のコネクタ116-1に挿入され、サーマルチョークロッド内の所定の場所に位置決めされる。図2に示す例では、RF入力ロッド114の端部の所定の場所は、第1のコネクタ116-1と、管状セグメント116xの一部とを含む。一実施形態では、RF入力ロッド114の端部の外径に段差114aがあり、管状セグメント116xの内径に段差116x-2がある。この実施形態では、段差116x-2は、RF入力ロッド114の挿入深さについての位置決めストッパとして作用する。RF入力ロッド114がサーマルチョークロッド116内の所定の場所に配置された状態で、環状キャップ116aは次に、管状セグメント116xの外面のねじ領域116x-1にねじ付けられる。環状キャップ116aが初期係合位置から完全係合位置に移動すると、環状キャップの内側テーパ壁116a-wは、第1のコネクタ116-1の円錐形状の端部領域の表面116-1zと接触する。この接触により、第1のコネクタの内径を減少させる圧縮力が第1のコネクタ116-1に及ぼされる。第1のコネクタ116-1の内径が減少すると、第1のコネクタの内面の一部がRF入力ロッド114の外面に接触して押し付けられ、第1のコネクタをRF入力ロッドに機械的に固定する。RF入力ロッドをサーマルチョークロッドに接続するプロセスについては、後ほど、図3A図3B図5、および図6を参照してさらに詳細に説明する。
【0032】
図2を引き続き参照すると、第2のコネクタ116-2は、ねじ式機械的締結具116bとねじ係合するための内側ねじ領域116-2yを有する。ねじ式機械的締結具116bは、例えば、ボルトまたは小ねじなどの任意の適切な締結具とすることができる。RFストラップ118は、ねじ式機械的締結具116bをRFストラップの開口部を通して挿入し、次にこの締結具をねじ領域116-2yの完全係合位置にねじ込んでRFストラップを第2のコネクタに強固に取り付けることによって、サーマルチョークロッド116の第2のコネクタ116-2に取り付けることができる。
【0033】
図3Aおよび図3Bは、一実施形態による、サーマルチョークロッドをRF入力ロッドに接続するプロセスを示す拡大断面図である。図3Aは、環状キャップが完全係合位置に達する前の第1のコネクタ116-1、環状キャップ116a、およびRF入力ロッド114の相対位置を示す。図3Aに示すように、環状キャップ116aの内側テーパ壁116a-wは、第1のコネクタ116-1の円錐形状の端部領域の表面116-1zとまだ接触していない。この状態では、RF入力ロッド114の外面と第1のコネクタ116-1の内面との間にギャップG1が存在する。図3Bは、環状キャップが完全係合位置に達した後の第1のコネクタ116-1、環状キャップ116a、およびRF入力ロッド114の相対位置を示す。図3Bに示すように、環状キャップ116aは、図3Aに示す環状キャップの位置に対して第1のコネクタ116-1に向かう方向に(すなわち、ページの右から左に)距離Xだけ動かされ、完全係合位置まで移動される。完全係合位置において、内側テーパ壁116a-wは、第1のコネクタ116-1の円錐形状の端部領域の表面116-1zと接触し、圧縮力を第1のコネクタに及ぼす。この圧縮力は、第1のコネクタ116-1の内径を減少させ、第1のコネクタの内面の一部をRF入力ロッド114の外面に接触させて押し付ける。図3Bに示す実施形態において、第1のコネクタ116-1の内面とRF入力ロッド114の外面が押し付けられて接触する領域をCR1とする。この接触領域CR1では、第1のコネクタの内面とRF入力ロッドの外面との間にギャップが存在しない。そのため、図3Bに示すように、G2はゼロに等しい。
【0034】
第1のコネクタ116-1の内面とRF入力ロッド114の外面が押し付けられて接触する接触領域の長さは、第1のコネクタの円錐形状の端部領域のサイズおよび形状を変更し、この変更に対応して環状キャップ116aの内側テーパ壁116a-wの角度を変更することによって変えることができる。したがって、他の実施形態では、接触領域の長さを図3Bに示す接触領域CR1の長さよりも長くすることができる。例えば、図3Bに示す接触領域CR2は、第1のコネクタ116-1の円錐形状の端部領域を超えて延びている。
【0035】
図4Aは、一実施形態によるサーマルチョークロッドの部分斜視図である。図4Aに示すサーマルチョークロッド116の部分は、管状セグメント116xと、第1のコネクタ116-1とを含む。説明を簡単にするために、図4Aでは、管状セグメント116xの外面のねじ部分116x-1が省略されている。図4Aの実施形態では、複数のスリット140が第1のコネクタ116-1に形成され、軸方向フィンガ116-11、116-12、116-13、および116-14を画定する。スリット140は、第1のコネクタ116-1の長さにわたって形成されるが、スリットの長さは、図4Bを参照して以下で説明されるように変更可能である。環状キャップがサーマルチョークロッドに取り付けられるとき、軸方向フィンガ116-11、116-12、116-13、および116-14は上述した方法で半径方向に圧縮され、RF入力ロッドが第1のコネクタと共に配置されるときにRF入力ロッドに対して強力なクランプ力を及ぼす。このようにして、第1のコネクタの軸方向フィンガは、サーマルチョークロッド内にRF入力ロッドをしっかりと保持するコレットとして機能する。軸方向フィンガの半径方向の圧縮によって提供される強力なクランプ力により、サーマルチョークロッドの第1のコネクタとRF入力ロッドとの間の電気的接触が改善される。
【0036】
図4Bは、別の実施形態によるサーマルチョークロッドの部分斜視図である。図4Bに示すサーマルチョークロッド116の部分は、管状セグメント116xと、第1のコネクタ116-1とを含む。説明を簡単にするために、図4Bでは、管状セグメント116xの外面のねじ部分116x-1が省略されている。図4Bに示す実施形態は、第1のコネクタに形成されたスリットの長さを除いて、図4Aに示す実施形態と同じである。図4Bに示すように、スリット140’は、第1のコネクタ116-1の長さの一部にわたって形成されており、図4Aに示すように第1のコネクタの長さにわたって形成されるのではない。一実施形態では、スリット140’は、第1のコネクタ116-1の長さの約4分の1(25%)~約3分の1(33%)にわたって形成される。他の実施形態では、スリット140’を、より長い距離(例えば、第1のコネクタの長さの約40%、50%、60%など)、またはより短い距離(例えば、第1のコネクタの長さの約10%、20%など)にわたって形成することができる。第1のコネクタ116-1に形成されたスリット140’は、環状キャップがサーマルチョークロッドに取り付けられるときに軸方向フィンガ116-11、116-12、116-13、および116-14がRF入力ロッドに対して半径方向に圧縮可能となる十分な長さにわたって形成される必要がある。一方、スリットの長さは長すぎるべきではなく、スリットによって画定された軸方向フィンガがサーマルチョークロッドの寿命を制限する可能性のある屈曲または他の変形を起こしやすくなるほど長くてはいけない。
【0037】
図5は、一実施形態による、サーマルチョークロッドに接続されたRF入力ロッドを示す切り欠き斜視図である。図5に示すように、RF入力ロッド114は、RF入力ロッドの端部が管状セグメント116x内に位置するように、環状キャップ116aの環状開口部を通ってサーマルチョークロッド116内に延びている。環状キャップ116aが第1のコネクタ116-1上に嵌合され、内側ねじ領域116a-1が管状セグメント116xの外面のねじ領域116x-1とねじ係合されると、環状キャップは完全係合位置にある。環状キャップ116aが完全係合位置にあるとき、内側テーパ壁116a-wは、第1のコネクタ116-1の円錐形状の端部領域の表面116-1zと接触し、圧縮力を第1のコネクタに及ぼす。この圧縮力により、図3Aおよび図3Bを参照して上述したように、第1のコネクタ116-1の内面の一部をRF入力ロッド114の外面に接触させて押し付ける。第1のコネクタ116-1の半径方向の圧縮によって提供される強力なクランプ力により、サーマルチョークロッド116の第1のコネクタとRF入力ロッド114との間の電気的接触が改善される。
【0038】
図5の左側に示す括弧は、サーマルチョークロッド116の様々なセクションを示している。これらのセクションは、第1のコネクタ116-1と、第2のコネクタ116-2と、これら第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる管状セグメント116xとを含む。第2のコネクタ116-2は、RFストラップを第2のコネクタに固定するねじ式機械的締結具(例えば、図2に示すねじ式機械的締結具116b参照)とねじ係合するための内側ねじ領域116-2yを含む。
【0039】
RF入力ロッドとの電気的接触の改善に加えて、サーマルチョークロッドはまた、台座および電流抵抗加熱によって生成される高熱を、上流に位置する敏感な電気的構成要素から隔離する役割も果たす。この熱的機能性は、低い熱伝導率を有し、高温に耐えることが可能な基材からサーマルチョークロッドを形成することによって実現される。一実施形態では、低い熱伝導率を有する基材は、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金で形成される。これらの材料の例は、タイプ316Lステンレス鋼、ならびにINCONEL(登録商標)、HAYNES(登録商標)、およびHASTELLOY(登録商標)の商品名で市販されている超合金を含む。一実施形態では、基材は、RF入力ロッドの熱機械的性質(例えば、熱膨張係数)に一致するように選ばれる。熱膨張係数を一致させることによって、サーマルチョークロッドとRF入力ロッドとの接続が高温時に緩む危険性が最小限に抑えられる。熱伝達をさらに低減するために、サーマルチョークロッドは、構成要素の断面積を最小限に抑えるように構成される。
【0040】
電力供給に一般的に使用される導電性構成要素は、熱伝導性も高い。電力の伝導に必要な導電性をサーマルチョークロッドに与えるために、基材は、高導電性材料(例えば、金)と併せて使用される。一実施形態では、高導電性材料は、基材上にめっきされる。RF電流は主に導体の表面で伝導されるため、めっき材料を使用すると、基材の望ましい熱性質を維持しながら、必要なRF伝導性がサーマルチョークロッドに与えられる。耐高温能力に関しては、基材は非常に高温に耐えることができるため、導電性めっきが制限要因である。金の導電性めっきは、摂氏約400度までの高温に耐えることができると考えられており、これは、サーマルチョークロッドが高周波電力環境でセラミック台座と併せて使用されるときに機能する必要がある摂氏300~350度の温度範囲を超える。
【0041】
図6は、例示的な実施形態による、無線周波数(RF)源をプラズマ処理チャンバに接続する際に実施される方法動作を示す流れ図である。動作600では、第1のコネクタと、第2のコネクタと、これら第1のコネクタおよび第2のコネクタの間に延びる管状セグメントとを有するサーマルチョークロッドが設けられる。一実施形態では、サーマルチョークロッドは、例えば、図2に示すサーマルチョークロッド116の構成を有する。一実施形態では、サーマルチョークロッドは低い熱伝導率を有する基材で形成され、基材が高導電性材料でめっきされる。一例として、低い熱伝導率を有する基材は、上述のように、ステンレス鋼またはニッケルクロム基超合金を含むことができる。一実施形態では、基材上にめっきされる高導電性材料は、金を含む。
【0042】
動作602では、RF入力ロッドの第1の端部は、サーマルチョークロッドの第1のコネクタに挿入され、サーマルチョークロッド内の所定の場所に位置決めされる。RF入力ロッドの第2の端部は、プラズマ処理チャンバ(例えば、プラズマCVD(PECVD)チャンバ)に結合される。一実施形態では、RF入力ロッドの第1の端部が位置決めされるサーマルチョークロッド内の所定の場所は、例えば、図2および図5に示すように、第1のコネクタと、管状セグメントの一部とを含む。
【0043】
RF入力ロッドの第1の端部がサーマルチョークロッド内に位置決めされると、動作604において、第1のコネクタを圧縮して第1のコネクタの内径を減少させ、第1のコネクタの内面をRF入力の外面に接触させて押し付け、第1のコネクタをRF入力ロッドに機械的に固定する。一実施形態では、第1のコネクタの内径を減少させるために第1のコネクタを圧縮することは、第1のコネクタの端部領域に設けられたテーパ面を、第1のコネクタの端部領域に設けられたこのテーパ面と合わさるように構成されるテーパ面と接触させることを含む。一例として、第1のコネクタの端部領域に設けられたテーパ面は、第1のコネクタ116-1の円錐形状の端部領域の表面116-1zとすることができる(例えば、図2参照)。一実施形態では、第1のコネクタの端部領域に設けられたテーパ面と合わさるように構成されるテーパ面は、環状キャップ116aのテーパ内側壁116a-wである(例えば、図2および図5参照)。
【0044】
動作606では、RFストラップは、サーマルチョークロッドの第2のコネクタに接続される。RFストラップは、例えば、図1に示すRF発生器システム122などのRF源に結合される。一実施形態では、RFストラップをサーマルチョークロッドの第2のコネクタに取り付けることは、機械的締結具をサーマルチョークロッドの第2のコネクタに取り付けることを含む。一例として、機械的締結具は、ボルトまたは小ねじなどのねじ式機械的締結具とすることができる。一実施形態では、図2に示すように、RFストラップ118は、ねじ式機械的締結具116bをRFストラップの開口部を通して挿入し、次にこの締結具をねじ領域116-2yの完全係合位置にねじ込んでRFストラップを第2のコネクタに強固に取り付けることによって、サーマルチョークロッド116の第2のコネクタ116-2に取り付けることができる。
【0045】
いくつかの実施態様では、コントローラは、上述した例の一部であり得るシステムの一部である。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されているプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハ搬送(搬入および搬出)、他の搬送ツール、および/または特定のシステムに接続または連動するロードロックが含まれる。
【0046】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってしてもよい。
【0047】
いくつかの実施態様において、コントローラは、システムと統合または結合されるか、その他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書に記載のプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0048】
限定はしないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含んでもよい。
【0049】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場においてツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0050】
上記の実施形態を念頭に置いて、本実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータを含む様々なコンピュータ実装動作を用いることができることを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。本実施形態の一部を形成する本明細書に記載の動作のいずれかは、有用な機械動作である。本実施形態はまた、これらの動作を実施するためのデバイスまたは装置に関する。装置は、専用コンピュータなど、必要とされる目的のために特別に構築されてもよい。専用コンピュータとして定義される場合、コンピュータは、特殊目的のために動作することが可能でありながら、さらに、特殊目的の一部ではない他の処理、プログラム実行またはルーチンを実施することができる。あるいは、コンピュータメモリやキャッシュに記憶されているか、またはネットワークを介して得られた1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的に起動または構成される汎用コンピュータによって、動作を処理してもよい。データがネットワークを介して得られる場合、データは、ネットワーク上の他のコンピュータ、例えば、多数のコンピューティング資源によって処理されてもよい。
【0051】
1つまたは複数の実施形態はまた、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして製作することができる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータ記憶デバイスであり、データはその後、コンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ならびに他の光学および非光学データ記憶デバイスを含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶および実行されるように、ネットワーク結合コンピュータシステムを介して分散されるコンピュータ可読有形媒体を含み得る。
【0052】
上記説明では方法動作を特定の順序で説明した。しかし、各動作の間に他のハウスキーピング動作を実施してもよいし、または各動作がわずかに異なる時間に起こるように調整してもよいし、またはオーバーレイ動作の処理が所望の方法で実施される限り、処理に関連する様々な間隔で処理動作が起こることを可能にするシステム内に各動作が分散されてもよいことを理解されたい。
【0053】
したがって、例示的な実施形態の開示は、本開示の範囲を例示することを意図しているが、これを限定するものではなく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲およびその等価物に記載されるものである。本開示の例示的な実施形態は、理解を明確にする目的で、ある程度詳細に記載されているが、以下の特許請求の範囲内で特定の変更および修正を実施できることは明らかであろう。以下の特許請求の範囲において、要素および/またはステップは、特許請求の範囲に明示的に記載されているか、または本開示によって暗示的に要求されている場合を除き、動作の特定の順序を暗示するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6