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特許7181286多分散ポリマーナノスフィアを含むミクロスフィア、および多孔性金属酸化物ミクロスフィア
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  • 特許-多分散ポリマーナノスフィアを含むミクロスフィア、および多孔性金属酸化物ミクロスフィア 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】多分散ポリマーナノスフィアを含むミクロスフィア、および多孔性金属酸化物ミクロスフィア
(51)【国際特許分類】
   C09C 1/00 20060101AFI20221122BHJP
   C09C 1/04 20060101ALI20221122BHJP
   C09C 1/30 20060101ALI20221122BHJP
   C09C 1/36 20060101ALI20221122BHJP
   C09C 1/40 20060101ALI20221122BHJP
   C09C 1/24 20060101ALI20221122BHJP
   C09C 1/34 20060101ALI20221122BHJP
   C09C 3/10 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
C09C1/00
C09C1/04
C09C1/30
C09C1/36
C09C1/40
C09C1/24
C09C1/34
C09C3/10
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2020514522
(86)(22)【出願日】2018-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 US2018050175
(87)【国際公開番号】W WO2019051357
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】62/556,798
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】507044516
【氏名又は名称】プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ルパ ヒレマス ダルジ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ニューハウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィノサン エヌ. マノハラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクトリア フワン
(72)【発明者】
【氏名】アンナ ビー. スティーヴンソン
【審査官】川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0038586(US,A1)
【文献】特開2012-224509(JP,A)
【文献】国際公開第2005/026048(WO,A1)
【文献】特開2000-328039(JP,A)
【文献】米国特許第08911864(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0017145(US,A1)
【文献】特開2003-344882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 1/00-3/12
C09D 15/00-17/00
C01B 33/12
C01F 7/02,17/235
C01G 9/02,23/047,
25/02,37/02,
49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物を含む多孔性金属酸化物ミクロスフィアを製造する方法であって、
単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;
少なくとも1種のさらなる単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;
前記各溶液または分散体を互いに混合し、ここで前記溶液または分散体の1つまたは複数に金属酸化物を添加して、かつ/または前記混合物に金属酸化物を添加して、ポリマーナノ粒子と金属酸化物との分散液を製造すること;
前記分散液の液滴を製造すること;
前記液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアと金属酸化物とを含むポリマー鋳型ミクロスフィアを得ること;および
前記鋳型ミクロスフィアから前記ポリマーナノスフィアを除去して、多孔性金属酸化物ミクロスフィアを得ること
を含み、
前記各溶液または分散体の単分散ポリマーナノ粒子の平均直径が異なっており、
前記多孔性金属酸化物ミクロスフィアが、0.5μm~100μmの平均直径、および
0.10~0.80の平均多孔度
を有し、
各々が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、前記各集団が異なる平均孔径を有し、前記平均孔径が50nm~999nmである、
方法。
【請求項2】
ポリマーナノ粒子と金属酸化物との分散液を製造すること、前記分散液を噴霧乾燥させてポリマー鋳型ミクロスフィアを得ること、および前記鋳型ミクロスフィアから前記ポリマーナノスフィアを除去することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
振動ノズルで前記液滴を製造することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記液滴が水滴または油滴である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
連続相を準備すること、および前記分散液と前記連続相とを混合して、分散した分散液滴を含有するエマルジョンを製造すること、および前記液滴を収集することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマー鋳型ミクロスフィアを得ることを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記液滴を乾燥させることが、マイクロ波照射、オーブン乾燥、真空乾燥、乾燥剤の存在下での乾燥、またはその組み合わせを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記液滴がミクロ流体デバイス内で作られる、請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマーナノ粒子全部と前記金属酸化物とのwt/wt比が、0.5/1~10.0/1である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマーナノ粒子が、50nm~990nmの平均直径を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル、その誘導体、その塩、そのコポリマー、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化クロム、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記ミクロスフィアが単分散である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記多孔性金属酸化物ミクロスフィアが、ミクロスフィアのバルク試料である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記鋳型ミクロスフィアから前記ポリマーナノスフィアを除去することが、か焼、熱分解、または溶媒除去を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記ポリマーナノスフィアを除去することが、前記鋳型ミクロスフィアを350℃~700℃の温度で1時間~8時間かけてか焼することを含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
請求項1から8までのいずれか1項にしたがい製造された、多孔性ミクロスフィア。
【請求項18】
請求項1から8までのいずれか1項にしたがい製造された、多孔性ミクロスフィアのバルク試料。
【請求項19】
金属酸化物を含む多孔性ミクロスフィアであって、
4.5μm~9.9μmの平均直径、および
0.45~0.65の平均多孔度
を有し、
各々が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、前記各集団が異なる平均孔径を有し、前記平均孔径が220nm~300nmである、
多孔性ミクロスフィア。
【請求項20】
前記ミクロスフィアの総重量に対し60.0wt%~99.9wt%の金属酸化物を含む、請求項19記載の多孔性ミクロスフィア。
【請求項21】
前記金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化クロム、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項19記載の多孔性ミクロスフィア。
【請求項22】
前記ミクロスフィアの総重量に対し、0.1wt%~40.0wt%の1種または複数種の光吸収剤を含む、請求項19記載の多孔性ミクロスフィア。
【請求項23】
前記多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる色を呈する、請求項19記載の多孔性ミクロスフィア。
【請求項24】
単分散である、請求項19記載の多孔性ミクロスフィア。
【請求項25】
基体と、請求項19記載の多孔性ミクロスフィアとを含む、組成物。
【請求項26】
水性配合物、油性配合物、インク、コーティング配合物、食品、プラスチック、化粧品配合物、または医療用途もしくはセキュリティ用途の材料である、請求項25記載の組成物。
【請求項27】
金属酸化物を含む多孔性ミクロスフィアであって、前記多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる色を呈し;各々が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、前記各集団が異なる平均孔径を有しており、かつ、
4.5μm~9.9μmの平均直径;
0.45~0.65の平均多孔度;および
220nm~300nmの平均孔径
を有する、多孔性ミクロスフィア。
【請求項28】
前記多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度非依存色を呈する、請求項27記載の多孔性ミクロスフィア。
【請求項29】
前記多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度依存色を呈する、請求項27記載の多孔性ミクロスフィア。
【請求項30】
基体と、請求項27から29までのいずれか1項記載の多孔性ミクロスフィアとを含む、組成物。
【請求項31】
水性配合物、油性配合物、コーティング配合物、食品、インク、プラスチック、化粧品配合物、または医療用途もしくはセキュリティ用途の材料である、請求項30記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多孔性金属酸化物ミクロスフィア、その製造法、およびその使用が開示される。該ミクロスフィアは、たとえば構造着色剤としての使用に適している。
【0002】
発明の背景
従来の顔料および染料は、化学的構造に依拠し、光の吸収および反射により色を呈する。構造着色剤は、化学的構造ではなく物理的構造に依拠し、光干渉効果により色を呈する。構造着色剤は、自然界では、たとえば鳥の羽、蝶の翅、特定の宝石用原石に見られる。構造着色剤は、可視光に干渉して色を生成するくらい小さい顕微鏡的構造表面を含有する物質である。そのような物質は、限定ではないが、オパール、逆オパール、フォトニック微小体、フォトニックスフィア、または複合フォトニック結晶といったフォトニック材料に基づき得る。「フォトニック材料」という用語は、その構造にある程度の周期的変化を有する材料を指す。
【0003】
構造着色剤は、高い安定性を呈し得る。したがって、バルクで存在する場合に、裸眼で観測可能な、可視光の異なる色を呈する構造着色剤が望ましい。そのような構造着色剤は、安定性がより低いおよび/または環境に対し配慮の足りない顔料または染料の代わりに消費者製品に配合することができる。
【0004】
特定の多孔性金属酸化物ミクロスフィアが、バルクで高品質の色を呈することが見出された。該ミクロスフィアは、バルクで可視の色を提供する。
【0005】
発明の概要
したがって、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマーミクロスフィアを製造する方法が開示され、該方法は、単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;少なくとも1種のさらなる単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;該各溶液または分散体を互いに混合すること;該混合物の液滴を製造すること;および該液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマーミクロスフィアを得ること、を含み、該各溶液または分散体の単分散ポリマーナノ粒子の平均直径は異なっている。
【0006】
2つ以上の単分散ポリマーナノスフィア集団を含むポリマーミクロスフィアも開示され、該各単分散ポリマーナノスフィア集団は異なる平均直径を有する。ポリマーミクロスフィアのバルク試料は、人間の眼で観測できる色を呈し得る。
【0007】
多孔性金属酸化物ミクロスフィアを製造する方法も開示され、該方法は、単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;少なくとも1種のさらなる単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;該各溶液または分散体を互いに混合し、ここで、該溶液または懸濁液の1つまたは複数に金属酸化物を添加して、かつ/または該混合物に金属酸化物を添加して、ポリマーナノ粒子と金属酸化物との分散液を製造すること;該分散液の液滴を製造すること;該液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアと金属酸化物とを含むポリマー鋳型ミクロスフィアを得ること;および該鋳型ミクロスフィアから該ポリマーナノスフィアを除去して、多孔性金属酸化物ミクロスフィアを得ること、を含み;該各溶液または分散体の単分散ポリマーナノ粒子の平均直径は異なっている。
【0008】
約0.5μm~約100μmの平均直径、および約0.10~約0.90または約0.10~約0.80の平均多孔度を有する、金属酸化物を含む多孔性ミクロスフィアも開示され、該多孔性ミクロスフィアは、各集団が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、該各集団は異なる平均孔径を有しており;該平均孔径は約50nm~約999nmであり;たとえば、該ミクロスフィアは、約50nm~約999nmの平均孔径を有する第1の孔集団と、約50nm~約999nmの平均孔径を有する第2の孔集団とを有しており、第1の平均孔径と第2の平均孔径とは異なっている。
【0009】
金属酸化物を含む多孔性ミクロスフィアであって、該多孔性ミクロスフィアのバルク試料が人間の眼で観測できる色を呈する、多孔性ミクロスフィアも開示される。
【0010】
基体と本ミクロスフィアとを含む組成物も開示され、たとえば該組成物は、水性配合物、油性配合物、コーティング配合物、インク、食品、プラスチック、化粧品配合物、または医療用途もしくはセキュリティ用途の材料である。
【0011】
本明細書に記載の開示は、添付図では、限定としてではなく、例として例示されている。簡潔かつ明瞭に例示するために、図で例示される諸特徴は、必ずしも一律の縮尺どおりとは限らない。たとえば、いくつかの特徴の寸法は、明瞭さを期して、他の特徴に対し強調されている場合もある。さらに、対応のまたは同様の要素を指すために、適宜、図をまたいで参照符号が繰り返されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本多孔性ミクロスフィアの製造の概要を示す図である。
図2】本発明の一実施形態のポリマー鋳型ミクロスフィアの走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
図3】本発明の一実施形態の多孔性シリカミクロスフィアのSEM画像である。
図4】本発明のいくつかの実施形態の噴霧乾燥プロセスの代表図である。
【0013】
発明の詳細な説明
本金属酸化物ミクロスフィア、またはフォトニックボールは、高分子犠牲鋳型を用いて製造することができる。一実施形態では、ポリマーナノ粒子と金属酸化物とを含む水性コロイド分散体が製造され、該ポリマー粒子は典型的にはナノスケールである。この水性コロイド状分散体は、たとえばミクロ流体デバイス内で、油連続相と混合されて、油中水型エマルジョンを生成する。エマルジョン水滴を製造し、収集し、そして乾燥させて、ポリマーナノ粒子と金属酸化物とを含有するミクロスフィアを製造する。次いでポリマーナノ粒子(ナノスフィア)が、たとえばか焼により除去されて、多孔度が高い、ナノスケールの孔を含む、球体のミクロンスケールの金属酸化物粒子(ミクロスフィア)が得られる。ポリマー粒子が多分散である結果として、ミクロスフィアは、異なる孔径を含み得る。
【0014】
図1は、本多孔性ミクロスフィアの製造の概要を示す。ポリマーナノスフィアと金属酸化物とを含有するエマルジョン液滴を乾燥させて溶媒を除去すると、ポリマーナノスフィアを含有するミクロスフィアの集合体が得られ、該ポリマーナノスフィアが相互の間隙スペースに金属酸化物を含んでいる(鋳型ミクロスフィアまたは「順構造」)。ポリマーナノスフィアは多分散である。該ポリマーナノスフィアが間隙スペースを画定する。か焼の結果、ポリマーが除去され、多孔度または空隙体積の大きい本金属酸化物ミクロスフィアが得られる(逆構造)。
【0015】
多孔性金属酸化物ミクロスフィアは、有利には焼結され、結果として熱的および機械的に安定した連続固体構造が得られる。
【0016】
いくつかの実施形態では、液滴の形成および収集がミクロ流体デバイス内で行われる。ミクロ流体デバイスは、たとえば、均一サイズの液滴を製造するようにされたミクロンスケールの液滴ジャンクションを有する、収集リザーバと接続している狭小チャネルデバイスである。ミクロ流体デバイスは、たとえば、約10μm~約100μmのチャネル幅を有する液滴ジャンクションを収容している。該デバイスは、たとえば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)でできており、たとえばソフトリソグラフィーにより作製することができる。水分散相と油連続相とを特定の速度でデバイスに給送すると、デバイス内で混合されて、デバイス内でエマルジョンが製造され、エマルジョン液滴を得ることができる。あるいは水中油型エマルジョンを用いてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、振動ノズル技法を用いる場合がある。これらの技法では、分散液を製造し;液滴を形成させ;該液滴を連続相の浴に落下させる。次いで該液滴を乾燥させてか焼する。振動ノズル装置はBuechi社から入手可能であり、たとえばシリンジポンプおよび脈動ユニットを備える。振動ノズル装置は、圧力調節弁を備える場合もある。
【0018】
ポリマーナノ粒子は、たとえば、約50nm~約999nmの平均直径を有する。ポリマーナノスフィアは多分散である。本発明では、ポリマーナノスフィアの多分散試料は、2つ以上のポリマーナノスフィア単分散集団、つまり、少なくとも第1および第2のポリマーナノスフィア単分散集団を含有しており、第1の平均粒子サイズと第2の平均粒子サイズとは異なっている。
【0019】
好適な鋳型ポリマーとしては、熱可塑性ポリマーが挙げられる。たとえば、鋳型ポリマーは、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、その誘導体、その塩、そのコポリマー、およびその組み合わせからなる群より選択される。たとえば、ポリマーは、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n-ブチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(アルファ-メチルスチレン)、ポリ(N-メチロールアクリルアミド)、スチレン/メチルメタクリレートコポリマー、ポリアルキル化アクリレート、ポリヒドロキシルアクリレート、ポリアミノアクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリフッ素化アクリレート、ポリ(N-メチロールアクリルアミド)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸コポリマー、スチレン/メチルメタクリレート/アクリル酸コポリマー、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクトン、ポリビニルカプロラクタム、その誘導体、その塩、およびその組み合わせからなる群より選択される。
【0020】
特定の実施形態では、ポリマー鋳型として、ポリスチレンおよびポリスチレンコポリマーといった各種ポリスチレンが挙げられる。ポリスチレンコポリマーとしては、水溶性モノマーとのコポリマー、たとえばポリスチレン/アクリル酸、ポリスチレン/ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、およびポリスチレン/スチレンスルホナートが挙げられる。
【0021】
本金属酸化物としては、遷移金属、半金属、および希土の酸化物、たとえばシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化クロム、混合金属酸化物、その組み合わせ等が挙げられる。
【0022】
ポリマーナノ粒子と金属酸化物とのwt/wt(重量/重量)比は、たとえば約0.1/1~約10.0/1、または約0.5/1~約10.0/1である。
【0023】
油連続相は、たとえば有機溶媒、シリコーン油、またはフッ素化油を含む。本発明では、「油」は、水と混和しない有機相を意味する。有機溶媒としては、炭化水素、たとえばヘプタン、ヘキサン、トルエン、キシレン等、ならびにアルカノール、たとえばメタノール、エタノール、プロパノールその他が挙げられる。
【0024】
エマルジョン液滴を収集し、乾燥させ、そしてポリマーを除去する。乾燥は、たとえば、マイクロ波照射により、熱式オーブン内で、真空下で、乾燥剤の存在下で、噴霧乾燥技法により、またはその組み合わせにより実施される。
【0025】
ポリマー除去は、たとえばか焼により、熱分解により、または溶媒を用いて(溶媒除去)実施することができる。か焼は、いくつかの実施形態では、少なくとも約200℃、少なくとも約500℃、少なくとも約1000℃、約200℃~約1200℃、または約200℃~約700℃の温度で実施される。か焼は、好適な時間だけ行うことができ、たとえば、約0.1時間~約12時間、または約1時間~約8.0時間であり得る。他の実施形態では、か焼は、少なくとも約0.1時間、少なくとも約1時間、少なくとも約5時間、または少なくとも約10時間であり得る。
【0026】
あるいはポリマーナノ粒子と金属酸化物とを含む分散液は、水中油型エマルジョンが形成するように、油分散相と水連続相とを用いて作られる。水滴の場合と同様に、油滴を収集し、そして乾燥させることができる。
【0027】
あるいはポリマーナノ粒子と金属酸化物との分散液を製造し、そして噴霧乾燥させて、液中液型エマルジョンを形成させずにポリマー鋳型ミクロスフィアを製造する。噴霧乾燥技法の特定の実施形態では、溶液または分散液が、圧縮ガス入口と連結した噴霧ノズルに供給される(たとえば給送される)。供給物は、噴霧ノズル内を給送されて液滴を形成する。これらの液滴は蒸発チャンバ内で予熱ガスに囲まれ、その結果、溶媒が蒸発して固体粒子が生成する。乾燥粒子は乾燥用ガスによってサイクロン中を運ばれ、そして収集チャンバ内に堆積する。ガスとしては、窒素および/または空気が挙げられる。本噴霧乾燥プロセスの一実施形態では、液体供給物が、水相または油相、ポリマー粒子、および任意選択により金属酸化物を含有している。ポリマーナノスフィアを含有するポリマーミクロスフィアが得られ、該ポリマーナノスフィアの相互の間隙スペースに任意選択により金属酸化物が含まれている。該ポリマーナノスフィアが間隙スペースを画定する。噴霧乾燥法は、インクジェット噴霧乾燥法および装置を含む。
【0028】
本噴霧乾燥技法では、分散液相に対し、空気を連続相とみなすことができる(ガス中液型エマルジョン)。特定の実施形態では、噴霧乾燥には、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約130℃、約140℃、約150℃、約160℃、または約170℃のいずれかから、約180℃、約190℃、約200℃、約210℃、約215℃、または約220℃のいずれかまでの入口温度が含まれる。いくつかの実施形態では、約1mL/分、約2mL/分、約5mL/分、約6mL/分、約8mL/分、約10mL/分、約12mL/分、約14mL/分、または約16mL/分のいずれかから、約18mL/分、約20mL/分、約22mL/分、約24mL/分、約26mL/分、約28mL/分、または約30mL/分のいずれかまでの給送速度(供給物流量)が用いられる。噴霧乾燥技法は、たとえば米国特許出願公開第2016/0170091号明細書に開示されている。
【0029】
図4は、本発明のいくつかの実施形態の噴霧乾燥プロセスの代表図である。
【0030】
噴霧乾燥技法の特定の実施形態では、供給溶液または分散体が、圧縮ガス入口と連結した噴霧ノズルに供給される。供給物は、噴霧ノズル内を給送されて液滴を形成する。これらの液滴は蒸発チャンバ内で予熱ガスに囲まれ、その結果、溶媒が蒸発して固体粒子が生成する。乾燥粒子は乾燥用ガスによってサイクロン中を運ばれ、そして収集チャンバ内に堆積する。ガスとしては、窒素および/または空気が挙げられる。本噴霧乾燥プロセスでは、液体供給物が、水、ポリマーナノ粒子、および金属酸化物を含有する。
【0031】
ミクロスフィアは、球体または球体様であり、ミクロンスケールであって、たとえば約0.5ミクロン(μm)~約100μmの平均直径を有する。鋳型として用いられるポリマーナノ粒子も球体であり、かつナノスケールであって、たとえば約50nm~約999nmの平均直径を有する。用いられる金属酸化物も粒子の形態の場合があり、該粒子はナノスケールであり得る。
【0032】
分散体の金属酸化物は、金属酸化物として準備してもよく、または金属酸化物の前駆体から、たとえばゾル-ゲル技法により準備してもよい。
【0033】
ポリマー/金属酸化物液滴を乾燥させ、ポリマーを除去すると、空隙(孔)を有するミクロスフィアが得られる。概して、本プロセスでは、各液滴がミクロスフィア1個を与える。孔径は、ポリマー粒子のサイズによる。ポリマー除去後、多少の「収縮」または圧縮が生じることがあり、孔サイズがもとのポリマー粒子サイズよりも幾分小さくなり、ポリマー粒子サイズよりもたとえば約10%~約40%小さくなる。孔径は、ポリマー粒子のサイズが異なるのと同様に、異なっている(つまり、多分散である)。
【0034】
孔径は、いくつかの実施形態では、約50nm~約999nmの範囲であり得る。
【0035】
本金属酸化物ミクロスフィアの平均多孔度は比較的高くなり得、たとえば約0.10または約0.30~約0.80または約0.90である。ミクロスフィアの平均多孔度は、ミクロスフィア全体積の分率としての総孔体積を意味する。平均多孔度は、「体積分率」と呼ばれる場合もある。
【0036】
いくつかの実施形態では、多孔性ミクロスフィアは、中実コア(中心)を有する場合があり、その場合は概して、ミクロスフィアの外表面に向けて多孔性となる。他の実施形態では、多孔性ミクロスフィアは、中空コアを有する場合があり、その場合は、多孔度の大部分がミクロスフィア内部に向かう。他の実施形態では、多孔度は、ミクロスフィアの体積全体に分布し得る。他の実施形態では、多孔度は、勾配として存在し得、その場合は、ミクロスフィアの外表面に向けて多孔度がより高くなり、中心に向けて多孔度がより低くなるかゼロであり(中実);あるいは外表面に向けて多孔度がより低くなり、中心に向けて多孔度がより高くなるか完全に多孔性となる(中空)。
【0037】
どの多孔性ミクロスフィアも、平均ミクロスフィア径が平均孔径よりも大きく、たとえば平均ミクロスフィア径は、平均孔径よりも少なくとも約25倍、少なくとも約30倍、少なくとも約35倍、または少なくとも約40倍大きい。
【0038】
いくつかの実施形態では、平均ミクロスフィア径と平均孔径との比は、たとえば、約40/1、約50/1、約60/1、約70/1、約80/1、約90/1、約100/1、約110/1、約120/1、約130/1、約140/1、約150/1、約160/1、約170/1、約180/1、または約190/1のいずれかから、約200/1、約210/1、約220/1、約230/1、約240/1、約250/1、約260/1、約270/1、約280/1、約290/1、約300/1、約310/1、約320/1、約330/1、約340/1、または約350/1のいずれかまでである。
【0039】
多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマー鋳型ミクロスフィアは、ポリマーが除去されると、概して異なる孔径をもつ孔を有する金属酸化物ミクロスフィアを与えることができる。
【0040】
理論に縛られるわけではないが、ミクロスフィアのバルク試料は、多孔度および/またはミクロスフィア径および/または孔径が特定の範囲内である場合、望ましくない光散乱が低下した飽和色を呈すると考えられる。着色剤はたとえば塗料、インク、コーティング、化粧品、または医療用途もしくはセキュリティ用途の材料においてバルクで用いられるため、バルク試料の色特性は重要である。いくつかの実施形態では、たとえば白色着色剤としての使用に、白色ミクロスフィアが望ましい。
【0041】
多孔性ミクロスフィアは、主として金属酸化物を含み、つまり、基本的に金属酸化物からなる、または金属酸化物からなる場合がある。有利には、多孔性ミクロスフィアのバルク試料は人間の眼で観測できる色を呈する。ミクロスフィア中に光吸収剤も存在する場合があり、より飽和度の高い観測可能な色を与えることができる。吸収剤としては、無機顔料および有機顔料、たとえばカーボンブラックなどの広帯域吸収剤が挙げられる。吸収剤は、たとえば、ミクロスフィアと吸収剤とを物理的に混合することにより、または吸収剤をこれから乾燥させる液滴に含めることにより、添加することができる。カーボンブラックの場合、制御下でのか焼を用いて、インサイチュでポリマー分解からカーボンブラックを製造してもよい。本ミクロスフィアは、光吸収剤の添加なしには観測可能な色を呈さないかもしれないが、光吸収剤を添加すれば観測可能な色を呈する。
【0042】
多孔性ミクロスフィアは、たとえば水性配合物、油性配合物、インク、コーティング配合物、食品、プラスチック、化粧品配合物、または医療用途もしくはセキュリティ用途の材料のための着色剤として用いることができる。コーティング配合物としては、たとえば自動車用コーティング、建築用コーティング、ワニス等が挙げられる。
【0043】
本多孔性金属酸化物ミクロスフィアは、角度依存色または角度非依存色を呈する場合がある。「角度依存」色は、観測された色が、試料に対する入射光の角度に、または観測者と試料との間の角度に依存することを意味する。「角度非依存」色は、観測された色が、試料に対する入射光の角度にも、観測者と試料との間の角度にも、実質的に依存しないことを意味する。
【0044】
角度非依存色は、たとえば多分散ポリマーナノスフィアを用いて実現することができる。角度非依存色は、液滴を乾燥させてポリマー鋳型ミクロスフィアを得るステップを速やかに実施し、ポリマーナノスフィアを規則化させないことによって、実現することもできる。角度依存色は、液滴を乾燥させるステップをゆっくりと実施して実現することができる。
【0045】
たとえば、多孔性ミクロスフィアは、ミクロスフィアの総重量に対し、約60.0wt%(重量パーセント)~約99.9wt%の金属酸化物、および約0.1wt%~約40.0wt%の1種または複数種の光吸収剤を含む場合がある。
【0046】
多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマーミクロスフィア、それらを製造する方法、およびそれらを含む組成物も、本発明の主題である。該方法は、単分散ポリマーナノ粒子の水性分散体を製造すること;少なくとも1種のさらなる単分散ポリマーナノ粒子の水性分散体を製造すること;油連続相を準備すること;該水性分散体と該油相とを混合して、油中水型エマルジョンを製造すること;エマルジョン液滴を製造すること;および該エマルジョン液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマーミクロスフィアを得ること、を含み、該各分散体の単分散ポリマーナノ粒子の平均直径は異なっている。
【0047】
有利には、多孔性ミクロスフィアおよびポリマーミクロスフィアは、単分散であり得る。
【0048】
本発明では、粒子サイズは粒径と同義であり、たとえば走査電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)により決定される。平均粒子サイズは、集団の半分がそのポイントよりも上にあり半分が下にあることを意味するD50と同義である。粒子サイズは、一次粒子を指す。粒子サイズは、分散体または乾燥粉末を用いて、レーザー光散乱技法により測定することができる。
【0049】
水銀ポロシメトリー分析を用いて、ミクロスフィアの多孔度を特徴づけた。水銀ポロシメトリーでは、水銀に浸した試料に制御下で圧力を加える。外圧がかかった水銀が物質の空隙/孔に浸透する。空隙/孔への侵入に要した圧力量は、空隙/孔のサイズに反比例している。水銀ポロシメーターは、該機器が生成した圧力対侵入のデータから、Washburn式を用いて体積および孔サイズ分布を生成する。たとえば、平均サイズ165nmの空隙/孔を含有する多孔性シリカミクロスフィアは、0.8の平均多孔度を有する。
【0050】
「バルク試料」という用語は、ミクロスフィアの集団を意味する。たとえば、ミクロスフィアのバルク試料は、単に、たとえば≧0.5mg、≧0.7mg、≧1.0mg、≧2.5mg、≧5.0mg、≧10.0mg、または≧25.0mgのミクロスフィアのバルク集団である。ミクロスフィアのバルク試料は他の構成要素を実質的に含まない場合がある。「多孔性ミクロスフィア」という用語は、バルク試料を意味する場合がある。
【0051】
「人間の眼で観測できる色を呈する」という語句は、色が、平均的な人によって観測されることを意味する。これは、あらゆる表面積に分布するあらゆるバルク試料に関し、たとえば約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、または約6cmのいずれかから、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、または約15cmのいずれかまでの表面積に分布するバルク試料に関する。また、CIE 1931 2°標準観測者および/またはCIE 1964 10°標準観測者により観測可能、を意味する場合もある。色観測の背景はどのような背景でもよく、たとえば白色背景、黒色背景、または白色から黒色までのどこかの黒っぽい背景でもよい。
【0052】
「~の(of)」という用語は、「~を含む」を意味する場合があり、たとえば「~の分散液」は、「~を含む分散液」と解釈される場合がある。
【0053】
本明細書では、「ミクロスフィア」、「ナノスフィア」、「液滴」という用語その他は、たとえばその複数、その集まり、その集団、その試料、またはそのバルク試料を意味する場合がある。
【0054】
「ミクロ」または「ミクロスケール」という用語は、約0.5μm~約999μmを意味する。「ナノ」または「ナノスケール」という用語は、約1nm~約999nmを意味する。
【0055】
「スフィア」および「粒子」という用語は、互いに交換可能であり得る。
【0056】
ミクロスフィアまたはナノスフィアの集団に関する「単分散」という用語は、粒子が概ね均一の形状および概ね均一の直径を有することを意味する。本ミクロスフィアまたはナノスフィアの単分散集団は、たとえば粒子数の90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%が、該集団の平均直径の±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、または±1%以内の直径を有する場合がある。「単分散ポリマーナノ粒子」という用語は、単分散ポリマーナノ粒子の集団を指す。
【0057】
ナノスフィアに関する「多分散」という用語は、試料が、第1の平均直径を有する第1の単分散集団と、少なくとも、第2の平均直径を有する第2の単分散集団とを含んでおり、第1の直径と第2の直径とは異なっていることを意味する。ミクロスフィア多分散試料は、少なくとも2つの単分散集団を含有しており、各々が異なる平均粒子サイズを有する3つ、4つ、5つ、6つ、その他の単分散集団を含有し得る。第1および第2の単分散ポリマーナノスフィアだけを有する多分散試料は「2モード」の試料であり、2モードの粒子サイズ分布を有している。
【0058】
「他の構成要素を実質的に含まない」という用語は、他の構成要素を、重量基準でたとえば≦5%、≦4%、≦3%、≦2%、≦1%、または≦0.5%だけ含有していることを意味する。同様に、「実質的にない」という用語は、ほとんどまたは全くないことを意味する。
【0059】
「基体」は、水性または油性の基体または「媒体」を意味する場合があり、該基体は、最終組成物の副部分または主部分であり得る。基体は、固体、半固体、ゲル、液体、ペースト、クリーム、その他を意味する場合もある。
【0060】
ポリマーナノスフィア単分散集団を除去することで、平均孔径をもつ対応する孔集団を有する多孔性金属酸化物ミクロスフィアが得られる。2つ以上のポリマーナノスフィア単分散集団(多分散ポリマーナノスフィア)を除去することで、異なる平均孔径をもつ対応する孔集団を有する多孔性金属酸化物ミクロスフィアが得られる。つまり、各々が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有する多孔性金属酸化物ミクロスフィアであって、該各集団が異なる平均孔径を有し、これらの平均孔径は約50nm~約999nmである。
【0061】
ポリマーミクロスフィアのポリマーナノスフィア径および多孔性ミクロスフィアの孔径は、たとえば2モード、3モード、4モード、その他であり得る。
【0062】
本明細書では「a」および「an」という冠詞は、文法上の目的語の1つ(1種)または2つ(2種)以上(たとえば少なくとも1つ(1種))を指す。本明細書に記載の範囲はすべて、両端を含む。本明細書全体で用いる「約」という用語は、小変動を記述し説明するのに用いられる。たとえば、「約」は、ある数値が、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、±0.5%、±0.4%、±0.3%、±0.2%、±0.1%、または±0.05%だけ変更され得ることを意味する場合がある。明記していてもいなくても、すべての数値が「約」という用語で修飾されている。「約」という用語で修飾されている数値は、明示されている値を含む。たとえば「約5.0」は5.0を含む。
【0063】
本明細書に記載の米国特許、米局特許出願、および米国特許出願公開は、参照により本明細書に援用される。
【0064】
特に断らない限り、すべての部およびパーセンテージは重量基準である。重量パーセント(wt%)は、特に断らない場合、何ら揮発物を含まない全組成物、つまり乾燥固体成分に基づく。
【0065】
ポリマーミクロスフィアを製造する方法に関する、本開示の実施形態の非限定的な第1の組は、以下を含む。
【0066】
第1の実施形態では、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマーミクロスフィアを製造する方法が開示され、該方法は、単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;少なくとも1種のさらなる単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;該各溶液または分散体を互いに混合すること;該混合物の液滴を製造すること;および該液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマーミクロスフィアを得ること、を含み、該各溶液または分散体の単分散ポリマーナノ粒子の平均直径は異なっている。
【0067】
いくつかの実施形態では、液滴を乾燥させることは、マイクロ波照射、オーブン乾燥、真空乾燥、乾燥剤の存在下での乾燥、またはその組み合わせを含み得る。
【0068】
第2の実施形態では、溶液または分散体を互いに混合すること、および該混合物を噴霧乾燥させてポリマーミクロスフィアを得ることを含む、実施形態1の方法。第3の実施形態では、振動ノズルを用いて液滴を製造することを含む、実施形態1の方法。第4の実施形態では、液滴が水滴である、実施形態1~3の方法。第5の実施形態では、液滴が油滴である、実施形態1~3の方法。
【0069】
第6の実施形態では、連続相を準備すること、および溶液または分散体と該連続相とを混合して、分散した溶液または分散液の液滴を含有するエマルジョンを製造することを含む、実施形態1の方法。
【0070】
第7の実施形態では、油連続相を準備すること、および水性溶液または分散体と該油連続相とを混合して、水滴を含有する油中水型エマルジョンを製造することを含む、実施形態6の方法。第8の実施形態では、水連続相を準備すること、および油性溶液または分散体と該連続相とを混合して、油滴を含有する水中油型エマルジョンを製造することを含む、実施形態6の方法。第9の実施形態では、液滴を収集することを含む、実施形態6~8の方法。
【0071】
第10の実施形態では、液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマーミクロスフィアを得ることを含む、実施形態9の方法。第11の実施形態では、液滴を乾燥させることが、マイクロ波照射、オーブン乾燥、真空乾燥、乾燥剤の存在下での乾燥、またはその組み合わせを含む、実施形態6~10の方法。第12の実施形態では、油相または溶液または分散体が、炭化水素、シリコーン油、またはフッ素化油を含む、実施形態7~11の方法。第13の実施形態では、液滴の形成がミクロ流体デバイス内で行われる、実施形態6~12の方法。
【0072】
第14の実施形態では、液滴の形成が、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、または約45μmのいずれかから、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、または約100μmのいずれかまでのチャネル幅を有する液滴ジャンクションを収容するミクロ流体デバイス内で行われる、実施形態6~13の方法。第15の実施形態では、ミクロ流体デバイスからエマルジョン液滴を収集することを含む、実施形態13または14の方法。
【0073】
第16の実施形態では、第1の単分散ポリマーナノ粒子の第1の溶液または分散液を製造すること、および第2の単分散ポリマーナノ粒子の第2の溶液または分散液を製造することを含み;たとえば該第1の単分散ポリマーナノ粒子と該第2の単分散ポリマーナノ粒子とのwt/wt比は、約1/20、約1/19、約1/18、約1/17、約1/16、約1/15、約1/14、約1/13、約1/12、約1/11、約1/10、約1/9、約1/8、約1/7、約1/6、約1/5、約1/4、約1/3、約1/2、または約1/1のいずれかから、約2/1、約3/1、約4/1、約5/1、約6/1、約7/1、約8/1、約9/1、約10/1、約11/1、約12/1、約13/1、約14/1、約15/1、約16/1、約17/1、約18/1、約19/1、または約20/1のいずれかまでである、先行実施形態のいずれかの方法。
【0074】
第17の実施形態では、ポリマーナノ粒子が、約50nm、約75nm、約100nm、約130nm、約160nm、約190nm、約210nm、約240nm、約270nm、約300nm、約330nm、約360nm、約390nm、約410nm、約440nm、約470nm、約500nm、約530nm、約560nm、約590nm、または約620nmのいずれかから、約650nm、約680nm、約710nm、約740nm、約770nm、約800nm、約830nm、約860nm、約890nm、約910nm、約940nm、約970nm、または約990nmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0075】
第18の実施形態では、ポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル、その誘導体、その塩、そのコポリマー、およびその組み合わせからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの方法。第19の実施形態では、ポリマーが、各種ポリスチレン、たとえばポリスチレン/アクリル酸、ポリスチレン/ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、またはポリスチレン/スチレンスルホナートなどのポリスチレンコポリマーからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの方法。
【0076】
第20の実施形態では、ミクロスフィアが、約0.5μm~約100μmの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。第21の実施形態では、ミクロスフィアが、約1μm~約75μm、約2μm~約70μm、約3μm~約65μm、約4μm~約60μm、約5μm~約55μm、または約5μm~約50μmの;たとえば、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、または約15μmのいずれかから、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約21μm、約22μm、約23μm、約24μm、または約25μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。第22の実施形態では、ミクロスフィアが、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0077】
第23の実施形態では、ポリマーミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる色を呈する、先行実施形態のいずれかの方法。第24の実施形態では、ポリマーミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度非依存色を呈する、先行実施形態のいずれかの方法。第25の実施形態では、ポリマーミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度依存色を呈する、実施形態1~23の方法。
【0078】
第26の実施形態では、ミクロスフィアが単分散である、先行実施形態のいずれかの方法。第27の実施形態では、ポリマーミクロスフィアが、ミクロスフィアのバルク試料である、先行実施形態のいずれかの方法。
【0079】
第28の実施形態では、溶液または分散液の1つまたは複数に金属酸化物を添加すること;または混合物に金属酸化物を添加することを含む、先行実施形態のいずれかの方法。
【0080】
第29の実施形態では、先行方法のいずれかにより製造されたポリマーミクロスフィア。第30の実施形態では、先行方法のいずれかにより製造されたポリマーミクロスフィアのバルク試料。
【0081】
ポリマーミクロスフィアに関する、本発明の実施形態の非限定的な第2の組は、以下を含む。
【0082】
2つ以上の単分散ポリマーナノスフィア集団を含むポリマーミクロスフィアであって、該各単分散ポリマーナノスフィア集団が異なる平均直径を有する、ポリマーミクロスフィア。
【0083】
第2の実施形態では、第1の単分散ポリマーナノ粒子集団および第2の単分散ポリマーナノ粒子集団を含み;たとえば第1のポリマーナノスフィア集団と第2のポリマーナノスフィア集団とのwt/wt比が、約1/20、約1/19、約1/18、約1/17、約1/16、約1/15、約1/14、約1/13、約1/12、約1/11、約1/10、約1/9、約1/8、約1/7、約1/6、約1/5、約1/4、約1/3、約1/2、または約1/1のいずれかから、約2/1、約3/1、約4/1、約5/1、約6/1、約7/1、約8/1、約9/1、約10/1、約11/1、約12/1、約13/1、約14/1、約15/1、約16/1、約17/1、約18/1、約19/1、または約20/1のいずれかまでである、実施形態1のポリマーミクロスフィア。
【0084】
第3の実施形態では、約100nm、約130nm、約160nm、約190nm、約210nm、約240nm、約270nm、約300nm、約330nm、約360nm、約390nm、約410nm、約440nm、約470nm、約500nm、約530nm、約560nm、約590nm、または約620nmのいずれかから、約650nm、約680nm、約710nm、約740nm、約770nm、約800nm、約830nm、約860nm、約890nm、約910nm、約940nm、または約970nmのいずれかまでの平均直径を有する、実施形態1または2のポリマーミクロスフィア。
【0085】
第4の実施形態では、ポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル、その誘導体、その塩、そのコポリマー、およびその組み合わせからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。
【0086】
第5の実施形態では、ポリマーが、各種ポリスチレン、たとえばポリスチレン/アクリル酸、ポリスチレン/ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、またはポリスチレン/スチレンスルホナートなどのポリスチレンコポリマーからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。
【0087】
第6の実施形態では、各ポリマーナノスフィア集団のポリマーが同一である、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。第7の実施形態では、各ポリマーナノスフィア集団のポリマーが異なっている、実施形態1~5のいずれかのポリマーミクロスフィア。
【0088】
第8の実施形態では、約0.5μm~約100μmの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。第9の実施形態では、約1μm~約75μm、約2μm~70μm、約3μm~約65μm、約4μm~約60μm、約5μm~約55μm、または約5μm~約50μmの;たとえば約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、または約15μmのいずれかから、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約21μm、約22μm、約23μm、約24μm、または約25μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。第10の実施形態では、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。
【0089】
第12の実施形態では、ポリマーミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる色を呈する、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。第13の実施形態では、ポリマーミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度非依存色を呈する、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。第14の実施形態では、ポリマーミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度依存色を呈する、実施形態1~12のいずれかのポリマーミクロスフィア。
【0090】
第15の実施形態では、単分散である、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。
【0091】
第16の実施形態では、金属酸化物をさらに含む、先行実施形態のいずれかのポリマーミクロスフィア。
【0092】
多孔性金属酸化物ミクロスフィアを製造する方法に関する本発明の実施形態の非限定的な第3の組は、以下を含む。
【0093】
第1の実施形態では、多孔性金属酸化物ミクロスフィアを製造する方法が開示され、該方法は、単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;少なくとも1種のさらなる単分散ポリマーナノ粒子の溶液または分散液を製造すること;該各溶液または分散体を互いに混合し、ここで、該溶液または懸濁液の1つまたは複数に金属酸化物を添加して、かつ/または該混合物に金属酸化物を添加して、ポリマーナノ粒子と金属酸化物とを含む分散液を製造すること;該分散液の液滴を製造すること;該液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアと金属酸化物とを含むポリマー鋳型ミクロスフィアを得ること;および該鋳型ミクロスフィアから該ポリマーナノスフィアを除去して、多孔性金属酸化物ミクロスフィアを得ること、を含み、該各溶液または分散体の単分散ポリマーナノ粒子の平均直径は異なっている。
【0094】
第2の実施形態では、溶液または分散体を互いに混合すること、および該混合物を噴霧乾燥させてポリマー鋳型ミクロスフィアを得ること、および該鋳型ミクロスフィアから該ポリマーナノスフィアを除去することを含む、実施形態1の方法。
【0095】
第3の実施形態では、振動ノズルを用いて液滴を製造することを含む、実施形態1の方法。第4の実施形態では、液滴が水滴である、実施形態1~3の方法。第5の実施形態では、液滴が油滴である、実施形態1~3の方法。
【0096】
第6の実施形態では、連続相を準備すること、および分散液と該連続相とを混合して、分散した分散液滴を含有するエマルジョンを製造することを含む、実施形態1の方法。第7の実施形態では、油連続相を準備すること、および水性分散体と該油連続相とを混合して、水滴を含有する油中水型エマルジョンを製造することを含む、実施形態6の方法。
【0097】
第8の実施形態では、水連続相を準備すること、および油分散体と該連続相とを混合して、油滴を含有する水中油型エマルジョンを製造することを含む、実施形態6の方法。第9の実施形態では、液滴を収集することを含む、実施形態6~8の方法。第10の実施形態では、液滴を乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアを含むポリマー鋳型ミクロスフィアを得ることを含む、実施形態9の方法。
【0098】
第11の実施形態では、液滴を乾燥させることが、マイクロ波照射、オーブン乾燥、真空乾燥、乾燥剤の存在下での乾燥、またはその組み合わせを含む、実施形態6~10の方法。
【0099】
第12の実施形態では、油相または溶液または分散体が、炭化水素、シリコーン油、またはフッ素化油を含む、実施形態7~11の方法。
【0100】
第13の実施形態では、液滴の形成がミクロ流体デバイス内で行われる、実施形態6~12の方法。第14の実施形態では、液滴の形成が、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、または約45μmのいずれかから、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、または約100μmのいずれかまでのチャネル幅を有する液滴ジャンクションを収容するミクロ流体デバイス内で行われる、実施形態6~13の方法。第15の実施形態では、ミクロ流体デバイスからエマルジョン液滴を収集することを含む、実施形態13または14の方法。
【0101】
第16の実施形態では、第1の単分散ポリマーナノ粒子の第1の溶液または分散液を製造すること、および第2の単分散ポリマーナノ粒子の第2の溶液または分散液を製造することを含み;たとえば第1の単分散ポリマーナノ粒子と第2の単分散ポリマーナノ粒子とのwt/wt比が、約1/20、約1/19、約1/18、約1/17、約1/16、約1/15、約1/14、約1/13、約1/12、約1/11、約1/10、約1/9、約1/8、約1/7、約1/6、約1/5、約1/4、約1/3、約1/2、または約1/1のいずれかから、約2/1、約3/1、約4/1、約5/1、約6/1、約7/1、約8/1、約9/1、約10/1、約11/1、約12/1、約13/1、約14/1、約15/1、約16/1、約17/1、約18/1、約19/1、または約20/1のいずれかまでである、先行実施形態のいずれかの方法。
【0102】
第17の実施形態では、ポリマーナノ粒子が、約50nm、約75nm、約100nm、約130nm、約160nm、約190nm、約210nm、約240nm、約270nm、約300nm、約330nm、約360nm、約390nm、約410nm、約440nm、約470nm、約500nm、約530nm、約560nm、約590nm、または約620nmのいずれかから、約650nm、約680nm、約710nm、約740nm、約770nm、約800nm、約830nm、約860nm、約890nm、約910nm、約940nm、約970nm、または約990nmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0103】
第18の実施形態では、ポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル、その誘導体、その塩、そのコポリマー、およびその組み合わせからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの方法。第19の実施形態では、ポリマーが、各種ポリスチレン、たとえば、ポリスチレン/アクリル酸、ポリスチレン/ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、またはポリスチレン/スチレンスルホナートなどのポリスチレンコポリマーからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの方法。
【0104】
第20の実施形態では、金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、または酸化クロムの1種または複数種である、先行実施形態のいずれかの方法。
【0105】
第21の実施形態では、全ポリマーナノ粒子と金属酸化物とのwt/wt比が、約0.1/1、0.5/1、約1.0/1、約1.5/1、約2.0/1、約2.5/1、または約3.0/1のいずれかから、約3.5/1、約4.0/1、約5.0/1、約5.5/1、約6.0/1、約6.5/1、約7.0/1、約8.0/1、約9.0/1、または約10.0/1のいずれかまでである、先行実施形態のいずれかの方法。
【0106】
第22の実施形態では、液滴を乾燥させることが、マイクロ波照射、オーブン乾燥、真空乾燥、乾燥剤の存在下での乾燥、またはその組み合わせを含む、先行実施形態のいずれかの方法。
【0107】
第23の実施形態では、ポリマーナノスフィアを除去することが、鋳型ミクロスフィアを、約200℃、約350℃、約400℃、約450℃、約500℃、または約550℃のいずれかから、約600℃、約650℃、約700℃、または約1200℃のいずれかまでの温度で、約0.1時間、1時間、約1.5時間、約2.0時間、約2.5時間、約3.0時間、約3.5時間、または約4.0時間のいずれかから、約4.5時間、約5.0時間、約5.5時間、約6.0時間、約6.5時間、約7.0時間、約7.5時間、約8.0時間、または約12時間のいずれかまでの時間をかけて、か焼することを含む、先行実施形態のいずれかの方法。あるいはか焼は、少なくとも約200℃、少なくとも約500℃、または少なくとも約1000℃の温度で、好適な時間だけ、たとえば少なくとも約0.1時間、少なくとも約1時間、少なくとも約5時間、または少なくとも約10時間かけて行うことができる。
【0108】
第24の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約0.5μm~約100μmの平均直径、および約0.10~約0.90または約0.10~約0.80の平均多孔度を有し;該多孔性ミクロスフィアは、各々が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、該各集団は異なる平均孔径を有しており;該平均孔径は約50nm~約999nmであり;たとえば、該多孔性ミクロスフィアは、約50nm~約999nmの平均孔径を有する第1の孔集団と、約50nm~約999nmの平均孔径を有する第2の孔集団とを有しており、第1の平均孔径と第2の平均孔径とは異なっている、先行実施形態のいずれかの方法。
【0109】
第25の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約1μm~約75μm、約2μm~約70μm、約3μm~約65μm、約4μm~約60μm、約5μm~約55μm、または約5μm~約50μmの;たとえば約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、または約15μmのいずれかから、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約21μm、約22μm、約23μm、約24μm、または約25μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行請求項のいずれかの方法。
【0110】
第26の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約0.10、約0.12、約0.14、約0.16、約0.18、約0.20、約0.22、約0.24、約0.26、約0.28、約0.30、約0.32、約0.34、約0.36、約0.38、約0.40、約0.42、約0.44、約0.46、約0.48、約0.50、約0.52、約0.54、約0.56、約0.58、または約0.60のいずれかから、約0.62、約0.64、約0.66、約0.68、約0.70、約0.72、約0.74、約0.76、約0.78、約0.80、または約0.90のいずれかまでの平均多孔度を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0111】
第27の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約100nm、約120nm、約140nm、約160nm、約180nm、約200nm、約220nm、約240nm、約260nm、約280nm、約300nm、約320nm、約340nm、約360nm、約380nm、約400nm、約420nm、または約440nmのいずれかから、約460nm、約480nm、約500nm、約520nm、約540nm、約560nm、約580nm、約600nm、約620nm、約640nm、約660nm、約680nm、約700nm、約720nm、約740nm、約760nm、約780nm、または約800nmのいずれかまでの平均孔径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0112】
第28の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0113】
第29の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約0.45、約0.47、約0.49、約0.51、約0.53、約0.55、または約0.57のいずれかから、約0.59、約0.61、約0.63、または約0.65のいずれかまでの平均多孔度を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0114】
第30の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約220nm、約225nm、約230nm、約235nm、約240nm、約245nm、または約250nmのいずれかから、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、または約300nmのいずれかまでの平均孔径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0115】
第31の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径;約0.45、約0.47、約0.49、約0.51、約0.53、約0.55、または約0.57までのいずれかから、約0.59、約0.61、約0.63、または約0.65のいずれかまでの平均多孔度;および約220nm、約225nm、約230nm、約235nm、約240nm、約245nm、または約250nmのいずれかから、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、または約300nmのいずれかまでの平均孔径を有する、先行実施形態のいずれかの方法。
【0116】
第32の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、ミクロスフィアの総重量に対し、約60.0wt%~約99.9wt%の金属酸化物、たとえば約60.0wt%、約64.0wt%、約67.0wt%、約70.0wt%、約73.0wt%、約76.0wt%、約79.0wt%、約82.0wt%、または約85.0wt%のいずれかから、約88.0wt%、約91.0wt%、約94.0wt%、約97.0wt%、約98.0wt%、約99.0wt%、または約99.9wt%のいずれかまでの金属酸化物を含む、先行実施形態のいずれかの方法。
【0117】
第33の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、ミクロスフィアの総重量に対し、約0.1wt%~約40.0wt%の1種または複数種の光吸収剤、たとえば約0.1wt%、約0.3wt%、約0.5wt%、約0.7wt%、約0.9wt%、約1.0wt%、約1.5wt%、約2.0wt%、約2.5wt%、約5.0wt%、約7.5wt%、約10.0wt%、約13.0wt%、約17.0wt%、約20.0wt%、または約22.0wt%のいずれかから、約24.0wt%、約27.0wt%、約29.0wt%、約31.0wt%、約33.0wt%、約35.0wt%、約37.0wt%、約39.0wt%、または約40.0wt%のいずれかまでの1種または複数種の光吸収剤を含む、先行実施形態のいずれかの方法。第34の実施形態では、多孔性ミクロスフィアが、無機顔料および有機顔料からなる群より選択される1種または複数種の光吸収剤、たとえばカーボンブラックを含む、先行実施形態のいずれかの方法。
【0118】
第35の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる色を呈する、先行実施形態のいずれかの方法。第36の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度非依存色を呈する、先行実施形態のいずれかの方法。第37の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度依存色を呈する、実施形態1~35のいずれかの方法。
【0119】
第38の実施形態では、ミクロスフィアが単分散である、先行実施形態のいずれかの方法。第39の実施形態では、多孔性金属酸化物ミクロスフィアが、ミクロスフィアのバルク試料である、先行実施形態のいずれかの方法。
【0120】
第40の実施形態では、先行方法のいずれかにより製造された、多孔性ミクロスフィア。第41の実施形態では、先行方法のいずれかにより製造されたミクロスフィアのバルク試料。
【0121】
多孔性金属酸化物ミクロスフィアに関する本開示の実施形態の非限定的な第4の組は、以下を含む。
【0122】
第1の実施形態では、金属酸化物を含む多孔性ミクロスフィアであって、約0.5μm~約100μmの平均直径および約0.10~約0.80の平均多孔度を有し;各々が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、該各集団は異なる平均孔径を有しており;該平均孔径は約50nm~約999nmであり;たとえば、約50nm~約999nmの平均孔径を有する第1の孔集団および約50nm~約999nmの平均孔径を有する第2の孔集団を有しており、第1の平均孔径と第2の平均孔径とは異なっている、ミクロスフィアが開示される。
【0123】
第2の実施形態では、約1μm~約75μm、約2μm~約70μm、約3μm~約65μm、約4μm~約60μm、約5μm~約55μm、または約5μm~約50μmの;たとえば約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、または約15μmのいずれかから、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約21μm、約22μm、約23μm、約24μm、または約25μmのいずれかまでの平均直径を有する、実施形態1の多孔性ミクロスフィア。
【0124】
第3の実施形態では、約0.10、約0.12、約0.14、約0.16、約0.18、約0.20、約0.22、約0.24、約0.26、約0.28、約0.30、約0.32、約0.34、約0.36、約0.38、約0.40、約0.42、約0.44、約0.46、約0.48、約0.50、約0.52、約0.54、約0.56、約0.58、または約0.60のいずれかから、約0.62、約0.64、約0.66、約0.68、約0.70、約0.72、約0.74、約0.76、約0.78、約0.80、または約0.90のいずれかまでの平均多孔度を有する、実施形態1または2の多孔性ミクロスフィア。
【0125】
第4の実施形態では、平均孔径が、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約100nm、約120nm、約140nm、約160nm、約180nm、約200nm、約220nm、約240nm、約260nm、約280nm、約300nm、約320nm、約340nm、約360nm、約380nm、約400nm、約420nm、または約440nmのいずれかから、約460nm、約480nm、約500nm、約520nm、約540nm、約560nm、約580nm、約600nm、約620nm、約640nm、約660nm、約680nm、約700nm、約720nm、約740nm、約760nm、約780nm、または約800nmのいずれかまでである、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0126】
第5の実施形態では、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0127】
第6の実施形態では、約0.45、約0.47、約0.49、約0.51、約0.53、約0.55、または約0.57のいずれかから、約0.59、約0.61、約0.63、または約0.65のいずれかまでの平均多孔度を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0128】
第7の実施形態では、平均孔径が、約220nm、約225nm、約230nm、約235nm、約240nm、約245nm、または約250nmのいずれかから、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、または約300nmのいずれかまでである、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0129】
第8の実施形態では、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径;約0.45、約0.47、約0.49、約0.51、約0.53、約0.55、または約0.57までのいずれかから、約0.59、約0.61、約0.63、または約0.65のいずれかまでの平均多孔度;および約220nm、約225nm、約230nm、約235nm、約240nm、約245nm、または約250nmのいずれかから、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、または約300nmのいずれかまでの平均孔径を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0130】
第9の実施形態では、ミクロスフィアの総重量に対し、約60.0wt%~約99.9wt%の金属酸化物、たとえば約60.0wt%、約64.0wt%、約67.0wt%、約70.0wt%、約73.0wt%、約76.0wt%、約79.0wt%、約82.0wt%、または約85.0wt%のいずれかから、約88.0wt%、約91.0wt%、約94.0wt%、約97.0wt%、約98.0wt%、約99.0wt%、または約99.9wt%のいずれかまでの金属酸化物を含む、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0131】
第10の実施形態では、金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化クロム、およびその組み合わせからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。第11の実施形態では、金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、およびその組み合わせからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0132】
第12の実施形態では、ミクロスフィアの総重量に対し、約0.1wt%~約40.0wt%の1種または複数種の光吸収剤、たとえば約0.1wt%、約0.3wt%、約0.5wt%、約0.7wt%、約0.9wt%、約1.0wt%、約1.5wt%、約2.0wt%、約2.5wt%、約5.0wt%、約7.5wt%、約10.0wt%、約13.0wt%、約17.0wt%、約20.0wt%、または約22.0wt%のいずれかから、約24.0wt%、約27.0wt%、約29.0wt%、約31.0wt%、約33.0wt%、約35.0wt%、約37.0wt%、約39.0wt%、または約40.0wt%のいずれかまでの1種または複数種の光吸収剤を含む、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0133】
第13の実施形態では、無機顔料および有機顔料からなる群より選択される1種または複数種の光吸収剤、たとえばカーボンブラックを含む、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0134】
第14の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる色を呈する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。第15の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度非依存色を呈する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。第16の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度依存色を呈する、実施形態1~14のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0135】
第17の実施形態では、単分散である、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0136】
第18の実施形態では、基体と先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィアとを含む、組成物。第19の実施形態では、水性配合物、油性配合物、コーティング配合物、食品、インク、プラスチック、化粧品配合物、または医療用途もしくはセキュリティ用途の材料である、実施形態18の組成物。
【0137】
金属酸化物ミクロスフィアに関する本開示の実施形態の非限定的な第5の組は、以下を含む。
【0138】
第1の実施形態では、金属酸化物を含む多孔性ミクロスフィアであって、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が人間の眼で観測できる色を呈し;各々が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、該各集団が異なる平均孔径を有している、多孔性ミクロスフィア。
【0139】
第2の実施形態では、約0.5μm~約100μmの平均直径、および約0.10~約0.90または約0.10~約0.80の平均多孔度を有する実施形態1の多孔性ミクロスフィアであって;各集団が平均孔径を有する2つ以上の孔集団を有し、該各集団が異なる平均孔径を有しており;該平均孔径は約50nm~約999nmであり;たとえば、約50nm~約999nmの平均孔径を有する第1の孔集団と、約50nm~約999nmの平均孔径を有する第2の孔集団とを有しており、第1の平均孔径と第2の平均孔径とは異なっている、多孔性ミクロスフィア。
【0140】
第3の実施形態では、約1μm~約75μm、約2μm~約70μm、約3μm~約65μm、約4μm~約60μm、約5μm~約55μm、または約5μm~約50μmの;たとえば、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、または約15μmのいずれかから、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、約20μm、約21μm、約22μm、約23μm、約24μm、または約25μmのいずれかまでの平均直径を有する、実施形態1または2の多孔性ミクロスフィア。
【0141】
第4の実施形態では、約0.10、約0.12、約0.14、約0.16、約0.18、約0.20、約0.22、約0.24、約0.26、約0.28、約0.30、約0.32、約0.34、約0.36、約0.38、約0.40、約0.42、約0.44、約0.46、約0.48、約0.50、約0.52、約0.54、約0.56、約0.58、または約0.60のいずれかから、約0.62、約0.64、約0.66、約0.68、約0.70、約0.72、約0.74、約0.76、約0.78、約0.80、または約0.90のいずれかまでの平均多孔度を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0142】
第5の実施形態では、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約100nm、約120nm、約140nm、約160nm、約180nm、約200nm、約220nm、約240nm、約260nm、約280nm、約300nm、約320nm、約340nm、約360nm、約380nm、約400nm、約420nm、または約440nmのいずれかから、約460nm、約480nm、約500nm、約520nm、約540nm、約560nm、約580nm、約600nm、約620nm、約640nm、約660nm、約680nm、約700nm、約720nm、約740nm、約760nm、約780nm、または約800nmのいずれかまでの平均孔径を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0143】
第6の実施形態では、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0144】
第7の実施形態では、約0.45、約0.47、約0.49、約0.51、約0.53、約0.55、または約0.57のいずれかから、約0.59、約0.61、約0.63、または約0.65のいずれかまでの平均多孔度を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0145】
第8の実施形態では、約220nm、約225nm、約230nm、約235nm、約240nm、約245nm、または約250nmのいずれかから、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、または約300nmのいずれかまでの平均孔径を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0146】
第9の実施形態では、約4.5μm、約4.8μm、約5.1μm、約5.4μm、約5.7μm、約6.0μm、約6.3μm、約6.6μm、約6.9μm、約7.2μm、または約7.5μmのいずれかから、約7.8μm、約8.1μm、約8.4μm、約8.7μm、約9.0μm、約9.3μm、約9.6μm、または約9.9μmのいずれかまでの平均直径;約0.45、約0.47、約0.49、約0.51、約0.53、約0.55、または約0.57のいずれかから、約0.59、約0.61、約0.63、または約0.65のいずれかまでの平均多孔度;および約220nm、約225nm、約230nm、約235nm、約240nm、約245nm、または約250nmのいずれかから、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、または約300nmのいずれかまでの平均孔径を有する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0147】
第10の実施形態では、ミクロスフィアの総重量に対し、約60.0wt%~約99.9wt%の金属酸化物、たとえば約60.0wt%、約64.0wt%、約67.0wt%、約70.0wt%、約73.0wt%、約76.0wt%、約79.0wt%、約82.0wt%、または約85.0wt%のいずれかから、約88.0wt%、約91.0wt%、約94.0wt%、約97.0wt%、約98.0wt%、約99.0wt%、または約99.9wt%のいずれかまで金属酸化物を含む、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0148】
第11の実施形態では、金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化クロム、およびその組み合わせからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。第12の実施形態では、金属酸化物が、シリカ、チタニア、アルミナ、およびその組み合わせからなる群より選択される、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0149】
第13の実施形態では、ミクロスフィアの総重量に対し、約0.1wt%~約40.0wt%の1種または複数種の光吸収剤、たとえば約0.1wt%、約0.3wt%、約0.5wt%、約0.7wt%、約0.9wt%、約1.0wt%、約1.5wt%、約2.0wt%、約2.5wt%、約5.0wt%、約7.5wt%、約10.0wt%、約13.0wt%、約17.0wt%、約20.0wt%、または約22.0wt%のいずれかから、約24.0wt%、約27.0wt%、約29.0wt%、約31.0wt%、約33.0wt%、約35.0wt%、約37.0wt%、約39.0wt%、または約40.0wt%のいずれかまでの1種または複数種の光吸収剤を含む、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。第14の実施形態では、無機顔料および有機顔料からなる群より選択される1種または複数種の光吸収剤、たとえばカーボンブラックを含む、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0150】
第15の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる色を呈する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0151】
第16の実施形態では、単分散である、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0152】
第17の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度非依存色を呈する、先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィア。第18の実施形態では、多孔性ミクロスフィアのバルク試料が、人間の眼で観測できる角度依存色を呈する、実施形態1~16のいずれかの多孔性ミクロスフィア。
【0153】
第19の実施形態では、基体と先行実施形態のいずれかの多孔性ミクロスフィアとを含む、組成物。第20の実施形態では、水性配合物、油性配合物、コーティング配合物、食品、インク、プラスチック、化粧品配合物、または医療用途もしくはセキュリティ用途の材料である、実施形態19の組成物。
【0154】
実施例
実施例1 ポリマーミクロスフィア
スチレン/アクリル酸コポリマーを以下のようにして製造する:230mLの脱イオン(DI)水を、温度計、コンデンサー、磁気撹拌部、および窒素雰囲気を備えた三口反応フラスコに入れる。水を80℃に加熱し、そして10gのスチレンを撹拌しながら添加した後、10mLのDI水に溶解させたアクリル酸100mgをシリンジで添加する。10mLのDI水に100mgの過硫酸アンモニウムを溶解させてから、撹拌された混合物にシリンジで添加する。反応混合物を80℃で24時間撹拌する。このポリマーコロイド分散体を室温になるまで放冷し、そして遠心分離により精製して、250nmの平均粒子サイズを有するポリスチレンナノスフィアを作製する。
【0155】
同様に、スチレン/アクリル酸コポリマーを製造して、350nmの平均粒子サイズを有するポリスチレンナノスフィアを作製する。
【0156】
第1の水性ポリスチレンコロイド分散体(250nm)と第2の水性ポリスチレンコロイド分散体(350nm)とをwt/wt比7/3で混合し、該混合物を脱イオン水で1wt%まで希釈し、粒子が凝集しないように超音波処理する。油連続相が、フッ素化油中0.1wt%のポリエチレングリコール/ペルフルオロポリエーテル界面活性剤を含有する。水性コロイド分散体混合物と油とを、50μmの液滴ジャンクションを有するミクロ流体デバイスに、ポンプと連結したシリンジで、それぞれ注入する。単分散液滴ができるまで、系を放置して平衡化させる。単分散液滴はリザーバ内に集められる。
【0157】
収集された液滴を、45℃で4時間、オーブン内で乾燥させて、単分散ポリマーミクロスフィアを得る。単分散ポリスチレンミクロスフィアは、2モードの粒子サイズ分布を有するポリスチレンナノスフィアを含む。
【0158】
実施例2 多孔性金属酸化物ミクロスフィア
実施例1を繰り返し、第1のコロイド分散体と第2のコロイド分散体との水性混合物に1wt%のシリカナノ粒子を添加してから、油相と混合して、油中水型エマルジョンを形成させる。ミクロ流体デバイスから収集した液滴を実施例1と同様にして乾燥させて、ポリマー鋳型ミクロスフィアを形成させる。ポリマー鋳型ミクロスフィアを、シリコンウエハに載せ、室温から500℃まで3時間かけて加熱し、500℃で2時間保持し、それから3時間かけて室温に戻すことで、か焼する。2つの異なる平均孔サイズを含む15ミクロンの平均直径を有する単分散シリカミクロスフィアが得られる。
【0159】
図2および図3は、同様にして製造された、ポリマー鋳型ミクロスフィア、および多孔性シリカミクロスフィアの走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0160】
実施例3 光吸収剤含有多孔性シリカミクロスフィア
実施例2の産物を、異なる重量レベルのカーボンブラック水性分散体またはカーボンブラック粉末と、物理的に混合する。ミクロスフィアの総重量に対し0.5wt%、1wt%、2wt%、3wt%、4wt%、および5wt%のレベルのカーボンブラックを含有する、単分散多孔性シリカミクロスフィアが得られる。
【0161】
実施例4 乾燥方法
実施例1~3を繰り返し、ここで乾燥ステップは、マイクロ波照射、真空乾燥、および/または乾燥剤の存在下での乾燥を用いる。
【0162】
実施例5 噴霧乾燥による多孔性シリカミクロスフィアの製造
スチレン/アクリル酸コポリマーを以下のようにして製造する:230mLの脱イオン(DI)水を、温度計、コンデンサー、磁気撹拌部、および窒素雰囲気を備えた三口反応フラスコに入れる。水を80℃に加熱し、そして10gのスチレンを撹拌しながら添加した後、10mLのDI水に溶解させたアクリル酸100mgをシリンジで添加する。10mLのDI水に100mgの過硫酸アンモニウムを溶解させてから、撹拌された混合物にシリンジで添加する。反応混合物を80℃で24時間撹拌する。このポリマーコロイド分散体を室温になるまで放冷し、そして遠心分離により精製して、250nmの平均粒子サイズを有するポリスチレンナノスフィアを作製する。
【0163】
同様に、スチレン/アクリル酸コポリマーを製造して、350nmの平均粒子サイズを有するポリスチレンナノスフィアを作製する。
【0164】
第1の水性ポリスチレンコロイド分散体(250nm)と第2の水性ポリスチレンコロイド分散体(350nm)とをwt/wt比7/3で混合し、該混合物を脱イオン水で1wt%まで希釈し、該混合物に1wt%のシリカナノ粒子を添加し、粒子が凝集しないように超音波処理する。水性分散体を噴霧乾燥させて、多分散ポリマーナノスフィアとシリカとを含むポリマー鋳型ミクロスフィアを得る。ミクロスフィアを、室温から500℃まで3時間かけて加熱し、500℃で2時間保持し、それから3時間かけて室温に戻すことで、か焼する。多孔性シリカミクロスフィアが得られる。
【0165】
実施例6 バルク試料の可視色
これらのバルク色の例では、6cmの底面積を有する10mLの透明ガラスバイアルに、0.5ミリグラムの多孔性ミクロスフィアを均等に置く。色は、人間の眼で観測する。
【0166】
多孔性シリカミクロスフィアの試料を実施例2と同様にして製造し、ここでポリスチレンナノスフィアが、420nmおよび460nmの平均粒子サイズをwt/wt比7:3で有する。試料は赤色を呈する。
【0167】
多孔性シリカミクロスフィアの試料を実施例5のプロセスにしたがい製造し、ここでポリスチレンナノスフィアは、360nmおよび420nmの平均粒子サイズをwt/wt比4:1で有し、かつポリマーとシリカとのwt/wt比は4:1である。0.55の多孔度を有し、かつ明白な緑色を呈する多孔性ミクロスフィアが得られる。ポリマーとシリカとのwt/wt比が2:1である試料も製造し、0.45の多孔度を有し、かつ明白なオレンジ色を呈する多孔性ミクロスフィアを得る。
【0168】
実施例7 酸化亜鉛多孔性ミクロスフィア
多孔性酸化亜鉛ミクロスフィアの試料を、実施例5のプロセスにしたがい製造し、ここでポリスチレンナノスフィアは、250nmおよび320nmの平均粒子サイズをwt/wt比1:1で有し、かつポリマーと酸化亜鉛とのwt/wt比は1:2である。
【0169】
実施例8 シリカ/チタニア多孔性ミクロスフィア
シリカおよびチタニアを含有する多孔性ミクロスフィアの試料を実施例2のプロセスにしたがい製造し、ここでポリスチレンナノスフィアは、350nmおよび460nmの平均粒子サイズをwt/wt比1:4で有し、かつポリマーと全金属酸化物とのwt/wt比は3:1である。シリカとチタニアとのwt/wt比は9:1である。
図1
図2
図3
図4