(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-16
(45)【発行日】2022-11-25
(54)【発明の名称】電線接続方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/02 20060101AFI20221117BHJP
H01R 4/02 20060101ALN20221117BHJP
【FI】
H01R43/02 B
H01R4/02 C
(21)【出願番号】P 2019031438
(22)【出願日】2019-02-25
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】中山 智裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 肇宏
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-149421(JP,A)
【文献】特開昭51-134350(JP,A)
【文献】特開2011-009261(JP,A)
【文献】特開2010-044887(JP,A)
【文献】特開2003-338327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/02
H01R 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体が絶縁被覆で被覆された少なくとも1本以上の被覆電線を含む、導電性を有する被接合体を電線接続装置で接続する電線接続方法であって、
前記被接合体を前記電線接続装置の配置部に配置する配置工程と、
前記電線接続装置の超音波振動を付与する圧縮振動部が、前記配置部に配置された前記被接合体に対して所定の相対位置となるまで、略一定の第1圧縮力を前記被接合体に作用させながら超音波振動を付与して前記被接合体を接合する第1接合工程と、
前記圧縮振動部が前記相対位置に達した後、前記相対位置を維持し、
前記被接合体に作用する圧縮力を前記第1圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して前記被接合体を接合する第2接合工程とを行う
電線接続方法。
【請求項2】
前記相対位置を接合相対位置とし、
被接合体を、前記第1圧縮力以上の第2圧縮力で、前記圧縮振動部が前記相対位置より前記被接合体に対して離れた圧縮相対位置となるように位置制御しながら圧縮する圧縮工程を、前記第1接合工程の前に行う
請求項1に記載の電線接続方法。
【請求項3】
前記圧縮工程終了後、前記第1接合工程の前に、前記被接合体に作用させる前記圧縮振動部の圧縮力を、前記第1圧縮力より小さい所定の第3圧縮力まで低下させる
請求項2に記載の電線接続方法。
【請求項4】
前記被接合体は、複数の前記被覆電線であり、
前記配置工程は、複数の前記被覆電線の先端部における前記絶縁被覆を剥いで露出された前記導体を前記配置部に配置する
請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の電線接続方法。
【請求項5】
前記被接合体は、複数の前記被覆電線と、導電性の管状体とであり、
前記配置工程は、複数の前記被覆電線の先端部における前記絶縁被覆を剥いで露出された前記導体が前記管状体に前記導体が挿入された状態で前記配置部に配置する
請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の電線接続方法。
【請求項6】
前記被接合体は、前記被覆電線と、該被覆電線と接合される端子とを含み、
前記配置工程は、前記被覆電線の先端部における前記絶縁被覆を剥いで露出された前記導体と前記端子の接合部とを前記配置部に配置する
請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の電線接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用のワイヤハーネスを構成する複数の被覆電線における芯線や撚り線などの導体同士を接合する電線接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に装備された電装機器は、複数の被覆電線を束ねたワイヤハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続される。
【0003】
上述のワイヤハーネスを構成する複数の被覆電線同士や被覆電線の導体と端子などの被接合体を接続する方法としては、例えば、特許文献1に記載するような電線接続装置を用い、被接合体に超音波振動を作用させて超音波接合する方法が採用される。
【0004】
具体的には、被接合体を受ける被接合体受け部であるアンビル(配置部)に被接合体を配置し、超音波振動を作用させるホーン(圧縮振動部)をアンビル(配置部)に配置した束ねた被接合体に当接させて超音波接合する。
【0005】
しかしながら、このようにアンビル(配置部)に配置した被接合体に超音波振動を作用させて超音波接合するためには、ホーン(圧縮振動部)を被接合体に対して所定の圧力で加圧しながら当接させる必要がある。そのため、超音波接合する被接合体が圧縮され、ホーン(圧縮振動部)やアンビル(配置部)等に固着するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、導体が絶縁被覆で被覆された被覆電線を含む、導電性を有する被接合体を電線接続装置で接合しても、圧縮振動部や配置部に被接合体が固着しない電線接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、導体が絶縁被覆で被覆された少なくとも1本以上の被覆電線を含む、導電性を有する被接合体を電線接続装置で接続する電線接続方法であって、前記被接合体を前記電線接続装置の配置部に配置する配置工程と、前記電線接続装置の超音波振動を付与する圧縮振動部が、前記配置部に配置された前記被接合体に対して所定の相対位置となるまで、略一定の第1圧縮力を前記被接合体に作用させながら超音波振動を付与して前記被接合体を接合する第1接合工程と、前記圧縮振動部が前記相対位置に達した後、前記相対位置を維持し、前記被接合体に作用する圧縮力を前記第1圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して前記被接合体を接合する第2接合工程とを行うことを特徴とする。
【0009】
上記導体は、例えば、アルミニウム製素線、アルミニウム合金製素線、銅製素線、銅合金製素線等の導電性を有する素線を複数撚り合せた撚り線、あるいは、導電性を有する単線を含む概念である。なお、撚り線の場合、単一の金属種の素線で構成された撚り線、あるいは複数の金属種の素線が混在した撚り線であってもよい。
【0010】
上述の少なくとも1本以上の被覆電線を含む、導電性を有する被接合体は、複数の被覆電線の導体同士、1本の被覆電線において導体を構成する撚線などの素線同士、1本の被覆電線における導体と接続端子などの端子との組み合わせ、被覆電線において導体と、導体を内部に挿入するジョイント管などの管状体との組み合わせなどとすることができる。
上述の前記被接合体に対する所定の相対位置は、前記被接合体に対して圧縮振動部が超音波振動を作用させて超音波接合できる位置である。
【0011】
この発明により、圧縮振動部や配置部に固着することなく、被接合体を超音波接合することができる。
詳述すると、前記被接合体を接合する第1接合工程において、配置部に配置した前記被接合体に対する所定の相対位置に位置制御された前記圧縮振動部で第1圧縮力を作用させながら超音波振動させて前記被接合体を超音波接合し、第2接合工程において、前記圧縮振動部が前記相対位置に達した後、前記相対位置を維持し、前記被接合体に作用する圧縮力を前記第1圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して前記被接合体を接合するため、超音波接合する被接合体の変形を制御でき、位置制御することなく、一定の圧縮力で圧縮しながら超音波振動を作用させて超音波接合する場合のように圧縮振動部や配置部に固着することなく、被接合体を超音波接合することができる。
【0012】
また、前記被接合体に対する相対位置に位置制御して前記圧縮振動部が超音波振動して被接合体を超音波接合するため、被接合体の材料ばらつき等の影響が低減し、接合条件のロバスト性を向上することができる。
【0013】
さらに、溶融温度が異なる金属で構成された被接合体同士を接合する場合であっても、超音波接合する被接合体の圧縮変形及び溶融を制御でき、圧縮振動部や配置部に固着することを防止できる。
【0014】
具体的には、溶融温度が異なる金属で構成された被接合体同士を超音波接合する際には、溶融温度が低い金属で構成された被接合体が、溶融温度が高い金属で構成された被接合体に比べて溶融しやすいため、接合する際に溶融温度が低い金属で構成された被接合体は圧縮されやすくなるものの、第1接合工程において、所定の相対位置に位置制御された前記圧縮振動部が第1圧縮力を作用させながら超音波接合するとともに、第2接合工程において、前記相対位置に維持された前記圧縮振動部が、圧縮力を低下させながら超音波振動を付与して前記被接合体を接合するため、超音波接合する被接合体の圧縮変形及び溶融を制御でき、圧縮振動部や配置部に固着することを防止できるとともに、ロバスト性をさらに向上することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記相対位置を接合相対位置とし、被接合体を、前記第1圧縮力以上の第2圧縮力で、前記圧縮振動部が前記相対位置より前記被接合体に対して離れた圧縮相対位置となるように位置制御しながら圧縮する圧縮工程を、前記第1接合工程の前に行ってもよい。
【0016】
この発明により、被接合体を圧縮した上で、超音波接合でき、より確実に接合することができる。
詳述すると、前記接合工程前に、前記圧縮振動部により前記第1圧縮力より大きな所定の第2圧縮力で前記被接合体を予め圧縮するため、第1接合工程では圧縮された被接合体に対して、前記接合相対位置となるように位置制御された前記圧縮振動部で前記第1圧縮力及び超音波振動を作用させることができる。
【0017】
そのため、単に、被接合体に超音波振動を作用させて接合する場合に比べ、接合対象である圧縮された被接合体における例えば上下部分など断面における温度差を抑制し、確実に超音波接合することができる。
【0018】
また、前記接合工程前に、前記圧縮相対位置となるように位置制御された前記圧縮振動部で、前記第1圧縮力以上の第2圧縮力で圧縮された被接合体は、被接合体同士あるいは被接合体を構成する要素同士が密着しているため、被接合体間あるいは要素間の摩擦ロスが軽減され、単に被接合体に超音波振動を作用させて接合する場合に比べ、より効率的に、つまり低エネルギーで超音波接合することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記圧縮工程終了後、前記第1接合工程の前に、前記被接合体に作用させる前記圧縮振動部の圧縮力を、前記第1圧縮力より小さい所定の第3圧縮力まで低下させてもよい。
【0020】
この発明により、圧縮した被接合体をより確実に接合することができる。
詳述すると、前記第1圧縮力より大きな所定の第2圧縮力で被接合体を圧縮する前記圧縮工程終了後の前記第1接合工程の前に、前記被接合体に作用させる前記圧縮振動部の圧縮力を、一旦、前記第1圧縮力より小さい所定の第3圧縮力まで低下させてから、超音波振動を作用させながら前記第1圧縮力まで増大させることで、圧縮した被接合体に作用する負荷を低減しながら、より確実に接合することができる。
【0021】
またこの発明の態様として前記被接合体は、複数の前記被覆電線であり、前記配置工程は、複数の前記被覆電線の先端部における前記絶縁被覆を剥いで露出された前記導体を前記配置部に配置してもよい。
この発明により、複数の前記被覆電線の導体同士を、圧縮振動部や配置部に固着することなく、確実に超音波接合することができる。
【0022】
なお、複数の前記被覆電線は、それぞれが、溶融温度が異なる金属製の前記導体で構成された場合であっても、超音波接合する導体の圧縮変形及び溶融を制御でき、圧縮振動部や配置部に固着することを防止できる。
【0023】
上述の溶融温度が異なる金属製の前記導体で構成された前記被覆電線は、アルミニウム製やアルミニウム合金製の導体を絶縁被覆で被覆して構成した被覆電線と、銅製や銅合金製の導体を絶縁被覆で被覆して構成した被覆電線などのように、各被覆電線の導体を構成する金属種が異なることを指す。
【0024】
またこの発明の態様として前記被接合体は、複数の前記被覆電線と、導電性の管状体とであり、前記配置工程は、複数の前記被覆電線の先端部における前記絶縁被覆を剥いで露出された前記導体が前記管状体に前記導体が挿入された状態で前記配置部に配置してもよい。
【0025】
この発明により、前記被覆電線の前記導体が前記管状体に挿入された状態で、圧縮振動部や配置部に固着することなく、前記導体と前記管状体とを確実に超音波接合することができる。なお、複数の前記被覆電線の前記導体をまとめて管状体に挿入しても、複数の前記導体と前記管状体とを超音波接合することができる。
【0026】
またこの発明の態様として前記被接合体は、前記被覆電線と、該被覆電線と接合される端子とを含み、前記配置工程は、前記被覆電線の先端部における前記絶縁被覆を剥いで露出された前記導体と前記端子の接合部とを前記配置部に配置してもよい。
この発明により、前記被覆電線の前記導体と前記端子の接合部とを、圧縮振動部や配置部に固着することなく、確実に超音波接合することができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、導体が絶縁被覆で被覆された被覆電線を含む、導電性を有する被接合体を電線接続装置で接合しても、圧縮振動部や配置部に被接合体が固着しない電線接続方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】接合対象である複数の被覆電線に関する説明図。
【
図5】電線接続装置の主要部の接合動作の概略説明図。
【
図6】電線接続装置における導体に対するホーンの圧縮力と相対位置の関係を示すグラフ。
【
図7】接合対象である被覆電線とジョイント管について説明する説明図。
【
図8】接合対象である被覆電線と端子について説明する説明図。
【
図9】別の実施形態の電線接続装置における導体に対するホーンの圧縮力と相対位置の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は接合対象である複数の被覆電線1に関する説明図を示し、詳しくは、
図1(a)は接合対象である複数の被覆電線1を複数並列配置した状態の平面図を示し、
図1(b)は並列配置した複数の被覆電線1の導体3を束ねた状態の平面図を示し、
図1(c)は複数の被覆電線1の導体3を接合して構成した接合電線1aの平面図を示している。
【0030】
また、
図2は電線接続装置10の概略ブロック図を示し、
図3は電線接続方法のフローチャートを示している。
図4は電線接続装置10の主要部10aの概略説明図を示し、詳しくは、
図4(a)は電線接続装置10の主要部10aに対して複数の被覆電線1を配置する前の状態の概略斜視図を示し、
図4(b)は電線接続装置10の主要部10aに複数の被覆電線1を配置した状態の概略斜視図を示している。
【0031】
図5は電線接続装置10の主要部10aの接合動作の概略説明図を示し、詳しくは、
図5(a)は電線接続装置10の主要部10aに対して被覆電線1を配置した状態の断面図を示し、
図5(b)は電線接続装置10の主要部10aを構成するアンビル11に対してホーン12と規制部13が近接する方向に移動した状態の断面図を示し、
図5(c)はホーン12が第2圧縮力で複数の導体3をプレ圧縮する状態の断面図を示し、
図5(d)はホーン12が導体3に対する接合時下死点まで移動した状態の断面図を示している。
図6は電線接続装置10における導体3に対するホーン12の圧縮力と相対位置の関係を示すグラフである。
【0032】
以下で説明する本発明の電線接続方法は、導体3が絶縁被覆2で被覆された被覆電線1を長手方向Lに沿って複数配置するとともに、長手方向Lに沿って配置された複数の被覆電線1の導体3に所定の圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して複数の被覆電線1の導体3を接合した導体接合部3aによって接合された接合電線1aを構成するための方法であり、後述する電線接続装置10を用いて行う。
【0033】
接合する被覆電線1は、複数の素線を撚り合せた撚り線を撚り合わせた撚り線である導体3と、導体3の外側を被覆する絶縁被覆2とで構成された被覆電線である。
なお、複数の被覆電線1のうち少なくとも1本の導体3はアルミニウム合金製の素線による撚り線であり、他の被覆電線1の導体3は銅合金製の素線による撚り線で構成している。つまり、接合対象である複数の導体3は異種金属接合となる。
【0034】
このように構成した複数の被覆電線1の導体3を接合するためには、例えば、
図1(a)及び
図4に示すように、長手方向Lに沿う3本の被覆電線1を幅方向に並列配置するとともに、3本の被覆電線1同士の間の上方に被覆電線1を配置し、全部で5本の被覆電線1を配置している。なお、導体3は、被覆電線1の先端部における絶縁被覆2を剥いで被覆電線1の先端部分において露出している。
【0035】
図1(b)に示すように、上述のように配置した5本の被覆電線1の導体3同士を束ね、後述する電線接続装置10で、束ねた導体3に超音波振動を作用させ、超音波接合して導体接合部3aを構成し、導体接合部3aを介して複数の被覆電線1を電気的且つ物理的に接合した接合電線1aを構成する。
【0036】
複数の被覆電線1の導体3を接合して接合電線1aを構成する電線接続装置10は、
図4(a)に示すように、複数の導体3を配置するアンビル11と、アンビル11に配置した導体3に対して上方から近接して、導体3に超音波振動を作用させるホーン12と、ホーン12の底面に沿って幅方向Wに移動して、複数の導体3の幅方向Wを規制する規制部13とで構成する主要部10aを有している。
【0037】
また、電線接続装置10は、
図2に示すように、主要部10aを構成するホーン12を超音波振動させる超音波振動発生部21、ホーン12を上下方向に移動させるホーン駆動部22、規制部13を幅方向Wに移動させるジョー駆動部23と、超音波振動発生部21、ホーン駆動部22及びジョー駆動部23が接続され、超音波振動発生部21、ホーン駆動部22及びジョー駆動部23を制御する制御部24と、制御部24に接続された計時部25とが備えられている。
【0038】
このように構成された電線接続装置10は、制御部24に制御によって、ホーン12の超音波振動のON/OFFを制御したり、ホーン12の可変する所定圧力での上下移動や、ホーン12の下方移動における下死点(導体3に対する所定位置である圧縮時下死点や接合時下死点)での移動停止、つまり、下死点制御を行うことができる。
【0039】
つまり、制御部24は、アンビル11に束ねて配置した導体3に対してホーン12で第2圧縮力を作用させて圧縮したり、第1圧縮力で圧縮しながら超音波振動を付与し、ホーン12が所定の位置となると、当該位置に維持されたホーン12が束ねた導体3に対して所定の圧縮力を作用させながら超音波振動を付与するようにプログラミングされている。
【0040】
さらに制御部24は、計時部25が接続されており、計時部25によって計時された時間や時刻によって、超音波振動発生部21、ホーン駆動部22及びジョー駆動部23の駆動を時間制御することができる。
【0041】
続いて、
図3に示すフローチャートを参照して、電線接続装置10を用いた被覆電線1の電線接続方法を以下で説明する。なお、本実施形態では、アルミ合金製の導体3を有する被覆電線1と銅合金製の導体3を有する被覆電線1とを5本接合する場合について、
図4乃至
図6とともに説明する。
【0042】
なお、
図5において前工程のホーン12及び規制部13の位置を破線で示している。また、
図6は、後述する各ステップにおける導体3に対するホーン12の圧縮力と、電線接続装置10において下方移動するホーン12の高さとの関係を示すグラフであり、
図6のグラフにおいてホーン12が超音波振動している部分について太線で示している。
【0043】
図4及び
図5(a)に示すように、被覆電線1の先端の絶縁被覆2を剥いで導体3を所定長さ露出させるとともに、複数を並列配置した被覆電線1の導体3をアンビル11の上面に配置する(ステップs1:配置工程)。
【0044】
そして、
図5(b)に示すように、規制部13をホーン12の底面に沿って幅方向Wの内側に移動させるとともに、規制部13とともにホーン12をアンビル11に近づくように下方移動させる。
【0045】
さらに、
図5(c)に示すように、規制部13をホーン12の底面に沿って、規制部13の幅方向Wの内側の側面がアンビル11の側面に当接するまで幅方向Wの内側に移動させるとともに、制御部24によって制御して、ホーン駆動部22を稼働させて、後述する第1圧縮力より高い第2圧縮力で導体3を圧縮するまで、規制部13とともにホーン12を下方移動させる(ステップs2:プレ圧縮工程)。
【0046】
なお、このホーン12による導体3のプレ圧縮工程(ステップs2)において、ホーン12がアンビル11に配置された導体3に対して圧縮時下死点まで移動するまで継続する(ステップs3:No)。
【0047】
ホーン12の下方移動が圧縮時下死点に達すると(ステップs3:Yes)、制御部24はホーン駆動部22を制御して、ホーン12の圧縮力(第2圧縮力)を、後述する第1圧縮力より低い第3圧縮力まで低下させる(
図6参照)。なお、
図6に示すように、圧縮力(第2圧縮力)をから第3圧縮力まで低下させたホーン12は、圧縮力の低下に伴って圧縮時下死点から一旦上昇する。
【0048】
そして、アンビル11に配置した導体3への圧縮力を低下させたホーン12は、
図6に示すように、制御部24が超音波振動発生部21及びホーン駆動部22を制御して、ホーン12を超音波振動させる(ステップs4)とともに、第2圧縮力より低く、且つ第3圧縮力より高い第1圧縮力で導体3を圧縮しながら超音波接合する(ステップs5:第1接合工程)。
【0049】
このように、
図5(d)に示すように、第2圧縮力より低く、且つ第3圧縮力より高い第1圧縮力で導体3を圧縮しながら超音波接合する圧縮接合において、ホーン12がアンビル11に配置された導体3に対する所定位置である接合時下死点まで移動するまで継続する(ステップs6:No)。
【0050】
ホーン12の下方移動が接合時下死点に達すると(ステップs6:Yes)、制御部24はホーン駆動部22を制御してホーン12の下方移動を停止するとともに、計時部25の計時を開始する。そして、所定時間が経過するまで(ステップs7:No)、超音波振動発生部21及びホーン駆動部22を制御して、接合時下死点において超音波振動するホーン12が導体3に作用する圧縮力を第1圧縮力より低下させながら導体3を超音波接合する(第2接合工程)。
【0051】
接合時下死点において、ホーン12圧縮力を低下させながら超音波振動する状態が所定時間経過すると(ステップs7:Yes)、導体3同士が超音波接合されて導体接合部3a(
図1(c)参照)を構成することができる。このように、導体3同士が超音波接合された導体接合部3aを介して複数の被覆電線1を接合した接合電線1aを構成することができる。
【0052】
上述のように、導体3が絶縁被覆2で被覆された複数の被覆電線1の導体3を電線接続装置10で接続する電線接続方法は、複数の導体3を電線接続装置10のアンビル11に配置する配置工程と、電線接続装置10の超音波振動を付与するホーン12が、アンビル11に配置された複数の導体3に対して接合時下死点となるまで、略一定の第1圧縮力を複数の導体3に作用させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合する第1接合工程と、ホーン12が接合時下死点に達した後、接合時下死点を維持し、複数の導体3に作用する圧縮力を第1圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合する第2接合工程とを行う。
【0053】
また、長手方向Lに沿って配置された複数の被覆電線1に所定の圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して超音波接合を行って複数の被覆電線1を接合する電線接続装置10は、接合対象である複数の被覆電線1の導体3を束ねて配置するアンビル11と、束ねた導体3に可変する圧縮力を作用させながら超音波振動を付与するホーン12と、ホーン12に超音波振動を発生させる超音波振動発生部21と、アンビル11に束ねて配置した導体3に対してホーン12を駆動させるホーン駆動部22と、ホーン駆動部22を制御する制御部24とが備えられ、制御部24は、アンビル11に束ねて配置した導体3に対して第1圧縮力を作用させながら超音波振動を付与し、複数の被覆電線1に対してホーン12が所定の接合時下死点となると、接合時下死点に維持したホーン12により、複数の導体3に作用する圧縮力を第1圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合するようにプログラミングされている。
【0054】
したがって、上述の電線接続方法や電線接続装置10は、ホーン12やアンビル11に固着することなく、複数の導体3を確実に超音波接合することができる。 詳述すると、複数の被覆電線1の導体3を接合する第1接合工程において、アンビル11に束ねて配置した複数の導体3に対する接合時下死点に位置制御されたホーン12で第1圧縮力を作用させながら超音波振動させて束ねた複数の導体3を超音波接合し、第2接合工程において、ホーン12が接合時下死点に達した後、接合時下死点を維持し、複数の導体3に作用する圧縮力を第1圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合するため、超音波接合する複数の導体3の変形を制御でき、位置制御することなく、一定の圧縮力で圧縮しながら超音波振動を作用させて超音波接合する場合のようにホーン12やアンビル11に固着することなく、複数の導体3を確実に超音波接合することができる。
【0055】
また、複数の導体3に対する接合時下死点に位置制御してホーン12が超音波振動して複数の導体3を超音波接合するため、複数の導体3の材料ばらつき等の影響が低減し、接合条件のロバスト性を向上することができる。
【0056】
さらに、溶融温度が異なる金属で構成された複数の導体3を接合するが、超音波接合する複数の導体3の圧縮変形及び溶融を制御でき、ホーン12やアンビル11に固着することを防止できる。
【0057】
具体的には、溶融温度が異なる金属で構成された複数の導体3を超音波接合する際には、溶融温度が低いアルミニウム合金製の導体3が、溶融温度が高い銅合金製の導体3に比べて溶融しやすいため、接合する際に溶融温度が低いアルミニウム合金製の導体3は圧縮されやすくなるものの、第1接合工程において、接合時下死点に位置制御されたホーン12が第1圧縮力を作用させながら超音波接合するとともに、第2接合工程において、接合時下死点に維持されたホーン12が、圧縮力を低下させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合するため、超音波接合する複数の導体3の圧縮変形及び溶融を制御でき、ホーン12やアンビル11に固着することを防止できるとともに、ロバスト性をさらに向上することができる。
【0058】
また、複数の被覆電線1の束ねた導体3を、第1圧縮力より大きな所定の第2圧縮力で、ホーン12が圧縮時下死点となるように位置制御しながら圧縮するプレ圧縮工程を、第1接合工程の前に行うため、束ねた導体3を圧縮した上で、超音波接合でき、より確実に接合することができる。
【0059】
詳述すると、第1接合工程前に、圧縮時下死点となるように位置制御されたホーン12で、第1圧縮力より大きな所定の第2圧縮力で束ねた導体3を圧縮するため、第1接合工程では圧縮された導体3に対して、圧縮時下死点となるように位置制御されたホーン12で超音波振動を作用させることができる。
【0060】
そのため、束ねただけの導体3に第1圧縮力を作用させて超音波接合する場合に比べ、接合対象である圧縮された導体3における例えば上下部分など断面における温度差を抑制し、確実に超音波接合することができる。
【0061】
また、第1接合工程前に、圧縮時下死点となるように位置制御されたホーン12で、第1圧縮力より大きな所定の第2圧縮力で圧縮された導体3は、導体3を構成する素線同士が密着しているため、素線間の摩擦ロスが軽減するため、束ねただけの導体3に第1圧縮力を作用させて超音波接合する場合に比べ、より効率的に、つまり低エネルギーで超音波接合することができる。
【0062】
また、プレ圧縮工程終了後、第1接合工程の前に、ホーン12の圧縮力を、第1圧縮力より小さい所定の第3圧縮力まで一旦低下させるため、圧縮工程で圧縮した導体3をより確実に接合することができる。
【0063】
詳述すると、第1圧縮力より大きな所定の第2圧縮力で束ねた導体3を圧縮するプレ圧縮工程終了後の第1接合工程の前に、導体3に作用させるホーン12の圧縮力を、一旦、第1圧縮力より小さい所定の第3圧縮力まで低下させてから、超音波振動を作用させながら第1圧縮力まで増大させることで、圧縮した導体3に作用する負荷を低減しながら、より確実に接合することができる。
【0064】
また、プレ圧縮工程終了時において圧縮時下死点まで下方移動させたホーン12の圧縮力を低下させるだけで、ホーン12による導体3の規制を開放することがないため、圧縮工程で圧縮された導体3がばらけて、超音波接合できないというような不具合の発生も防止することができる。
【0065】
また、ホーン駆動部22は、位置制御可能な駆動方式であるため、アンビル11に束ねて配置した複数の被覆電線1の導体3に対する所定の相対位置(圧縮時下死点及び接合時下死点)に対して正確にホーン12を位置制御することができる。そのため、超音波接合する導体3の変形を制御でき、ホーン12やアンビル11に溶融した導体3が固着することを防止できる。
【0066】
なお、上述の説明では、複数の被覆電線1の導体3を束ねて接合したが、
図7に示すように、被覆電線1の導体3をジョイント管4の内部に挿入し、導体3とジョイント管4とを接合対象として接合してもよい。
【0067】
図7は接合対象である被覆電線1とジョイント管4について説明する説明図であり、詳しくは、
図7(a)は並列配置した複数の被覆電線1の導体3をジョイント管4に対して配置した状態の概略斜視図を示し、
図7(b)は並列配置した複数の被覆電線1の導体3を束ねてジョイント管4の内部に挿入した状態の概略斜視図を示し、
図7(c)は電線接続装置10の主要部10aに対して複数の被覆電線1を配置する前の状態の概略斜視図を示し、
図7(d)は電線接続装置10の主要部10aに複数の被覆電線1を配置した状態の概略斜視図を示している。
【0068】
このように、導体3と接合するジョイント管4は、複数の被覆電線1の導体3を束ねて挿入できる空間を内部に有する、導電性金属で構成した金属管である。
上述のようなジョイント管4と導体3とを接続するためには、
図7(b)に示すように、並列配置した複数の被覆電線1の導体3を束ねてジョイント管4の内部に挿入するとともに、ジョイント管4の内部に導体3を束ねて挿入した複数の被覆電線1を電線接続装置10に対して配置する。
【0069】
具体的には、
図7(d)に示すように、内部に複数の導体3が束ねて挿入されたジョイント管4を、電線接続装置10におけるアンビル11に導体3とともに配置する(配置工程)。そして、このようにアンビル11に配置され、導体3とともに配置されたジョイント管4に対して、上記説明のように、ホーン12が圧縮時下死点まで移動して第2圧縮力で圧縮するプレ圧縮工程(ステップs2)、圧縮時下死点に到達した後の圧縮力の第3圧縮力までの低下、接合時下死点まで導体3を第1圧縮力で圧縮しながら超音波接合する第1接合工程(ステップs5)、並びに、圧縮時下死点に到達した後、圧縮力を第1圧縮力から低下させながら所定時間に亘って超音波接合する第2接合工程(ステップs7)を行って、複数の導体3とジョイント管4とを超音波接合する。
【0070】
このように、被覆電線1と、複数の被覆電線1の先端部における絶縁被覆2を剥いで露出された導体3を導電性のジョイント管4に挿入された状態でアンビル11に配置し、複数の導体3とジョイント管4に対して、電線接続装置10で上述のような工程を行うことで、ホーン12やアンビル11に固着することなく、導体3とジョイント管4とを確実に超音波接合することができる。
なお、1本の被覆電線1の導体3をジョイント管4の内部に挿入して導体3とジョイント管4とを超音波接合してもよい。
【0071】
さらには、接合対象として、
図8に示すように、被覆電線1の導体3と、接続端子5とを接合してもよい。
図8は接合対象である被覆電線1と接続端子5について説明する説明図であり、詳しくは、
図8(a)は被覆電線1の導体3を接続端子5に対して配置する前の状態の概略斜視図を示し、
図8(b)は被覆電線1の導体3を接続端子5の圧着部52に配置するとともに、電線接続装置10のアンビル11に配置した状態の概略斜視図を示している。
【0072】
このように、導体3と接合する接続端子5は、他の接続部材と接続する平面視円盤状の接続部51と、導体3を圧着接続する圧着部52とが直列配置され、導電性金属で構成されている。なお、接続部51は、他の接続部材と接続できれば、平面視円盤状に限らず平面視略U字型など、適宜の形状や構造であってもよい。
【0073】
圧着部52は、接続部51側に配置され、接合する被覆電線1の先端側で露出する導体3を圧着するワイヤバレル部53と、ワイヤバレル部53に対して接続部51と反対側に配置され、被覆電線1の絶縁被覆2を圧着するインシュレーションバレル部54とで構成されている。
【0074】
なお、ワイヤバレル部53とインシュレーションバレル部54とで構成する圧着部52は、いわゆるオープンバレルと呼ばれる圧着部であり、底面に対して幅方向両側から上方に延びるバレル片が備えられており、軸方向後ろ側から見て略U字状に形成されているが、いわゆるクローズバレルと呼ばれる圧着部であってもよい。
【0075】
上述のような接続端子5と導体3とを接続するためには、
図8(a)に示すように、被覆電線1の先端部分を、導体3がワイヤバレル部53に配置され、絶縁被覆2がインシュレーションバレル部54に配置されるように、接続端子5の圧着部52に対して配置する。
そして、
図8(b)に示すように、圧着部52に被覆電線1を配置した接続端子5を、電線接続装置10におけるアンビル11に被覆電線1とともに配置する(配置工程)。
【0076】
そして、このように、アンビル11に被覆電線1とともに配置された接続端子5に対して、上記説明のように、ホーン12が圧縮時下死点まで移動して第2圧縮力で圧縮するプレ圧縮工程(ステップs2)、圧縮時下死点に到達した後の圧縮力の第3圧縮力までの低下、接合時下死点まで導体3を圧縮しながら超音波接合する第1接合工程(ステップs5)、並びに、圧縮時下死点に到達した後、圧縮力を第1圧縮力から低下させながら所定時間に亘って超音波接合する第2接合工程(ステップs7)を行って、被覆電線1の導体3と接続端子5とを超音波接合する。
【0077】
上述のように、被覆電線1の先端部における絶縁被覆2を剥いで露出された導体3と接続端子5のワイヤバレル部53とをアンビル11に配置し、導体3と接合される接続端子5に対して、電線接続装置10で上述のような工程を行うことで、被覆電線1の導体3と接続端子5のワイヤバレル部53とを、ホーン12やアンビル11に固着することなく、確実に超音波接合することができる。
【0078】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の接続装置は、上述の実施形態の導体は導体3に対応し、以下同様に、
絶縁被覆は絶縁被覆2に対応し、
被覆電線は被覆電線1に対応し、
圧縮振動部はホーン12に対応し、
配置部はアンビル11に対応し、
所定の相対位置あるいは接合相対位置は接合時下死点に対応し、
圧縮相対位置は圧縮時下死点に対応し、
電線接続装置は電線接続装置10に対応し、
振動発生部は超音波振動発生部21に対応し、
圧縮工程はプレ圧縮工程(ステップs2)に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0079】
例えば、ホーン駆動部22は、ホーン12を所定位置まで移動させることができる位置制御可能な駆動方式で構成し、プレ圧縮工程でホーン12を下死点制御して導体3を圧縮したが、ストッパ等の別部材で位置規制できるエアシリンダなどで構成してもよく、さらには、ホーン12を移動させるホーン駆動部22と、ホーン12を超音波振動させる超音波振動発生部21とを一体構成してもよい。
さらにまた、上述の説明では、プレ圧縮工程を行ってから接合工程を行ったが、プレ圧縮工程を行わず、接合工程のみを行ってもよい。
【0080】
上述の説明では、5本の被覆電線1を接合して接合電線1aを構成したが、被覆電線1の本数は限定されず適宜の本数の被覆電線1の導体3を接合して接合電線1aを構成してもよい。
また、1本の被覆電線1における導体3を構成する素線同士を電線接続装置10で接合してもよい。
【0081】
さらには、上述の説明では、アルミ合金製の導体3と銅合金製の導体3とを接合したが、アルミ製の導体3や銅製の導体3など導電性を有する別の金属種の導体3を用いてもよい。さらには、三種類以上の金属製の導体3を接合するように構成してもよいし、同じ金属種の導体3同士を超音波接合してもよい。
【0082】
また、
図9に示すように、上述の説明とは異なるパターンの圧縮力を被接合体に対して作用させて被接合体を接合してもよい。
具体的には、上述の説明では、第2圧縮力で圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮した後、一旦第3圧縮力まで低下させてから、超音波振動を作用させながら第1圧縮力で接合時下死点まで超音波接合する第1接合工程を行ったが、
図9(a)に示すように、第2圧縮力で圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮した後、第3圧縮力まで低下させることなく、超音波振動を作用させながら第1圧縮力で接合時下死点まで超音波接合する第1接合工程を行ってもよい。
【0083】
さらには、上述の説明では、圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮する第2圧縮力を、超音波振動を作用させながら接合時下死点まで超音波接合する第1圧縮力より大きな圧縮力としたが、
図9(b)に示すように、圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮する圧縮力と、超音波振動を作用させながら接合時下死点まで超音波接合する圧縮力とを同じ圧縮力としてもよい。
【0084】
なお、圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮する圧縮力と、超音波振動を作用させながら接合時下死点まで超音波接合する圧縮力とを同じ圧縮力としたとしても、
プレ圧縮した後、一旦圧縮力を低下させてから、第1接合工程を行ってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…被覆電線
2…絶縁被覆
3…導体
10…電線接続装置
11…アンビル
12…ホーン
21…超音波振動発生部
22…ホーン駆動部
24…制御部