(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】デジタルマーケティングシステム、情報処理装置、プログラム、マーケティング支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221115BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
(21)【出願番号】P 2018128462
(22)【出願日】2018-07-05
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】横田 峻
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-282982(JP,A)
【文献】特開平11-265400(JP,A)
【文献】特表2010-533326(JP,A)
【文献】特開2012-093841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Z 99/00
H04L 51/00-51/58
H04L 67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜在顧客を顕在化するリードジェネレーションを行う第1のサービス、及び、顕在化された顧客を見込み客化するリードナーチャリングを行う第2のサービスと、情報処理装置がネットワークを介して通信するデジタルマーケティングシステムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザが操作するユーザ端末からデジタルマーケティングの目的に関する情報を受信する第1の受信手段と、
ホームページを作成してサーバ装置で動作させる前記第1のサービスに対し、前記目的に関する情報に基づいて前記ホームページを作成させる作成手段と、
閲覧者の前記ホームページの閲覧により前記ホームページが取得して前記第2のサービスに送信した商品又はサービスのマーケティングに有用なマーケティング情報を前記第2のサービスから受信する第2の受信手段と、
前記マーケティング情報を前記ユーザ端末に提供する提供手段と、を有し、
前記目的に関する情報は、デジタルマーケティングで紹介する商品若しくはサービスのジャンル、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲット業種、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの特性のうちの1つ以上であり、
前記作成手段は、ユーザが選択した前記ジャンル、前記ターゲット業種、前記ターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの前記特性に基づいて、前記ホームページに掲載されるコンテンツに関する情報を作成することを特徴とするデジタルマーケティングシステム。
【請求項2】
前記作成手段は、ユーザに必要な情報
を示しながら対話形式で前記目的に関する情報の入力を受け付けることを特徴とする請求項1に記載のデジタルマーケティングシステム。
【請求項3】
前記目的に関する情報は、デジタルマーケティングで紹介する商品又はサービスの業種、及び、Webサイトの種類であり、
前記作成手段は、ユーザが選択した業種及びWebサイトの種類を、前記ホームページに掲載されるコンテンツの点数に変換し、
点数が高い順に前記コンテンツに関する情報を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルマーケティングシステム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記作成手段が作成した前記コンテンツに関する情報を前記目的に関する情報として、前記第2のサービスの識別情報と共に前記第1のサービスに送信する送信手段を有し、
前記第1のサービスは、
前記コンテンツに関する情報に基づいてホームページのテンプレートを作成するテンプレート作成手段と、
前記ホームページのテンプレートに、前記第2のサービスに対しホームページの閲覧に関する閲覧情報を前記サーバ装置が送信するための第1のタグを前記第2のサービスの識別情報と共に埋め込む埋め込み手段と、
を有することを特徴とする請求項
1又は3に記載のデジタルマーケティングシステム。
【請求項5】
前記テンプレート作成手段は、前記ホームページのテンプレートに問い合わせフォームを設定し、
前記埋め込み手段は、前記第2のサービスに対し前記問い合わせフォームに入力された
問い合わせ内容を前記サーバ装置が送信するための第2のタグを前記第2のサービスの識別情報と共に埋め込むことを特徴とする
請求項4に記載のデジタルマーケティングシステム。
【請求項6】
前記情報処理装置の送信手段は、
前記作成手段が作成した前記コンテンツに関する情報と前記第2のサービスの識別情報に加え、前記ユーザの送信先情報を前記第1のサービスに送信し、
前記埋め込み手段は、前記ユーザに対し前記問い合わせフォームに入力された問い合わせ内容を前記サーバ装置が送信するための前記送信先情報を前記第2のタグに埋め込むことを特徴とする
請求項5に記載のデジタルマーケティングシステム。
【請求項7】
前記情報処理装置の送信手段は、
前記作成手段が作成した前記コンテンツに関する情報と前記第2のサービスの識別情報に加え、前記ユーザの識別情報を前記第1のサービスに送信し、
前記埋め込み手段は、前記閲覧情報と前記問い合わせフォームに入力された問い合わせ内容と共に前記第2のサービスに送信される前記ユーザの識別情報を前記第1のタグと前記第2のタグに設定することを特徴とする請求項
5又は6に記載のデジタルマーケティングシステム。
【請求項8】
潜在顧客を顕在化するリードジェネレーションを行う第1のサービス、及び、顕在化された顧客を見込み客化するリードナーチャリングを行う第2のサービスとネットワークを介して通信する情報処理装置であって、
ユーザが操作するユーザ端末からデジタルマーケティングの目的に関する情報を受信する第1の受信手段と、
ホームページを作成してサーバ装置で動作させる前記第1のサービスに、前記目的に関する情報に基づいて前記ホームページを作成させる作成手段と、
閲覧者の前記ホームページの閲覧により前記ホームページが取得して前記第2のサービスに送信した商品又はサービスのマーケティングに有用なマーケティング情報を前記第2のサービスから受信する第2の受信手段と、
前記マーケティング情報を前記ユーザ端末に提供する提供手段と、を有し、
前記目的に関する情報は、デジタルマーケティングで紹介する商品若しくはサービスのジャンル、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲット業種、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの特性のうちの1つ以上であり、
前記作成手段は、ユーザが選択した前記ジャンル、前記ターゲット業種、前記ターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの前記特性に基づいて、前記ホームページに掲載されるコンテンツに関する情報を作成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記作成手段は、ユーザに必要な情報
を示しながら対話形式で前記目的に関する情報の入力を受け付けることを特徴とする
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記目的に関する情報は、デジタルマーケティングで紹介する商品又はサービスの業種、及び、Webサイトの種類であり、
前記作成手段は、ユーザが選択した業種及びWebサイトの種類を、前記ホームページに掲載されるコンテンツの点数に変換し、
点数が高い順に前記コンテンツに関する情報を作成することを特徴とする請求項
8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置は、
前記作成手段が作成した前記コンテンツに関する情報を前記目的に関する情報として、前記第2のサービスの識別情報と共に前記第1のサービスに送信し、
前記コンテンツに関する情報に基づくホームページのテンプレートの作成と、前記第2のサービスに対しホームページの閲覧に関する閲覧情報を前記サーバ装置が送信するための第1のタグ及び前記第2のサービスの識別情報の前記ホームページのテンプレートへの埋め込みとを、前記第1のサービスに要求する送信手段を有することを特徴とする請求項
8又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報処理装置の送信手段は、
前記作成手段が作成した前記コンテンツに関する情報と前記第2のサービスの識別情報に加え、前記ユーザの送信先情報を前記第1のサービスに送信し、
前記第2のサービスに対し前記ホームページのテンプレートに設定された問い合わせフォームに入力された問い合わせ内容を前記サーバ装置が前記第2のサービスに送信するための第2のタグ及び前記第2のサービスの識別情報の前記ホームページのテンプレートへの埋め込みと、前記ユーザに対し前記問い合わせフォームに入力された問い合わせ内容を前記サーバ装置が送信するための前記送信先情報の前記第2のタグへの埋め込みとを、前記第1のサービスに要求することを特徴とする
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記情報処理装置の送信手段は、
前記作成手段が作成した前記コンテンツに関する情報と前記第2のサービスの識別情報に加え、前記ユーザの識別情報を前記第1のサービスに送信し、
前記閲覧情報と前記問い合わせフォームに入力された問い合わせ内容と共に前記第2のサービスに送信される前記ユーザの識別情報の、前記第1のタグと前記第2のタグへの設定を、前記第1のサービスに要求することを特徴とする
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
潜在顧客を顕在化するリードジェネレーションを行う第1のサービス、及び、顕在化された顧客を見込み客化するリードナーチャリングを行う第2のサービスとネットワークを介して通信する情報処理装置を、
ユーザが操作するユーザ端末からデジタルマーケティングの目的に関する情報を受信する第1の受信手段と、
ホームページを作成してサーバ装置で動作させる前記第1のサービスに、前記目的に関する情報に基づいて前記ホームページを作成させる作成手段と、
閲覧者の前記ホームページの閲覧により前記ホームページが取得して前記第2のサービスに送信した商品又はサービスのマーケティングに有用なマーケティング情報を前記第2のサービスから受信する第2の受信手段と、
前記マーケティング情報を前記ユーザ端末に提供する提供手段、として機能させ、
前記目的に関する情報は、デジタルマーケティングで紹介する商品若しくはサービスのジャンル、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲット業種、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの特性のうちの1つ以上であり、
前記作成手段は、ユーザが選択した前記ジャンル、前記ターゲット業種、前記ターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの前記特性に基づいて、前記ホームページに掲載されるコンテンツに関する情報を作成するためのプログラム。
【請求項15】
潜在顧客を顕在化するリードジェネレーションを行う第1のサービス、及び、顕在化された顧客を見込み客化するリードナーチャリングを行う第2のサービスと、情報処理装置がネットワークを介して通信するデジタルマーケティングシステムが行うマーケティング支援方法であって、
前記情報処理装置は、
第1の受信手段が、ユーザが操作するユーザ端末からデジタルマーケティングの目的に関する情報を受信するステップと、
作成手段が、ホームページを作成してサーバ装置で動作させる前記第1のサービスに、前記目的に関する情報に基づいて前記ホームページを作成させるステップと、
第2の受信手段が、閲覧者の前記ホームページの閲覧により前記ホームページが取得し
て前記第2のサービスに送信した商品又はサービスのマーケティングに有用なマーケティング情報を前記第2のサービスから受信するステップと、
提供手段が、前記マーケティング情報を前記ユーザ端末に提供するステップと、を有し、
前記目的に関する情報は、デジタルマーケティングで紹介する商品若しくはサービスのジャンル、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲット業種、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの特性のうちの1つ以上であり、
前記作成手段は、ユーザが選択した前記ジャンル、前記ターゲット業種、前記ターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの前記特性に基づいて、前記ホームページに掲載されるコンテンツに関する情報を作成することを特徴とするマーケティング支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルマーケティングシステム、情報処理装置、プログラム、及び、マーケティング支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からテレビ、ラジオ、雑誌、電車広告などのマスメディアを用いて顧客を集めるマーケティングが知られているが、近年ではデジタルチャネルを利用したデジタルマーケティングが活用されるようになった。デジタルマーケティングとは、Webサイト、電子メール、SNS、スマホアプリ、IoT(Internet Of Things)などのあらゆるデジタルチャネルを活用して、適切なプロモーション施策を行い、顧客に関するデータを可視化してマーケティングを行うことをいう。
【0003】
一般消費者向け(BtoC)のデジタルマーケティングでは商品を印象づけ、消費者が早く商品を購入したくなるような施策が採用されるが、企業向け(BtoB)のデジタルマーケティングではリードジェネレーションが重要になる。リードジェネレーションとは見込み客を獲得するマーケティング行為をいい、例えば、Webサイト等のデジタルチャネルを活用して、問い合わせ件数が増えるマーケティングを行うことをいう。典型的な例としては自社のホームページを作成し、ホームページから顧客情報を取得する業務が挙げられる。BtoBでは更に、見込み客を抽出したりアプローチしたりするリードナーチャリングを行ってから、営業活動が開始される。リードナーチャリングの典型的な例としてダイレクトメールを送信する業務が挙げられる。
【0004】
デジタルマーケティングを支援するための各種のツールが提供されており、ユーザはリードジェネレーションを支援するCMS(Content Management System)ツールやリードナーチャリングを支援するMA(Marketing Automation)ツール等を活用して施策を実現している。CMSツールの一例としてはホームページの作成を支援するツールがあり、MAツールの一例としてはホームページへのアクセスを解析するツールがある。
【0005】
従来からこのような技術に関連して、担当者がテンプレートに必要な情報を入力することでホームページを自動的に作成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ダイレクトメールを送信する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、ホームページに問い合わせフォームを設けて顧客情報を獲得する技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来は、デジタルマーケティングで使用される各ツールがばらばらに提供されているという問題があった。例えば、CMSツールとMAツールが存在してもユーザは目的に応じて適切なツールを選択する必要があるし、選択後にはMAツールとCMSツール(ホームページ)を連携させるなどの作業が必要である。しかしながら、このようなデジタルマーケティング技術に必ずしも詳しくないユーザがこれらの作業を行うことは容易でない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、デジタルマーケティングで使用される各ツールの活用を支援するデジタルマーケティングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、潜在顧客を顕在化するリードジェネレーションを行う第1のサービス、及び、顕在化された顧客を見込み客化するリードナーチャリングを行う第2のサービスと、情報処理装置がネットワークを介して通信するデジタルマーケティングシステムであって、前記情報処理装置は、ユーザが操作するユーザ端末からデジタルマーケティングの目的に関する情報を受信する第1の受信手段と、ホームページを作成してサーバ装置で動作させる前記第1のサービスに対し、前記目的に関する情報に基づいて前記ホームページを作成させる作成手段と、閲覧者の前記ホームページの閲覧により前記ホームページが取得して前記第2のサービスに送信した商品又はサービスのマーケティングに有用なマーケティング情報を前記第2のサービスから受信する第2の受信手段と、前記マーケティング情報を前記ユーザ端末に提供する提供手段と、を有し、前記目的に関する情報は、デジタルマーケティングで紹介する商品若しくはサービスのジャンル、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲット業種、商品若しくはサービスの購入が期待されるターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの特性のうちの1つ以上であり、前記作成手段は、ユーザが選択した前記ジャンル、前記ターゲット業種、前記ターゲットの属性、又は商品若しくはサービスの前記特性に基づいて、前記ホームページに掲載されるコンテンツに関する情報を作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
デジタルマーケティングで使用される各ツールの活用を支援するデジタルマーケティングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】各種のツールを用いた従来のデジタルマーケティングにおける課題を模式的に説明する図の一例である。
【
図2】DMシステムの概略を説明する図の一例である。
【
図3】DMシステムの構成例と処理を時系列的に説明する図の一例である。
【
図4】DMシステムのシステム構成図の一例である。
【
図5】コンピュータシステムの一例のハードウェア構成図である。
【
図6】支援サーバ、CMSサーバ、MAサーバ、及び、ユーザ端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【
図7】支援サーバのコンサルティング部が提供する、ユーザがどのようなデジタルマーケティングを行いたいかという目的を入力するための画面例を示す図である。
【
図8】コンサルティング部が出力したコンサル結果の一例を示す図である。
【
図9】支援サーバのコンサルティング部が提供する、ユーザがデジタルマーケティングでどのような施策を行いたいかという目的を入力するためのウィザード画面の一例を示す図である。
【
図10】パラメータ変換DBの一例を示す図である。
【
図11】ウィザード画面が終了した際にコンサルティング部がユーザ端末の表示装置に表示するコンテンツの決定画面の一例を示す図である。
【
図12】HPテンプレートのテンプレート画面(その1)の一例を示す図である。
【
図13】テンプレート作成用パラメータから作成されるHPテンプレートのテンプレート画面(その2)の一例を示す図である。
【
図14】異なるタイプの問い合わせフォームの一例を示す図である。
【
図15】HPテンプレートに対する送信先メールアドレス及びMA識別情報の埋め込み例を説明する図の一例である。
【
図16】スクリプト言語で記述されたMAタグの一例を示す図である。
【
図17】MAタグが実行されることで送信される閲覧情報の一例を示す図である。
【
図18】ユーザ端末が支援サーバと通信して表示装置に表示させるMA情報画面の一例を示す図である。
【
図19】自動コンサルティングからMA情報の閲覧までの手順を説明するシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、デジタルマーケティングシステムとデジタルマーケティングシステムが行うマーケティング支援方法について説明する。なお、以下ではデジタルマーケティングシステムをDMシステム(Digital Marketing System)と略記する。
【0012】
<ツールの活用による課題>
初めに、
図1を用いて、従来のデジタルマーケティングにおける課題について補足して説明する。
図1は、各種のツールを用いた従来のデジタルマーケティングにおける課題を模式的に説明する図の一例である。
【0013】
ユーザ9としては、デジタルマーケティングでどのようなことをやりたいかという漠然とした目的を持っている。例えば「新商品をPRするHP(Home Page:ホームページ)をつくりたい」「興味がありそうな顧客にメールを送信したい」などである。しかし、具体的にどのようなHPを作成したり、どのような閲覧者に電子メールを送信したりすれば効果的か等のノウハウを持っていない。
【0014】
そこで、ユーザ9によってはコンサルタント会社8のコンサルタントに相談し、自分たちが持つ目的に対しどのようなHPを作成すればよいかなどのコンサル結果(アドバイス)を取得する。しかし、ユーザ9はコンサル結果を反映させるCMS(Content Management System)ツール11やMA(Marketing Automation)ツール12を多くの候補の中から選択する必要がある。また、CMS作成ツール11やMAツール12を選択したとしても、目的に対し適切な機能を各ツールから選択し設定しなければならない。例えば、MAツール12はCMS作成ツール11と連携することで効果を発揮するが、このような設定は必ずしも容易でない。
【0015】
<本実施形態の概略>
図2は、本実施形態のDMシステム100の概略を説明する図の一例である。
図2に示すように、DMシステム100は、ユーザ9がCMSツールとMAツールを意識せずにこれらを活用するための支援サーバ50を有している。なお、CMSツールを提供するサーバをCMSサーバ20といい、MAツールを提供するサーバをMAサーバ40という。また、ユーザ9とはDMシステム100のユーザ9であり、支援サーバ50のユーザ9でもある。また、間接的にCMSサーバ20、及び、MAサーバ40のユーザ9である。
(1)まず、ユーザ9はデジタルマーケティングでどのような施策を行いたいかという目的を支援サーバ50に入力する。
(2)支援サーバ50は目的に対し自動コンサルティングを行い、自動コンサルティングの結果に応じたHPのテンプレートをCMSサーバ20に作成させる。
(3)HPのテンプレートにはCMSツールとMAツールが連携するための処理が記述されており、MAツールはCMSツールと連携して、HPの閲覧状況や問い合わせ内容などのMA情報(マーケティング情報の一例)をCMSツールから取得する。
(4)支援サーバ50はMAツールと適宜、通信してMA情報を取得する。
(5)ユーザ9が支援サーバ50にアクセスすると、MA情報を閲覧できる。
【0016】
このように、ユーザ9の目的ベースのインタフェースを持つ支援サーバ50を介して、自動コンサル機能を利用してもらうことで、目的に応じたHPテンプレートの作成、及び、CMSツールとMAツールの連携が可能となる。ユーザ9はCMSツールやMAツールを個々に選択したり、機能を選択したりせずに、デジタルマーケティングで行いたい施策を達成できる。ユーザ9は基本的に支援サーバ50にアクセスすればよくデジタルマーケティングで使用される各ツールを組み合わせて運用するという手間を削減できる。例えば、コンサルタントから受けた内容をCMSツールやMAツールを利用して実現する必要がない。
【0017】
<用語について>
リードジェネレーションは、潜在顧客を顕在化することをいう。例えば、見込み顧客を獲得するための活動をいう。不特定多数ではなく、自社の製品又はサービスに関心を示す個人や企業の個人情報を獲得することを指す。広義にはHP(又はWebサイト)を使用しない活動も含むが本実施形態では主にHPを活用した活動を指す。
【0018】
リードナーチャリングは顕在化された顧客を見込み客化することをいう。例えば、見込み顧客を契約や受注対象の顧客へと育成、教育する活動をいう。一例としては、リードジェネレーションなどで集めてきた見込み顧客にメルマガ等で関係をつなげ、実際の販売機会や商談等につなげる活動のことなどを指す。
【0019】
デジタルマーケティングの目的に関する情報とは、ユーザがデジタルマーケティングでどのような施策をやりたいかという意図である。必ずしも明文化されていなくてもよく、無意識のうちに持っている施策も含まれる。
【0020】
HPとはインターネットで使われるWWW(ワールド・ワイド・ウェブworld wide web)システムが提示する画面をいう。端末装置が最初に表示するページだけでなく端末装置が表示できる全てのページを含めてよい。Webサイト又はWebページとも言い、本実施形態でも厳密には区別しない。
【0021】
商品又はサービスのマーケティングに有用なマーケティング情報は、HPの閲覧により得られる情報であればよい。閲覧者が入力した情報も含まれる。閲覧するという動作に基づいてHP(HPが動作する任意のサーバ及びHPから情報を取得したサーバ)が加工した情報(例えば閲覧数など)も含まれる。
【0022】
<全体的な動作の概略>
図3を用いて、DMシステム100の概略について説明する。
図3は、DMシステム100の構成例と処理を時系列的に説明する図の一例である。図示するように、DMシステム100はユーザ端末13、支援サーバ50、CMSサーバ20、及び、MAサーバ40を有している。ユーザ9は支援サーバ50を介してCMSサーバ20が提供するCMSツールとMAサーバ40が提供するMAツールを利用できるため、支援サーバ50はユーザ9に対しCMSサーバ20とMAサーバ40のいわばワンストップサービスを提供する。
【0023】
図3(a)~(d)では、ユーザ9がユーザ端末13で支援サーバ50にアクセスして、CMSサーバ20とMAサーバ40を連携させる手順を説明する。
【0024】
A.ユーザ9はデジタルマーケティングでどのような施策を行いたいかという目的(以下、自動コンサル用情報という)をユーザ端末13に入力する。
【0025】
B.支援サーバ50は、自動コンサル用情報に基づいて自動コンサル用情報をユーザ9の目的を達成するために適したコンテンツに変換する知見を予め整備しており、自動コンサル用情報からHPテンプレート作成用パラメータを作成する。HPテンプレート作成用パラメータはHPが含むことが目的達成に効果的なコンテンツを含む。
【0026】
C.支援サーバ50はHPテンプレート作成用パラメータをCMSサーバ20に送信する。送信する際、支援サーバ50はHPテンプレート作成用パラメータをCMSサーバ20に送信する際、送信先メールアドレス(問い合わせ内容などの送信先)、MA識別情報(CMSサーバ20と連携するMAサーバ40を特定するための情報)、及びユーザID(後にユーザ9のMA情報を特定するため)を送信する。
【0027】
D.CMSサーバ20はHPテンプレート作成用パラメータに基づいてHPテンプレートを作成する。HPテンプレート作成用パラメータは上記のように、HPが有すべきコンテンツを示すので、CMSサーバ20はこのコンテンツに適したHPテンプレートを作成する。例えば、導入実績がコンテンツであれば、顧客の写真、顧客のコメント、及び導入した製品などを記入するHPテンプレートが作成される。
【0028】
また、CMSサーバ20はHPテンプレートにMA用タグ及び問い合わせフォームの送信先を埋め込む。MA用タグ及び問い合わせフォームの送信先は、例えばHTMLのタグやJavaScript(登録商標)などで記述され、閲覧者がHPを閲覧したことで得られる閲覧情報、及び、問い合わせ内容などをMAサーバ40に送信することを可能にする。
【0029】
E.HPテンプレートはテンプレートに過ぎず、実際のコンテンツが掲載されていないので、ユーザ9はHPテンプレートに従ってHPを完成させる。
【0030】
F.HPが完成して一般に公開されると、閲覧者がHPを閲覧する。より詳細な情報が欲しい閲覧者は問い合わせフォームから企業名やメールアドレスなどの問い合わせ内容を入力する。閲覧者が実際には企業名等を入力しない場合に、閲覧者のIPアドレスからドメインを特定し、ドメインから企業名などを特定してもよい。
【0031】
G.CMSサーバ20はこのようなMA情報(閲覧情報と問い合わせ内容)をMAサーバ40に送信する。このMAサーバ40は上記の「C.」で設定されたMA識別情報で指定されている。また、MA情報と共にユーザIDが送信される。ユーザ9が作成したHPから取得されたMA情報をこのユーザ9に届けるためである。同様に、「C.」で設定された送信先メールアドレスにMA情報が送信されてもよい。
【0032】
H.支援サーバ50はユーザIDに対応付けられたMA情報をMAサーバ40から取得する。取得方法はPULL方式でもPUSH方式でもよい。
【0033】
I.ユーザ9は支援サーバ50にアクセスしてMA情報を閲覧することができる。このように、ユーザ9はほぼ支援サーバ50とのみ通信することで、IT技術にあまり詳しくないユーザ9であってもCMSツールとMAツールを使ったデジタルマーケティングが可能になる。
【0034】
<システム構成例>
図4は、DMシステム100のシステム構成図の一例である。DMシステム100は、ネットワークNを介して通信可能な支援サーバ50、CMSサーバ20、MAサーバ40、ユーザ端末13、及び、閲覧者端末14を有している。通信可能とは、常時、通信していることまでは要求されず、必要な時に通信できればよい。
【0035】
ネットワークNは、インターネットなどの一般的なネットワークが想定されている。企業内や家庭内のLANが含まれていたり、広域イーサネット(登録商標)や複数のLANから成るWANが含まれていたりしてもよい。ネットワークは、一部又は全体が無線化されていてもよい。無線のネットワークには、無線LAN、WiMAXの他、3G,4G、5Gなどの携帯電話網が含まれてよい。
【0036】
支援サーバ50、CMSサーバ20、及びMAサーバ40はいわゆるサーバ装置であり、情報処理装置の機能を有している。サーバとはネットワークで繋がった他のコンピュータにファイルやデータ等を提供するコンピュータである。Webサーバ、HTTPサーバ、WWWサーバなどと呼ばれる場合がある。ただし、支援サーバ50、CMSサーバ20、及びMAサーバ40はサーバ専用の装置である必要はなく、汎用的な情報処理装置でもよい。
【0037】
CMSサーバ20は、潜在顧客を顕在化させるリードジェネレーション(第1のサービスの一例)を行う又は支援するサーバである。例えば、顧客情報の取得、顧客関心情報の取得、顧客のリスト作成等を行う。具体的には、HP(つまりWebサイト)の作成、更新、管理を行う、HP作成ツールを提供するサーバである。
【0038】
MAサーバ40は顕在化された顧客を見込み客化するリードナーチャリング(第2のサービスの一例)を行う又は支援するサーバである。例えば、メール配信、印刷物発送、開封カウント、そのほかの反響行動の観察、反響集計、確度分析、アプローチ分類、アプローチ判断、確度確認、商談予定取り付け、初訪・再訪、提案、契約などを行う。簡単な例では、HPに対するアクセス解析を行うMAツールを提供する。
【0039】
CMSサーバ20とMAサーバ40は別々のサーバでなくてもよく、1つのサーバがCMSツールとMAツールを提供する形態もあり得る。また、実際には数多くのCMSサーバ20とMAサーバ40が存在し、支援サーバ50はそれぞれのCMSサーバ20及びMAサーバ40と連携することができる。どのCMSサーバ20又はMAサーバ40を使用するかについては、支援サーバ50がCMSサーバ20又はMAサーバ40の機能やコストから選択する方法が考えられる。ユーザがCMSサーバ20又はMAサーバ40を選択することが困難、又は煩わしくないのであれば、ユーザが指定する方法が考えられる。支援サーバ50は、ユーザがCMSサーバ20又はMAサーバ40を選択する指標(機能、人気度など)を提示してもよい。
【0040】
ユーザ端末13は、ユーザ9が使用する端末装置であり、通信機能と表示機能を有する汎用的な情報処理装置である。ユーザ端末13となりうる情報処理装置としては、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、時計型などのウェアラブルPCがある。この他、電子黒板、テレビ会議端末、デジタルサイネージ端末、又はカーナビなど、情報処理装置の機能を有する装置であればよい。ユーザ端末13は1台以上でよい。
【0041】
閲覧者端末14は、HPの閲覧者が使用する端末装置であり、通信機能と表示機能を有する汎用的な情報処理装置である。閲覧者端末14の一例はユーザ端末13と同様でよい。閲覧者端末14は複数あることが想定される。
【0042】
なお、ユーザ端末13と閲覧者端末14ではブラウザソフトが動作する。支援サーバ50は画面情報をユーザ端末13に送信する。また、CMSサーバ20は後述するHP公開サーバでHPを公開するので、HP公開サーバはHPの画面情報を閲覧者端末14に送信する。
図4ではCMSサーバ20とHP公開サーバを一体とみなした。画面情報はHTML、スクリプト言語(JavaScript:登録商標)、及び、CSS(Cascade Style Sheet)などで記述されている。画面情報をWebページやWebアプリという場合もある。Webアプリとは、ブラウザソフト上で動作するスクリプト言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバ側のプログラムが協調することによって動作し、ブラウザ上で使用されるソフトウェア又はその仕組みを言う。なお、ユーザ端末13と閲覧者端末14ではブラウザソフトでなく、同等の機能を有するアプリケーションソフトが動作してもよい。
【0043】
<ハードウェア構成例>
続いて、本実施形態のDMシステム100における支援サーバ50、CMSサーバ20、MAサーバ40、ユーザ端末13、及び、閲覧者端末14のハードウェア構成について説明する。
【0044】
<<支援サーバ、CMSサーバ、MAサーバ、ユーザ端末、及び、閲覧者端末のハードウェア構成例>>
支援サーバ50、CMSサーバ20、MAサーバ40、ユーザ端末13、及び、閲覧者端末14は、例えば
図5に示すハードウェア構成のコンピュータシステムにより実現される。
図5は本実施形態に係るコンピュータシステム300の一例のハードウェア構成図である。
【0045】
図5に示したコンピュータシステム300は、入力装置201、表示装置202、外部I/F203、RAM(Random Access Memory)204、ROM(Read Only Memory)205、CPU(Central Processing Unit)206、通信I/F207、及びHDD(Hard Disk Drive)208などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0046】
入力装置201はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザ9が各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置202はディスプレイなどを含み、コンピュータシステム300による処理結果を表示する。
【0047】
通信I/F207はコンピュータシステム300を社内ネットワーク及びインターネット等に接続させるインタフェースである。これにより、コンピュータシステム300は通信I/F207を介してデータ通信を行うことができる。
【0048】
HDD208はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、例えばコンピュータシステム300全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)や、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトなどがある。HDD208は格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。
【0049】
外部I/F203は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203aなどがある。これにより、コンピュータシステム300は外部I/F203を介して記録媒体203aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体203aにはフレキシブルディスク、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
【0050】
ROM205は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM205には、コンピュータシステム300の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM204は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。
【0051】
CPU206は、ROM205やHDD208などの記憶装置からプログラムやデータをRAM204上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータシステム300全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0052】
なお、支援サーバ50、CMSサーバ20、及びMAサーバ40、クラウドコンピューティングに対応していることが好ましい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。
【0053】
また、支援サーバ50、CMSサーバ20、及びMAサーバ40の入力装置201及び表示装置202は必要に応じてコンピュータシステム300に接続されればよい。
【0054】
<機能について>
次に、
図6を用いて支援サーバ50、CMSサーバ20、MAサーバ40、及びユーザ端末13の機能について説明する。
図6は、支援サーバ50、CMSサーバ20、MAサーバ40、及び、ユーザ端末13の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。なお、閲覧者端末14についてはユーザ端末13と同様の機能を有するものとする。
【0055】
<<ユーザ端末>>
ユーザ端末13は、第1通信部21、操作受付部22、及び表示制御部23を有する。ユーザ端末13が有するこれら各機能部は、
図5に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0056】
第1通信部21は、支援サーバ50と各種の情報を送受信する。本実施形態では自動コンサル用情報を支援サーバ50に送信し、支援サーバ50からMA情報を受信する。ただし、これらには限られない。第1通信部21は支援サーバ50から画面情報を取得するリクエストを送信しこの画面情報を受信して、ユーザ9が画面に入力した情報を支援サーバ50に送信することで、各種の情報を送受信する。このような機能はブラウザソフトから提供されてよい。
【0057】
表示制御部23は、第1通信部21が受信した画面情報を解析して表示装置202に表示する。すなわち、HP(Webページ)を表示する。HPによってはユーザ9がテキストデータを入力する入力欄、項目を選択するためラジオボタン、チェックボックスなど、一般的なHPで表示される入力欄から情報の入力が可能である。
【0058】
操作受付部22は、ユーザ端末13に対する各種の操作を受け付ける。例えば、HPに対する各種の入力、情報の受信指示、及び、送信指示を受け付ける。
【0059】
<<支援サーバ>>
支援サーバ50は、第2通信部31、第3通信部32、コンサルティング部33、MA情報提供部34、及び第4通信部35を有する。ユーザ端末13が有するこれら各機能部は、
図5に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0060】
また、支援サーバ50は、
図5に示されたHDD208等に構築されるパラメータ変換DB36及びユーザ情報DB37を有している。まず、ユーザ情報DB37について説明する。なお、パラメータ変換DB36及びユーザ情報DB37は支援サーバ50が有していてもよいし、ネットワークN上に存在してもよい。
【0061】
【表1】
表1はユーザ情報DB37に記憶されているユーザ情報を模式的に示す。ユーザ情報DB37にはユーザ9に関する情報が記憶されている。例えば、会社名、ユーザID、パスワード、問い合わせフォームの送信先メールアドレス、HP公開済みフラグ、MA情報最新更新日時、及び、MA識別情報等の項目を有している。会社名とはDMシステム100のユーザ9である企業の名称である。ユーザIDはユーザ9を識別又は特定するための識別情報である。IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。ユーザIDとして、例えばメールアドレスを使用してもよい。
【0062】
問い合わせフォームの送信先メールアドレスは、HPに埋め込まれたフォームに閲覧者が入力した問い合わせ内容の送信先となるメールアドレスである。従って、問い合わせフォームの送信先メールアドレスもHPに埋め込まれ、閲覧者が問い合わせフォームに入力した問い合わせ内容はフォームの送信先メールアドレスに送信される。なお、問い合わせフォームの送信先メールアドレスには複数のメールアドレスを設定可能である。HP公開済みフラグには、HPが公開済みか否か設定される。公開済みでなければMA情報も取得できないため、HP公開済みフラグはMA情報の取得の際にCMSサーバ20からMAサーバ40に送信される。MA情報最新更新日時は、MA情報を最後に更新した日時である。MA情報の差分を取得するために使用される。
【0063】
MA識別情報はMAサーバの識別情報に相当し、このユーザが使用するMAサーバである。表1のようにユーザとMAサーバ40の関係は固定でもよいが、支援サーバ50が一定期間ごとに切り替えるなどの運用も可能である。MA識別情報は問い合わせ内容をMAサーバ40に送信するため、及び、MAタグによる閲覧情報をMAサーバ40に送信するためにHPに埋め込まれる。
【0064】
続いて、支援サーバ50の各機能について説明する。第2通信部31は、ユーザ端末13と通信し各種の情報を送受信する。すなわち、各種の画面情報とMA情報をユーザ端末13に送信し、自動コンサル用情報をユーザ端末13から受信する。
【0065】
第3通信部32は、CMSサーバ20と通信し各種の情報を送受信する。本実施形態ではテンプレート作成用パラメータをCMSサーバ20に送信する。テンプレート作成用パラメータには、送信先メールアドレス、MA識別情報、及びユーザIDが添付される。なお、支援サーバ50はCMSサーバ20のAPI(Application Program Interface)を利用できる。また、HPテンプレートが作成されると第3通信部32はHP作成用URLを受信する。
【0066】
コンサルティング部33は、自動コンサル用情報に基づいてパラメータ変換DB36を参照してテンプレート作成用パラメータを作成する。詳細は
図7~
図11にて説明する。
【0067】
第4通信部35はMAサーバ40と通信し各種の情報を送受信する。本実施形態ではMA情報をMAサーバ40から受信する。なお、第4通信部35はMAサーバ40からのPUSH通信でMA情報を受信することができる。この場合、MAサーバ40は支援サーバ50のAPIを把握しておりこのAPIに対しMA情報を送信する。また、第4通信部35はMAサーバ40に対しMA情報を要求し要求に対する応答としてMA情報を受信するPULL通信を行ってもよい。この場合、支援サーバ50はMAサーバ40のAPIを把握しておりこのAPIに対しMA情報を要求する。なお、第4通信部35はMA情報最新更新日時を指定して、MAサーバ40がこれよりも後に取得したMA情報を取得する。また、MAサーバ40においてMA情報はユーザIDと対応付けられているため、第4通信部35は各ユーザ別にMA情報を取得できる。
【0068】
MA情報提供部34はユーザ端末13からの要求に対し、ユーザIDに対応付けられているMA情報を、第2通信部31を介してユーザ端末13に提供する。
【0069】
<<CMSサーバ>>
CMSサーバ20は、第5通信部41、HPテンプレート作成部42、及びタグ・フォーム埋め込み部43を有する。CMSサーバ20が有するこれら各機能部は、
図5に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0070】
第5通信部41は支援サーバ50と通信し各種の情報を送受信する。本実施形態ではテンプレート作成用パラメータ、送信先メールアドレス、MA識別情報、及びユーザIDを支援サーバ50から受信する。
【0071】
HPテンプレート作成部42は、テンプレート作成用パラメータを用いてHPテンプレートを作成する。HPテンプレートであるので、実際のコンテンツではなく例えばダミーのコンテンツが配置されたHPのひな形が作成される。
【0072】
タグ・フォーム埋め込み部43は、HPテンプレートにMA用タグ、問い合わせフォームの送信先メールアドレス及びMA識別情報を埋め込む。埋め込むとは、HTMLタグ又はスクリプト言語を記述することをいう。問い合わせ内容は表1に示した送信先メールアドレス及びMA識別情報のうちの1つ(例えば、Masysytem.com/aaa)に送信される。よって、問い合わせフォームには送信先メールアドレス及びMA識別情報のうちの1つを埋め込む。
【0073】
MA用タグは、閲覧者がHPを閲覧したことにより生成される閲覧数(PV数)などの閲覧情報を、HP公開サーバ60がMAサーバに送信するためのタグである。閲覧情報はMA識別情報のうちの1つ(例えば、https://example.com/hoge)に送信される。よって、各ページごとに閲覧情報はMA識別情報のうちの1つを埋め込む。
【0074】
また、タグ・フォーム埋め込み部43はMA情報(問い合わせ内容と閲覧情報)をユーザ端末13が表示できるように、1つ以上のユーザIDをHPテンプレートに埋め込む。例えば、問い合わせフォームとMAタグのそれぞれにユーザIDが埋め込まれる。
【0075】
従って、問い合わせ内容は送信先メールアドレスにより直接、ユーザに送信され、更に、MAサーバに送信される。閲覧情報はMAサーバにのみ送信される。
【0076】
タグとフォームが埋め込まれたHPテンプレートはHP保存部44に保存される。HPテンプレートはユーザ9ごとに所定のURLに保存される。このURLがHP作成用URLである。ユーザ9はHP保存部44に保存されたHPテンプレートをHP作成用URLから取得してHPを完成させる。
【0077】
完成したHPはHP公開サーバ60に送信され、HP公開サーバ60にて一般の閲覧者に公開される。なお、CMSサーバ20がHPを公開してもよい。
【0078】
<<MAサーバ>>
MAサーバ40は、第6通信部51、MA情報受付部52、及びMA情報管理部53を有する。MAサーバ40が有するこれら各機能部は、
図5に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0079】
第6通信部51は支援サーバ50及びHP公開サーバ60と通信し各種の情報を送受信する。まず、第6通信部51はHP公開サーバ60からMA情報を受信する。そして、支援サーバ50又はMAサーバ40のAPIを介して、本実施形態ではMA情報を支援サーバ50に送信する。
【0080】
MA情報受付部52は、第6通信部51を介して、HP公開サーバ60で公開されているHPを閲覧者が閲覧することでMAタグが送信する閲覧情報をHP公開サーバ60から受け付ける。同様に、閲覧者がHPのフォームに入力した例えば問い合わせ内容をHP公開サーバ60から受け付ける。すなわち、MA情報(閲覧情報と問い合わせ内容)を受け付ける。
【0081】
MA情報管理部53は、MA情報受付部52が受け付けたMA情報(閲覧情報、問い合わせ内容)をユーザIDに対応付けて管理する。これにより、第6通信部51を介してユーザ9ごとのMA情報を支援サーバ50に送信できる。
【0082】
<自動コンサルティング機能について>
本実施形態のDMシステム100は、従来、コンサルティング会社の経験豊富なコンサルタントが行っていたコンサルティングを支援サーバ50が行う。ユーザ9はコンサルタントに相談することが不要になり、また、コンサルタントのコンサル結果(アドバイス)をHPに反映させる作業も不要になる。
【0083】
本実施形態では、ユーザ9はデジタルマーケティングでどのような施策を行いたいかという目的を支援サーバ50に入力する。支援サーバ50はこのようなユーザ9の目的ベースの入力を受け付けるインタフェースを有することも特徴の1つである。以下では、
図7、
図8で自動コンサルティングの1実施例を、
図9~
図11で別の1実施例を説明する。
【0084】
図7は、支援サーバ50のコンサルティング部33が提供する、ユーザ9がデジタルマーケティングでどのような施策を行いたいかという目的を入力するための画面例を示す。
図7(a)~(d)は時系列に遷移するものとする。
【0085】
図7(a)は商品又はサービスの概要が入力される商品特性入力画面301を示す。商品特性入力画面301はジャンル数選択欄302、及び、ジャンル入力欄303を有する。ジャンル数選択欄に302は、ユーザ9の会社が扱う商品又はサービスのジャンル数が選択可能に表示される。ジャンル入力欄303には商品又はサービスの具体的なジャンルが入力される。
【0086】
図7(b)はジャンルごとにHPのターゲットが入力されるターゲット画面311を示す。ターゲット画面311は、ターゲット業種欄312、及び、ターゲット属性欄313を有する。ターゲット業種欄312には商品又はサービスの購入が期待されるターゲットの業種が選択可能に表示される。ターゲット属性欄313には商品又はサービスの購入が期待されるターゲットとする顧客の属性が選択可能に表示される。
【0087】
図7(c)は、商品又はサービスの詳細が入力される商品詳細画面321を示す。商品詳細画面321は商品特性欄322、及び、特徴欄323を有する。商品特性欄322には、商品又はサービスのジャンルが選択可能に表示される。特徴欄323には、商品の特徴が入力される。
【0088】
図7(d)は、商品又はターゲットが認知されるプロセスを入力するための認知プロセス入力画面331である。認知プロセス入力画面331は、プロセス332ごとにターゲットのマインド状態333、及び、次ステップへ進めるためのポイント334が入力される。認知プロセス入力画面331には、ターゲットがユーザ9の商品又はサービスを全く知らない段階から購入するまでのマインドと、次ステップに進むためには何が必要か順次、入力される。
【0089】
図7(a)~(d)の画面は、操作受付部22がユーザ9の入力に応じて表示制御部23が順次遷移させる。
図7(a)~(d)で入力される情報が自動コンサル用情報である。第1通信部21は次の画面情報が必要になると支援サーバ50から次の画面情報を取得する。従って、ユーザ9は支援サーバ50からの問い合わせに回答していく対話形式で、漠然とした目的を具体的な文章や数値として入力できる。これにより、ユーザ9がデジタルマーケティングでどのような施策を行いたいかという目的を入力できる。
【0090】
コンサルティング部33は、自動コンサル用情報からコンサル結果を出力する。一般に、コンサルタントは自動コンサル用情報のような情報からコンサル結果を導き出す。支援サーバ50のパラメータ変換DB36にはコンサルタントから得た知見を元に生成されたロジックが構築されている。このようなロジックは機械学習などで構築されてもよいし、開発者が自動コンサル用情報からコンサル結果を出力するフローチャートを作成してもよい。
【0091】
図8は、コンサルティング部33が出力したコンサル結果の一例を示す。本実施形態のコンサル結果はHPを作成するためのテンプレート作成用パラメータである。
図8ではマトリックス状のテンプレート作成用パラメータを示す。
【0092】
まず、縦軸に、認知、興味・感心、基本計画策定、業者選定、比較・検討、及び、購入の項目が並んでおり、下の項目ほど優先順位が高い。この項目と優先順位は自動コンサルティングにより決定されている。また、横軸には、左から重要度高、重要度中、重要度低の各項目が並んでいる。重要度が高いことは優先順位が高いことを意味する。
【0093】
そして、縦軸の項目と横軸の項目に対応付けて、HPテンプレートに含めるべきコンテンツが示されている。例えば、認知の項目で重要度が高いコンテンツは「技術情報」であり、比較・検討の項目で重要度が高いのは「会社情報、取引実績」である。
【0094】
図8のテンプレート作成用パラメータはCMSサーバ20に送信される。支援サーバ50はコンテンツに適したHPテンプレートを決定する。コンテンツと1つ以上のHPテンプレートは予め対応付けられている。
【0095】
また、テンプレート作成用パラメータはCMSサーバ20に送信される前にユーザ端末13に表示されるとなおよい。ユーザ9は
図8の各コンテンツをクリックすると、操作受付部22がクリックされたコンテンツを受け付け、第1通信部21がコンテンツを支援サーバ50に送信する。支援サーバ50はコンテンツをCMSサーバ20に中継して、CMSサーバ20がコンテンツに適した1つ以上のHPテンプレートを決定し支援サーバ50に送信する。支援サーバ50の第2通信部31はHPテンプレートをユーザ端末13に送信する。これにより、ユーザ9はコンテンツに適したHPテンプレートを選択し、すぐに写真や文章などのコンテンツを入力できる。そして、コンテンツの入力後のHPテンプレートが支援サーバ50を介してCMSサーバ20に送信される。この場合、CMSサーバ20はユーザ9が選択したHPテンプレートを優先することにして、コンテンツに適したHPテンプレートを作成しない。
【0096】
続いて、
図9を用いて自動コンサルティングの別の実施例を説明する。
図9は、支援サーバ50のコンサルティング部33が提供する、ユーザ9がデジタルマーケティングでどのような施策を行いたいかという目的を入力するためのウィザード画面の一例を示す。
図9のウィザード画面は、
図7と同様にユーザ9が問い合わせに回答していくことで入力が完成するが、
図7よりも更に対話性が向上している。ウィザードとは、ユーザ9に必要な情報を適宜示しながら対話形式で簡便に操作できるよう工夫された処理形態をいう。
【0097】
図9(a)は業種選択画面401である。ユーザ9はデジタルマーケティングの対象とする製品又はサービスの業種を選択する。
図9(a)では業種1~業種6と表示されているが、各業種が具体的にどのような業種であるかはユーザ9が把握しているか又はヘルプ画面を表示させることで確認できる。また、業種は6つに限られない。
【0098】
図9(b)はWebサイトの種類選択画面411である。ユーザ9はデジタルマーケティングの対象とする製品又はサービスをどのような種類のWebサイトで提供するかを選択する。
図9(b)では一例として「コーポレートサイト」「事業部サイト」「マイクロサイト」「ブログ/情報サイト」が挙げられているが、これらには限られない。
【0099】
業種及びWebサイトの種類によって、閲覧者に訴求しやすいコンテンツが異なると考えられる。そこで、コンサルティング部33は
図10に示すようなパラメータ変換DB36を用いて、ユーザ9の回答を各コンテンツのカテゴリの点数に変換する。
【0100】
図10は、パラメータ変換DB36の一例を示す。
図10(a)は業種と各コンテンツの点数を対応付けており、
図10(b)はWebサイトの種類と各コンテンツのカテゴリの点数を対応付けている。
図9(a)の業種選択画面401において、ユーザ9が「業種1」を選択した場合、各コンテンツのカテゴリの点数は「導入事例」が200、「技術紹介」が100、「取引実績」が50,「開発秘話」が20である。
【0101】
図9(b)のWebサイトの種類選択画面411において、ユーザ9が「コーポレートサイト」を選択した場合、各コンテンツのカテゴリの点数は「導入事例」が50、「技術紹介」が40、「取引実績」が100,「開発秘話」が20である。
【0102】
従って、ユーザ9が業種選択画面401で「業種1」を選択し、Webサイトの種類選択画面411で「コーポレートサイト」を選択した場合、各コンテンツのカテゴリの点数は以下のようになる。
「導入事例」…250
「技術紹介」…140
「取引実績」…150
「開発秘話」…40
このように、コンサルティング部33はウィザード画面でユーザ9が選択を行うごとにパラメータ変換DB36に基づいて、入力された目的を点数に変換して行く処理を繰り返す。これにより、それぞれの選択に応じて各コンテンツの点数を決定できる。なお、パラメータ変換DB36に登録されている業種やWebサイトの種類などと点数の関係は、コンサルタントの知見が参考にされてもよいし、機械学習などで決定されてもよい。
【0103】
図11は、ウィザード画面が終了した際にコンサルティング部33がユーザ端末13の表示装置202に表示するコンテンツの決定画面421の一例を示す。コンテンツの決定画面421には「HPに掲載するコンテンツのカテゴリを選択してください。」というメッセージ424、コンテンツのカテゴリ422、各カテゴリの重要度バー423、及び、決定ボタン425が表示されている。コンテンツのカテゴリ422は点数が高いほど重要度が高いと判断されているため、重要度バー423の上の方に表示されている。
【0104】
ユーザ9はHPに使用する1つ以上のカテゴリを選択することができる。例えば、マウスなどでクリックしたりタッチパネルをタップしたりする。選択されたコンテンツのカテゴリ422は高輝度表示又は反転表示などで強調される。この状態でユーザ9が決定ボタン425を押下すると、選択されたコンテンツのカテゴリ422がテンプレート作成用パラメータとして支援サーバ50に送信される。
【0105】
<CMSサーバが作成するHPテンプレート>
続いて、
図12を用いて、テンプレート作成用パラメータから作成されるHPテンプレートについて説明する。
図12は、HPテンプレートのテンプレート画面(その1)の一例を示す図である。
図12のテンプレート画面(その1)431は商品又はサービスに関係なく共通に使用されるHPテンプレートの一例として、ヘッダ欄432、タイトル画像欄433、会社概要欄434、及び、アクセス欄435のコンテンツを有している。これらはどのような商品又はサービスでも共通に使用されるコンテンツである。CMSサーバ20はテンプレート作成用パラメータに関係なく
図12のようなHPテンプレートを作成する。なお、ユーザ9は、HPテンプレートの配色、写真の位置や大きさ、文字の大きさなどを適宜選択できる。これは各テンプレート画面でも同様である。
【0106】
ユーザ端末13に
図12のようなテンプレート画面(その1)432が表示されるとユーザ9はヘッダ欄432、タイトル画像欄433、会社概要欄434、及び、アクセス欄435にそれぞれ画像や文字を入力する。ユーザ端末13の操作受付部22はこれらの入力を受け付け、HPテンプレートが完成されていく。コンテンツが入力されたHPテンプレートを第1通信部21がCMSサーバ20に送信する。つまり、ユーザ端末13は直接、CMSサーバ20と通信してHPを完成させる。
【0107】
図13は、テンプレート作成用パラメータから作成されるHPテンプレートのテンプレート画面(その2)441の一例を示す図である。
図13のテンプレート画面(その2)441は自動コンサルティングにより決定されたテンプレート作成用パラメータから作成されたHPテンプレートの一例である。テンプレート画面(その2)441は、ヘッダ欄442、導入事例欄443、及び、取引実績欄444を有する。CMSサーバ20はテンプレート作成用パラメータに応じて
図13のようなHPテンプレートを作成する。つまり、ユーザ9は自動コンサルティングで導入事例と取引実績をHPに掲載するコンテンツのカテゴリに選択した。
【0108】
導入事例欄443には一例として2箇所の事例入力欄443a、443bがあり、取引実績欄444には一例として2箇所の実績入力欄444a、444bがある。ユーザ9は、導入事例欄443、及び、取引実績欄444にそれぞれ画像や文字を入力する。なお、ヘッダ欄442は1つのHPに共通なので入力しなくてよいが、異なるヘッダを入力してもよい。ユーザ端末13の操作受付部22はこれらの入力を受け付け、HPテンプレートが完成されていく。コンテンツが入力されたHPテンプレートを第1通信部21がCMSサーバ20に送信する。
【0109】
続いて、
図14を用いてコンテンツに対応した問い合わせフォームについて説明する。自動コンサルティングで問い合わせフォームの重要度が高くなることは少なくない。また、ユーザ9は問い合わせフォームをコンテンツのカテゴリに選択することができる。しかし、問い合わせフォームにも問い合わせの内容に応じた適切なタイプがある。そこで、本実施形態のHPテンプレート作成部42は自動コンサルティングで決定されたテンプレート作成用パラメータに対応した問い合わせフォームをHPテンプレートに設定する。
【0110】
図14は異なるタイプの問い合わせフォームの一例を示す図である。
図14(a)は商品紹介に対する問い合わせフォームであり、
図14(b)は採用情報に対する問い合わせフォームである。
【0111】
図14(a)に示すように、商品紹介に対する問い合わせフォームは、お名前欄451、会社名欄452、連絡先欄453、問い合わせ内容欄454、及び、送信ボタン455を有する。
図14(b)に示すように、採用情報に対する問い合わせフォームは、お名前欄461、応募種類欄462、連絡先欄463、及び、送信ボタン464を有する。このように、HPテンプレート作成部42は自動コンサルティングで決定されたコンテンツのカテゴリに応じて問い合わせフォームを自動生成してHPテンプレートに設定する。
【0112】
従って、ユーザ9は商品紹介か採用情報かに応じて問い合わせフォームを修正したり変更したりする必要がなく、問い合わせフォームの内容に適したタイプの問い合わせフォームが埋め込まれたHPテンプレートを利用できる。
【0113】
<HPテンプレートのコード例>
図14のような問い合わせフォームに閲覧者は問い合わせ内容を入力する。
図14(a)の場合は、お名前欄451に名前を、会社名欄452に会社名を、連絡先欄453に連絡先を、問い合わせ内容欄454に問い合わせ内容を入力する。
図14(b)の場合は、お名前欄461に名前を、応募種類欄462に応募種類欄を、連絡先欄463に連絡先を入力する。入力された問い合わせ内容はユーザ9が所属する企業の担当者や部署に通信される必要がある。以下では入力された問い合わせ内容をHP公開サーバ60が送信するための送信先メールアドレス及びMAサーバに送信するためのMA識別情報の埋め込み例を説明する。
図15はHPテンプレートに対する送信先メールアドレス及びMA識別情報の埋め込み例を説明する図の一例である。
【0114】
図15(a)は、問い合わせフォームに関するHPテンプレートのコード例を示す。なお、
図15(a)は
図14(a)の問い合わせフォームをHTMLで記述した場合のコード例である。まず、記述1でformタグが指定されている。formタグはinputタグなどのフォーム部品で入力された値をaction属性で指定した送信先に送信するタグである。記述1の送信先は「/my-handling-form-page」である。method属性は問い合わせ内容の送信時に使用されるHTTPのメソッドを指定する。通常はpost又はgetである。
【0115】
記述2は、お名前欄451を実現するコードであり、labelタグが「お名前」を表示することを規定し、inputタグがtype属性でテキスト入力欄を表示することを規定している。id属性はデータ処理のために識別情報でありスクリプト言語やCSSが参照する際に指定される。name属性は問い合わせ内容と共に送信されるお名前欄の識別情報であるが、人間が判別するために使用される。記述3~5も同様に、会社名欄452,連絡先欄453、問い合わせ内容欄454を実現するコードである。
【0116】
記述6は、送信ボタン455を表示することを規定する。type属性は送信すること(submit)を規定し、value属性は表示される文字を規定する。
【0117】
図15(a)のようなコード例によれば、閲覧者が問い合わせフォームに問い合わせ内容を入力して送信ボタン455を押下すると、問い合わせフォームに入力された問い合わせ内容が「/my-handling-form-page」に送信される。この記述は相対URLと呼ばれる形式であり、HP公開サーバ60の「/my-handling-form-page」というURLに問い合わせ内容が送信されてしまう。
【0118】
本実施形態では、ユーザ9又はMAサーバ40の少なくともどちらかが問い合わせ内容を必要とするため、例えば
図15(b)に示すような、<INPUT>タグを利用する。これにより、送信先を任意に指定することができる。なお、<INPUT>タグはHTMLタグである。
【0119】
タグ・フォーム埋め込み部43は
図15(b)のようなコードを埋め込む。埋め込み先は例えば<form>~</form>の中であり、一例としては</form>タグの手前などでよい。
図15(b)はユーザ9へ問い合わせ内容を送信するための<INPUT>タグと、MAサーバ40に問い合わせ内容を送信するための<INPUT>タグを示す。
【0120】
図15(b)の記述7,8はいずれもinputタグであるが、type属性がhiddenであるため、問い合わせフォームには表示されない。name属性は上記と同様である。value属性は問い合わせ内容の送信先を示す。記述7(第2のタグの一例)ではユーザを宛先とする送信先メールアドレス(userA@a.com, userB@a.com)が埋め込まれており、記述8(第2のタグの一例)ではMAサーバ40を宛先とするMA識別情報(Masysytem.com/aaa)埋め込まれている。どちらも問い合わせ内容の送信先である。
【0121】
また、記述8のvalue属性には「userID="companyA"」という記述がある。これはユーザ9が所属する企業を示すユーザIDである。つまり、問い合わせ内容が送信される際、ユーザ9が所属する企業の識別情報がMAサーバ40に送信されることで、MAサーバ40はどの企業に対する問い合わせであるかを判断できる。タグ・フォーム埋め込み部43はMA識別情報と共にユーザIDを埋め込む。
【0122】
CMSサーバ20のタグ・フォーム埋め込み部43は、このように、HP公開サーバ60が問い合わせ内容をuserA@a.com及びuserB@a.comにメールで送信し、MAサーバ40のMasysytem.com/aaaアドレスに対してcompanyAのMA情報を送信するHTMLタグをHPテンプレートに埋め込む。
【0123】
なお、送信先メールアドレス(userA@a.com、userB@a.com)、ユーザID(userID="companyA")、及び、MAサーバ40の識別情報(Masysytem.com/aaa)は、支援サーバ50からCMSサーバ20に送信される。これらは、ユーザ9が支援サーバ50にログインすることで自動的に選択される。つまり、これらの情報はユーザ9が予め支援サーバ50に設定しているものとする。ただし、ユーザ9は任意に送信先情報、ユーザID、及び、MAサーバ40の識別情報の1つ以上を変更できてよい。例えば、複数のCMSサーバ20とMAサーバ40があるような場合にユーザ9は所望のCMSサーバ20とMAサーバ40を選択できる。この場合、タグ・フォーム埋め込み部43は、ユーザ9が選択したMAサーバ40の識別情報を埋め込む。
【0124】
また、
図15ではHTMLタグで送信先メールアドレス、ユーザID、及び、MAサーバ40の識別情報が埋め込まれているが、JavaScript(登録商標)でこれらが埋め込まれてもよい。
【0125】
<MAタグについて>
続いて、
図16に基づいてMAタグについて説明する。
図16は、スクリプト言語で記述されたMAタグの一例を示す。このMAタグ(第1のタグの一例)はPV数をMAサーバ40に送信するためのタグである。記述11の「m="companyA, 12345678"」はユーザIDとMAタグの識別番号である。セキュリティを考慮し、ユーザIDをハッシュ化してもよい。
【0126】
記述11の「function(m,src)は(m,src)を引数とする関数の定義である。「src=https://example.com/hoge」は現在のページを示し、閲覧者が企業のHPのどの部分を閲覧したかを示す。
【0127】
記述12の「'https://example/mts.js」は、MAサーバ40が公開しているJavaScript(登録商標)のライブラリである。このライブラリの中には、MAサーバ40のアドレスが定義されており、また、「mt」というメソッド(関数)が定義されている。タグ・フォーム埋め込み部43はMA識別情報に予め対応付けられているライブラリを指定する。
【0128】
記述13の、mt('send', 'pageview')のパラメータのうち、「send」はMAサーバ40へ情報を送信することを意味し、「pageview」は送信対象情報が「PV」であることを意味している。「mt」メソッドが実行されると、「https://example/mts.js」ライブラリに予め登録されているMAサーバ40のアドレスに対して、PV情報が送信される。
【0129】
HP公開サーバ60がMAサーバ40にPVを送信するのは一例に過ぎず、CV(コンバージョン)及びクッキー等を送信することもできる。また、クッキーを利用して閲覧者の同一性の判断、閲覧数のカウントを行いMAサーバ40に送信できる。なお、コンバージョンとはHPの目的達成を意味し、リードナーチャリングでは問い合わせ数や資料請求された数を言う。
【0130】
図17はMAタグが実行されることで送信される閲覧情報の一例を示す。
図17(a)の閲覧情報はHP公開サーバ60が公開するHPのうちあるページに対する1日のPV数である。「"uri":https://example.com/hoge」はPVがカウントされるページである。「"date":"2018-06-12"は、PV数がカウントされた日である。「"pv":"3235"」はPV数である。
【0131】
図17(b)の閲覧情報はHP全体の半年間のPV数、問い合わせ数、及び、CV数である。「"domain":"example.com"」はHPのドメインである。「"term":"2018-01-01-2018-06-30"」は期間(半年間)を示す。「"pv":"423514"」はPV数を示す。「"contact":"3453"」はHPの閲覧数である。「"cv":"242"」はCV数(例えば、問い合わせ数)である。
【0132】
<ユーザが閲覧するMA情報について>
次に、
図18を用いてユーザ9が閲覧するMA情報について説明する。
図18は、ユーザ端末13が支援サーバ50と通信して表示装置202に表示させるMA情報画面501の一例を示す。MA情報画面501は、Webサイトアクセス数欄502、Webサイトアクセス傾向欄503、及び、その他作業ボタン504を有する。
【0133】
Webサイトアクセス数欄502には、最近、HPへのアクセスした企業の社名が表示される。PV(ページビュー)は各企業がHPを閲覧した回数である。PVは例えばHP公開サーバ60が閲覧者のブラウザにクッキーを送信することでカウントできる。Webサイトアクセス傾向欄503には閲覧数とCV数がグラフで表示される。
【0134】
その他作業ボタン504には、HPに関して支援サーバ50が提供する各種のサービス内容に対応した各種のボタンが表示される。その他作業ボタン504から、ユーザ9は例えば、HPの更新を行うこともできる。
【0135】
<全体的な動作処理>
続いて、
図19は自動コンサルティングからMA情報の閲覧までの手順を説明するシーケンス図の一例である。
【0136】
S1:ユーザ9はユーザ端末13を操作して支援サーバ50と通信セッションを開始する。公知のログイン方法でログインするものとし、支援サーバ50はユーザIDを把握する。これにより、
図7のような商品特性入力画面301、又は、
図9のような業種選択画面401及びWebサイトの種類選択画面411をユーザ端末13が表示するので、ユーザ9は自動コンサル用情報を入力する。操作受付部22は自動コンサル用情報の入力を受け付け、第1通信部21が自動コンサル用情報を支援サーバ50に送信する。
【0137】
S1.1:支援サーバ50の第2通信部31は自動コンサル用情報を受信し、コンサルティング部33がパラメータ変換DB36を参照してテンプレート作成用パラメータを作成する。すなわち、コンテンツのカテゴリを作成する。
【0138】
S1.1.1:支援サーバ50の第3通信部32は、テンプレート作成用パラメータ、送信先メールアドレス、ユーザID、及び、MA識別情報をCMSサーバ20に送信する。送信先情報、ユーザID、及び、MA識別情報は予め支援サーバ50が記憶していても、ユーザ9が入力してもよい。第3通信部32は、CMSサーバ20が提供している数複のAPIのうち、HTMLタグ又はMAタグを埋め込むためのAPIを呼び出すことで、CMSサーバ20に対してHTMLタグ又はMAタグの埋め込みを要求する。一方で、第3通信部32がHTMLタグ又はMAタグを埋め込まないAPIを呼び出すと、CMSサーバ20に対してHTMLタグ又はMAタグの埋め込みを要求しない。
【0139】
S1.1.1.1:CMSサーバ20の第5通信部41はテンプレート作成用パラメータ、送信先メールアドレス、ユーザID、及び、MA識別情報を受信する。HPテンプレート作成部42はテンプレート作成用パラメータに基づいてHPテンプレートを作成する。コンテンツのカテゴリの数だけHPテンプレートを作成するが、HPとしては1つでよい。
【0140】
S1.1.1.2:HPテンプレートを作成すると、タグ・フォーム埋め込み部43が問い合わせ内容をユーザ9の所属する企業及びMAサーバ40に送信するためのHTMLタグを埋め込む。このタグについては
図15(b)にて説明した。また、タグ・フォーム埋め込み部43はHPテンプレートにMA用タグを埋め込む。MA用タグについては
図16にて説明した。
【0141】
以上により、HPテンプレートが作成されると、HPテンプレートはHP保存部44に保存される。CMSサーバ20の第5通信部41はHP保存部44でHPテンプレートが保存されたURLであるHP作成用URLを支援サーバ50に送信する。ユーザ9を特定するためにユーザIDが送信されてよい。また、支援サーバ50はHP作成用URLをユーザ端末13に送信する。
【0142】
S2:これにより、ユーザ9はユーザ端末13をHP作成用URLにアクセスさせて、HPテンプレートを表示させ、画像や文字を入力してHPを完成させることができる。ユーザ9が入力した画像や文字は操作受付部22が受け付けてHPに設定され、第1通信部21が完成されたHPをCMSサーバ20に送信する。CMSサーバ20の第5通信部41は完成されたHPを受信し、HP保存部44に保存する。なお、ユーザはCMSサーバ20に改めてログインしてもよいが、DMシステム100がシングルサインオンを利用するとよい。これにより、ユーザは支援サーバ50にログインするとCMSサーバ20にもログインできる。
【0143】
S3:次に、ユーザ9はHPを公開するための作業を行う。HP公開の作業は公知の手法を用いてよい。ユーザ9はユーザ端末13をCMSサーバ20と通信させ、HP作成用URLのHPを公開する操作を入力する。ユーザ端末13の操作受付部22は操作を受け付け、第1通信部21がHP公開要求をCMSサーバ20に送信する。なお、ユーザ9のユーザIDはシングルサインオンによりCMSサーバ20に把握されていても、ユーザが入力してもよい。
【0144】
S3.1:CMSサーバ20の第5通信部41はHP公開要求を受信し、CMSサーバ20はHP作成用URLのHPをHP公開サーバ60に対しデプロイする。デプロイとはHP(Webサイト)を利用可能な状態にすることをいう。これにより、HP公開サーバ60ではHPの閲覧が可能になる。CMSサーバ20の第5通信部41はデプロイ完了をCMSサーバ20に通知する。
【0145】
S3.2:CMSサーバ20の第5通信部41はユーザIDと共にHP公開完了通知を支援サーバ50に送信する。第5通信部41は受信したユーザIDに対応付けてHP公開完了をユーザ情報DB37に登録する。なお、CMSサーバ20の第5通信部41は公開完了通知をユーザ端末13に送信する。
【0146】
ステップS3~S3.2ではCMSサーバ20に直接、HP公開要求をユーザ端末13が送信しているが、ユーザ端末13は支援サーバ50に対しHP公開要求を送信してもよい。この場合、HPはユーザIDで管理されているものとし、ユーザ端末13がユーザIDを支援サーバ50に送信することで、支援サーバ50がユーザIDを指定してHP公開要求をCMSサーバ20に送信する。
【0147】
S4:閲覧者が閲覧者端末14を操作してHPを閲覧する。
【0148】
S4.1:HP公開サーバ60のHPに埋め込まれたMAタグがMAタグに設定されている処理を行う。例えば、クッキーを返送して、何回目の訪問かをカウントしたり、CVの有無を判断したりする。
【0149】
S4.2:HP公開サーバ60のHPに埋め込まれたMAタグは閲覧情報とユーザIDをMAサーバ40に送信する。MAサーバ40のMA情報受付部52はこれらの情報を受け付け、MA情報管理部53が閲覧情報を加工してユーザごと(企業ごと)のPV数やCV数を算出する。
【0150】
S5:閲覧者が閲覧者端末14を操作して問い合わせフォームに問い合わせ内容を入力する。
【0151】
S5.1:HP公開サーバ60のHPに埋め込まれたHTMLタグは問い合わせフォームに入力された問い合わせ内容をJSONなどの形式に加工する。
【0152】
S5.2:HP公開サーバ60のHPに埋め込まれたHTMLタグは問い合わせ内容を送信先メールアドレスに送信し、問い合わせ内容とユーザIDをMAサーバ40に送信する。MAサーバ40のMA情報受付部52はこれらの情報を受け付け、MA情報管理部53がユーザ9に対応付けて管理する。
【0153】
S6:支援サーバ50の第4通信部35は定期的にMAサーバ40と通信して、各ユーザ9を指定してMA情報を取得する。各ユーザ9の最終更新日時をMAサーバ40に送信するとよい。これにより、例えば、最終更新日時以降のMA情報など、差分のMA情報だけを取得でき通信負荷を低減できる。ユーザ9を指定することなく、ユーザIDに対応付けられたMA情報を取得するだけでもよい。なお、HPの公開が完了していることを通知するために、第4通信部35はHP公開完了フラグをMAサーバ40に送信することが好ましい。これにより、公開前のためにMA情報がないというエラーをMAサーバ40が検出することを防止できる。
【0154】
MAサーバ40の第6通信部51は、MA情報管理部53が管理するユーザ9ごとのMA情報を支援サーバ50に送信する。また、第6通信部51はHP公開完了フラグがTrueである場合にだけ、MA情報の要求を受け付ける。これにより、未公開のHPに関するMA情報の要求を受信してエラー等が生じることを防止できる。また、第4通信部35が各ユーザ9の最終更新日時をMAサーバ40に送信した場合、最終更新日時以降のMA情報を送信する。
【0155】
S6.1:支援サーバ50の第4通信部35はMA情報を受信し、MA情報提供部34が
図18のようなMA情報画面501を表示するための画面情報(HTML、JavaScript(登録商標)、CSS)を作成する。
【0156】
なお、ステップS6では支援サーバ50がMAサーバ40にMA情報を要求しているが、MAサーバ40が支援サーバ50に対しMA情報をPUSH送信してもよい。この場合、MAサーバ40側で最終更新日時を管理するよい。
【0157】
S7:ユーザ9はユーザ端末13を操作して支援サーバ50と通信セッションを開始し、MA情報の閲覧を支援サーバ50に要求する。ログインによりユーザ9が特定されている。支援サーバ50のMA情報提供部34はユーザIDで識別されるMA情報をユーザ端末13に送信する。これによりユーザ端末13の第1通信部21はMA情報画面501の画面情報を受信し、表示制御部23がMA情報画面501を表示することができる。
【0158】
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態のMAシステムは、ユーザ9の目的ベースのインタフェースを持つ支援サーバ50を介して、自動コンサル機能を利用してもらうことで、目的に応じたHPテンプレートの作成、CMSツールとMAツールの連携が可能となる。ユーザ9はCMSツールやMAツールを個々に選択したり、機能を選択したりせずに、デジタルマーケティングで行いたい施策を達成できる。ユーザ9は基本的に支援サーバ50とアクセスすればよくデジタルマーケティングで使用される各ツールを組み合わせて運用するという手間を削減できる。例えば、コンサルタントから受けた内容をCMSツールやMAツールを利用して実現する必要がない。
【0159】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0160】
例えば、問い合わせ内容がユーザ及びMAサーバ40に送信されると説明したが、問い合わせ内容は更に別の関係者に送信されてもよい。また、HP公開サーバ60は問い合わせ内容に限らず、閲覧者が入力した情報をユーザ及びMAサーバ40に送信できる。
【0161】
また、ユーザは支援サーバ50からCMSサーバ20とMAサーバ40の機能を利用できると説明したが、ユーザ端末13を直接、CMSサーバ20とMAサーバ40と通信させてもよい。この場合、ユーザ端末13は、支援サーバ50からテンプレート作成用パラメータを受信してCMSサーバ20に送信し、また、MAサーバ40から閲覧情報を取得する。
【0162】
また、複数の支援サーバ50が存在してもよく、複数のサーバに跨って支援サーバ50の機能が分散していてもよい。
【0163】
また、
図6などの構成例は、支援サーバ50、CMSサーバ20、及び、MAサーバ40による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。支援サーバ50、CMSサーバ20、及び、MAサーバ40の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0164】
なお、第2通信部31は第1の受信手段の一例であり、コンサルティング部33は作成手段の一例であり、第4通信部35は第2の受信手段の一例であり、MA情報提供部34は提供手段の一例であり、第3通信手段は送信手段の一例であり、HPテンプレート作成部42はテンプレート作成手段の一例であり、タグ・フォーム埋め込み部43は埋め込み手段の一例である。
【符号の説明】
【0165】
9 ユーザ
11 CMS作成ツール
12 MAツール
13 ユーザ端末
14 閲覧者端末
20 CMSサーバ
40 MAサーバ
50 支援サーバ
60 HP公開サーバ
100 DMシステム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0166】
【文献】特開2012-039471号公報
【文献】特開2007-102364号公報
【文献】特開2017-122959号公報