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特許7176197情報処理装置、生体信号計測システム、表示方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、生体信号計測システム、表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/05 20210101AFI20221115BHJP
   A61B 5/384 20210101ALI20221115BHJP
【FI】
A61B5/05 ZDM
A61B5/384
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018027518
(22)【出願日】2018-02-20
(65)【公開番号】P2019080896
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2020-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2017211019
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】篠原 道成
(72)【発明者】
【氏名】山形 秀明
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-229238(JP,A)
【文献】特開2010-088592(JP,A)
【文献】特表2015-519126(JP,A)
【文献】特表2012-508079(JP,A)
【文献】米国特許第04744029(US,A)
【文献】特開2000-287947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0538
A61B 5/06 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の生体信号を検出するセンサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する位置表示領域と、
前記センサ群のうち所定の複数のセンサの各位置を示す複数の位置情報の選択を受け付ける選択受付領域と、
前記選択された前記複数の位置情報に係る前記所定の複数のセンサが出力する波形を表示する波形表示領域と、
を表示し、
前記位置表示領域は、前記選択された複数の位置情報を含む領域を示す単一の領域情報を表示し、
前記位置表示領域は、前記センサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する大型の位置表示領域、及び、前記センサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する前記大型の位置表示領域を縮小させた小型の位置表示領域を含み、
前記小型の位置表示領域は、塗りつぶされて表示されることにより、前記大型の位置表示領域とは異なる表示形態で、前記単一の領域情報を表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記位置表示領域は、前記選択された複数の位置情報を拡大して表示することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記位置表示領域は前記選択受付領域を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記位置表示領域及び前記波形表示領域は、前記波形の伝播方向に並んで表示されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記位置表示領域及び前記波形表示領域は、隣接して表示されていることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選択受付領域は、前記大型の位置表示領域で表示されている前記センサ群のうち所定の複数のセンサの各位置を示す複数の位置情報を含む範囲の指定を受け付けることで前記複数の位置情報の選択を受け付ける大型の選択受付領域、及び、前記小型の位置表示領域で表示されている前記センサ群のうち所定の複数のセンサの各位置を示す複数の位置情報をまとめて選択可能なリストを表示することで前記複数の位置情報の選択を受け付ける小型の選択受付領域を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記大型の選択受付領域は、前記複数の位置情報を含む範囲の指定を受け付け、
前記大型の位置表示領域は、予め定められている複数の前記領域情報のうち、前記指定された範囲に最も近い領域を示す特定の領域情報を表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
被検体の生体信号を検出するセンサ群が設けられた測定装置と、
を有することを特徴とする生体信号計測システム。
【請求項9】
被検体の生体信号を検出するセンサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する位置表示領域と、
前記センサ群のうち所定の複数のセンサの各位置を示す複数の位置情報の選択を受け付ける選択受付領域と、
前記選択された前記複数の位置情報に係る前記所定の複数のセンサが出力する波形を表示する波形表示領域と、
を表示し、
前記位置表示領域は、前記選択された複数の位置情報を含む領域を示す単一の領域情報を表示し、
前記位置表示領域は、前記センサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する大型の位置表示領域、及び、前記センサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する前記大型の位置表示領域を縮小させた小型の位置表示領域を含み、
前記小型の位置表示領域は、塗りつぶされて表示されることにより、前記大型の位置表示領域とは異なる表示形態で、前記単一の領域情報を表示することを特徴とする表示方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、情報処理装置、表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳の神経細胞の活動そのものを非侵襲的に記録するため、神経細胞が生じる電気的活動を脳波計によって検出する方法と、その電気的活動によって生じた磁場(脳磁場)を脳磁計によって検出する方法が行われている。これらの方法は、センサ群が備えられた測定装置が、人体等の被検体の生体信号を検出することによって実現される。検出結果は、コンピュータ等の情報処理装置によってディスプレイに表示される。
【0003】
また、従来、検出結果を表示する方法として、所望のセンサを選択するチャネル選択画面と、選択されたセンサに対応する波形を波形表示領域に表示する脳磁計システムが知られている(特許文献1参照)。特定されたセンサには色づけが施され、測定者は画面上でセンサを視認・特定することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、多数のセンサが密集しているため、色づけられたセンサの位置情報と色づけられていないセンサの位置情報との境界の識別性が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、選択状態の視認性を向上させることが可能な情報処理装置、生体信号計測システム、表示方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被検体の生体信号を検出するセンサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する位置表示領域と、前記センサ群のうち所定の複数のセンサの各位置を示す複数の位置情報の選択を受け付ける選択受付領域と、前記選択された前記複数の位置情報に係る前記所定の複数のセンサが出力する波形を表示する波形表示領域と、を表示し、前記位置表示領域は、前記選択された複数の位置情報を含む領域を示す単一の領域情報を表示し、前記位置表示領域は、前記センサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する大型の位置表示領域、及び、前記センサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する前記大型の位置表示領域を縮小させた小型の位置表示領域を含み、前記小型の位置表示領域は、塗りつぶされて表示されることにより、前記大型の位置表示領域とは異なる表示形態で、前記単一の領域情報を表示することを特徴とする情報処理装置である。

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、選択されたセンサの位置情報と選択されていないセンサの位置情報との境界の識別性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の生体信号計測システムの概略図である。
図2】情報処理装置に表示される開始画面の一例を示す図である。
図3】測定収録画面の一例を示す図である。
図4】測定収録時の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図5】解析画面の一例を示す図である。
図6】解析時の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図7】分布図の一例を示す図である。
図8】分布図の変形例を示す図である。
図9】測定収録画面の一例を示す図である。
図10】解析画面の一例を示す図である。
図11】分布図とその縮小画像を模式的に示した図である。
図12】縮小画像の変形例を示す図である。
図13】測定収録画面の変形例を示す図である。
図14】測定収録画面の変形例を示す図である。
図15】解析画面の変形例を示す図である。
図16(a)】解析画面の変形例を示す図である。
図16(b)】解析画面の変形例を示す図である。
図17】縮小画面の選択領域の選択方法の一例を示す図である。
図18】分布図の表示動作を示すフローチャートである。
図19】分布図および縮小画像の表示動作を示すフローチャートである。
図20】分布図および縮小画像の表示動作を示すフローチャートである。
図21】分布図および縮小画像の表示動作を示すフローチャートである。
図22】縮小画像の変形例を示す図である。
図23】縮小画像の変形例を示す図である。
図24】情報処理装置のハードウェア構成図である。
図25】情報処理装置の機能ブロック図である。
図26】心磁計における分布図の一例を示す図である。
図27】磁気センサの領域を複数個所選択できるようにした場合の分布図の一例を示す図である。
図28】分布図の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る情報処理装置、表示方法、プログラムおよび生体信号計測システムを詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の生体信号計測システム1の概略図である。生体信号計測システム1は、被検者(被測定者)の複数種類の生体信号、たとえば脳磁(MEG:Magneto-encephalography)信号と脳波(EEG:Electro-encephalography)信号を計測し、表示する。測定対象となる生体信号は、脳磁信号および脳波信号に限られるものではなく、例えば心臓の活動に応じて発生する電気信号(心電図として表現可能な電気信号)であってもよい。図1に示すように、生体信号計測システム1は、被検者の1以上の生体信号を測定する測定装置3と、測定装置3で測定された1以上の生体信号を記録するサーバ40と、サーバ40に記録された1以上の生体信号を解析する情報処理装置50とを含む。ここでは、サーバ40と情報処理装置50とは別々に記載されているが、例えばサーバ40が有する機能の少なくとも一部が情報処理装置50に組み込まれる形態であってもよい。
【0011】
図1の例では、被検者は、頭に脳波測定用の電極(またはセンサ)を付けた状態で測定テーブル4に仰向けで横たわり、測定装置3のデュワ30の窪み31に頭部を入れる。デュワ30は、液体ヘリウムを用いた極低温環境の保持容器であり、デュワ30の窪み31の内側には脳磁測定用の多数の磁気センサ(単に「センサ」ともいう)が配置されている。測定装置3は、電極からの脳波信号と、磁気センサからの脳磁信号を収集し、収集した脳波信号および脳磁信号を含むデータ(以下の説明では「測定データ」と称する場合がある)をサーバ40に出力する。サーバ40に収録された測定データは、情報処理装置50に読み出されて表示され、解析される。一般的に、磁気センサを内蔵するデュワ30と測定テーブル4は磁気シールドルーム内に配置されているが、図示の便宜上、磁気シールドルームを省略している。
【0012】
情報処理装置50は、複数の磁気センサからの脳磁信号の波形と、複数の電極からの脳波信号の波形を、同じ時間軸上に同期させて表示する。これらのうち、脳磁信号は、脳の電気活動により生じた微小な磁場変動を表わす。脳磁場は高感度の超伝導量子干渉計(SQUID)センサで検知される。また、脳波信号は、神経細胞の電気的な活動(シナプス伝達の際にニューロンの樹状突起で起きるイオン電荷の流れ)を電極間の電圧値として表すものである。脳磁場は高感度の超伝導量子干渉計(SQUID)センサで検知される。これらの脳波信号および脳磁信号は「生体信号」の一例である。
【0013】
図2は、情報処理装置50に表示される開始画面204の一例を示す。開始画面204には、「測定収録」と「解析」の選択ボックスが表示される。脳波及び/または脳磁測定の場合、データの測定収録とデータの解析は、別々の主体によって行われる場合が多い。
例えば、測定技師(測定者)によって「測定収録」のボックスが選択されると、測定装置3で測定されたデータは順次サーバ40に保存され、情報処理装置50に読み出されて表示される。測定収録の終了後、医師によって「解析」ボックスが選択されると、収録された測定データが読み出され解析される。
【0014】
<測定収録時の動作>
図3は、測定収録画面の一例を示す。測定収録画面は、測定された信号波形を表示する領域201Aと、信号波形以外のモニタ情報を表示する領域201Bを有する。信号波形を表示する領域201Aは、測定者からみて画面の左側に配置され、信号波形以外のモニタ情報を表示する領域201Bは、測定者からみて画面の右側に配置されている。リアルタイムで検出され表示される波形の動き(画面の左側から右側に向かって表示される)に合わせた測定者の視線の動きと、画面左側の領域201Aから右側の領域201Bへマウスを移動させるときの動きに無駄が生じず、作業効率が向上する。
【0015】
表示画面の領域201Bでは、測定中に被測定者の様子を確認するためのモニタウィンドウ170が表示される。測定中の被測定者のライブ映像を表示することで、信号波形のチェック、判断の信頼性を高めることができる。
【0016】
領域201Aは、信号検出の時間情報を画面の水平方向(第1方向)に表示する時間表示領域110と、信号検出に基づく複数の信号波形を画面の垂直方向(第2方向)に並列に表示する波形表示領域101~103を含む。
【0017】
時間表示領域110で表示される時間情報は、時間軸112に沿って付された時間表示を含むタイムラインであるが、時間(数字)を表示せずに、帯状の軸だけでもよいし、軸を設けずに時間(数字)の表示だけであってもよい。また、画面上側の時間表示領域110の他に、波形表示領域103の下側に時間軸を表示して、タイムラインを表示してもよい。
【0018】
領域201Aでは、同種の複数のセンサから取得される複数の信号波形、あるいは複数種類のセンサ群から取得される複数種類の信号の波形が、同じ時間軸で同期して表示される。例えば、波形表示領域101には被測定者の頭部右側から得られる複数の脳磁信号の波形が、波形表示領域102には被測定者の頭部左側から得られる複数の脳磁信号の波形が、それぞれ並列に表示されている。波形表示領域103には、複数の脳波信号の波形が並列に表示されている。これらの複数の脳波信号波形は、各電極間で測定された電圧信号である。これらの複数の信号波形の各々は、その信号が取得されたセンサの識別番号あるいはチャネル番号と対応付けられてチャネル軸104に表示されている。
【0019】
測定が開始され各センサからの測定情報が収集されると、時間の経過とともに領域201Aの各波形表示領域101~103の左端から右方向に向けて信号波形が表示される。
ライン113は計測の時刻(現在)を示しており、画面の左から右に向けて移動する。領域201Aの右端(時間軸112の右端)まで信号波形が表示されると、その後は画面の左端から右に向けて徐々に信号波形が消え、消えた位置に新しい信号波形が順次左から右方向に表示され且つライン113も左端から右に向けて移動していく。これとともに、水平方向の時間表示領域110でも測定の進行に対応して、時間の経過が時間軸112上に表示される。測定収録は、終了ボタン119が押されるまで継続される。
【0020】
実施形態では、測定者(収録者)がデータ収録中に信号波形上で波形の乱れ、振幅の特異点等に気付いたときに、問題となる箇所または範囲を信号波形上でマークすることができる。マーキングの箇所または範囲は、マウスによるポインタ操作あるいはクリック操作で指定することができる。指定された箇所(または範囲)は、波形表示領域101~103の信号波形上に強調表示されるとともに、指定結果が対応する時刻位置又は時間範囲で、時間表示領域110の時間軸112に沿って表示される。時間軸112上への表示を含むマーキングの情報は、信号波形データとともに保存される。指定された箇所は或る時刻に対応し、指定された範囲は或る時刻を含む一定範囲に対応する。
【0021】
図3の例では、時刻t1では、波形表示領域103で1以上のチャネルを含む範囲が指定され、マーク103a-1で時刻t1を含んだ時間がハイライト表示されている。マーク103a-1の表示と関連して時間表示領域110の対応する時刻位置に、指定結果を示すアノテーション110a-1が表示されている。時刻t2では、波形表示領域103で別の波形位置またはその近傍がマークされ、その位置(時刻t2)または近傍の領域(少なくとも時間範囲か複数の波形のいずれか一つが指示される)にマーク103a-2がハイライト表示されている。同時に、時間表示領域110の対応する時刻位置(時間範囲)に、アノテーション110a-2が表示される。なお、アノテーションとは、あるデータに対して関連する情報を注釈として付与することを指す。本実施形態のアノテーションは、少なくとも指定された時間情報に基づいて注釈として表示され、少なくとも時間情報に基づく波形が表示される位置と結び付けて、注釈として表示される。また、複数のチャネルが表示される場合、対応するチャネル情報と結びつけ、注釈として表示されるようにしても良い。
【0022】
時刻t2で、測定者が別の波形箇所またはその近傍領域を指定すると、指定された箇所でマーク103a-2がハイライト表示され、これとともに、時間表示領域110の対応する時刻位置に、アノテーション番号「2」が表示される。さらに、ハイライト表示された箇所に、属性選択のためのポップアップウィンドウ115が表示される。ポップアップウィンドウ115は、種々の属性を選択する選択ボタンと、コメントや追加情報を入力する入力ボックスを有する。選択ボタンには、波形の属性として「速波(fast activity)」、「眼球運動(eye motion)」、「体動(body motion)」、「スパイク(spike)」など、波形乱れの要因が示されている。測定者は、画面の領域201Bのモニタウィンドウ170で被測定者の様子を確認することができるので、波形の乱れの原因を示す属性を適切に選択することができる。たとえば、波形にスパイクが生じたときに、てんかんの症状を示すスパイクなのか、被測定者の体動(くしゃみ等)に起因するスパイクなのかを判断することができる。
【0023】
アノテーション110a-1の一部または全部、たとえば、属性アイコンとテキストアノテーションの少なくとも一方を、波形表示領域103の信号波形上のマーク103a-1の近傍にも表示してもよい。信号波形上へのアノテーションの追加は、波形形状のチェックの妨げになる場合もあり得るので、波形表示領域101~103の信号波形上にアノテーションを表示させる場合は、表示・非表示を選択可能にしておくことが望ましい。
【0024】
領域201Bのモニタウィンドウ170では、測定テーブル4に横たわって頭部を測定装置3に入れている被測定者の状態のライブ映像が表示される。領域201Bでは、波形表示領域101、102、103の信号波形の各々に対応する分布図141、142、130と、アノテーションリスト180が表示される。
【0025】
分布図141、142は、脳磁分布図である。分布図130は脳波測定用の電極(またはセンサ)の配置を示す脳波分布図である。測定収録するにあたって、波形表示領域101、102に表示させる磁気センサを脳磁分布図141、142で選択することができる。
【0026】
磁気センサの選択については、左/右のセンサ群の選択だけでなく、頭頂部、前頭葉、又は側頭葉などのパートから、任意に選択可能である。また「MEG1 Window Control」で脳磁分布図141の頭頂部のセンサが選択された場合は、「MEG2 Window Control」では、脳磁分布図142の頭頂部以外のセンサが選択された状態となる。このとき、チャネル軸104に表示されるセンサの識別番号あるいはチャネル番号は、波形表示領域101では頭頂部のセンサの番号、波形表示領域102では頭頂部以外のセンサの番号となる。
【0027】
アノテーションリスト180は、領域201Aの信号波形上でマークされたアノテーションの一覧である。波形表示領域101~103で信号波形上の位置または範囲が指定されアノテーションが付される都度、対応する情報がアノテーションリスト180に順次追加される。
【0028】
終了ボタン119が選択(押下)され測定が終了すると、波形表示領域101~103で指定されたハイライト箇所は信号波形に対応付けて保存される。波形表示領域110の対応する時刻位置に表示されたアノテーション情報も、アノテーション番号と時刻に対応付けて保存される。これらの表示情報を保存することで、測定者と解析者が異なる場合でも、解析者は容易に問題となる箇所を認識し、解析することができる。
【0029】
図4は、情報処理装置50で行われる測定収録段階での情報表示処理のフローチャートである。図2に示す開始画面204で「測定収録」が選択されると、情報処理装置50の受付部52は選択を受け付ける(S11)。これにより測定が開始され、表示制御部251は、複数の信号の波形が同じ時間軸に沿って同期して表示する(S12)。ここで「複数の信号波形」という場合は、同一種類の複数のセンサで検知された信号波形と、異なる種類のセンサの各々で検知された複数の信号波形の両方を含む。この例では、複数の生体信号の波形は、被測定者の頭部右側に対応する複数の磁気センサから得られる脳磁信号の波形と、被測定者の頭部左側に対応する複数の磁気センサから得られる脳磁信号の波形と、被測定者の脳波測定用の電極から得られる脳波信号の波形と、から構成されるが、これに限られるものではない。
【0030】
情報処理装置50の判断部55は、表示されている信号波形上で注目位置(または注目範囲)が指定されたか否かを判断する(S13)。注目箇所または範囲の指定があると(S13でYES)、表示制御部251は、信号波形の表示領域(波形表示領域101~103)に指定位置(領域)を強調表示するとともに、時間軸領域(表示領域110)の対応する時刻位置に選択結果を表示する(S14)。選択結果には、選択がなされたこと自体を示す情報、または選択の識別情報が含まれる。判断部55は、時間軸領域への選択結果の表示と同時に、あるいは前後して、アノテーションの入力要求の有無を判断する(S15)。アノテーション入力の要求がある場合は(S15でYES)、表示制御部251は、入力されたアノテーション情報を時間軸領域の対応する時刻位置に表示するとともに、アノテーションリスト180に追加表示する(S16)。その後、判断部55は、測定終了コマンドが入力されたか否かを判断する(S17)。一方、注目位置(領域)の指定がない場合(S13でNO)、及びアノテーションの入力要求がない場合(S15でNO)は、ステップS17へ進んで、判断部55が測定終了の判断を行う。測定が終了するまで(S17でYES)、ステップS13~S16を繰り返す。
【0031】
<解析時の動作>
図5は、解析時の情報処理装置50の画面の一例を示す。解析画面は、図2の開始画面204で「解析」ボタンを選択することで表示させる。解析画面は、測定により得られた被検者の1以上の生体信号(この例では、被測定者の頭部右側に対応する複数の磁気センサから得られる脳磁信号、被測定者の頭部左側に対応する複数の磁気センサから得られる脳磁信号、被測定者の脳波測定用の電極から得られる脳波信号)の経時的変化を示す生体データと、測定時に生体データに対して入力された1以上のアノテーションとを対応付けた画面である。本実施形態では、情報処理装置50の表示制御部251が、この解析画面を表示部(後述の表示装置28)に表示する制御を行う。図5の例では、解析画面は、収録された3つの生体信号の経時的変化を示す波形(生体データに相当)をアノテーションとともに表示する領域202Aと、解析情報を表示する領域202Bを有する。この例では、解析画面では3つの生体信号の経時的変化を示す波形を表示しているが、これに限らず、例えば、被検者へ与える刺激を発生させる刺激発生装置の入力信号が表示される場合もあるので、信号数は3つに限られるものではない。収録された信号波形とアノテーション情報を表示する領域202Aは、測定者からみて画面の左側に配置され、解析表示する領域202Bは、測定者からみて右側に配置されている。このように領域202A及び領域202Bを同時に表示するのは、解析の際に、測定者が、領域202Aで信号波形をチェックまたは選択しながら、マウス等を操作して領域202Bで解析結果を確認または確定させる作業を効率的に行い易いからである。
【0032】
本実施形態では、領域202Aの波形表示領域103の脳波信号の波形の画面上方に、波形表示領域101,102の脳磁信号の波形を表示している。また、領域202Aの右側の領域202Bでは、領域202Aに近い側の画面領域で且つ画面上方に脳磁分布図141,142が表示され、脳波分布図130が脳磁分布図142の下方に表示されている。このため、解析者は、波形表示領域103の「脳波信号の波形」、波形表示領域101,102の「脳磁信号の波形」、脳磁分布図141、142、及び脳波分布図130の順に(この場合は、時計回りで)視線移動を行うことができる。そのため、解析者(または測定者)の視線移動が効率的になり、その結果、解析作業効率を向上させることが可能となる。なお、上記では、時計回りとして説明したがこの例に限定されない。
【0033】
また、分布図141は、各センサ画像で示される各センサが出力する波形が、波形表示領域101に表示されている。即ち、波形表示領域101及び分布図141は、波形の伝播方向に並んで表示されている。波形表示領域102及び分布図142、並びに波形表示領域103及び分布図130の位置関係も同様に、波形の伝搬方向に隣接して並んで表示されている。
【0034】
領域202Aは、測定時の時間情報を画面の水平方向(第1方向)に表示する時間表示領域110及び時間帯表示領域120と、収録された信号波形を種類ごとに画面の垂直方向(第2方向)に並べて表示する波形表示領域101~103とを含んでいる。
【0035】
時間表示領域110には、収録時の時間の経過を示す時間軸112と、時間軸112に沿って付加されたアノテーション110a-7、110a-8が表示される。
【0036】
時間帯表示領域120には、収録時間の全体を示す時間軸122が表示される。時間軸122に沿って、アノテーションが付加された時刻位置を示すポインタマーク120aと、波形表示領域101~103に現在表示されている信号波形が収録された時間帯を示すタイムゾーン120bが表示される。この表示により、解析者は、現在解析中の信号波形が、測定収録時のどの時間帯で取得された信号波形なのかを直感的に把握することができる。
【0037】
解析者は、解析画面を開いた後に、たとえば、時間軸122のバー上でタイムゾーン120bをドラッグすることで所望の時間帯の信号波形を波形表示領域101~103に表示させることができる。あるいは、後述するように、解析者が、アノテーションリスト180の中から所望のアノテーションを選択することで、表示制御部251は、この選択されたアノテーションを含む前後の信号波形を波形表示領域101~103に表示させることができる。
【0038】
波形表示領域101~103には、収録時に信号波形に付加されたアノテーションA7、A8が表示されている。マーク103a-7、103a-8がハイライト表示され、マーク103a-7、103a-8の近傍に対応する属性アイコン106-7、106-8が表示されている。また、マーク103a-7、103a-8の時刻位置を示す縦のライン117-7、117-8が表示されている。ライン117が表示されることで、たとえば、波形表示領域103の所定の箇所の選択と関連してアノテーションが付加されたときに、解析者は、他の信号表示エリアである波形表示領域102、101においても、選択結果を容易に視認することができる。ライン117-7、117-8は、アノテーション情報の視認を容易にするという意味でアノテーション情報に含めることができ、「アノテーションライン」と称してもよい。
【0039】
図5に示されている解析画面には、波形表示領域101、102に表示されている信号波形に対応する脳磁分布図141、142、及び波形表示領域103に表示されている信号波形に対応する脳波分布図130が表示されている。また、脳磁図(MEG:Magnetoencephalograph)の等磁場図150と、脳波図(EEG;Electroencephalograph)のマップエリア160と、MRI(磁気共鳴画像:Magnetic Resonance Imaging)で取得された被測定者の脳の断層画像の表示ウィンドウ190が表示されている。等磁場図150では、磁場の湧き出し領域と沈み込み領域が色分けされて表示され、電流の流れる方向が視覚的に把握される。等磁場図150とマップエリア160は測定完了後に得られる情報であり、MRIの断層画像は、別途検査で得られる情報である。
【0040】
モニタウィンドウ170には、波形表示領域101~103の信号波形が取得された時刻に同期して、測定時の被測定者の映像が表示される。解析者は、モニタウィンドウ170を見て被測定者の状態を確認しながら信号波形を解析することができる。
【0041】
アノテーションリスト180には、測定収録で付加されたすべてのアノテーションが含まれている。
【0042】
測定収録画面と異なり、解析者がアノテーション部分の信号波形を確認して最終的に信号源の推定がなされたアノテーションには、推定完了マーク182が表示されている。
【0043】
図6は、情報処理装置50で行われる解析段階での情報表示処理のフローチャートである。図2に示す開始画面204で「解析」が選択されると、情報処理装置50の受付部52は、選択を受け付ける(S21)、これにより解析が開始され、表示制御部251は、解析画面を表示する(S22)。初期の解析画面は、信号波形が表示されていないブランク画面であってもよいし、収録の先頭または最後の一定の時間範囲の信号波形であってもよい。解析画面が表示されると、判断部55は、特定のアノテーションが選択されたか否かを判断する(S23)。アノテーションの選択は、アノテーションリスト180内での特定のアノテーション番号または行の選択であってもよいし、時間帯表示領域120の時間軸122上のタイムゾーン120bを操作することによる時刻位置の指定であってもよい。アノテーションの選択があると(S23でYES)、表示制御部251は、選択されたアノテーションの時刻位置を含む所定時間分の信号波長を表示する(S24)。解析終了コマンドが入力されるまで(S25でYES)、ステップS23,S24が繰り返される。
【0044】
上述した表示処理動作により、視認性と操作性に優れた情報表示が実現する。
【0045】
〔第1の実施形態〕
図7に示す分布図141を一例として第1の実施形態を説明する。
【0046】
分布図141は、被検者の頭部に対する磁気センサの位置を示している。分布図141は頭部外形像141-1と複数のセンサ画像141-2を含む。センサ画像は、波形表示領域101に表示される波形の出力元である各センサの位置を示す丸く小さい画像である。
【0047】
頭部外形像141-1は、被検者の鼻を示す三角状の部位が上方に表示され、左右に突出する小半円形は被検者の耳を示す。また、鼻を前としたときにLは左側を示し、Rは右側を示す。センサ画像141-2は、デュワ30(図1)の窪み31の内側にある脳磁測定用の磁気センサの配置を示し、図7(a)に示す各ドットが磁気センサを示す。
【0048】
波形表示領域101に表示させる波形を頭部の特定部位に絞り込みたい場合、収録者または解析者は、分布図141に表示されている複数のセンサ画像のうち、マウス等で所望とする複数のセンサ画像を選択する。
【0049】
選択方法の一例として、図7(a)に示すように、測定者または解析者は、マウスなどの操作手段を用いて、所望の複数の磁気センサを囲うことで、複数のセンサ画像を含む選択領域141a-1を指定する。これにより、受付部52は、磁気センサの指定を受け付け、表示制御部251が、図7(a)の選択領域141a-1を塗り潰した状態として、図7(b)のように、指定された複数の位置情報を含む領域を示す単一の領域情報141-3を表示する。このように、測定者または解析者が、選択領域141a-1を指定することで、磁気センサ画像をまとめて選択することができる。この場合、分布図141は、被検者の生体信号を検出するセンサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する「位置表示領域」と、センサ群のうち所定の複数のセンサの各位置を示す複数の位置情報の選択を受け付ける「選択受付領域」を兼ねている。
【0050】
また、選択方法の他の例として、図7(c)に示すように、リストから磁気センサの選択領域を選択するものでもよい。測定者または解析者は、メニュー141mのリスト表示部141m-1を押下すると、受付部52は、押下を受け付け、表示制御部251が、図7(c)のように、プルダウンリスト141m-2を表示する。プルダウンリスト141m-2には、予め登録されている磁気センサの領域の選択肢が表示されている。この場合、測定者または解析者が、プルダウンリスト141m-2から所望の選択肢を選択すると、受付部52は、複数の位置情報の選択を受け付け、表示制御部251が、図7(d)のように領域情報141-4を表示させる。この場合、分布図141は、被検者の生体信号を検出するセンサ群の各センサの位置を示す位置情報を表示する「位置表示領域」であり、プルダウンリスト141m-2は、センサ群のうち所定の複数のセンサの各位置を示す複数の位置情報の選択を受け付ける「選択受付領域」である。
【0051】
このように、マウス又はプルダウンリストで選択領域を指定することで波形の出力元となるセンサを選択することに関しては、分布図142についても同様である。なお、センサ画像は、「位置情報」の一例であり、「位置情報」には、四角若しくは三角、又はセンサ形状のアイコン等も含まれる。
【0052】
図18は、本実施形態のフローチャートを示す。判断部55は、受付部52によって、図3又は図5に示されている分布図141の所望とするセンサの選択を受け付けたかを判断する(S181)。センサの選択は、収録者または解析者によって行われる。そして、判断部55が選択を受け付けたと判断した場合には(S181でYES)、表示制御部251が、受付部52によって受け付けられたセンサの領域を分布図141上で強調表示する(S182)。この強調表示は、図7(b)、(d)又は、後述の図8(a)、(b)、(c)、(d)に示されているような表示である。
【0053】
その後、磁気センサの範囲がさらに選択されれば(S183でNO)、S181,S182の分析の処理が繰り返される。一方、S181,S182の処理が行われないで、分析の処理が終了する場合には(S183でYES)、本フローは終了する。なお、分布図142においても、同様の処理が行われる。また、測定時においては、S183の分析を測定に置き換えることで適用できる。
【0054】
以上により、本実施形態によれば、選択された磁気センサの範囲が塗りつぶされて表示されることで、選択されていない磁気センサの領域との境界の識別性が向上する。また、選択された磁気センサの範囲を瞬時に視認することができる。
【0055】
(第1の実施形態の変形例1)
続いて、第1の実施形態の変形例1について説明する。図8(a)は、選択されたセンサ画像141a-2を拡大して塗りつぶす(または表示する)ことで、センサ画像141a-3として表示する点で図7と相違する。測定者または解析者は、図7と同様に磁気センサの領域を選択する。磁気センサの領域が選択されると、選択された領域のセンサ141-2のドットの大きさが、選択されていない領域のセンサよりも大きく表示される。選択された領域の各センサの表示間隔が選択前に比べて狭くなるので、図7と同様の効果を奏することができる。なお、選択されたセンサのドットの大きさは、隣り合うセンサと重複するような大きさとしてもかまわない。この場合、重複する各センサは、1つにまとめて選択されているセンサとし、選択されていないセンサとは間隔を形成することが好ましい。
【0056】
(第1の実施形態の変形例2)
続いて、第1の実施形態の変形例2について説明する。図8(b)は、選択されていないセンサ141-2を非表示とした点で図7と相違する。また、図8(d)は、選択されていないセンサー141-2を非表示とした点で図8(a)と相違する。
【0057】
測定者または解析者は、図7と同様に磁気センサの領域を選択する。図8(b)の場合、磁気センサの領域が選択されると、選択された領域が塗りつぶされるとともに、選択されていない領域のセンサ141-2が非表示となる。図8(d)の場合、磁気センサの領域が選択されると、選択された領域のセンサ141-2のドットの大きさが、選択されていない領域のセンサよりも大きく表示されるとともに、選択されていない領域のセンサ141-2が非表示となる。
【0058】
センサ141-2が密集していた場合、選択していないセンサ群が環境条件によっては塗りつぶされたように誤認する可能性が考えられる。これに対し、本実施形態によれば、選択していないセンサ群を非表示としたので、選択したセンサ群をより確実に視認することができる。
【0059】
(第1の実施形態の変形例3)
続いて、第1の実施形態の変形例3について説明する。図8(c)は、選択されていないセンサ141-2の領域の背景色を薄い色または分布図の背景色に近い色とした点で図8(b)と相違する。このとき、選択されているセンサの領域情報141a-3は白色または分布図の背景色と識別可能な色としている。ここで選択されているセンサを示すドットをさらに表示してもよいし、図8(c)のように非表示としてもよい。選択されているセンサの領域情報141a-3を背景色と区別して表示させることで、より識別しやすくなる。なお、本変形例は、図8(a)の形態にも適用できる。
【0060】
(第一の実施形態の変形例4)
続いて、第1の実施形態の変形例4について説明する。図7(b)、図8(b)において、選択されたセンサ群(141a-1,3)の色と、選択されていないセンサ群(141-2,141a―2)の色を異ならせてもよい。たとえば選択されたセンサ群(141a-1,3)が、選択されていないセンサ群(141-2,141a―2)の色に比べて区別しやすい色や強調される色とすることで、選択されたセンサ群の視認性がより向上する。
【0061】
〔第2の実施形態〕
続いて、第2の実施形態について説明する。図9は、測定収録画面(図3)の第2の実施形態に対応する収録画面の一例を示す図である。また、図10は、解析画面(図5)の第2の実施形態に対応する解析画面の一例を示す図である。
【0062】
図9および図10に示すチャネル軸104の隣には、分布図141,142、130の縮小画像141a,142a、130aが表示されている。分布図141図11(a)に示すように頭部外形像141-1と複数のセンサ141-2とで構成されている。頭部外形141-1は、被検者の鼻を示す三角状の部位が上方に表示され、左右に突出する小半円形は被検者の耳を示す。また、鼻を前としたときにLは左側を示し、Rは右側を示す。センサ141-2は、デュワ30(図1)の窪み31の内側にある脳磁測定用の磁気センサの配置を示し、図7(a)に示す各ドットが磁気センサである。
【0063】
測定者または解析者が、図7(a)または図7(c)に示したように波形表示領域101に表示させる波形を特定のセンサに絞り込むと、図11(a)に示す分布図141は、選択されたセンサ画像141-2が、選択されなかったセンサ画像と区別した色で表示される。これに対し、図11(b)に示す縮小画像141aは、選択されたセンサを含む領域情報141a-3の周辺が塗りつぶされて表示される。縮小画像141aの頭部外形像141a-1と複数のセンサ画像141a-2は、分布図141を縮小したものである。
【0064】
測定収録画面(図9)および解析画面(図10)から明らかなように、分布図141にはセンサが多数表示されているので、分布図をそのまま縮小表示すると各センサの間隔が狭まる。そのため、センサの視認性(特にどのセンサが選択されているか)が悪い。これに対し、本実施形態のように、分布図141の表示形態とは別の表示形態の分布図141aとすることで、詳細な画面であっても縮小画像の視認性が向上する。
【0065】
さらに、測定収録画面(図9)および解析画面(図10)に示すチャネル軸104には、分布図で選択されたセンサ画像の番号が表示されているが、頭部外形像のどの位置のセンサ群であるかを認識しにくい。これに対し、本実施形態のように、縮小画像141aをチャネル軸104の隣(または付近)に表示することで、チャネル軸104に表示されているセンサが頭部外形像のどの位置のセンサ群であるかを容易に視認できる。
【0066】
なお、図11では分布図141aを例に説明したが、図9及び図10に示されている分
図142aにも適用可能である。また、図11(b)の頭部外形像は図11(a)頭部外形像を縮小したものとして説明したが、両者で異なる頭部外形像としてもよい。たとえば、図11(b)を図12(c)、図12(d)、図12(e)のいずれかの形態としてもよい。
【0067】
図19は、本実施形態のフローチャートを示す。判断部55は、受付部52によって、図9又は図10に示されている分布図141,141aの所望とするセンサの選択を受け付けたかを判断する(S191)。センサの選択は、収録者または解析者によって行われる。そして、判断部55が選択を受け付けたと判断した場合には(S191でYES)、表示制御部251が、受付部52によって受け付けられたセンサの領域を分布図141上で強調表示すると共に、分布図141a上でも強調表示する(S192)。その後、磁気センサがさらに選択又は選択解除されれば(S193でNO)、S191,S192の分析の処理が繰り返される。一方、S191,S192の処理が行われないで、分析の処理が終了する場合には(S193でYES)、本フローは終了する。なお、分布図142及び縮小画像142aにおいても、同様の処理が行われる。また、測定時においては、S193の分析を測定に置き換えることで適用できる。
【0068】
(第2の実施形態の変形例1)
続いて、第2の実施形態の変形例1について説明する。センサ141a-2が密集していた場合、画像を縮小したときに各センサの間隔が通常の画面のときに比べて狭くなるので、選択していないセンサ群が条件によっては塗りつぶされたように誤認する可能性が考えられる。そこで、縮小画像141a,142aの形態に図8(b)および(c)を適用すれば、選択していないセンサ群を非表示となるので選択したセンサ群141a-3をより確実に視認することができる。
【0069】
また、画像を縮小したときに各センサ同士が重なって表示されないのであれば、縮小画像は、図8(a)または図8(d)に示されている形態を適用してもかまわない。ここで、図8(d)の場合、選択された領域のセンサ141a-2のドットの大きさの比較対象は、選択されていない領域のセンサの大きさに限られない。たとえば、図11(a)における頭部外形像141-1の大きさに対するセンサ画像141-2のドットの相対的な大きさよりも、頭部外形像141a-1の大きさに対するセンサ画像141a-3のドットの相対的な大きさのほうが大きいともいうことができる。
【0070】
さらに、縮小画像に表示される選択されたセンサ群141a-3の色と、選択されていないセンサ群(141a-2)の色を異ならせてもよい。たとえば選択されたセンサ群141a-3が、選択されていないセンサ群(141a-2)の色に比べて区別しやすい色や強調さされる色とすることで、選択されたセンサ群141a-3の視認性がより向上する。
【0071】
(第2の実施形態の変形例2)
続いて、第2の実施形態の変形例2について説明する。測定者または解析者によって特定された分布図141の磁気センサの範囲(141d-1)を、縮小画像に表示するにあたり、全ての範囲を縮小画像に反映させるとプログラムの実行負荷が高くなることが想定される。そこで、予め縮小画像で表示する磁気センサ領域のパターンをメモリ(後述の収録/解析情報保存部254等)に格納しておき、このパターンと測定者または解析者によって特定された範囲(図12(a)の141d-2)とを比較し、近いパターンを読み出して領域情報(図12(b)の141a―3)として表示する。図12(b)では特定された選択領域141d-2と、表示される領域情報141a-3との関係を比較しやすいように両方示しているが、実際は領域情報141a-3のみの表示となる。また、説明の都合上、図12(a)、(b)ともに同じ大きさで示したが、図12(b)は縮小画像を示している。これにより、プログラムの実行負荷を軽減することができ、より操作性が向上する。
【0072】
また、選択した領域と予め格納されているパターンとを比較し、近いパターンの選択肢を表示し、測定者または解析者に選択させるようにしてもよい。
【0073】
また、近いパターンの選択肢を自動的に表示する場合、および、近いパターンの選択肢を表示する場合において、それぞれ、比較結果(一致度の数値)を縮小画像の近くに表示させてもよい。
【0074】
図21は、本実施形態のフローチャートを示す。判断部55は、受付部52によって、図9又は図10に示されている分布図141,141aの所望とする磁気センサの選択を受け付けたかを判断する(S211)。磁気センサの選択は、収録者または解析者によって行われる。そして、判断部55が選択を受け付けたと判断した場合には(S211でYES)、更に、判断部55は、図9又は図10に示されている分布図141内の所望とする磁気センサの選択を受け付けたかを判断する(S212)。
【0075】
次に、判断部55は、収録者または解析者により分布図の所望とする磁気センサをプルダウンリスト141m-2(図7(c))の情報を選択されたかを判断する(S213)。そして、判断部55が、選択されたと判断すると(S213でyes)、表示制御部251は、選択されたセンサのドットを、選択されなかったドットと区別した色で表示するとともに、縮小画像141aにも分布図141で選択された領域と同じ領域を塗りつぶして表示する(S214)。
【0076】
一方、収録者または解析者により分布図の所望とするセンサの選択領域141d-2を図12(a)のように選択した場合(S213でNO)、表示制御部251は、選択されたセンサのドットが、選択されなかったドットと区別した色で表示するとともに、縮小画像141aにおいては分布図141で選択された選択領域と最も近い縮小画像の領域を表示させる(S215)。
【0077】
また、判断部55が、ステップS212において、収録者または解析者により縮小画像141a上でプリセットされている磁気センサを選択したと判断した場合には(S212でNO)、表示制御部251は、その領域を縮小画像に強調表示させるとともに、分布図141においても選択されたセンサのドットが、選択されなかったドットと区別した色で強調表示する(S216)。なお、ステップS211で、判断部55が、選択したセンサ情報がないと判断した場合には、ステップS217の処理へ進む。
【0078】
その後、磁気センサの範囲がさらに選択されれば(S217でNO)、ステップS216乃至S211の処理が繰り返される。一方、S211乃至S216の処理が行われないで、分析の処理が終了する場合には(S217でYES)、本フローは終了する。なお、分布図142及び縮小画像の分布図142aにおいても、同様の処理が行われる。
【0079】
(第2の実施形態の変形例3)
続いて、第2の実施形態の変形例3について説明する。縮小画像141aを表示するのは、収録者または解析者により分布図141で選択した磁気センサの選択領域141-1が視認できることが目的であるため、頭部外形像の形状に関しては、あらゆる形状とすることが可能である。特に磁気センサの領域を特定するために必要な形状(たとえば被検者の鼻を示す三角状の部位)が特定されていればよいので、表示制御部251は、被検者の耳を非表示(図12(c))にしたり、鼻と耳以外の外形形状を非表示(図12(d))にしたり、鼻以外の外形形状を非表示(図12(e))としてもよい。
【0080】
(第2の実施形態の変形例4)
続いて、第2の実施形態の変形例4について説明する。図13は、解析画面(図10)の変形例を示す。なお、本例は測定収録画面(図9)の変形例として適用可能である。
【0081】
図9では領域202Aの右側に分布図141,142,130を表示させたことで、解析者は、波形表示領域103の「脳波信号の波形」、波形表示領域101,102の「脳磁信号の波形」、脳磁分布図141、142、及び脳波分布図130の順に(この場合は、時計回りで)視線移動を行うことができる。そのため、解析者(または測定者)の視線移動が効率的になり、解析作業効率を向上させることが可能となる。
【0082】
これに対し、本変形例では、表示制御部251が、縮小画像141a,142a,130aとチャネル軸104との間に分布図141,142,130を表示する。解析者(または測定者)が縮小画像141a、142a,130aに視線をあわせているときに、チャネル軸104に表示させるセンサを変更したい場合、表示制御部251が、縮小画像141a,142a,130aの隣に分布図141,142,130を表示させていることで、視線の動く距離を短くすることができ、作業性が向上する。
【0083】
(第2の実施形態の変形例5)
続いて、第2の実施形態の変形例5について説明する。測定収録画面(図9)および解析画面(図10)の波形表示領域101~103に表示される波形は、表示される時間幅が大きいほど作業性が向上する。そこで、本変形例では、表示制御部251は、分布図141,142,130を表示させた状態(図9,10)と非表示(図14,15)とに切り替え可能としている。図14は測定収録画面で、図15は解析画面である。
【0084】
たとえば、測定者が測定収録画面(図9)又は解析者が解析画面(図10)のウインドウクローズボタン143を押下すると、分布図141,142,130が非表示となり、分布図が表示されていた領域にも波形表示領域101~103の波形が表示可能となる。
【0085】
一方、測定収録画面(図14)および解析画面(図15)の状態で、縮小画像141a,142a,130aのいずれかが押下されると、分布図141,142,130が表示される(図9,10)。図14図15)から図9図10)に画面が切り替わるとき、波形表示領域101~103に表示される波形は、図14図15)における波形表示領域101~103に表示される波形のチャネル軸104から分布図141,142,130の左右幅分の時間に相当する位置を波形表示開始位置として表示される。また、時間軸112は、図14図15)における時間軸112に表示される時間の左端から分布図141,142,130の幅分に相当する時間を表示開始位置にして表示される。
【0086】
以上のように、本変形例によれば、より長時間の波形を波形表示領域101~103に表示させることができるので、より作業性が向上する。なお、分布図142及び縮小画像142aにおいても、同様の処理が行われる。また、本変形例は、図13に示す例にも適用できる。
【0087】
(第2の実施形態の変形例6)
続いて、第2の実施形態の変形例6について説明する。解析画面(図15)の状態で、縮小画像141a,142a,130aのいずれかが押下されると、図16(a)に示すように分布図141,142,130が表示される。図15から図16(a)に画面が切り替わるとき、波形表示領域101~103に表示される波形は、図15の表示から変更されない。一方、分布図141,142,130は、チャネル軸104が隠れないようにして波形に重ねて表示される。言い換えれば、波形表示領域101~103に表示される古い時間の波形に重ねて分布図141,142,130が表示される。
【0088】
以上のように、図13の例と同様に、縮小画像141a、142a,130aの近くに分布図141,142,130を表示させていることで、視線の動く距離を短くすることができ、作業性が向上する。
【0089】
また、図16(b)に示すように、縮小画像141a,142a,130aのうち押下された縮小画像に対応する分布図141,142,130が表示される形態でもよい。図16(b)は縮小画像141aが押下されたことにより分布図141が表示されている状態を示す。図16(b)の形態によれば、図16(a)の効果に加えて、押下されていない縮小画像に対応する分布図が非表示であることによる波形の視認性がより向上する。
【0090】
なお、本変形例は測定収録画面(図14)にも適用可能である。また、図15で表示された分布図141,142,130は、移動可能としてもよい。
【0091】
(第2の実施形態の変形例7)
続いて、第2の実施形態の変形例7について説明する。縮小画像141aに表示されているセンサ画像141a-3の数を変更したいとき、解析者はマウスなどの操作手段を用いて縮小画像141aを右クリックする。すると、図17に示すように、表示制御部251は、センサの選択領域を示すプルダウンリスト141am-2を表示させる。解析者は、このプルダウンリスト141am-2から所望の選択領域を選択する。選択領域が選択されると、表示制御部251は、波形表示領域103の波形は、選択されたセンサに対応する波形の表示に切り替える。また、表示制御部251は、縮小画像141aに表示されている選択領域141a-3の範囲の表示も選択されたセンサに対応する表示に切り替える。なお、このプルダウンリスト141am-2は、メモリにプリセットされている選択領域の情報を出力して表示させるものであってもよいし、解析者が個別に定義する任意領域を設定可能としてもよい。また、このプルダウンリスト141am-2は、予め登録されている選択領域のパターンの中から表示させる選択領域を任意に設定して表示させてもよい。
【0092】
以上のように、縮小画像141a上からセンサの選択領域を設定可能としたことで、解析者は、縮小画像141aからの視線の移動を少なくでき、操作性が向上する。また、分布図141を開くことなくセンサの選択領域を設定可能であるため、波形表示領域を大きくした状態を維持できるとともに、分布図141を開く動作が不要となるので、より操作性が向上する。
【0093】
また、本変形例では縮小画像141aと分布図141とでセンサ選択方法を異ならせている。分布図141では、プリセットされている条件の他に、センサ1つ単位での選択が可能とし、縮小画像141aではプリセットされている条件のみとする。このように、センサを詳細に設定したい場合にのみ、通常サイズの画面を用いて設定するようにすることで、より操作性が向上する。
【0094】
また、プリセットされている領域ごとに、異なる色で表示してもよい。より視認性が向上する。
【0095】
一例として縮小画像141aを用いて説明したが、他の縮小画像142a,130aにも適用可能である。また、本変形例は測定収録画面(図14)にも適用可能である。
【0096】
図20は、本実施形態のフローチャートを示す。判断部55は、受付部52によって、図13又は図16に示されている分布図141,141aの所望とするセンサ画像の選択を受け付けたかを判断する(S201)。センサ画像の選択は、収録者または解析者によって行われる。そして、判断部55が選択を受け付けたと判断した場合には(S201でYES)、更に、判断部55は、図13又は図16に示されている分布図141内の所望とするセンサ画像の選択を受け付けたかを判断する(S202)。
【0097】
次に、判断部55は、分布図141の所望とするセンサ画像の選択を受け付けたと判断した場合には(S202でYES)、表示制御部251が、選択されたセンサ画像を、選択されなかったセンサ画像と区別した色で表示するとともに、縮小画像141aにも分布図141で選択された領域と同じ領域を塗りつぶして表示する(S203)。
【0098】
一方、判断部55が、ステップS202において、収録者または解析者により縮小画像141a上で、プリセットされている磁気センサの選択領域を選択したと判断した場合には(S202でNO)、表示制御部251は、その領域を縮小画像に強調表示させるとともに、分布図141においても、上記選択されたセンサ画像を、選択されなかったセンサ画像と区別した色で強調表示する(S203)。なお、ステップS201で、判断部55が、選択されたセンサ画像がないと判断した場合には、ステップS205の処理へ進む。
【0099】
その後、磁気センサの範囲がさらに選択されれば(S205でYES)、ステップS201乃至S204の処理が繰り返される。一方、S201乃至204の処理が行われないで、分析の処理は終了する場合には(S205でYES)、本フローは終了する。なお、分布図142及び縮小画像の分布図142aにおいても、同様の処理が行われる。
【0100】
〔第3の実施形態〕
第2の実施形態では縮小画像141a,142aをチャネル軸104の左に配置し、分布図141,142で選択した磁気センサの領域を縮小画像141a,142aで塗りつぶして表示させた。これに対して、本実施形態では、縮小画像は時間軸122よりも上側に配置されており、分布図141,142で選択された磁気センサの領域に近い縮小画像群の各チェックボックスにチェックされている点で、第2実施形態と異なる。
【0101】
図22は、第3の実施形態の一例であり、波形表示領域101に表示されている磁気センサの範囲をMEG1で示し、波形表示領域102に表示されている磁気センサの範囲をMEG2で示している。MEG1、MEG2のタイトル表示の隣には、チェックボックスと頭部外形像との組が複数表示されている。図22に示す選択肢は、図7(c)で示す選択肢と一致していることが好ましい。各頭部外形で塗りつぶされている領域は、磁気センサの範囲を示しており、この選択肢は予め収録/解析情報保存部254に登録されているものを表示してもよいし、測定者または解析者が登録・修正できるようにしてもよい。
【0102】
収録者または解析者が分布図141,142の所望とする磁気センサをプルダウンリスト141m-2により選択すると(図7(c))、分布図141,142は、選択されたセンサ画像が、選択されなかったセンサ画像と区別した色で表示され、分布図141,142で選択された領域と同じ領域の縮小画像群MEG1,MEG2のチェックボックスにチェックが表示される。
【0103】
一方、収録者または解析者により分布図の所望とする磁気センサの範囲を図7(a)のように選択した場合、分布図は選択されたセンサ画像が、選択されなかったセンサ画像と区別した色で表示され、縮小画像においては分布図で選択された領域と最も近い縮小画像のチェックボックスにチェックが表示される。
【0104】
また、収録者または解析者により、いずれかの縮小画像のチェックボックスにチェックを入れると、分布図においても選択されたセンサ画像が、選択されなかったセンサ画像と区別した色で表示される。
【0105】
これにより、プログラムの実行負荷を軽減することができ、より操作性が向上する。また、縮小画像群MEG1,MEG2を波形表示領域101に表示したため、波形表示領域101等に表示させる波形の時間幅を広くすることができる。
【0106】
また、波形表示領域の配置順(上から下に101、102と表示)と縮小画像の磁気センサの配置(上から下にMEG1、MEG2)とを一致させたことで、磁気センサの選択領域と波形表示領域の波形との視認性が向上する。さらに、縮小画像群MEG1でチェックされたチェックボックスまたは頭部外形像にマウスを移動したとき、対応する波形表示領域をハイライト表示させてもよい。これにより磁気センサの選択領域と波形表示領域の波形との視認性が向上する。
【0107】
また、縮小画像の表示方法として、図23のような形態でもよい。図23では、縮小画像群MEG1と縮小画像群MEG2をタブで分けて表示させている点で図22と異なる。
この形態によれば、縮小画像の表示領域における上下方向のスペースを図22に比べて小さくできるので、波形表示領域の上下方向の領域を大きくとることができ、波形の視認性が向上する。
【0108】
〔第4の実施形態〕
第2の実施形態では、縮小画像と分布図の両方を表示、または分布図を表示・非表示していた。これに対し、本実施形態では、縮小画像のみを表示させ、分布図に相当する詳細な磁気センサの選択領域の設定は、メニューから詳細な磁気センサの領域設定を選択し、別の画面で設定させるものである。このとき、別画面で磁気センサの選択領域を設定して画面を閉じる(または登録ボタンを押下する)と縮小画像に設定した領域が反映される。
本実施形態では図14図15のレイアウトとなる。これにより、画面レイアウトが簡素となるため、視認性・操作性が向上する。
【0109】
図24は、情報処理装置50のハードウェア構成図である。情報処理装置50は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read Only Memory)23、補助記憶装置24、入出力インタフェース25、及び表示装置28を有し、これらがバス27で相互に接続されている。
【0110】
CPU21は、情報処理装置50の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU21はまた、ROM23または補助記憶装置24に格納された情報表示プログラムを実行して、測定収録画面と解析画面の表示動作を制御する。RAM22は、CPU21のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータや情報を記憶する不揮発RAMを含んでもよい。ROM23は、基本入出力プログラム等を記憶する。本発明の情報表示プログラムもROM23に保存されてもよい。補助記憶装置24は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置であり、たとえば、情報処理装置50の動作を制御する制御プログラムや、情報処理装置50の動作に必要な各種のデータ、ファイル等を格納する。入出力インタフェース25は、タッチパネル、キーボード、表示画面、操作ボタン等のユーザインタフェースと、各種センサあるいはサーバ40からの情報を取り込み、他の電子機器に解析情報を出力する通信インタフェースの双方を含む。表示装置28は各種の情報を表示するためのデバイス(ディスプレイ)である。表示装置28では測定収録画面と解析画面が表示され、入出力インタフェース25を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
【0111】
図25は、情報処理装置50の機能ブロック図である。情報処理装置50は、制御部250、解析部252、センサ情報取得部253、収録/解析情報保存部254、及びアノテーション入力部255を有する。制御部250は、情報処理装置50の画面表示を制御する表示制御部251を含む。
【0112】
センサ情報取得部253は、測定装置3あるいはサーバ40から、センサ情報を取得する。アノテーション入力部255は、センサ情報に付加されるアノテーション情報を入力する。解析部252は、収集されたセンサ情報を解析する。センサ情報の解析には、信号波形の解析、振幅の特異点の解析、電流ダイポールの向きを含む脳磁場の解析が含まれる。つまり、この例では、解析部252は、解析画面から選択されたアノテーションに対応する信号源を推定する機能(推定部の機能)を有している。表示制御部251は、センサ情報の測定収録時、及び解析時の画面表示を上述した手法で制御する。収録/解析情報保存部254は、測定データと解析結果を保存する。測定収録時に信号波形にアノテーションが付加された場合は、信号波形が取得された時間情報と対応付けて、アノテーションも保存される。表示制御部251を含む制御部250の機能は、図24のCPU21がROM23等に格納されたプログラムをRAM22上に展開して実行することによって実現される。解析部252の機能も、CPU21がROM23等に格納されたプログラムをRAM22上に展開して実行することにより実現される。なお、これに限らず、例えば制御部250および解析部252の機能のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路(半導体集積回路等)で実現される形態であってもよい。センサ情報取得部253とアノテーション入力部255の機能は入出力インタフェース25によって実現される。収録/解析情報保存部254の機能は、ROM23または補助記憶装置24によって実現される。
【0113】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、上述の実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態および変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0114】
また、上述した各実施形態の生体信号計測システム1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0115】
また、縮小画像の例として脳磁分布図で説明したが、これに限定されるものではなく、他の設定領域にも適用可能である。例えば、図26に示されているように、心磁計に適用してもよい。図26は、心磁計における分布図の一例を示す図である。図26(a)は図7(a)に対応し、図26(b)は図7(b)に対応する。
【0116】
また、図27に示されているように、磁気センサの領域を複数個所選択できるようにしてもよい。図27は、磁気センサの領域を複数個所選択できるようにした場合の分布図の一例を示す図である。図27(a)は図7(a)に対応し、図27(b)は図7(b)に対応する。ここで、それぞれ塗りつぶされた領域は、同じ色で表示してもよいし、別々の色で表示してもよい。また、分布図だけでなく、縮小画像にも適用可能である。
【0117】
また、磁気センサの領域を選択したときに、頭部の部位に応じて別々の色で表示させてもよい。たとえば、図28(a)に示すように複数のセンサ画像を含む選択領域141a-1を指定すると、指定された領域のなかで図28(b)に示すように領域情報141-3aと141-3bとが別々の色で表示される。この頭部の部位に関する情報と表示する色は、あらかじめメモリに格納されており、この情報に基づいて領域情報141-3aと141-3bとが表示される。なお、本例においても、分布図および縮小画像に適用可能である。
【0118】
また、上記被検者は、「被検体」の一例であり、被検体には、人間だけでなく、犬若しくは猫、又は研究用のラット等も含まれる。分布図141,142は、「大型の選択受付領域」の一例であり、縮小画像141a,142aは、「小型の選択受付領域」の一例である。
【符号の説明】
【0119】
1 生体信号計測システム
3 測定装置
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 補助記憶装置
25 入出力インタフェース
27 バス
28 表示装置
40 サーバ
50 情報処理装置
101 波形表示領域
102 波形表示領域
103 波形表示領域
104 チャネル軸
141 分布図(位置表示領域の一例、選択受付領域の一例)
141-2 センサ画像(位置情報の一例)
141-3 領域情報
141a 縮小画像(位置表示領域の一例)
141m プルダウンリスト(選択受付領域の一例)
142 分布図(位置表示領域の一例、選択受付領域の一例)
142a 縮小画像(位置表示領域の一例)
250 制御部
251 表示制御部
252 解析部
253 センサ情報取得部
254 収録/解析情報保存部
255 アノテーション入力部
261 第1の表示制御部
262 第2の表示制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【文献】特開2009-118910号公報
図1
図2
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図16(a)】
図16(b)】
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図19
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