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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】複数波長を用いたオーバーレイ測定
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
G03F9/00 H
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020550158
(86)(22)【出願日】2018-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 US2018049295
(87)【国際公開番号】W WO2019182637
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】62/645,090
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラムホット ユバル
(72)【発明者】
【氏名】アミット エラン
(72)【発明者】
【氏名】ペレド エイナット
(72)【発明者】
【氏名】セラ ノガ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ウェイ-テ アーロン
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-537317(JP,A)
【文献】特開平08-288197(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103777467(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
G03F 9/00
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハ製造プロセスにおいてパターン内のOVLを決定する方法であって、
複数の異なる波長の放射線を用いて、前記ウェハ内の少なくとも2つの異なる層に形成された計測ターゲットからキャプチャされた像を受け取り、前記ターゲットの部分は、異なる層内の対応する部分に対して反対方向にオフセットしており、各像は+1および-1回折パターンを含み、
前記複数の波長それぞれに関する各像内の+1および-1回折次数から反対画素を差し引くことによってターゲットの各部分について第1と第2の差動信号を決定し、
複数の波長からの差動信号に基づいて各画素のOVLを決定し、
各画素のOVLの加重平均として総合OVLを決定し、前記加重は波長の変動によるOVLの感度の変動によるものである、
ことを含み、
各画素のうち1つのOVLを決定することは、
差動信号の平均(K sig )を用いて信号の非対称性を決定し、差動信号の差(G sig )を用いて、OVLに対する差動信号の感度を決定し、
異なる波長での感度の値を含む第1のマトリクスを決定し、
異なる波長での平均差動信号の値を含む第2のマトリクスを決定し、
第1と第2のマトリクスを含む式によって総合OVLを決定する、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記第1のマトリクスは
【数1】
として定義され、式中D1とD2は差動信号を表す請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のマトリクスは
【数2】
として定義され、式中DとDは差動信号を表す請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各画素それぞれのOVLを決定することは、感度がゼロに近似する共振波長を決定することを含み、
前記異なる波長は共振波長の何れかの側上の異なる波長を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記異なる波長は、信号スペクトルランドスケープ内の平坦域から、または平坦域と共振域の組み合わせから選択される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記各画素のOVLは、
【数3】
として決定され、式中、Gは第1のマトリクスであり、Kは第2のマトリクスである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記総合OVLは、
【数4】
として決定される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
画素毎の不正確性σA(pix)を前記総合オーバーレイから決定し、前記画素毎の不正確性における変動を監視することによって製造プロセスにおける変動を検出することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画素毎の不正確性が、式
【数5】
から決定され、式中fはオフセットの量である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
半導体製造プロセスにおけるオーバーレイ「OVL」決定のためのシステムであって、
放射線をウェハの表面の方に指向させ、前記ウェハから反射された放射線を受けて反射放射線から像を生成するように配置されたイメージングシステムと、前記イメージングシステムに放射線を供給するための照明システムと、前記イメージングシステムのオペレーションを制御するためのコントローラと、前記像を分析するための分析ユニットを備え、
前記分析ユニットは、
複数の異なる波長の放射線を用いて、前記ウェハ内の少なくとも2つの異なる層に形成された計測ターゲットからキャプチャされた像を受け取り、前記ターゲットの部分は、異なる層内の対応する部分に対して反対方向にオフセットしており、各像は+1および-1回折パターンを含み、
前記複数の波長それぞれに関する各像内の+1および-1回折次数から反対画素を差し引くことによってターゲットの各部分について第1と第2の差動信号を決定し、
複数の波長からの差動信号に基づいて各画素のOVLを決定し、
各画素のOVLの加重平均として総合OVLを決定し、前記加重は波長の変動によるOVLの感度の変動によるものであり、
各画素のうち1つのOVLを決定することは、
差動信号の平均(K sig )を用いて信号の非対称性を決定し、差動信号の差(G sig )を用いて、OVLに対する差動信号の感度を決定し、
異なる波長での感度の値を含む第1のマトリクスを決定し、
異なる波長での平均差動信号の値を含む第2のマトリクスを決定し、
第1と第2のマトリクスを含む式によって総合OVLを決定する、
ことを含む、
ように構成されたプロセッサを備えているシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは前記総合OVLから画素毎の不正確性フォーミングタームを決定し、前記画素毎の不正確性フォーミングタームにおける変動を監視することによって前記製造プロセスにおける変動を追跡するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記感度がゼロに近似する共振波長を決定するように構成され、前記異なる波長は共振波長の何れかの側上の異なる波長を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記異なる波長を、信号スペクトルランドスケープ内の平坦域から、または平坦域と共振域の組み合わせから選択するように構成されている請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
計測システムの分析ユニット内のプロセッサで実施された場合に、前記システムに、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法のステップを実施させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ製造プロセスにおけるオーバーレイ(OVL)の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2018年3月19日に出願された米国仮特許出願第62/645,090号の利益を主張し、同出願は参照によりその全体を本明細書に援用する。
【0003】
集積回路等の半導体構成要素は、多くの構成要素を含むウェハの形態で製造され得る。例えば、シリコンウェハ等の半導体ウェハは、隣接する層内のパターンに対して正確に位置決めされなければならないパターンからそれぞれなる一連の層で製造され得る。この位置の制御はOVL制御と呼ばれる。いくつかの半導体およびリソグラフィ製造プロセスでは、パターンアライメントを確実にするべく使用するため、ウェハ上に計測ターゲットが配設されている。ターゲットは一組のセルの形態を取ってもよく、例えば長方形または正方形セルの2×2アレイで、2つはX方向のOVLの測定用、2つはY方向のOVLの測定用である。ターゲットは回折格子を含み得る。例えば、ターゲット内の各セルは回折格子から構成されてよい。ターゲットは一組のパターンから構成されてよく、各パターンは異なる層上にプリントされ、典型的にXとYである異なる方向における測定を提供するように配向され得る。ターゲットによって回折された放射線の測定はスキャトロメトリと呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2016/0313658号
【文献】米国特許出願公開第2015/0316490号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いくつかの従来計測アルゴリズムは、単色データを用いてOVLを計算し、いくつかの方法は、回折格子の像内の全画素にわたる信号を平均してOVLを計算する。本発明は、半導体ウェハ製造プロセスにおいてOVLを決定するための方法およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、本発明の初期的理解を提供する簡略化した要約である。この要約は必ずしも主要素を特定するものでも、本発明の範囲を限定するものでもなく、単に以下の説明への導入の役割を果たす。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、半導体ウェハ製造プロセスにおいてOVLを決定するための方法およびシステムを提供する。そのような方法およびプロセスは、ウェハ内の少なくとも2つの異なる層内に形成された計測ターゲットからキャプチャされた像を使用してよく、ターゲットの部分は、異なる層内の対応する部分に対して反対方向にオフセットしている。例えば、ターゲットの1つのセル内の層は1つの方向にオフセットし、別のセル内の層は反対方向に等しくオフセットしていてよい。像は、複数の異なる波長の放射線を用いて形成されてよく、各像は+1および-1回折パターンを含む。複数波長それぞれに関する各像における+1および-1回折次数から反対画素を差し引くことによって、例えば対応するセルであるターゲットの各部分に対して第1と第2の差動信号が決定され得る。複数波長からの差動信号に基づいて、各画素に関してOVLの測定が決定され得る。次に、OVLの総合測定が、各画素のOVLの加重平均として決定され得、加重は、波長の変動によるOVLの感度の変動によるものである。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によるOVL測定は、OVL「ルーラ」が生成され、それによりツールが最も正確なインライン測定セットアップを見出すことを可能にするという意味において「自己正確性」または「自己参照型」と名付けられ得る。本発明のいくつかの実施形態による自己正確性計測は、ウェハ上の位置毎の正確なOVL値の測定を可能にし、一組のOVL値をもたらす。自己正確性は、複数の波長測定を同時に用いて、信号内の不正確性フォーミングタームを根絶して正しいOVL値を見出す。最終組のOVL値は、他のタイプのOVL測定または深層学習アルゴリズムに関する基準としても使用され得る。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態による自己正確性計測は、いくつかの隣接する波長を用いて或るターゲットを測定して、これらの測定全てからの信号を一緒に分析してもよい。測定データは各画素に個々にフィットされてよく、画素毎のOVLは、光信号から不正確性フォーミングタームを除去した後で見出され得る。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態による態様は、波長可変特性を用いて光学測定における不正確性フォーミングタームを見出して、真正又は絶対OVLを計算することである。
【0011】
本発明の実施形態は、半導体ウェハ製造に限定されず、多くの他の製品の製造に使用され得る。
【0012】
本発明のこれらの、付加的なおよび/または他の態様および/または利点は以下の詳細な説明に記載され、おそらく、詳細な説明から推論可能である、および/または本発明の実施から習得され得る。
【0013】
本発明の実施形態のより良い理解のため、および本発明の実施形態がどのように実行されるかを示すために、以下、純粋に例として添付の図面に言及するが、図面において一貫して、同じ符号は対応する要素または区分を示す。
【0014】
添付図面は以下である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】半導体ウェハ上の計測測定を実行するために使用する本発明のいくつかの実施形態によるシステムの模式図である。
図1B】半導体ウェハ上の計測測定を実行するために使用する本発明のいくつかの実施形態によるシステムの模式図である。
図2A】本発明のいくつかの実施形態によるスキャトロメトリOVL(SCOL)ターゲットの2つのセルの断面図である。
図2B】本発明のいくつかの実施形態によるスキャトロメトリOVL(SCOL)ターゲットの2つのセルの断面図である。
図3A】ターゲット内のセルの異なる層からの回折パターンの形成を示す模式図である。
図3B】正および負の1次回折パターンを含む、本発明のいくつかの実施形態によるキャプチャされた像の一例を示す図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による方法のフローチャートである。
図5A】本発明のいくつかの実施形態によるモデリングを示す測定結果を示す図である。
図5B】本発明のいくつかの実施形態によるモデリングを示す測定結果を示す図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による方法によって得られたOVL測定の精度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明を記載する前に、以後使用される特定の用語の定義を規定することが役立つであろう。
【0017】
以下の説明において、本発明の種々の態様が記載される。説明の目的のため、特定の構成および詳細が、本発明の十分な理解を提供するために記載されている。しかしながら、本発明は、本明細書に提示された特定の詳細なしで実行され得ることも当業者には明らかであろう。さらに、本発明を不明確にしないために、よく知られた特徴は省略または簡略化されている場合がある。特に図面参照に関して、図示の詳細は例としてであり、本発明の説明的記載のためのみであり、本発明の原理と概念的態様の最も有用且つわかり易いと思われる説明を提供するために提示されているということを強調しておく。この意味で、本発明の基本的理解のために必要な程度よりも詳細な本発明の構造的詳細を示す試みはなされておらず、説明を図面と併せれば、当業者には、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具体化され得るかが明白となる。
【0018】
本発明の少なくとも一実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下に記載された、または図面に示された構成要素の構造および配置の詳細へのその適用に限定されないことを理解されたい。本発明は、種々の方式で実施または実行され得る他の実施形態に適用可能であるとともに、開示の実施形態の組み合わせに適用可能である。さらに、本明細書で用いられる表現法および用語は説明の目的のためであって、限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。
【0019】
特段に記載されない限り、本発明の1つ以上の実施形態に関して記載された特徴は、本発明のすべての他の実施形態に随意に含まれ得る。
【0020】
特段に記載されない限り、以下の説明から明らかであるように、本明細書を通して、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「強化」等の用語を用いる説明は、コンピューティングシステムのレジスタおよび/またはメモリ内の、電子等の物理量として表されるデータの操作および/または、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタまたは他のそのような情報ストレージ、伝送または表示デバイス内の、同様に電子等の物理量として表される別のデータへの変換を行うコンピュータまたはコンピューティングシステム、または同様の電子コンピューティングデバイスの動作および/またはプロセスを指す。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態による方法は、複数の異なる波長を用いて計測ターゲット内のセルの像をキャプチャすることを含み得る。次に、例えば半導体ウェハ内に形成されたパターン内のOVLが、各像のOVLの加重平均として決定され得る。加重は、波長の変動によるOVLの感度の変動によるものであり得る。方法は、照明波長が変動し得るシステムで実行され得る。そのような1つのシステムを、図1Aおよび1Bを参照して以下に説明する。
【0022】
図1Aおよび1Bは、半導体ウェハ上の計測測定を実行するために使用する本発明のいくつかの実施形態によるシステムの模式図である。本明細書に記載のシステムおよび方法は、積層造形プロセスによって形成された他の製品の製造または測定に使用され得る。
【0023】
図1Aは、放射線をウェハの表面の方に指向させ、ウェハから反射された放射線を受けてウェハの像を生成するように配置されたイメージングシステム100を示し、図1Bは、図1Aのイメージングシステムに放射線を供給するために使用され得る照明システム200を示す。
【0024】
図1Aのイメージングシステム100において、可視光等の放射線は、この例では支持体104上のウェハ103である製品の表面のほうに指向される。放射線は計測ターゲットに指向され得る。ウェハ103の表面から反射放射線が受光され、例えばカメラ105内に、ウェハの像を生成するために使用される。像は分析ユニット107内で分析され得る。イメージングシステムの動作はコントローラ110によって制御され得る。
【0025】
放射線は光ファイバ109によってイメージングシステム100に供給され、偏光子120およびレンズ121-124を透過してビームスプリッタ130に達する。レンズ122と123の間に野絞り(ring aperture)127が配置されてよく、また、レンズ123と124の間に視野絞り128が配置されてよく、その機能については当業者ならば理解するものであろう。ビームスプリッタ130は、放射線を分光して、放射線の一部を対物レンズシステム135を介してウェハ103に指向させ、放射線の異なる一部を対物レンズシステム136を介して鏡137に指向させることができる。対物レンズシステム135と136の同じ対が、ウェハ103からの散乱放射線と、鏡137からの反射放射線を収集してよく、また、同じビームスプリッタ130が、ウェハからと鏡からの放射線を合成して単一の放射線場を形成してもよく、その詳細は、対物レンズ135とウェハ103(焦点)との間の距離に敏感であり、それによって焦点ぼけの推測を可能にする。
【0026】
合成された放射線の一部は、その機能について本明細書で詳述する焦点検出器140に指向され得る。例えば、合成放射線の一部は、ビームスプリッタ141とレンズ143によって焦点検出器140に指向され得る。放射線の一部は分光器150に指向され得る。例えば、反射放射線の一部はビームスプリッタ151とレンズ153によって分光器150に指向され得る。焦点検出器140は、焦点測定を実行し、これらの測定を示す信号を分析ユニット107に出力してもよい。同様に、分光器150はスペクトル測定を実行し、これらの測定を示す信号を分析ユニット107に出力してもよい。
【0027】
カメラ105は、電荷結合素子または「CCD」アレイであり得る。カメラ105は、当技術分野で知られるように、「像」平面で反射放射線から像を形成するために配置または設置されてもよい。例えば、ウェハ103はその表面上に回折パターンを含んでもよく、その場合、反射放射線はウェハ103の表面から回折されてもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、像がセルから回折パターンの形態でキャプチャされる像平面は、瞳面である。
【0028】
図1Aのイメージングシステム100またはウェハ支持体104の一部を形成する種々の構成要素はそれぞれ、例えば、図示しておらず当業者に知られている1つ以上のモータによって互いに対して移動されてもよい。イメージングシステム100の動作、例えば、イメージングシステム100の一部を形成するモータの動作は、コントローラ110によって制御され得る。コントローラ110の動作は、分析ユニット107からの信号に部分的に基づき得る。分析ユニット107またはコントローラ110またはそれら両方は、1つ以上のプロセッサを含むコンピューティングシステムを備えてよい。例えば、分析ユニット107内のプロセッサは、アルゴリズムの制御下で動作し、本発明のいくつかの実施形態による方法を実行してもよい。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、プロセッサ内または分析ユニット内で実装する命令を含む一時的または非一時的形式のコンピュータ可読媒体を備えてもよい。
【0029】
コントローラ110は、逐次イメージキャプチャ操作間に、1つ以上のイメージングパラメータを変えて、例えば、分析ユニット107によって分析される一連の像を形成するようにイメージングシステム100を制御してもよい。したがって、例えば、コントローラ110は、偏光子120を制御して、1つの像と別の像の間の放射線の偏光を変えるようにしてもよい。コントローラは、レンズ、またはウェハ支持体104のうちいずれか、例えば対物レンズシステム135内のレンズの、互いに対する、またはウェハ支持体104に対する位置を制御して、焦点を変化させることによって、それぞれ合焦度が異なる一連の像を得てもよい。コントローラは、野絞り127の動作を制御して、1つの像と別の像の間の開口数を変化させてもよい。
【0030】
次に図1Bを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による照明システム200は放射線源203を備えている。これは、当業者に知られる任意の適切な放射線源であってよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、放射線源203は、異なる波長および/または帯域幅の複数の放射線源を備えてよく、そこから1つ以上が選択されて、例えば製品またはターゲットを照明するために使用する波長および/または帯域幅を変え得る。
【0031】
図1Bに示すように、源203からの放射線は一連のレンズ210-214およびフィルタ220-226を透過して光ファイバ109に通る。照明システム200は、1つ以上のイメージングパラメータを変えるように動作可能であってよく、そのパラメータは例えば、変えた場合に、例えば放射線源203を照明源として用いてイメージキャプチャデバイスによってキャプチャされた像における変動を引き起こすものである。照明システムを制御することによって変えられ得るイメージングパラメータの一例は、放射線の波長である。ウェハ製造制御システムは可変波長照明システムを含んでもよく、その場合、本発明のいくつかの実施形態は、既存システム、例えば既存のハードウェアを新規の方式で動作させることによって実施され得る。本発明のいくつかの実施形態により、イメージングされるウェハを照明するために使用される放射線の波長を変えるように動作可能な構成要素を含む新規のハードウェアまたはソフトウェアが提供され得る。
【0032】
図1Bに示したシステムにおいて、フィルタ222-226は、バンドパスおよび微分フィルタ等の既存ウェハ製造制御システムのフィルタを含んでよく、その機能については当業者にはよく知られている。フィルタ220および221は、例えば、本発明のいくつかの実施形態によるイメージングシステム100に送達される放射線の波長を変えることを、それがフィルタ222-226によって達成できない場合に行うために使用され得る。
【0033】
実際には、照明システムは、異なる様相に偏光した放射線を使用してよく、その場合、異なる偏光の放射線は、源203から光ファイバ109への異なる経路に沿って伝導されてよい。簡略化のため図1Bには1つの経路のみが示されているが、実際のシステムでは、いくつかの偏光に従っていくつかの経路が配設されてよいことを理解されたい。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、製品、例えばウェハ103を照明するために用いられる放射線の波長は、任意の既知の様式の波長変動で変動されてよい。本発明のいくつかの実施形態によるシステムは、狭帯域の光の波長を、より広帯域の源からフィルタリングするための機械装置を含み得る。例えば、広帯域放射線源がプリズムによって機械的に分配されてよく、プリズムから、特定の波長帯または色の光が、例えばシャッタ機構を用いて機械的に選択され得る。図1Bに示した例では、フィルタ211と212はそれぞれハイパスフィルタとローパスフィルタであってよい。付加的にまたは代替的に、フィルタ211および212は、放射線の波長を変えるために当技術分野で知られるように調整可能であってもよい。
【0035】
システムが本明細書に記載のように動作することを可能にしたままで、図1Aおよび1Bに示したレンズおよびビームスプリッタ等の構成要素のうちいくつかの順序を変えてもよいことを、光学分野の当業者ならば理解するであろう。特に、示されたイメージングシステム100の構成要素のうちいくつかは照明システム200の一部を形成してもよく、照明システム200の構成要素のうちいくつかはイメージングシステム100の一部を形成してもよい。
【0036】
以下、図2-4を参照して本発明のいくつかの実施形態による方法を説明する。方法は、図4のオペレーション401で、ウェハ内の少なくとも2つの異なる層内に形成された計測ターゲット内のセルから、キャプチャされた像を受け取ることで開始してよく、ターゲットの部分は、異なる層内の対応する部分に対して反対方向にオフセットした状態である。例えば、ターゲットの異なるセル内の層は、異なる方向にオフセットしていてよい。方法はキャプチャすること自体を含む。代替的に、本発明のいくつかの実施形態による方法は、事前にキャプチャされた像を分析してもよい。キャプチャは、例えばカメラ105によるものでよい。適切なターゲットの例が図2Aおよび2Bに模式的に示されている。図2Aおよび2Bは、ウェハの各層内に形成された上方および下方周期的格子(黒の四角形)を含む2セルSCOL計測ターゲットを断面図で示す。下方格子は水平方向において上方格子に対してオフセットしている。図2Aに示したセルのオフセットは、右側に示したセルのオフセットと等しく且つ反対である。図2Aおよび2Bはさらに、入射光Eと、回折光であって、上方層格子からのプラスおよびマイナス1次(Etop,1,Etop,-1)および下方層格子2からのプラスおよびマイナス1次(Ebottm,1,Ebottm,-1)を示している。
【0037】
図3Aは、ゼロ次および1次回折パターンの形成を示す、図2Bに類似した斜視図である。
【0038】
キャプチャされた像の一例が図3Bに示されており、正および負の一次(+1および-1)回折パターンならびにゼロ次回折パターンを含んでおり、それは当業者には知られている如くである。図3Bに示されたもののような像は、例えば、複数の異なる波長、例えば、1つの狭帯域内の隣接する波長でキャプチャされ得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、オペレーション401に先立って、本明細書で詳述する、異なる波長または周波帯を決定するための1つ以上のオペレーションがあってよい。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態による計測方法は、±fいずれかの付加的な故意のオフセットを伴うターゲット内のセルからの回折強度を用いて光信号を測定する(Adel等による、「Diffraction order control in overlay metrology-a review of the roadmap options」Proc. SPIE 6922,Metrology,Inspection,and Process Control for Microlithography XXII, 692202 (14 March 2008);doi:10.1117/12.773243に記載のSCOLアルゴリズムで用いられたように)。一次元でのOVL決定については、以下に、図4を参照して論じる。図4のオペレーション403-407および本明細書に記載の他の数学的演算は、例えば分析ユニット107によって実行されてよい。
【0040】
各セルに関して画素毎の差動信号、プラスオフセットのD、マイナスオフセットのDが決定され、Dは例えば強度またはグレーレベルを表し得る。差動信号は、オペレーション403で±1回折次数から反対画素を差し引くことによって決定または計算されることができ、それを図3Aに模式的に示している。差動信号は、複数の波長それぞれに関して決定され得る。次に、オペレーション405で、各画素に関するOVLが、差動信号D,Dに基づいて決定され得る。オペレーション407で、そのパターンのOVLまたは「総合」OVLが、各画素のOVLから決定され得る。本発明のいくつかの実施形態によれば、この総合OVLは、各画素のOVLの加重平均として決定されることができ、加重は、波長の変動によるOVLの感度の変動によるものである。
【0041】
個々の画素のOVLは種々の方式で決定されてよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、画素毎のOVLは第1と第2のマトリクスを含む式により決定される。第1のマトリクスは異なる波長でのOVLに対する差動信号の感度の値を含み得る。第2のマトリクスは、異なる波長での平均差動信号の値を含む。以下、これを数学的に説明する。
【0042】
いくつかの波長、例えば、いくつかの異なる波長でキャプチャされた像からのデータを用いて、以下の光信号マトリクス(Npixels×Nwavelength)が定義され得る。
【数1】
式中、pixは、元の照明スポット内の画素の位置に関連する(特定の照明角度に関連する)指数である。Ksigは差動信号の平均であってOVL内の非対称性を表し、Gsigは、異なる画素および異なる波長両方に関して決定された差動信号間の差から導出される。Gsigは、OVLの存在に対してKsigの感度がどの程度であるかを記述するため、感度とも呼ばれる(式4参照)。
【0043】
瞳内の各画素の感度は異なり得る。感度がゼロにほぼ等しい場合に共振が形成される。特定の波長範囲からデータを見ると、画素毎の感度は、全瞳にわたり符号を変え得る。これは、各画素がその波長範囲で共振を経て、共振が画素を通過した厳密な波長は画素毎に異なり得るということを意味する。共振波長値WLresは、画素の関数WLres(pix)としてマッピングされ得る。共振波長は、例えば、オペレーション401でキャプチャされた異なる波長で像を分析することによって決定され得る。
【0044】
以下の計算において、山括弧〈〉の使用は、マトリクスの第1の次元(波長方向)において平均を取り、画素数のサイズのベクトルNpixelを得るということを意味する。さらに、・を用いた乗算は、マトリクスまたはベクトルの各要素を、他のマトリクス/ベクトルの同じ要素と乗算することを意味する。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態による自己正確性OVL測定は、いくつかのモードを用いて行われ得るが、そのうち2つが、非限定的な例として本明細書に記載される。
【0046】
第1のモードにおいて、測定は特定の共振の周囲である。計算中に、光信号マトリクスが再配置されて、画素毎の波長共振WLres(pix)を中心に構成された新たな信号マトリクスを形成する。以下の光マトリクスが定義される。
【数2】
【数3】
式中、NWLは、そのWLres(pix)の両側の各画素に関するデータポイントの数であり、Δλは測定中に使用される波長分解能である。このモードでは、GとKの両方が、(Npixels×(2NWL+1))の最終サイズを有している。NWLは、ユーザによって、例えば、図1Aおよび1Bに示したシステムのオペレータによって定義され得る、または分析アルゴリズムによって予め定義され得る。
【0047】
自己参照型の別のモードは、全波長またはスペクトルランドスケープにわたり、例えば、システム内で利用可能な全波長、または少なくとも共振波長の少数の各側よりも広範囲にわたり像をキャプチャすることであり得る。より広いランドスケープが分析されることができ、また、1つの波長域または複数の波長域が選択され得る。これらの波長は専ら平坦域からのものであり得、それは例えば、Gsig等の信号マトリクスである信号が、波長に対する大きい感度を有し、標準型SCOLを用いて測定されたオーバーレイの波長での変動が少ない波長である。別の選択肢は、平坦と共振の組み合わせからこれらの波長を取ることである。この場合、GおよびKマトリクスは、式1で定義された元のGsigおよびKsigと同じとなる。使用データは、特定の平坦域、複数の平坦域または複数の領域に属する波長を用いて収集されることになる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態によるOVL測定は、光信号が以下の線形依存性を有するという仮定に基づき得る。
【数4】
【0049】
δA(pix)は、本明細書では、特定の状況では波長依存性であり得る「画素毎の不正確性」フォーミングタームと呼ばれる。実際には、δAも波長依存性であり得る。このタームが波長の変化に関してほぼ一定であるいくつかのスペクトル域がある。例えば、いくつかの光共振は一定の不正確性タームを有する傾向にあり、よって自己正確性計算に適している。波長依存性推定を検査するために、以下の不等式が成立しなければならない。
【数5】
【0050】
言い換えると、波長での感度の変化率は、波長での画素毎の不正確性の変化率よりも格段に大きくなければならない。
【0051】
画素毎のOVLは、例えば、式2および3で定義された第1と第2のマトリクスを含む式または方程式を用いて計算され得る。
【数6】
この式において、画素毎の不正確さσA(pix)は相殺される。
【0052】
測定データは各画素に関して別個にフィッティングされ得、画素毎のOVLは、光信号から不正確性フォーミングタームを除去した後で見出され得ることに留意されたい。或る実施形態では、画素毎のOVL値は、不正確性フォーミングタームを差し引いて、改善されたOVL測定をもたらしてもよい。不正確性フォーミングタームは式4では基本的に「dA」であるため、式6を用いて、不正確性フォーミングタームまたはdAを除去する方式で画素毎のOVLを計算できる。
【0053】
画素毎のOVLは、1つのパターンの総合OVLを決定するのに使用するために加重されてよい。重みは、波長の変動に対する画素毎のOVLの感度によるものでよい。例えば、画素毎の重みは以下によって与えられる。
【数7】
【0054】
最終、または「総合」OVLは、画素毎のOVLの加重平均として決定され得、例えば、以下の通りである。
【数8】
【0055】
画素毎の不正確性フォーミングタームは以下によって与えられる。
【数9】
これは、式6に従って画素毎のOVLを計算することによって自動的に除去される。
【0056】
不正確性はOVLとは無関係であるものの、不正確性とオーバーレイの両方が、ウェハと時間にわたるプロセス変動に依存するということに留意されたい。或るサイト上のパターンは、ウェハが同じロットであるか異なるロットであるかという点においてウェハ毎に異なり得る。或るサイトに関する画素の関数としてのdAが監視され得る。急激な変化があれば、製造プロセスに大きな変更があったということを意味し得る。
【0057】
式5の仮定を検査するために、以下の波長毎の不正確性フォーミングタームマトリクスが計算され得る。
【数10】
【0058】
この波長毎の不正確性フォーミングタームは、式9で計算された画素毎の不正確性フォーミングタームに、以下の様式で関連する。
【数11】
このタームは、式5
【数12】
の仮定を検査するためにも使用される。
【0059】
δA(pix)は、米国特許出願公開第20150316490号に記載のように、ウェハ内またはウェハ間でのプロセス変動(PV)を追跡するためにも使用され得る。或るターゲットは、ダイ内またはウェハ上のターゲットの位置に応じて異なるPVを経験することになる。するとこれらのPVは不正確性フォーミングタームδA(pix)を変え、PVがどれ程光信号に影響したかの定量化可能な測定を可能にする。δA(pix)はOVLに依存しないため、この光学瞳測定における急激な変化δA(pix)は、PV分割または製作プロセスにおける変動を識別するために用いられ得る。
【0060】
式4によれば、各画素のKデータをKshift(indλ,pix)=K(indλ,pix)-δA(pix)だけシフトすることは、Gに比例するはずである。
【0061】
図5Aおよび5Bは、本発明のいくつかの実施形態によるモデリングを示す測定結果を示している。図5Aにおいて、画素毎のデータはGとKの間の線形関係を示す。黒丸(solid point)は元のデータセットであり(各点が異なる波長である)、白丸(hollow black point)はシフトされたKである。図5Bの上のグラフは、複数の画素および波長(各波長が異なる色調にある)のGの関数としてのKを示す。図5Bの底部の下のグラフは、KをδAシフトした後の同じデータを示す。総OVLは画素毎のOVLの加重平均(または単に画素毎の勾配)によって与えられる。
【0062】
自己正確性計測が良好な結果をもたらすかを調べるために、いくつかのフラグが生成される。第1のフラグは、信号が有するグレーレベルの量を、波長方向におけるG値の標準誤差を調べることで検査した。標準偏差σが各画素に関して計算され、以下の方式でWppに関連付けられた。
【数13】
第1のフラグはSEλ,maxと定義された。それはσλのトップ98th%値に等しい。第2のフラグは、(G,Kshift)データセットの主成分値の割合を取るPCAratioであった。データセットの主成分値は、本明細書でさらに説明する図6に示す2つの主方向におけるデータの有効幅を与える。
【0063】
自己正確性計測に関する誤差の測定が以下で与えられる。
【数14】
【0064】
図6は、両主方向においてシフトされたK対Gデータセット(異なるグレーの色調で示されている)の「幅」を見出すことによってPCAratioを計算する1つの例を示す。元のデータセットは青で示され、K値をδAシフトしたことによるPCAminの減少を示している。
【0065】
異なるターゲット上に自己正確性を使用することは、フィールド内の種々の位置において真正または絶対OVL(或る種の技法で測定された相対OVLに対立するものとして)
の測定を可能にする。そうすることで、米国特許出願公開第2016023450号で論じたようなOVLに影響するパターン配置エラー(PPE)の探査を可能にする。
【0066】
さらに、不正確性のないOVLが計算されると、それはいくつかの様式で使用され得る。自己正確性測定がウェハ全体にわたるサイトの大きな集合にわたって実行される場合、それらは最終OVL結果として提示され得る。他方、1セットのOVL測定はさらに、他のOVL測定(標準型SCOL測定等)に関する現像後検査(ADI)自己参照型OVL値としても使用され得る。最後に、このOVL値のセットは学習アルゴリズムの基準値としてプラグインされ、ADIをエッチング後検査(AEI)等と比較するために用いられ得る。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、OVLの計算と同時の、連続的且つ調整可能な波長光学測定を使用する、各画素からの不正確性形成信号を根絶するために画素毎のデータをフィッティングする、画素「強度」に従って、加重平均で修正された複数の光信号によって自己参照型OVL値を特定することのうち1つ以上を含む。
【0068】
本発明の態様を、本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/または部分図を参照して上記で説明した。フローチャート図および/または部分図の各部分、およびフローチャート図および/または部分図の部分の組み合わせが、コンピュータプログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて機械を提供してもよく、その結果、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/または部分図またはその一部に指定された機能/行為を実施するための手段を生成してもよい。
【0069】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置または他のデバイスに、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャートおよび/または部分図またはその一部に指定された機能/行為を実施する命令を含む製品を生成するように、特定の方式で機能するように指令することができるコンピュータ可読媒体内に記憶されてもよい。
【0070】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置または他のデバイスにロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル装置または他のデバイスに、コンピュータ実装プロセスを生成させる一連の動作ステップを実行させて、その結果、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/または部分図またはその一部に指定された機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
【0071】
上述のフローチャートおよび図は、本発明の種々の実施形態によるシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性および動作を示している。この点で、フローチャートまたは部分図の各部分は、指定された論理機能(複数可)を実施する1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を表し得る。いくつかの代替的実施では、その部分内に記載された機能は、図面に記載された序列以外で発生することがあることに留意されたい。例えば、続いて示された2つの部分は実際には実質的に同時に実行されてもよい、または部分は、関与する機能性に依存して時として、逆順で実施されてもよい。部分図および/またはフローチャート図の各部分および部分図および/またはフローチャート図の各部分の組み合わせが、指定された機能または行為を実行する専用ハードウェアベースのシステムによって、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも理解されたい。
【0072】
上記の説明において、1つの実施形態は本発明の実施の一例である。「一実施形態」、「1つの実施形態」、「或る実施形態」または「いくつかの実施形態」という種々の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を指しているわけではない。本発明の種々の特徴は1つの単一の実施形態の文脈で説明され得るが、その特徴は別個に、または任意の適切な組み合わせで提供されてもよい。逆に、本発明は、明瞭にするために別々の実施形態の文脈で本明細書では記載され得るが、本発明は1つの単一の実施形態で実施されてもよい。本発明の或る実施形態は、上記で開示した異なる実施形態からの特徴を含み得、或る実施形態は上記で開示した他の実施形態からの要素を組み込んでもよい。特定の実施形態の文脈での本発明の要素の開示は、それらの使用を、その特定の実施形態のみに限定すると解釈されるものではない。さらに、本発明は種々の様式で実施または実行されてよく、本発明は、上記の説明で概説したもの以外の或る実施形態で実施され得ることも理解されたい。
【0073】
本発明はこれらの図または対応する説明に限定されない。例えば、流れは、各ボックスまたは状態を通って進まなくても、または、図示され説明されたのと全く同じ順序で進まなくてもよい。本明細書で使用される技術的および科学的用語の意味は、別途定義しない限り、本発明が属する分野の当業者には一般に通じるものである。本発明を限定された数の実施形態に関して説明してきたが、これらは本発明の範囲への限定と解釈されるべきではなく、むしろ、好ましい実施形態のいくつかの例示として解釈されるべきである。他の可能な変形、修正および適用も本発明の範囲内にある。したがって、本発明の範囲は、ここまで説明された内容によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲とそれらの法的等価物によって限定されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6