(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】重合体組成物、潤滑油添加剤、粘度指数向上剤、潤滑油組成物、重合体組成物の製造方法、及びマクロモノマーの製造方法
(51)【国際特許分類】
C10M 145/14 20060101AFI20221124BHJP
C10M 169/04 20060101ALI20221124BHJP
C08F 265/06 20060101ALI20221124BHJP
C08F 20/12 20060101ALI20221124BHJP
C08F 220/12 20060101ALI20221124BHJP
C08L 91/00 20060101ALI20221124BHJP
C08L 33/04 20060101ALI20221124BHJP
C10N 20/00 20060101ALN20221124BHJP
C10N 20/04 20060101ALN20221124BHJP
C10N 40/25 20060101ALN20221124BHJP
C10N 40/04 20060101ALN20221124BHJP
C10N 40/08 20060101ALN20221124BHJP
C10N 30/02 20060101ALN20221124BHJP
【FI】
C10M145/14
C10M169/04
C08F265/06
C08F20/12
C08F220/12
C08L91/00
C08L33/04
C10N20:00 B
C10N20:04
C10N40:25
C10N40:04
C10N40:08
C10N30:02
(21)【出願番号】P 2022066407
(22)【出願日】2022-04-13
(62)【分割の表示】P 2022510660の分割
【原出願日】2021-03-25
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2020055130
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020055131
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【氏名又は名称】伏見 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】福田 広輝
(72)【発明者】
【氏名】望月 克史
(72)【発明者】
【氏名】藤江 史子
(72)【発明者】
【氏名】椋田 貴寛
(72)【発明者】
【氏名】新納 洋
(72)【発明者】
【氏名】岡本 英子
(72)【発明者】
【氏名】松村 一成
(72)【発明者】
【氏名】品田 弘子
(72)【発明者】
【氏名】濱本 博己
【審査官】堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-286189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C10M 101/00-177/00
C08F 6/00-292/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル系共重合体Aを含有する潤滑油添加剤用重合体組成物であって、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1由来の構成単位、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3由来の構成単位を含む共重合体であり、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、グラフト共重合体であ
り、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルメタクリレートa1由来の構成単位を1~50質量%含み、前記アルキルアクリレートa2由来の構成単位を1~50質量%含み、且つ前記アルキルアクリレートa3由来の構成単位を30~80質量%含む(ただし、前記アルキルメタクリレートa1由来の構成単位の含有量、前記アルキルアクリレートa2由来の構成単位の含有量、及び前記アルキルアクリレートa3由来の構成単位の含有量の合計は、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、100質量%を超えない。)潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項2】
(メタ)アクリル系共重合体Aを含有する潤滑油添加剤用重合体組成物であって、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1由来の構成単位、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3由来の構成単位を含む共重合体であり、
前記潤滑油添加剤用重合体組成物を35wt%含有する
ベースオイル溶液の、25℃の小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさqが0.07nm
-1以上2nm
-1以下の範囲における、規格化後散乱強度の最大値が51.8cm
-1以上、または
潤滑油添加剤用重合体組成物を35wt%含有する
ベースオイル溶液の、100℃の小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさq=0.1nm
-1における規格化後散乱強度が、1cm
-1以上であ
り、
前記ベースオイルが、API規格GroupIIIまたはGroupIIIプラスのベースオイルであり、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルメタクリレートa1由来の構成単位を1~50質量%含み、前記アルキルアクリレートa2由来の構成単位を1~50質量%含み、且つ前記アルキルアクリレートa3由来の構成単位を30~80質量%含む(ただし、前記アルキルメタクリレートa1由来の構成単位の含有量、前記アルキルアクリレートa2由来の構成単位の含有量、及び前記アルキルアクリレートa3由来の構成単位の含有量の合計は、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、100質量%を超えない。)、潤滑油添加剤用重合体組成物
。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、グラフト共重合体である請求項2に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項4】
前記潤滑油添加剤用重合体組成物の、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した質量平均分子量が、50000~2000000である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項5】
前記潤滑油添加剤用重合体組成物の、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布が、5~20である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項6】
ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した微分分子量分布曲線における微分分布値が、下記式1を満足する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
dMp30/dMp≧0.65・・・1
・dMp30:ピークトップ分子量の30%に相当する分子量の微分分布値。
・dMp:ピークトップ分子量の微分分布値。
【請求項7】
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4由来の構成単位を含む共重合体である、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項8】
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4由来の構成単位を1~30質量%含む、請求項
7に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項9】
前記グラフト共重合体が、ビニル系ラジカル重合性単量体m1由来の構成単位と、前記ビニル系ラジカル重合性単量体m1以外のマクロモノマーM由来の構成単位を含む請求項1又は請求項3に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項10】
前記ビニル系ラジカル重合性単量体m1が、前記アルキルアクリレートa2及び前記アルキルアクリレートa3を含む請求項
9に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項11】
前記マクロモノマーMが、ビニル系ラジカル重合性単量体m2由来の構成単位を含む請求項
9又は請求項
10に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項12】
前記ビニル系ラジカル重合性単量体m2が、前記アルキルメタクリレートa1を含む請求項
11に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項13】
前記マクロモノマーMが、下記式(2)の構造を有する請求項
9から請求項
12のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【化1】
(式中、X
1~X
n-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH
2OHを示し、Y
1~Y
nは、それぞれ独立して、前記ビニル系ラジカル重合性単量体m2のビニル基に結合する置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
【請求項14】
前記マクロモノマーMの、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した数平均分子量が、500~30000である請求項
9から請求項
13のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物。
【請求項15】
請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物を含む潤滑油添加剤。
【請求項16】
請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物を含む粘度指数向上剤。
【請求項17】
請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物を含む摩擦調整剤。
【請求項18】
請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物を含む潤滑油組成物。
【請求項19】
ベースオイル中で
前記マクロモノマー
Mとビニル系ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合する重合体組成物の製造方法であって、前記マクロモノマー
Mがベースオイル中で重合したマクロモノマーである請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物の製造方法。
【請求項20】
連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを用いる、請求項
19に記載の潤滑油添加剤用重合体組成物の製造方法。
【請求項21】
請求項
13または請求項
14に記載の前記潤滑油添加剤用重合体組成物、およびベースオイルを含む潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンオイル等に使用される重合体組成物、潤滑油添加剤、粘度指数向上剤、潤滑油組成物、重合体組成物の製造方法、及びマクロモノマーの製造方法に関する。
本願は、2020年3月25日に、日本に出願された特願2020-055130号、及び2020年3月25日に、日本に出願された特願2020-055131号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
自動車等のエンジンオイル、ギヤオイル等に使用される潤滑油組成物には、低温から高温までの広範囲にわたり、部材を保護できる一定の粘度が必要とされる。
【0003】
しかし、従来の潤滑油組成物は高温になると粘度が低下し、本来の性能が発揮できなくなる。また、近年の低燃費化に対応して、潤滑油には実用温度域での粘度も低下させつつ、高温時における粘度の低下を抑制すること(粘度指数を向上すること)が望まれている。
【0004】
このため、例えば特許文献1、特許文献2には、長鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーからなる粘度指数向上剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-203913号公報
【文献】特開平10-298576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の方法では、粘度指数の向上効果が不十分である。
【0007】
本発明はこれらの問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は、(メタ)アクリル系共重合体Aを含む重合体組成物であって、前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1由来の構成単位、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3由来の構成単位を含む共重合体である、重合体組成物にある。
【0009】
本発明の要旨は、重合体組成物であって、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した、前記重合体組成物の微分分子量分布曲線における微分分布値が下記式1を満足し、前記重合体組成物の35wt%の下記ベースオイル溶液の、25℃の小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさqが0.07nm-1以上2nm-1以下の範囲における、規格化後散乱強度の最大値が40cm-1以上である重合体組成物にある。
dMp30/dMp≧0.65・・・1
・dMp30:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したピークトップ分子量の30%に相当する分子量の微分分布値。
・dMp:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したピークトップ分子量の微分分布値。
・ベースオイル:API規格 GroupIII、またはGroupIIIプラス
【0010】
[1]
重合体組成物であって、
ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した、前記重合体組成物の微分分子量分布曲線における下記式1で表される微分分布値が0.65以上であり、0.70以上1.0以下が好ましく、0.75以上1.0以下がより好ましく、0.80以上1.0以下がさらに好ましく、
前記重合体組成物の35wt%の下記ベースオイル溶液の、25℃の小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさqが0.07nm-1以上2nm-1以下の範囲における、規格化後散乱強度の最大値が40cm-1以上であり、40cm-1以上1100cm-1以下がより好ましく、60cm-1以上500cm-1以下がさらに好ましく、80cm-1以上450cm-1以下がさらに好ましい、重合体組成物。
dMp30/dMp ・・・1
・dMp30:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したピークトップ分子量の30%に相当する分子量の微分分布値。
・dMp:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したピークトップ分子量の微分分布値。
・ベースオイル:API規格 GroupIII、またはGroupIIIプラス
[2]
前記重合体組成物が(メタ)アクリル系共重合体Aを含む重合体組成物であって、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1由来の構成単位、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3由来の構成単位を含む共重合体である、[1]に記載の重合体組成物。
[3]
前記(メタ)アクリル系共重合体Aにおいて、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルメタクリレートa1由来の構成単位の含有量は、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい、[2]に記載の重合体組成物。
[4]
(メタ)アクリル系共重合体Aを含む重合体組成物であって、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1由来の構成単位、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3由来の構成単位を含む共重合体であり、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aにおいて、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルメタクリレートa1由来の構成単位を1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい、重合体組成物。
[5]
前記(メタ)アクリル系共重合体において、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルアクリレートa2由来の構成単位の含有量は、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい、[2]から[4]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[6]
前記(メタ)アクリル系共重合体Aにおいて、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルアクリレートa3由来の構成単位の含有量は、30質量%以上80質量%以下が好ましく、35質量%以上75質量%以下がより好ましく、40質量%以上70質量%以下がさらに好ましい、[2]から[5]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[7]
(メタ)アクリル系共重合体Aを含む重合体組成物であって、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1由来の構成単位、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3由来の構成単位を含む共重合体であり、
前記(メタ)アクリル系共重合体Aにおいて、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルアクリレートa3由来の構成単位の含有量は、30質量%以上80質量%以下が好ましく、35質量%以上75質量%以下がより好ましく、40質量%以上70質量%以下がさらに好ましい、重合体組成物。
[8]
前記(メタ)アクリル系共重合体Aにおいて、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルアクリレートa2由来の構成単位の含有量は、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい、[7]に記載の重合体組成物。
[9]
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4由来の構成単位を含む共重合体である、[2]から[8]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[10]
前記(メタ)アクリル系共重合体Aにおいて、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4由来の構成単位の含有量は、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上25質量%以下がより好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい、[9]に記載の重合体組成物。
[11]
ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した微分分子量分布曲線における下記式で表される微分分布値が、0.65以上であり、0.70以上1.0以下が好ましく、0.75以上1.0以下がより好ましく、0.80以上1.0以下がさらに好ましい、[1]~[10]のいずれか一項に記載の重合体組成物。
dMp30/dMp ・・・1
・dMp30:ピークトップ分子量の30%に相当する分子量の微分分布値。
・dMp:ピークトップ分子量の微分分布値。
[12]
前記重合体組成物のAPI規格GroupIIIまたは、GroupIIIプラスの35wt%のベースオイル溶液の、100℃の小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさq=0.1nm-1における規格化後散乱強度が、1cm-1以上であることが好ましく、1.5cm-1以上100.0cm-1以下であることがより好ましく、2cm-1以上50.0cm-1以下であることがさらに好ましい、[1]から[11]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[13]
前記重合体組成物の、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した質量平均分子量は、50000以上2000000以下が好ましく、100000以上1500000以下であることがより好ましく、150000以上1000000以下であることがさらに好ましい、[1]から[12]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[14]
前記重合体組成物の、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布が、5以上20以下であることが好ましく、6以上18以下であることがより好ましく、7以上15以下であることがさらに好ましい、[1]から[13]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[15]
前記(メタ)アクリル系共重合体Aが、グラフト共重合体である[2]から[14]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[16]
前記グラフト共重合体が、ビニル系ラジカル重合性単量体m1由来の構成単位と、前記ビニル系ラジカル重合性単量体m1以外のマクロモノマーM由来の構成単位を含む[15]に記載の重合体組成物。
[17]
前記ビニル系ラジカル重合性単量体m1が、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3である[16]記載の重合体組成物。
[18]
前記マクロモノマーMが、ビニル系ラジカル重合性単量体m2由来の構成単位を含む[16]又は[17]に記載の重合体組成物。
[19]
前記ビニル系ラジカル重合性単量体m2が、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1を含む[18]に記載の重合体組成物。
[20]
前記マクロモノマーMが、下記式2の構造を有する[16]から[19]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
【0011】
【0012】
(式中、X1~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH2OHを示し、Y1~Ynは、それぞれ独立して、前記ビニル系ラジカル重合性単量体m2のビニル基に結合する置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
[21]
前記マクロモノマーMの、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した数平均分子量が、500~30000が好ましく、1000~25000がより好ましく、2000~20000が特に好ましい、[16]から[20]のいずれか1項に記載の重合体組成物。
[22]
[1]から[21]のいずれか1項に記載の重合体組成物を含む潤滑油添加剤。
[23]
[1]から[21]のいずれか1項に記載の重合体組成物を含む粘度指数向上剤。
[24]
[1]から[21]のいずれか1項に記載の重合体組成物を含む潤滑油組成物。
[25]
ベースオイル中でマクロモノマーとビニル系ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合する重合体組成物の製造方法であって、
前記マクロモノマーがベースオイル中で重合したマクロモノマーである[1]から[21]のいずれか1項に記載の重合体組成物の製造方法。
[26]
連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを用いる、[25]に記載の重合体組成物の製造方法。
[27]
ベースオイル中で、コバルト連鎖移動剤を用いて、ビニル系ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合する、マクロモノマーの製造方法。
[28]
[20]または[21]に記載の前記重合体組成物、およびベースオイルを含む潤滑油組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、粘度指数向上効果の高い重合体組成物、潤滑油添加剤、粘度指数向上剤、潤滑油組成物を提供できる。
また、本発明の重合体組成物の製造方法によれば、粘度指数向上効果の高い重合体組成物を製造することができる。
さらに、本発明のマクロモノマーの製造方法によれば、粘度指数向上効果の高い重合体組成物を製造できるマクロモノマーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施例2で製造した本発明の重合体組成物の微分分子量分布曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の重合体組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した重合体組成物の微分分子量分布曲線における微分分布値が下記式1を満足する。
dMp30/dMp≧0.65・・・1
・dMp30:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したピークトップ分子量の30%に相当する分子量の微分分布値。
・dMp:GPCで測定したピークトップ分子量の微分分布値。
【0016】
本発明の重合体組成物は、低分子量のジブロック共重合体や高分子量のグラフト共重合体等の構造の異なる重合体の混合物であり、前記微分分子量分布曲線は広い分布を持ち、複数のピーク又はショルダーを有する。本発明の重合体組成物は前記式1を満足することで、粘度指数の向上に寄与するグラフト共重合体が存在していることを示す。前記dMp30/dMpは、粘度指数の向上の点から、0.70以上であることがより好ましく、0.75以上であることがさらに好ましい。より具体的には、前記dMp30/dMpは、0.70以上2.0以下が好ましく、0.75以上1.5以下がより好ましく、0.80以上1.0以下がさらに好ましい。
【0017】
本発明の重合体組成物は、前記重合体組成物の35wt%のベースオイル溶液の、25℃の小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさqが0.07nm-1以上2nm-1以下の範囲における、規格化後散乱強度の最大値が40cm-1以上である。より具体的には、前記規格化後散乱強度の最大値が40cm-1以上1100cm-1以下がより好ましく、60cm-1以上500cm-1以下がさらに好ましく、80cm-1以上450cm-1以下がさらに好ましい。
【0018】
前記小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさqは、ベースオイル溶液中の粒子間距離の逆数、散乱強度は粒子性の高さを表すが、本発明の重合体組成物は前記規格化後散乱強度の最大値が40cm-1以上であると、25℃のベースオイル中で、重合体が微小な粒子構造で分散して存在しており、低温でのベースオイルの粘度の上昇を抑制できる。
【0019】
なお、前記ベースオイルは、API(American Petroleum Institute)規格 GroupIII、またはGroupIIIプラスのベースオイルのオイルである。GroupIIIのベースオイルは、粘度指数 (VI)≧120、飽和炭化水素分(Vol.%)≧90、硫黄分(MASS%)≦0.03の鉱物油であり、GroupIIIプラスのベースオイルは、粘度指数(VI)≧135、飽和炭化水素分(Vol.%)≧90、硫黄分(MASS%)≦0.03の鉱物油である。
【0020】
さらに本発明の重合体組成物は、前記重合体組成物の35wt%のベースオイル溶液の、100℃の小角X線散乱の散乱ベクトルの大きさq=0.1nm-1における規格化後散乱強度が、1cm-1以上であることが好ましく、1.5cm-1以上10.0cm-1以下であることがより好ましく、2cm-1以上9.0cm-1以下であることがさらに好ましい。前記規格化後散乱強度が1cm-1以上あることで、100℃においても重合体がベースオイル中に完全に溶解せずに一部が収縮した構造が残っていることで、さらに高温(150℃)、高せん断の条件においても、粘度が向上しやすくなる。
【0021】
また前記重合体組成物の、GPCで測定した質量平均分子量は、ベースオイルへの溶解性および粘度指数を良好なものとできることから、50000以上2000000以下が好ましく、100000以上1500000以下であることがより好ましく、150000以上1000000以下であることがさらに好ましい。
【0022】
さらに前記重合体組成物の、GPCで測定した分子量分布は、ベースオイルへの溶解性および粘度指数を良好なものとできることから、5以上20以下であることが好ましく、6以上18以下であることがより好ましく、7以上15以下であることがさらに好ましい。
【0023】
なお、上記分子量分布は質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で計算した値である。
また本発明の重合体組成物は、(メタ)アクリル系共重合体Aを含むことが好ましい。
【0024】
前記(メタ)アクリル系共重合体Aは、構成単位の少なくとも一部が(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位である共重合体を意味する。(メタ)アクリル系共重合体Aは、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体(たとえばスチレン等)由来の構成単位をさらに含んでいてもよい。
【0025】
前記(メタ)アクリル系単量体としては例えば、(メタ)アクリル酸、コハク酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、i-デシル(メタ)アクリレート、3-i-プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ウンデシル(メタ)アクリレート、2-t-ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ドデシル(メタ)アクリレート、i-トリデシル(メタ)アクリレート、i-テトラデシル(メタ)アクリレート等のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状のアルキル基を有するメタクリレート等;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチル(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等のヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート及びヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0026】
さらに、前記(メタ)アクリル系共重合体Aは、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルメタクリレートa1由来の構成単位、アルキル基の炭素数が5~14のアルキルアクリレートa2由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~4のアルキルアクリレートa3由来の構成単位を含む共重合体であることが好ましい。
【0027】
前記アルキルメタクリレートa1としては、例えば、n-ペンチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、n-デシルメタクリレート、n-ウンデシルメタクリレート、n-ドデシルメタクリレート、n-トリデシルメタクリレート、n-テトラデシルメタクリレート等の直鎖状のアルキル基を有するメタクリレート;イソアミルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-ノニルメタクリレート、i-デシルメタクリレート、3-i-プロピルヘプチルメタクリレート、i-ウンデシルメタクリレート、2-t-ブチルヘプチルメタアクリレート、i-ドデシルメタクリレート、i-トリデシルメタクリレート、i-テトラデシルメタクリレート等の分岐状のアルキル基を有するメタクリレート;シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート等の環状のアルキル基を有するメタクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0028】
なお、粘度指数の向上効果が優れることから、炭素数が8~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートが好ましく、炭素数が10~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートがより好ましく、炭素数が12~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートがさらに好ましい。
【0029】
また、ベースオイルへの溶解性および粘度指数を良好なものとできることから、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルメタクリレートa1由来の構成単位は1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。
なお、本明細書において、構成単位の含有量は、各構成単位を構成する単量体の仕込み量から算出することができる。
【0030】
前記アルキルアクリレートa2としては、例えば、n-ペンチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘプチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート、n-ウンデシルアクリレート、n-ドデシルアクリレート、n-トリデシルアクリレート、n-テトラデシルアクリレート等の直鎖状のアルキル基を有するアクリレート;i-アミルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-ノニルアクリレート、i-デシルアクリレート、3-i-プロピルヘプチルアクリレート、i-ウンデシルアクリレート、2-t-ブチルヘプチルアクリレート、i-ドデシルアクリレート、i-トリデシルアクリレート、i-テトラデシルアクリレート等の分岐状のアルキル基を有するアクリレート;シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、アダマンチルアクリレート等の環状のアルキル基を有するアクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0031】
なお、粘度指数の向上効果が優れることから、炭素数が8~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルアクリレートが好ましく、炭素数が10~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルアクリレートがより好ましく、炭素数が12~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルアクリレートがさらに好ましい。
【0032】
また、ベースオイルへの溶解性および粘度指数を良好なものとできることから、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルアクリレートa2由来の構成単位は1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。
【0033】
前記アルキルアクリレートa3としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート等の直鎖状のアルキル基を有するアクリレート;i-プロピルアクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、s-ブチルアクリレート等の分岐状のアルキル基を有するアクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0034】
なお、粘度指数の向上効果が優れることから、炭素数が2~4のアルキルアクリレートが好ましく、炭素数が3~4のアルキルアクリレートがより好ましく、炭素数が4のアルキルアクリレートがさらに好ましい。
【0035】
また、ベースオイルへの溶解性および粘度指数を良好なものとできることから、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルキルアクリレートa3由来の構成単位は、30質量%以上80質量%以下が好ましく、35質量%以上75質量%以下がより好ましく、40質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。
【0036】
また前記(メタ)アクリル系共重合体Aは、ベースオイルへの溶解性や粘度指数の調整のために前記アルキルメタクリレートa1、前記アルキルアクリレートa2、前記アルキルアクリレートa3以外に、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4由来の構成単位を含んでいてもよい。
【0037】
前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4としては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0038】
なお、粘度指数の向上効果が優れることから、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましく、メトキシエチル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
【0039】
また、ベースオイルへの溶解性および粘度指数を良好なものとできることから、前記(メタ)アクリル系共重合体Aの総質量に対して、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4由来の構成単位は1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上25質量%以下がより好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。
【0040】
また前記(メタ)アクリル系共重合体Aは、ベースオイルへの溶解性や粘度指数の調整のために前記アルキルメタクリレートa1、前記アルキルアクリレートa2、前記アルキルアクリレートa3、及び前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートa4以外に、その他のビニル系ラジカル重合性単量体由来の構成単位を含んでいてもよい。
【0041】
その他のビニル系ラジカル重合性単量体としては、スチレンや酢酸ビニル等のビニル系化合物;(メタ)アクリル酸、コハク酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、s-ブチルメタクリレート等の炭素数が1~4のアルキルメタクリレート;セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が15以上のアルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチル(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等のヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレート;;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート及びヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0042】
前記(メタ)アクリル系共重合体Aは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、又はグラフト共重合体であってもよい。ベースオイルに対する溶解性が異なる複数の構成単位を含むことで粘度指数を良好なものとできることから、なかでもグラフト共重合体であることが好ましい。前記グラフト共重合体は、ビニル系ラジカル重合性単量体m1由来の構成単位と、前記m1以外のマクロモノマーM由来の構成単位を含むことが好ましい。なおマクロモノマーMは2種以上を併用してもよい。前記グラフト共重合体の枝成分としてマクロモノマーM由来の構成単位を含むことが好ましい。前記グラフト共重合体の幹成分として後述する単量体m1由来の構成単位を含むことが好ましい。
【0043】
前記単量体m1としては、スチレンや酢酸ビニル、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、前記アルキルメタクリレートa1、前記アルキルアクリレートa2及び前記アルキルアクリレートa3が挙げられる。
その他の(メタ)アクリレート化合物としては例えば、(メタ)アクリル酸、コハク酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、s-ブチルメタクリレート等の炭素数が1~4のアルキルメタクリレート;セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が15以上のアルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチル(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等のヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ(メタ)アクリレート;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート及びヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0044】
なお、前記アルキルメタクリレートa1、前記アルキルアクリレートa2及び前記アルキルアクリレートa3は、前記単量体m1、マクロモノマーMのいずれか一方に含まれてもよく、両方に含まれてもよいが、ベースオイルへの溶解性の調整が容易であることから、前記ビニル系ラジカル重合性単量体m1が、前記アルキルアクリレートa2及び前記アルキルアクリレートa3であることが好ましい。
【0045】
また前記マクロモノマーMは、ラジカル重合性基を有する高分子であれば特に限定はされないが、ベースオイルへの溶解性に対する設計度の高さから、ビニル系ラジカル重合性基を有する単量体m2由来の構成単位を2以上含み、末端にラジカル重合性基を有する化合物であることが好ましい。前記単量体m2としては、前記単量体m1として挙げたビニル系ラジカル重合性単量体と同様のものが挙げられる。前記単量体m2は粘度指数の向上効果が優れることから、アルキル基の炭素数が5以上のアルキルメタクリレートを含むことが好ましく、ベースオイルへの溶解性に優れることから前記アルキルメタクリレートa1を含むことがさらに好ましい。
【0046】
さらに前記マクロモノマーMは、前記単量体m1とのラジカル重合性の点から、以下の式2で示される構造が好ましい。
【0047】
【0048】
(式中、X1~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH2OHを示す。Y1~Ynは、モノマー構成単位である(m2)成分のビニル基に結合する置換基であり、例えば、OR1、ハロゲン原子、COR2、COOR3、CN、CONR4R5、NHCOR6、又はR7を示し、R1~R7はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、環状エーテル基、ヘテロアリール基等を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)なお末端基のZは、公知のラジカル重合で得られるポリマーの末端基と同様に、水素原子及びラジカル重合開始剤に由来する基が挙げられる。
【0049】
ベースオイルへの溶解性および粘度指数を良好なものとできることから、前記マクロモノマーMのゲル浸透クロマトグラフィーで測定した数平均分子量は、500~30000が好ましく、1000~25000がより好ましく、2000~20000が特に好ましい。
【0050】
前記マクロモノマーMは、公知の方法で製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。前記マクロモノマーMの製造方法としては、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(米国特許4680352号明細書)、α-ブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法(国際公開88/04304号)、重合性基を化学的に結合させる方法(特開昭60-133007号公報及び米国特許5147952号明細書)及び熱分解による方法(特開平11-240854号公報)が挙げられる。
【0051】
製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点でコバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。コバルト連鎖移動剤は連鎖移動定数が高いため、少量の添加で分子量が制御されたマクロモノマーを得ることができる。
【0052】
コバルト連鎖移動剤としては、公知のコバルト錯体が使用できる。前記コバルト連鎖移動剤の量は、ビニル系ラジカル重合性単量体m2の100質量部に対して、0.00001~0.1質量部が好ましく、0.00005~0.05質量部であることがより好ましく、0.0001~0.02質量部であることが特に好ましい。
【0053】
本発明の重合体組成物は、実施例に後述した手法で測定した場合の全光線透過率が85~95%であることが好ましく、88~93%がより好ましく、90~93%がより好ましい。
本発明の重合体組成物は、実施例に後述した手法で測定した場合、JIS-K2283-1993の方法で算出される粘度指数(VI)が200~300が好ましく、205~300がより好ましく、210~300がさらに好ましい。
【0054】
<重合体組成物の製造方法>
次に本発明の重合体組成物の製造方法の一例を示す。
本発明の重合体組成物は、ベースオイル中で、マクロモノマーと前記マクロモノマー以外のビニル系ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を、公知の方法で重合することで製造できる。
【0055】
次に本発明の重合体組成物の製造方法のその他の例を示す。
本発明の重合体組成物は、ベースオイル中で、前記アルキルメタクリレートa1、前記アルキルアクリレートa2及び前記アルキルアクリレートa3を含む単量体混合物を、公知の方法で重合することで製造できる。
【0056】
前記ベースオイルとしては、原油から精製された鉱物系基油や、化学的に合成された合成油が挙げられ、市販のものとしては、例えば、SKルブリカンツ社製のYUBASE3等のAPI規格GroupIIIのベースオイル、SKルブリカンツ社製のYUBASE4等のAPI規格GroupIIIプラス等のベースオイルが挙げられる。
【0057】
また、前記単量体混合物はマクロモノマーMを含んでいてもよい。前記マクロモノマーMは、前記ベースオイル中で、コバルト連鎖移動剤を用いて、ビニル系ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合したマクロモノマーが好ましい。コバルト連鎖移動剤は連鎖移動定数が高いため、少量の添加で分子量が制御されたマクロモノマーを得ることができる。また前記マクロモノマーは、前記アルキルメタクリレートa1を構成単位として含むことが好ましい。
【0058】
前記ビニル系ラジカル重合性単量体としては、前記重合性単量体m1が挙げられ、前記アルキルアクリレートa2及び前記アルキルアクリレートa3を含むことが好ましい。
【0059】
本発明では、前記マクロモノマーと前記マクロモノマー以外のビニル系ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合することで、ジブロック共重合体やグラフト共重合体等の構造の異なる重合体の混合物である本発明の重合体組成物が得られる。
【0060】
また重合は公知の条件で行えばよいが、重合時の発熱抑制効果に特に優れることから、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを用いることが好ましい。
【0061】
<潤滑油添加剤>
本発明の(メタ)アクリル系共重合体Aを含む重合体組成物は、産業機械、ロボット、自動車等のモビリティで使用されるエンジンオイル、ギヤオイル、作動油等の潤滑油に添加する潤滑油添加剤として使用できる。
【0062】
前記エンジンオイル、ギヤオイル、作動油等のベースオイルとしては、原油から精製された鉱物系基油や、化学的に合成された合成油が挙げられ、市販のものとしては、例えば、SKルブリカンツ社製のYUBASE3等のAPI規格GroupIIIのベースオイル、SKルブリカンツ社製のYUBASE4等のAPI規格GroupIIIプラス等のベースオイル等が挙げられる。
潤滑油添加剤としては、例えば、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、腐食防止剤、さび止め剤、極圧剤、油性向上剤、消泡剤、乳化剤、摩耗防止剤、摩擦調整剤、防かび剤、抗乳化剤等が挙げられる。
【0063】
<粘度指数向上剤>
また本発明の重合体組成物は、前記潤滑油の粘度指数向上剤として使用できる。
【0064】
粘度指数向上剤は、添加による動粘度の上昇の程度が高温では大きく、低温では小さい程よい。一般的に、(メタ)アクリレート系ポリマーからなる粘度指数向上剤は、低い温度では完全に溶解せずに微小な粒子構造を形成し、高温になるとともに溶解性が向上することでポリマー鎖が拡がり、前述の機能を発現することが知られている。粘度指数向上剤の性能の指標としては、低温(例えば40℃)と高温(例えば100℃)の動粘度より算出される粘度指数が用いられる。
【0065】
粘度指数は、JIS-K2283-1993の方法で測定した値であり、数値が大きいほど温度による粘度変化が小さい。また、近年、粘度指数向上剤には、さらに高温(150℃)かつ高せん断の条件での粘度(HTHS150℃粘度)についても高い数値が求められるようになっているため、100℃でも完全に溶解せずに、より高温でも粘度の向上効果が見込まれることが好ましい。100℃における溶解状態は、例えば小角X線散乱測定(SAXS)で評価することができる。
【0066】
<潤滑油組成物>
本発明の重合体組成物を含む潤滑油組成物は、本発明の重合体組成物の他に、各種添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、腐食防止剤、さび止め剤、極圧剤、油性向上剤、消泡剤、乳化剤、摩耗防止剤、摩擦調整剤、防かび剤、抗乳化剤等が挙げられる。
【0067】
前記潤滑油組成物に含まれる本発明の重合体組成物の含有量は、潤滑油組成物の全質量を100質量%とした際に、0.01~30質量%が好ましく、0.05~25質量%がより好ましく、0.1~20質量%が最も好ましい。重合体組成物の含有量を0.01質量%以上とすることで潤滑油組成物の粘度指数が改善され、30質量%以下とすることで、潤滑油組成物の低温における動粘度が抑制され、燃費が改善される。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を表す。評価は以下の方法によって測定した。なお、実施例1は参考例である。
【0069】
<重合体組成物の分子量>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC-8320)を用いて測定した。重合体組成物のテトラヒドロフラン溶液0.2質量%を調整後、東ソー社製カラム(TSKgelSuperHZM-H 2本(内径6.0mm、長さ15cm)、TSKguardcolumn SuperHZ-H(内径4.6mm、長さ3.5cm)が装着された装置に上記の溶液10μlを注入し、流量0.5ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピークトップ分子量(Mp)を算出した。
【0070】
<マクロモノマーMの分子量>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC-8320)を用いて測定した。マクロモノマーMのテトラヒドロフラン溶液0.2質量%を調整後、東ソー株式会社製カラム(TSKgel SuperHZM-M(内径4.6mm、長さ15cm)、HZM-M(内径4.6mm、長さ15cm)、HZ-2000(内径4.6mm、長さ15cm)、TSKguardcolumn SuperHZ-L(内径4.6mm、長さ3.5cm)が装着された装置に上記の溶液10μlを注入し、流量:0.35ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を算出した。
【0071】
<小角X線散乱測定(SAXS)>
実施例で得られた重合体組成物を35質量%含有するベースオイル溶液を、2mmφの石英キャピラリーに入れ、測定温度25℃及び100℃における小角X線散乱測定を実施した。
小角X線散乱測定はAntonPaar社製 SAXSpoint2.0 systemを用いて行った。小角X線散乱測定条件については、X線はCu Kα(波長1.54Å)を使用し、露光時間は30min(10min×3回)、測定環境は真空、カメラ長は570mmにセットした。
【0072】
(メタ)アクリル系共重合体のベースオイル溶液のキャピラリーサンプルにX線を照射して1次元散乱プロファイルを得た。また、バックグラウンド補正用にベースオイルのみを入れた2mmφの石英キャピラリーに対しても前記と同様の測定を行った。
【0073】
前記の手順で得られた1次元散乱プロファイルからバックグラウンド補正を行う。具体的には、各サンプルの一次元散乱プロファイルからベースオイルのみの1次元散乱プロファイルを透過率補正して差し引くことで、バックグラウンド補正後の1次元散乱プロファイルを得た。
【0074】
次に、Journal of Physics: Conference Series 247 (2010) 012005に準じて、1次元散乱プロファイルの絶対散乱強度補正を行った。具体的には絶対散乱強度補正用サンプルとして、グラッシ―カーボンをキャピラリーに入れずに小角X線散乱測定を前記と同様の分析条件で実施し、グラッシ―カーボンの1次元散乱プロファイルを得た。次にサンプルを置いてない状態の一次元散乱プロファイルをグラッシ―カーボンの1次元散乱プロファイルから透過率補正して差し引くことでグラッシ―カーボンのバックグラウンド補正後の1次元散乱プロファイルを得た。グラッシーカーボンのバックグラウンド補正後の1次元散乱プロファイルを厚み(cm)、露光時間(S)で除し、単位厚み、単位時間当たりの散乱プロファイルSTを取得した。
【0075】
次にアメリカ国立標準技術研究所(Nist) から公開されているグラッシーカーボンの微分散乱断面積を準備して、これを0.1nm-1≦q≦1nm-1の範囲の各qにおいて前記散乱プロファイルSTで除し、各qにおける係数値を得る。この係数値の平均値を微分散乱断面積を算出するためのスケールファクターとした。次に各重合体組成物のベースオイル溶液のバックグラウンド補正後の1次元散乱プロファイルをキャピラリーの径(cm)、露光時間(s)で除すことで単位厚み、単位時間当たりの散乱強度に補正し、前記の方法で得たスケールファクターを乗ずることで規格化後散乱強度(微分散乱断面積(cm-1))、および規格化後散乱プロファイルを得た。
【0076】
<粘度指数(VI)>
ASTM D7279(D445)法に準拠し、全自動簡易動粘度計(Cannon社製、商品名;Simple-VIS型)を用いて評価を実施した。本実施例で得られた重合体組成物の100℃における動粘度(Vk100)が、6.5mm2/sとなるようにYUBASE4で濃度調整を実施し、さらに濃度調整を実施した重合体組成物の40℃における動粘度(Vk40)を測定した。
得られた「Vk100」および「Vk40」を用い、JIS-K2283-1993の方法で粘度指数(VI)を算出した。
<ベースオイルへの溶解性>
本実施例で得られた重合体を35質量%含有するベースオイル溶液を、2mm厚のシリコーンゴムをガスケットとして、1mm厚の板ガラス2枚で挟み込み、全光線透過率をヘーズメーター(商品名:HM-150型、村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
【0077】
[製造例1]
(Co錯体(コバルト連鎖移動剤)の合成)
撹拌装置を備えた合成装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物(和光純薬社製、和光特級)2.00g(8.03mmol)及びジフェニルグリオキシム(東京化成社製、EPグレード)3.86g(16.1mmol)及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル100mlを入れ、25℃で2時間撹拌した。
次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(東京化成社製、EPグレード)20mlを加え、更に6時間撹拌した。得られたものを濾過し、固体をジエチルエーテルで洗浄し、100MPa以下で、20℃において12時間乾燥し、茶褐色固体のCo錯体(1)5.02g(7.93mmol、収率99質量%)を得た。
【0078】
[製造例2]
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、アクリエステルSL(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルSL、アルキル基の炭素数が12であるアルキルメタクリレートと、アルキル基の炭素数が13であるアルキルメタクリレートの混合物)を50部、製造例1で作製したCo錯体を0.0015部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温した後、アクリエステルSL(50部)と、重合開始である1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーオクタO)0.5部からなる混合液を4時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(35部)とパーオクタO(0.4部)からなる混合液を加え、95℃に昇温した。液温度を95℃で4時間保持した後、冷却し、マクロモノマーM1を54質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーのGPCの結果を表1に示した。
【0079】
[製造例3~5]
表1に示した、Co錯体量に変更した以外は、製造例2と同様にして、マクロモノマーM2~M4を得た。GPCの結果を表1に示した。
【0080】
[製造例6]
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を40部、アクリエステルSLを98部、メチルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルM)を2部、製造例1で作製したCo錯体を0.003部、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)を0.1部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を90℃に昇温し、90℃に維持しながら、2.5時間保持した。その後、YUBASE4(20部)とパーブチルO(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下し、液温を105℃に昇温した。105℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)を加え、冷却し、マクロモノマーM5を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーのGPCの結果を表1に示した。
【0081】
[製造例7]
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を60部、アクリエステルSLを98部、メチルメタクリレートを2部、製造例1で作製したCo錯体を0.005部、重合開始剤としてt-アミルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名ルペロックス575)を0.1部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を90℃に昇温し、90℃に維持しながら、2.5時間保持した。その後、YUBASE4(10部)とパーブチルO(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下し、液温を105℃に昇温した。105℃で1時間保持した後、YUBASE4(20部)を更に加え、冷却し、マクロモノマーM6を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーのGPCの結果を表1に示した。
【0082】
<実施例1>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を78.7部、アクリエステルSLを25部、n-ブチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:nBA)を52部、ラウリルアクリレート(大阪有機化学社製、商品名:LA)を23部、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマー(日油社製、商品名:ノフマーMSD)を0.03部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、85℃で2時間保持した後にYUBASE4(40部)とパーブチルO(0.015部)の混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(67部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を加え、95℃に昇温した。液温度を95℃で1時間保持した後、冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有する溶液を得た。得られた重合体組成物の評価結果を表2に示した。
【0083】
<実施例2>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE3を38.2部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を46.3部、n-ブチルアクリレートを52部、ラウリルアクリレートを23部、重合開始剤としてパーブチルOを0.015部、連鎖移動剤として、ノフマーMSDを0.04部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、85℃で2時間保持した後にYUBASE3(42部)とパーブチルO(0.015部)の混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE3(67.5部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を加え、95℃に昇温し、液温度を95℃で1時間保持した。YUBASE3(16.7部)を加えた後に冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を3
5質量%含有する溶液を得た。得られた重合体組成物の評価結果を表2に示した。
【0084】
<実施例3>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を7.6部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を46.3部、n-ブチルアクリレートを52部、ラウリルアクリレートを23部、重合開始剤として、パーブチルOを0.015部、連鎖移動剤として、ノフマーMSDを0.03部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、85℃で2時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)の混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(67.5部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を加え、95℃に昇温し、液温度を95℃で1時間保持した。YUBASE4(46.7部)を加えた後に冷却し、重合体組成物を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表2に示した。
【0085】
<実施例7>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を12.5部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を37部、n-ブチルアクリレートを56部、ラウリルアクリレートを24部、重合開始剤としてパーブチルOを0.015部、連鎖移動剤として、ノフマーMSDを0.04部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、85℃で2時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)の混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(67.5部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を加え、95℃に昇温し、液温度を95℃で1時間保持した。YUBASE4(46.7部)を加えた後に冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有する溶液を得た。得られた重合体組成物の評価結果を表3に示した。
【0086】
<実施例8>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液74部、n-ブチルアクリレートを42部、ラウリルアクリレートを18部、重合開始剤としてパーブチルOを0.015部、連鎖移動剤として、ノフマーMSDを0.02部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、85℃で2時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)の混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(67.5部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を加え、95℃に昇温し、液温度を95℃で1時間保持した。YUBASE4(42.2部)を加えた後に冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有する溶液を得た。得られ
た重合体組成物の評価結果を表3に示した。
【0087】
<実施例13>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を40部、製造例6で得られたマクロモノマーM5のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレートを52部、ラウリルアクリレートを23部、重合開始剤としてルペロックス575を0.03部、連鎖移動剤として、ノフマーMSDを0.03部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、85℃で3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス575(0.015部)の混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(20部)とルペロックス575(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した後、液温度を110℃に昇温し、液温度を110℃で1時間保持した。YUBASE4(61.1部)を加えた後、冷却し、重合体組成物を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表4に示した。
【0088】
<実施例14>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を6.9部、製造例7で得られたマクロモノマーM6のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレートを52部、ラウリルアクリレートを23部、重合開始剤としてパーブチルOを0.015部、連鎖移動剤として、ノフマーMSDを0.01部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、85℃で2時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)の混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(67.5部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を加え、95℃に昇温し、液温度を95℃で1時間保持した。YUBASE4(46.7部)を加えた後に冷却し、重合体組成物を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表4に示した。
【0089】
<実施例15>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例7で得られたマクロモノマーM6のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、n-ブチルアクリレート(52部)、ラウリルアクリレート(23部)、重合開始剤としてルペロックス575(0.1部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(50部)とペロックス575(0.5部)からなる混合液を1.5時間かけて滴下し、液温を110℃に昇温した。110℃に1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を加えた後に冷却し、重合体組成物を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表4に示した。
【0090】
<実施例16>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を20部、製造例4で得られたマクロモノマーM3のYUBASE4溶液を46.3部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、n-ブチルアクリレート(30部)、ラウリルアクリレート(35部)、2-メトキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:2-MTA)10部、重合開始剤としてルペロックス575(0.1部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(60部)とペロックス575(0.5部)からなる混合液を1.5時間かけて滴下し、液温を110℃に昇温した。110℃に1時間保持した後、YUBASE4(59.4部)を加えた後に冷却し、重合体組成物を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表4に示した。
【0091】
<実施例4~6、9~12および比較例1>
用いたマクロモノマーの種類と、単量体の種類及び量、α-メチルスチレンダイマーの量を表2~表5の内容に変更した以外は、実施例3と同様にして、重合体組成物を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表2~5に示した。
<実施例17、18>
用いたマクロモノマーの種類と、単量体の種類及び量を表4の内容に変更した以外は、実施例16と同様にして、重合体組成物を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表4に示した。
<比較例2~6>
用いた単量体の種類及び量と、α-メチルスチレンダイマーの量を表5の内容に変更した以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得た。得られた重合体組成物の各評価結果を表5に示した。
比較例1~5は粘度指数が低くなった。
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
表1~5中の略語は下記の通りである。
・SLMA:アルキル基の炭素数が12であるアルキルメタクリレートと、アルキル基の炭素数が13であるアルキルメタクリレートの混合物(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルSL)
・MMA:メチルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルM)
・EHA:2-エチルヘキシルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリル酸-2-エチルヘキシル)
・Co錯体:製造例1で得られたコバルト連鎖移動剤。
・α-メチルスチレンダイマー(日油社製、商品名:ノフマーMSD)
・YUBASE3(API規格GroupIIIのベースオイル、SKルブリカンツ社製)
・YUBASE4(API規格GroupIIIプラスのベースオイル、SKルブリカンツ社製)
・LA:ラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:LA)
・BA:n-ブチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリル酸ブチル)
・EA:エチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリル酸エチル)
・BMA:n-ブチルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルB)
・2-MTA:2-メトキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:2-MTA)
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によれば、粘度指数向上効果の高い重合体組成物、重合体組成物、粘度指数向上剤、潤滑油組成物を提供できる。
また、本発明の重合体組成物の製造方法によれば、粘度指数向上効果の高い重合体組成物を製造することができる。
さらに、本発明のマクロモノマーの製造方法によれば、粘度指数向上効果の高い重合体組成物を製造できるマクロモノマーを製造することができる。重合体組成物重合体組成物を提供できる。