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特許7180035揚げ物廃棄時期管理装置、揚げ物廃棄時期管理システム、および揚げ物廃棄時期管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】揚げ物廃棄時期管理装置、揚げ物廃棄時期管理システム、および揚げ物廃棄時期管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221121BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022527891
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2021019950
(87)【国際公開番号】W WO2021251139
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2020100255
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302042678
【氏名又は名称】株式会社J-オイルミルズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿本 健一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 涼平
(72)【発明者】
【氏名】井上 賀美
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086841(JP,A)
【文献】特開2020-057027(JP,A)
【文献】特開2017-089913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列棚に陳列される揚げ物の廃棄時期を管理する揚げ物廃棄時期管理装置であって、
前記陳列棚に陳列中の揚げ物の状態を検出する状態センサから出力されるデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部にてデータとして取得された揚げ物の状態と揚げ物の廃棄時期を判定する基準として予め設定された判定基準とに基づいて、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定する判定部と、
前記判定部にて前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っていると判定された場合に、当該判定結果を報知するための報知信号を報知装置に対して出力する報知部と、を含む
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の揚げ物廃棄時期管理装置であって、
機械学習によって揚げ物の廃棄時期を判定することが可能な学習モデルを作成する機械学習部をさらに含み、
前記機械学習部は、
前記判定部における判定結果に基づいて前記判定基準を推定し、推定された前記判定基準を用いて機械学習を行って前記学習モデルを作成し、作成された前記学習モデルに基づいて前記判定基準を更新する
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の揚げ物廃棄時期管理装置であって、
前記データ取得部にて取得されるデータは、前記陳列棚に陳列中の揚げ物の色調、大きさ、水分量、揮発性成分量、揮発性成分組成、酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、および極性化合物量を含む指標のうち、少なくとも一の前記指標に係るデータであって、
前記判定基準は、前記指標ごとに設定された基準値である
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の揚げ物廃棄時期管理装置であって、
前記データ取得部が前記陳列棚に陳列中の揚げ物の表面画像を色調に関するデータとして取得した場合に、前記表面画像から揚げ物の色成分を解析する解析部をさらに含む
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の揚げ物廃棄時期管理装置であって、
前記陳列棚に陳列中の揚げ物の種別を特定する特定部をさらに含み、
前記判定部は、
前記データ取得部にてデータとして取得された揚げ物の状態と、前記特定部にて特定された揚げ物の種別と、揚げ物の種別ごとに設定された前記判定基準と、に基づいて、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定する
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理装置。
【請求項6】
陳列棚に陳列される揚げ物の廃棄時期を管理する揚げ物廃棄時期管理システムであって、
前記陳列棚に陳列中の揚げ物の状態を検出する状態センサと、
前記陳列棚に陳列中の揚げ物の廃棄時期の管理を行う揚げ物廃棄時期管理装置と、
前記陳列棚に陳列中の揚げ物の廃棄が必要であることを報知する報知装置と、を備え、
前記揚げ物廃棄時期管理装置は、
前記状態センサから出力される揚げ物の状態を取得し、
取得された揚げ物の状態と揚げ物の廃棄時期を判定する基準として予め設定された判定基準とに基づいて、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定し、
前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っていると判定された場合に、当該判定結果を報知するための報知信号を報知装置に対して出力する
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の揚げ物廃棄時期管理システムであって、
前記状態センサにて検出されるデータは、前記陳列棚に陳列中の揚げ物の色調、大きさ、水分量、揮発性成分量、揮発性成分組成、酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、および極性化合物量を含む指標のうち、少なくとも一の前記指標に係るデータであって、
前記判定基準は、前記指標ごとに設定された基準値である
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の揚げ物廃棄時期管理システムであって、
前記揚げ物廃棄時期管理装置は、
前記陳列棚に陳列中の揚げ物の種別を特定し、
取得された揚げ物の状態と、特定された揚げ物の種別と、揚げ物の種別ごとに設定された前記判定基準と、に基づいて、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定する
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理システム。
【請求項9】
陳列棚に陳列中の揚げ物の状態を検出する状態センサと、前記陳列棚に陳列中の揚げ物の廃棄時期の管理を行う揚げ物廃棄時期管理装置と、前記陳列棚に陳列中の揚げ物の廃棄が必要であることを報知する報知装置と、を備えた揚げ物廃棄時期管理システムにより、前記陳列棚に陳列される揚げ物の廃棄時期を管理するための揚げ物廃棄時期管理方法であって、
前記状態センサが前記陳列棚に陳列中の揚げ物の状態を検出する検出ステップと、
前記揚げ物廃棄時期管理装置が、前記検出ステップにて検出された揚げ物の状態と揚げ物の廃棄時期を判定する基準として予め設定された判定基準とに基づいて、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っていると判定された場合に、前記報知装置が当該判定結果を報知する報知ステップと、を含む
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の揚げ物廃棄時期管理方法であって、
前記検出ステップでは、
前記揚げ物廃棄時期管理装置が、前記陳列棚に陳列中の揚げ物の色調、大きさ、水分量、揮発性成分量、揮発性成分組成、酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、および極性化合物量を含む指標のうち、少なくとも一の前記指標に係るデータを検出し、
前記判定ステップでは、
前記揚げ物廃棄時期管理装置が、前記指標ごとに設定された基準値を前記判定基準として、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定する
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の揚げ物廃棄時期管理方法であって、
前記揚げ物廃棄時期管理装置が前記陳列棚に陳列中の揚げ物の種別を特定する特定ステップをさらに含み、
前記判定ステップでは、
前記揚げ物廃棄時期管理装置が、前記検出ステップにて検出された揚げ物の状態と、前記特定ステップにて特定された揚げ物の種別と、揚げ物の種別ごとに設定された前記判定基準と、に基づいて、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定する
ことを特徴とする揚げ物廃棄時期管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列棚に陳列される揚げ物の廃棄時期を管理する揚げ物廃棄時期管理装置、揚げ物廃棄時期管理システム、および揚げ物廃棄時期管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗では、店舗内に備え付けられたフライヤーで揚げた揚げ物を顧客に販売することがある。揚げ物は、例えば、保温機能を備えた陳列棚であるホットショーケース(ホッターズやホットストッカー、保温庫などとも称される)内に陳列される。ホットショーケースは、揚げ物を販売に適した状態に維持しながら陳列させるために、陳列空間の状態を管理する機能を備える。特許文献1には、ホットショーケースの庫内温度を、陳列されている食品の保存温度範囲や顧客への最適提供温度範囲などの情報に基づいて、その食品に適した温度に設定または変更することができるショーケースの庫内温度設定装置が開示されている。
【0003】
ところで、ホットショーケースを含む陳列棚に陳列中の揚げ物の品質を維持するための管理指標には、様々な管理指標が考えられる。それらの管理指標の中で容易に計測可能な管理指標として、「揚げ上がり時からの時間経過」がある。一般的に、揚げ物の風味は、時間経過に伴って低下していくことが知られている。
【0004】
したがって、特許文献1に開示された技術を適用して、ホットショーケース内の庫内温度を揚げ物に適した温度になるよう管理を行った場合であっても、長時間に亘ってホットショーケース内に陳列され続けた揚げ物は、風味が損なわれて販売に向かない状態になる。そのため、時間経過に基づいて、ホットショーケース内に陳列中の揚げ物の販売停止時期の判断を行う必要がある。
【0005】
揚げ物の揚げ上がり後における販売停止タイミング、すなわち廃棄タイミングを適切に管理するには、店舗の従業員が揚げ上がり時刻を記録しておき、その時刻からの経過時間を計測し、そして、計測した経過時間が基準時間を超えているか否かを適時に判定して廃棄時期を逃さないようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-83602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、店舗の従業員の手作業による場合には、揚げ上がり時刻を誤って記録したり、揚げ上がり時刻からの経過時間の計測を間違えたり、少なからずミスを起こす可能性がある。また、一般的に、陳列棚に陳列される揚げ物は、多品種かつ揚げ方の種類も様々である。これら多種多様な揚げ物に適した廃棄時期の管理を店舗の従業員が手作業で行うことは、煩雑でありミスにもつながりやすい。このような店舗の従業員の手作業による揚げ物の廃棄時期の管理において、特に精度での課題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、陳列棚に陳列された揚げ物の廃棄時期の管理精度を向上させる揚げ物廃棄時期管理装置、揚げ物廃棄時期管理システム、および揚げ物廃棄時期管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、陳列棚に陳列される揚げ物の廃棄時期を管理する揚げ物廃棄時期管理装置であって、前記陳列棚に陳列中の揚げ物の状態を検出する状態センサから出力されるデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部にてデータとして取得された揚げ物の状態と揚げ物の廃棄時期を判定する基準として予め設定された判定基準とに基づいて、前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っているか否かを判定する判定部と、前記判定部にて前記陳列棚に陳列中の揚げ物が廃棄時期に至っていると判定された場合に、当該判定結果を報知するための報知信号を報知装置に対して出力する報知部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、陳列棚に陳列された揚げ物の廃棄時期の管理精度を向上させることができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ホットショーケースの一構成例を示す斜視図である。
図2】官能評価で得られた時間経過に対する劣化風味の推移を示すグラフである。
図3】揚げ物廃棄時期管理システムの一構成例を示すシステム構成図である。
図4】揚げ物廃棄時期管理装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
図5】官能評価で得られた経過時間に対する揚げ物の色の濃さの推移を示すグラフである。
図6】ホットショーケース内を背面側から見た平面図である。
図7】ホットショーケース内に陳列中のフライドチキンを静止画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
図8】ホットショーケース内に陳列中のフライドチキンを動画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
図9】ホットショーケース内に陳列中のコロッケを静止画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
図10】ホットショーケース内に陳列中のコロッケを動画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
図11】揚げ物廃棄時期管理装置が有する機能を示す機能ブロック図である。
図12】揚げ物廃棄時期管理装置で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図13】モニタの一表示例を示す図である。
図14】官能評価で得られた経過時間に対する揚げ物の衣のべたつきの推移を示すグラフである。
図15】ホットショーケース内の所定の段の底面を上方から見た平面図である。
図16】官能評価で得られた経過時間に対する揚げ物のニオイの強度の推移を示すグラフである。
図17】ホットショーケース内の所定の段の天面に相当する部分を下方から見た上面図であって、天面部分に取り付けられた複数のにおいセンサを示す図である。
図18】ホットショーケース内の所定の段の天面に相当する部分を下方から見た上面図であって、天面部分に取り付けられた複数の近赤外センサを示す図である。
図19】ホットショーケース内に陳列中のフライドチキンの衣に含まれる水分量の時間変化を示すグラフである。
図20】ホットショーケース内に陳列中のフライドチキンのサクサク感および衣のべたつきの時間変化を示すグラフである。
図21】ホットショーケース内に陳列中のフライドチキンを静止画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
図22】ホットショーケース内に陳列中の3つのフライドチキンを静止画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する平均面積の推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の各実施形態に係る揚げ物廃棄時期管理システムは、例えば、コンビニエンスストアなどの小規模店舗の会計場所の近傍に設置されるホットショーケースや、スーパーマーケットなどの総菜売場(食品売場)に設置されるショーケースなどの陳列棚に陳列される揚げ物(例えば、フライドチキンやコロッケ、フライドポテトなど)の廃棄時期を管理するシステムである。
【0013】
(ホットショーケース1の構成)
まず、陳列棚の一態様であるホットショーケース1の一構成例について、図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、ホットショーケース1の一構成例を示す斜視図である。
【0015】
ホットショーケース1は、例えばコンビニエンスストアなどの店舗内に備え付けられ、店舗内で調理された揚げ物が陳列される揚げ物用の陳列棚の一例である。ホットショーケース1の内部空間、すなわち揚げ物が陳列される陳列空間は、揚げ物の陳列環境を好適な条件で維持可能な適温に保たれており、より好適な状態の揚げ物を顧客に販売可能とするために管理されている。
【0016】
図1では、ホットショーケース1内に3つの棚11,12,13が設けられており、数種の揚げ物Xが、それぞれの棚11,12,13において複数個陳列されている。複数の揚げ物Xはそれぞれ、種類別に同一のトレイ2に並べられている。図1では、トレイ2は各棚11,12,13に3枚ずつ置かれているものを例示している。なお、以下の説明において、各棚11,12,13を区別するために、ホットショーケース1の上段の棚を1段目の棚11、中段の棚を2段目の棚12、下段の棚を3段目の棚13とする。
【0017】
(揚げ物廃棄時期管理システム3の全体構成)
次に、揚げ物廃棄時期管理システム3の全体構成について、図3および図4を参照して説明する。
【0018】
図3は、揚げ物廃棄時期管理システム3の一構成例を示すシステム構成図である。図4は、揚げ物廃棄時期管理装置4のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【0019】
揚げ物廃棄時期管理システム3は、図3に示すように、例えばコンビニエンスストアチェーンなどを構成する複数の店舗31にそれぞれ設置されたコントローラ311と、複数の店舗31を管轄する本部センター32に設置された管理サーバ321と、によって構成される。各コントローラ311と管理サーバ321とは、例えばインターネット回線などの通信ネットワークNを介して、直接的にまたは間接的に互いに情報通信可能に接続されている。
【0020】
各コントローラ311では、ホットショーケース1の管理に係る処理をはじめとして、店舗31に備えられた機器の管理に係る処理などが実行される。他方、管理サーバ321では、主に各店舗31の売り上げ管理に係る処理などが実行される。
【0021】
なお、図3において、各ホットショーケース1は、各コントローラ311に対して通信可能に接続されるものとする。この場合、通信手段としては、有線、無線を問わない。また、ホットショーケース1側は、各棚11,12,13に陳列されている揚げ物Xの状態を検出した場合に、その検出情報がコントローラ311を介して管理サーバ321に送信される機能を備えればよい。このとき、管理サーバ321への揚げ物Xの状態を示す情報の通信は、コントローラ311を介さずに、ホットショーケース1と直接的な通信によって実現されてもよい。
【0022】
図4に示すように、各コントローラ311はいずれも、CPU(Central Processing Unit)301と、RAM(Random Access Memory)302と、ROM(Read Only Memory)303と、HDD(Hard Disk Drive)304と、I/F(Interface)305と、を備える。これらの構成が、共通バス306を介してそれぞれ接続されている。
【0023】
CPU301は、演算手段であり、コントローラ311全体の動作を制御する。RAM302は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、例えばCPU301が画像情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM303は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。
【0024】
HDD304は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や後述する各種の情報処理を実行するための制御プログラムおよびアプリケーションプログラムなどが格納される。なお、HDD304は、不揮発性の記憶媒体として情報の格納および管理の機能を実現するものであれば、デバイスの種類は問わず、例えばSSD(Solid State Drive)などで代用することも可能である。
【0025】
I/F305は、通信ネットワークNとの接続インターフェースであって、センサなどの他の装置との情報通信を実現する通信モジュール307やユーザインターフェースを表示するモニタ308などが接続されている。
【0026】
モニタ308は、具体的には、ホットショーケース1の管理状況や陳列中の揚げ物Xの状態などを表示するものであり、例えばホットショーケース1の近くに設置される。なお、このモニタ308は、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの廃棄が必要であることを報知する報知装置の一態様である。
【0027】
このようなハードウェア構成を備える各コントローラ311は、ROM303に格納された制御プログラムや、HDD304などの記憶媒体からRAM302にロードされた制御プログラムおよびアプリケーションプログラムを、CPU301が備える演算機能によって処理機能を実現する情報処理装置である。これら情報処理の実行によって、各コントローラ311における種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、上述した構成を含むハードウェア資源との組み合わせによって、各コントローラ311の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0028】
なお、管理サーバ321も、各コントローラ311と同様のハードウェア構成を備えており、各構成は、それぞれが備える記憶媒体に記憶されている制御プログラムおよびアプリケーションプログラムの実行によって、管理サーバ321の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0029】
ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの廃棄時期の管理に対する具体的な情報処理は、揚げ物廃棄時期管理装置4が実行する。揚げ物廃棄時期管理装置4は、その機能の全部がコントローラ311側の店舗ソフトウェアまたは管理サーバ321側の本部ソフトウェアに実装されていてもよいし、店舗ソフトウェアと本部ソフトウェアとに機能を分散して実装されていてもよい。
【0030】
ここで、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの風味の劣化に関し、図2を参照して説明する。
【0031】
図2は、官能評価で得られた時間経過に対する揚げ物の劣化風味の推移を示すグラフである。
【0032】
図2において、横軸は、評価対象の揚げ物の揚げ上がり時刻からの経過時間を示し、縦軸は、揚げ物の風味を所定の評価ポイントに換算して、そのポイントの累積値を風味が劣化した度合いとする「劣化風味」としたものである。すなわち、劣化風味の値が低ければ揚げ物の劣化が少なく、好適な状態が維持されていると推測される。逆に、劣化風味の値が高ければ揚げ物の劣化が進行して廃棄時期に近づいていると推測される。したがって、劣化風味が所定の閾値を超えるか否かに基づいて、揚げ物が廃棄時期に至っているか否かの判定を行うことができる。
【0033】
図2に示すように、一般的に、揚げ物は、揚げ上がり時刻からの経過時間が長くなるにつれて劣化風味が増加する(風味の劣化が強くなる)。すなわち、図2に基づけば、揚げ物の風味は、時間の経過に伴って低下するといえる。したがって、ホットショーケース1内に陳列中の複数の揚げ物Xのうち、揚げ上がり時から所定の時間が経過したものについては、風味が低下して顧客への販売に向かない状態になっていると推測可能であるため、所定の経過時間に至った揚げ物は廃棄対象となる。
【0034】
そこで、揚げ物廃棄時期管理装置4は、揚げ物Xの風味の低下に応じて変化する指標に基づいて揚げ物Xの廃棄時期を管理する。廃棄時期の管理に用いる指標としては、揚げ物Xの状態を把握することに機能することが確認されている指標であって、例えば、揚げ物Xの色調、大きさ、水分量、揮発性成分量、揮発性成分組成、酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、および極性化合物量を含む。以下では、各指標を用いた場合の揚げ物廃棄時期管理システム3の構成について、実施形態ごとに説明する。
【0035】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る揚げ物廃棄時期管理システム3について、図5~13を参照して説明する。
【0036】
図5は、官能評価で得られた経過時間に対する揚げ物の色の濃さの推移を示すグラフである。図6は、ホットショーケース1内を背面側から見た平面図である。
【0037】
図5において、横軸は、評価対象の揚げ物の揚げ上がり時刻からの経過時間を示し、縦軸は、揚げ物の「色の濃さ」を指標化した値を示している。
【0038】
図5に示すように、揚げ物は、揚げ上がり時からの経過時間が長くなるにつれて表面の色の濃さを示す指標が増加する。すなわち、揚げ物は、時間の経過に応じて表面の色が濃くなる傾向を示す。ここで、図2に示した「劣化風味」も、揚げ上がり時刻からの経過時間が長くなるにつれて、その値が増加する。したがって、揚げ物の表面の色の濃さと揚げ物の風味の低下との間には相関がある。
【0039】
そこで、本実施形態では、揚げ物廃棄時期管理装置4は、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの色調を揚げ物Xの状態を示す指標として用いることで、揚げ物Xの色調の変化に基づいて揚げ物Xが廃棄時期に至っているか否かを判定する。
【0040】
本実施形態では、図6に示すように、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの状態を検出する状態センサとして、静止画および動画を撮影することが可能なカメラ5を利用する。揚げ物廃棄時期管理装置4は、各カメラ5で撮影された静止画または動画から個別の揚げ物Xの表面画像を特定し、表面画像を構成する画素(各ピクセル)のRGB値を算出し、これらRGB値を各揚げ物Xの色成分として解析する。
【0041】
なお、各揚げ物Xの色の解析方法は必ずしもRGB法である必要はなく、その他の解析方法として、例えば、各カメラ5で撮影された静止画または動画の波長解析を行ってもよい。また、動画の場合には、予め規定するサンプリング時間において動画から静止画を抽出し、その静止画を解析対象として、所定の経過時間に対応する各揚げ物Xの色成分を解析する。
【0042】
なお、図6において、カメラ5は、ホットショーケース1内に複数取り付けられており、各棚11,12,13に陳列されている複数の揚げ物Xの個々を画像として取得できる状態に設置されている。例えば、複数のカメラ5は、各トレイ2の中央部上方の天面部にそれぞれ取り付けられている。しかし、複数のカメラ5は、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの全てを画角に収めることが可能であれば、取付位置や数については特に制限はない。また、カメラ5は、必ずしも静止画または動画の両方を撮影することが可能なカメラでなくともよく、例えばスチルカメラなど静止画のみを撮影することが可能なカメラであってもよい。
【0043】
次に、出願人が、カメラ5を用いて得られる揚げ物Xの画像と同様の画像を用いて、揚げ物Xの経時的な「色の濃さ」を確認するための色成分(R成分、G成分、B成分)ごとの解析を行い、その経時的な傾向を実験的に確認した例を、図7~10に示すグラフを参照して説明する。
【0044】
なお、図7A図8A図9A、および図10Aは経過時間に対するR成分の傾向を、図7B図8B図9B、および図10Bは経過時間に対するG成分の傾向を、図7C図8C図9C、および図10Cは経過時間に対するB成分の傾向を、それぞれ示している。
【0045】
図7A~Cは、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンを静止画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
【0046】
図7A~Cに示すように、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンの静止画から色成分を解析した場合、揚げ上がり時(=0h)から2時間経過後(=2h)では、R成分、G成分、およびB成分のすべてが減少している。そして、揚げ上がり時から4時間、6時間、7時間と時間経過が進むにつれて、R成分、G成分、およびB成分のすべてにおいて、全体的な減少傾向が見られる。
【0047】
図8A~Cは、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンを動画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
【0048】
図8A~Cに示すように、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンの動画から色成分を解析した場合、揚げ上がり時(=0h)から2時間経過後(=2h)では、R成分は減少しているが、他方、G成分およびB成分は増加している。
【0049】
そして、R成分は、フライドチキンの静止画から色成分を解析した場合と同様に、揚げ上がり時から4時間、6時間、7時間経過するにつれて、全体として減少する傾向が見られる。一方、G成分は、揚げ上がり時から4時間経過後では、揚げ上がり時および2時間経過後における含量よりも減少しており、揚げ上がり時から7時間経過後では、さらに減少している。また、B成分は、揚げ上がり時から4時間、6時間、7時間と時間経過が進むにつれて、全体として僅かながら増加する傾向が見られる。
【0050】
図9A~Cは、ホットショーケース1内に陳列中のコロッケを静止画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
【0051】
図9A~Cに示すように、ホットショーケース1内に陳列中のコロッケの静止画から色成分を解析した場合、揚げ上がり時(=0h)から2時間経過後(=2h)では、R成分は変化がないが、他方、G成分およびB成分は増加している。
【0052】
図10A~Cは、ホットショーケース1内に陳列中のコロッケを動画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。
【0053】
図10A~Cに示すように、ホットショーケース1内に陳列中のコロッケの動画から色成分を解析した場合、揚げ上がり時(=0h)から2時間経過後(=2h)では、R成分は減少しているが、他方、G成分およびB成分は、コロッケの静止画から色成分を解析した場合と同様に増加している。
【0054】
以上から、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xに対し、揚げ上がり時からの時間経過に伴う色調の変化の傾向(フライドチキンおよびコロッケでは、特に、揚げ上がり時から2時間経過後に顕著に現れた)に基づいて、揚げ物Xの廃棄時期を判定する基準値(基準RGB値)を予め設定することができる。
【0055】
なお、この判定基準値は、揚げ物Xの種別によらず所定の値に一律に設定してもよいし、揚げ物Xの種別ごとに異なる値に設定してもよい。例えば、図8および図10に示すように、動画から色成分を解析した場合には、フライドチキンとコロッケとで同じ傾向(R成分は減少し、G成分およびB成分は増加している)が見られるが、静止画から色成分を解析した場合には、フライドチキンとコロッケとで異なる傾向(フライドチキンではR成分、G成分、およびB成分のすべてにおいて減少しているが、コロッケではR成分は変化がなく、G成分およびB成分は増加している)が見られる。
【0056】
したがって、静止画から色成分を解析する場合には、基準値を揚げ物Xの種別によらず所定の値に設定してもよいが、動画から色成分を解析する場合には、基準値を揚げ物Xの種別ごとに異なる値に設定することで、揚げ物廃棄時期管理装置4は廃棄時期の判定をより精度よく行うことができる。
【0057】
(揚げ物廃棄時期管理装置4の機能構成)
次に、揚げ物廃棄時期管理装置4の機能構成について、図11~13を参照して説明する。
【0058】
図11は、揚げ物廃棄時期管理装置4が有する機能を示す機能ブロック図である。図12は、揚げ物廃棄時期管理装置4で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図13は、モニタ308の一表示例を示す図である。
【0059】
揚げ物廃棄時期管理装置4は、例えば、データ取得部41と、特定部42と、解析部43と、判定部44と、記憶部45と、報知部46と、機械学習部47と、を含む。
【0060】
データ取得部41は、各カメラ5が撮影したトレイ2ごとの複数の揚げ物Xの表面画像(静止画または動画)から、各揚げ物Xの色調に関するデータとして取得する。例えば、カメラ5が撮影した画像に含まれる各揚げ物Xの輪郭を抽出する画像処理を実行することで各揚げ物Xの画像領域を特定する。次に、特定した画像領域から所定の画素群を構成する解析領域を特定する。そして、特定された解析領域に含まれる各画素のR成分、G成分、B成分が取得される。
【0061】
なお、各画素のR成分、G成分、B成分の取得は、解析部43において取得されてもよい。また、解析領域は、揚げ物Xの画像領域の大きさによらず所定の画素数で設定してもよいし、画像領域に含まれる画素数に対して一定の割合でサンプリングした画素によって特定してもよい。
【0062】
特定部42は、データ取得部41で取得された各表面画像から抽出された個々の揚げ物Xの個別画像から個々の揚げ物Xの種別を特定する。特定部42での揚げ物Xの種別の特定は、基準となるサンプル画像と比較することにより行われる。なお、サンプル画像は記憶部45に記憶されている。その他、特定部42での揚げ物Xの種別の特定は、例えば、モニタ308が入力端末としての機能を有している場合に、モニタ308を介して店舗の従業員が揚げ物Xの種別を手入力することでも可能である。
【0063】
なお、揚げ物廃棄時期管理装置4は、必ずしも特定部42を含んでいる必要はなく、揚げ物Xの廃棄時期を判定する基準値が、揚げ物Xの種別によらず所定の値に設定されている場合には特定部42は不要である。
【0064】
解析部43は、各個別画像から個々の揚げ物Xの色成分(RGB値)を解析する。判定部44は、解析部43で解析された個々の揚げ物Xの色成分と、個々の揚げ物Xの種別と、個々の揚げ物Xの種別ごとに設定された判定基準値と、に基づいて、個々の揚げ物Xが廃棄時期に至っているか否かを判定する。判定基準値は、記憶部45に記憶されている。なお、本実施形態では、廃棄時期の管理に用いる指標として色成分(色調)を用いているため、判定基準値が色成分に係る基準値に設定されているが、その他の指標を用いる場合には、判定基準値は、その指標に係る基準値に設定される。
【0065】
なお、判定基準値が揚げ物Xの種別によらず所定の値に設定されている場合には、判定部44は、解析部43で解析された個々の揚げ物Xの色成分と、判定基準値と、に基づいて、個々の揚げ物Xが廃棄時期に至っているか否かを判定する。
【0066】
報知部46は、判定部44にて廃棄時期に至っていると判定された揚げ物Xがある場合に、その揚げ物Xを特定する情報を判定結果として報知するための報知信号をモニタ308に対して出力する。なお、判定結果としては、廃棄時期に至っていることを知らせる情報を出力する以外に、廃棄時期に至った揚げ物Xの判定に係る指標の種類や、当該指標の数値などを出力してもよい。報知部46において出力される情報(信号)は、揚げ物Xの廃棄を店舗の従業員などに促すことができる情報であれば、その種類および表現形式や報知形式が限定されるものではない。
【0067】
モニタ308は、報知部46からの報知信号に基づいて、ホットショーケース1内に陳列されている揚げ物Xの廃棄に係る状態を視認可能に表示する。例えば、図13に示すように、モニタ308には、上からホットショーケース1の1段目の棚11の陳列構成、2段目の棚12の陳列構成、3段目の棚13の陳列構成が、それぞれ表示されている。
【0068】
なお、図13に示すモニタ308の画面における各棚11,12,13の陳列構成は、図6に示す各棚11,12,13の陳列構成に対応している。例えば、図6において1段目の棚11の右列に配置されたトレイ2に置かれている3つの揚げ物X(アメリカンドッグ)の状況の表示としては、図13に示すモニタ308画面では、右上に1-R-1、1-R-2、1-R-3の番号がそれぞれ振られている。モニタ308画面における個々の揚げ物Xの番号の振り方は特に制限はないが、例えば、「棚の段(1段目・2段目・3段目)-列(左・真ん中・右)-トレイ2内での位置(1・2・3・・・9)」のように振ることができる。
【0069】
図13では、トレイ2内において、揚げ物Xが置かれていない位置を網掛けで表示している。そして、揚げ物廃棄時期管理装置4の判定部44にて廃棄時期に至っていると判定された揚げ物Xについては、報知部46から出力された報知信号に基づいて、モニタ308における該当する番号が点滅したり、表示色が変化したりする。また、揚げ物Xの廃棄時期の報知方法については、モニタ308の画面表示だけでなく、画面表示とともにブザーなどが鳴るようにしてもよい。図13では、廃棄時期に至っている揚げ物Xについて、その番号を太線で囲って示している。
【0070】
本実施形態では、揚げ物廃棄時期管理装置4は、機械学習によって揚げ物Xの廃棄時期を判定することが可能な学習モデルを作成する機械学習部47を含む。この機械学習部47は、判定部44における判定結果に基づいて判定基準を推定し、推定された判定基準を用いて機械学習を行って学習モデルを作成し、作成された学習モデルに基づいて記憶部45に記憶されている判定基準を更新する。これにより、判定部44における判定結果の精度が向上する。
【0071】
具体的には、機械学習部47は、記憶部45にすでに記憶されている基準値データ(説明変数)から、例えば、線形回帰、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、バギング、ブースティング、アダブースト、決定木、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、ディープラーニングの中でも畳み込みニューラルネットワーク(Convolurional Neural Network(CNN)、Recurrent Neural Network(RNN))、LSTM(Long Short-Term Memory)などにより、検量線(モデル式)を作成する。
【0072】
線形回帰(分析)の種別は、単回帰、重回帰、部分最小二乗(PLS:Partial Least Squares)回帰、直交射影部分最小二乗(OPLS:Orthogonal Partial Least Squares)回帰等があるが、これらから選ばれる1種以上を利用することができる。
【0073】
単回帰は、1つの目的変数を1つの説明変数で予測する手法であり、重回帰は、1つの目的変数を複数の説明変数で予測する手法である。また、(直交射影)部分最小二乗回帰は、少数の特徴量である主成分(説明変数のみの主成分分析で得られる)と目的変数の共分散が最大になるように主成分を抽出する手法である。(直交射影)部分最小二乗回帰は、説明変数の数がサンプルの数よりも多いとき、そして、説明変数の間の相関が高いときに適した手法である。
【0074】
機械学習部47における機械学習によって得られた検量線は、解析部43において解析された色成分に適用されることにより判定基準値を推定し、その結果を判定部44に対して提供することが可能となる。
【0075】
なお、機械学習部47における学習モデルの生成は、データを作成し入力するユーザ単位で実行されてもよい。この場合、学習モデルを利用して揚げ物Xの廃棄時期の判定を行うときは、各ユーザが自らのデータの提供により生成された学習モデルのみを利用する。これによって、各ユーザのホットショーケース1内の環境に特化した廃棄時期判定を行うことができる。
【0076】
また、機械学習部47における学習モデルの生成は、データを作成し入力するユーザ単位を区別することなく行ってもよい。この場合、より大量のデータを利用して学習モデルを生成できる。そして、生成された学習モデルを利用するときには、各ユーザ単位で予め規定する特性(揚げ物Xの種別など)および色成分を入力データとして、揚げ物Xの廃棄時期を判定する。これによって、複数のユーザのホットショーケース1内の環境に基づいて、より大量の機械学習をした学習モデルを利用して、精度の高い廃棄時期判定を行うことができる。
【0077】
また、機械学習部47は、揚げ物Xの廃棄時期を判定することが可能な学習モデルの作成のみならず、揚げ物Xの種別を特定することが可能な学習モデルを作成することも可能である。この場合、特定部42における揚げ物Xの種別の特定の精度がより向上する。
【0078】
図12に示すように、揚げ物廃棄時期管理装置4は、まず、データ取得部41が、検出ステップにて各カメラ5により検出されて出力されたトレイ2ごとの揚げ物Xの表面画像(トレイ2に陳列中の揚げ物Xの状態)を取得する(ステップS401)。
【0079】
次に、揚げ物廃棄時期管理装置4は、ステップS401において取得された各表面画像から個々の揚げ物Xの個別画像を抽出した上で(ステップS402)、特定部42が各個別画像から個々の揚げ物Xの種別を特定する(ステップS403;特定ステップ)。
【0080】
次に、解析部43は、ステップS402において抽出された各個別画像から個々の揚げ物Xの色成分(RGB値)を解析する(ステップS404)。続いて、判定部44は、個々の揚げ物Xについて、ステップS404において解析された色成分とステップS403において特定された種別に係る判定基準値とを比較して、廃棄時期に至っているか否かを判定する(ステップS405;判定ステップ)。
【0081】
ステップS405において廃棄時期に至っていると判定された揚げ物Xについては(ステップS405/YES)、報知部46が、廃棄時期であることを知らせるための報知信号をモニタ308へ出力する(ステップS406)。これにより、モニタ308は、廃棄時期に至っているとの判定結果を報知する(報知ステップ)。一方、ステップS405において廃棄時期に至っていないと判定された揚げ物Xについては(ステップS405/NO)、ステップS401に戻って処理を繰り返す。
【0082】
また、本実施形態では、ステップS405において廃棄時期に至っていると判定された場合に(ステップS405/YES)、機械学習部47は、その判定結果に基づいて判定基準値を推定する(ステップS407)。続いて、機械学習部47は、ステップS407において推定された判定基準を用いて機械学習を行い、学習モデルを作成する(ステップS408)。そして、機械学習部47は、ステップS408において作成された学習モデルに基づいて記憶部45に記憶されている判定基準値を更新する(ステップS409)。ステップS406およびステップS409の処理が実行されると、揚げ物廃棄時期管理装置4における処理が終了する。
【0083】
このように、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xに対し、揚げ上がり時からの経過時間に伴った状態の変化を示す指標(本実施形態では色調)に基づいて揚げ物Xの廃棄時期を判定することにより、店舗31の従業員が手作業により廃棄時期を管理する場合と比べて、精度の高い管理を行うことができる。
【0084】
なお、本実施形態では、揚げ物廃棄時期管理装置4は、各カメラ5で撮影された揚げ物Xの表面画像を揚げ物Xの色調に関するデータとして取得したが、これに限らず、例えば色差計を用いて検出されたデータを揚げ物Xの色調に関するデータとして取得してもよい。
【0085】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る揚げ物廃棄時期管理装置4について、図14~20を参照して説明する。
【0086】
第1実施形態に係る揚げ物廃棄時期管理装置4では、揚げ物Xの色調(色成分)を指標として廃棄時期を判定したが、本実施形態では、その他の揚げ物Xの状態を示す指標を用いた場合について説明する。
【0087】
図14は、官能評価で得られた経過時間に対する揚げ物の衣のべたつきの推移を示すグラフである。図14において、横軸は、評価対象の揚げ物の揚げ上がり時刻からの経過時間を示し、縦軸は、揚げ物の
「衣のべたつき」を指標化した値を示している。
【0088】
図14に示すように、揚げ物は、揚げ上がり時からの経過時間が長くなるにつれて衣のべたつきを示す指標が増加する。すなわち、揚げ物は、時間の経過に応じて衣のべたつきが強くなる傾向を示す。この「衣のべたつき」は、揚げ物の衣に含まれる水分量に起因し、水分量が増加すると衣がべたついた状態となる。ここで、図19Aは、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンの表面側の衣に含まれる水分量の時間変化を示すグラフであり、図19Bは、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンの裏面側の衣に含まれる水分量の時間変化を示すグラフである。なお、フライドチキンの「裏面側」とは、トレイ2との接触面側であり、「表面側」とは、その反対側、すなわちホットショーケース1内に陳列された状態での上側である。図19Aおよび図19Bに示すように、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンは、表面側の衣および裏面側の衣の両方において、揚げ上がり時(図19Aおよび図19Bにおける経過時間=0時間)よりも、経過時間が長くなるほど(例えば、図19Aおよび図19Bでは経過時間=2時間)含まれる水分量の割合(%)が増加している。また、図20Aは、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンのサクサク感の時間変化を示すグラフであり、図20Bは、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンの衣のべたつきの時間変化を示すグラフである。なお、図20Aにおけるサクサク感は、縦軸に示された官能評価の点数が高いほどサクサクしている傾向にあり、図20Bにおける衣のべたつきは、図14における衣のべたつきと同様、縦軸に示された官能評価の点数が高いほどべたつきが強い傾向にある。図20Aに示すように、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンは、揚げ上がり時(経過時間=0時間)からの経過時間が長くなるにつれて(図20Aでは経過時間=2時間)衣のサクサク感を示す指標が減少する。一方、図20Bに示すように、ホットショーケース1内に陳列中のフライドチキンは、揚げ上がり時(経過時間=0時間)からの経過時間が長くなるにつれて(図20Bでは経過時間=2時間)衣のべたつきを示す指標が高くなる。すなわち、フライドチキンの衣は、揚げ上がり時からの経過時間が長くなるほどサクサク感が減少してべたつきが強くなる。前述したように、フライドチキンの衣は、揚げ上がり時からの経過時間が長くなるほど含まれる水分量が増えることから、サクサク感の減少およびべたつきの強さはいずれも、フライドチキンの衣に含まれる水分量に起因しているといえる。
【0089】
ここで、図2に示した「劣化風味」も経過時間が長くなるにつれて、その値が増加する。したがって、衣の水分量の増加と揚げ物の風味の低下との間には相関がある。そこで、揚げ物廃棄時期管理装置4は、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの衣の水分量を揚げ物Xの状態を示す指標として用いることで、揚げ物Xの衣の水分量の変化に基づいて揚げ物Xが廃棄時期に至っているか否かを判定することもできる。
【0090】
図15は、ホットショーケース1内の所定の段の底面を上方から見た平面図である。
【0091】
ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの水分量を測定するには、例えば、図15に示すマット式の水分量測定センサ6が用いられる。この水分量測定センサ6は、揚げ物Xの重量を検出することで水分量を測定するセンサであってもよいし、誘電率の変化を検出することで水分量を測定するセンサであってもよい。
【0092】
水分量測定センサ6は、ホットショーケース1内に陳列中の各揚げ物Xの位置に対応するように複数取り付けられる。なお、図15では、各トレイ2に9つの水分量測定センサ6がマトリクス状に敷き詰められており、1つのトレイ2には一度に最大9つの揚げ物Xを陳列することができ、9つの揚げ物Xそれぞれの水分量を個別に測定することが可能となっている。なお、1つの水分量測定センサ6が測定可能な範囲に複数の揚げ物Xを配置させた場合であっても、個々の揚げ物Xの重量が測定できるならば、水分量測定センサ6の数や配置する位置を限定しなくてもよい。
【0093】
図16は、官能評価で得られた経過時間に対する揚げ物のニオイの強度の推移を示すグラフである。図16において、横軸は、評価対象の揚げ物の上がり時刻からの経過時間を示し、縦軸は、揚げ物の「ニオイの強度」を指標化した値を示している。
【0094】
ここで、「ニオイ」には、一般的な意味において、食品としての揚げ物の好ましい匂いと、食品としての揚げ物の好ましくない臭いと、を含むものとする。以下、揚げ物の好ましい匂いを「香気」とし、揚げ物の好ましくない臭いを「臭気」とする。したがって、図16では、香気と臭気とが含まれたニオイ(香気と臭気とを区別しない全体としてのニオイ)の経時的変化を示している。
【0095】
図16に示すように、揚げ物は、揚げ上がり時からの経過時間が長くなるにつれてニオイの強さを示す指標であるニオイ強度が低下する。すなわち、揚げ物は、時間の経過に応じてニオイが薄くなる傾向を示す。これは、揚げ物の揮発性成分が全体として減少していることを意味する。このように揚げ物のニオイが薄くなっていく中で、香気と臭気のバランスが変化し、臭気の原因となるアルデヒド系もしくはケトン系などの物質の発生比率が増える、すなわち揮発性成分組成が変化すると、人は揚げ物から臭気を感じることとなる。なお、アルデヒド系もしくはケトン系などの物質は、揚げ物を揚げるための食用油が劣化して食用油に含まれる脂肪酸が分解されることにより発生する。
【0096】
ここで、図2に示した「劣化風味」は経過時間が長くなるにつれて、その値が増加する。一般的に、揚げ物のニオイ強度が低下して臭気が占める比率が大きくなれば、揚げ物の風味が低下しているといえる。したがって、揚げ物の揮発性成分の減少、あるいは揚げ物の揮発性成分組成の変化によるアルデヒド系もしくはケトン系などの物質の比率の増加と揚げ物の風味の低下との間には相関がある。そこで、揚げ物廃棄時期管理装置4は、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの揮発性成分または揮発性成分組成を揚げ物Xの状態を示す指標として用いることで、揚げ物Xの揮発性成分または揮発性成分組成の変化に基づいて揚げ物Xが廃棄時期に至っているか否かを判定することもできる。
【0097】
図17は、ホットショーケース1内の所定の段の天面に相当する部分を下方から見た上面図であって、天面部分に取り付けられた複数のニオイセンサ7を示す図である。なお、図17において、トレイ2の外枠を二点鎖線で示している。
【0098】
一般的に、ニオイは揚げ物Xから立ち上るものであるため、図17に示すように、揚げ物Xのニオイを検出するニオイセンサ7は、揚げ物Xが置かれる各トレイ2の上方、すなわち各棚11,12,13に対して天面に相当する部分に取り付けられている。ニオイセンサ7は、水分量測定センサ6と同様に、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの位置に対応するように設置され、各揚げ物Xのニオイを検出できるような位置関係を構成するように取り付けられる。
【0099】
なお、ニオイセンサ7は、揚げ物Xの香気と臭気の両方(ニオイ)を検出可能なセンサであってもよいし、揚げ物Xの香気を検出可能なセンサあるいは揚げ物Xの臭気を検出可能なセンサであってもよい。例えば、揚げ物Xの臭気を検出するニオイセンサ7を用いる場合、揚げ物廃棄時期管理装置4は、揚げ物の廃棄時期の判定に際し、アルデヒド系もしくはケトン系などの成分を含む臭いを判定指標とする。そして、揚げ物Xの揚げ上がり時からの経過時間と臭気の強さとの関係は、揚げ物Xの揚げ上がり時からの経過時間が長くなるにつれて、臭気の強さが増加する傾向となり、香気における傾向とは逆になる。
【0100】
ニオイセンサ7のセンサ仕様については、特に制限はなく、例えば有機薄膜からなる感応膜と水晶振動子とを備えた水晶振動子式のにおいセンサや、酸化物半導体にガス分子が吸着することで酸化物半導体の抵抗値が変化してガス濃度を検出する半導体ガスセンサ、その他、赤外線式ガスセンサ、電気化学式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサ、またはバイオセンサなどが適用可能である。
【0101】
上述した指標の他、揚げ物廃棄時期管理装置4は、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、極性化合物量、揮発性成分量、揮発性成分組成、または大きさを揚げ物Xの状態を示す指標とし、揚げ物Xの酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、極性化合物量、揮発性成分量、揮発性成分組成、または大きさなどの変化に基づいて揚げ物Xが廃棄時期に至っているか否かを判定することもできる。
【0102】
図18は、ホットショーケース1内の所定の段の天面に相当する部分を下方から見た上面図であって、天面部分に取り付けられた複数の近赤外センサ8を示す図である。
【0103】
揚げ物Xの酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、および極性化合物量は、近赤外センサ8を用いて検出することができる。この近赤外センサ8は、揚げ物Xに近赤外光を反射させて、揚げ物X中の水分量や成分の含量による特定波長の吸収率の変化を検出することにより、揚げ物Xの酸価、アニシジン価、カルボニル価、過酸化物価、ヨウ素価、および極性化合物量、さらに水分量を測定することが可能である。
【0104】
この近赤外センサ8についても、水分量測定センサ6やニオイセンサ7と同様に、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの位置に対応するように設置され、各揚げ物Xの酸価などを検出できるような位置関係を構成するように取り付けられる。
【0105】
また、揚げ物X自体の大きさを指標とする場合は、カメラ5(第1実施形態参照)で撮影した画像を用いて測定することが可能である。揚げ物は、揚げ上がり時から時間が経過するにつれて、その大きさが小さくなることが知られている。
【0106】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る揚げ物廃棄時期管理装置4について、図21A~Cを参照して説明する。
【0107】
第1実施形態では、揚げ物Xの一態様として、フライドチキンおよびコロッケを挙げ、それぞれの画像(静止画または動画)から色成分の解析を行った場合における実験結果の例を説明したが、本実施形態では、揚げ物Xの他の一態様としてハッシュポテトを挙げて、ハッシュポテトの静止画から色成分の解析を行った場合における実験結果の例を説明する。
【0108】
図21A~Cは、ホットショーケース1内に陳列中のハッシュポテトを静止画として撮影し、その画像を解析した場合に得られた経過時間に対する色成分の推移を示すグラフである。なお、図21Aは経過時間に対するR成分の傾向を、図21Bは経過時間に対するG成分の傾向を、図21Cは経過時間に対するB成分の傾向を、それぞれ示している。
【0109】
ホットショーケース1内に陳列中のハッシュポテトの静止画から色成分を解析した場合、揚げ上がり時(=0h)から2時間経過後(=2h)では、R成分およびG成分は減少し、他方、B成分は、増加している。そして、R成分は、揚げ上がり時から4時間、6時間経過するにつれて減少し、7時間経過後では、僅かながら増加する傾向が見られる。他方、G成分およびB成分はそれぞれ、揚げ上がり時から4時間、6時間、7時間と時間経過が進むにつれて、全体として減少する傾向が見られる。
【0110】
このように、ホットショーケース1内に陳列中のハッシュポテトに対しても、フライドチキンやコロッケと同様に、揚げ上がり時からの時間経過に伴う色調の変化の傾向に基づいて、廃棄時期を判定する基準値となる基準RGB値を予め設定することができる。なお、ハッシュポテトの場合においても、フライドチキンやコロッケと同様に、揚げ上がり時から2時間経過後において、時間経過に伴う色調の変化の傾向が顕著に現れている。
【0111】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る揚げ物廃棄時期管理装置4について、図22を参照して説明する。
【0112】
本実施形態では、揚げ物Xの状態を示す指標として揚げ物Xの面積、すなわち揚げ物Xの大きさを用いた場合について説明する。
【0113】
図22は、ホットショーケース1内に陳列中の3つのフライドチキンを静止画として撮影し、各画像を解析した場合に得られた経過時間に対する平均面積の推移を示すグラフである。図22において、横軸は、評価対象であるフライドチキンの揚げ上がり時刻からの経過時間を示し、縦軸は、画像解析によって算出された3つのフライドチキンそれぞれの面積の平均値である「平均面積」を指標化した値を示している。
【0114】
図22に示すグラフによれば、フライドチキンは、揚げ上がり時からの経過時間が長くなるにつれて大きさを示す指標である面積(平均面積)が減少している。すなわち、フライドチキンは、時間の経過に応じて大きさが小さくなる傾向を示す。
【0115】
ここで、図2に示した「劣化風味」は経過時間が長くなるにつれて、その値が増加する。したがって、揚げ物の面積(大きさ)の減少と揚げ物の風味の低下との間には相関がある。そこで、揚げ物廃棄時期管理装置4は、ホットショーケース1内に陳列中の揚げ物Xの面積、すなわち大きさを揚げ物Xの状態を示す指標として用いることで、揚げ物Xの大きさの変化に基づいて揚げ物Xが廃棄時期に至っているか否かを判定することもできる。
【0116】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、本実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。またさらに、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0117】
例えば、上記実施形態では、揚げ物Xが陳列される陳列棚の一態様として3つの棚11,12,13を備えたホットショーケース1について説明したが、陳列棚は、必ずしも複数段の棚を備えたものである必要はなく、例えばトレイなども含まれ、揚げ物Xが陳列可能な形態であればその態様について限定されるものではない。
【符号の説明】
【0118】
1:ホットショーケース(陳列棚)
3:揚げ物廃棄時期管理システム
4:揚げ物廃棄時期管理装置
5:カメラ(状態センサ)
6:水分量測定センサ(状態センサ)
7:ニオイセンサ(状態センサ)
41:データ取得部
42:特定部
43:解析部
44:判定部
46:報知部
47:機械学習部
308:モニタ(報知装置)
X:揚げ物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22