(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】制御装置、接続状態登録方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/073 20130101AFI20221129BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20221129BHJP
【FI】
H04B10/073
H04B10/27
(21)【出願番号】P 2018214204
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】岡田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】東條 琢也
(72)【発明者】
【氏名】安川 正祥
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-099191(JP,A)
【文献】特開2012-205155(JP,A)
【文献】特開2012-182665(JP,A)
【文献】特開2009-177433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0353246(US,A1)
【文献】ODA S. et al.,A Learning Living Network With Open ROADMs,JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,米国,IEEE,2017年04月,VOL. 35, NO. 8,pages 1350-1356
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型光伝送装置を構成する構成装置間の接続状態をデータベースに登録する制御装置であって、
接続元の構成装置から光を出力させる設定を行う装置設定部と、
前記光を
他の構成装置を介さずに受信する各構成装置における
、前記光が入力される側の各ポートの受光レベルを取得し、受光レベルが他のポートの受光レベルよりも高いポートを特定し、当該特定されたポートを有する構成装置と当該特定のポートを、前記接続元の構成装置の接続先として前記データベースに登録する登録処理部と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記接続元の構成装置は光スイッチであり、前記装置設定部は、当該光スイッチにおける1つのポートから光を出力させる設定を行い、
前記登録処理部は、前記特定されたポートを有する構成装置と前記特定のポートを、前記光スイッチの前記1つのポートの接続先として前記データベースに登録し、
前記光スイッチにおけるポートを変更しながら前記装置設定部による処理と前記登録処理部による処理を繰り返し実行する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記接続元の構成装置は光スプリッタであり、前記装置設定部による設定により、当該光スプリッタの全ポートから光が出力される
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記装置設定部は、前記接続元の構成装置に接続される光増幅装置を有効化することにより、自然放出光を増幅して得られた光が前記接続元の構成装置に入力されるようにする
請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
分散型光伝送装置を構成する構成装置間の接続状態をデータベースに登録する制御装置が実行する接続状態登録方法であって、
接続元の構成装置から光を出力させる設定を行う装置設定ステップと、
前記光を
他の構成装置を介さずに受信する各構成装置における
、前記光が入力される側の各ポートの受光レベルを取得し、受光レベルが他のポートの受光レベルよりも高いポートを特定し、当該特定されたポートを有する構成装置と当該特定のポートを、前記接続元の構成装置の接続先として前記データベースに登録する登録処理ステップと
を備えることを特徴とする接続状態登録方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の前記制御装置における各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成装置が分散されて存在する分散型の光伝送装置において、構成装置間の接続状態を管理するための技術に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の伝送装置では網をシングルベンダーで構築し、そのベンダー製のNMS(ネットワーク管理システム)で網を制御することが一般的であったが、近年の技術進歩により伝送網のマルチベンダー化及び伝送装置のDisaggregation(機能分散)化が可能となってきている。
【0003】
特にROADM(reconfigurable optical add/drop multiplexer)においては、今までシャーシ型でトランスポンダー・光スイッチ・アンプ等の機能を全て搭載したROADMが一般的であったが、各機能を個別の筐体として実現し、それらを組み合わせて一つのROADMとして動作させるDisaggregation ROADMの検討が盛んに行われている。
【0004】
一方で今までシングルベンダーであったため、網全体を対象ベンダーのNMSによって管理することで各装置が管理されていたのに対して、マルチベンダー構成となった網の統合管理が課題となり、それらを統合管理する手段がOSSプロジェクト(ODTN,OpenROADM)で検討されている。(非特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Open and Disaggregated Transport Networks (https://www.lightwaveonline.com/content/dam/lw/Marketing/2017-11-02_OpenDisaggregatedTransportNetworks.pdf)
【文献】Open ROADM(https://0201.nccdn.net/4_2/000/000/05e/0e7/Open-ROADM-whitepaper-v2_2.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、伝送装置のSDN制御及び構成要素の分散化(Disaggregation)が議論されている。実際にSDN制御用のオープンAPIを持つ製品や、構成要素(WSS(光スイッチ)部やAMP部)ごとに独立した製品が販売されだしており、効果的な制御の手法が求められている。
【0007】
特にDisaggregation ROADMの制御においては、従来は1装置を制御すればよかったのに対し、Disaggregation ROADMを構成する全装置を個別に制御する必要がある。
【0008】
Disaggregation ROADMを制御するためには、コントローラ(SDNコントローラやNMS)がDisaggregation ROADMを構成する全装置及び構成装置同士の配線情報(接続状態)を登録情報としてデータベースに持つ必要がある。そのイメージを
図1に示す。
【0009】
しかし、ROADMの方路が増えるほどに構成装置の台数も増加し、配線情報も複雑で膨大な数となっていき、データベースへの登録が難しくなるという課題がある。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、分散型光伝送装置を構成する構成装置間の接続状態を動的に検出し、データベースに登録することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の技術によれば、分散型光伝送装置を構成する構成装置間の接続状態をデータベースに登録する制御装置であって、
接続元の構成装置から光を出力させる設定を行う装置設定部と、
前記光を他の構成装置を介さずに受信する各構成装置における、前記光が入力される側の各ポートの受光レベルを取得し、受光レベルが他のポートの受光レベルよりも高いポートを特定し、当該特定されたポートを有する構成装置と当該特定のポートを、前記接続元の構成装置の接続先として前記データベースに登録する登録処理部と
を備えることを特徴とする制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
開示の技術によれば、分散型光伝送装置を構成する構成装置間の接続状態を動的に検出し、データベースに登録することを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】実施の形態の概要を説明するための図である。
【
図3】第1の実施の形態におけるシステム構成図である。
【
図6】第1の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態におけるROADM内部接続状態DBに格納される情報の例を示す図である。
【
図8】第2の実施の形態におけるシステム構成図である。
【
図9】第2の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】第2の実施の形態におけるROADM内部接続状態DBに格納される情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。以下の実施の形態では、分散型光伝送装置の例としてDisaggregation ROADMを挙げて説明しているが、本発明は、Disaggregation ROADMに限らず、他の種類の伝送装置にも適用可能である。
【0015】
(実施の形態の概要)
本実施の形態では、Disaggregation ROADMを構成するWSS部(光スイッチ:Wavelength Selective Switch)とAMP部(光増幅装置)をコントローラから制御することで、WSS部同士の接続状態を自動検出し、データベースに登録する。
【0016】
図2を参照して自動検出処理の概要を説明する。
図2には、コントローラ20と、Disaggregation ROADMを構成するAMP部1、WSS部2、WSS部3、AMP部4が示されている。
【0017】
図2に示す例では、S1(ステップ1)において、コントローラ20がAMP部1の光増幅装置(AMP5)を有効化し、自然放出光を増幅して光源とするASE(Amplified Spontaneous Emission)光源を用いることで、接続されているWSS部2のWSS6へと光の入力を行う。S2において、コントローラ20は、WSS6のどのポートから光を出力するかを設定する。
【0018】
S3において、コントローラ20は、WSS部3のWSS7おける全接続ポートの光レベルをモニターし受光を確認することで、WSS部同士の接続状態を検出する。本実施の形態では、ASEを利用することで特別な試験光装置なしに、WSSで受光を確認できる。
【0019】
上記手順を全WSS部の全ポートに対して実施することでDisaggregation ROADMの内部接続状況をコントローラ20のデータベースに登録することができる。
【0020】
WSS部は1xNのWSSをIN/Outの両系に持つ装置と、WSSをIN側にだけ持ちOUT側はSplitterを持つ2種類のパターンがある。本発明に係る技術により、いずれのパターンを用いる場合でも、Disaggregation ROADMのWSS部同士の接続状況の自動検出が可能である。
【0021】
以下、実施の形態をより詳細に説明する。Route and SelectモデルのDisaggregation ROADMを使用する場合の例を第1の実施の形態として説明し、Broadcast and SelectモデルのDisaggregation ROADMを使用する場合の例を第2の実施の形態として説明する。なお、WSS部が1xNのWSSをIN/Outの両系に持つ構成がRoute and Selectモデルに対応し、WSSをIN側にだけ持ちOUT側はSplitterを持つ構成がBroadcast and Selectモデルに対応する。
【0022】
(第1の実施の形態)
<システム構成>
図3に、第1の実施の形態におけるシステム構成図を示す。
図3に示すように、本システムは、Disaggregation ROADM10とコントローラ20を備え、これらがネットワークで接続される構成を有する。また、データベース装置であるROADM内部接続状態DB21が備えられており、コントローラ20は当該ROADM内部接続状態DB21に対してデータの読み書きが可能である。ROADM内部接続状態DB21は、コントローラ20の内部に存在してもよいし、外部に存在してもよい。
【0023】
Disaggregation ROADM10は、WSS部110、210、310、AMP部120、220、320を有する。各AMP部は、入力側AMPと出力側AMPを備え、各WSS部は、入力側の1×NのWSSと出力側の1×NのWSSを備える。各WSSは1番からN番のポートを有する。なお、WSSは光スイッチの例である。AMPは光増幅装置の例である。
【0024】
図4は、コントローラ20の機能構成図である。
図4は、コントローラ20がROADM内部接続状態DB21を有する例を示している。
【0025】
図4に示すとおり、コントローラ20は、ROADM内部接続状態DB21、Disaggregation ROADM10を構成する各構成装置に対する設定等を行う装置設定部22、ポートのモニター結果である受光レベルに基づいて配線情報の登録を行う登録処理部23、処理手順の制御等を行う制御部24を含む。なお、コントローラ20の動作の詳細は後述する。コントローラ20を制御装置と称してもよい。
【0026】
コントローラ20は、例えば、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。
【0027】
すなわち、コントローラ20は、コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ等のハードウェア資源を用いて、コントローラ20で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メール等、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0028】
図5は、本実施の形態における上記コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図5のコンピュータは、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置250、補助記憶装置252、メモリ装置253、CPU254、インタフェース装置255、表示装置256、及び入力装置257等を有する。
【0029】
当該コンピュータでの処理を実現するプログラムは、例えば、CD-ROM又はメモリカード等の記録媒体251によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体251がドライブ装置250にセットされると、プログラムが記録媒体251からドライブ装置250を介して補助記憶装置252にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体251より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置252は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0030】
メモリ装置253は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置252からプログラムを読み出して格納する。CPU254は、メモリ装置253に格納されたプログラムに従って、コントローラ20に係る機能を実現する。インタフェース装置255は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置256はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置257はキーボード及びマウス、ボタン、又はタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0031】
<システムの動作>
次に、
図6に示すフローチャートの手順に沿って、
図3に示した第1の実施の形態におけるシステムの動作を説明する。
【0032】
S101において、Disaggregation ROADM10を構成するWSS部110、210、310とAMP部120、220、320のセット及びWSS部のポート数をコントローラ20に入力することで、ROADM内部接続状態DB21に構成装置情報を持たせる。ROADM内部接続状態DB21に格納される構成装置情報の例を
図7に示す。
【0033】
S102において、コントローラ20の装置設定部22は、登録されたAMP部のうちの1台のAMP部120の入力側のAMP121を有効にする。これによりASEが増幅され、有効化したAMP部120とセットで登録されているWSS部110の入力側のWSS111に光が入力される。
【0034】
S103において、コントローラ20の装置設定部22は、WSS111の1番ポートに特定の波長を通す設定を投入する。これによりWSS111の1番ポートから光が出力される。
【0035】
S104において、コントローラ20の登録処理部23は、設定を投入したWSS部110以外の全てのWSS部210、310のWSS212、312の全ポートのモニター出力を取得し、受光レベルが他のポートに比べ明確に高いポートを特定し、当該ポートをROADM内部接続状態DB21に接続元WSS111の接続元ポート1の接続先WSS・接続先WSSポートとして登録する。受光レベルが明確に高いポートがなかった場合は接続先無しとしてNullを登録する。
【0036】
なお、受光レベルが他のポートに比べ明確に高いポートとは、例えば、受光レベルが最も高いポートであって、その受光レベルと、受光レベルが最も低いポートの受光レベルとの差分が所定の閾値以上のポートである。ただし、これは一例に過ぎない。
【0037】
S105において、コントローラ20の装置設定部22は、WSS111に投入した設定を削除する。これによりWSS111の1番ポートから光が出力されなくなる。
【0038】
次に、制御部24の制御により、S103におけるWSS111の設定するポート番号を2からN番ポートまで順番に変更しながらS103~105を繰り返し実行する(S106)。これによりWSS111の全ポートの接続先の情報をROADM内部接続状態DB21に登録できる。
【0039】
S107において、コントローラ20の装置設定部22は、S102で有効にしたAMP121の設定を無効にする。コントローラ20は、制御部24の制御により、S102~S107をまだ実行していないWSS部210、310のそれぞれに対し、S102~S107を実行する(S108)。
【0040】
以上の処理の結果として得られるWSSの接続先ポート情報の例を
図7に示す。
【0041】
(第2の実施の形態)
<システム構成>
図8に、第2の実施の形態におけるシステム構成図を示す。
図8に示すように、Disaggregation ROADM10とコントローラ20を備え、これらがネットワークで接続される構成を有する。また、データベース装置であるROADM内部接続状態DB21が備えられており、コントローラ20は当該ROADM内部接続状態DB21に対してデータの読み書きが可能である。ROADM内部接続状態DB21は、コントローラ20の内部に存在してもよいし、外部に存在してもよい。
【0042】
第2の実施の形態では、Disaggregation ROADM10内部の構成が第1の実施の形態と異なる。具体的には、
図3、
図8に示すとおり、1×NのWSS111、211、311がそれぞれ1×NのSplittter111、211、311になる。この点以外は第1の実施の形態と同じである。
【0043】
コントローラ20の機能構成(
図4)、コントローラ20がコンピュータとプログラムで実現できる点も第1の実施の形態と同じである。
【0044】
<システムの動作>
次に、
図9に示すフローチャートの手順に沿って、第2の実施の形態におけるシステムの動作を説明する。
【0045】
S201において、Disaggregation ROADM10を構成するWSS部110、210、310とAMP部120、220、320のセット及びWSS部のポート数をコントローラ20に入力することで、ROADM内部接続状態DB21に構成装置情報を持たせる。ROADM内部接続状態DB21に格納される構成装置情報の例を
図10に示す。
【0046】
S202において、コントローラ20の装置設定部22は、登録されたAMP部のうちの1台のAMP部120の入力側のAMP121を有効にする。これによりASEが増幅され、有効化したAMP部とセットで登録されているWSS部110の入力側のSplitter111に光が入力され、Splitter111の全ポートより光が出力される。
【0047】
S203において、コントローラ20の登録処理部23は、設定を投入したWSS部110以外の全てのWSS部210、310のWSS212、312の全ポートのモニター出力を取得し、受光レベルが他のポートに比べ明確に高いポートを特定し、当該ポートをROADM内部接続状態DB21に接続元WSS111の接続先WSS・接続先WSSポートとして登録する。
【0048】
受光レベルが他のポートに比べ明確に高いポートとは、例えば、そのポートの受光レベルと、受光レベルが最も低いポートの受光レベルとの差分が所定の閾値以上のポートである。ただし、これは一例に過ぎない。
【0049】
受光レベルが明確に高いポートが複数ある場合は当該複数のポートを全部、接続先WSS・接続先WSSポートとして登録する。受光レベルが明確に高いポートがなかった場合は接続先無しとしてNullを登録する。
【0050】
S204において、コントローラ20の装置設定部22は、S202で有効にしたAMP121の設定を無効にする。
【0051】
コントローラ20は、S202~S204をまだ実行していないWSS部210、310のそれぞれに対して、S202~S204を実行する(S205)。
【0052】
以上の処理の結果として得られるWSSの接続先ポート情報の例を
図10に示す。
【0053】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態により、Disaggregation ROADMをコントローラから制御する際に必要となる内部接続情報を自動的に検出し、登録することが可能となる。この技術を用いることでコントローラへの人手での情報登録が不要になる。また、この技術は、人手での登録情報が間違ってないかの確認テストとしても利用することが可能である。
【0054】
また、本発明の実施の形態では、自然放出光を利用することで試験光を発する特別な装置なしに光を出力させることが可能である。
【0055】
(実施の形態のまとめ)
本明細書には、少なくとも下記の事項が記載されている。
(第1項)
分散型光伝送装置を構成する構成装置間の接続状態をデータベースに登録する制御装置であって、
接続元の構成装置から光を出力させる設定を行う装置設定部と、
前記光を受信する側の各構成装置における各ポートの受光レベルを取得し、受光レベルが他のポートの受光レベルよりも高いポートを特定し、当該特定されたポートを有する構成装置と当該特定のポートを、前記接続元の構成装置の接続先として前記データベースに登録する登録処理部
を備えることを特徴とする制御装置。
【0056】
第1及び第2の実施の形態におけるDisaggregation ROADM10、及びコントローラ20はそれぞれ、分散型光伝送装置、及び制御装置の例である。また、受光レベルが他のポートの受光レベルよりも高いポートを特定することは、例えば、前述したように、受光レベルが他のポートの受光レベルよりも明確に高いポートを特定することである。
(第2項)
前記接続元の構成装置は光スイッチであり、前記装置設定部は、当該光スイッチにおける1つのポートから光を出力させる設定を行い、
前記登録処理部は、前記特定されたポートを有する構成装置と前記特定のポートを、前記光スイッチの前記1つのポートの接続先として前記データベースに登録し、
前記光スイッチにおけるポートを変更しながら前記装置設定部による処理と前記登録処理部による処理を繰り返し実行する
第1項に記載の制御装置。
(第3項)
前記接続元の構成装置は光スプリッタであり、前記装置設定部による設定により、当該光スプリッタの全ポートから光が出力される
第1項に記載の制御装置。
(第4項)
前記装置設定部は、前記接続元の構成装置に接続される光増幅装置を有効化することにより、自然放出光を増幅して得られた光が前記接続元の構成装置に入力されるようにする
第1項ないし第3項のうちいずれか1項に記載の制御装置。
(第5項)
分散型光伝送装置を構成する構成装置間の接続状態をデータベースに登録する制御装置が実行する接続状態登録方法であって、
接続元の構成装置から光を出力させる設定を行う装置設定ステップと、
前記光を受信する側の各構成装置における各ポートの受光レベルを取得し、受光レベルが他のポートの受光レベルよりも高いポートを特定し、当該特定されたポートを有する構成装置と当該特定のポートを、前記接続元の構成装置の接続先として前記データベースに登録する登録処理ステップと
を備えることを特徴とする接続状態登録方法。
(第6項)
コンピュータを、第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載の前記制御装置における各部として機能させるためのプログラム。
【0057】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 Disaggregation ROADM
21 ROADM内部接続状態DB
22 装置設定部
23 登録処理部
24 制御部
250 ドライブ装置
251 記録媒体
252 補助記憶装置
253 メモリ装置
254 CPU
255 インターフェース装置
256 表示装置
257 入力装置