(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】ペット用おむつ
(51)【国際特許分類】
A01K 23/00 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
A01K23/00 S
(21)【出願番号】P 2021520794
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2020019766
(87)【国際公開番号】W WO2020235553
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2019094865
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松原 大介
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/077661(WO,A1)
【文献】特開2017-085906(JP,A)
【文献】特許第4246020(JP,B2)
【文献】特開2017-042468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの胴回り方向に沿って配置される胴回り方向と、
前記胴回り方向と直交する交差方向と、
表面シート、裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートの間に配置された吸収コアを有する本体部と、
前記本体部の前記裏面シート側の面と前記本体部の表面シート側の面を接合する接合部と、を有する、ペット用おむつであって、
前記吸収コアは、前記胴回り方向において前記本体部の両端縁よりも内側に配置されており、
前記ペット用おむつは、前記ペット用おむつの装着位置をガイドする目印部を有
し、
前記目印部は、前記ペット用おむつの前記裏面シート側から視認可能に構成されており、
前記接合部は、前記本体部の前記交差方向の一端部において、前記本体部よりも前記胴回り方向の両外側に延出したファスニングテープに設けられており、
前記目印部は、前記本体部の前記交差方向の外端縁を指標し、かつ前記本体部の前記交差方向の外端縁を適切に配置した状態であるかを判別するための端縁目印部を有し、
前記端縁目印部は、前記交差方向における前記本体部の一方の外端縁側と、前記交差方向における前記本体部の他方の外端縁側と、のそれぞれにおいて設けられており、
前記端縁目印部は、前記本体部の前記交差方向の外端縁を適切に配置した状態において、前記交差方向における前記本体部の一方の外端縁側の端縁目印部と、前記交差方向における前記本体部の他方の外端縁側の端縁目印部と、が前記交差方向に一致するように構成されている、ペット用おむつ。
【請求項2】
前記端縁目印部は、前記胴回り方向に延びる線形状の印刷部によって構成されており、前記本体部の前記胴回り方向の端縁に到達している、請求項1に記載のペット用おむつ。
【請求項3】
前記ペットの尻尾を挿通可能な尻尾穴部を有し、
前記尻尾穴部は、前記交差方向における前記本体部の一方の外端縁側の端縁目印部と、前記交差方向における前記本体部の他方の外端縁側の端縁目印部と、の間に配置されている、請求項1又は請求項2に記載のペット用おむつ。
【請求項4】
ペットの胴回り方向に沿って配置される胴回り方向と、
前記胴回り方向と直交する交差方向と、
表面シート、裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートの間に配置された吸収コアを有する本体部と、
前記本体部の前記裏面シート側の面と前記本体部の表面シート側の面を接合する接合部と、を有する、ペット用おむつであって、
前記吸収コアは、前記胴回り方向において前記本体部の両端縁よりも内側に配置されており、
前記ペット用おむつは、前記ペット用おむつの装着位置をガイドする目印部を有し、
前記目印部は、前記ペット用おむつの前記裏面シート側から視認可能に構成されており、
前記裏面シートには、第1装飾部と、前記第1装飾部と異なるデザインの第2装飾部と、が印刷されており、
前記目印部は、前記第1装飾部と前記第2装飾部の境界によって構成された境界目印部を有し、
前記第1装飾部は、前記吸収コアと重なる領域に配置され、前記第2装飾部は、前記吸収コアと重ならない領域に配置されており、
前記境界目印部は、前記吸収コアの前記交差方向の端縁に沿って設けられるとともに、前記吸収コアの前記胴回り方向の端縁に沿って設けられている、ペット用おむつ。
【請求項5】
前記接合部は、前記本体部の前記胴回り方向の一端部である本体第1端部に設けられ、前記本体第1端部と、前記本体部の前記胴回り方向の他端部である本体第2端部と、を接合するように構成されており、
前記本体部は、前記裏面シートと前記吸収コアの間に配置され、水分の接触により変色するインジケータを有し、
前記インジケータは、前記胴回り方向に延びており、
前記胴回り方向において、前記インジケータの長さは、前記本体部の前記本体第2端部側の端縁と、前記接合部と、の間に延びる製品領域の長さに対する50%以上である、請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載のペット用おむつ。
【請求項6】
前記胴回り方向において、前記インジケータの長さは、前記吸収コアの長さに対する50%以上である、請求項
5に記載のペット用おむつ。
【請求項7】
前記胴回り方向において、前記インジケータの長さは、前記吸収コアの長さに対する80%以上である、請求項
6に記載のペット用おむつ。
【請求項8】
前記ペットの尻尾を挿通可能な尻尾穴部を有し、
前記本体部は、前記裏面シートと前記吸収コアの間に配置され、水分の接触により変色するインジケータを有する、ペット用おむつであって、
前記インジケータは、前記交差方向に延びており、
前記交差方向において前記吸収コアと前記尻尾穴部が離間した離間領域を有し、
前記インジケータは、前記吸収コアと重なるコア領域と前記離間領域を跨がって配置されている、請求項
1から請求項7のいずれか1項に記載のペット用おむつ。
【請求項9】
前記交差方向において、前記インジケータは、前記離間領域の50%以上に配置されている、請求項
8に記載のペット用おむつ。
【請求項10】
前記インジケータは、前記尻尾穴部と重なる穴部領域と前記離間領域を跨がって配置されている、請求項
8又は請求項9に記載のペット用おむつ。
【請求項11】
前記裏面シートは、印刷が施された印刷領域と、前記印刷が施されていない非印刷領域と、を有し、
前記インジケータの面積の50%以上は、前記非印刷領域と重なる領域に配置されている、請求項
5から請求項10のいずれか1項に記載のペット用おむつ。
【請求項12】
前記インジケータは、前記非印刷領域と前記印刷領域が隣接した境界を跨がって配置されている、請求項
11に記載のペット用おむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫などのペットに装着されるペット用おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、ペット用おむつが開示されている。特許文献1のペット用おむつは、ペットの腹側に当てられる腹当て部と、ペットの背側に当てられる背当て部と、背当て部において尻尾を挿通させるための尻尾穴部と、腹当て部に設けられたファスナーテープと、を有する。特許文献1のペットおむつを装着する際は、尻尾穴部に尻尾を通しつつ、ペットの腹側に腹当て部を当てるとともに背側に背当て部を当てて、ファスナーテープを背当て部に止める(特許文献1の
図4参照)。
【0003】
また、特許文献2のペット用おむつは、吸収コアを有する帯状の本体と、本体の表面側に配置された粘着シールと、本体の裏面側に配置されたシール受け部と、を有する。特許文献2のペットおむつを装着する際は、ペットの胴回り方向に本体の胴回り方向を沿わせて、ペットの尿道口を吸収コアによって覆うように位置合わせを行い、粘着シールとシール受け部を介してペットの胴回りにペット用おむつを巻き付ける(特許文献2の
図3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-210062号公報
【文献】実用新案登録第3141580号公報
【発明の概要】
【0005】
しかし、上述の特許文献1及び2のペット用おむつには、以下の問題があった。
ペット用おむつの装着時に、装着対象であるペットが静止した状態であるとは限らず、ペットが動くことにより、適した位置にペット用おむつを装着できないことがあった。また、ペット及び季節によって胴回りの寸法等の形状が異なり、適した位置にペット用おむつを装着できないことがあった。加えて、適した位置からずれた位置にペット用おむつが装着されたとしても、その不具合をペットの反応によって把握することができず、適した位置に直すことができないことがあった。
【0006】
ペット用おむつは、一般的に、ペットの胴回りの全周を覆うように吸収コアを配置せず、排泄物を吸収する領域のみ、すなわち胴回りの一部に吸収コアを配置する。そのため、適した位置にペット用おむつが装着されないと、排泄物の漏れが発生するおそれがあった。
【0007】
よって、適した位置に装着でき、排泄物の漏れを抑制できるペット用おむつを提供することを目的とする。
【0008】
一態様に係るペット用おむつは、ペットの胴回り方向に沿って配置される胴回り方向と、前記胴回り方向と直交する交差方向と、表面シート、裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートの間に配置された吸収コアを有する本体部と、前記本体部の前記裏面シート側の面と前記本体部の表面シート側の面を接合する接合部と、を有する。前記吸収コアは、前記胴回り方向において前記本体部の両端縁よりも内側に配置されており、前記ペット用おむつは、前記ペット用おむつの装着位置をガイドする目印部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るペット用おむつの肌面側から見た平面図である。
【
図2】第1実施形態に係るペット用おむつの非肌面側から見た平面図である。
【
図3】
図1に示すA-A線に沿ったペット用おむつの模式的断面図である。
【
図4】第1実施形態に係るペット用おむつの着用状態を模式的に示した図である。
【
図5】第2実施形態に係るペット用おむつの肌面側から見た平面図である。
【
図6】第2実施形態に係るペット用おむつの非肌面側から見た平面図である。
【
図7】第2実施形態に係るペット用おむつの着用状態を模式的に示した図である。
【
図8】第3実施形態に係るペット用おむつの非肌面側から見た平面図である。
【
図9】第4実施形態に係るペット用おむつの非肌面側から見た平面図である。
【
図10】第5実施形態に係るペット用おむつの非肌面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係るペット用おむつは、ペットの胴回り方向に沿って配置される胴回り方向と、前記胴回り方向と直交する交差方向と、表面シート、裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートの間に配置された吸収コアを有する本体部と、前記本体部の前記裏面シート側の面と前記本体部の表面シート側の面を接合する接合部と、を有する。前記吸収コアは、前記胴回り方向において前記本体部の両端縁よりも内側に配置されており、前記ペット用おむつは、前記ペット用おむつの装着位置をガイドする目印部を有する。本態様によれば、使用者は、目印部に基づいてペット用のおむつの位置合わせを行うことができる。よって、適した位置にペット用おむつを装着できる。また、適した位置に装着できない場合や着用時にずれた場合であっても、目印部に基づいて位置のずれやおむつのよれを把握でき、適した位置や適切な状態に直すことができる。よって、胴回り方向において吸収コアが本体部に対して短いペット用おむつにおいて、排泄物を吸収できる適切な位置に吸収コアを配置し、排泄物の漏れを抑制できる。
【0011】
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記ペット用おむつの前記表面シート側から視認可能に構成されてよい。ペット用おむつの表面シート側は、装着時にペットに当てる面側である。使用者は、当該目印部を身体に当てつつ、ペット用おむつの位置合わせを行うことができる。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記ペット用おむつの前記裏面シート側から視認可能に構成されてよい。ペット用おむつの裏面シート側は、装着時に外側に位置しており、ペットにおむつを当てた後でも視認可能である。そのため、装着操作の過程のみならず、装着操作後にも位置合わせを行うことができる。着用時におむつが胴回り方向に回転してずれてしまった場合であっても、目印部に基づいて位置のずれを把握でき、適した位置に直すことができる。
【0013】
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記胴回り方向における前記吸収コアの中心を指標する胴回り中心目印部を有してよい。本態様によれば、胴回りに対して吸収コアが短いペット用おむつにおいて、排泄物を吸収できる位置に吸収コアを配置し、排泄物の漏れを抑制できる。
【0014】
好ましい一態様によれば、目印部は、前記胴回り方向において間隔を空けて複数配置されてよい。本態様によれば、胴回り方向に沿って複数の目印部が配置されるため、種々の方向(例えば、右側から視認した場合、左側から視認した場合)においても、目印部に基づいて位置合わせを行うことができる。また、右側におけるずれやよれ、及び左側におけるずれやよれ等、種々の方向におけるずれ等を把握でき、適切な状態に直すことができる。
【0015】
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記胴回り方向において、前記吸収コアの中心を挟んだ両側に配置された一対の胴サイド目印部を有してよい。本態様によれば、使用者は、胴回り方向における吸収コアの中心に対する両側に配置された胴サイド目印部によって、吸収コアの胴回り方向における位置を把握し易い。よって、胴回り方向において吸収コアを適切に配置し、排泄物の漏れを抑制できる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記一対の胴サイド目印部の一方は、前記吸収コアの前記胴回り方向の一端部と重なる領域に配置され、前記一対の胴サイド目印部の他方は、前記吸収コアの前記胴回り方向の他端部と重なる領域に配置されてよい。本態様によれば、使用者は、吸収コアの胴回り方向の両端部の位置を把握でき、漏れが発生しないように吸収コアを配置できる。
【0017】
好ましい一態様によれば、前記一対の胴サイド目印部の一方は、前記吸収コアの前記胴回り方向の一端縁よりも前記胴回り方向の外側に配置され、前記一対の胴サイド目印部の他方は、前記吸収コアの前記胴回り方向の他端縁よりも前記胴回り方向の外側に配置されてよい。本態様によれば、使用者は、胴回り方向の外側に配置された目印部によって、吸収コアが配置されていない領域の位置を把握することができ、漏れが発生しないように吸収コアを配置できる。
【0018】
好ましい一態様によれば、前記本体部には、前記胴回り方向及び前記交差方向の少なくとも一方に伸縮する伸縮性部材が配置されており、前記目印部は、前記伸縮性部材と重なる領域に配置された伸縮目印部を有してよい。本態様によれば、伸縮性部材は、胴回り方向及び交差方向の少なくとも一方に伸縮し、ペットの身体に密着するように装着される。伸縮性部材と重なる領域に目印部が配置されているため、使用者は、身体に密着する伸縮性部材の位置を把握でき、適切な位置に伸縮性部材を配置できる。
【0019】
好ましい一態様によれば、前記吸収コアは、前記交差方向において前記本体部の両端縁よりも内側に配置されており、前記目印部は、前記交差方向における前記吸収コアの中心を指標する交差中心目印部を有してよい。本態様によれば、交差方向において吸収コアが短いペット用おむつにおいて、排泄物を吸収できる位置に吸収コアを配置し、排泄物の漏れを抑制できる。
【0020】
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記交差方向において間隔を空けて複数配置されてよい。本態様によれば、交差方向に沿って複数の目印部が配置されるため、使用者が種々の方向(例えば、前側から視認した場合、後側から視認した場合)においても、目印部に基づいて位置合わせを行うことができる。
【0021】
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記交差方向において、前記交差方向における前記吸収コアの中心を挟んだ両側に配置された一対の交差サイド目印部を有してよい。本態様によれば、使用者は、交差方向における吸収コアの中心に対する両側に配置された交差サイド目印部によって、吸収コアの交差方向における位置を把握し易い。よって、交差方向において吸収コアを適切に配置し、排泄物の漏れを抑制できる。
【0022】
好ましい一態様によれば、前記一対の交差サイド目印部の一方は、前記吸収コアの前記交差方向の一端部と重なる領域に配置され、前記一対の交差サイド目印部の他方は、前記吸収コアの前記交差方向の他端部と重なる領域に配置されてよい。本態様によれば、使用者は、吸収コアの交差方向の両端部の位置を把握でき、漏れが発生しないように吸収コアを配置できる。
【0023】
好ましい一態様によれば、前記一対の交差サイド目印部の一方は、前記吸収コアの前記交差方向の一端縁よりも前記交差方向の外側に配置され、前記一対の交差サイド目印部の他方は、前記吸収コアの前記交差方向の他端縁よりも前記交差方向の外側に配置されてよい。本態様によれば、使用者は、吸収コアが配置されていない領域の位置を把握することができ、漏れが発生しないように吸収コアを配置できる。
【0024】
好ましい一態様によれば、前記裏面シートには、第1装飾部と、前記第1装飾部と異なるデザインの第2装飾部と、が印刷されており、前記目印部は、前記第1装飾部と前記第2装飾部の境界によって構成された境界目印部を有してよい。本態様によれば、第1装飾部と第2装飾部の2つのデザインによって装飾性を高めつつ目印部による位置合わせも行うことができる。
【0025】
好ましい一態様によれば、前記目印部は、前記本体部の前記交差方向の外端縁を指標する端縁目印部を有してよい。本態様によれば、本体部の交差方向の外端縁を適切に配置することができ、本体部全体を適切な巻き付け態様で装着でき、フィット性を向上できるとともに、締め付け過ぎることに起因する違和感を低減できる。
【0026】
他の態様に係るペット用おむつは、ペットの胴回り方向に沿って配置される胴回り方向と、前記胴回り方向と直交する交差方向と、表面シート、裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートの間に配置された吸収コアを有する本体部と、前記本体部の前記胴回り方向の一端部である本体第1端部に設けられ、前記本体第1端部と、前記本体部の前記胴回り方向の他端部である本体第2端部と、を接合する接合部と、を有する。前記本体部は、前記裏面シートと前記吸収コアの間に配置され、水分の接触により変色するインジケータを有する。前記インジケータは、前記胴回り方向に延びている。前記胴回り方向において、前記インジケータの長さは、前記本体部の前記本体第2端部側の端縁と、前記接合部と、の間に延びる製品領域の長さに対する50%以上である。ペットの胴回りに沿って巻き付けるおむつにおいて、胴回り方向に沿ってインジケータが配置されている。体液は、腹部に排出される。腹部においてインジケータが反応する。しかし、ペットが四つん這いで立った状態では、使用者(飼い主)が腹部を視認しにくく、インジケータの呈色反応を確認できないことがある。しかし、インジケータは、製品領域に対する50%以上であり、緩めにペット用おむつを巻き付けた状態における胴回り方向の50%以上に配置されている。よって、着用状態においてペットの腹部のみならず側部にもインジケータが配置され、使用者が着用時にインジケータを視認し易い。
【0027】
好ましい一態様によれば、前記本体部は、前記製品領域を前記胴回り方向に四等分した領域を有する。前記四等分した領域は、最も前記本体第1端部側に位置する第1製品領域と、最も前記本体第2端部側に位置する第2製品領域と、を有する。前記インジケータは、前記第1製品領域と前記第2製品領域のうち少なくとも一方に配置されている。第1製品領域と前記第2製品領域は、着用時にペットの側部や背部に配置され易い。当該領域にインジケータを配置することで、着用時におけるインジケータの視認性をより向上できる。また、本体部における胴回り方向の端部側までインジケータが延びているため、尿の胴回り方向の拡散状況が視認し易く、体液の漏れを抑制できる。
【0028】
好ましい一態様によれば、前記インジケータは、前記第1製品領域と前記第2製品領域の両方に配置されている。足を上げて尿をする場合は、重力の影響で第1製品領域あるいは第2製品領域に尿が拡散しやすい。犬によってどちらの足を良く上げるかが異なるため、両方に配置することで漏れ防止を実現できる。
【0029】
好ましい一態様によれば、前記胴回り方向において、前記インジケータの長さは、前記吸収コアの長さに対する50%以上である。ペットの胴回り方向に巻きつけるおむつにあっては、吸収コアが配置された領域は、着用中に視認し難い。吸収コアがない部分まで体液が拡散すると、背中の毛濡れに繋がる可能性がある。吸収コアの50%以上拡散した場合に、視認可能にすることで交換タイミングがわかり、毛濡れや漏れを防ぐことができる。
【0030】
好ましい一態様によれば、前記胴回り方向において、前記インジケータの長さは、前記吸収コアの長さに対する80%以上である。本態様によれば、吸収コアの胴回り方向の端縁まで体液が拡散していることをより適切に把握できる。
【0031】
他の態様に係るペット用おむつは、ペットの胴回り方向に沿って配置される胴回り方向と、前記胴回り方向と直交し、ペットの腹側から背側を繋ぐ方向に延びる交差方向と、表面シート、裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートの間に配置された吸収コアを有する本体部と、前記ペットの尻尾を挿通可能な尻尾穴部と、を有する。前記本体部は、前記裏面シートと前記吸収コアの間に配置され、水分の接触により変色するインジケータを有する。前記インジケータは、前記交差方向に延びている。前記交差方向において前記吸収コアと前記尻尾穴部が離間した離間領域を有する。前記インジケータは、前記吸収コアと重なるコア領域と前記離間領域を跨がって配置されている。仮に尻尾穴部に体液が到達すると尻尾穴部を介して体液が漏れるおそれがある。しかし、コア領域と前記離間領域を跨がってインジケータが配置されているため、体液が吸収コアを越えて拡散していることを検知でき、体液の漏れを抑制できる。
【0032】
好ましい一態様によれば、前記交差方向において、前記インジケータは、前記離間領域の50%以上に配置されている。本態様によれば、インジケータによって離間領域における体液の拡散状況をより適切に把握できる。
【0033】
好ましい一態様によれば、前記インジケータは、前記尻尾穴部と重なる穴部領域と前記離間領域を跨がって配置されている。本態様によれば、尻尾穴部と重なる領域に体液が到達したことを検知でき、尻尾穴部を介して体液が漏れることを抑制できる。
【0034】
好ましい一態様によれば、前記裏面シートは、印刷が施された印刷領域と、前記印刷が施されていない非印刷領域と、を有する。前記インジケータの面積の50%以上は、前記非印刷領域と重なる領域に配置されている。本態様によれば、インジケータの面積の50%以上は、非印刷領域に重なっており、裏面シートの印刷の影響を受け難い。よって、インジケータの視認性を高めることができる。
【0035】
好ましい一態様によれば、前記インジケータは、前記非印刷領域と前記印刷領域が隣接した境界を跨がって配置されている。印刷領域と非印刷領域では、インジケータの視認性が異なる。インジケータの見え方を部分的に異ならせることにより、インジケータの呈色反応の態様、すなわち、どの部分まで体液が拡散したかを把握し易くなる。
【0036】
一態様に係るペット用おむつの製造方法は、シート材が連続した連続シート体を搬送するシート搬送工程と、前記連続シート体に目印部を付与する目印付与工程と、前記目印部を有する前記連続シート体に対して吸収コアを積層するコア積層工程と、前記コア積層工程は、前記連続シート体の目印部の位置を検出し、当該目印部の位置に基づいて前記吸収コアの積層位置を調整する。本態様によれば、目印部と吸収コアの相対位置を一定に保つことができる。よって、目印部を基準としておむつを装着した際に、個々のおむつによって吸収コアの装着位置がずれることを抑制できる。おむつ全体における目印部の位置ずれを抑制することにより、目印部による位置合わせの精度を向上できる。
【0037】
(2)ペット用おむつの構成
以下、図面を参照して、実施形態に係るペット用おむつについて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0038】
本明細書において、「ペット」は、脊椎動物や無脊椎動物を広く包含し、典型的には、猫、犬、ウサギ、ハムスターなどの愛玩動物を含む。本実施の形態のペット用おむつは、犬用のおむつである。なお、変形例において、猫用のおむつであってよい。
【0039】
図1は、第1実施形態に係るペット用おむつの肌面側からから見た平面図である。
図2は、第1実施形態に係るペット用おむつの非肌面側からから見た平面図である。
図3は、
図1に示すA-A線に沿ったペット用おむつの模式的断面図である。
図1及び
図2では、ペット用おむつ1を皺が形成されない状態まで伸長させた伸長状態を示している。また、
図3に示す断面図では、説明の便宜上、各部材を厚み方向Tにおいて離間して示しているが、実際の製品においては厚み方向Tに接している。
図4は、ペット用おむつの着用状態を模式的に示した図である。
【0040】
ペット用おむつは、ペットの胴回り方向に沿って配置される胴回り方向Wと、胴回り方向Wと直交する交差方向Zと、胴回り方向W及び交差方向Zと直交する厚み方向Tと、を有する。交差方向Zは、ペットの縦方向、すなわち股下側から股下から離れる側を繋ぐ方向に延びる。厚み方向Tは、着用状態においてペットに当てられる表面側T1と、着用状態において外側に向けられる裏面側T2と、に延びる。
図4に示すように、第1実施形態に係るペット用おむつは、ペットの腹側から股下を通って背側まで覆うように配置されず、腰周りに巻き付けるように装着される。よって、ペット用おむつ1の胴回り方向Wの長さは、ペット用おむつ1の交差方向Zの長さよりも長い。
【0041】
ペット用おむつ1は、本体部2と、接合部40と、を有する。本体部2は、表面シート10、裏面シート20、及び吸収コア30を少なくとも有する。表面シート10は、ペットに当てられる面に配置されている。表面シート10は、体液を吸収コア30側に透過させる液透過性を有する。表面シート10は、交差方向Zの中央に位置し、吸収コア30を覆うセンターシート11と、センターシート11の交差方向Zの両側部を覆うサイドシート12と、を有してよい。表面シート10には、印刷部が設けられてよい。印刷部は、後述する目印部50を構成してよい。
【0042】
図3に示すように、サイドシート12は、折り畳まれていてよい。具体的には、交差方向Zの一端部側(
図1における左側)のサイドシート12は、サイドシート12の内側縁において外面側T2に折り返されている。また、交差方向Zの他端部側(
図1における右側)のサイドシート12は、サイドシート12の内側縁において表面側T1に折り返されるとともに、折り返された部分が表面側T1に折り返されている。折り返されたサイドシート12間に、胴回り方向Wに伸長された状態のサイド伸縮性部材13が配置されてよい。サイド伸縮性部材13は、ペット側に起立する防漏ギャザーを構成してよい。また、なお、交差方向Zの一端部側は、着用状態においてペットの前側に配置され、交差方向Zの他端部側は、着用状態においてペットの後側に配置されてよい。なお、交差方向Zの一端部側のサイドシートと、交差方向の他端部側のサイドシートと、は、本実施の形態において非対称であるが、変形例において対称であってよい。また、本発明における端部は、端縁を含む一定の範囲を占める部分である。
【0043】
吸収コア30は、表面シート10と裏面シート20の間に配置されている。吸収コア30は、パルプ等の吸収材料が積層されている。吸収コア30を覆うコアラップ32が設けられていてよい。吸収コア30は、胴回り方向Wにおいて本体部2の両端縁2WEよりも内側に配置されている。すなわち、吸収コア30の胴回り方向Wの長さは、本体部2の胴回り方向Wの長さよりも短い。吸収コア30は、本体部2の胴回り方向Wの中央に配置され、本体部2の胴回り方向Wの外側部には設けられていない。また、吸収コア30は、交差方向Zにおいて本体部2の両端縁2ZEよりも内側に配置されてよい。すなわち、吸収コア30の交差方向Zの長さは、本体部2の交差方向Zの長さよりも短くてよい。吸収コア30は、本体部2の交差方向Zの中央に配置され、本体部2の交差方向Zの外側部には設けられていなくてよい。また、吸収コア及びコアラップには、印刷部が設けられてよい。印刷部は、目印部50を構成してよい。
【0044】
裏面シート20は、液不透過性の裏面フィルム21と、裏面フィルム21よりも外面側に位置する裏面不織布22と、を有してよい。なお、変形例において、裏面シートは、液不透過性の裏面フィルムと、裏面フィルム21よりも裏面側に位置する裏面不織布と、を有してよい。裏面フィルム21の表面側T1の面には、体液の接触によって呈色反応を示すインジケータと、印刷部が設けられてよく、裏面フィルム21の外面側T2の面には、印刷部が設けられてよい。インジケータ及び印刷部の少なくとも一方は、目印部50を構成してよい。裏面フィルム21の交差方向Zの長さは、裏面不織布22の交差方向Zの長さよりも短くてよい。すなわち、裏面不織布22は、裏面フィルム21よりも交差方向Zの両側に延出してよい。裏面フィルム21全体に印刷部が設けられた形態にあっては、裏面フィルム21が配置された領域が印刷領域R1を構成し、裏面フィルム21よりも交差方向Zの両側に、印刷が施されていない非印刷領域R2が設けられていてよい。
【0045】
本体部2の交差方向Zの両端部には、胴回り方向Wに伸縮する胴回りギャザーが配置されてよい。胴回りギャザーは、吸収コア30よりも交差方向Zの外側に位置しており、表面シート10、裏面シート20、及び胴回り伸縮性部材25によって構成されてよい。胴回り伸縮性部材25は、表面シート10と裏面シート20の間に配置され、胴回り方向Wに伸長された状態で表面シート10及び裏面シート20に固定されてよい。胴回り伸縮性部材25と、上述のサイド伸縮性部材13と、は、本発明の伸縮性部材を構成する。
【0046】
接合部40は、装着状態において、互いに対向する本体部2同士を接合する。具体的には、本体部2の裏面シート側の面である外面2Qを本体部2の表面シート10側の面である内面2Pに止めるための接合手段である。本実施の形態の接合部40は、本体部2の外面に配置されたメカニカルファスナである。接合部40は、本体部の表面シート10に係止可能に構成されている。接合部40は、本体部2の胴回り方向Wの一端部に設けられている。ペットにペット用おむつ1を装着する際に、本体部2の胴回り方向の他端部によって接合部40を覆うように配置することで、接合部40が表面シート10に係止して、ペット用おむつの着用状態を維持できる。なお、変形例において、接合部は、本体部の内面に配置されており、本体部の裏面シートに係止可能に構成されてよい。
【0047】
次いで、目印部50について説明する。目印部50は、ペット用おむつ1の装着位置をガイドする。ペットの種類によってペットの寸法は異なり、季節によって毛の抜け替わりがあるため、ペットの寸法は異なる。そのため、使用者は、ペットの身体の形状に適した状態で装着し難いことがある。しかし、本実施の形態によれば、目印部50に基づいてペット用おむつ1の位置合わせを行うことができる。よって、適した位置にペット用おむつ1を装着できる。また、適した位置に装着できない場合や着用時にずれた場合であっても、目印部50に基づいて位置のずれやおむつのよれを把握でき、適した位置や適切な状態に直すことができる。
【0048】
具体的には、
図4に示すように、ペット用おむつ1は、本体部2の胴回り方向Wをペットの胴回りに沿わせて、ペットの胴回りにペット用おむつ1を巻き付けて装着する。このとき、吸収コア30は、本体部2の胴回り方向Wの全域に配置されてなく、本体部2の胴回り方向の両側部に配置されていない。例えば、本体部2の胴回り方向Wの外側部(吸収コアが配置されていない部分)がペットの排泄口に対向するように装着されると、吸収コアによって体液を吸収できず、漏れが発生する。しかし、目印部50に基づいて排泄物を吸収できる適切な位置に吸収コア30を配置し、排泄物の漏れを抑制することができる。
【0049】
本実施の形態の目印部50は、
図1に示す第1目印部51と、
図2に示す第2目印部52と、を有してよい。第1目印部51は、ペット用おむつの表面シート側(内面側)から視認可能に構成されている。ペット用おむつの表面シート側は、装着時にペットに当てる面側である。第1目印部51によれば、当該第1目印部51を身体に当てつつ、位置合わせを行うことができる。
【0050】
第1目印部51は、表面シート10に設けられた印刷部であってもよいし、吸収コア30又はコアラップ32に設けられた印刷部であってもよいし、裏面シート20に設けられた印刷部又はインジケータであって、吸収コア30の低坪量部を介して視認可能に構成されていてもよい。なお、低坪量部は、周囲よりも吸収材料の坪量が低い部分又は吸収材料の坪量が0の部分である。
【0051】
第2目印部52は、ペット用おむつ1の裏面シート側(外面側)から視認可能に構成されている。ペット用おむつの裏面シート側は、装着時に外側に位置しておりペットにおむつを当てた後でも視認可能であるため、装着操作の過程のみならず、装着操作後にも位置合わせを行うことができる。着用時におむつが胴回り方向に回転してずれてしまった場合であっても、目印部に基づいて位置のずれを把握でき、適した位置に直すことができる。
【0052】
第2目印部52は、裏面シート20に設けられた印刷部であってもよいし、裏面シート20又はコアラップ32に設けられたインジケータであってもよい。本実施の形態の裏面フィルム21の外面には、全体に亘って印刷部が設けられている。印刷部は、目印部を構成するとともに装飾部を構成してよい。
図2及び
図3に示すように、本実施の形態の裏面フィルムの外面側の面には、第2目印部52を構成する印刷部と、装飾部59を構成する印刷部と、が設けられている。なお、装飾部は、目印部以外のデザインを有する部分であり、図柄や模様を有するデザインのみならず、色のみからなる背景色を含む。
【0053】
なお、本発明における「視認可能」とは、昼白色(色温度目安 4600~5400 K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750 lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が対象物を見たときに視認できることを意味している。また、目印部50は、第1目印部51と第2目印部52のうち少なくともいずれか一方を有していればよい。
【0054】
図2に示すように、第2目印部52は、胴回り方向Wにおける吸収コア30の中心30WCを指標する胴回り中心目印部50WCを有してよい。ペットの排泄口に対して吸収コアの胴回り方向Wの中心を合わせることができる。よって、胴回り方向において吸収コア30が短いペット用おむつにおいて、排泄物を吸収できる位置に吸収コアを配置し、排泄物の漏れを抑制できる。本実施の形態の胴回り中心目印部50WCは、胴回り方向Wにおける吸収コア30の中心30WCを通り、かつ交差方向Zにおいて吸収コア30の全域に延びている。吸収コア30の交差方向Zの全域に亘って吸収コア30の胴回り方向Wの中心30WCを示すことができ、使用者が吸収コア30の中心位置をより把握し易くなる。なお、胴回り中心目印部50WCは、胴回り方向Wにおける吸収コア30の中心30WC上に配置されていればよく、胴回り方向Wにおける吸収コアの中心30WCに設けられた点又は図柄であってもよい。
【0055】
また、第2目印部52は、交差方向Zにおける吸収コア30の中心30ZCを指標する交差中心目印部50ZCを有してよい。交差方向Zにおいて吸収コア30が短いペット用おむつにおいて、排泄物を吸収できる位置に吸収コア30を配置し、排泄物の漏れを抑制できる。交差中心目印部50ZCは、交差方向Zにおける吸収コア30の中心30ZCを通り、かつ胴回り方向Wに延びる線状であってもよいし、交差方向Zにおける吸収コア30の中心30ZCに配置された点又は図柄であってもよい。なお、胴回り中心目印部50WC及び交差中心目印部50ZCは、吸収コア30に重なって配置されている領域においては、吸収コアの体液の吸収を示すインジケータによって構成されてよい。
【0056】
図1に示すように、第1目印部51は、胴回り方向Wにおいて間隔を空けて複数配置されてよい。胴回り方向Wに沿って複数の第1目印部51が配置されるため、種々の方向(例えば、右側から視認した場合、左側から視認した場合)においても、第1目印部51に基づいて位置合わせを行うことができる。また、右側におけるずれやよれ、及び左側におけるずれやよれ等、種々の方向におけるずれ等を把握でき、適切な状態に直すことができる。第1目印部51が胴回り方向Wにおいて間隔を空けた形態にあっては、四つん這いのペットを正面から視認した状態における上面(背中の頂点)、下面(腹の膨らみの頂点)、左側面(正面視にて左側における上面と下面の間)及び右側面(正面視にて右側における上面と下面の間)を基準として、おむつとペットの身体の位置との位置合わせを行うことができる。
【0057】
第1目印部51は、中央目印部513と、第1胴サイド目印部511と、第2胴サイド目印部512と、を有してよい。中央目印部513及び胴サイド目印部511,512は、胴回り方向Wに間隔を空けて配置されてよい。中央目印部513は、胴回り方向Wにおける吸収コア30の中心30WCに位置する胴回り中心目印部50WCを構成する。第1胴サイド目印部511及び第2胴サイド目印部512は、胴回り方向Wにおいて吸収コア30の中心を挟んだ両側に配置されており、本発明の一対の胴サイド目印部を構成する。一対の胴サイド目印部は、胴回り方向Wにおける吸収コア30の中心30WCに対する両側に配置されており、吸収コアの胴回り方向Wにおける位置を指標することができる。よって、胴回り方向Wにおいて吸収コア30を適切に配置し、排泄物の漏れを抑制できる。
【0058】
図1に示すように、一対の胴サイド目印部の一方である第1胴サイド目印部511は、吸収コア30の胴回り方向Wの一端部と重なる領域に配置され、一対の胴サイド目印部の他方である第2胴サイド目印部512は、吸収コア30の胴回り方向Wの他端部と重なる領域に配置されてよい。吸収コア30の胴回り方向Wの両端部は、体液の漏れが発生する直前に体液が到達する部分である。使用者は、吸収コア30の胴回り方向Wの両端部の位置を把握でき、漏れが発生しないように吸収コア30を配置できる。
【0059】
第1胴サイド目印部511は、吸収コア30の胴回り方向Wの一端縁30WE1よりも胴回り方向Wの外側に配置されてよく、第2胴サイド目印部512は、吸収コア30の胴回り方向Wの他端縁30WE2よりも胴回り方向Wの外側に配置されてよい。使用者は、胴回り方向Wの外側に配置された目印部50によって、吸収コア30が配置されていない領域の位置を把握することができ、漏れが発生しないように吸収コア30を配置できる。
【0060】
なお、吸収コア30の胴回り方向Wの一端縁30WE1よりも胴回り方向Wの外側に配置された目印部50と、吸収コア30の胴回り方向Wの一端部と重なる目印部50と、は、一体化していてもよいし、別々であってもよい。同様に、吸収コア30の胴回り方向Wの他端縁30WE2よりも胴回り方向Wの外側に配置された目印部50と、吸収コア30の胴回り方向Wの他端部と重なる目印部50と、は、一体化していてもよいし、別々であってもよい。
【0061】
好適には、第1胴サイド目印部511及び第2胴サイド目印部512のそれぞれは、吸収コア30の胴回り方向Wの端縁を跨がってよく、吸収コア30の交差方向Zの端縁を跨がってよい。本実施の形態の第1目印部51は、裏面フィルム21の内面に設けられた印刷部によって構成されている。第1目印部51は、吸収コア30と重なる領域と、吸収コア30と重ならない領域と、に配置されている。ペット用おむつの内面側から第1目印部51を視認すると、吸収コア30と重ならない領域の第1目印部51の視認性が高く、吸収コア30と重なる領域の第1目印部51の視認性が低いため、第1目印部51の一部が目立って見える。当該第1目印部51の視認性の違いによって吸収コアの端縁の位置を把握し易くなる。
【0062】
第1目印部51は、交差方向Zおいて間隔を空けて複数配置されてよい。具体的には、中央目印部513は、交差方向Zに間隔を空けて配置され、第1胴サイド目印部511は、交差方向Zに間隔を空けて配置され、第2胴サイド目印部512は、交差方向Zに間隔を空けて配置されてよい。交差方向Zに沿って複数の目印部が配置されるため、種々の方向(例えば、前側から視認した場合、後側から視認した場合)においても、目印部に基づいて位置合わせを行うことができる。
【0063】
第1目印部51は、交差方向Zにおける吸収コア30の中心30WCを挟んだ両側にそれぞれ配置されてよい。具体的には、中央目印部513は、吸収コア30の中心30WCの両側に一対で配置され、第1胴サイド目印部511は、吸収コア30の中心30WCの両側に一対で配置され、第2胴サイド目印部512は、吸収コア30の中心30WCの両側に一対で配置されてよい。そのため、一対の中央目印部513、一対の第1胴サイド目印部511、及び一対の第2胴サイド目印部512は、それぞれ本発明の「一対の交差サイド目印部」として機能する。使用者は、交差方向Zにおける吸収コア30の中心に対する両側に配置された交差サイド目印部によって、吸収コア30の交差方向Zにおける位置を把握し易い。よって、交差方向Zにおいて吸収コア30を適切に配置し、排泄物の漏れを抑制できる。
【0064】
一対の交差サイド目印部の一方は、吸収コア30の交差方向Zの一端部と重なる領域に配置され、一対の交差サイド目印部の他方は、吸収コア30の交差方向Zの他端部と重なる領域に配置されてよい。具体的には、
図1に示すように、一対の第1胴サイド目印部511のうち交差方向Zの一端部側(
図1に示す左側)の第1胴サイド目印部511は、吸収コア30の交差方向Zの一端部と重なる領域に配置され、交差方向Zの他端部側(
図1に示す右側)の第1胴サイド目印部511は、吸収コア30の交差方向Zの他端部と重なる領域に配置されてよい。使用者は、吸収コア30の交差方向Zの両端部の位置を把握でき、漏れが発生しないように吸収コアを配置できる。
【0065】
また、一対の交差サイド目印部の一方は、吸収コア30の交差方向Zの一端縁30ZE1よりも交差方向Zの外側に配置され、一対の交差サイド目印部の他方は、吸収コア30の交差方向Zの他端縁30ZE2よりも交差方向Zの外側に配置されてよい。具体的には、交差方向Zの一端部側(
図1に示す左側)の第1胴サイド目印部511は、吸収コア30の交差方向Zの一端縁30ZE1よりも交差方向Zの外側に配置されてよく、交差方向Zの他端部側(
図1に示す右側)の第1胴サイド目印部511は、吸収コア30の交差方向Zの他端縁30ZE2よりも交差方向Zの外側に配置されてよい。使用者は、交差方向Zの外側に配置された目印部50によって、吸収コア30が配置されていない領域の位置を把握することができ、漏れが発生しないように吸収コア30を配置できる。
【0066】
図2に示すように、裏面シート20には、目印部50を含むデザインが印刷された印刷領域R1と、印刷が施されてない非印刷領域R2と、が設けられてよい。非印刷領域R2は、裏面シート20の交差方向Zの両端部に少なくも設けられてよい。使用者は、非印刷領域R2と印刷領域R1の境界によって、本体部2の交差方向Zの両端部を把握できる。また、非印刷領域R2が設けられていることによって印刷領域R1が目立ち易くなり、印刷領域R1内の目印部50の視認性をより向上できる。更に、非印刷領域R2と印刷領域R1の境界は、胴回り方向Wに沿って延び、かつ吸収コア30よりも交差方向Zの外側に位置してよい。すなわち、非印刷領域R2は、吸収コア30よりも交差方向Zの外側のみに配置されてよい。使用者は、非印刷領域R2によって吸収コア30が配置されていない領域を把握でき、漏れが発生しないように吸収コア30を配置できる。
【0067】
次いで、第2実施形態に係るペット用おむつ1Xについて説明する。第2実施形態に係るペット用おむつは、猫用のおむつである。なお、変形例において、犬用のおむつであってよい。以下の他の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については同符号を用いて説明を省略する。
図5は、第2実施形態に係るペット用おむつの肌面側から見た平面図である。
図6は、第2実施形態に係るペット用おむつ1Xの非肌面側から見た平面図である。
図7は、第2実施形態に係るペット用おむつ1Xの着用状態を模式的に示した図である。
【0068】
ペット用おむつ1Xは、本体部2Xと、接合部40Xと、を有する。第2実施形態のペット用おむつ1Xは、ペットの腹側から股下を通って背側まで覆うように着用される。そのため、第2実施形態のペット用おむつ1Xは、第1実施形態のペット用おむつよりも交差方向Zにおける長さが長い。本体部2Xの交差方向Zの長さは、本体部2Xの胴回り方向Wの長さよりも長い。接合部40Xは、本体部2Xの交差方向Zの一端部において、本体部2Xよりも胴回り方向Wの両外側に延出したファスニングテープ90に設けられている。接合部40Xは、本体部2Xの内面2Pに配置されており、本体部2の外面2Qにもうけられたターゲット部45に接合可能に構成されている。なお、変形例において、本体部は、ターゲット部を備えず、接合部40Xは、本体部2Xの外面2Q側の裏面シートに接合するように構成されてよい。接合部40Xは、本体部2Xの腹側に当てられる側において、本体部2Xよりも胴回り方向Wの両外側に延出していてもよいし、本体部2Xの背側に当てられる側において、本体部2Xよりも胴回り方向Wの両外側に延出していてもよい。
【0069】
ペット用おむつ1Xを装着する際は、本体部2Xの交差方向Zの一端部(接合部40Xが設けられた側の端部)をペットの腹に当てる。このとき、本体部2Xの交差方向Zの他端部を、ペットの両足の間を通し、かつペットの後側に出しておく。そして、本体部2Xの交差方向Zの中央をペットの排泄口に当てて、本体部2Xの交差方向Zの他端部によってペットの臀部及び背中を覆う。次いで、接合部40Xをペットの背中側に引っ張り、背中側に位置する本体部の交差方向の他端部のターゲット部45に外面に止める。これにより、
図7に示すように、ペットの腹、背中、及び股下を覆うようにペット用おむつ1Xを装着できる。ペット用おむつ1Xは、ペットの腹側から股下を通して、背側まで覆うように配置されており、ペットの左右方向の中心に対して本体部の交差方向が適切に沿っていることが好ましい。よって、ペット用おむつ1Xは、交差方向Zにおける吸収コア30の中心30ZCを指標する交差中心目印部50ZCを有してよい。交差中心目印部50ZCは、インジケータによって構成されてよい。
【0070】
なお、ペット用おむつ1Xは、ペットの尻尾を挿入可能な尻尾穴部60が設けられてよい。尻尾穴部60を有するおむつにあっては、装着時の本体部2Xの交差方向Zの他端部によってペットの臀部及び背中を覆う際に、尻尾穴部60にペットの尻尾を挿通させてよい。
【0071】
図5に示すように、目印部50は、伸縮性部材と重なる領域に配置された伸縮目印部55を有してよい。本実施の形態に係る伸縮目印部55は、サイド伸縮性部材13と重なる領域に配置されている。なお、伸縮目印部55は、平面視にて、伸縮性部材の少なくとも一部と重なっていればよい。伸縮性部材は、胴回り方向W及び交差方向Zの少なくとも一方に伸縮し、ペットの身体に密着するように装着される。伸縮性部材と重なる領域に伸縮目印部55が配置されているため、使用者は、身体に密着する伸縮性部材の位置を把握でき、適切な位置に伸縮性部材を配置できる。
【0072】
図6に示すように、目印部50は、境界目印部56を有してよい。具体的には、裏面フィルム21には、第1装飾部27と、第1装飾部27と異なるデザインの第2装飾部28と、が印刷されている。第1装飾部27と第2装飾部28の境界は、境界目印部56を構成する。第1装飾部27は、吸収コア30と重なる領域に配置され、第2装飾部28は、吸収コアと重ならない領域に配置されている。本実施の形態の境界目印部56は、吸収コア30の交差方向Zの端縁に沿って設けられるとともに、吸収コア30の胴回り方向Wの端縁に沿って設けられている。本態様によれば、第1装飾部27と第2装飾部28の2つのデザインによって装飾性を高めつつ目印部による位置合わせも行うことができる。
【0073】
ペット用おむつ1Xは、本体部2Xの交差方向Zの外端縁を指標する端縁目印部57を有してよい。端縁目印部57は、本体部2Xの交差方向Zにおける外端縁の位置を指標する。端縁目印部57を有することにより、本体部2Xの交差方向Zの外端縁を適切に配置することができ、本体部2X全体を適切な巻き付け態様で装着でき、フィット性を向上できるとともに、締め付け過ぎることに起因する違和感を低減できる。端縁目印部57は、本体部2Xの交差方向Zにおける外端縁の位置決めの目安になる目印部であればよい。具体的には、端縁目印部57は、本体部2Xの交差方向Zの一方の外端縁2X1を合わせるべき位置を示す第1端縁目印部571であってもよいし、本体部2Xの交差方向Zの他方の外端縁2X2を合わせるべき位置を示す第2端縁目印部(図示せず)であってもよいし、本体部2Xの交差方向Zの外端縁を適切に配置した状態であるかを判別できる第3端縁目印部573であってもよい。第1端縁目印部571は、本体部2Xの交差方向Zの一方の外端縁2X1を本体部2Xの交差方向Zの他方の外端縁2X2よりも交差方向Zの内側に装着する態様において機能する。また、第2端縁目印部は、本体部2Xの交差方向Zの他方の外端縁2X2を本体部2Xの交差方向Zの一方の外端縁2X1よりも交差方向Zの内側に装着する態様において機能する。本実施の形態のおむつ1Xは、本体部2Xの交差方向Zの一方の外端縁2X1を本体部2Xの交差方向Zの他方の外端縁2X2よりも交差方向Zの内側に装着することが適切であり、第1端縁目印部571を有している。
【0074】
図7に示すように、第3端縁目印部573は、本体部2Xの一方の外端縁2X1側と、本体部2Xの他方の外端縁2X2側と、のそれぞれに配置されている。第3端縁目印部573は、本体部2Xの交差方向Zの外端縁を適切に配置した状態において、一方の外端縁2X1側に配置された目印部と他方の外端縁2X2側に配置された目印部とが交差方向Zに一致するように構成されてよい。ペット用おむつによっては、本体部2Xの交差方向Zにおける両方の外端縁どうしを一致させるように装着すると、ペットの身体の形状にフィットしないことがある。このような場合に、端縁目印部57を設けることにより、本体部2Xの交差方向Zにおける両方の外端縁をずらして装着でき、ペットの身体の形状にフィットされ易い。例えば、着用者の腹側から股下を通って背側を覆うように装着される乳幼児用のおむつにあっては、縦方向の装着位置をずらすことができ、一般的に、交差方向の一端と他端が一致するように装着される。しかし、尻尾穴部を有するペット用のおむつは、縦方向の装着位置をずらし難く、ペットの身体に沿わせると、交差方向の一端と他端が一致しないことがある。このとき、使用者が、交差方向の一端と他端が一致するように装着すると、腹側が突っ張ったり、腹側がたるんだりする不具合が生じることがある。しかし、本実施形態によれば、ペットに適切に装着された状態における目印部の位置関係に基づいて、適切な位置に装着し続けることができる。
【0075】
複数の目印部50のうち少なくとも一つの目印部50は、一対の脚回り開口部65によって挟まれた領域に配置されてよい。ペットの腹側から股下を通って背側まで覆うように着用されるおむつにあっては、腹側の脚の付け根から背側に向かって延びるライン(
図7のFL)に沿って接合部40Xを止めることが好ましい。腹側の脚の付け根から背側に向かって延びるラインに沿って接合部40Xを止めることにより、脚回りがフィットし、漏れやずれを抑制できる。脚回り開口部によって挟まれた領域に目印部50を設けることにより、脚回りに沿った領域において目印部50に基づいて接合部40Xを止着することができる。
【0076】
端縁目印部57は、本体部2Xの交差方向Zの外端縁から一定の領域内に配置されてよい。具体的には、本体部2Xの交差方向Zの外端縁から足の付け根(足とお尻の境界)までの第1領域(
図6に示すR11)内に配置されていてもよい。第1領域R11の交差方向Zの内端縁は、足の付け根に合わせる部分である。使用者は、足の付け根に対して位置合わせする際に、端縁目印部57を認識し易い。好適には、端縁目印部57は、本体部2Xの交差方向Zの外端縁から足と腰の境界までの第2領域(
図6に示すR12)内に配置されてよい。第2領域R12の交差方向Zの内端縁は、腰と足の境界に合わせる部分である。使用者は、腰周りに対して位置合わせする際に、端縁目印部57を認識し易い。また、第1領域R11及び第2領域R12は、足の動きに対する位置ズレが生じ難い領域であり、一旦おむつが装着された後の位置ズレが少ない。使用者は、位置の変化が少ない端縁目印部57を目印として、おむつの位置ズレを直すことができる。より好適には、端縁目印部57は、ファスニングテープ90が配置された第3領域(
図6に示すR13)内に配置されてよい。第3領域R13は、交差方向Zにおけるファスニングテープ90の外端縁間に延びる領域である。使用者は、ファスニングテープ90を把持して接合部40Xを止着する際に端縁目印部57を認識し易い。
【0077】
次いで、
図8に基づいて、第3実施形態に係るペット用おむつ1Yについて説明する。
図8は、第3実施形態に係るペット用おむつ1Yの非肌面側から見た平面図である。ペット用おむつ1Yの目印部以外の構成は、第2実施形態のおむつ1Xと同様であり、同符号を用いて説明を省略する。第3実施形態に係るペット用おむつ1Yは、目印部として、領域目印部58を有する。領域目印部は、本体部2Xの交差方向Zに延びる一定の領域の装着位置を示すように構成されている。
【0078】
領域目印部58は、本体部2Xの交差方向Zの外端縁から足の付け根(足とお尻の境界)までの第1領域R11の装着位置を示すように構成された第1領域目印部581を有してよい。第1領域目印部581は、本体部2Xの交差方向Zの一方側に設けられており、本体部2Xの交差方向Zの他方側に位置する第1領域R11の装着時の位置を示してもよいし、本体部2Xの交差方向Zの他方側に設けられており、本体部2Xの交差方向Zの一方側に位置する第1領域R11の装着時の位置を示してもよい。第1領域目印部581によれば、本体部2Xの交差方向Zの一端側と他端側の位置合わせを行うことができる。加えて、第1領域目印部581に基づいて、ペットの足の付け根に対するおむつの位置合わせを行うことができる。
【0079】
領域目印部58は、本体部2Xの交差方向Zの外端縁から足と腰の境界までの第2領域R12の装着位置を示す第2領域目印部582を有していてもよい。第2領域目印部582は、本体部2Xの交差方向Zの一方側に設けられており、本体部2Xの交差方向Zの他方側に位置する第2領域R12の装着時の位置を示してもよいし、本体部2Xの交差方向Zの他方側に設けられており、本体部2Xの交差方向Zの一方側に位置する第2領域R12の装着時の位置を示してもよい。第2領域目印部582によれば、本体部2Xの交差方向Zの一端側と他端側の位置合わせを行うことができる。加えて、第2領域目印部582に基づいて、ペットの足と腰に対するおむつの位置合わせを行うことができる。
【0080】
領域目印部58は、ファスニングテープ90の装着位置を示す第3領域目印部583を有していてもよい。第3領域目印部583は、本体部2Xのファスニングテープ90が止められる側に設けられている。第3領域目印部583によれば、本体部2Xの交差方向Zの一端側と他端側の位置合わせを行うことができる。加えて、第3領域目印部583に基づいて、ターゲット部45とファスニングテープ90の相対位置を交差方向Zにおいて適切に配置できる。
【0081】
次いで、第4実施形態に係るペット用おむつ1Zについて説明する。第4実施形態に係るペット用おむつ1Zは、第1実施の形態のペット用おむつと同様に、腰周りに巻き付けるように装着される。
図9は、第4実施形態に係るペット用おむつ1Zの非肌面側から見た平面図である。本体部2は、本体部2の胴回り方向Wの一端部である本体第1端部R21と、本体部2の胴回り方向Wの他端部である本体第2端部R22と、を有する。本体第1端部R21は、胴回り方向Wにおける本体部2の一端縁2WE1から胴回り方向Wの内側に延びる領域であり、本体部2の一端縁2WE1と吸収コア30の一端縁30WE1との間の領域であってよい。本体第2端部R22は、胴回り方向Wにおける本体部2の他端縁2WE2から胴回り方向Wの内側に延びる領域であり、本体部2の他端縁2WE2と吸収コア30の他端縁30WE2との間の領域であってよい。本体第1端部R21には、接合部40が設けられている。接合部40は、本体第2端部R22に係止可能に構成されており、本体第1端部R21と本体第2端部R22とを接合する。
【0082】
本体部2は、裏面シート20と吸収コア30の間に配置され、水分の接触により変色するインジケータ70を有する。インジケータ70は、裏面シート20としての裏面フィルム21と吸収コア30との間に配置されてよい。インジケータ70は、胴回り方向Wに延びている。インジケータ70は、吸収コア30の胴回り方向Wの中央を跨いで配置されており、着用時にペットの腹に当たる部分に少なくとも配置される。インジケータ70は、
図9に示すように、胴回り方向Wに延びる直線状であってもよいし、胴回り方向Wに間隔を空けて配置されてインジケータ構成部の集合体であってもよい。インジケータ70は、胴回り方向Wに延びる直線状である。インジケータ70は、本実施の形態のように1本であってもよいし、交差方向Zに間隔を空けて複数本配置されてもよい。
【0083】
胴回り方向Wにおいて、インジケータ70の長さは、本体部2の本体第2端部側の他端縁2WE2と、接合部40と、の間に延びる製品領域R100の長さに対する50%以上である。製品領域R100は、本体部2の本体第2端部側の他端縁2WE2と、接合部40の胴回り方向Wの内端縁と、の間において胴回り方向Wに延びる領域である。第4実施形態のペット用おむつ1Zは、ペットの胴回りに沿って巻き付けられるように構成され、胴回り方向Wに沿ってインジケータ70が配置されている。体液は、腹部に排出され、腹部においてインジケータ70が反応する。しかし、ペットが四つん這いで立った状態では、使用者(飼い主)が腹部を視認し難く、インジケータ70の呈色反応を確認できないことがある。しかし、インジケータ70は、製品領域R100に対する50%以上であり、緩めにペット用おむつ1Zを巻き付けた状態における胴回り方向の50%以上に配置されている。よって、着用状態においてペットの腹部のみならず側部にもインジケータ70が配置され、使用者が着用時にインジケータ70を視認し易い。
【0084】
本体部2は、製品領域R100を胴回り方向Wに四等分した領域を有する。四等分した領域は、最も本体第1端部側に位置する第1製品領域R101と、最も本体第2端部側に位置する第2製品領域R102と、第1製品領域R101に隣接する第3製品領域R103と、第2製品領域R102に隣接する第4製品領域R104と、を有する。インジケータ70は、第1製品領域R101と第2製品領域R102のうち少なくとも一方に配置されてよい。第1製品領域R101と第2製品領域R102は、着用時にペットの側部や背部に配置され易い。当該領域にインジケータ70を配置することで、着用時におけるインジケータ70の視認性をより向上できる。また、本体部2における胴回り方向Wの端部側までインジケータ70が延びているため、尿の胴回り方向Wの拡散状況が視認し易く、体液の漏れを抑制できる。
【0085】
インジケータ70は、第1製品領域R101と第2製品領域R102の両方に配置されてよい。足を上げて尿をする場合は、重力の影響で第1製品領域R101あるいは第2製品領域R102に尿が拡散しやすい。犬によってどちらの足を良く上げるかが異なるため、両方に配置することで漏れ防止を実現できる。また、インジケータ70は、第3製品領域R103及び第4製品領域R104の両方に配置されてよい。第3製品領域R103及び第4製品領域R104は、ペットの腹部に配置され、体液が導かれ易いためである。インジケータ70は、第3製品領域R103と第1製品領域R101を跨っていてもよいし、第4製品領域R104と第2製品領域R102を跨っていてもよい。このように複数の領域を跨って配置されていることにより、インジケータ70によって体液の拡散態様をより把握し易い。
【0086】
胴回り方向Wにおいて、インジケータ70の長さは、吸収コア30の長さに対する50%以上であってよい。インジケータ70は、吸収コア30と重なる領域に配置されている。好適には、胴回り方向Wにおいて、吸収コア30と重なる領域内において、インジケータ70の長さは、吸収コア30の長さに対する50%以上であってよい。ペットの胴回り方向Wに巻きつけるおむつにあっては、吸収コア30が配置された領域は、着用中に視認し難い。吸収コア30がない部分まで体液が拡散すると、背中の毛濡れに繋がる可能性がある。吸収コアの50%以上拡散した場合に、視認可能にすることで交換タイミングがわかり、毛濡れや漏れを防ぐことができる。好ましくは、胴回り方向Wにおいて、インジケータ70の長さは、吸収コア30の長さに対する80%以上であってよく、より好適には、吸収コア30と重なる領域内において、胴回り方向Wにおいて、インジケータ70の長さは、吸収コア30の長さに対する80%以上であってよい。当該構成によれば、吸収コア30の胴回り方向Wの端縁まで体液が拡散していることを把握できる。
【0087】
裏面シート20は、印刷が施された印刷領域R1と、印刷が施されていない非印刷領域R2と、を有する。印刷領域R1は、平面視にて、裏面フィルム21及び裏面不織布22の少なくともいずれかに印刷が施された領域である。非印刷領域R2は、平面視にて、裏面フィルム21及び裏面不織布22の両方に印刷が施されていない領域である。インジケータ70の少なくとも一部は、非印刷領域R2と重なる領域に配置されている。インジケータ70の全域が印刷領域R1に重なっていると、印刷によってインジケータ70の視認性を確保し難いおそれがある。しかし、インジケータ70の少なくとも一部は、裏面シート20の印刷の影響を受けず、インジケータ70の視認性を確保し易い。好ましくは、インジケータ70の面積の50%以上は、非印刷領域R2と重なる領域に配置されてよい。インジケータ70の面積の50%以上は、裏面シート20の印刷の影響を受け難い。よって、インジケータ70の視認性を高めることができる。
【0088】
インジケータ70は、非印刷領域R2と印刷領域R1が隣接した境界を跨がって配置されてよい。印刷領域R1と非印刷領域R2では、インジケータ70の視認性が異なる。インジケータ70の見え方を部分的に異ならせることにより、インジケータ70の呈色反応の態様、すなわち、どの部分まで体液が拡散したかを把握し易くなる。本実施の形態の非印刷領域R2は、印刷領域R1によって四方を囲まれている。非印刷領域R2と印刷領域R1が隣接した境界は、平面視にて胴回り方向が長尺の長方形状である。インジケータ70は、非印刷領域R2と印刷領域R1が隣接した境界のうち、非印刷領域R2の胴回り方向Wの両端に位置する境界を跨って配置されている。
【0089】
次いで、第5実施形態に係るペット用おむつ1Vについて説明する。第5実施形態に係るペット用おむつ1Vは、第2実施形態のペット用おむつと同様に、ペットの腹側から股下を通って背側まで覆うように着用される。
図10は、第5実施形態に係るペット用おむつ1Vの非肌面側から見た平面図である。ペット用おむつ1Vは、ペットの尻尾を挿通可能な尻尾穴部60を有する。本体部2は、裏面シート20と吸収コア30の間に配置され、水分の接触により変色するインジケータ70を有する。インジケータ70は、裏面シート20としての裏面フィルム21と吸収コア30との間に配置されてよい。インジケータ70は、交差方向Zに延びている。インジケータ70は、吸収コア30の交差方向Zの中央を跨いで配置されており、着用時にペットの腹に当たる部分に少なくとも配置される。インジケータ70は、
図10に示すように、交差方向Zに延びる直線状であってもよいし、交差方向Zに間隔を空けて配置されてインジケータ構成部の集合体であってもよい。本実施の形態のインジケータ70は、交差方向Zに延びる直線状である。インジケータ70は、本実施の形態のように1本であってもよいし、胴回り方向Wに間隔を空けて複数本配置されてもよい。
【0090】
ペット用おむつ1Vは、交差方向Zにおいて吸収コア30と尻尾穴部60が離間した離間領域R50を有する。インジケータ70は、吸収コア30と重なるコア領域と離間領域R30を跨がって配置されている。コア領域は、平面視にて吸収コア30が配置された領域である。仮に尻尾穴部60に体液が到達すると尻尾穴部を介して体液が漏れるおそれがある。しかし、コア領域と離間領域R50を跨がってインジケータ70が配置されているため、体液が吸収コア30を越えて拡散していることを検知でき、体液の漏れを抑制できる。なお、本実施の形態の吸収コア30は、尻尾穴部60よりも本体部2Xの交差方向Zの一方の外端縁2X1側(接合部側)のみに配置されている。そのため、離間領域R50は、尻尾穴部60に対して交差方向Zの一方側のみに配置される。より詳細には、離間領域R50は、尻尾穴部60の外端縁2X1側の端縁と、吸収コア30の外端縁2X2側の端縁と、の間に延びる。しかし、変形例において、吸収コア30が、尻尾穴部60よりも外端縁2X1側のみならず、尻尾穴部60よりも外端縁2X2側にも配置されている形態にあっては、離間領域R50は、尻尾穴部60に対して交差方向Zの両側に配置される。複数の離間領域R50を有する形態にあっては、いずれかの離間領域R50にインジケータ70が配置されていればよい。
【0091】
交差方向Zにおいて、インジケータ70は、離間領域R50の50%以上に配置されてよい。当該態様によれば、インジケータ70によって離間領域R50における体液の拡散状況をより適切に把握できる。また、インジケータ70は、尻尾穴部60と重なる穴部領域R60と離間領域R50を跨がって配置されてよい。穴部領域R60は、尻尾穴部60の外形を繋いだラインよりも内側の領域であり、
図10において斜線を付して示す。本態様によれば、尻尾穴部60と重なる領域に体液が到達したことを検知でき、尻尾穴部60を介して体液が漏れることをより抑制できる。
【0092】
第5実施形態に係るインジケータ70は、第4実施形態に係るインジケータと同様に、非印刷領域R2に重なるように配置されている。インジケータ70の面積の50%以上は、非印刷領域R2と重なる領域に配置されてよい。インジケータ70は、非印刷領域R2と印刷領域R1が隣接した境界を跨がって配置されてよい。
【0093】
次いで、このように構成されたペット用おむつの製造方法の一例について説明する。ペット用おむつの製造方法は、シート材が連続した連続シート体を搬送するシート搬送工程と、連続シート体に印刷を施し、目印部50を設ける目印付与工程と、目印部50を有する連続シート体に対して吸収コア30を積層する吸収コア積層工程と、を有してよい。
【0094】
シート材が連続した連続シート体を搬送するシート搬送工程は、表面シート10、裏面シート及びコアラップのいずれかを構成するシート材が連続した連続シート体を搬送する。目印付与工程は、連続シート体に目印部50を付与する。目印部50の付与は、印刷によって行ってもよいし、エンボス加工によって行ってもよい。コア積層工程は、連続シート体の目印部50の位置を検出する。目印部50の検出は、カメラ等の撮像手段によって目印部50の位置を検出してよい。コア積層工程は、目印部50の位置に基づいて吸収コア30の積層位置を調整する。吸収コア30の積層位置の調整は、吸収コア30と連続シート体との位置の調整である。具体的には、連続シート体の送り出し量を調整することによって、連続シート体と吸収コア30の搬送方向における位置を調整できる。また、搬送方向と直交する直交方向における連続シート体の側端に接する調整機構を設け、当該調整機構によって連続シート体の直交方向における位置を調整してもよい。このような製造方法によれば、目印部50と吸収コア30の相対位置を一定に保つことができる。よって、目印部50を基準としておむつを装着した際に、個々のおむつによって吸収コア30の装着位置がずれることを抑制できる。おむつ全体における目印部50の位置ずれを抑制することにより、目印部50による位置合わせの精度を向上できる。
【0095】
次いで、複数のペット用おむつが包装体に収容された収容体について説明する。収容体は、複数のペット用おむつと、当該複数のペット用おむつを収容する包袋体と、を有する。複数のペット用おむつは、裏面シートに第1装飾部が印刷された第1おむつと、第1装飾部と異なるデザインの第2装飾部が裏面シートに印刷された第2おむつを有する。なお、ここにおける第1装飾部及び第2装飾部は、2つのデザインが異なっていればよく、第2実施形態の第1装飾部及び第2装飾部と異なるデザインであってよい。本実施の形態では、裏面シートの裏面フィルムに第1装飾部又は第2装飾部が印刷されている。本実施形態によれば、第1装飾部及び目印部を有する第1おむつと、第2装飾部及び目印部を有する第2おむつと、によって装飾性を高めて使用者の注意を引きつけ、目印部の視認性を向上できる。第1装飾部及び第2装飾部は、目印部以外のデザインを有する部分であり、図柄や模様を有するデザインのみならず、色のみからなる背景色を含む。
【0096】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0097】
なお、2019年5月20日に出願された日本国特許出願第2019-094865の全内容が、参照により、本明細書に組み込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
適した位置に装着でき、排泄物の漏れを抑制できるペット用おむつを提供することができる。
【符号の説明】
【0099】
1、1X、1Y、1Z、1V:ペット用おむつ
2:本体部
10:表面シート
20:裏面シート
30:吸収コア
40:接合部
13:サイド伸縮性部材(伸縮性部材)
50:目印部
51:第1目印部
52:第2目印部
55:伸縮目印部
56:境界目印部
57:端縁目印部
58:領域目印部
R50:離間領域
R60:穴部領域
R100:製品領域
W:胴回り方向
Z:交差方向