(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】垂直拡散板を有するキャパシタ構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20221122BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20221122BHJP
H01L 27/11556 20170101ALI20221122BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20221122BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20221122BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20221122BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20221122BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L27/11556
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L21/76 N
(21)【出願番号】P 2021530954
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2019073896
(87)【国際公開番号】W WO2020154950
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リアン・チェン
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/048529(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0018274(US,A1)
【文献】特開2014-075499(JP,A)
【文献】特開2008-091451(JP,A)
【文献】特開2012-079961(JP,A)
【文献】特表2018-515929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/76
H01L 21/822
H01L 27/04
H01L 27/11556
H01L 27/11582
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板中に配設された第1の垂直拡散板であって、前記第1の垂直拡散板が、前記半導体基板の部分である第1の下部をさらに備え、前記第1の下部が、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造によって囲まれて電気的に分離される、第1の垂直拡散板と、
前記半導体基板中に配設される第1のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造であって、前記第1の垂直拡散板を囲む、第1のSTI構造と、
前記半導体基板中に配設される第1の導電型の第2の垂直拡散板であって、前記第1のSTI構造を囲む、第2の垂直拡散板と
を備
え、
キャパシタが前記第1の垂直拡散板と前記第2の垂直拡散板の間に形成され、前記第1のSTI構造および前記第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造がその間に挿置され、キャパシタ誘電体層として働く、キャパシタ構造。
【請求項2】
前記第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造が前記第1のSTI構造の底部と直接接触する、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項3】
前記第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造が前記第1のSTI構造のものより小さい横方向の厚さを有する、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項4】
前記第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造が前記第1のSTI構造のものと同じリング形状を有する、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項5】
前記第1の垂直拡散板がP型ドープ領域またはN型ドープ領域である、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項6】
前記第2の垂直拡散板がP型ドープ領域またはN型ドープ領域である、請求項5に記載のキャパシタ構造。
【請求項7】
前記半導体基板の裏面側に配設された絶縁層
をさらに備える、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項8】
前記第1のSTI構造および前記第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造が、前記第1の垂直拡散板を前記第2の垂直拡散板から分離する、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項9】
前記第1の垂直拡散板が第1の電圧に電気的に結合され、前記第2の垂直拡散板が第2の電圧に電気的に結合され、前記第2の電圧が前記第1の電圧よりも高い、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項10】
前記第1の垂直拡散板の表面に配設される第1の高度にドープされた領域と、
前記第2の垂直拡散板の表面に配設される第2の高度にドープされた領域と
をさらに備える、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項11】
前記半導体基板中に配設される第2のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造をさらに備え、前記第2のSTI構造が、前記第2の垂直拡散板、前記第1のSTI構造、および前記第1の垂直拡散板を囲む、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【請求項12】
前記第2の垂直拡散板が、前記半導体基板の部分である、第2の下部をさらに備える、請求項
11に記載のキャパシタ構造。
【請求項13】
前記第2の下部が、第2のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造および前記第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造によって囲まれて電気的に分離される、請求項
12に記載のキャパシタ構造。
【請求項14】
前記第2のSTI構造、前記第2の垂直拡散板、前記第1のSTI構造が、前記第1の垂直拡散板と同心円状に配置される、請求項
11に記載のキャパシタ構造。
【請求項15】
前記第1の垂直拡散板および前記第2の垂直拡散板が、前記第1のSTI構造および前記第2のSTI構造によって画定されて分離されるシリコン活性区域である、請求項
11に記載のキャパシタ構造。
【請求項16】
前記第1のSTI構造または前記第2のSTI構造の上面の直上に受動素子
をさらに備える、請求項
11に記載のキャパシタ構造。
【請求項17】
前記受動素子が抵抗器を備える、請求項
16に記載のキャパシタ構造。
【請求項18】
前記受動素子がポリシリコンを含む、請求項
16に記載のキャパシタ構造。
【請求項19】
前記第2のSTI構造、前記第2の垂直拡散板、前記第1のSTI構造、および前記第1の垂直拡散板を囲む第3の垂直拡散板と、
前記第3の垂直拡散板、前記第2のSTI構造、前記第2の垂直拡散板、前記第1のSTI構造、および前記第1の垂直拡散板を囲む第3のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造と
をさらに備える、請求項
11に記載のキャパシタ構造。
【請求項20】
前記第3のSTI構造、前記第3の垂直拡散板、前記第2のSTI構造、前記第2の垂直拡散板、前記第1のSTI構造、および前記第1の垂直拡散板を囲む第4の垂直拡散板と、
前記第4の垂直拡散板、前記第3のSTI構造、前記第3の垂直拡散板、前記第2のSTI構造、前記第2の垂直拡散板、前記第1のSTI構造、および前記第1の垂直拡散板を囲む第4のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造と
をさらに備える、請求項
19に記載のキャパシタ構造。
【請求項21】
前記第2の垂直拡散板、前記第4の垂直拡散板、およびイオンウェルがアノードノードに電気的に結合され、前記第1の垂直拡散板および前記第3の垂直拡散板がカソードノードに電気的に結合される、請求項
20に記載のキャパシタ構造。
【請求項22】
前記半導体基板がシリコン基板である、請求項1に記載のキャパシタ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に半導体技術の分野に関し、より詳細には、シリコン基板中に垂直に配置された拡散板を有するキャパシタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野で知られているように、3D NANDは、より高い貯蔵密度およびより低い単位ギガバイト当たりのコストのために容量を増やすため、メモリセルを垂直に積み重ねるフラッシュメモリ技術である。
【0003】
3D NAND技術では、メモリセルは高電圧で動作し、電圧ブーストを実装するためにキャパシタが必要である。典型的には、MOSキャパシタ、MOMキャパシタ、またはポリ-ポリキャパシタが3D NANDチップ回路で使用される。
【0004】
3D NAND技術は、高密度および大容量へ、特に、64層から128層方式へと向かって進んでおり、デバイスの数およびトレースの数が著しく増加している一方で、チップの面積は、本質的に変わらないままである。結果として、シリコンウェハおよびバックエンド配線のための空間がますます小さくなっている。従来型MOSキャパシタまたはMOMキャパシタは、通常では、バックエンド段に、大きいチップ面積または金属トレース面積を必要とし、大面積MOSキャパシタは、時間依存性絶縁破壊(TDDB)の問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
したがって、当技術分野では、回路要件を満たし、同時に大きすぎる空間を占有する必要がない新規のキャパシタ構造についての必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリコン基板中に垂直に配置された拡散板を有するキャパシタ構造を提供することが、本開示の1つの目的であり、これによって、上述の従来技術の欠点および欠陥を解決することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの態様は、半導体基板と、半導体基板中に配設された第1の垂直拡散板と、半導体基板中に配設され第1の垂直拡散板を囲む第1のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造と、半導体基板中に配設され第1のSTI構造を囲む第2の垂直拡散板とを含むキャパシタ構造を提供する。第1の垂直拡散板は、半導体基板の部分である、第1の下部をさらに備える。第1の下部は、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造によって囲まれて電気的に分離される。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造は、第1のSTI構造の底部と直接接触する。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造は、第1のSTI構造のものより小さい横方向の厚さtを有する。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造は、第1のSTI構造のものとほぼ同じリング形状を有する。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、第1の垂直拡散板は、P型ドープ領域またはN型ドープ領域である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、第2の垂直拡散板は、P型ドープ領域またはN型ドープ領域である。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造は、半導体基板の裏面側に配設された絶縁層をさらに備える。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、第1のSTI構造および第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造は、第1の垂直拡散板を第2の垂直拡散板から分離する。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、第1の垂直拡散板が第1の電圧に電気的に結合され、第2の垂直拡散板が第2の電圧に電気的に結合され、第2の電圧が第1の電圧よりも高い。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタは、第1の垂直拡散板と第2の垂直拡散板の間に形成され、第1のSTI構造および第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造がその間に挿置され、キャパシタ誘電体層として働く。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造は、第1の垂直拡散板の表面に配設される第1の高度にドープされた領域と、第2の垂直拡散板の表面に配設される第2の高度にドープされた領域とをさらに備える。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造は、半導体基板中に配設される第2のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造をさらに備える。第2のSTI構造は、第2の垂直拡散板、第1のSTI構造、および第1の垂直拡散板を囲む。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、第2の垂直拡散板は、半導体基板の部分である、第2の下部をさらに備える。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、第2の下部は、第2のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造および第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造によって囲まれて電気的に分離される。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、第2のSTI構造、第2の垂直拡散板、第1のSTI構造は、第1の垂直拡散板と同心円状に配置される。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、第1の垂直拡散板および第2の垂直拡散板は、第1のSTI構造および第2のSTI構造によって画定されて分離されるシリコン活性区域である。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造は、第1のSTI構造または第2のSTI構造の上面の直上に受動素子をさらに備える。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、受動素子は抵抗器を備える。いくつかの実施形態によれば、受動素子はポリシリコンを含む。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造は、第2のSTI構造、第2の垂直拡散板、第1のSTI構造、および第1の垂直拡散板を囲む第3の垂直拡散板と、第3の垂直拡散板、第2のSTI構造、第2の垂直拡散板、第1のSTI構造、および第1の垂直拡散板を囲む第3のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造とをさらに備える。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造は、第3のSTI構造、第3の垂直拡散板、第2のSTI構造、第2の垂直拡散板、第1のSTI構造、および第1の垂直拡散板を囲む第4の垂直拡散板と、第4の垂直拡散板、第3のSTI構造、第3の垂直拡散板、第2のSTI構造、第2の垂直拡散板、第1のSTI構造、および第1の垂直拡散板を囲む第4のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造とをさらに備える。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、第2の垂直拡散板、第4の垂直拡散板、およびイオンウェルはアノードノードに電気的に結合され、第1の垂直拡散板および第3の垂直拡散板はカソードノードに電気的に結合される。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、半導体基板は、シリコン基板である。
【0029】
本発明のこれらおよび他の目的は、様々な図および図面に図示される好ましい実施形態の以下の詳細な記載を読めば、当業者にはきっと明らかとなろう。
【0030】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示の実施形態を図示しており、説明とともに、本開示の原理を説明して、当業者が本開示を作り使用することを可能にするようさらに役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態による、半導体基板中に製造されたキャパシタ構造の例示的なレイアウト構造を示す概略図である。
【
図2】
図1の線I-I’に沿った概略断面図である。
【
図3】本開示の別の実施形態による、キャパシタ構造を製造するための例示的な方法を示す概略断面図である。
【
図4】本開示の別の実施形態による、キャパシタ構造を製造するための例示的な方法を示す概略断面図である。
【
図5】本開示の別の実施形態による、キャパシタ構造を製造するための例示的な方法を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示の実施形態は、添付図面を参照して記載される。
【0033】
ここでは、本開示を理解して実装するため、および技術的な効果を実現するために、添付図面に図示される本発明の例示的な実施形態に、詳細に参照が行われることになる。以下の記載は例としてのみ行われているが、本開示を限定しないことを理解することができる。互いに矛盾しない本開示の様々な実施形態および実施形態中の様々な特徴は、様々な形で組み合わせて再配置することができる。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示に対する変更形態、等価形態、または改善形態が、当業者に想到されて、本開示の範囲内に包含されることが意図されている。
【0034】
「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの本明細書中の言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができることを示すが、あらゆる実施形態が特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含まない場合があることに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を言及していない。
【0035】
さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態について記載されるとき、明示的に記載されるまたはされない他の実施形態について、そのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であろう。
【0036】
一般的に、用語は、少なくとも部分的には文脈中の使用法から理解することができる。たとえば、本明細書で使用する「1つまたは複数」という用語は、少なくとも部分的に文脈に依存して、任意の特徴、構造、または特性を単数の意味で記載するために使用する場合があり、または特徴、構造、または特性の組合せを複数の意味で記載するために使用する場合がある。同様に、「a」、「an」、または「the」などといった用語は、また、少なくとも部分的に文脈に依存して、単数形の使用を伝えるよう、または複数形の使用を伝えるように理解することができる。
【0037】
本開示における、「~の上に(on)」、「~の上方に(above)」、および「~を覆って(over)」の意味は、最も広い形で解釈するべきであり、そのため、「~の上に(on)」は、何か「の直ぐ上に(directly on)」だけを意味せず、その間に介在する特徴または層がある何か「の上に(on)」の意味も含み、「~の上方に(above)」または「~を覆って(over)」は、何か「の上方に(above)」または「を覆って(over)」の意味だけを意味せず、それがその間に介在する特徴または層がない何か「の上方に(above)」または「を覆って(over)」(すなわち、何かの直ぐ上)である意味をやはり含むことができることを容易に理解するべきである。
【0038】
さらに、空間に関係する用語、「~の下に(beneath)」、「~の下方に(below)」、「~より下に(lower)」、「~より上方に(above)」、「~より上に(upper)」などは、本明細書では、図に図示されるような、1つの要素または特徴の、別の要素または特徴に対する関係を記載するための記載がしやすいように使用する場合がある。
【0039】
空間に関係する用語は、図に描かれる方位に加えて、使用または動作中のデバイスの異なる方位を包含することが意図される。装置は、他の方位(90度回転した、または他の方位)に向けることができ、本明細書で使用する空間に関係する記述子は、それに従って同様に解釈することができる。
【0040】
本明細書で使用する、「基板」という用語は、その上に後続の材料層が加えられる材料のことを呼ぶ。基板自体をパターン形成することができる。基板の上面上に加えられる材料は、パターン形成することができ、またはパターン形成しないままにすることができる。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウムなどといった、半導体材料の幅広い配列を含むことができる。あるいは、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウェハなどといった、非導電性材料から作ることができる。
【0041】
本明細書で使用する、「層」という用語は、厚さを有する領域を含む材料部分を呼ぶ。層は、下にある構造または上にある構造の全体を覆って延在することができ、または下にある構造または上にある構造の範囲より小さい範囲を有することができる。さらに、層は、連続的構造の厚さよりも薄い厚さを有する、均質または不均質な連続的構造の領域であってよい。たとえば、層は、連続的構造の上面と底面の間の、または上面および底面の、水平面の任意の対の間にあってよい。層は、水平、垂直、および/または先細面に沿って延在することができる。基板は、層であってよく、その中に1つまたは複数の層を含んでよく、ならびに/または、その上、その上方、および/もしくはその下方に1つまたは複数の層を有してよい。層は複数の層を含むことができる。たとえば、相互接続層が、1つまたは複数の導体および接点層(その中で、接点、相互接続線、および/またはスルーホールが形成される)、ならびに1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。
【0042】
本明細書で使用する、「公称/公称の」という用語は、製品またはプロセスの設計フェーズ期間に設定された構成要素またはプロセス動作についての特性またはパラメータの所望の値、または目標の値、ならびに、所望の値の上および/または下の値の範囲のことを呼ぶ。値の範囲は、製造プロセスまたは許容範囲におけるわずかなばらつきに起因してよい。本明細書で使用する、「約」という用語は、対象の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変わる場合がある所与の量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、「約」という用語は、たとえば値の10~30%(値の±10%、±20%、または±30%)内で変わる所与の量の値を示すことができる。
【0043】
本開示は、シリコン基板中の垂直に配置された拡散板を有するキャパシタ構造に関する。上述のキャパシタ構造は、CMOSウェハ上に製造することができ、3次元(3D)NANDデバイスを形成するためにアレイウェハと結合することができる。キャパシタの誘電体層として機能するシャロートレンチアイソレーション(STI)構造は、キャパシタ構造の垂直に配置された拡散板間に配設される。キャパシタ構造の底部および周辺部に沿って、ウェハ裏面側トレンチアイソレーションが設けられ、反対の極性の拡散板を互いに電気的に分離する。上述のキャパシタ構造は、ポリシリコンゲート(ポリゲート)キャパシタ/抵抗器区域に組み込むことができ、その結果、CMOSウェハの空間を効率的に使用することができ、単位面積当たりの容量を増やすことができる。
【0044】
図1および
図2を参照せよ。
図1は、本発明の一実施形態による、半導体基板中に製造されたキャパシタ構造の例示的なレイアウト構造を示す概略図である。
図2は、
図1の線I-I’に沿った概略断面図である。図を通して描かれる素子の形状またはキャパシタ構造のレイアウトは説明目的のためだけであることを理解されたい。本開示の様々な実施形態に従って、異なる形状またはレイアウトを採用することができる。
【0045】
図1および
図2に示されるように、キャパシタ構造1は、シリコンなどといった半導体材料の半導体基板100中のポリゲートキャパシタ/抵抗器区域(P2区域)内に構築することができるが、それに限定されない。本開示の一実施形態によれば、たとえば、半導体基板100は、P型シリコン基板であってよい。しかし、他の実施形態に従って、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板またはエピタキシャル基板などといった他の半導体基板を採用できることを理解されたい。本開示の一実施形態によれば、半導体基板100は、表面側100aおよび裏面側100bを有する。
【0046】
半導体基板100上に、CMOSウェハを形成するように複数のCMOS回路素子(図示せず)を製造することができる。CMOSウェハは、3次元(3D)NANDデバイスを形成するためにアレイウェハ(またはメモリセルウェハ)と結合することができる。本開示のキャパシタ構造1は、3D NANDデバイスの動作期間に電圧ブーストを実施するため必要な大容量を提供することができる。さらに、本開示のキャパシタ構造1は、現在のCMOSプロセスと互換性がある。本開示のキャパシタ構造1は、CMOS回路素子と一体に製造される、集積キャパシタ構造である。
【0047】
図1および
図2に図示される非限定の実施形態では、キャパシタ構造1は、第1のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造104によって囲まれる第1の垂直拡散板110を備える。
図1でわかるように、上方から見ると、第1の垂直拡散板110は、矩形形状を有することができ、その長軸またはより長い側は基準x軸に沿って延在し、そのより短い側は基準y軸に沿って延在する。第1のSTI構造104は、半導体基板100の表面側100a上に形成されるリング形状のトレンチアイソレーションである。第1のSTI構造104は、第1の垂直拡散板110を電気的に分離する。本開示の様々な実施形態に従って、第1の垂直拡散板110および第1のSTI構造104の異なる形状またはレイアウトを採用できることが理解される。
【0048】
本開示の一実施形態によれば、第1の垂直拡散板110は、第1のSTI構造104によって画定されて分離されるシリコン活性区域である。本開示の一実施形態によれば、第1の垂直拡散板110は、P型ドープシリコン区域またはN型ドープシリコン区域であってよい。たとえば、CMOSロジック回路領域でイオンウェルを形成するために一般的に実施される好適なハードマスクを使用するイオンウェル打込みプロセスを実施することによって、ボロンなどのP型ドーパントまたはリンなどといったN型ドーパントを、第1のSTI構造104によって画定されて分離されるシリコン活性区域へと打ち込み、それによって、第1の垂直拡散板110を形成することができる。P+領域またはN+領域などといった高度にドープされた領域111を、第1の垂直拡散板110の表面に形成することができる。したがって、イオンウェル打込みプロセス後の第1の垂直拡散板110のドープ濃度は、半導体基板100のものより高い。
【0049】
本開示の一実施形態によれば、たとえば、第1のSTI構造104は、限定しないが、以下のステップ、すなわち、(1)半導体基板100の中に環状アイソレーショントレンチをエッチングするステップと、(2)環状アイソレーショントレンチの内面上に酸化シリコンライナまたは窒化シリコンライナなどといったライナ層を形成するステップと、(3)環状アイソレーショントレンチを二酸化シリコンまたはHDPCVD酸化物などといったトレンチ充填絶縁層で満たすステップと、(4)環状アイソレーショントレンチの外側の過剰なトレンチ充填絶縁層を除去するために化学的機械的研磨(CMP)を実施するステップとを実施することによって形成することができる。
【0050】
本開示の一実施形態によれば、第1の垂直拡散板110は、半導体基板100の部分である下部110aをさらに備える。
図2でわかるように、下部110aは、第1のSTI構造104によって囲まれる第1の垂直拡散板110の上にある部分より幅広くすることができる。本開示の一実施形態によれば、下部110aは、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504によって囲まれて電気的に分離される。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、第1のSTI構造104のものとほぼ同じリング形状を有する。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、第1のSTI構造104の底部と直接接触する。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、第1のSTI構造104のものより小さい横方向の厚さtを有する。
【0051】
本開示の一実施形態によれば、絶縁層500が半導体基板100の裏面側100b上に配設される。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、ウェハ裏面側トレンチを絶縁層500で満たすことによって形成される。本開示の一実施形態によれば、絶縁層500は、限定しないが、プラズマ促進CVD(PECVD)、低圧CVD(LPCVD)、急熱CVD(RTCVD)、または原子層堆積(ALD)法を含む化学気相堆積(CVD)法によって形成することができる。たとえば、絶縁層500は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンを含むことができるが、これらに限定されない。
【0052】
キャパシタ構造1は、第1のSTI構造104および第1の垂直拡散板110を囲む第2の垂直拡散板210をさらに備える。
図1でわかるように、上方から見ると、第2の垂直拡散板210は、環状の第1のSTI構造104を取り囲む円環形状構造である。第2の垂直拡散板210は、第1のSTI構造104および外側の第2のSTI構造105によって画定されて分離される。第2のSTI構造105は、やはり、第2の垂直拡散板210を電気的に分離するリング形状のトレンチアイソレーションである。第2のSTI構造105は、以前に記載されたようなSTIプロセスステップによって形成することができる。
【0053】
本開示の一実施形態によれば、第2の垂直拡散板210は、第1のSTI構造104および第2のSTI構造105によって画定されて分離されるシリコン活性区域である。本開示の一実施形態によれば、同様に、第2の垂直拡散板210は、P型ドープシリコン区域またはN型ドープシリコン区域であってよい。たとえば、CMOSロジック回路領域でイオンウェルを形成するために一般的に実施される好適なハードマスクを使用するイオンウェル打込みプロセスを実施することによって、ボロンなどのP型ドーパントまたはリンなどといったN型ドーパントを、第1のSTI構造104および第2のSTI構造105によって画定されて分離されるシリコン活性区域へと打ち込み、それによって、第1の垂直拡散板110および第2の垂直拡散板210を形成することができる。P+領域またはN+領域などといった高度にドープされた領域211を、第2の垂直拡散板210の表面に形成することができる。
【0054】
本開示の一実施形態によれば、第2の垂直拡散板210は、半導体基板100の部分である下部210aをさらに備える。
図2でわかるように、下部210aは、第2のSTI構造105によって囲まれる第2の垂直拡散板210の上にある部分より幅広くすることができる。本開示の一実施形態によれば、下部210aは、外側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造505および内側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504によって囲まれて電気的に分離される。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造505は、第2のSTI構造105のものとほぼ同じリング形状を有する。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造505は、第2のSTI構造105の底部と直接接触する。
【0055】
本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造505は、ウェハ裏面側トレンチを絶縁層500で満たすことによって形成される。本開示の一実施形態によれば、絶縁層500は、限定しないが、プラズマ促進CVD(PECVD)、低圧CVD(LPCVD)、急熱CVD(RTCVD)、または原子層堆積(ALD)法を含む化学気相堆積(CVD)法によって形成することができる。たとえば、絶縁層500は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンを含むことができるが、これらに限定されない。
【0056】
本開示の一実施形態によれば、
図2でわかるように、キャパシタC
1(Si-Siキャパシタ)は、第1の垂直拡散板110と第2の垂直拡散板210の間に形成され、環状の第1のSTI構造104およびウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504がその間に挿置され、キャパシタ誘電体層として働くことができる。複数の第1の接点要素CT
1を、第1の垂直拡散板110上に配設することができる。複数の第1の接点要素CT
1および金属相互接続410を通して、第1の垂直拡散板110を、第1の電圧が提供されるキャパシタ構造1のカソードノードに電気的に結合することができる。複数の第2の接点要素CT
2を、第2の垂直拡散板210上に配設することができる。複数の第2の接点要素CT
2および金属相互接続420を通して、第2の垂直拡散板210を、第2の電圧が提供されるキャパシタ構造1のアノードノードに電気的に結合することができる。本開示の一実施形態によれば、第2の電圧は第1の電圧より高くてよい。
【0057】
本開示の一実施形態によれば、抵抗器などといった受動素子302および304を、第1のSTI構造104の上面上に形成することができ、抵抗器などといった受動素子306を、第2のSTI構造105の上面上に形成することができる。本開示の一実施形態によれば、受動素子302、304、および306はポリシリコンから構成することができるが、それに限定されない。本開示の一実施形態によれば、受動素子302、304、および306は、それぞれ、第1のSTI構造104および第2のSTI構造105上にのみ形成される。
図1に図示される受動素子302、304、および306のレイアウトおよび数は、単に説明のためであることが理解される。
【0058】
本開示の一実施形態によれば、キャパシタ構造1は、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104、および第1の垂直拡散板110を囲む第3の垂直拡散板120をさらに備えることができる。
図1でわかるように、上方から見ると、第3の垂直拡散板120は、環状の第2のSTI構造105を取り囲む円環形状構造である。第3の垂直拡散板120は、第2のSTI構造105および外側の第3のSTI構造106によって画定されて分離される。第3のSTI構造106は、やはり、第3の垂直拡散板120を電気的に分離するリング形状のトレンチアイソレーションである。第3のSTI構造106は、以前に記載されたようなSTIプロセスステップによって形成することができる。本開示の一実施形態によれば、第3のSTI構造106、第3の垂直拡散板120、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、および第1のSTI構造104は、最も内側の第1の垂直拡散板110と同心円状に配置される。
【0059】
本開示の一実施形態によれば、第3の垂直拡散板120は、第2のSTI構造105および第3のSTI構造106によって画定されて分離されるシリコン活性区域である。本開示の一実施形態によれば、同様に、第3の垂直拡散板120は、P型ドープシリコン区域またはN型ドープシリコン区域であってよい。たとえば、CMOSロジック回路領域でイオンウェルを形成するために一般的に実施される好適なハードマスクを使用するイオンウェル打込みプロセスを実施することによって、ボロンなどのP型ドーパントまたはリンなどといったN型ドーパントを、第2のSTI構造105および第3のSTI構造106によって画定されて分離されるシリコン活性区域へと打ち込み、それによって、第1の垂直拡散板110、第2の垂直拡散板210、および第3の垂直拡散板120を形成することができる。P+領域またはN+領域などといった高度にドープされた領域121を、第3の垂直拡散板120の表面に形成することができる。
【0060】
本開示の一実施形態によれば、第3の垂直拡散板120は、半導体基板100の部分である下部120aをさらに備える。
図2でわかるように、下部120aは、第3のSTI構造106によって囲まれる第2の垂直拡散板120の上にある部分より幅広くすることができる。本開示の一実施形態によれば、下部120aは、外側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造506および内側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造505によって囲まれて電気的に分離される。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造506は、第3のSTI構造106のものとほぼ同じリング形状を有する。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造506は、第3のSTI構造106の底部と直接接触する。
【0061】
本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造506は、ウェハ裏面側トレンチを絶縁層500で満たすことによって形成される。本開示の一実施形態によれば、絶縁層500は、限定しないが、プラズマ促進CVD(PECVD)、低圧CVD(LPCVD)、急熱CVD(RTCVD)、または原子層堆積(ALD)法を含む化学気相堆積(CVD)法によって形成することができる。たとえば、絶縁層500は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンを含むことができるが、これらに限定されない。
【0062】
本開示の一実施形態によれば、
図2でわかるように、キャパシタC
2(Si-Siキャパシタ)は、第2の垂直拡散板210と第3の垂直拡散板120の間に形成され、環状の第2のSTI構造105およびウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造505がその間に挿置され、キャパシタ誘電体層として働くことができる。複数の第3の接点要素CT
3を、第3の垂直拡散板120上に配設することができる。複数の第3の接点要素CT
3および金属相互接続410を通して、第3の垂直拡散板120を、第1の電圧が提供されるキャパシタ構造1のカソードノードに電気的に結合することができる。したがって、本開示の一実施形態によれば、
図2でわかるように、第1の垂直拡散板110および第3の垂直拡散板120は両方ともカソードノードに電気的に結合される。
【0063】
本開示の一実施形態によれば、抵抗器などといった受動素子308を、第3のSTI構造106の上面上に形成することができる。本開示の一実施形態によれば、受動素子308はポリシリコンから構成することができるが、それに限定されない。本開示の一実施形態によれば、受動素子308は、第3のSTI構造106上にのみ形成される。
図1に図示される受動素子308のレイアウトおよび数は、単に説明のためであることが理解される。
【0064】
本開示の一実施形態によれば、キャパシタ構造1は、第3のSTI構造106、第3の垂直拡散板120、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104、および第1の垂直拡散板110を囲む第4の垂直拡散板220をさらに備えることができる。
図1でわかるように、上方から見ると、第4の垂直拡散板220は、環状の第3のSTI構造106を取り囲む円環形状構造である。第4の垂直拡散板220は、第3のSTI構造106および第4のSTI構造107によって画定されて分離される。第4のSTI構造107は、やはり、第4の垂直拡散板220を電気的に分離するリング形状のトレンチアイソレーションである。第4のSTI構造107は、以前に記載されたようなSTIプロセスステップによって形成することができる。本開示の一実施形態によれば、第4のSTI構造107、第4の垂直拡散板220、第3のSTI構造106、第3の垂直拡散板120、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、および第1のSTI構造104は、最も内側の第1の垂直拡散板110と同心円状に配置される。
【0065】
本開示の一実施形態によれば、第4の垂直拡散板220は、第3のSTI構造106および第4のSTI構造107によって画定されて分離されるシリコン活性区域である。本開示の一実施形態によれば、同様に、第4の垂直拡散板220は、P型ドープシリコン区域またはN型ドープシリコン区域であってよい。たとえば、CMOSロジック回路領域でイオンウェルを形成するために一般的に実施される好適なハードマスクを使用するイオンウェル打込みプロセスを実施することによって、ボロンなどのP型ドーパントまたはリンなどといったN型ドーパントを、第3のSTI構造106および第4のSTI構造107によって画定されて分離されるシリコン活性区域へと打ち込み、それによって、第1の垂直拡散板110、第2の垂直拡散板210、第3の垂直拡散板120、および第4の垂直拡散板220を形成することができる。P+領域またはN+領域などといった高度にドープされた領域221を、第4の垂直拡散板220の表面に形成することができる。
【0066】
本開示の一実施形態によれば、第4の垂直拡散板220は、半導体基板100の部分である下部220aをさらに備える。
図2でわかるように、下部220aは、第4のSTI構造107によって囲まれる第4の垂直拡散板220の上にある部分より幅広くすることができる。本開示の一実施形態によれば、下部220aは、外側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造507および内側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造506によって囲まれて電気的に分離される。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造507は、第4のSTI構造107のものとほぼ同じリング形状を有する。本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造507は、第4のSTI構造107の底部と直接接触する。
【0067】
本開示の一実施形態によれば、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造507は、ウェハ裏面側トレンチを絶縁層500で満たすことによって形成される。本開示の一実施形態によれば、絶縁層500は、限定しないが、プラズマ促進CVD(PECVD)、低圧CVD(LPCVD)、急熱CVD(RTCVD)、または原子層堆積(ALD)法を含む化学気相堆積(CVD)法によって形成することができる。たとえば、絶縁層500は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンを含むことができるが、これらに限定されない。
【0068】
本開示の一実施形態によれば、
図2でわかるように、キャパシタC
3(Si-Siキャパシタ)は、第3の垂直拡散板120と第4の垂直拡散板220の間に形成され、環状の第3のSTI構造106およびウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造506がその間に挿置され、キャパシタ誘電体層として働くことができる。複数の第4の接点要素CT
4を、第4の垂直拡散板220上に配設することができる。複数の第4の接点要素CT
4および金属相互接続420を通して、第4の垂直拡散板220を、第2の電圧が提供されるキャパシタ構造1のアノードノードに電気的に結合することができる。したがって、本開示の一実施形態によれば、
図2でわかるように、第2の垂直拡散板210および第4の垂直拡散板220は両方ともアノードノードに電気的に結合される。
【0069】
本開示の一実施形態によれば、抵抗器などといった受動素子310を、第4のSTI構造107の上面上に形成することができる。本開示の一実施形態によれば、受動素子310はポリシリコンから構成することができるが、それに限定されない。本開示の一実施形態によれば、受動素子310は、第4のSTI構造107上にのみ形成される。
図1に図示される受動素子310のレイアウトおよび数は、単に説明のためであることが理解される。
【0070】
構造的に、キャパシタ構造1は、半導体基板100と、半導体基板100中に配設された第1の垂直拡散板110と、半導体基板100中に配設され第1の垂直拡散板110を囲む第1のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造104と、半導体基板100中に配設され第1のSTI構造104を囲む第2の垂直拡散板210とを含む。第1の垂直拡散板110は、半導体基板100の部分である、第1の下部110aをさらに備える。第1の下部110aは、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504によって囲まれて電気的に分離される。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、第1のSTI構造104の底部と直接接触する。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、第1のSTI構造104のものより小さい横方向の厚さtを有する。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、第1のSTI構造104のものとほぼ同じリング形状を有する。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、第1の垂直拡散板110は、P型ドープ領域またはN型ドープ領域である。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、第2の垂直拡散板210は、P型ドープ領域またはN型ドープ領域である。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造1は、半導体基板100の裏面側100bに配設された絶縁層500をさらに備える。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、第1のSTI構造104および第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504は、第1の垂直拡散板110を第2の垂直拡散板210から分離する。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、第1の垂直拡散板110が第1の電圧に電気的に結合され、第2の垂直拡散板210が第2の電圧に電気的に結合され、第2の電圧が第1の電圧よりも高い。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタC1は、第1の垂直拡散板110と第2の垂直拡散板210の間に形成され、第1のSTI構造104および第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504がその間に挿置され、キャパシタ誘電体層として働く。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造1は、第1の垂直拡散板110の表面に配設される第1の高度にドープされた領域111と、第2の垂直拡散板210の表面に配設される第2の高度にドープされた領域211とをさらに備える。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造1は、半導体基板100中に配設される第2のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造105をさらに備える。第2のSTI構造105は、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104、および第1の垂直拡散板110を囲む。
【0082】
いくつかの実施形態によれば、第2の垂直拡散板210は、半導体基板100の部分である、第2の下部210aをさらに備える。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、第2の下部210aは、第2のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造505および第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504によって囲まれて電気的に分離される。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104は、第1の垂直拡散板110と同心円状に配置される。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、第1の垂直拡散板110および第2の垂直拡散板210は、第1のSTI構造104および第2のSTI構造105によって画定されて分離されるシリコン活性区域である。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造1は、第1のSTI構造104または第2のSTI構造105の上面の直上に受動素子302、306をさらに備える。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、受動素子302、306は抵抗器を備える。いくつかの実施形態によれば、受動素子302、306はポリシリコンを含む。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造1は、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104、および第1の垂直拡散板110を囲む第3の垂直拡散板120と、第3の垂直拡散板120、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104、および第1の垂直拡散板110を囲む第3のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造106とをさらに備える。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタ構造1は、第3のSTI構造106、第3の垂直拡散板120、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104、および第1の垂直拡散板110を囲む第4の垂直拡散板220と、第4の垂直拡散板220、第3のSTI構造106、第3の垂直拡散板120、第2のSTI構造105、第2の垂直拡散板210、第1のSTI構造104、および第1の垂直拡散板110を囲む第4のシャロートレンチアイソレーション(STI)構造107とをさらに備える。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、第2の垂直拡散板210、第4の垂直拡散板220、およびイオンウェル101はアノードノードに電気的に結合され、第1の垂直拡散板110および第3の垂直拡散板120はカソードノードに電気的に結合される。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、半導体基板100は、シリコン基板である。
【0092】
図3から
図5を参照せよ。
図3から
図5は、本開示の別の実施形態による、キャパシタ構造を製造するための例示的な方法を示す概略断面図であり、同様の領域、層、または要素は、同様の番号によって指定される。
【0093】
図3に示されるように、P型シリコン基板などといった半導体基板100のP2区域は、以前に記載されたようなSTIプロセスを受け、それによって、1つ置きの活性区域の同心円状リング、および活性区域のリング間に挿置される、1つ置きのSTI構造の同心円状リングが形成される。たとえば、最も内側の第1の垂直拡散板110は、第1のSTI構造104、第2の垂直拡散板210、第2のSTI構造105、第3の垂直拡散板120、第3のSTI構造106、第4の垂直拡散板220、および最も外側の第4のSTI構造107に囲まれる。パターン形成したポリシリコン層がSTI構造上に形成される。パターン形成したポリシリコン層は、受動素子302~310などといった受動素子を形成することができる。
【0094】
受動素子302~310を形成した後、半導体基板100の表面側100aに誘電体層520を堆積することができる。以前に記載されたような接触プラグCT1~CT4などといった接触プラグなどの相互接続構造、ならびに以前に記載されたような相互接続410または420などといった金属線/トレースを、誘電体層520の中または上に形成することができる。簡単にするために、単に1つの誘電体層520が示される。しかし、誘電体層520は、誘電体材料などの複数の層を備えることができることが理解される。相互接続構造を介して、第2の垂直拡散板210、第4の垂直拡散板220、およびイオンウェル101はアノードノードに電気的に結合され、第1の垂直拡散板110および第3の垂直拡散板120はカソードノードに電気的に結合される。
【0095】
半導体基板100のP2区域は、数回のイオン打込みプロセスを受けて、P型またはN型ドープした第1の垂直拡散板110、P型またはN型ドープした第2の垂直拡散板210、P型またはN型ドープした第3の垂直拡散板120、P型またはN型ドープした第4の垂直拡散板220、および、高度にドープされた領域111、121、211、221を形成することができる。
【0096】
図4に示されるように、その後、半導体基板100を裏返すことができ、次いで裏面側100bがウェハ薄化プロセスを受けて、裏面側100bから半導体基板100の一部を除去する。ウェハ裏面側薄化プロセスは当技術分野でよく知られており、ここではこれ以上詳細に記載されない。たとえば、半導体基板100の表面側100aをキャリア基板(図示せず)に付着することができ、次いで、裏面側100bが、当技術分野で知られているウェハ研磨方法によって研磨または研削される。
【0097】
図5に示されるように、ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造504~507は、基板貫通接点(TSC)プロセスなどの技法を使用することによって半導体基板100の裏面側100b上に形成される。たとえば、第1の同心円状の円環形状トレンチは、リソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスによって半導体基板100に形成される。その後、絶縁層500が半導体基板100の裏面側100b上に堆積され、同心円状の円環形状トレンチが絶縁層500で満たされる。
【0098】
当業者ならば、本発明の教示を保持しながら、本デバイスおよび方法の多数の変更形態および代替形態を作ることができることに容易に気づくであろう。したがって、上の開示は、添付の請求項の設定範囲によってのみ限定されると解釈するべきである。
【符号の説明】
【0099】
1 キャパシタ構造
100 半導体基板
100a 表面側
100b 裏面側
101 イオンウェル
104 第1のシャロートレンチアイソレーション構造、第1のSTI構造
105 第2のシャロートレンチアイソレーション構造、第2のSTI構造
106 第3のシャロートレンチアイソレーション構造、第3のSTI構造
107 第4のシャロートレンチアイソレーション構造、第4のSTI構造
110 第1の垂直拡散板
110a 第1の下部
111 第1の高度にドープされた領域
120 第3の垂直拡散板
121 高度にドープされた領域
210 第2の垂直拡散板
210a 第2の下部
211 第2の高度にドープされた領域
220 第4の垂直拡散板
220a 第2の下部
221 高度にドープされた領域
302 受動素子
304 受動素子
306 受動素子
308 受動素子
310 受動素子
410 金属相互接続
420 金属相互接続
500 絶縁層
504 第1のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造、内側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造
505 第2のウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造、内側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造、外側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造
506 ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造、外側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造、内側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造
507 ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造、外側ウェハ裏面側トレンチアイソレーション構造
520 誘電体層