(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】投影制御装置、投影装置、投影制御方法、及び投影制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04812 20220101AFI20221118BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20221118BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20221118BHJP
G09G 5/08 20060101ALI20221118BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20221118BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
G06F3/04812
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/02 E
G09G5/08 K
G09G5/08 M
G09G5/36 520M
G03B21/00 D
(21)【出願番号】P 2021508188
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(86)【国際出願番号】 JP2020004414
(87)【国際公開番号】W WO2020195201
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】P 2019057126
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 和紀
(72)【発明者】
【氏名】石塚 晶啓
(72)【発明者】
【氏名】増田 智紀
(72)【発明者】
【氏名】石田 一樹
【審査官】塩屋 雅弘
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04812
G09G 5/00
G09G 5/02
G09G 5/08
G09G 5/377
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御装置であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出部と、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御部と、を備え、
前記特定画像重畳制御部は、前記画像のうちの前記光線位置検出部により検出された第一位置に対応する第一領域に、前記第一位置を覆う状態にて前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出部により検出された前記照射位置が、前記画像のうちの前記特定画像と重なる特定範囲から前記特定範囲の外に移動した場合には、前記画像のうちの当該特定範囲の外に移動した前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記光線位置検出部により検出された前記照射位置が前記特定範囲内にて移動している場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させる投影制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の投影制御装置であって、
前記特定範囲を制御する範囲制御部を備える投影制御装置。
【請求項3】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御装置であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出部と、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御部と、を備え、
前記特定画像重畳制御部は、前記画像のうちの前記光線位置検出部により検出された第一位置に対応する第一領域に前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出部により検出された前記照射位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上連続する場合には、前記画像のうちの最後に検出された前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記移動状態が前記第一閾値回以上連続する場合以外の場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させる投影制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の投影制御装置であって、
前記光線位置検出部は、撮像装置から出力された前記投影面の撮像画像から前記光線に相当するパターンを検出して当該パターンの位置を前記光線の照射位置として検出する投影制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載の投影制御装置であって、
前記光線位置検出部により検出される前記照射位置の変化量が第二閾値以下となる状態が継続された場合に、前記画像における前記照射位置に対応する部分を目立たなくするための補正処理を前記画像に対して行う画像処理部を備える投影制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載の投影制御装置であって、
前記特定画像は、前記第一位置を覆う状態にて前記画像に重畳され、
前記特定画像重畳制御部は、前記特定画像の色を前記光線の色と同じ第一の色に制御する投影制御装置。
【請求項7】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御装置であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出部と、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させ、前記特定画像の色を前記光線の色と同じ第一の色に制御する特定画像重畳制御部と、を備え、
前記特定画像重畳制御部は、前記画像のうちの前記光線位置検出部により検出された第一位置に対応する第一領域に、前記第一位置を覆う状態にて前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出部により検出された前記照射位置が前記第一位置を含む特定範囲から前記特定範囲の外に移動した場合には、前記画像のうちの当該特定範囲の外に移動した前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記光線位置検出部により検出された前記照射位置が前記特定範囲内にて移動している場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させ、
前記光線位置検出部は、撮像装置から出力された前記投影面の撮像画像から前記光線に相当するパターンを検出して当該パターンの位置を前記光線の照射位置として検出し、
前記特定画像重畳制御部は、前記特定画像の色を前記第一の色に制御する処理と、前記特定画像の色を前記第一の色とは異なる第二の色に制御する処理とを切り替えて行い、
前記光線位置検出部は、前記特定画像の色が前記第二の色に制御された状態にて前記撮像装置により前記投影面を撮像して得られる前記撮像画像から前記パターンの検出を行う投影制御装置。
【請求項8】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御装置であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出部と、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させ、前記特定画像の色を前記光線の色と同じ第一の色に制御する特定画像重畳制御部と、を備え、
前記特定画像重畳制御部は、前記画像のうちの前記光線位置検出部により検出された第一位置に対応する第一領域に、前記第一位置を覆う状態にて前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出部により検出された前記照射位置が前記第一位置を含む特定範囲から前記特定範囲の外に移動した場合には、前記画像のうちの当該特定範囲の外に移動した前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記光線位置検出部により検出された前記照射位置が前記特定範囲内にて移動している場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させ、
前記光線位置検出部は、撮像装置から出力された前記投影面の撮像画像から前記光線に相当するパターンを検出して当該パターンの位置を前記光線の照射位置として検出し、
前記投影部から前記画像を投影させる投影状態と、前記投影部から前記画像を非投影とさせる非投影状態とを切り替える制御を行う投影状態制御部を備え、
前記光線位置検出部は、前記非投影状態に制御された状態にて前記撮像装置により前記投影面を撮像して得られる前記撮像画像から前記パターンの検出を行う投影制御装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の投影制御装置と、
前記投影部と、を備える投影装置。
【請求項10】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記画像のうちの前記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に、前記第一位置を覆う状態にて前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が、前記画像のうちの前記特定画像と重なる特定範囲から前記特定範囲の外に移動した場合には、前記画像のうちの当該特定範囲の外に移動した前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が前記特定範囲内にて移動している場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させる投影制御方法。
【請求項11】
請求項10記載の投影制御方法であって、
前記特定範囲を制御する範囲制御ステップを備える投影制御方法。
【請求項12】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記画像のうちの前記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上連続する場合には、前記画像のうちの最後に検出された前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記移動状態が前記第一閾値回以上連続する場合以外の場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させる投影制御方法。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか1項記載の投影制御方法であって、
前記光線位置検出ステップは、撮像装置から出力された前記投影面の撮像画像から前記光線に相当するパターンを検出して当該パターンの位置を前記光線の照射位置として検出する投影制御方法。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか1項記載の投影制御方法であって、
前記光線位置検出ステップにより検出される前記照射位置の変化量が第二閾値以下となる状態が継続された場合に、前記画像における前記照射位置に対応する部分を目立たなくするための補正処理を前記画像に対して行う画像処理ステップを備える投影制御方法。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか1項記載の投影制御方法であって、
前記特定画像は、前記第一位置を覆う状態にて前記画像に重畳され、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記特定画像の色を前記光線の色と同じ第一の色に制御する投影制御方法。
【請求項16】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させ、前記特定画像の色を前記光線の色と同じ第一の色に制御する特定画像重畳制御ステップと、を備え、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記画像のうちの前記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に、前記第一位置を覆う状態にて前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が前記第一位置を含む特定範囲から前記特定範囲の外に移動した場合には、前記画像のうちの当該特定範囲の外に移動した前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が前記特定範囲内にて移動している場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させ、
前記光線位置検出ステップは、撮像装置から出力された前記投影面の撮像画像から前記光線に相当するパターンを検出して当該パターンの位置を前記光線の照射位置として検出し、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記特定画像の色を前記第一の色に制御する処理と、前記特定画像の色を前記第一の色とは異なる第二の色に制御する処理とを切り替えて行い、
前記光線位置検出ステップは、前記特定画像の色が前記第二の色に制御された状態にて前記撮像装置により前記投影面を撮像して得られる前記撮像画像から前記パターンの検出を行う投影制御方法。
【請求項17】
投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、
前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、
前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させ、前記特定画像の色を前記光線の色と同じ第一の色に制御する特定画像重畳制御ステップと、を備え、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記画像のうちの前記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に、前記第一位置を覆う状態にて前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が前記第一位置を含む特定範囲から前記特定範囲の外に移動した場合には、前記画像のうちの当該特定範囲の外に移動した前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が前記特定範囲内にて移動している場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させ、
前記光線位置検出ステップは、撮像装置から出力された前記投影面の撮像画像から前記光線に相当するパターンを検出して当該パターンの位置を前記光線の照射位置として検出し、
前記投影部から前記画像を投影させる投影状態と、前記投影部から前記画像を非投影とさせる非投影状態とを切り替える制御を行う投影状態制御ステップを備え、
前記光線位置検出ステップは、前記非投影状態に制御された状態にて前記撮像装置により前記投影面を撮像して得られる前記撮像画像から前記パターンの検出を行う投影制御方法。
【請求項18】
投影制御方法をコンピュータに実行させるための投影制御プログラムであって、
前記投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記画像のうちの前記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に、前記第一位置を覆う状態にて前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が、前記画像のうちの前記特定画像と重なる特定範囲から前記特定範囲の外に移動した場合には、前記画像のうちの当該特定範囲の外に移動した前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が前記特定範囲内にて移動している場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させるものである、投影制御プログラム。
【請求項19】
投影制御方法をコンピュータに実行させるための投影制御プログラムであって、
前記投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、前記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、前記画像のうちの前記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
前記特定画像重畳制御ステップは、前記画像のうちの前記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に前記特定画像を重畳させている状態において、前記光線位置検出ステップにより検出された前記照射位置が一方向に第一閾値以上移動する移動状態が第二閾値回以上連続する場合には、前記画像のうちの最後に検出された前記照射位置に対応する領域に前記特定画像を移動させ、前記移動状態が前記第二閾値回以上連続する場合以外の場合には、前記第一領域への前記特定画像の重畳を継続させるものである、投影制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影制御装置、投影装置、投影制御方法、及び投影制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタの使用時においては、表示中の画像上における任意の位置を指し示すために、例えばレーザポインタが用いられる。特許文献1-3には、投影面に照射されたレーザの位置を検出し、この位置を目立たせるためのアイコン等の画像を投影画像に重畳する投影装置が記載されている。特許文献3では、レーザの照射位置が静止状態から移動に転じた場合に、この照射位置に応じて表示させていたアイコンを、一定時間、同じ位置に表示させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2017-220880号公報
【文献】日本国特開2006-277085号公報
【文献】日本国特開2002-244813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザポインタは、特定の位置にレーザを照射したい場合であっても、レーザポインタを持つ人の手の振動によって、レーザの照射位置が細かく変化することが多い。このようにレーザの照射位置が細かく変化すると、この照射位置に応じて表示させているアイコン等の画像の位置も細かく動くことになり、どの位置を指示しているのかが分かり辛くなったり、投影像の観察者に不快感を与えたりしてしまう。特許文献1、2では、このような課題について認識されていない。
【0005】
特許文献3には、照射位置に応じて表示させているアイコンの位置を一定期間固定するモードが記載されている。しかし、このモードは、レーザポインタの使用をやめた状態でもアイコンの表示を継続させることで、ユーザの自由度を高めることを目的としており、上述したユーザの手の振動に起因する課題を解決できるものではない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、投影像の視認性を向上させることのできる投影制御装置、投影装置、投影制御方法、及び投影制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の投影制御装置は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御装置であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出部と、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御部と、を備え、上記特定画像重畳制御部は、上記画像のうちの上記光線位置検出部により検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出部により検出された上記照射位置が上記第一位置を含む特定範囲から上記特定範囲の外に移動した場合には、上記画像のうちのその特定範囲の外に移動した上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記光線位置検出部により検出された上記照射位置が上記特定範囲内にて移動している場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである。
【0008】
本発明の投影制御装置は投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御装置であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出部と、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御部と、を備え、上記特定画像重畳制御部は、上記画像のうちの上記光線位置検出部により検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出部により検出された上記照射位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上連続する場合には、上記画像のうちの最後に検出された上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記移動状態が上記第一閾値回以上連続する場合以外の場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである。
【0009】
本発明の投影装置は、本発明の投影制御装置と、上記投影部と、を備えるものである。
【0010】
本発明の投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記第一位置を含む特定範囲から上記特定範囲の外に移動した場合には、上記画像のうちのその特定範囲の外に移動した上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記特定範囲内にて移動している場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである。
【0011】
本発明の投影制御プログラムは、投影制御方法をコンピュータに実行させるための投影制御プログラムであって、上記投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記第一位置を含む特定範囲から上記特定範囲の外に移動した場合には、上記画像のうちのその特定範囲の外に移動した上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記特定範囲内にて移動している場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである。
【0012】
本発明の投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上連続する場合には、上記画像のうちの最後に検出された上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記移動状態が上記第一閾値回以上連続する場合以外の場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである。
【0013】
本発明の投影制御プログラムは、投影制御方法をコンピュータに実行させるための投影制御プログラムであって、上記投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が一方向に第一閾値以上移動する移動状態が第二閾値回以上連続する場合には、上記画像のうちの最後に検出された上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記移動状態が上記第二閾値回以上連続する場合以外の場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、投影像の視認性を向上させることのできる投影制御装置、投影装置、投影制御方法、及び投影制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態の投影装置を含む画像投影システムの構成図である。
【
図3】
図2に示す投影装置の制御部の機能ブロック図である。
【
図4】照射位置と指示アイコン画像との関係を説明するための模式図である。
【
図5】
図4に示した状態ST1と状態ST2において設定される手振れ許容範囲の例を示す模式図である。
【
図6】
図5の状態ST1に示すように手振れ許容範囲が設定された状態にて、照射位置がこの手振れ許容範囲内を移動した場合の画像の表示例を示す模式図である。
【
図7】
図5の状態ST1に示すように手振れ許容範囲が設定された状態にて、照射位置が手振れ許容範囲の外に移動した場合の画像の表示例を示す模式図である。
【
図8】
図2に示す投影装置の制御部の変形例の機能ブロック図である。
【
図9】
図3に示す制御部による指示アイコン画像の表示制御動作の変形例についての説明図である。
【
図10】
図3に示す制御部による指示アイコン画像の表示制御動作の変形例についての説明図である。
【
図11】
図2に示す投影装置の制御部の別の変形例の機能ブロック図である。
【
図12】
図2に示す投影装置の制御部の更に別の変形例の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の投影装置を含む画像投影システムの構成図である。画像投影システム1は、投影装置100と、レーザポインタ200と、撮像装置300と、スクリーン400と、を備えている。
【0018】
投影装置100は、パーソナルコンピュータなど外部装置からの入力情報に基づいて、スクリーン400の投影面401に画像Gを投影する。
【0019】
レーザポインタ200は、投影面401に光線LBを照射するものである。光線LBの投影面401における照射位置Pにより、投影面401に投影されている画像Gの任意の箇所を指し示すことができる。レーザポインタ200として手持式のものが多く用いられる。
【0020】
撮像装置300は、撮像光学系を通して被写体を撮像するCCD(Charged Coupled Device)型イメージセンサ又はMOS(Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の撮像素子を備え、投影面401に投影されている画像Gを少なくとも撮像する。撮像装置300により得られた画像Gの撮像画像PGは投影装置100に入力される。
【0021】
図2は、
図1に示す投影装置100の構成図である。投影装置100は、投影部110と、制御部120と、を備える。
【0022】
投影部110は、表示部111と投影光学系114とを有する。
【0023】
表示部111は、入力される画像データに基づいて投影用の画像を表示するものである。表示部111は、光源ユニット112と、光変調素子113と、を備える。
【0024】
光源ユニット112は、白色光を出射する光源112aと、カラーホイール112bと、照明光学系112cと、を備える。光源112aは、レーザ又はLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を含んで構成される。カラーホイール112bは、光源112aと照明光学系112cの間に配置されている。カラーホイール112bは、円板状の部材であり、その周方向に沿って、赤色光を透過するフィルタ、緑色光を透過するフィルタ、及び青色光を透過するフィルタが設けられている。カラーホイール112bは軸周りに回転され、光源112aから出射される白色光を時分割にて赤色光、緑色光、及び青色光に分光して照明光学系112cに導く。照明光学系112cから出射された光は光変調素子113に入射される。
【0025】
光変調素子113は、照明光学系112cから出射された光を画像データに基づいて空間変調し、空間変調した光を投影光学系114に出射する。
図2の例では光変調素子113として、DMD(Digital Micromirror Device)が用いられる。表示部111は、光変調素子として、LCOS(Liquid crystal on silicon)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、液晶表示素子、等が用いるものであってもよい。
【0026】
また、表示部111は、自発光型の有機EL(electro-luminescence)表示素子を用いて画像を表示し、表示した画像を投影光学系114に入射させるものであってもよい。また、レーザ光を走査することで画像の表示を行うものを用いてもよい。
【0027】
投影光学系114は、表示部111からの光が入射されるものであり、少なくとも1つのレンズを含む例えばリレー光学系によって構成されている。投影光学系114を通過した光は投影面401に投影される。
【0028】
制御部120は、外部装置からの入力情報に基づいて、投影部110を制御することにより、投影面401に画像Gを投影させる。また、制御部120は、撮像装置300により得られた撮像画像PGに基づいて、投影面401に表示される指示アイコン画像TGの表示を制御する。
【0029】
制御部120は、投影装置100全体を統括制御するものであり、ハードウェア的な構造は、プログラムを実行して処理を行う各種のプロセッサである。各種のプロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。制御部120は、各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ又はCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。
【0030】
図3は、
図2に示す投影装置100の制御部120の機能ブロック図である。制御部120は、投影制御プログラムを実行することで、光線位置検出部120A及び特定画像重畳制御部120Bとして機能する。
【0031】
光線位置検出部120Aは、撮像装置300から入力された撮像画像PGに基づいて、投影面401の画像Gに照射された光線LBの照射位置Pを検出する機能ブロックである。具体的には、光線位置検出部120Aは、撮像画像PGから、レーザポインタ200から照射される光線LBと同色であり且つ特定形状(例えば円状)の領域を、光線LBに相当するパターンとして検出し、この検出したパターンの撮像画像PG上の座標位置を、光線LBの画像Gにおける照射位置Pとして検出する。なお、画像Gの各画素の座標と、撮像画像PGの各画素の座標とは一対一で対応しているものとして説明する。
【0032】
特定画像重畳制御部120Bは、投影面401に投影された画像Gのうちの、光線位置検出部120Aにより検出された照射位置Pに対応する領域(後述する領域R)に特定画像として矢印形状の指示アイコン画像TGを重畳させる機能ブロックである。
【0033】
図4は、照射位置Pと指示アイコン画像TGとの関係を説明するための模式図である。
図4に示す状態ST1は、指示アイコン画像TGの表示状態の第一の例を示している。
図4に示す状態ST2は、指示アイコン画像TGの表示状態の第二の例を示している。
【0034】
特定画像重畳制御部120Bは、画像Gの投影が開始されてから最初に光線位置検出部120Aによって照射位置Pが検出されると、画像Gにおけるこの照射位置Pに対して領域Rに、指示アイコン画像TGを重畳させる。領域Rは、
図4の状態ST1においては、照射位置Pを中心とする円で囲まれる領域である。また、領域Rは、
図4の状態ST2においては、照射位置Pに隣接する円で囲まれる領域である。
【0035】
特定画像重畳制御部120Bは、この領域R内の既定位置に指示アイコン画像TGを重畳させる。
図4の状態ST1においては、照射位置Pを中心とする円で区画された領域R内に、外縁形状が矢印形状となっている指示アイコン画像TGが重畳されている。また、状態ST1においては、指示アイコン画像TGにおける矢印の指し示す方向とこれに直交する方向の各々の中間位置と照射位置Pとが一致する状態(換言すると指示アイコン画像TGが照射位置Pを覆う状態)にて、領域R内に指示アイコン画像TGが重畳されている。また、
図4の状態ST2においては、照射位置Pに隣接する円で区画された領域R内の既定位置に指示アイコン画像TGが重畳されている。
【0036】
指示アイコン画像TGは、外縁形状が矢印形状となっているものとしているが、この形状は任意であり、どのような外縁形状の画像であってもよい。例えば、指示アイコン画像TGは、三角形の外縁形状の画像や、円形の外縁形状の画像等であってもよい。
【0037】
特定画像重畳制御部120Bは、このようにして指示アイコン画像TGを画像Gに重畳させている状態においては、画像Gにおける照射位置Pを含む特定範囲を手振れ許容範囲として設定する。
【0038】
図5には、
図4に示した状態ST1と状態ST2において設定される手振れ許容範囲TRの例が示されている。特定画像重畳制御部120Bは、状態ST1においては、
図5に示すように、画像Gにおける指示アイコン画像TGと重なる範囲を手振れ許容範囲TRとして設定する。また、特定画像重畳制御部120Bは、状態ST2においては、
図5に示すように、画像Gにおける照射位置Pを中心とする円で囲まれる範囲を手振れ許容範囲TRとして設定する。
【0039】
特定画像重畳制御部120Bは、
図5に例示された手振れ許容範囲TRを設定すると、手振れ許容範囲TRを設定した状態にて光線位置検出部120Aにより検出される照射位置Pと、設定中の手振れ許容範囲TRとに基づいて、画像Gに対する指示アイコン画像TGの重畳位置の制御を行う。
【0040】
具体的には、特定画像重畳制御部120Bは、光線位置検出部120Aにより検出される照射位置Pが設定中の手振れ許容範囲TR内にある場合には、検出された最新の照射位置Pに対応させた領域Rの設定の更新は行わずに、領域Rの設定を維持する。これにより、設定中の領域Rの既定位置に指示アイコン画像TGが重畳され続けるため、指示アイコン画像TGの移動は行われない。
【0041】
図6には、
図5の状態ST1に示すように手振れ許容範囲TRが設定された状態にて、照射位置Pがこの手振れ許容範囲TR内を移動した場合の画像Gの表示例が示されている。
図6に示す状態ST3は、
図5の状態ST1から、照射位置Pが手振れ許容範囲TR内を右斜め下方向に移動した状態を示している。特定画像重畳制御部120Bは、この状態ST3においては、
図6の状態ST4に示すように、最新の照射位置Pに関わらずに、領域Rの設定を維持し、指示アイコン画像TGの重畳位置を状態ST3のままに維持する。このように、特定画像重畳制御部120Bは、手振れ許容範囲TR内にて照射位置Pが移動している状態であれば、指示アイコン画像TGの重畳位置を変更しない。
【0042】
一方、特定画像重畳制御部120Bは、光線位置検出部120Aにより検出される照射位置Pが設定中の手振れ許容範囲TRの外に出た場合には、検出された最新の照射位置Pに対応させて領域Rの再設定を行い、この再設定された領域Rにしたがって指示アイコン画像TGの重畳位置を変更する。
【0043】
図7には、
図5の状態ST1に示すように手振れ許容範囲TRが設定された状態にて、照射位置Pが手振れ許容範囲TRの外に移動した場合の画像Gの表示例が示されている。
図7に示す状態ST5は、
図5の状態ST1から、照射位置Pが手振れ許容範囲TRの外に移動した状態を示している。特定画像重畳制御部120Bは、この状態ST5においては、
図7の状態ST6に示すように、最新の照射位置Pに対応させて領域Rを設定しなおし、領域Rの設定更新に応じて、状態ST5に対し、指示アイコン画像TGの重畳位置を右斜め上方向に移動させる。このように、特定画像重畳制御部120Bは、手振れ許容範囲TRの外に照射位置Pが移動した状態であれば、その照射位置Pに応じて、指示アイコン画像TGの重畳位置を変更する。
【0044】
以上のように、照射位置Pが手振れ許容範囲TRの外に移動した場合にのみ、指示アイコン画像TGを、移動後の照射位置Pに対応する領域Rに移動させることで、レーザポインタ200を操作するユーザの手の細かな振動に起因する指示アイコン画像TGの移動を抑制することができる。換言すれば、照射位置Pが手振れ許容範囲TRの外に移動しない限り、指示アイコン画像TGは静止した状態で表示され続けるので、レーザポインタ200を操作するユーザの意図通りの目標位置を、指示アイコン画像TGにより指し示すことが容易となる。よって、この実施形態によれば、画像G内の目標位置を、指示アイコン画像TGにより明確に指示することができるので、投影像の視認性が向上する。
【0045】
また、
図5の状態ST1に示すように、画像Gにおける指示アイコン画像TGと重なる範囲を手振れ許容範囲TRとすることで、ユーザに手振れ許容範囲TRを容易に認識させることが可能になる。この構成によれば、ユーザは、指示アイコン画像TGを動かしたくない場合には、光線LBの照射位置を指示アイコン画像TG内におさまるように操作すればよく、指示アイコン画像TGを動かしたい場合には、光線LBの照射位置を指示アイコン画像TGの外に出すように操作すればよい。したがって、指示アイコン画像TGの操作性を向上させることができる。
【0046】
(第一変形例)
図8は、
図2に示す投影装置100の制御部120の変形例の機能ブロック図である。以下の説明では、先に説明したものと同じ構成要素については、共通の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0047】
図8に示す制御部120は、投影制御プログラムを実行することで、光線位置検出部120A、特定画像重畳制御部120B、及び範囲制御部120Cとして機能する。
【0048】
範囲制御部120Cは、手振れ許容範囲TRを制御する機能ブロックである。範囲制御部120Cは、ユーザによる入力操作に基づいて又は自動で、手振れ許容範囲TRの大きさを変更する。この変形例の特定画像重畳制御部120Bは、範囲制御部120Cによって変更された手振れ許容範囲TRに基づいて、指示アイコン画像TGの重畳位置を制御する。
【0049】
例えば、ユーザと投影面401との距離が大きいほど、少しの手振れによって照射位置Pが大きく移動するため、照射位置Pを狭い範囲に維持することが難しくなる。そのため、範囲制御部120Cは、ユーザによって入力されたこの距離に応じて、手振れ許容範囲TRを設定する。具体的には、範囲制御部120Cは、入力された距離が閾値以上の場合には、この距離がこの閾値未満の場合と比較して、手振れ許容範囲TRを大きくする。これにより、指示アイコン画像TGの細かな移動を抑えることができるので、投影像の視認性を向上させることができる。
【0050】
また、ユーザの年齢、ユーザの筋力、ユーザの得手不得手等の要因で、ユーザ毎に手振れ量は変化すると考えられる。そのため、範囲制御部120Cは、ユーザによって入力された設定情報に応じて、手振れ許容範囲TRを設定する。具体的には、範囲制御部120Cは、手振れ許容範囲TRとして複数のサイズを用意しておき、ユーザから指定されたサイズの手振れ許容範囲TRを設定する。これにより、ユーザは、指示アイコン画像TGの位置を所望位置に容易に固定できるようになる。
【0051】
(第二変形例)
図9及び
図10は、
図3に示す制御部120による指示アイコン画像TGの表示制御動作の変形例についての説明図である。この変形例では、特定画像重畳制御部120Bは、照射位置Pが一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上であるか否かに基づいて、指示アイコン画像TGの重畳位置の制御を行う。
【0052】
具体的には、特定画像重畳制御部120Bは、領域Rを設定した後、光線位置検出部120Aにより照射位置Pが検出される毎に、その照射位置Pを終点とし、その照射位置Pの直前の検出タイミングにて検出された照射位置Pを始点とするベクトルの向きを求める。特定画像重畳制御部120Bは、このようにして求めたベクトルの向きが同じになる状態が第一閾値回続いた場合に、照射位置Pが一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上であると判定する。
【0053】
2つのベクトルの向きが同じになる状態とは、各ベクトルの始点を原点とする直交する2つの座標軸(画像Gの垂直方向と水平方向の各々に延びる軸)を設定した場合に、この2つの座標軸にて区画される4つの象限のうちの同一象限に各ベクトルの終点が存在する状態を言う。
【0054】
第一閾値回は複数回であればよく、以下では3回を例にして説明する。
図9及び
図10には、領域Rの設定後に照射位置Pが検出される毎に求められたベクトルA1、A2、A3、A4、A5が示されている。
【0055】
図9の状態ST7では、ベクトルA1の向きとベクトルA2の向きが同じとなり、ベクトルA2の向きとベクトルA3の向きが同じとなっており、照射位置Pが一方向に移動する移動状態が2回継続している。特定画像重畳制御部120Bは、時系列で求めた連続する2つのベクトルの向きが同じになった場合には、移動状態の継続回数のカウント値をカウントアップする。
図9の状態ST7では、連続するベクトルA1,A2の向きが同じになったと判定された時点でカウント値が“1”となり、連続するベクトルA2,A3の向きが同じになったと判定された時点で、カウント値が“2”となる。
【0056】
この状態ST7から、照射位置Pが例えば斜め右下方向に移動すると、状態ST8に示すようにベクトルA4が求められる。ベクトルA4の向きはベクトルA3の向きとは異なっている。特定画像重畳制御部120Bは、時系列で求めた連続する2つのベクトルの向きが異なる場合には、移動状態の継続回数のカウント値を初期値の“0”にリセットする。
図9の状態ST8では、連続するベクトルA3,A4の向きが異なると判定された時点で、カウント値が“0”となる。
【0057】
図9の状態ST7から、照射位置Pが例えば斜め左上方向に移動すると、
図10の状態ST9に示すようにベクトルA5が求められる。ベクトルA5の向きはベクトルA3の向きと同じになっている。したがって、特定画像重畳制御部120Bは、
図10の状態ST9において、カウント値を“3”に変更する。特定画像重畳制御部120Bは、カウント値が“3”になると、照射位置Pが一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上継続した状態と判定し、
図10の状態ST10に示すように、最新の照射位置P(ベクトルA5の終点)を中心とする領域Rを設定する。そして、この領域R内の既定位置に指示アイコン画像TGを重畳させる。これにより、状態ST9と状態ST10を比較して分かるように、最後に検出された照射位置Pに対応して、指示アイコン画像TGが移動する。
【0058】
特定画像重畳制御部120Bは、カウント値が“3”未満であれば、
図9に示したように、既に設定されている領域Rの設定を維持して、指示アイコン画像TGは移動させない。このため、レーザポインタ200を操作するユーザの手の振動に起因して照射位置Pが細かく移動している状態であっても、この動きに指示アイコン画像TGを追従させることなく、指示アイコン画像TGを静止して表示させることができる。
【0059】
このように、照射位置Pが一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上継続した場合にのみ、指示アイコン画像TGを移動させることにより、レーザポインタ200を操作するユーザの手の振動に起因する指示アイコン画像TGの細かな移動を抑えることができるので、投影像の視認性を向上させることができる。
【0060】
(第三変形例)
図11は、
図2に示す投影装置100の制御部120の別の変形例の機能ブロック図である。以下の説明では、先に説明したものと同じ構成要素については、共通の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0061】
図11に示す制御部120は、投影制御プログラムを実行することで、光線位置検出部120A、特定画像重畳制御部120B、及び画像処理部120Dとして機能する。
【0062】
画像処理部120Dは、光線位置検出部120Aにより検出される照射位置Pの変化量が第二閾値以下となる状態が継続された場合に、画像Gにおける照射位置Pに対応する部分を目立たなくするための補正処理を画像Gに対して行う。画像Gにおける照射位置Pに対応する部分とは、撮像画像PGから検出された光線LBに相当するパターンを少なくとも覆う領域である。
【0063】
光線位置検出部120Aは、前述したように、撮像画像PGから、レーザポインタ200から照射される光線LBと同色であり且つ特定形状(例えば円状)の領域を、光線LBに相当するパターンとして検出する。例えば、投影面401における画像Gが投影される領域において、光線LBと同じ色且つ光線LBが投影面401に投影されたときに形成される光の照射形状に類似する模様(付着物、汚れ、傷)等が存在していると、この模様が、光線LBに相当するパターンとして検出される。
【0064】
この模様は、スクリーン400の揺れ等によって僅かに動くことはあるものの、時間と共に大きく動くことはない。このため、画像処理部120Dは、光線位置検出部120Aにより検出される照射位置Pの変化量が第二閾値(好ましくは“0画素”やそれに近い値)以下となる状態が所定時間継続されているか否かを判定し、この状態が所定時間継続している場合には、光線位置検出部120Aによって検出されている照射位置Pは模様の位置と判定する。そして、画像処理部120Dは、画像Gのうちの少なくともこの模様と重なる領域に画像を投影した場合に、この模様を視認させにくくするための補正データを生成する。この補正データによって画像Gが補正されることで、この模様を消して画像Gを表示させることができ、投影画像の品質を高めることができる。
【0065】
また、
図11の変形例によれば、投影面401の模様によって指示アイコン画像TGが誤って表示されるのを防ぐことができ、ユーザの意図しない表示がなされるのを防ぐことができる。
【0066】
(第四変形例)
本変形例では、
図3に示す制御部120の機能の変形例を説明する。本変形例の特定画像重畳制御部120Bは、
図4の状態ST1に示すように、照射位置Pを覆う位置に指示アイコン画像TGを重畳させ、且つ、画像Gに指示アイコン画像TGを重畳させている際に、指示アイコン画像TGの色を第一の色に制御する処理と、指示アイコン画像TGの色を第一の色とは異なる第二の色に制御する処理とを切り替える。第一の色と第二の色との切り替えは、それを人が認識することのできない程度の速さで行われる。第一の色は、レーザポインタ200から照射される光線LBの色と同じ色である。第二の色は、光線LBの色の補色とすることが好ましい。
【0067】
本変形例の光線位置検出部120Aは、指示アイコン画像TGの色が第二の色に制御された状態にて、撮像装置300により投影面401を撮像して得られる撮像画像PGから光線LBに相当するパターンの検出を行う。
【0068】
このように、指示アイコン画像TGの色を本来の色である第一の色と、第一の色とは異なる第二の色とに高速に切り替えつつ、指示アイコン画像TGの色が第二の色の時に、投影面401の撮像画像PGから光線LBに相当するパターンの検出を行う。このようにすることにより、指示アイコン画像TGの色と光線LBの色とが同じ色であるにもかかわらず、照射位置Pを正確に検出することができる。指示アイコン画像TGの色と光線LBの色とが同じ構成によれば、画像Gの観察者に対して光線LBの照射位置を視認させないようにすることができ、投影画像の品質を向上させることができる。
【0069】
(第五変形例)
図12は、
図2に示す投影装置100の制御部120の更に別の変形例の機能ブロック図である。以下の説明では、先に説明したものと同じ構成要素については、共通の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0070】
図12に示す制御部120は、投影制御プログラムを実行することで、光線位置検出部120A、特定画像重畳制御部120B、及び投影状態制御部120Eとして機能する。
【0071】
本変形例の特定画像重畳制御部120Bは、
図4の状態ST1に示すように、照射位置Pを覆う位置に指示アイコン画像TGを重畳させ、且つ、画像Gに重畳させる指示アイコン画像TGの色をレーザポインタ200から照射される光線LBの色と同じ色に制御する。
【0072】
投影状態制御部120Eは、投影部110から画像Gを投影させる投影状態と、投影部110から画像Gを非投影とさせる非投影状態とを切り替える制御を行う。投影状態と非投影状態との切り替えは、それを人が認識することのできない程度の速さで行われる。
【0073】
本変形例の光線位置検出部120Aは、上記の非投影状態に制御された状態にて撮像装置300により投影面401を撮像して得られる撮像画像PGから光線LBに相当するパターンの検出を行う。
【0074】
このように、画像Gに重畳される指示アイコン画像TGの色が光線LBの色と同じであっても、画像Gを投影させる投影状態と、画像Gを非投影とさせる非投影状態とを切り替えつつ、非投影状態の時に、投影面401の撮像画像PGから光線LBに相当するパターンの検出を行うことにより、照射位置Pを正確に検出することができる。
【0075】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0076】
(1) 投影面(投影面401)に画像(画像G)を投影する投影部(投影部110)を制御する投影制御装置(制御部120)であって、
上記投影面に照射された光線(光線LB)の照射位置(照射位置P)を検出する光線位置検出部(光線位置検出部120A)と、
上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域(領域R)に特定画像(指示アイコン画像TG)を重畳させる特定画像重畳制御部(特定画像重畳制御部120B)と、を備え、
上記特定画像重畳制御部は、上記画像のうちの上記光線位置検出部により検出された第一位置(状態ST1の照射位置P)に対応する第一領域(状態ST1の領域R)に上記特定画像を重畳させている状態(状態ST1)において、上記光線位置検出部により検出された上記照射位置が上記第一位置を含む特定範囲(状態ST1の手振れ許容範囲TR)から上記特定範囲の外に移動した場合には、上記画像のうちのその特定範囲の外に移動した上記照射位置(状態ST5の照射位置P)に対応する領域(状態ST6の領域R)に上記特定画像を移動させ、上記光線位置検出部により検出された上記照射位置が上記特定範囲内にて移動している場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させる投影制御装置。
【0077】
(1)の投影制御装置によれば、光線による位置指示を行うユーザの手の振動に起因する特定画像の移動を抑制して、投影面に投影されている画像内の目標箇所を特定画像により明確に指示することができるので、投影像の視認性が向上する。
【0078】
(2) (1)記載の投影制御装置であって、
上記特定画像は、上記第一位置を覆う状態にて上記画像に重畳され、
上記特定範囲は、上記画像のうちの上記特定画像と重なる範囲(状態ST1の手振れ許容範囲TR)である投影制御装置。
【0079】
(2)の投影制御装置によれば、光線の照射位置が特定画像の外に移動しない限り、特定画像は静止した状態で表示され続けるので、ユーザの意図通りの目標位置を、特定画像により指し示すことが容易となる。
【0080】
(3) (1)記載の投影制御装置であって、
上記特定範囲を制御する範囲制御部(範囲制御部120C)を備える投影制御装置。
【0081】
(3)の投影制御装置によれば、特定画像を移動させるか否かの判断基準となる光線の位置の移動範囲を、ユーザの手の振動の大きさなどによって変更することにより、ユーザの手の振動に起因する特定画像の移動をより効果的に抑制できる。
【0082】
(4) 投影面(投影面401)に画像(画像G)を投影する投影部(投影部110)を制御する投影制御装置(制御部120)であって、
上記投影面に照射された光線(光線LB)の照射位置(照射位置P)を検出する光線位置検出部(光線位置検出部120A)と、
上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域(領域R)に特定画像(指示アイコン画像TG)を重畳させる特定画像重畳制御部(特定画像重畳制御部120B)と、を備え、
上記特定画像重畳制御部は、上記画像のうちの上記光線位置検出部により検出された第一位置(状態ST1の照射位置P)に対応する第一領域(状態ST1の領域R)に上記特定画像を重畳させている状態(状態ST1)において、上記光線位置検出部により検出された上記照射位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上連続する場合(状態ST9)には、上記画像のうちの最後に検出された上記照射位置(状態ST10の照射位置P)に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記移動状態が上記第一閾値回以上連続する場合以外の場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させる投影制御装置。
【0083】
(4)の投影制御装置によれば、光線の位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上継続した場合のみ特定画像を移動させることにより、ユーザの手の振動に起因する特定画像の細かな移動を抑えることができるので、投影像の視認性がより向上する。
【0084】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の投影制御装置であって、
上記光線位置検出部は、撮像装置から出力された上記投影面の撮像画像から上記光線に相当するパターンを検出してそのパターンの位置を上記光線の照射位置として検出する投影制御装置。
【0085】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の投影制御装置であって、
上記光線位置検出部により検出される上記照射位置の変化量が第二閾値以下となる状態が継続された場合に、上記画像における上記照射位置に対応する部分を目立たなくするための補正処理を上記画像に対して行う画像処理部(画像処理部120D)を備える投影制御装置。
【0086】
(6)の投影制御装置によれば、光線の動きが全くないかほとんどない場合には、その部分は模様などであると判断して目立たなくすることができるので、投影像の視認性がより向上する。
【0087】
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の投影制御装置であって、
上記特定画像は、上記第一位置を覆う状態にて上記画像に重畳され、
上記特定画像重畳制御部は、上記特定画像の色を上記光線の色と同じ第一の色に制御する投影制御装置。
【0088】
(7)の投影制御装置によれば、特定画像の色と光線の色とを同じ色にすることにより、観察者に光線の位置を意識させることなく特定画像を表示することができる。
【0089】
(8) (7)記載の投影制御装置であって、
上記光線位置検出部は、撮像装置(撮像装置300)から出力された上記投影面の撮像画像から上記光線に相当するパターンを検出してそのパターンの位置を上記光線の照射位置として検出し、
上記特定画像重畳制御部は、上記特定画像の色を上記第一の色に制御する処理と、上記特定画像の色を上記第一の色とは異なる第二の色に制御する処理とを切り替えて行い、
上記光線位置検出部は、上記特定画像の色が上記第二の色に制御された状態にて上記撮像装置により上記投影面を撮像して得られる上記撮像画像から上記パターンの検出を行う投影制御装置。
【0090】
(8)の投影制御装置によれば、特定画像の色を本来の色である第一の色と、第一の色とは異なる第二の色とに切り替えつつ、特定画像の色が第二の色の時に、投影面の撮像画像から光線に相当するパターンの検出を行うことにより、特定画像の色と光線の色とが同じ色であるにもかかわらず、光線の照射位置を正確に検出することができる。
【0091】
(9) (7)記載の投影制御装置であって、
上記光線位置検出部は、撮像装置(撮像装置300)から出力された上記投影面の撮像画像から上記光線に相当するパターンを検出してそのパターンの位置を上記光線の照射位置として検出し、
上記投影部から上記画像を投影させる投影状態と、上記投影部から上記画像を非投影とさせる非投影状態とを切り替える制御を行う投影状態制御部(投影状態制御部120E)を備え、
上記光線位置検出部は、上記非投影状態に制御された状態にて上記撮像装置により上記投影面を撮像して得られる上記撮像画像から上記パターンの検出を行う投影制御装置。
【0092】
(9)の投影制御装置によれば、投影部から画像を投影させる投影状態と、非投影とさせる非投影状態とを切り替えつつ、非投影状態の時に、投影面の撮像画像から光線に相当するパターンの検出を行うことにより、光線の照射位置を正確に検出することができる。
【0093】
(10) (1)から(9)のいずれかに記載の投影制御装置と、
上記投影部と、を備える投影装置。
【0094】
(10)の投影制御装置によれば、光線による位置指示を行うユーザの手の振動に起因する特定画像の移動を抑制して、投影面に投影されている画像内の指示目標箇所を特定画像により明確に指示することができるので、投影像の視認性が向上する。
【0095】
(11) 投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、
上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、
上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記第一位置を含む特定範囲から上記特定範囲の外に移動した場合には、上記画像のうちのその特定範囲の外に移動した上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記特定範囲内にて移動している場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させる投影制御方法。
【0096】
(12) (11)の投影制御方法であって、
上記特定画像は、上記第一位置を覆う状態にて上記画像に重畳され、
上記特定範囲は、上記画像のうちの上記特定画像と重なる範囲である投影制御方法。
【0097】
(13) (11)記載の投影制御方法であって、
上記特定範囲を制御する範囲制御ステップを備える投影制御方法。
【0098】
(14) 投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、
上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、
上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上連続する場合には、上記画像のうちの最後に検出された上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記移動状態が上記第一閾値回以上連続する場合以外の場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させる投影制御方法。
【0099】
(15) (11)から(14)のいずれかに記載の投影制御方法であって、
上記光線位置検出ステップは、撮像装置から出力された上記投影面の撮像画像から上記光線に相当するパターンを検出してそのパターンの位置を上記光線の照射位置として検出する投影制御方法。
【0100】
(16) (11)から(15)のいずれかに記載の投影制御方法であって、
上記光線位置検出ステップにより検出される上記照射位置の変化量が第二閾値以下となる状態が継続された場合に、上記画像における上記照射位置に対応する部分を目立たなくするための補正処理を上記画像に対して行う画像処理ステップを備える投影制御方法。
【0101】
(17) (11)から(16)のいずれかに記載の投影制御方法であって、
上記特定画像は、上記第一位置を覆う状態にて上記画像に重畳され、
上記特定画像重畳制御ステップは、上記特定画像の色を上記光線の色と同じ第一の色に制御する投影制御方法。
【0102】
(18) (17)記載の投影制御方法であって、
上記光線位置検出ステップは、撮像装置から出力された上記投影面の撮像画像から上記光線に相当するパターンを検出してそのパターンの位置を上記光線の照射位置として検出し、
上記特定画像重畳制御ステップは、上記特定画像の色を上記第一の色に制御する処理と、上記特定画像の色を上記第一の色とは異なる第二の色に制御する処理とを切り替えて行い、
上記光線位置検出ステップは、上記特定画像の色が上記第二の色に制御された状態にて上記撮像装置により上記投影面を撮像して得られる上記撮像画像から上記パターンの検出を行う投影制御方法。
【0103】
(19) (17)記載の投影制御方法であって、
上記光線位置検出ステップは、撮像装置から出力された上記投影面の撮像画像から上記光線に相当するパターンを検出してそのパターンの位置を上記光線の照射位置として検出し、
上記投影部から上記画像を投影させる投影状態と、上記投影部から上記画像を非投影とさせる非投影状態とを切り替える制御を行う投影状態制御ステップを備え、
上記光線位置検出ステップは、上記非投影状態に制御された状態にて上記撮像装置により上記投影面を撮像して得られる上記撮像画像から上記パターンの検出を行う投影制御方法。
【0104】
(20) 投影制御方法をコンピュータに実行させるための投影制御プログラムであって、
上記投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記第一位置を含む特定範囲から上記特定範囲の外に移動した場合には、上記画像のうちのその特定範囲の外に移動した上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が上記特定範囲内にて移動している場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである、投影制御プログラム。
【0105】
(21) 投影制御方法をコンピュータに実行させるための投影制御プログラムであって、
上記投影制御方法は、投影面に画像を投影する投影部を制御する投影制御方法であって、上記投影面に照射された光線の照射位置を検出する光線位置検出ステップと、上記画像のうちの上記照射位置に対応する領域に特定画像を重畳させる特定画像重畳制御ステップと、を備え、
上記特定画像重畳制御ステップは、上記画像のうちの上記光線位置検出ステップにより検出された第一位置に対応する第一領域に上記特定画像を重畳させている状態において、上記光線位置検出ステップにより検出された上記照射位置が一方向に移動する移動状態が第一閾値回以上連続する場合には、上記画像のうちの最後に検出された上記照射位置に対応する領域に上記特定画像を移動させ、上記移動状態が上記第一閾値回以上連続する場合以外の場合には、上記第一領域への上記特定画像の重畳を継続させるものである、投影制御プログラム。
【0106】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0107】
なお、本出願は、2019年3月25日出願の日本特許出願(特願2019-057126)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
【符号の説明】
【0108】
1 画像投影システム
100 投影装置
200 レーザポインタ
LB 光線
P 照射位置
300 撮像装置
400 スクリーン
401 投影面
G 画像
110 投影部
111 表示部
112 光源ユニット
112a 光源
112b カラーホイール
112c 照明光学系
113 光変調素子
114 投影光学系
120 制御部
120A 光線位置検出部
120B 特定画像重畳制御部
120C 範囲制御部
120D 画像処理部
120E 投影状態制御部
R 領域
TG 指示アイコン画像
TR 手振れ許容範囲
A1、A2、A3、A4、A5 ベクトル