(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】生体情報解析装置、生体情報解析方法、および生体情報解析システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20221122BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/00 102C
A61B5/107 300
A61B5/00 ZDM
(21)【出願番号】P 2018165811
(22)【出願日】2018-09-05
【審査請求日】2021-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 隆行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 里江子
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-094172(JP,A)
【文献】特開2018-064900(JP,A)
【文献】国際公開第2015/083411(WO,A1)
【文献】特開2017-070723(JP,A)
【文献】特開2015-085199(JP,A)
【文献】特開平09-238908(JP,A)
【文献】特開2004-358235(JP,A)
【文献】特開2011-227838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに着用されているセンサによって計測された生体情報を取得するセンサデータ取得部と、
複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出するデータ解析部とを備え、
前記データ解析部が、
前記センサの傾きを算出する傾斜算出部と、
前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を算出する姿勢算出部と
を備え
、
前記ユーザの姿勢を、質的変数である生体状態情報として算出し、時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出する
ことを特徴とする生体情報解析装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の生体情報解析装置において、
前記センサデータが3軸の加速度データであって、
前記傾斜算出部が、前記3軸の各軸の加速度データより、鉛直方向に対する前記センサのZ軸の傾きと、鉛直方向に対する前記センサのX軸の傾きとを算出し、
前記姿勢算出部が、前記Z軸の傾きと前記X軸の傾きに対する所定の閾値との比較により前記ユーザの姿勢を算出する
ことを特徴とする生体情報解析装置。
【請求項3】
請求項1
または請求項2に記載の生体情報解析装置において、
予め設定された基準に基づいて前記複数の生体情報が異常値を含むか否かを判定する異常値判定部をさらに備え、
前記データ解析部は、
前記異常値判定部によって異常値を含むと判定された場合には、その異常値を除いて前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出する
ことを特徴とする生体情報解析装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の生体情報解析装置において、
前記データ解析部は、
前記代表値として前記複数の生体情報の平均値を算出する平均処理部を備える
ことを特徴とする生体情報解析装置。
【請求項5】
ユーザに着用されているセンサによって計測された生体情報を取得するセンサデータ取得ステップと、
複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出するデータ解析ステップと、
前記センサの傾きを算出するステップと、
前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を
、質的変数である生体状態情報として算出するステップと
、
時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出するステップと
を備えることを特徴とする生体情報解析方法。
【請求項6】
ユーザに装着されたセンサにより計測された生体情報を外部へ出力するセンサ端末と、
前記センサ端末から出力された前記生体情報を受信し、外部へ出力する中継端末と、
前記センサ端末または前記中継端末から出力された、前記生体情報を受信し、表示装置に表示させる外部端末と、
を備え、
前記センサ端末、前記中継端末、および前記外部端末の少なくともいずれかは、
前記生体情報を取得するセンサデータ取得部と、
複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出するデータ解析部と、
前記複数の生体情報の代表値を前記生体情報の一部として出力する提示部とを備え、
前記データ解析部が、
前記センサの傾きを算出する傾斜算出部と、
前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を算出する姿勢算出部と
を備え
、
前記ユーザの姿勢を、質的変数である生体状態情報として算出し、時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出する
ことを特徴とする生体情報解析システム。
【請求項7】
第1データ解析部を有するセンサ端末と、
第2データ解析部を有する中継端末と、
第3データ解析部を有する外部端末と、
を備え、
前記センサ端末は、ユーザに装着されたセンサにより計測された生体情報を外部へ出力し、
前記中継端末は、前記センサ端末から出力された前記生体情報を受信して外部へ出力し、
前記外部端末は、前記センサ端末または前記中継端末から出力された、前記生体情報を受信し、表示装置に表示させ、
前記第1データ解析部と、前記第2データ解析部と、前記第3データ解析部とが協働して複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出し、前記センサの傾きを算出し、前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を
、質的変数である生体状態情報として算出し、時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出する
ことを特徴とする生体情報解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報解析装置、生体情報解析方法、および生体情報解析システムに関し、特にユーザに装着されたセンサによって計測される生体情報を解析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年スポーツや医療において、心拍数や活動量などの生体情報がウェアラブルデバイス等で計測され、活用されている。例えば、非特許文献1は、繊維状の伝導性素材によるウェアラブル生体電極インナーを着用したユーザの心拍数や心電波形を長時間にわたり安定的に計測する技術を開示している。また、非特許文献1は、ユーザに着用されたウェアラブルデバイスに内蔵された加速度センサの計測データに基づいて、ユーザの姿勢や歩容を推定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】河西、小笠原、中島、塚田、「着るだけで生体情報計測を可能とする機能素材“hitoe”の開発及び実用」電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン41号(2017年6月)(Vol.11 No.1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、継続して安定的にユーザの生体情報を計測することが可能である。しかし、ユーザにおける日常の活動は日々同じとは限らない。そのため、日によって変動があるような場合に、例えば、1日単位や1時間単位などの時間周期の各計測時刻における典型的な生体情報の値を把握することが困難であった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、設定された時間周期の各計測時刻における典型的な生体情報の値を把握することができる生体情報解析装置、生体情報解析方法、および生体情報解析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明に係る生体情報解析装置は、ユーザに着用されているセンサによって計測された生体情報を取得するセンサデータ取得部と、複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出するデータ解析部とを備え、前記データ解析部が、前記センサの傾きを算出する傾斜算出部と、前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を算出する姿勢算出部とを備え、前記ユーザの姿勢を、質的変数である生体状態情報として算出し、時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出す
ることを特徴とする。
また、本発明に係る生体情報解析装置において、前記センサデータが3軸の加速度データであって、前記傾斜算出部が、前記3軸の各軸の加速度データより、鉛直方向に対する前記センサのZ軸の傾きと、鉛直方向に対する前記センサのX軸の傾きとを算出し、前記姿勢算出部が、前記Z軸の傾きと前記X軸の傾きに対する所定の閾値との比較により前記ユーザの姿勢を算出してもよい。
【0007】
また、本発明に係る生体情報解析装置において、予め設定された基準に基づいて前記複数の生体情報が異常値を含むか否かを判定する異常値判定部をさらに備え、前記データ解析部は、前記異常値判定部によって異常値を含むと判定された場合には、その異常値を除いて前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出してもよい。
【0008】
また、本発明に係る生体情報解析装置において、前記データ解析部は、前記代表値として前記複数の生体情報の平均値を算出する平均処理部を備えていてもよい。
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明に係る生体情報解析方法は、センサによって計測された生体情報を取得するセンサデータ取得ステップと、複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出するデータ解析ステップと、前記センサの傾きを算出するステップと、前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を、質的変数である生体状態情報として算出するステップと、時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出するステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明に係る生体情報解析システムは、ユーザに装着されたセンサにより計測された生体情報を外部へ出力するセンサ端末と、前記センサ端末から出力された前記生体情報を受信し、外部へ出力する中継端末と、前記センサ端末または前記中継端末から出力された、前記生体情報を受信し、表示装置に表示させる外部端末と、を備え、前記センサ端末、前記中継端末、および前記外部端末の少なくともいずれかは、前記生体情報を取得するセンサデータ取得部と、複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出するデータ解析部と、前記複数の生体情報の代表値を前記生体情報の一部として出力する提示部とを備え、前記データ解析部が、前記センサの傾きを算出する傾斜算出部と、前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を算出する姿勢算出部とを備え、前記ユーザの姿勢を、質的変数である生体状態情報として算出し、時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る生体情報解析システムにおいて、第1データ解析部を有するセンサ端末と、第2データ解析部を有する中継端末と、第3データ解析部を有する外部端末と、を備え、前記センサ端末は、ユーザに装着されたセンサにより計測された生体情報を外部へ出力し、前記中継端末は、前記センサ端末から出力された前記生体情報を受信して外部へ出力し、前記外部端末は、前記センサ端末または前記中継端末から出力された、前記生体情報を受信し、表示装置に表示させ、前記第1データ解析部と、前記第2データ解析部と、前記第3データ解析部とが協働して複数の時間周期にわたる前記生体情報の時系列データを解析して、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出し、前記センサの傾きを算出し、前記傾きに基づき、前記ユーザの姿勢を、質的変数である生体状態情報として算出し、時間の分割によって前記ユーザの姿勢の平均を求めることにより得られる、前記複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での前記ユーザの姿勢の値の発生割合に関する情報を、前記ユーザの姿勢を統計的に要約した要約値として算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の時間周期にわたる生体情報の時系列データを解析して、複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出するので、設定された時間周期の各計測時刻における典型的な生体情報の値を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る生体情報解析装置の機能を説明するブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態に係る生体情報解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態に係る生体情報解析方法を説明するフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態に係る心拍数の平均化処理を説明する図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態に係る生体情報解析システムの構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態に係る生体情報解析システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態に係る生体情報解析システムの動作を説明するシーケンス図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態に係る生体情報解析装置の機能を説明するブロック図である。
【
図9】
図9は、第2の実施の形態に係る生体情報解析システムの動作を説明するシーケンス図である。
【
図10】
図10は、第2の実施の形態に係る心拍数の異常値判定処理を説明する図である。
【
図11】
図11は、第3の実施の形態に係る生体情報解析装置の機能を説明するブロック図である。
【
図12】
図12は、第3の実施の形態に係る生体情報解析システムの動作を説明するシーケンス図である。
【
図13】
図13は、第4の実施の形態に係る生体情報解析装置の機能を説明するブロック図である。
【
図14】
図14は、第4の実施の形態に係る生体情報解析システムの動作を説明するシーケンス図である。
【
図15】
図15は、第4の実施の形態に係る要約値の算出を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について、
図1から
図15を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係る生体情報解析装置1の構成の概要を説明する。
図1は、生体情報解析装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0017】
[生体情報解析装置の機能ブロック]
生体情報解析装置1は、センサデータ取得部10、データ解析部11、時刻取得部12、記憶部13、提示部14、および送受信部15を備える。
【0018】
センサデータ取得部10は、ユーザに装着された後述のセンサ106によって計測されたユーザの生体情報をセンサ106から取得する。より具体的には、センサデータ取得部10は、例えば、心拍計で計測された心電位に基づく心電波形からデジタルデータの心拍数を算出する。また、センサデータ取得部10は、加速度センサで計測されたアナログ加速度信号を所定のサンプリングレートでデジタル信号に変換する。センサデータ取得部10は、デジタルデータの心拍数や加速度信号と計測時刻とが関連付けられた時系列データを出力する。センサデータ取得部10によって取得された生体情報の時系列データは後述する記憶部13に記憶される。
【0019】
データ解析部11は、平均処理部110を備える。データ解析部11は、センサデータ取得部10によって取得されたユーザの生体情報の時系列データを解析して、複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の典型的な値を示す代表値を算出する。なお、時間周期としては、例えば、1分、1時間、1日、1か月、または1年など任意の時間的長さを設定することができる。
【0020】
平均処理部110は、センサデータ取得部10によって取得された生体情報の時系列データに基づいて、複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報の平均値を代表値として算出する。一例として、時間周期を1日とした場合には、平均処理部110は複数日にわたる生体情報の時系列データから同時刻に計測された複数の生体情報の平均値を算出する。
【0021】
また、他の例として、時間周期を1時間とした場合には、平均処理部110は、複数時間にわたる生体情報の時系列データから分単位の同時刻に計測された複数の生体情報の平均値を算出すればよい。また、他の例として、時間周期を1分とした場合には、平均処理部110は、複数分にわたる生体情報の時系列データから秒単位の同一時刻に計測された複数の生体情報の平均値を算出すればよい。
【0022】
なお、平均処理部110が生体情報の平均値を算出する、互いに対応する計測時刻で取得された複数の生体情報とは、厳密な同時刻にサンプリングされた生体情報同士である必要はなく、直近とみなせる時間的範囲において計測された生体情報であればよい。
【0023】
時刻取得部12は、生体情報解析装置1において用いられる基準時刻を取得する。時刻取得部12は、例えば、生体情報解析装置1に設けられた内蔵時計、またはタイムサーバから時刻情報を取得してもよい。時刻取得部12によって取得された時刻情報は、データ解析部11における生体情報の平均化処理などのデータ解析に用いられる。
【0024】
記憶部13は、センサデータ取得部10によって取得されたユーザの生体情報の時系列データを記憶する。また、記憶部13は、時間周期に関する設定情報やデータ解析部11による生体情報の解析結果を記憶する。
【0025】
提示部14は、データ解析部11による解析結果を提示する。より詳細には、提示部14は、後述の表示装置109に解析結果を表示したり、解析結果に基づいてユーザを支援する情報を生成して提示する。提示部14は、ユーザを支援する情報を、表示装置109や音声出力装置、光源、アクチュエータ、温熱機器などで実現される動作装置(図示しない)に出力してもよい。
【0026】
送受信部15は、後述するセンサ106によって計測された生体情報を示すセンサデータを受信する。また、送受信部15は、データ解析部11による生体情報の解析結果を通信ネットワークを介して外部に送出することができる。
【0027】
以上説明した生体情報解析装置1の各機能は、1つの計算機に設けられる場合だけでなく、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続された複数の計算機に分散して構成されてもよい。
【0028】
[生体情報解析装置のハードウェア構成]
次に、上述した機能を有する生体情報解析装置1のハードウェア構成の例について
図2のブロック図を用いて説明する。
【0029】
図2に示すように、生体情報解析装置1は、例えば、バス101を介して接続されるCPU103と主記憶装置104とを有する演算装置102、通信インターフェース105、センサ106、外部記憶装置107、時計108、表示装置109を備えるコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0030】
CPU103と主記憶装置104とは、演算装置102を構成する。主記憶装置104には、CPU103が各種制御や演算を行うためのプログラムが予め格納されている。演算装置102によって、
図1に示したデータ解析部11を含む生体情報解析装置1の各機能が実現される。
【0031】
通信インターフェース105は、生体情報解析装置1と各種外部電子機器との間を通信ネットワークNWにて接続するためのインターフェースおよび制御装置である。生体情報解析装置1は、通信インターフェース105を介して、ユーザに装着された後述のセンサ106から通信ネットワークNWを介して心拍数や心電波形、加速度のデータを受信してもよい。
【0032】
通信インターフェース105としては、例えば、LTE、3G、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの無線データ通信規格に対応した演算インターフェースおよびアンテナが用いられる。通信インターフェース105によって、
図1で説明した送受信部15が実現される。
【0033】
センサ106は、例えば、心拍計、心電計や加速度センサなどのセンサによって実現される。センサ106は、予め設定された計測期間にわたってユーザに装着され、ユーザの心拍数、心電波形や加速度などの生体情報を計測する。
【0034】
外部記憶装置107は、読み書き可能な記憶媒体と、その記憶媒体に対してプログラムやデータなどの各種情報を読み書きするための駆動装置とで構成されている。外部記憶装置107には、記憶媒体としてハードディスクやフラッシュメモリなどの半導体メモリを使用することができる。
【0035】
外部記憶装置107は、センサ106により計測された生体情報の時系列データを記憶する記憶領域や、生体情報解析装置1が生体情報の解析処理を行うためのプログラムを格納するプログラム格納部や、図示しないその他の格納装置で、例えば、この外部記憶装置107内に格納されているプログラムやデータなどをバックアップするための格納装置などを有することができる。外部記憶装置107によって、
図1で説明した記憶部13が実現される。
【0036】
時計108は、生体情報解析装置1に設けられた内蔵時計などで構成され、時間を計時する。時計108によって得られた時刻情報は、生体情報のサンプリングやデータ解析処理に用いられる。なお、時計108によって得られた時刻情報は、
図1で説明した時刻取得部12によって取得される。
【0037】
表示装置109は、生体情報解析装置1の提示部14として機能する。表示装置109は液晶ディスプレイなどによって実現される。また、表示装置109は、生体情報の解析結果に基づいて生成されるユーザの支援情報を出力する動作装置を構成する。
【0038】
[生体情報解析方法]
次に、上述した構成を有する生体情報解析装置1の動作について
図3のフローチャートを用いて説明する。まず、センサ106がユーザに装着された状態で以下の処理が実行される。
【0039】
センサデータ取得部10は、ユーザに装着されたセンサ106で計測された生体情報を送受信部15を介して取得する(ステップS1)。より具体的には、時間周期として、例えば、「1日」が設定されている場合、センサデータ取得部10は、例えば2日間など複数の時間周期にわたって計測されたユーザの心電波形を取得する。取得された2日間にわたる生体情報は記憶部13に蓄積される。次に、センサデータ取得部10は、取得した生体情報のノイズの除去を行い、また、アナログ信号の生体情報をデジタル信号に変換する処理を行う(ステップS2)。
【0040】
具体的には、センサデータ取得部10は、心拍計で計測された心電位に対してフィルタリングによるノイズの除去を行い、また、心電位に基づく心電波形からデジタルデータの心拍数を算出する。センサデータ取得部10によって処理された生体情報の時系列データは記憶部13に記憶される(ステップS3)。
【0041】
次に、データ解析部11は、ステップS2で取得された生体情報の解析処理を行う(ステップS4)。より詳細には、平均処理部110が、ユーザの2日間(2周期)にわたる心拍数の時系列データに対して、1日目と2日目における互いに対応する計測時刻に取得された心拍数同士の平均値を算出する。
【0042】
図4の(a)は、2日間にわたって計測された心拍数の値を示す図である。
図4の(a)の横軸は時間、縦軸は心拍数を示している。また、参照符号h1は、1日目(第1周期目)での心拍数を示している。参照符号h2は、2日目(第2周期目)の心拍数を示している。なお、
図4の(a)に示すように、模擬的に1日目では、心拍数は100bpm、2日目では60bpmで推移したものとする。これらの心拍数の平均値は、次の式(1)で求められる。
【0043】
【0044】
上式(1)において、tは計測時刻であり、サンプリングレートに基づく計測頻度で計測が行われる。Nは、計測した日数すなわち時間周期の数を表す。このNは、複数の時間周期のそれぞれにおける互いに対応する計測時刻でのデータ数を示すことにもなる。
図5の例では、N=2である。iは計測日(時間周期)であり、各計測日に対応する。
図4の(a)の場合では、平均値Atは常に80bpm((100+60)/2=80)となる。したがって、
図4の(b)に示すように、2日間での互いに対応する計測時刻における心拍数の平均値は80bpmとなっている(参照符号h3)。
【0045】
このように、複数日のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻で取得された複数の生体情報の平均値を算出することで、複数日(複数の時間周期)にわたって計測されたユーザの心拍数の日によるばらつきが緩和され、真にユーザの習慣や振る舞いに近い生体情報の計測値を得ることができる。
【0046】
図3のフローチャートに戻り、データ解析部11によって得られたユーザの生体情報の解析結果は記憶部13に記憶される。また、提示部14は、解析結果を表示装置109に表示する(ステップS5)。また、提示部14は、解析結果に基づいてユーザに対する支援情報を生成し、表示装置109等に表示する。
【0047】
[生体情報解析システム]
次に、本発明に係る生体情報解析装置1を具体的に構成した生体情報解析システムについて
図5および
図6を参照して説明する。
生体情報解析システムは、例えば、
図5に示すように、ユーザ500に装着されるセンサ端末200と、中継端末300と、外部端末400とを備える。センサ端末200、中継端末300、外部端末400のすべてもしくはいずれかは、
図1で説明したデータ解析部11などの生体情報解析装置1の各機能を備える。なお、以下においては、中継端末300が
図1で説明したデータ解析部11を備える場合について説明する。
【0048】
[センサ端末の機能ブロック]
センサ端末200は、センサ201、センサデータ取得部202、データ記憶部203、およびデータ送信部204を備える。センサ端末200は、例えば、ユーザ500の体の体幹に配置されて複数の時間周期にわたる生体情報を計測する。センサ端末200は、計測したユーザ500の生体情報を通信ネットワークNWを介して中継端末300に送信する。
【0049】
センサ201は、心拍計や加速度センサなどで実現される。センサ201が備える加速度センサの3軸は、例えば、
図5に示すように、X軸は体の左右方向、Y軸は体の前後方向、Z軸は体の上下方向に平行に設けられる。センサ201は、
図2で説明したセンサ106に対応する。
【0050】
センサデータ取得部202は、センサ201によって計測された生体情報を取得する。より詳細には、センサデータ取得部202は、取得した生体情報のノイズの除去やサンプリング処理を行い、デジタル信号の生体情報における時系列データを求める。センサデータ取得部202は、
図2で説明したセンサデータ取得部10に対応する。
【0051】
データ記憶部203は、センサ201によって計測された生体情報の時系列データや、センサデータ取得部202によって処理されて得られたデジタル信号による生体情報の時系列データを記憶する。データ記憶部203は、記憶部13(
図1)に対応する。
【0052】
データ送信部204は、データ記憶部203に記憶されている生体情報の時系列データを、通信ネットワークNWを介して中継端末300に送信する。データ送信部204は、例えば、LTE、3G、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無線データ通信規格に対応した無線通信を行うための通信回路を備える。データ送信部204は、送受信部15(
図1)に対応する。
【0053】
[中継端末の機能ブロック]
中継端末300は、データ受信部301、データ記憶部302、時刻取得部303、データ解析部304、およびデータ送信部305を備える。中継端末300は、センサ端末200から受信した、複数の時間周期にわたって計測されたユーザ500の生体情報の時系列データを解析する。さらに、中継端末300は、複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出し、代表値を解析結果として外部端末400に送信する。
【0054】
中継端末300は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどによって実現される。
【0055】
データ受信部301は、通信ネットワークNWを介してセンサ端末200から生体情報の時系列データを受信する。データ受信部301は、送受信部15(
図1)に対応する。
【0056】
データ記憶部302は、データ受信部301が受信したユーザ500の生体情報や、データ解析部304による生体情報の解析結果を記憶する。データ記憶部302は、記憶部13(
図1)に対応する。
【0057】
時刻取得部303は、データ解析部304による生体情報の解析処理において用いられる時刻情報を内蔵時計(図示しない)から取得する。時刻取得部303は、
図1で説明した時刻取得部12に対応する。
【0058】
データ解析部304は、データ受信部301によって受信されたユーザ500の複数の時間周期にわたる生体情報の時系列データを解析し、複数の時間周期のそれぞれにおける互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報から、これら複数の生体情報の典型的な値を示す代表値を求める。例えば、複数日にわたって計測されたユーザ500の心拍数の同時間帯での平均値を、上述した式(1)を用いて算出する。解析結果として得られた生体情報の平均値は、データ記憶部302に記憶される。データ解析部304は、
図1で説明した平均処理部110を備えるデータ解析部11に対応する。
【0059】
データ送信部305は、データ解析部304による解析結果を通信ネットワークNWを介して外部端末400に送信する。データ送信部305は、送受信部15(
図1)に対応する。
【0060】
[外部端末の機能ブロック]
外部端末400は、データ受信部401、データ記憶部402、提示処理部403、および提示部404を備える。外部端末400は、中継端末300から通信ネットワークNWを介して受信したユーザ500の生体情報の解析結果を提示し、また、解析結果に基づいたユーザ500に対する支援情報の提示を行う。
【0061】
外部端末400は、中継端末300と同様に、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどによって実現される。外部端末400は受信した解析結果を表示する表示装置や、解析結果に基づいて生成されるユーザ500を支援する情報を出力する動作装置(図示しない)を備えている。外部端末400が備える動作装置の例として、表示装置、音声出力装置、光源、アクチュエータ、温熱機器などが挙げられる。
【0062】
音声出力装置としては、例えば、スピーカや楽器を用いてもよい。光源としては、LEDや電球を用いてもよい。アクチュエータとしては、振動子やロボットアーム、電気治療器を用いてもよい。また、温熱機器としては、ヒータやペルチェ素子などを用いてもよい。
【0063】
データ受信部401は、通信ネットワークNWを介して中継端末300から生体情報の解析結果を受信する。データ受信部401は、送受信部15(
図2)に対応する。
【0064】
データ記憶部402は、データ受信部401によって受信された生体情報の解析結果を記憶する。データ記憶部402は、記憶部13(
図1)に対応する。
【0065】
提示処理部403は、解析結果に基づいてユーザ500に対する支援情報を生成する。提示処理部403は、
図1で説明した提示部14に対応する。
【0066】
提示部404は、解析結果の提示や提示処理部403による指示に基づいて、ユーザ500に対する支援情報を提示する。より詳細には、外部端末400が備える表示装置に文字情報やグラフなどにより解析結果や支援情報を表示したり、外部端末400が備える図示しないスピーカから、アラート音などにより支援情報を出力してもよい。その他、提示部404は、振動や光などユーザ500が認知可能な方法により支援情報を提示することができる。提示部404は、
図1で説明した提示部14に対応する。
【0067】
このように、本発明に係る生体情報解析システムは、生体情報解析装置1の各機能がセンサ端末200、中継端末300、および外部端末400に分散された構成を有し、ユーザ500の生体情報の取得から解析および解析結果の提示に関する処理を分散して行う。
【0068】
[生体情報解析システムの動作シーケンス]
次に、上述した構成を有する生体情報解析システムの動作について、
図7のシーケンス図を用いて説明する。
【0069】
図7に示すように、まず、センサ端末200は、ユーザ500に装着されて、複数の時間周期にわたる生体情報を計測する(ステップS100)。センサ端末200は、計測された生体情報のデジタル信号を求め、必要に応じてノイズの除去を行う。
【0070】
次に、センサ端末200は、通信ネットワークNWを介して中継端末300に生体情報を送信する(ステップS101)。中継端末300は、センサ端末200から生体情報の時系列データを受信すると、平均化処理を行って生体情報の解析を実行する(ステップS102)。より詳細には、中継端末300のデータ解析部304(平均処理部110)は、上述した式(1)を用いて複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の平均値を算出する。
【0071】
その後、中継端末300は、通信ネットワークNWを介して、生体情報の平均値を示す解析結果を外部端末400に送信する(ステップS103)。外部端末400は、解析結果を受信すると、提示処理を実行する(ステップS104)。すなわち、外部端末400は、解析結果を表示装置に表示する。また、外部端末400は、解析結果に基づいてユーザ500に対する支援情報を生成し、表示装置などに表示する。
【0072】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る生体情報解析装置1は、複数の時間周期にわたって計測されたユーザ500の心拍数などの複数の生体情報に対する解析を行って、互いに対応する計測時刻で取得された複数の生体情報の平均値を算出する。そのため、「日」などの時間周期によって生体情報の値に変動がある場合でも、ユーザの生体情報の典型的な値を得ることができる。
【0073】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
第1の実施の形態では、平均処理部110が、複数の時間周期にわたって計測された生体情報について、互いに対応する計測時刻における平均値を算出し、ユーザの生体情報についての典型的な値を求める場合について説明した。これに対し、第2の実施の形態は、生体情報解析装置1Aは、さらに異常値判定部16を備える。異常値判定部16は、計測された生体情報に異常値が含まれているか否かを判定する。以下、第1の実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
【0075】
図8に示すように、異常値判定部16は、予め設定された基準に基づいて、生体情報の時系列データが異常値を含むか否かを判定する。異常値判定部16による判定結果は、平均処理部110に入力される。より詳細には、異常値判定部16は、生体情報の値に対して予め設定された上限閾値および下限閾値に基づいて、上限閾値を超える生体情報の値および下限閾値を下回る生体情報の値については、その計測値を無効とする。異常値判定部16によって異常値が除かれた生体情報の値は平均処理部110に入力される。
【0076】
平均処理部110は、異常値判定部16によって異常値を含むと判定された場合には、その異常値を除いた複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報の平均値を代表値として算出する。
【0077】
[生体情報解析システムの動作シーケンス]
次に、本実施の形態に係る生体情報解析装置1Aの各機能が、
図6で説明したセンサ端末200、中継端末300、および外部端末400を備える生体情報解析システムによって実現される場合の動作について、
図9に示すシーケンス図を参照して説明する。なお、センサ端末200、中継端末300、および外部端末400の各機能ブロックは、
図6で説明した構成と同様である。また、中継端末300が異常値判定部16を備えるものとする。
【0078】
まず、センサ端末200がユーザ500に装着されて、複数の時間周期にわたってユーザ500の生体情報を計測する(ステップS200)。より具体的には、センサ端末200は、心拍計(センサ201)でユーザ500の心電位を計測する。センサデータ取得部202は、センサ201から心電位を取得し、その心電位に基づく心電波形からデジタルデータの心拍数を算出する。取得された心電位や心拍数はデータ記憶部203に記憶される。
【0079】
次に、センサ端末200は、計測した生体情報を通信ネットワークNWを介して中継端末300に送信する(ステップS201)。より具体的には、データ送信部204が、データ記憶部203から心拍数の時系列データを読み出して、通信ネットワークNWを介して中継端末300に送信する。
【0080】
中継端末300は、センサ端末200からユーザ500の生体情報の時系列データを受信すると、異常値判定部16において、受信した生体情報の時系列データに異常値が含まれているか否かを判定する(ステップS202)。
【0081】
より具体的には、異常値判定部16は、データ記憶部302に記憶されている心拍数の上限閾値(例えば、190bpm)および下限閾値(例えば、40bpm)を読み出す。異常値判定部16は、受信されたユーザ500の生体情報において上限閾値を超える値、および下限閾値を下回る値を無効とする。
【0082】
例えば、
図10の(a)に示すように、第1周期目のユーザ500の心拍数h1は、12時から24時の時間帯で下限閾値40bpmを下回っている。また、第2周期目のユーザの心拍数h2は、6時から12時および18時から24時までの時間帯で同様に下限閾値40bpmを下回っている。したがって、異常値判定部16は、下限閾値を下回った心拍数の値を無効とした心拍数の値を平均処理部110に入力する。
【0083】
次に、
図9に示すように、平均処理部110は、異常値判定部16による判定結果に基づいて、ユーザ500の生体情報について複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報の平均値を算出する(ステップS203)。より詳細には、平均処理部110は上述した式(1)を用いて、
図10の(b)に示すように、異常値と判定された値を除いた第1周期および第2周期の同時間帯での心拍数の平均値h3を算出する。
【0084】
図10の(b)に示すように、各周期の0時から6時までの心拍数の平均値は80bpm、6時から12時までの心拍数の平均値は、異常値を無効としたため100bpm、同様に、12時から18時の心拍数の平均値は60bpmが算出され、18時から24時は第1周期および第2周期の心拍数は両方とも下限閾値を下回ったため平均値は算出されない。すなわち、6時から12時および12時から18時の時間帯では、上述した式(1)において、心拍数の平均値Atに含まれるデータ数はN=1となり、例えば、At=(60)/1=60bpmのように計算される。18時から24時までの時間帯においては、心拍数のデータは無い(空)として、平均の計算結果を返さなくてもよい。
【0085】
このように、生体情報に含まれる異常値を特定し、異常値を平均化処理の算出から除くことで、生体情報の解析結果に対する異常値の影響を抑制することができる。そのため、センサ201の計測条件によらず被験者であるユーザ500の生体の振る舞いに沿った生体情報の計測値を得ることができる。
【0086】
図9に戻り、中継端末300は、平均化処理を行って得られた生体情報の解析結果を通信ネットワークNWを介して外部端末400に送信する(ステップS204)。その後、外部端末400は、解析結果を受信する。外部端末400は、解析結果に基づいて、提示処理を行い(ステップS205)、解析結果を表示装置に表示したり、ユーザ500に対する支援情報を生成して出力する。
【0087】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る生体情報解析装置1Aによれば、計測されたユーザの生体情報に異常値が含まれていても、異常値を除いた生体情報に基づいて平均化処理を行い、複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報の平均値を算出する。そのため、生体情報の典型的な値として算出された平均値に対する異常値の影響を抑制でき、ユーザの習慣に沿ったより正確な生体情報を得ることをできる。
【0088】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1および第2の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
第2の実施の形態では、生体情報解析装置1Aは、平均処理部110と異常値判定部16とを備え、生体情報の異常値を特定し、異常値を除いた生体情報の値に基づいて平均化処理を行う場合について説明した。これに対し、第3の実施の形態に係る生体情報解析装置1Bは、データ解析部11Bが要約部111を備え、平均化処理で算出された生体情報の平均値に基づく統計的な要約値を算出する。以下、第1および第2の実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
【0090】
図11に示すように、生体情報解析装置1Bのデータ解析部11Bは、平均処理部110、および要約部111を備える。
【0091】
要約部111は、平均処理部110によって算出された生体情報の平均値の時系列データに基づいて、任意の期間での生体情報を統計的に要約した要約値を算出する。要約部111が算出する要約値は、累積値、平均値、生体情報が計測される時間周期において任意の生体情報の値が占める割合を示す内訳、中央値、25%水準点、75%水準点、標準偏差、標準誤差の少なくとも1つを含む。
【0092】
[生体情報解析システムの動作シーケンス]
次に、本実施の形態に係る生体情報解析装置1Bの各機能が、
図6で説明したセンサ端末200、中継端末300、および外部端末400を備える生体情報解析システムで実現される場合を例に、
図12のシーケンス図を用いて動作を説明する。なお、本実施の形態では、中継端末300が要約部111を備えるデータ解析部11B、および異常値判定部16を備える場合について説明する。
【0093】
まず、センサ端末200がユーザ500に装着されて、複数の時間周期にわたってユーザ500の生体情報を計測する(ステップS300)。より具体的には、センサ端末200は、心拍計でユーザ500の心電位を計測し、その心電位に基づく心電波形からデジタルデータの心拍数を算出する。
【0094】
次に、センサ端末200は、通信ネットワークNWを介して生体情報を中継端末300に送信する(ステップS301)。中継端末300によって生体情報の時系列データが受信されると、異常値判定部16は、受信された生体情報に異常値が含まれるか否かを判定する(ステップS302)。異常値判定部16によって異常値が特定された場合には、異常値を除いた生体情報が平均処理部110に入力される。
【0095】
平均処理部110は、複数の生体情報の平均値を上述した式(1)を用いて算出する(ステップS303)。平均処理部110は、算出された生体情報の平均値の時系列データを要約部111に渡す。
【0096】
次に、要約部111は、平均処理部110によって算出された生体情報の平均値の時系列データに基づいて、任意の期間における生体情報の統計的な要約を示す要約値を算出する(ステップS304)。
図10の(b)に示す、平均処理部110によって算出された心拍数の平均値の時系列データの例を挙げてより具体的に説明すると、任意の期間を6時間として要約部111が算出する心拍数の平均値は、(100+80+60)/3=80bpmと算出される。
【0097】
また、要約部111は、心拍数の累積値について、1時間当たりのサンプリングレートをkとすると、(100+80+60)[bpm]×6[時間]×k[点]と算出する。
また、要約部111は、生体情報が計測される時間周期において任意の生体情報の値が占める割合を示す内訳として、
図10の(b)に示すように、「100bpm、80bpm、60bpmの期間はそれぞれ33%」と1日において各心拍数の平均値が占める割合を求めることができる。
【0098】
次に、中継端末300は、要約部111によって求められた生体情報の要約値を解析結果として、通信ネットワークNWを介して外部端末400に送信する(ステップS305)。その後、外部端末400は、解析結果を受信すると、解析結果の提示処理を実行する(ステップS306)。より詳細には、外部端末400は、解析結果として受信した生体情報の要約値を外部端末400が備える表示装置に表示したり、要約値に基づいてユーザ500を支援する情報を生成して表示装置に表示してもよい。
【0099】
以上説明したように、第3の実施の形態に係る生体情報解析装置1Bによれば、要約部111がユーザの生体情報の平均値の時系列データに基づいて任意の期間における統計的な要約を示す要約値を算出する。そのため、ユーザの1周期における生体情報を要約として統計的に把握することができる。
【0100】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1から第3の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0101】
第1から第3の実施の形態では、生体情報の具体例として、量的変数である心拍数を挙げて説明した。これに対し、第4の実施の形態では、解析の対象となる生体情報が、ユーザの姿勢のように、中間の値を許さない質的変数である場合について説明する。第4の実施の形態に係る生体情報解析装置1Cが備えるデータ解析部11Cは、質的変数を示す生体情報(以下、「生体状態情報」という。)を解析する要約部111Cを備える。以下、第1から第3の実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
【0102】
図13に示すように、生体情報解析装置1Cはデータ解析部11Cを備える。また、データ解析部11Cは要約部111Cを備える。
要約部111Cは、センサデータ取得部10によって取得された生体情報の時系列データから、質的変数である生体状態情報を算出し、複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻での生体状態情報の値の発生割合に基づいて、その生体状態情報を統計的に要約した要約値を算出する。
【0103】
本実施の形態において、データ解析部11Cが解析の対象とする生体状態情報は、質的変数である。生体状態情報は、前述したようにユーザの伏せている(横に寝ている)状態を「0」、立位のように起きている状態を「1」としたときに、この2値のどちらかに分類される性質を有する変数である。第1から第3の実施の形態でデータ解析の対象として用いられた心拍数のような生体情報は、いわゆる量的変数であるため、時系列データにおいて中間的な値で表される平均値の算出が行える。しかし、本実施の形態で扱う生体状態情報は、中間的な値、例えば、上記ユーザの姿勢の例において「0.5」という値は意味をなさない。
【0104】
本実施の形態では、要約部111Cは、複数の時間周期(複数日)における互いに対応する計測時刻に取得された生体状態情報が同じ値であれば平均値は同じ値とする。一方、複数日の互いに対応する計測時刻における生体状態情報が異なる値をとる場合は、それぞれの値の割合に応じて計測期間を分割する。
【0105】
より具体的には、
図15の(a)に示すように1日目(第1周期目)の生体状態情報として状態p1が0時から12時までは起きている状態を示す「1」であり、12時から24時までは伏せている状態を示す「0」である。また、2日目(第2周期目)の生体状態情報として状態p2が0時から6時までおよび12時から18時までの時間帯では起きている状態「1」であり、6時から12時および18時から24時までの時間帯では伏せている状態を示す「0」となっている。
【0106】
図15の(b)は、要約部111Cによって算出された、
図15の(a)における2日分(2周期分)の生体状態情報の平均を示す状態p3を示している。
図15の(b)に示すように、1日(1周期)のうち、0時から6時および18時から24時の生体状態情報が示す状態p3は、1日目および2日目の値が同じ値であるため、それぞれ1日目および2日目と同じ値が算出される。
【0107】
一方、6時から12時および12時から18時の時間帯においては、1日目と2日目との値が互いに異なるため、6時から12時および12時から18時までの期間をそれぞれ2分割して6時から9時までの時間帯では状態p3として「1」、9時から12時までの時間帯では状態p3として「0」を割り当てる。
【0108】
同様に、12時から18時までの時間帯についても2分割して状態p3として「1」と「0」とをそれぞれ組み合わせて割り当てる。
【0109】
要約部111Cは、上記のように時間の分割によって生体状態情報を示す値の平均を求める。また、要約部111Cは、時間の分割によって求めた生体状態情報の平均を示す値の発生割合に基づいて、生体状態情報を統計的に要約した要約値を算出する。
【0110】
より具体的には、要約部111Cは、
図15の(b)の例において、「1と0の状態をとったのは1日(1周期)においてそれぞれ50%」という要約を算出する。なお、状態を示す値は2値の場合に限らず、3値以上でも同様の計算が可能である。例えば、もしも状態が「0,1,2」の3値をとり、「0,0,1」という組み合わせが30分間存在したとしたら、「0をとった時間が20分、1をとった時間が10分」というような要約を算出すればよい。
【0111】
また、本実施の形態では、要約部111Cは、傾斜算出部112、体動算出部113、および姿勢算出部114を備える。
傾斜算出部112は、3軸の加速度データから、ユーザに着用されているセンサ106の傾きを算出する。
体動算出部113は、3軸の加速度データから、ユーザの体動の大きさを算出する。
姿勢算出部114は、傾斜算出部112によって算出された傾斜から、ユーザの姿勢を算出する。姿勢算出部114によって算出された値は、要約部111Cによってユーザの生体状態情報を示す値として用いられる。
【0112】
ここで、傾斜算出部112は、センサデータ取得部10によって得られた3軸の加速度データより重力加速度に対するセンサ106の傾きとして、以下の式によりθ、φを算出する。なお、傾斜算出部112は、センサデータ取得部10によって、例えば、25Hzのサンプリングレートでサンプリングされた3軸の加速度データを用いる。
【0113】
また、θ(-90≦θ<270)は鉛直方向に対する加速度センサのZ軸の傾き、φ(-90≦φ<270)は鉛直方向に対する加速度センサのX軸の傾きであり、単位は度[degree]である。
【0114】
【0115】
【0116】
Ax、Ay、Azは加速度センサの出力値であり、単位は重力加速度G(1.0G≒9.8m/s2)である。式(2)と式(3)では、加速度センサの出力値の合成ベクトルの大きさ(ノルム)に対する単軸の計測値の比を求め、さらに余弦(コサイン)の逆関数を求めることで角度の次元をもつ値として算出している。
【0117】
式(2)および式(3)のAx、Ay、Azは、加速度センサの出力値をそのまま代入してもよいし、平滑化のためのローパスフィルタ(たとえばFIRフィルタや移動平均フィルタ)を適用した値を用いてもよい。
【0118】
姿勢算出部114において、式(2)と式(3)で算出したθ、φの値に対して閾値との比較を行うことで姿勢の算出を行う。例えば、
図6に示すような加速度センサを備えるセンサ端末200の傾きは、それを身に着けるユーザ500の上体の傾きを反映するため、センサ端末200の傾きからユーザ500の姿勢を算出できる。例えば、次のような算出方法により姿勢を場合分けとして算出する。
【0119】
(i)立位(正立):30≦θ<140のとき。
(ii)立位(倒立):θ<-40または220<θのとき。
(iii)臥位(左半身が上に位置する):(φ≦-50または230<φ)かつ(-40≦θ<30)のとき、もしくは、(φ≦-50または230<φ)かつ(140<θ<220)のとき。
(iv)臥位(右半身が上に位置する):(50<φ<130)かつ(-40≦θ<30)のとき、もしくは、(50<φ<130)かつ(140<θ<220)のとき。
(v)臥位(仰向け):(130≦φ≦230)かつ(-40≦θ<30)のとき、もしくは、(130≦φ≦230)かつ(140<θ<220)のとき。
(vi)臥位(うつ伏せ):(-50≦φ≦50)かつ(-40≦θ<30)のとき、もしくは、(-50≦φ≦50)かつ(140<θ<220)のとき。
【0120】
上述した算出における(i)-(vi)の定義は、以下の表1に示すようなθ、φのテーブルとして姿勢算出部114に設定(記憶)しておけばよい。
【0121】
【0122】
姿勢算出部114によって算出されたユーザの姿勢に基づき、臥位を0、立位を1とすれば質的変数となる。
【0123】
[生体情報解析システムの動作シーケンス]
次に、本実施の形態に係る生体情報解析装置1Cの各機能が、
図6で説明したセンサ端末200、中継端末300、および外部端末400で実現される生体情報解析システムの動作について、
図14のシーケンス図を用いて説明する。なお、本実施の形態では、中継端末300が要約部111C備えるデータ解析部11Cを有する場合について説明する。
【0124】
まず、3軸の加速度センサを備えるセンサ端末200がユーザ500に装着されて、複数の時間周期にわたってユーザ500の3軸の加速度を計測する(ステップS400)。センサ端末200は、計測した加速度データについてノイズの除去や、例えば25Hzのサンプリングレートでサンプリングした加速度データを得る。
【0125】
次に、センサ端末200は、通信ネットワークNWを介して加速度データを中継端末300に送信する(ステップS401)。中継端末300が加速度の時系列データを受信すると、傾斜算出部112は、受信された3軸の加速度データから上述した式(2)および式(3)を用いて傾斜を算出する(ステップS402)。
【0126】
次に、姿勢算出部114は、ステップS402で算出された傾斜に基づいて、ユーザ500の姿勢を算出する(ステップS403)。より詳細には、姿勢算出部114は、上述した表1に示すテーブルを参照してユーザ500の生体状態情報である姿勢を求める。姿勢算出部114によって算出された値は、要約部111Cによってユーザ500の生体状態情報を示す値として用いられる。なお、姿勢算出部114によって得られた生体状態情報は、
図15の(a)に示すように、1日目(第1周期目)のユーザ500の状態p1、および2日目(第2周期目)のユーザ500の状態p2のように、臥位を「0」、立位を「1」として2値で示されている。
【0127】
次に、体動算出部113は、3軸の加速度データからユーザ500の体動の大きさを算出する(ステップS404)。その後、要約部111Cは、姿勢算出部114によって求められたユーザ500の生体状態情報である姿勢の時系列データ(
図15の(a))に基づいて、任意の期間における生体状態情報の統計的な要約値を算出する(ステップS405)。
【0128】
より詳細には、要約部111Cは、
図15の(b)に示すように、時間の分割によって生体状態情報を示す値の平均を求める。また、要約部111Cは、時間の分割によって求めた生体状態情報の平均を示す値の発生割合に基づいて、生体状態情報を統計的に要約した要約値を算出する。
【0129】
次に、中継端末300は、算出した要約値を解析結果として通信ネットワークNWを介して外部端末400に送信する(ステップS406)。その後、外部端末400は、解析結果を受信すると、解析結果の提示処理を実行する(ステップS407)。より詳細には、外部端末400は、解析結果として受信した生体状態情報の要約値を外部端末400が備える表示装置に表示したり、要約値に基づいてユーザ500を支援する情報を生成して表示装置に表示してもよい。
【0130】
以上説明したように、第4の実施の形態に係る生体情報解析装置1Cによれば、要約部111Cがユーザの姿勢など、質的変数に係る生体状態情報の時系列データに基づいて任意の期間における統計的な要約を示す要約値を算出する。そのため、生体状態情報が質的変数であっても、ユーザの1日(1周期)における生体状態情報を要約として統計的に把握することができる。
【0131】
以上、本発明の生体情報解析装置、生体情報解析方法、および生体情報解析システムにおける実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。
【0132】
なお、説明した実施の形態では、センサ106、201が計測、算出する生体情報として、心電位や加速度の場合について説明したが、生体情報はこれらに限らず、例えば、筋電位、心拍、脈拍、血圧、呼吸、姿勢、歩行、移動速度、位置、動作、運動強度、体動、活動量などであってもよい。
【0133】
また、説明した実施の形態では、具体例において、中継端末300がデータ解析部11を備える場合について説明した。しかし、データ解析部11が有する各機能をセンサ端末200、中継端末300、および外部端末400にそれぞれ分散して実現してもよい。
【0134】
例えば、第1データ解析部を有するセンサ端末200、第2データ解析部を有する中継端末300、および第3データ解析部を有する外部端末400が協働して複数の時間周期にわたる生体情報の時系列データを解析して、複数の時間周期のそれぞれにおいて互いに対応する計測時刻に取得された複数の生体情報からこれら複数の生体情報の代表値を算出してもよい。
【符号の説明】
【0135】
1、1A、1B、1C…生体情報解析装置、10、202…センサデータ取得部、11、304…データ解析部、12、303…時刻取得部、13…記憶部、14、404…提示部、15…送受信部、101…バス、102…演算装置、103…CPU、104…主記憶装置、105…通信インターフェース、106、201…センサ、107…外部記憶装置、108…時計、109…表示装置、200…センサ端末、300…中継端末、400…外部端末、203、302、402…データ記憶部、204、305…データ送信部、301、401…データ受信部、403…提示処理部。