(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】ウエハ形態センサシステムにおける長距離容量性間隙測定
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20221115BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
(21)【出願番号】P 2021512208
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(86)【国際出願番号】 US2019044755
(87)【国際公開番号】W WO2020050933
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-03-02
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ポッター チャールズ ジー
(72)【発明者】
【氏名】モール エリ
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-527764(JP,A)
【文献】特開昭57-059101(JP,A)
【文献】特表2013-516601(JP,A)
【文献】特開昭63-107022(JP,A)
【文献】特開平06-310447(JP,A)
【文献】特開平05-304113(JP,A)
【文献】特開2010-210591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板であって、第1の表面および前記第1の表面の反対側の第2の表面を含む、基板と、
第1の表面積を有する第1の導電性パッドであって、前記基板の前記第1の表面と実質的に同一平面上にある表面を有
し、
前記基板の縁部に面する前記第1の導電性パッドの縁部が、前記基板の湾曲と一致する湾曲を有する、第1の導電性パッドと、
前記第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する第2の導電性パッドであって、前記基板の前記第1の表面と実質的に同一平面上にある表面を有
し、
前記基板の縁部に面する前記第2の導電性パッドの縁部が、前記基板の湾曲と一致する曲率を有する、第2の導電性パッドと、
を備える、センサウエハ。
【請求項2】
前記第2の表面積が前記第1の表面積よりも少なくとも5%小さい、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項3】
複数の第1の導電性パッドと、
複数の第2の導電性パッドと、
をさらに備える、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項4】
前記第1の導電性パッドおよび前記第2の導電性パッドが、前記基板の外周の周りに交互パターンで配置されている、請求項3に記載のセンサウエハ。
【請求項5】
前記第1の導電性パッドおよび前記第2の導電性パッド
の外周の周りに電界ガード、
をさらに備える、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項6】
前記第1の導電性パッドの縁部または前記第2の導電性パッドの縁部と前記基板の縁部との間の最短距離が少なくとも1インチである、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項7】
前記基板に埋め込まれた制御モジュールであって、前記第1の導電性パッドおよび前記第2の導電性パッドを用いて、前記基板の前記第1の表面と、前記第1の表面に対向する、前記センサウエハの外部の表面との間の距離を検知するための回路を備える、制御モジュール、
をさらに備える、請求項1に記載のセンサウエハ。
【請求項8】
前記回路が、前記第2の導電性パッドの出力位相から180度オフセットされた、前記第1の導電性パッドの出力位相を提供する、請求項7に記載のセンサウエハ。
【請求項9】
前記基板の前記第1の表面と前記センサウエハの外部の表面との間の前記距離が最大1.5インチである、請求項7に記載のセンサウエハ。
【請求項10】
処理チャンバ内のシャワーヘッドと支持体表面との間の間隙を測定するための方法であって、
処理チャンバをポンプダウンするステップであって、前記処理チャンバが支持体表面および前記支持体表面に対向するシャワーヘッドを備える、ステップと、
センサウエハを前記支持体表面上に配置するステップであって、前記センサウエハが、第1の表面積を有する第1の導電性パッドおよび前記第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する第2の導電性パッドを備え
、前記センサウエハの縁部に面する前記第1の導電性パッドの縁部が、前記センサウエハの湾曲と一致する湾曲を有し、前記センサウエハの縁部に面する前記第2の導電性パッドの縁部が、前記センサウエハの湾曲と一致する湾曲を有する、ステップと、
前記第1の導電性パッドおよび前記第2の導電性パッドを用いて、前記センサウエハと前記シャワーヘッドとの間の間隙を測定するステップと、
前記処理チャンバを通気することなく前記処理チャンバから前記センサウエハを除去するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記間隙を測定するステップが、前記第2の導電性パッドの出力位相から180度オフセットされた出力位相を前記第1の導電性パッドに提供するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記センサウエハと前記シャワーヘッドとの間の前記間隙が1インチよりも大きい、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記センサウエハと前記シャワーヘッドとの間の前記測定された間隙の精度が少なくとも+/-0.0005インチである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記センサウエハが複数の第1の導電性パッドおよび複数の第2の導電性パッドを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記シャワーヘッドと前記センサウエハとの間の前記間隙が、平行度測定を提供するために複数の位置で測定される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月4日に出願された米国非仮出願第16/121,191号の優先権を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、半導体製造の分野に関し、詳細には、容量性センサシステムを用いて半導体製造環境における間隙を測定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製造では、高い歩留まりを実現するために、基板全体にわたるプロセスの均一性が重要である。プラズマプロセスでは、電極(例えば、シャワーヘッドまたはガス分配パッド)が基板に対向する関係は、高精度の間隔および平行度を有する必要がある。典型的には、基板と電極との間の間隙距離は、1インチよりも大きい。
【0004】
しかしながら、容量性センサなどの現在利用可能な測定ツールは、最大距離が約0.25インチ~0.75インチしかない。そのため、センサを電極に近づけるためには、追加のハードウェアを使用する必要がある。追加のハードウェアを使用すると、較正が完了した後にチャンバを通気する必要もなしには、センサを処理チャンバから除去することができない。したがって、較正のための機器のダウンタイムが増加する。加えて、較正機器を除去した後、チャンバを通気してポンプダウンする必要があるため、較正がそれほど正確ではない可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、センサウエハを含む。一実施形態では、センサウエハは、基板を備え、基板は、第1の表面および第1の表面の反対側の第2の表面を含む。一実施形態では、センサウエハは、第1の表面積を有する第1の導電性パッドをさらに備え、第1の導電性パッドは、基板の第1の表面と実質的に同一平面上にある表面を有する。一実施形態では、センサウエハは、第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する第2の導電性パッドをさらに備え、第2の導電性パッドは、基板の第1の表面と実質的に同一平面上にある表面を有する。
【0006】
本明細書に開示される実施形態は、処理チャンバ内のシャワーヘッドと支持体表面との間の間隙を測定するための方法を含むこともできる。一実施形態では、本方法は、処理チャンバをポンプダウンするステップを含み、処理チャンバは、支持体表面および支持体表面に対向するシャワーヘッドを備える。一実施形態では、本方法は、支持体表面上にセンサウエハを配置するステップをさらに含むことができ、センサウエハは、第1の表面積を有する第1の導電性パッドおよび第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する第2の導電性パッドを備える。一実施形態では、本方法は、第1の導電性パッドおよび第2の導電性パッドを用いて、センサウエハとシャワーヘッドとの間の間隙を測定するステップをさらに含むことができる。一実施形態では、本方法は、処理チャンバを通気することなく、処理チャンバからセンサウエハを除去するステップをさらに含むことができる。
【0007】
本明細書に開示される実施形態は、基板を備えるセンサウエハを備えることもでき、基板は、第1の表面および第1の表面の反対側の第2の表面を含む。一実施形態では、センサウエハは、第1の表面積を有する複数の第1の導電性パッドをさらに備えることができ、第1の導電性パッドは、基板の第1の表面と実質的に同一平面上にある表面を有する。一実施形態では、センサウエハは、第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する複数の第2の導電性パッドをさらに備えることができ、第2の導電性パッドは、基板の第1の表面と実質的に同一平面上にある表面を有し、第1の導電性パッドおよび第2の導電性パッドは、交互パターンで基板の周りに放射状に配置されている。一実施形態では、センサウエハは、基板に埋め込まれた制御モジュールをさらに備えることができ、制御モジュールは、第1の導電性パッドおよび第2の導電性パッドを用いて、基板の第1の表面と、第1の表面に対向する、センサウエハの外部の表面との間の距離を検知するための回路を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による、シャワーヘッドと支持体表面との間の間隙を測定するためのセンサウエハを有する処理チャンバの断面概略図である。
【
図2A】一実施形態による、複数の導電性パッドを有するセンサウエハの平面図であり、第1の導電性パッドが第2の導電性パッドよりも大きな表面積を有する。
【
図2B】一実施形態による、第1の導電性パッドと第2の導電性パッドとの間の電界線を示すセンサウエハの断面図である。
【
図3】一実施形態による、交互の第1および第2の導電性パッドがセンサウエハ基板の周りに放射状に配置されたセンサウエハの平面図である。
【
図4】一実施形態による、交互の第1および第2の導電性パッドと、導電性パッドの周りの電界ガードと、を有するセンサウエハの平面図である。
【
図5】一実施形態による、シャワーヘッドと支持体表面との間の間隙を測定するために使用される処理動作のプロセス流れ図である。
【
図6】一実施形態による、支持体表面とシャワーヘッドとの間の間隙を決定するステップを含むプロセスと併せて使用することができる例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上向きの容量性センサを有するセンサウエハを含むシステム、およびそのようなセンサウエハを使用して半導体製造環境において間隙を測定する方法が、様々な実施形態に従って説明される。以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために数多くの具体的な詳細が記載される。これらの具体的な詳細なしで実施形態を実施することができることは当業者には明らかであろう。他の例では、実施形態を不必要に不明瞭にしないために、よく知られている態様については詳細に説明されない。さらに、添付の図面に示されている様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを理解されたい。
【0010】
上述したように、現在利用可能なセンサ技術は、半導体処理チャンバにおいて支持体表面(例えば、静電チャック(ESC))と対向面(例えば、シャワーヘッドまたはガス分配パッド)との間の間隙を正確に測定するのに必要な所望の距離(例えば、1インチよりも大きい)を提供しない。したがって、本明細書に開示される実施形態は、1インチよりも大きな検知距離を有する容量性検知電極を有するセンサウエハを備える。このような長距離容量性検知装置をウエハのフォームファクタに統合することにより、センサウエハは、その後、チャンバを通気する必要なしに、チャンバ内で較正を実施することができる。したがって、本明細書に開示される実施形態は、より短い較正時間を可能にし、処理チャンバのスループット能力を向上させる。加えて、本明細書に開示される実施形態は、平行度測定および較正測定の精度の向上を可能にする。
【0011】
ここで
図1を参照すると、一実施形態による、処理ツール100の断面図が示されている。一実施形態では、処理ツール100は、チャンバ105(例えば、真空チャンバ)を備えることができる。真空ポンプ(図示せず)をチャンバ105に流体連結して、動作中にチャンバ105内に大気圧未満の圧力を提供することができる。一実施形態では、処理ツール100は、チャンバ105内で基板を支持するための支持体表面120を備えることができる。支持体表面120は、ESCまたは基板を固定および支持するための任意の他の適切な表面であってもよい。一実施形態では、処理ツール100は、支持体表面120に対向するシャワーヘッド(ガス分配プレートとも呼ばれる)130を備えることができる。1つまたは複数の処理ガスは、シャワーヘッド130を通ってチャンバ110に流入することができる。シャワーヘッド130は、プラズマ処理ツールの電極の1つとして機能することもできる。
【0012】
処理ツール100のいくつかの特定の構成要素が明示的に示されているが、当業者が認識するように、半導体製造分野の処理ツールに共通する任意の数の追加の構成要素も処理ツール100に含まれてもよいことを理解されたい。一実施形態では、処理ツール100は、プラズマ処理ツール(例えば、プラズマエッチングツール、物理的気相堆積(PVD)ツール、プラズマ化学気相堆積(PE-CVD)ツール、プラズマ原子層堆積(PE-ALD)ツールなど)であってもよい。実施形態は、プラズマベースのツールではない処理ツール100(例えば、CVD、ALD、炉など)を含むこともできる。
【0013】
一実施形態では、シャワーヘッド130の表面132に対する支持体表面120の表面122の位置は、センサウエハ110を用いて測定することができる。一実施形態では、センサウエハ110は、処理ツール100内で処理される基板と実質的に同じフォームファクタを有する。例えば、センサウエハ110は、300mmの直径を有することができる。基板のフォームファクタと実質的に同様のフォームファクタを有するセンサウエハ110は、その後通気することなく処理ツール100を較正することを可能にする。例えば、処理ツール100のウエハハンドリングロボットは、センサウエハ110を処理ツール内で移動させることができ、センサウエハ110は、処理ツール100のロードロックを介して備えつけることができる。一実施形態では、センサウエハ110は、シャワーヘッド130の表面132に対向する第1の表面112と、支持体表面120の表面122によって支持される第2の表面114と、を含むことができる。
【0014】
一実施形態では、センサウエハ110は、シャワーヘッド130の表面132とセンサウエハ110の第1の表面112との間の間隙Gの測定値を提供する複数の容量性センサ(以下で、より詳細に説明および示される)を備えることができる。センサウエハ110の厚さTは、知られているため、シャワーヘッド130の表面132と支持体表面120の表面122との間の総間隙距離は、センサウエハ110によって正確に測定することができる。さらに、センサウエハ110にわたる複数の間隙読み取り値を提供することによって、シャワーヘッド130と支持体表面120との間の平行度測定を、一部の実施形態に従って行うことができる。
【0015】
ここで
図2Aおよび
図2Bを参照すると、一実施形態による、センサウエハ210の平面図および対応する断面図が示されている。一実施形態では、センサウエハ210は、第1の表面212にわたって配置された複数の導電性パッド215を備えることができる。
図2Bに示すように、導電性パッド215は、センサウエハ210に埋め込まれてもよく、センサウエハ210の第1の表面212と実質的に同一平面上にある表面218を有することができる。導電性パッド215は、シャワーヘッド表面232から間隙Gだけ離間されていてもよい。
【0016】
一実施形態では、導電性パッド215は、トレース245によって制御モジュール240に電気的に結合されてもよい。制御モジュール240は、導電性パッド215に電流を供給するための回路を含むことができる。一実施形態では、導電性パッド215は、第1の導電性パッド215Aおよび第2の導電性パッド215Bを含むことができる。一実施形態では、第1の導電性パッド215Aに供給される電流は、第2の導電性パッド215Bに供給される電流の出力位相から180度のオフセットされた出力位相を有する。一実施形態では、第1の導電性パッド215Aに供給される電流の量は、第2の導電性パッド215Bに供給される電流の量と異なっていてもよい。例えば、導電性パッド215に供給される電流の量は、導電性パッド215の表面積に比例してもよい。例えば、大きな導電性パッド(例えば、第1の導電性パッド215A)に、小さな導電性パッド(例えば、第2の導電性パッド215B)よりも大きな量の電流を供給することができる。一実施形態では、各導電性パッド215に供給される電流の量は、実質的に一定に保たれる。一実施形態では、導電性パッドに供給される電流の量は、0.1μA~1.0μAであってもよい。
【0017】
一実施形態では、導電性パッド215のそれぞれは、コンデンサの一方の電極を形成することができる。対向面(例えば、シャワーヘッド表面232)は、導電性パッド215のそれぞれに対するコンデンサのもう一方の電極を形成することができる。第1の導電性パッド215Aおよび第2の導電性パッド215Bには、180度位相がずれた電流が供給されているため、対向面(例えば、シャワーヘッド表面232)は、接地する必要はなく、複数の導電性パッド215Aおよび215Bは、自己参照と呼ぶことができる。
【0018】
一実施形態では、シャワーヘッド表面232がセンサウエハ210に近接してくると、電界217が変更される。電界がどのように変更されるかに応じて、第1の導電性パッド215Aおよび第2の導電性パッド215Bのそれぞれに対する電圧の変化を制御モジュール240によって検知することができる。第1の導電性パッド215Aおよび第2の導電性パッド215Bの電流の量ならびに表面積の違いにより、シャワーヘッド表面232とパッド215Aまたは215Bとの間の間隙Gがどちらも同じであっても、第1の導電性パッド215Aおよび第2の導電性パッド215Bの測定電圧は、異なる場合がある。一実施形態では、測定電圧を、その場合、対向面(例えば、シャワーヘッド230の表面232)とセンサウエハ210の第1の表面212との間の間隙(例えば、間隙Gi、間隙G2、および間隙G3)の距離と相関させることができる。一実施形態では、測定電圧は、0V(例えば、導電性パッド215とシャワーヘッド表面232との間に間隙がない場合)~7V(例えば、導電性パッド215とシャワーヘッド表面232との間の間隙が最大検知距離にある場合)であってもよい。
【0019】
一実施形態では、制御モジュール240は、他の構成要素を含むこともできる。例えば、制御モジュール240は、プロセッサ、メモリ、および無線通信モジュール(例えば、BluetoothもしくはWiFi)のうちの1つまたは複数を含むことができる。無線通信モジュールを含むことにより、測定を行うこと、ならびにシャワーヘッド130に対する支持体表面120の位置決めを制御する、および/またはそうでなければ処理ツール100を制御する外部デバイスに転送することが可能になる場合がある。
【0020】
図示するように、3つの電界217が形成されている(すなわち、導電性パッド215Aおよび215Bとシャワーヘッド表面232との間に電界が形成されている)。したがって、センサウエハ210は、センサウエハ210と対向面(例えば、シャワーヘッド表面232)との間の間隙距離Gが2つ以上の位置に形成されることを可能にする。間隙距離Gの2つ以上の測定値を提供することにより、平行度測定値(すなわち、センサウエハ210の表面にわたる間隙距離Gの均一性)を決定することも可能になる。
【0021】
一実施形態では、センサウエハ210の最大検知距離は、導電性パッド215の表面積に依存してもよい。特定の一実施形態では、最大検知距離は、それぞれが第1の表面積を有する第1の導電性パッド215A、および第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する第2の導電性パッド215Bを設けることによって増加させることができる。第1の表面積よりも小さい第2の表面積を設けることにより、信号対雑音比が改善され、増加した最大検知距離が提供される。上述したように、より大きなパッドが第1の電圧を提供し、より小さなパッドが第2の電圧を提供するため、検知距離が改善される。2つの異なる電圧測定により、ノイズを相殺することが可能になり、結果として最大検知距離が全体的に増加する。一実施形態では、第2の表面積は、第1の表面積よりも少なくとも5%小さくてもよい。一実施形態では、第2の表面積は、第1の表面積よりも少なくとも10%小さくてもよい。一実施形態では、第2の表面積は、第1の面積よりも少なくとも20%小さくてもよい。そのような実施形態は、約1.0インチ以上、1.25インチ以上、または1.5インチ以上の検知距離を提供することができる。一部の実施形態では、測定の精度は、少なくとも+/-0.0010インチ、または少なくとも+/-0.0005インチであってもよい。
【0022】
図2Aおよび
図2Bでは、第1の導電性パッド215
Aは、第2の導電性パッド215
Bと交互パターンで配置されている。例えば、導電性パッド215
Aおよび215
Bは、センサウエハ210の表面212にわたって直線的に配置され、第1の導電性パッド215
Aは、センサウエハ210の縁部に近接して配置され、第2の導電性パッド215
Bは、2つの第1の導電性パッド215
A間でセンサウエハ210の中心に形成されている。しかしながら、導電性パッド215
Aおよび215
Bが交互パターンで形成されている限り、導電性パッド215
Aおよび215
Bの他の構成および/または数が実施されてもよいことを理解されたい。
【0023】
図2Aに示すように、第1および第2の導電性パッド215
Aおよび215
Bは、実質的に円形の表面領域を有するものとして示されている。しかしながら、実施形態は、そのような構成に限定されないことを理解されたい。例えば、導電性パッド215
Aおよび215
Bは、矩形または任意の他の多角形形状、丸みを帯びた角を有する多角形、あるいは任意の他の所望の形状を有することができる。一実施形態では、第1の導電性パッド215
Aは、第2の導電性パッド215
Bと同じタイプの形状を有するものとして示されている(すなわち、第1の導電性パッド215
Aおよび第2の導電性パッド215
Bは、両方とも円形である)。しかしながら、実施形態は、第2の導電性パッド215
Bと同じタイプの形状を有さない第1の導電性パッド215
Aを含むこともできることを理解されたい。
【0024】
ここで
図3を参照すると、複数の第1の導電性パッド315
Aおよび複数の第2の導電性パッド315
Bを有するセンサウエハ310の平面図が、一実施形態に従って示されている。一実施形態では、第1の導電性パッド315
Aおよび第2の導電性パッド315
Bは、交互パターンでセンサウエハ310の外周の周りに放射状に配置されている。図示する実施形態では、4つの電界が提供されている(すなわち、各第1の導電性パッド315
Aは、第2の導電性パッド315
Bの両方と電界を形成する)。そのため、追加の間隙距離G測定値が得られ、さらにより正確な平行度測定値を提供することができる。
【0025】
図3に示すように、第1および第2の導電性パッド315
Aおよび315
Bは、台形形状を有する。台形形状は、丸い角を含むことができる。加えて、センサウエハ310の表面312の縁部に最も近い縁部316は、湾曲していてもよい。例えば、湾曲した縁部316は、表面312の縁部の曲線と一致してもよい。そのような実施形態は、表面312の縁部と導電性パッド312
Aおよび312
Bの縁部316との間の均一な間隔を確保することができる。
【0026】
一実施形態では、表面312の縁部と導電性パッド312Aおよび312Bの縁部316との間の間隔Dは、最大検知距離よりも大きくてもよい。最大検知距離よりも大きい間隔Dは、間隙Gの測定中にセンサウエハ310の縁部が誤って検知されないことを確実にする。例えば、距離Dは、約1.0インチ以上、1.25インチ以上、または1.5インチ以上であってもよい。
【0027】
一実施形態では、導電性パッド315Aおよび315Bの軸方向の配置は、センサウエハ310の中心部分に制御モジュール340のためのスペースを提供することができる。しかしながら、制御モジュール340は、センサウエハ310の任意の都合のよい場所に配置されてもよいことを理解されたい。
【0028】
ここで
図4を参照すると、一実施形態による、電界ガード452を有するセンサウエハ410の平面図が示されている。一実施形態では、電界ガード452は、導電性パッド415のそれぞれを取り囲むことができる。電界ガード452は、間隙Gを検知するために使用される電界の横方向の広がりを制限することができる。したがって、電界は、センサウエハの表面から離れて垂直方向に集束され、最大検知距離を増加させる。電界ガード452は、制御モジュール440内の回路に結合された導電性材料を含むことができる。制御モジュール440は、導電性パッド415
Aおよび415
Bに供給される同じ電位で駆動されるアクティブ信号出力を含むことができ、したがって、電界ガード452と導電性パッド415との間には電位差がない。そのため、いかなる外部干渉(すなわち、シャワーヘッドなどの意図されたターゲット以外の)も電界ガード452に結合し、導電性パッド415との相互作用が最小限に抑えられる。
【0029】
ここで
図5を参照すると、一実施形態による、センサウエハを使用して処理ツール内の支持体表面とシャワーヘッドとの間の間隙距離を測定するためのプロセス580の流れ図が示されている。
【0030】
一実施形態では、プロセス580は、支持体表面および支持体表面に対向するシャワーヘッドを有する処理チャンバをポンプダウンするステップを含む動作581から開始することができる。一実施形態では、当技術分野で知られているように、処理チャンバは、真空ポンプでポンプダウンすることができる。処理チャンバ内の圧力は、大気圧未満であってもよい。例えば、処理チャンバ内の圧力は、処理チャンバ内の基板を処理するために使用される圧力であってもよい。
【0031】
一実施形態では、プロセス580は、次いで、支持体表面上にセンサウエハを配置するステップを含む動作582に進むことができる。一実施形態では、センサウエハは、ウエハハンドリングロボットを用いて支持体表面上に配置されてもよい。例えば、センサウエハは、処理チャンバ内で処理される典型的な基板の寸法(例えば、直径300mm)を有してもよく、処理チャンバがポンプダウンされた(すなわち、大気圧未満の)状態のままである間に、処理チャンバにわたって移動させることができる。
【0032】
一実施形態では、センサウエハは、本明細書に開示される実施形態によるセンサウエハであってもよい。例えば、センサウエハは、第1の表面積を有する第1の導電性パッドおよび第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する第2の導電性パッドを有することができる。特定の実施形態では、センサウエハは、(例えば、
図2Aに関して説明したセンサウエハ210と同様に)交互パターンで配置された少なくとも2つの第1の導電性パッド、および第2の導電性パッドを備えることができる。追加の実施形態では、センサウエハは、(例えば、
図3に関して説明したセンサウエハ310と同様に)交互パターンで放射状に配置された複数の第1の導電性パッドおよび複数の第2の導電性パッドを備えることができる。さらに別の実施形態では、センサウエハは、(例えば、
図4に関して説明したセンサウエハ410と同様に)第1および第2の導電性パッドのそれぞれの周りに複数の電界ガードを備えることができる。
【0033】
一実施形態では、第1および第2の導電性パッドは、制御モジュールに電気的に結合されてもよい。制御モジュールは、導電性パッドに電流を供給するための回路を含むことができる。第1の導電性パッドの電流は、第2の導電性パッドの出力位相から180度オフセットされた出力位相を有することができる。
【0034】
一実施形態では、プロセス580は、次いで、第1の導電性パッドおよび第2の導電性パッドを用いて、センサウエハとシャワーヘッドとの間の間隙を測定するステップを含む動作583を続けることができる。一実施形態では、制御モジュールは、第1の導電性パッドと第2の導電性パッドとの間の電圧差を検知することができる。次いで、この電圧差をセンサウエハに対するシャワーヘッドの位置測定値に変換することができる。
【0035】
上述したように、本明細書に開示される実施形態によるセンサウエハは、センサウエハを用いて1.0インチよりも大きな間隙距離を測定することを可能にする。例えば、センサウエハは、1.0インチよりも大きい、1.25インチよりも大きい、または1.5インチよりも大きい最大検知距離を有することができる。したがって、基板を処理するために必要なシャワーヘッドと支持体表面との間の典型的な間隙をセンサウエハのみで測定することができる。処理ツールに追加の機器が必要とされないため(また、センサウエハが、ウエハハンドリングロボットによって操作することができ、かつ既存のロードロックを通過することができるフォームファクタを有するため)、実施形態は、処理チャンバを通気する必要なしに処理ツールの較正を可能にする。
【0036】
一実施形態では、センサウエハは、センサウエハとシャワーヘッドとの間の間隙の1つまたは複数の測定値を提供することができる。すなわち、一部の実施形態では、複数の間隙測定を実質的に同時に行って、シャワーヘッドと支持体表面との間の平行度測定を提供することができる。
【0037】
一実施形態では、プロセス580は、次いで、処理チャンバからセンサウエハを除去するステップを含む動作584を続けることができる。一実施形態では、ウエハハンドリングロボットを使用して、センサウエハを処理チャンバから除去することができる。特定の実施形態では、センサウエハは、処理チャンバを通気する必要なしに、処理チャンバから除去することができる。したがって、処理チャンバは、基板の処理を開始するために処理チャンバを通気して再ポンプダウンする必要なしに、較正され得る(すなわち、シャワーヘッドと支持体表面との間に所望の間隙を提供するように調整され得る)。
【0038】
ここで
図6を参照すると、一実施形態による、処理ツールの例示的なコンピュータシステム660のブロック図が示されている。一実施形態では、コンピュータシステム660は、処理ツールでの処理および/またはセンサウエハを用いた処理ツールの較正測定に結合され、それらを制御する。コンピュータシステム660は、ネットワーク661(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネット)内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されていてもよい。コンピュータシステム660は、クライアントサーバネットワーク環境ではサーバまたはクライアントマシンの能力で、あるいはピアツーピア(または分散)ネットワーク環境ではピアマシンとして動作することができる。コンピュータシステム660は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはマシンによって実行されるアクションを指定する命令のセットを(シーケンシャルまたは他の方法で)実行することができる任意のマシンであってもよい。さらに、コンピュータシステム660については単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、本明細書に記載される方法論のいずれか1つまたは複数を実行する命令のセット(または複数のセット)を個別にまたは共同で実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合も含むと解釈されるものとする。
【0039】
コンピュータシステム660は、コンピュータシステム660(または他の電子デバイス)をプログラムして、実施形態によるプロセスを実行するために使用することができる、命令が記憶された非一時的なマシン可読媒体を有するコンピュータプログラム製品またはソフトウェア622を含むことができる。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶または送信するための任意のメカニズムを含む。例えば、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)可読ストレージ媒体(例えば、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイスなど)、マシン(例えば、コンピュータ)可読伝送媒体(電気、光、音響、または他の形態の伝播信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号など))などを含む。
【0040】
一実施形態では、コンピュータシステム660は、システムプロセッサ602、メインメモリ604(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)、またはランバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、スタティックメモリ606(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、およびバス630を介して互いに通信する二次メモリ618(例えば、データストレージ装置)を含む。
【0041】
システムプロセッサ602は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理装置などの1つまたは複数の汎用処理装置を表す。より具体的には、システムプロセッサは、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実装するシステムプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するシステムプロセッサであってもよい。システムプロセッサ602はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサなどの1つまたは複数の専用処理デバイスであってもよい。システムプロセッサ602は、本明細書に記載される動作を実行するための処理ロジック626を実行するように構成されている。
【0042】
コンピュータシステム660は、他の装置またはマシンと通信するためのシステムネットワークインターフェース装置608をさらに含むことができる。コンピュータシステム660は、ビデオディスプレイユニット610(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、または陰極線管(CRT))、英数字入力装置612(例えば、キーボード)、カーソル制御装置614(例えば、マウス)、および信号生成装置616(例えば、スピーカ)を含むこともできる。
【0043】
二次メモリ618は、本明細書に記載された方法論または機能のいずれか1つまたは複数を具現化する1つもしくは複数の命令セット(例えば、ソフトウェア622)が記憶されたマシンアクセス可能ストレージ媒体631(またはより具体的にはコンピュータ可読ストレージ媒体)を含むことができる。ソフトウェア622は、コンピュータシステム660による実行中に、メインメモリ604内および/またはシステムプロセッサ602内に完全にもしくは少なくとも部分的に常駐することもでき、メインメモリ604およびシステムプロセッサ602も、マシン可読ストレージ媒体を構成する。ソフトウェア622はさらに、システムネットワークインターフェース装置608を介してネットワーク661上で送信または受信されてもよい。
【0044】
例示的な実施形態では、マシンアクセス可能ストレージ媒体631は、単一の媒体であるように示されているが、「マシン可読ストレージ媒体」という用語は、1つもしくは複数の命令セットを記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、および/または関連付けられたキャッシュならびにサーバ)を含むと解釈されるべきである。「マシン可読ストレージ媒体」という用語は、マシンによって実行するための命令のセットを記憶または符号化することができ、マシンに任意の1つまたは複数の方法論を実行させる任意の媒体も含むと解釈されるものとする。したがって、「マシン可読ストレージ媒体」という用語は、限定されることなく、固体メモリ、光学媒体および磁気媒体を含むと解釈されるものとする。
【0045】
前述の明細書では、特定の例示的な実施形態について記載した。以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらに様々な変更を加えることができることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。