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特許7177207機能性チップを備える基板を研磨する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】機能性チップを備える基板を研磨する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20221115BHJP
   B24B 37/013 20120101ALI20221115BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20221115BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20221115BHJP
   B24B 49/04 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H01L21/304 622S
B24B37/013
B24B49/12
B24B49/10
B24B49/04 Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021053348
(22)【出願日】2021-03-26
(62)【分割の表示】P 2017170302の分割
【原出願日】2017-09-05
(65)【公開番号】P2021103789
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】戸川 哲二
(72)【発明者】
【氏名】曽布川 拓司
(72)【発明者】
【氏名】畠山 雅規
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-000647(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035655(WO,A1)
【文献】特開2007-214402(JP,A)
【文献】特許第4056854(JP,B2)
【文献】特開2013-44782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/013
B24B 49/12
B24B 49/10
B24B 49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板に機能性チップを配置するステップと、
前記基板に、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素を配置するステップと、
前記機能性チップおよび前記終点検知要素が配置された基板を絶縁材で封止するステップと、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記終点検知要素は、蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有する、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記基板に、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素を配置するステップは、一番高い位置にある前記機能性チップの上側の表面に蛍光材または蛍光材を含む樹脂を塗布するステップを有する、
方法。
【請求項3】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板に機能性チップを配置するステップと、
前記基板に、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素を配置するステップと、
前記機能性チップおよび前記終点検知要素が配置された基板を絶縁材で封止するステップと、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記終点検知要素を、機能性チップの上面に設けるステップを有する、
方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記終点検知要素は、反射要素を有し、
前記反射要素に光を照射するステップと、
前記反射要素から反射された光を受光するステップと、を有する、
方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、
前記終点検知要素は、蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有する、
方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記基板に、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素を配置するステップは、一番高い位置にある前記機能性チップの上側の表面に蛍光材または蛍光材を含む樹脂を塗布するステップを有する、
方法。
【請求項7】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板に機能性チップを配置するステップと、
前記基板に、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素を配置するステップと、
前記機能性チップおよび前記終点検知要素が配置された基板を絶縁材で封止するステップと、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記絶縁材の上に金属層を形成するステップと、
前記金属層を研磨するステップと、を有し、
前記金属層を研磨するときに、
(1)渦電流センサによる渦電流の変化、
(2)光学式センサにより金属層からの反射光の変化、
(3)研磨抵抗の変化、
の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する、
方法。
【請求項8】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板に機能性チップを配置するステップと、
前記基板に、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素を配置するステップと、
前記機能性チップおよび前記終点検知要素が配置された基板を絶縁材で封止するステップと、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記絶縁材の上にバリアモールド層を形成するステップと、
前記バリアモールド層の上に金属層を形成するステップと、
前記金属層を研磨するときに、
(1)渦電流センサによる渦電流の変化、
(2)光学式センサにより金属層からの反射光の変化、
(3)研磨抵抗の変化、
の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する、
方法。
【請求項9】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板に機能性チップを配置するステップと、
前記基板に、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素を配置するステップと、
前記機能性チップおよび前記終点検知要素が配置された基板を絶縁材で封止するステップと、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
絶縁材の研磨をした後に、絶縁材に配線用の加工を施すステップと、
加工された絶縁材の表面に、親水性を向上させるための表面処理を施すステップと、を有する、
方法。
【請求項10】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板は、機能性チップおよび、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素が配置され、且つ、絶縁材で封止された状態であり、
前記方法は、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記終点検知要素は、蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有する、
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記蛍光材または蛍光材を含む樹脂は、一番高い位置にある前記機能性チップの上側の表面に塗布されている、
方法。
【請求項12】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板は、機能性チップおよび、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素が配置され、且つ、絶縁材で封止された状態であり、
前記方法は、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記終点検知要素は、機能性チップの上面に設けられている、
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記終点検知要素は、反射要素を有し、
前記反射要素に光を照射するステップと、
前記反射要素から反射された光を受光するステップと、を有する、
方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記終点検知要素は、蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有する、
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記蛍光材または蛍光材を含む樹脂は、一番高い位置にある前記機能性チップの上側の表面に塗布されている、
方法。
【請求項16】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板は、機能性チップおよび、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素が配置され、且つ、絶縁材で封止された状態であり、
前記方法は、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記基板は、前記絶縁材の上に金属層が形成された状態であり、
前記金属層を研磨するステップ、を有し、
前記金属層を研磨するときに、
(1)渦電流センサによる渦電流の変化、
(2)光学式センサにより金属層からの反射光の変化、
(3)研磨抵抗の変化、
の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する、
方法。
【請求項17】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板は、機能性チップおよび、研磨目標位置よりも低い位置に終点検知要素が配置され、且つ、絶縁材で封止された状態であり、
前記方法は、
前記絶縁材を前記研磨目標位置まで研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有し、
前記基板は、前記絶縁材の上にバリアモールド層が形成され、さらに、前記バリアモールド層の上に金属層が形成された状態であり、
前記金属層を研磨するときに、
(1)渦電流センサによる渦電流の変化、
(2)光学式センサにより金属層からの反射光の変化、
(3)研磨抵抗の変化、
の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する、
方法。
【請求項18】
研磨対象となる基板であって、
機能性チップと、
前記機能性チップを覆う絶縁材と、
研磨目標位置よりも低い位置に設けられた終点検知要素と、を有し、
前記終点検知要素は、蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有する、
基板。
【請求項19】
請求項18に記載の基板であって、
前記蛍光材または蛍光材を含む樹脂は、一番高い位置にある前記機能性チップの上側の表面に塗布されている、
基板。
【請求項20】
研磨対象となる基板であって、
機能性チップと、
前記機能性チップを覆う絶縁材と、
研磨目標位置よりも低い位置に設けられた終点検知要素と、を有し、
前記終点検知要素は、前記機能性チップの上面に設けられている、
基板。
【請求項21】
請求項20に記載の基板であって、
前記終点検知要素は、蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有する、
基板。
【請求項22】
請求項21に記載の基板であって、
前記蛍光材または蛍光材を含む樹脂は、一番高い位置にある前記機能性チップの上側の表面に塗布されている、
基板。
【請求項23】
研磨対象となる基板であって、
機能性チップと、
前記機能性チップを覆う絶縁材と、
研磨目標位置よりも低い位置に設けられた終点検知要素と、を有し、
前記絶縁材の上にバリアモールド層が形成されており、さらに、前記バリアモールド層の上に金属層が形成されている、
基板。
【請求項24】
請求項23に記載の基板であって、
前記終点検知要素は、蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有する、
基板。
【請求項25】
請求項24に記載の基板であって、
前記蛍光材または蛍光材を含む樹脂は、一番高い位置にある前記機能性チップの上側の表面に塗布されている、
基板。
【請求項26】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板に機能性チップを配置するステップと、
前記基板に終点検知要素として、前記機能性チップの上面に蛍光材または蛍光材を含む樹脂を塗布するステップと、
前記機能性チップおよび前記終点検知要素が配置された基板を絶縁材で封止するステップと、
前記絶縁材を研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有する、
方法。
【請求項27】
機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法であって、
基板は、機能性チップおよび、終点検知要素が配置され、且つ、絶縁材で封止された状態であり、前記終点検知要素は、機能性チップの上面に設けられた蛍光材または蛍光材を含む樹脂を有し、
前記方法は、
前記絶縁材を研磨するステップと、
前記絶縁材を研磨しているときに、機能性チップの上面に設けられた蛍光材または蛍光
材を含む樹脂に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有する、
方法。
【請求項28】
基板であって、
機能性チップと、
機能性チップの上面に設けられた蛍光材または蛍光材を含む樹脂を含む終点検知要素と、
前記機能性チップおよび前記終点検知要素を覆う絶縁材と、を有
前記終点検知要素は、前記絶縁材の研磨の終点を検知するためのものである、
基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、機能性チップを備える基板を研磨する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス製品の小型化、高性能化を実現するために、複数の半導体チップを多層に積上げて1つのパッケージとする三次元実装技術が注目されている。高集積化のために、同様の機能を有する薄板化した半導体チップ同士又は異なる機能を有する薄板化した半導体チップを積層し、各半導体チップ間の電気的接続をとることで、半導体チップの高密度実装を図る三次元実装技術も案出されている。三次元構造を備えるパッケージにおいて、半導体チップ間の電気的接続のためにインターポーザやインターコネクトチップが使用されることがある。また、三次元の配線構造を形成するために、半導体チップを配置した層を絶縁材で封止し、絶縁材の上に次の配線構造を形成することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-287803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、埋め込まれたチップを有する三次元の配線構造を形成するために、絶縁材の上に配線構造を形成することがある。そのため、絶縁材の表面を平坦にする必要がある。絶縁材の表面を平坦化するための化学機械研磨(CMP)を使用することができる。絶縁材の研磨にCMPを用いる場合、適切な位置で研磨を終了するために、研磨の終点位置を検知することが必要になる。そこで、本発明は、絶縁材を研磨する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[形態1]形態1によれば、機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法が提供され、かかる方法は、基板に機能性チップを配置するステップと、前記基板に終点検知要素を配置するステップと、前記機能性チップおよび前記終点検知要素が配置された基板を絶縁材で封止するステップと、前記絶縁材を研磨するステップと、前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有する。
【0006】
[形態2]形態2によれば、形態1による方法において、前記終点検知要素は、反射要素を有し、前記反射要素に光を照射するステップと、前記反射要素から反射された光を受光するステップと、を有する。
【0007】
[形態3]形態3によれば、形態1または形態2に方法において、前記終点検知要素を、接着剤により機能性チップの上面に固定するステップを有する。
【0008】
[形態4]形態4によれば、形態1から形態3のいずれか1つの形態による方法において、前記終点検知要素は、基板上に構成される機能に無関係なダミー要素を有する。
【0009】
[形態5]形態5によれば、形態1から形態4のいずれか1つの形態による方法において、前記絶縁材の上に金属層を形成するステップと、前記金属層を研磨するステップと、を有し、前記金属層を研磨するときに、(1)渦電流センサによる渦電流の変化、(2)
光学式センサにより金属層からの反射光の変化、(3)研磨抵抗の変化、の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する。
【0010】
[形態6]形態6によれば、形態1から形態4のいずれか1つの形態による方法において、前記絶縁材の上にバリアモールド層を形成するステップと、前記バリアモールド層の上に金属層を形成するステップと、前記金属層を研磨するときに、(1)渦電流センサによる渦電流の変化、(2)光学式センサにより金属層からの反射光の変化、(3)研磨抵抗の変化、の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する。
【0011】
[形態7]形態7によれば、形態1から形態6のいずれか1つの形態による方法において、絶縁材の研磨をした後に、絶縁材に配線用の加工を施すステップと、加工された絶縁材の表面に、親水性を向上させるための表面処理を施すステップと、を有する。
【0012】
[形態8]形態8によれば、機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法が提供され、基板は、機能性チップおよび終点検知要素が配置され、且つ、絶縁材で封止された状態であり、前記方法は、前記絶縁材を研磨するステップと、前記絶縁材を研磨しているときに、前記終点検知要素に基づいて研磨の終点を検知するステップと、を有する。
【0013】
[形態9]形態9によれば、形態8による方法において、前記終点検知要素は、反射要素を有し、前記反射要素に光を照射するステップと、前記反射要素から反射された光を受光するステップと、を有する。
【0014】
[形態10]形態10によれば、形態8または形態9による方法において、前記終点検知要素は、接着剤により機能性チップの上面に固定されている。
【0015】
[形態11]形態11によれば、形態8から形態10のいずれか1つの形態による方法において、前記終点検知要素は、基板上に構成される機能に無関係なダミー要素を有する。
【0016】
[形態12]形態12によれば、形態8から形態11のいずれか1つの形態による方法において、前記基板は、前記絶縁材の上に金属層が形成された状態であり、前記金属層を研磨するステップ、を有し、前記金属層を研磨するときに、(1)渦電流センサによる渦電流の変化、(2)光学式センサにより金属層からの反射光の変化、(3)研磨抵抗の変化、の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する。
【0017】
[形態13]形態13によれば、形態8から形態11のいずれか1つの形態による方法において、前記基板は、前記絶縁材の上にバリアモールド層が形成され、さらに、前記バリアモールド層の上に金属層が形成された状態であり、前記金属層を研磨するときに、(1)渦電流センサによる渦電流の変化、(2)光学式センサにより金属層からの反射光の変化、(3)研磨抵抗の変化、の少なくとも1つに基づいて研磨の終点を検知する。
【0018】
[形態14]形態14によれば、絶縁材で封止された機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法が提供され、かかる方法は、前記機能性チップの上面に前記絶縁材を通して光を照射するステップと、前記機能性チップの上面から反射した光を受信するステップと、受信した光の変化に基づいて基板の研磨の終点を決定するステップを有する。
【0019】
[形態15]形態15によれば、形態14による方法において、さらに、前記機能性チップの上面から反射した光を分光するステップと、前記機能性チップの上面から反射した光の波長ごとの相対反射率の変化に基づいて基板の研磨の終点を決定するステップを有する。
【0020】
[形態16]形態16によれば、形態15による方法において、照射する光は、可視光領域または赤外光領域の波長である。
【0021】
[形態17]形態17によれば、形態14による方法において、受信した光の強度の変化に基づいて基板の研磨の終点を決定するステップを有する。
【0022】
[形態18]形態18によれば、絶縁材で封止された機能性チップを備える基板を化学機械的に研磨する方法が提供され、かかる方法は、基板の表面で光が全反射するように光を照射するステップと、基板の表面で全反射された光を受信するステップと、受信した光の変化に基づいて基板の研磨の終点を決定するステップを有する。
【0023】
[形態19]形態19によれば、基板研磨装置の動作を制御するための制御装置により実行されたときに、前記制御装置が前記基板研磨装置を制御して、形態1から形態18の何れか1つの形態による方法を実行させるプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0024】
[形態20]形態20によれば、コンピュータを含む制御装置に形態1からい形態18の何れか1つの形態による方法を実行させるプログラムが提供される。
【0025】
[形態21]形態21によれば、基板が提供され、かかる基板は、機能性チップと、前記機能性チップを覆う絶縁材と、終点検知要素と、を有する。
【0026】
[形態22]形態22によれば、形態21による基板において、前記終点検知要素は、反射要素を有する。
【0027】
[形態23]形態23によれば、形態20または形態21による基板において、前記終点検知要素は、接着剤により機能性チップの上面に固定されている。
【0028】
[形態24]形態24によれば、形態21から形態23のいずれか1つの形態による基板において、前記終点検知要素は、基板上に構成される機能に無関係なダミー要素を有する。
【0029】
[形態25]形態25によれば、形態21から形態24のいずれか1つの形態による基板において、前記絶縁材の上に金属層が形成されている。
【0030】
[形態26]形態26によれば、形態21から形態24のいずれか1つの形態による基板において、前記絶縁材の上にバリアモールド層が形成されており、さらに、前記バリアモールド層の上に金属層が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図2】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図3】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図4】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図5】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図6】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図7】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図8】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図9】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図10】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図11】一実施形態によるCMP装置の構成を示す概念図である。
図12】一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。
図13】一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。
図14】一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。
図15】一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。
図16】一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。
図17A】一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。
図17B図17Aに示される光学的な終点検出機構のアダプタ付近を拡大した図である。
図17C図17Aに示される光学的な終点検出機構のアダプタ付近を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明に係る機能性チップを備える基板を研磨する方法の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0033】
図1は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図1に示される実施形態において、基板はCCL(Copper Clad Laminate)ベース100に、CPUやGPUなどのロジックチップ102、および/またはメモリチップ104などが配置される。本明細書において、ロジックチップやメモリチップなどの所定の機能を備えるチップを機能性チップと称する。図1に示される実施形態においては、機能性チップ102、104の中で、CCLベース100の表面から一番高い位置ある機能性チップの上側の表面に終点検知要素200を配置する。図1の実施形態においては、終点検知要素200は、反射膜202であり、メモリチップ104の上に配置されている。反射膜202は、たとえば機能性チップの上面に施した金属膜のコーティングとすることができる。CCLベース100の上に機能性チップ102、104および終点検知要素200を配置したら、機能性チップ102、104が実装されたCCLベース100を絶縁材106により封止する。絶縁材106は、たとえば、樹脂やガラス材料とすることができる。絶縁材106により封止したら、絶縁材106が平坦になるように絶縁材106を研磨する。絶縁材106の上には、その後に微細な横配線および/または縦配線が行われるので、絶縁材106を平坦に研磨することが重要となる。絶縁材106の研磨は、化学機械的に研磨(CMP)することができる。CMPは、一般的なCMP装置を使用することができる。CMP装置は任意のものとすることができ、たとえば公知のCMP装置を利用してもよい。絶縁材106をCMPにより研磨するときに、終点検知要素200を利用して研磨の終点を検知することができる。図1の実施形態においては、終点検知要素200は、反射膜202であるので、光学式に終点検知を行うことができる。例えば、CMP装置300は、反射膜202にレーザーなどの光を照射するための光源302を備え、また、反射膜202からの反射光を受光するためのセンサ304を備える。反射膜202からの反射光により反射膜202からの距離を測定して、研磨目標位置108まで研磨をしたら、研磨を終了する。絶縁材106の終点位置は、たとえば研磨目標位置108から±10μm以下にすることが望ましい。また、研磨目標位置108は、たとえば、反射膜202が設けられた最上位置にあるチップの上面から10μm~500μmとすることができる。
【0034】
図1に示される上述の実施形態においては、終点検知要素200として反射膜202を使用しているが、他の実施形態として、反射膜202に代えて、蛍光材または蛍光材を含
む樹脂等を使用することができる。蛍光材または蛍光材を含む樹脂は、図1に示されるようなCCLベース100の表面から一番高い位置ある機能性チップの上側の表面にだけ塗布してもよく、あるいは、CCLベース100に機能性チップ102、104を配置した後に、基板の全面に塗布してもよい。機能性チップ102、104の上側の表面に蛍光材または蛍光材を含む樹脂を塗布する場合、表面の一部だけに塗布してもよく、表面の全面に塗布してもよい。蛍光材を塗布した後に、基板の全体を絶縁材106で封止する。かかる実施形態においては、光源302は、蛍光材に蛍光を生じさせる波長を含むものを選択する。センサ304は、一番高い位置にある機能性チップの上面に塗布された蛍光材からの蛍光の強度を測定する。蛍光の強度は、蛍光材の上に配置された絶縁材106の厚さにより変化する。そのため、検出された蛍光の強度により絶縁材106の厚さを検出することができ、絶縁材106の研磨の終点を検知することができる。なお、センサ304で蛍光波長だけを検出するために波長フィルタを使用することができる。あるいは、分光器を使用して蛍光波長の強度を検出してもよい。
【0035】
図2は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図2の実施形態においては、終点検知要素200として、機能性チップ102、104の中で、CCLベース100の表面から一番高い位置ある機能性チップ102、104の上側の表面に反射板204を固定する。反射板204は、たとえば接着剤を使用して機能性チップ102、104の上面に固定することができる。反射板204は、たとえば、板状の部材に金属コーティングを施したものとすることができる。反射板204以外については、図1に示された実施形態と同様とすることができる。
【0036】
図3は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図3に示される実施形態において、基板はCCL(Copper Clad Laminate)ベース100に、CPUやGPUなどのロジックチップ102、および/またはメモリチップ104などが配置される。図3に示される実施形態においては、機能性チップ102、104とは別に、基板に形成されるデバイスの機能に無関係なダミー要素206を終点検知要素200として配置する。ダミー要素206は、上面が、CCLベース100の表面から一番高い位置ある機能性チップの上面よりも高い位置になるように配置される。ダミー要素206の上面は、図1の実施形態のように反射膜202としてもよく、また、ダミー要素206の上面に図2の実施形態のような反射板204を取り付けてもよい。ダミー要素206は、接着剤によりCCLベース100に取り付けることができる。あるいは、ダミー要素206は、他の機能性チップ102、104と同様にバンプ接着してもよい。他の機能性チップ102、104と同一の工程でバンプ接着をすることで、機能性チップ102、104とダミー要素206との取り付けの誤差を小さくすることができる。ダミー要素206は、任意の場所に配置することができるが、他の機能性チップを邪魔しない場所に設ける必要がある。また、ダミー要素206は、複数配置してもよい。CCLベース100の上に機能性チップ102、104およびダミー要素206を配置したら、機能性チップ102、104およびダミー要素206が実装されたCCLベース100を絶縁材106により封止する。絶縁材106は、たとえば、樹脂やガラス材料とすることができる。絶縁材106により封止したら、絶縁材106が平坦になるように絶縁材106を研磨する。絶縁材106の研磨は、化学機械的に研磨(CMP)することができる。CMPは、一般的なCMP装置を使用することができる。CMP装置は任意のものとすることができ、たとえば公知のCMP装置を利用してもよい。絶縁材106をCMPにより研磨するときに、終点検知要素200であるダミー要素206を利用して研磨の終点を検知することができる。図3の実施形態においては、ダミー要素206の上面は反射膜202または反射板204であるので、上述のように光学式に終点検知を行うことができる。研磨目標位置108として、たとえば図3に示されるように、CCLベース100の表面から一番高い位置ある機能性チップの上面からの距離L1を定める。CCLベース100の表面から一番高い位置ある機能性チップの上面と、ダミー要素206の上面との高さの差L3を測定しておく。かか
る高さの差L3は、機能性チップ102、104およびダミー要素206をCCLベース100に配置して、絶縁材106でモールドする前に、任意の位置センサや、共焦点顕微鏡などで測定することができる。そして、研磨目標位置108がL1になるように、ダミー要素206の上面から研磨目標位置108の距離L2を算出する。絶縁材106の研磨を行うときに、ダミー要素206の上面から絶縁材106の表面までの距離がL2になるまで絶縁材106の研磨を行うことで、研磨目標位置108まで絶縁材106の研磨を行うことができる。終点の研磨目標位置108は、たとえば、反射膜202が設けられた最上位置にあるチップの上面から10μm~500μmとすることができる。
【0037】
図4は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図4は、平坦化された絶縁材106の上に配線層を形成し、配線層を研磨するときの手法を示している。図4に示される実施形態においては、図1図3に示される実施形態と同様の手法で、絶縁材106を研磨目標位置108まで研磨する。図4に示される実施形態においては、その後、平坦化された絶縁材106に対して、配線のためのパターン形成が行われる。配線のためのパターンとして、縦配線のためのビア110の形成、横配線のパターン112の形成などが、露光やエッチングなどにより行われる。その後、たとえば銅などの金属層114がパターン形成された絶縁材106の上に成膜される(図4に示される状態)。その後、金属層114の不要な部分を研磨除去する。この金属層114の研磨は、CMPにより行うことができる。金属層114の研磨において、金属層114の研磨をした後の研磨面に金属が残留しないようにすることが重要である。研磨後の表面に残留金属があると、リーク電流や素子の劣化を引き起こすことがある。そのため、研磨目標位置108は、金属層114を除去して、絶縁材106の一部を研磨するように研磨目標位置108を定めることができる。たとえば、研磨目標位置108は、金属層114と絶縁材106の層との境界面から5μm~10μmほど絶縁材106側に設定することができる。金属層114をCMPにより研磨するとき、研磨の終点検知は、金属層114に発生する渦電流を検出する渦電流センサにより渦電流の変化を観察することにより行うことができる。あるいは、終点検知は、光学式のセンサにより金属層114からの反射光の変化を観察することにより行ってもよい。あるいは、終点検知は、金属層114から絶縁材106に材料が変化するところで生じる研磨抵抗の変化や、CMP装置の駆動機構のトルク変化を観察することで行うことができる。なお、研磨後の表面に残留金属が生じないように、研磨により層の変化による層の境界を検知してから所定時間だけ研磨を行い、上述の研磨目標位置108まで研磨を行うようにしてもよい。他にも、公知の終点検知を採用してもよい。
【0038】
図5は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図5に示される実施形態においては、図1図3に示される実施形態と同様の手法で、絶縁材106を研磨目標位置108まで研磨する。図5に示される実施形態においては、その後、平坦化された絶縁材106の上にバリアモールド層116を形成する(図5の上の図の状態)。バリアモールド層116は、絶縁性の材料から形成される。バリアモールド層116は、その下の絶縁材106とは重量密度が異なる材料を使用し、研磨時の摩擦力がバリアモールド層116と絶縁材106とで異なるようにする。また、バリアモールド層116は、絶縁材106の層と比べて薄い層とすることができる。たとえば、バリアモールド層116は、10nm~10μm程度の厚さとすることができる。バリアモールド層116を形成したら、その上の配線のためのパターン形成が行われる。配線のためのパターンとして、縦配線のためのビア110の形成、横配線のパターン112の形成などが、露光やエッチングなどにより行われる。その後、たとえば銅などの金属層114がパターン形成された絶縁材106の上に成膜される。その後、金属層114の不要な部分を研磨除去する。図5の下の図は、金属層114が除去された状態を示す図である。この金属層114の研磨は、CMPにより行うことができる。金属層114をCMPにより研磨するとき、金属層114が除去されてバリアモールド層116が露出するときに、研磨抵抗が変化する。そこで、研磨抵抗の変化をCMPによる金属層114を除去する研磨の終点検知に使用す
ることができる。また、過研磨によりバリアモールド層116が除去されてしまうと、さらに下の絶縁材106が露出し、さらに研磨抵抗が変化することになる。そこで、バリアモールド層116から絶縁材106へ変化する時の研磨抵抗の変化から、過研磨の検知を行うことができる。
【0039】
図6は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図5に示される実施形態においては、図1図3に示される実施形態と同様の手法で、絶縁材106を研磨目標位置108まで研磨する。図6に示される実施形態においては、その後、平坦化された絶縁材106に対して、配線のためのパターン形成が行われる。配線のためのパターンとして、縦配線のためのビア110の形成、横配線のパターン112の形成などが、露光やエッチングなどにより行われる(図6の状態)。その後、光やレーザーを露光することにより絶縁材106の表面の親水性を向上させる。この処理により、その後に行われる、導電材である金属層114の密着性を向上させることができる。これ以降の、金属層114の形成などは図4で説明した実施形態と同様とすることができる。また、図5で説明した実施形態、または他の実施形態に親水性を向上させる処理を追加してもよい。
【0040】
図7は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図7の実施形態において、基板は、貫通配線150を備えるCCL(Copper Clad Laminate)ベース100を有する。貫通配線150を備えるCCLベース100は、CMPなどにより平坦化されている。平坦化されているCCLベース100の上面に終点検知要素200を配置する。図7の実施形態においては、終点検知要素200は、反射板204である。反射板204は、たとえば接着剤を使用してCCLベース100の上に固定することができる。その後、反射板204が配置されたCCLベース100を絶縁材106により封止する。絶縁材106は、既述のように、たとえば樹脂やガラス材料とすることができる。絶縁材106により封止したら、絶縁材106が平坦になるように絶縁材106を研磨する。絶縁材106の研磨の終点検知に関しては、図1、2などで既述のように、光またはレーザーの反射光をセンサで検出して行うことができる。図7の実施形態において、反射板204の位置は任意であるが、他の機能性チップ等を邪魔しない位置にする必要がある。また、反射板204は複数設けてもよい。また、図7の実施形態において、反射板204に代えて、図3で示されるダミー要素206を設けるようにしてもよい。
【0041】
図8は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図8は、平坦化された絶縁材106の上に配線層を形成し、配線層を研磨するときの手法を示している。図8に示される実施形態においては、図7に示される実施形態と同様の手法で、絶縁材106を研磨目標位置108まで研磨する。図8に示される実施形態においては、その後、平坦化された絶縁材106に対して、配線のためのパターン形成が行われる。配線のためのパターンとして、縦配線のためのビア110の形成、横配線のパターン112の形成などが、露光やエッチングなどにより行われる。その後、たとえば導電材料である銅などの金属層114がパターン形成された絶縁材106の上に成膜される(図8の上の図に示される状態)。その後、金属層114の不要な部分を研磨除去する。この金属層114の研磨は、CMPにより行うことができる。金属層114の研磨は、図4の実施形態で説明したものと同様とすることができる。
【0042】
図9は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図9は、配線層を備える複数の絶縁材106の層を形成するときの手法を示している。CCLベース100の上に形成される絶縁材106の第1層C1は、図8で示される実施形態と同様の手法で形成することができる。その後、平坦化された第1層C1の上面に反射板204を固定する。反射板204は、たとえば接着剤を使用して第1層C1の上面に固定することができる。その後、絶縁材106を成膜し、図8で説明したようにさらに配線のパターン形成、金属層114の形成、金属層114の研磨を行い、第2層C2を形成する。また、同
様に第3層C3を形成することができる。配線層を備える絶縁材106の層は任意の数だけ形成することができる。図9に示される実施形態においては、第3層C3の上に、ロジックチップ102およびメモリチップ104などの機能性チップが配置される。図9に示されるように、これらの機能性チップの間の配線をインターコネクトチップ118やインターポーザにより行ってもよい。図9には、CCLベース100の片側の面にだけ配線や機能性チップを実装する例を示しているが、他の実施形態として、CCLベース100の両方の面に実装してもよい。また、インターポーザやインターコネクトチップ118からパッケージモールド外部に配線を取り出すための縦配線の形成を行ってもよい。縦配線の形成は、任意の方法で行うことができ、たとえば本明細書で開示される方法で行ってもよい。図10は、CCLベース100の両方の面に配線や機能性チップを実装した例を示しており、また、インターコネクトチップ118からパッケージモールド外部に配線を取り出すための縦配線120を備える。図10に示されるパッケージは、本明細書で開示された方法を合わせることで形成することができる。
【0043】
図11は、一実施形態によるCMP装置300の構成を示す概念図である。CMP装置300は、基板保持ヘッド21、ベアリングボール3、ヘッド軸2、研磨盤38、研磨布39、第1空気供給ライン36、第2空気供給ライン62、第1エアレギュレータR1、第2エアレギュレータR2、純水供給ライン46、純水レギュレータR4を備える。研磨装置1は、さらにヘッド固定部材4、連結軸48、エアシリンダ5、ピストン14、第3空気供給ライン51、第3エアレギュレータR3、回転筒6、タイミングプーリ7、タイミングベルト8、タイミングプーリ10、モータ9、砥液供給ノズル13等を備える。
【0044】
基板保持ヘッド21は、ベアリングボール3を介してヘッド軸2に係合されている。ヘッド軸2は、ヘッド固定部材4に昇降自在及び回転自在に図示しない軸受を介して係合され、連結軸48、連結棒61を介してエアシリンダ5内のピストン14に連結されている。エアシリンダ5は、第3空気供給ライン51に接続されている。第3空気供給ライン51は、第3バルブV3、第3エアレギュレータR3を介して圧縮空気源42に接続される。エアシリンダ5の圧力は、第3エアレギュレータR3によって所定の圧力に制御される。
【0045】
エアシリンダ5の圧力によって、ピストン14は上下動し、ピストン14の上下動により、連結軸48、基板保持ヘッド軸2は、連結棒61を介し上下動し、基板保持ヘッド21の下面に保持された基板Wを研磨盤38から離し、あるいは研磨盤38向かって押し付ける。また、基板保持ヘッド21の上面とヘッド軸2の下端面は、ベアリングボール3を収容するボール軸受を形成しており、基板保持ヘッド21はベアリングボール3を介して研磨盤38に対してまた研磨布39に対してベアリングボール3を中心に傾動可能になっている。なお、ベアリングボール3はヘッド軸2の中心に位置する。
【0046】
また、ヘッド軸2には回転筒6が取り付けられており、回転筒6はその外周にタイミングプーリ7を備えている。そして、タイミングプーリ7は、タイミングベルト8を介して、ヘッド固定部材4(アームともいう)に固定されたモータ9に設けられたタイミングプーリ10に接続されている。したがって、モータ9を回転駆動することによって、タイミングベルト8およびタイミングプーリ7を介して回転筒6およびヘッド軸2が一体に回転し、ヘッド軸2の回転により基板保持ヘッド21が回転する。また、ヘッド固定部材4の一端は、揺動軸64により支持され、揺動自在となっている。なお、連結軸48へは、ヘッド軸2からの回転は伝達されない。
【0047】
CMP装置300は、制御装置900を有し、CMP装置300に設けられる各種センサや動作機構は制御装置900により制御されるように構成することができる。制御装置900は、入出力装置、演算装置、記憶装置などを備える一般的なコンピュータから構成
することができる。制御装置には、本明細書で説明した方法を動作させるためのコンピュータプログラムがインストールされる。このコンピュータプログラムは不揮発性の記録媒体に格納されていてもよく、また、各種通信技術によるコンピュータにプログラムを配信してもよい。
【0048】
図11に示されるCMP装置300において、研磨される基板は、基板保持ヘッド21の下面に真空吸着により保持される。図11に示されるように、基板保持ヘッド21の鉛直方向下側には、研磨盤38が配置される。研磨盤38の上面には研磨布39が貼り付けられている。研磨布39は、基板の被研磨面が接触するよう構成されている。研磨布39は、基板Wの被研磨面と接触する面が、研磨面である。
【0049】
図11に示されるように、基板保持ヘッド21は、空気供給ライン62に接続されている。空気供給ライン62は、バルブV2、エアレギュレータR2を介して圧縮空気源42に接続され、バルブV0を介して真空排気源49に接続されている。バルブV0を閉として第2バルブV2を開にした状態で、基板保持ヘッド21に保持された基板の裏面(被研磨面の反対側の面)に所望の圧力を付与することができ、この圧力により基板は研磨盤38に向かって押し付けられる。また、バルブV2を閉とした状態で、バルブV0を開とすることで、基板保持ヘッド21に保持される基板の裏面を真空とし、基板Wを基板保持ヘッド21に真空吸着させることができる。
【0050】
図11に示されるCMP装置300において、研磨盤38は、基板の研磨の終点を検知するためのセンサ100を備えることができる。図12は、一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。図12は、研磨盤38のセンサ304が設けられる部分を示している。図12に示されるセンサ304は、光学式センサであり、研磨盤38にはさらに光源302が配置されている。センサ304および光源302は、有線または無線により制御装置900(図11)と連絡可能に構成される。図12に示される実施形態において、研磨布39の一部に切欠き39-2を設けられている。切欠き39-2の位置にビューポート306を配置する。ビューポート306を介して、光源302から光を研磨中の基板に向けて照射し、基板からの反射光をセンサ304により検知することができる。研磨中の基板の反射率の変化などから、基板の研磨の終点を検知することができる。一実施形態として、センサ304は、たとえばファブリ・ペロー分光器などの分光器を備えるものとすることができる。また、センサ304としてファイバーセンサを用いる場合、センサ304および光源302は、研磨盤38に複数配置してもよい。たとえば、研磨盤38の中心部と周辺部に配置し、両方のセンサ304および光源302からの信号を監視して、基板Wの研磨の終点を決定してもよい。また、複数のセンサ304および光源302を用いることで、基板Wの複数の領域の研磨面の膜厚を監視することができる。基板Wの複数の領域の研磨の終点が同時期になるように、複数のセンサ304からの信号に基づき研磨条件を制御することができる。
【0051】
図11に示されるCMP装置300および図12に示される終点検知センサは、上述の基板を研磨する方法および基板研磨の終点を検知する方法に使用することができる。また、図11に示されるCMP装置300および図12に示される終点検知センサは、他の方法による基板研磨の終点を検知する方法にも使用できる。以下に、基板研磨の終点を検知する方法をいくつか説明する。
【0052】
図13は、一実施形態による、基板の研磨方法を説明するための図である。図13に示される実施形態において、基板はCCL(Copper Clad Laminate)ベース100に、CPUやGPUなどのロジックチップ102、および/またはメモリチップ104などが配置される。図13に示される基板は、図1に示される基板と異なり反射膜202などの終点検知要素200が配置されない。図13に示される実施形態においては、CCLベース1
00の上に機能性チップ102、104を配置したら、機能性チップ102、104が実装されたCCLベース100を絶縁材106により封止する。絶縁材106は、たとえば、樹脂やガラス材料とすることができる。絶縁材106により封止したら、絶縁材106が平坦になるように絶縁材106を研磨する。絶縁材106の研磨は、化学機械的に研磨(CMP)することができ、たとえば図12に示される光学式の終点検知センサを備えるCMP装置300を用いて研磨することができる。図13の実施形態においては、機能性チップ102、104の中で一番高い位置にあるチップの表面に光源302から光を照射し、センサ304で反射光を受光する。図13に示される実施形態においては、反射光を分光して、反射光の波長ごとの相対反射率から絶縁材106の厚さを測定することができる。光源302から基板の絶縁材106に向けて照射された光は、絶縁材106の表面で反射し、また、一番高い位置にある機能性チップ(図13の例ではメモリチップ104)の表面で反射することになる。異なる位置で反射された光が干渉することで、センサ304で検出される光の波長ごとの相対反射率が絶縁材106の厚さに応じて変化する。そのため、相対反射率を検出することで機能性チップ102、104上の絶縁材106の厚さを測定することができる。予め予備実験により絶縁材106の厚さが研磨目標位置108となるときの相対反射率を測定しておくことで、図12に示される光源302およびセンサ304を研磨中の基板の終点検知センサとして利用することができる。絶縁材106の厚さが研磨目標位置108に到達したら研磨を終了する。絶縁材106の終点位置は、たとえば研磨目標位置108から±10μm以下にすることが望ましい。また、研磨目標位置108は、たとえば、最上位置にあるチップ104の上面から10μm~500μmとすることができる。なお、分光器は、ファブリ・ペロー分光器などを使用することができる。また、光源302は、レーザダイオード、LEDなど任意の光源を使用することができる。光源302の波長範囲は、たとえば、500nm~800nmを含むものとすることができる。また、光源302の波長は、照射対象の絶縁材106などの膜厚や膜種に応じて、短波長である200nm~500nmの波長範囲を使用することも可能である。
【0053】
図13に関して、上述の方法は反射光の相対反射率の変化から基板研磨の終点を検知しているが、光の強度を測定することにより基板研磨の終点を検知することもできる。かかる方法において、光源302から基板上の一番高い位置にある機能性チップ102、104に光を照射し、反射光をセンサ304で検知する。機能性チップ102、104の上に配置されている絶縁材106の厚さによって反射光の強度が変化するので、予め予備実験により、絶縁材106の厚さが研磨目標位置108となるときの反射光の強度を測定しておくことで、図12に示される光源302およびセンサ304を研磨中の基板の終点検知センサとして利用することができる。反射光の強度を測定して基板研磨の終点を検知する場合、前述の相対反射率を測定して終点検知する場合と異なり分光器が必要ない。この場合、反射光の強度は全ての波長成分を積分したものが測定される。ただし、分光器を使用して特定の波長(たとえば500nm以下の任意の波長)の反射光の強度を測定してもよい。反射光の強度を測定する場合において、光源302はレーザダイオード、LEDなど任意の光源を使用することができる。なお、光源302は、機能性チップ102、104の表面(たとえばシリコン)での反射率の高い波長範囲(たとえば、500nm以下の波長)を含むことが好ましい。また、光源302として、特定の波長の(たとえば500nm以下の任意の波長)の単色光源を使用してもよい。
【0054】
図13に示される基板研磨方法において、光源302として赤外光(たとえば波長は1μm~3μm)を用い、また赤外分光器を使用して絶縁材106の厚さおよび研磨の終点を検知することもできる。機能性チップ102、104の表面での赤外光の反射率と絶縁材106(たとえば樹脂)の表面での赤外光の反射率とは異なる。そのため、機能性チップ102、104の上に形成されている絶縁材106の厚さによって、センサ304で受光する反射光のスペクトル強度が変化する。そのために、反射光のスペクトル変化により絶縁材106の厚さを検出することができる。
【0055】
図14は、一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。図14は、研磨盤38のセンサ304が設けられる部分を示している。図14に示される終点検出機構は、2つの光源302a、302bを備えている。各光源302a、302bは研磨中の基板(図示せず)の表面に向かって光を照射するように位置決めされている。センサ304は、基板に照射された光の散乱光を受光するように位置決めされている。図14に示される実施形態による終点検出機構は、分光器を備えるものとしてもよい。センサ304および光源302は、有線または無線により制御装置900(図11)と連絡可能に構成される。図14に示される実施形態において、研磨布39の一部に切欠き39-2を設けられている。切欠き39-2の位置にビューポート306を配置する。図14に示される実施形態において、ビューポート306を介して、光源302から光を研磨中の基板に向けて照射し、基板からの散乱光をセンサ304により検知することができる。なお、図14に示される実施形態において、ビューポート306は無くてもよく、その場合、光源302a、302bおよびセンサ304が配置される研磨盤38の凹部に純水を供給しながら検出を行うことができる。図14に示される実施形態による終点検出機構は、上述の研磨方法および終点検知に使用することができる。
【0056】
図15は、一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。図15は、研磨盤38のセンサ304が設けられる部分を示している。図15に示される終点検出機構は、1つの光源302、第1センサ304a、および第2センサ304bを備えている。光源302は基板の表面で全反射するような角度で基板に光を照射するように位置決めされる。また、第2センサ304bは、全反射した光を受光するように位置決めされる。第1センサ304aは、基板の表面で散乱した光を受光するように位置決めされている。図15の実施形態において、光源302および第2センサ304bは、基板の表面に対する光の入射角度を調整可能な駆動機構(図示せず)を備えることができる。図15に示される全反射を利用した終点検出機構は、目標とする研磨位置において材質が変化する場合に利用可能である。たとえば、図4図8とともに説明したように、絶縁材106の上に積層された金属層114を除去する場合に利用することができる。金属層114での全反射角度と、金属層114が除去されて下にある絶縁材106が露出したときの全反射角度が異なるので、受光した光強度の変化から金属層114が除去されたことを検出することができる。この場合、第2センサ304bで全反射した光を測定してもよく、また散乱光を第1センサ304aで測定してもよく、また両方を測定してもよい。なお、図15に示される実施形態においては、図14に示されるようなビューポート306は存在しない。これは、ビューポート306の表面で光が全反射することを防止するためである。また、図15に示される実施形態においては、ビューポート306を使用しないので、光源302、センサ304a、304bが配置される研磨盤38の凹部に純水を供給しながら検出を行うことができる。
【0057】
なお、全反射条件は、水または純水などの研磨対象の表面に接触する媒体の屈折率Aと絶縁材106などの基板表面の屈折率Bの関係が、屈折率A>屈折率Bを満たす必要がある。
【0058】
図16は、一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。図16は、研磨盤38のセンサ304が設けられる部分を示している。図16に示される終点検出機構は、図15に示される実施形態と同様に全反射を利用する。図16に示される実施形態においては、光源302から照射された光は、第1ミラー308aにより反射されて基板の表面に導かれる。第1ミラー308aは、基板の表面で全反射するような角度で基板に光を向けるように位置決めされる。図16に示される終点検出機構は、第2ミラー308bを備える。第2ミラー308bは、研磨中の基板の表面で全反射した光を第2センサ304bに導くように位置決めされている。第1ミラー308aおよび第2ミラー
308bは、基板の表面に対する光の入射角度を調整可能な駆動機構(図示せず)を備えることができる。図16の終点検出機構は、他の構成は図15に示される終点検出機構と同様とすることができる。図16に示される全反射を利用した終点検出機構は、図15に示される終点検出機構と同様に、目標とする研磨位置において材質が変化する場合に利用可能である。
【0059】
図17Aは、一実施形態による、光学的な終点検出機構を概略的に示す断面図である。図17Aは、研磨盤38のセンサ304が設けられる部分を示しているが、明瞭化のために研磨盤38とパッド39は図示していない。図17Aに示される終点検出機構は、他の光学的な終点検出機構と同様に、光源302およびセンサ304を備える。図17Aに示される終点検出機構は、さらにアダプタ310を備える。アダプタ310は、たとえば光学プラスチックなどの高屈折率材料から形成することができる。アダプタ310の屈折率は、研磨対象である基板表面の絶縁材106の屈折率よりも大きいことが望ましい。アダプタ310は、概ね直方体形状のブロックとすることができる。アダプタ310は、研磨対象である基板の表面に接触ないし近接するように配置することができる。また、アダプタ310には、第1光ファイバ312aおよび第2光ファイバ312bが設けられている。第1光ファイバ312aおよび光源302は、光源302からの光を第1光ファイバ312aが受け取るように配置される。第2光ファイバ312bは、第1光ファイバ312aから出た光がアダプタ310と基板の表面との境界で反射した光を受け取るように配置される。第2光ファイバ312bおよびセンサ304は、第2光ファイバ312bから出た光をセンサ304が受け取るように配置される。第1光ファイバ312aおよび第2光ファイバ312bは、同一の口径の光ファイバとしてもよいし、異なる口径の光ファイバとしてもよい。たとえば、第2光ファイバ312bは、収率を上げるために第1光ファイバ312aよりも口径の大きな光ファイバとしてもよい。また、第2光ファイバ312bの代わりにアレイ型光センサ(たとえばフォトダイオードアレイ)をアダプタ310に内蔵させてもよい。光源302、センサ304、およびアダプタ310は、相対的な位置を保持したまま、基板の表面に垂直な方向に移動可能に構成される。たとえば、これらは図示しない移動機構により研磨盤38に取り付けられる。
【0060】
図17Bは、図17Aに示される光学的な終点検出機構のアダプタ310付近を拡大した図である。図17Bに示されるように、第1光ファイバ312aは、第1光ファイバ312aから出た光がアダプタ310の境界面に入射角θで入射するように配置される。かかる入射角θは、アダプタ310の屈折率と水または純水の屈折率とから定まる臨界角θ1よりも大きく、且つ、アダプタ310の屈折率と、研磨対象である基板表面の材料(たとえば絶縁材106)の屈折率とから定まる臨界角θ2よりも小さくなるように設定される。
【0061】
図17Aに示される光学的な終点検出機構を用いて以下のように基板研磨の終点を検出することができる。一例として、図17Aに示されるように、研磨対象である基板はCCL(Copper Clad Laminate)ベース100に、CPUやGPUなどのロジックチップ102および/またはメモリチップ104などの機能性チップが配置されている。これらの機能性チップ102、104が配置されたCCLベース100を絶縁材106により封止されている。絶縁材106は、たとえば、樹脂やガラス材料とすることができる。ここで、図17Aに示される終点検知機構を用いて、絶縁材106を研磨目標位置108まで研磨する方法を説明する。
【0062】
まず、アダプタ310が基板の表面に接触するまで基板の方向に移動させる。アダプタ310が基板に接触したら、アダプタ310の基板表面に垂直な方向の位置を固定する。この状態で基板の表面を粗研磨して、基板の表面を平坦化する。基板の表面を平坦化したら、アダプタ310を再び基板の方に移動させてアダプタ310を平坦化した基板の表面
に密着させる。粗研磨による研磨量は、アダプタ310の移動距離から算出することができる。あるいは、粗研磨開始時のアダプタ310の位置と、平坦化した基板表面との間の距離を他の方法で測定して粗研磨の研磨量を算出してもよい。
【0063】
次に、アダプタ310を平坦化した基板の表面に密着させたらアダプタ310の基板表面に垂直な方向の位置を固定する。図17A、Bはかかる状態を示している。この状態でさらに研磨を行う。このとき、光源302から光を第1光ファイバ312aを通して基板の表面に向けて照射する。第2光ファイバ312bを通して反射光をセンサ304で検出することで、基板の研磨量を測定することができる。図17Bに示されるように、研磨を開始する状態においては、アダプタ310が基板の表面の絶縁材106に接触している。上述したように、光は入射角θでアダプタ310から絶縁材106に入射する。入射角θは、上述したように、アダプタ310の屈折率と絶縁材106の屈折率とから定まる臨界角θ2よりも小さいので、光が絶縁材106の表面で全反射することはない。研磨が進むと図17Cに示されるように、基板の表面の絶縁材106とアダプタ310との間に隙間が生じる。研磨が進むとこの隙間に研磨液や純水が入りこむことになる。上述のように、光の入射角θは、アダプタ310の屈折率と水または純水の屈折率とから定まる臨界角θ1よりも大きいので、光はアダプタ310と純水との境界で全反射する。そのため、研磨が進むと、センサ304で検出される反射光の強度が大きくなる。部分反射から全反射へ遷移するとき研磨量と反射光の強度との関係を予め校正しておくことで、センサ304で検出される反射光の強度の変化から研磨量を決定することができる。このようにして、絶縁材106を研磨目標位置108まで研磨することができる。なお、研磨対象は、上述のような絶縁材106だけでなく、SiやSiOのような半導体材料の場合にも上述の研磨の終点検出を同様に適用することができる。
【0064】
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0065】
100…CCLベース
102…ロジックチップ
104…メモリチップ
106…絶縁材
108…研磨目標位置
114…金属層
116…バリアモールド層
118…インターコネクトチップ
200…終点検知要素
202…反射膜
204…反射板
206…ダミー要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C