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特許7183885起動制御装置、画像形成装置、起動制御方法、およびプログラム
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  • 特許-起動制御装置、画像形成装置、起動制御方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】起動制御装置、画像形成装置、起動制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/24 20060101AFI20221129BHJP
   G06F 9/4401 20180101ALI20221129BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
G06F1/24 A
G06F9/4401
B41J29/38 301
B41J29/38 701
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019049131
(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2020149638
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 光男
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-293276(JP,A)
【文献】特開2006-99308(JP,A)
【文献】特開2005-038223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/24
B41J29/38
G06F9/4401
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユニットを備える装置の再起動を制御する起動制御装置であって、
前記複数のユニットの各々の再起動時間と、システム全体の再起動時間と、前記複数のユニットの各々の、再起動による障害からの復旧成功率とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている各情報に基づいて、障害に関連する前記ユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する期待値算出部と、
前記期待値算出部によって算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも短い場合、前記ユニットの単体での再起動を実行し、前記期待値算出部によって算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも長い場合、前記システム全体の再起動を実行する再起動実行部と
を備えることを特徴とする起動制御装置。
【請求項2】
前記ユニットの単体での再起動の実行結果に基づいて、前記ユニットの単体での再起動による前記復旧成功率を算出し、算出された復旧成功率により、前記記憶部に記憶されている復旧成功率を更新する復旧成功率算出部
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の起動制御装置。
【請求項3】
複数のユニットを備える装置の再起動を制御する起動制御装置であって、
前記複数のユニットの各々の再起動時間と、システム全体の再起動時間と、前記複数のユニットの各々の、再起動による障害からの復旧成功率とをサーバから取得する取得部と、
前記サーバから取得された各情報に基づいて、障害に関連する前記ユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する期待値算出部と、
前記期待値算出部によって算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも短い場合、前記ユニットの単体での再起動を実行し、前記期待値算出部によって算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも長い場合、前記システム全体の再起動を実行する再起動実行部と
を備えることを特徴とする起動制御装置。
【請求項4】
複数のユニットと、
請求項1から3のいずれか一項に記載の起動制御装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
複数のユニットを備える装置の再起動を制御する起動制御方法であって、
記憶部に記憶されている、前記複数のユニットの各々の再起動時間と、システム全体の再起動時間と、前記複数のユニットの各々の、再起動による障害からの復旧成功率とに基づいて、障害に関連する前記ユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する期待値算出工程と、
前記期待値算出工程において算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも短い場合、前記ユニットの単体での再起動を実行し、前記期待値算出工程において算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも長い場合、前記システム全体の再起動を実行する再起動実行工程と
を含むことを特徴とする起動制御方法。
【請求項6】
複数のユニットを備える装置の再起動を制御するプログラムであって、
コンピュータを、
前記複数のユニットの各々の再起動時間と、システム全体の再起動時間と、前記複数のユニットの各々の、再起動による障害からの復旧成功率とを記憶する記憶部、
前記記憶部に記憶されている各情報に基づいて、障害に関連する前記ユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する期待値算出部、および、
前記期待値算出部によって算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも短い場合、前記ユニットの単体での再起動を実行し、前記期待値算出部によって算出された前記期待値が、前記システム全体の再起動時間よりも長い場合、前記システム全体の再起動を実行する再起動実行部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動制御装置、画像形成装置、起動制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、OS起動時に起動されるべきソフトウェアが起動されない場合、該ソフトウェアまたは該OSを再起動する技術が開示されている。
【0003】
また、従来、複数のユニットを備える画像形成装置に関し、障害発生時に、障害の発生要因のユニット(ソフトウェア含む)の再起動を行い、それでもシステムが復旧できない場合は、システム全体を再起動してシステムを復旧させる技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ユニットの再起動でシステムが復旧しなかった場合に、続けてシステム全体を再起動するため、この場合、最初からシステム全体を再起動した場合に比べて、復旧時間が長時間化する虞がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、複数のユニットを備える装置において、障害発生時の復旧時間の長時間化を抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の起動制御装置は、複数のユニットを備える装置の再起動を制御する起動制御装置であって、複数のユニットの各々の再起動時間と、システム全体の再起動時間と、複数のユニットの各々の、再起動による障害からの復旧成功率とを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている各情報に基づいて、障害に関連するユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する期待値算出部と、期待値算出部によって算出された期待値が、システム全体の再起動時間よりも短い場合、ユニットの単体での再起動を実行し、期待値算出部によって算出された期待値が、システム全体の再起動時間よりも長い場合、システム全体の再起動を実行する再起動実行部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のユニットを備える装置において、障害発生時の復旧時間の長時間化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成図
図2】本発明の第1実施形態に係る起動制御装置の機能構成を示す図
図3】本発明の第1実施形態に係る起動制御装置による処理の手順を示すフローチャート
図4】本発明の第1実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図
図5】本発明の第1実施形態に係る起動制御装置の機能構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0010】
〔第1実施形態〕
(画像形成装置100のハードウェア構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成図である。図1に示すように、画像形成装置100は、コントローラ100A、無線通信ユニット102、FAXユニット103、画像読取ユニット104、操作部ユニット107、印刷ユニット108、記憶装置109、および起動制御装置110を備える。これらのハードウェアは、バス100Bを介して、相互に接続されている。
【0011】
コントローラ100Aは、SoC101、ROM106、およびRAM105を有する。SoC101は、RAM105によって一時保持されているプログラムを実行する。RAM105は、ROM106や記憶装置109から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。ROM106は、画像形成装置が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納する。
【0012】
コントローラ100Aは、例えば、無線通信ユニット102やFAXユニット103などを介して印刷データを受信した場合に、ROM106からRAM105上に読み出されたPDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をSoC101により実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
【0013】
画像読取ユニット104は、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0014】
印刷ユニット108は、例えば、電子写真プロセス方式によって、ビットマップイメージを記録紙に印刷する。
【0015】
記憶装置109は、画像形成装置100で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データ等の各種データを格納する。また、記憶装置109は、予め統計情報として得られた障害の発生要因となるユニットの復旧成功率、ユニットの再起動時間とシステム全体の再起動時間の情報を保持することもできる。
【0016】
起動制御装置110は、画像形成装置100のシステム全体、もしくは、画像形成装置100が備える各種ユニット(無線通信ユニット102、FAXユニット103、画像読取ユニット104、操作部ユニット107、および印刷ユニット108)を個別に再起動できる。
【0017】
(起動制御装置110の機能構成)
図2は、本発明の第1実施形態に係る起動制御装置110の機能構成を示す図である。図2に示すように、起動制御装置110は、記憶部111、期待値算出部112、再起動実行部113、および復旧成功率算出部114を備える。
【0018】
記憶部111は、再起動方法を選択するための各種情報を記憶する。具体的には、記憶部111は、画像形成装置100が備える複数のユニットの各々の再起動時間と、システム全体の再起動時間と、画像形成装置100が備える複数のユニットの各々の、再起動による障害からの復旧成功率とを記憶する。
【0019】
期待値算出部112は、記憶部111に記憶されている各情報に基づいて、障害に関連するユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する。例えば、期待値算出部112は、ユニットの単体での再起動時間をT[秒]とし、システム全体の再起動時間をT[秒]とし、ユニットの復旧成功率をR[%]とした場合、下記数式(1)により、復旧時間の期待値を算出する。
期待値=T[秒]×R[%]+(T+T)[秒]×(100-R)[%]・・・(1)
【0020】
再起動実行部113は、期待値算出部112によって算出された期待値が、システム全体の再起動時間よりも短い場合、障害に関連するユニットの単体での再起動を実行する。一方、再起動実行部113は、期待値算出部112によって算出された期待値が、システム全体の再起動時間よりも長い場合、システム全体の再起動を実行する。
【0021】
再起動実行部113は、自身が再起動用のプログラムを実行することにより、自身がユニットの単体またはシステム全体を再起動してもよく、画像形成装置100に再起動用のプログラムの実行を要求することにより、画像形成装置100にユニットの単体またはシステム全体の再起動を行わせるようにしてもよい。なお、再起動とは、シャットダウン後の起動を意味するものであり、関連するソフトウェアの起動、各種初期設定等を含む。
【0022】
復旧成功率算出部114は、画像形成装置100が備えるユニット毎に、復旧成功率を算出する。例えば、復旧成功率算出部114は、障害発生時にユニットの単体の再起動が行われる毎に、当該再起動によってシステムが復旧した場合を「成功」とし、当該再起動によってシステムが復旧しなかった場合を「失敗」とし、これらの実行結果を記憶部111に蓄積する。そして、復旧成功率算出部114は、画像形成装置100が備えるユニット毎に、記憶部111に蓄積された実行結果に基づき、下記数式(2)により、復旧成功率を算出する。
【0023】
復旧成功率=成功の数/(成功の数+失敗の数)・・・(2)
【0024】
さらに、復旧成功率算出部114は、算出された復旧成功率により、記憶部111に記憶されている復旧成功率を更新する。なお、復旧成功率算出部114による復旧成功率の算出および更新は、ユニットの単体の再起動が行われる毎に行われてもよく、定期的に行われてもよい。
【0025】
上記で説明した起動制御装置110の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0026】
また、上記で説明した起動制御装置110の各機能は、例えば、起動制御装置110または画像形成装置100において、記憶媒体に記憶されたプログラムを、プロセッサが実行することにより実現されてもよい。このプログラムは、予め起動制御装置110または画像形成装置100に導入された状態で提供されてもよく、外部から提供されて起動制御装置110または画像形成装置100に導入されるようにしてもよい。後者の場合、このプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD-ROM等)によって提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって提供されるようにしてもよい。
【0027】
なお、上記で説明した起動制御装置110の機能の一部は、図1に示す画像形成装置100のハードウェアを使用することによって実現されてもよい。例えば、記憶部111は、画像形成装置100の記憶装置109を使用することによって実現されてもよい。
【0028】
(起動制御装置110による処理の手順)
図3は、本発明の第1実施形態に係る起動制御装置110による処理の手順を示すフローチャートである。
【0029】
まず、起動制御装置110は、障害発生を検知したか否かを判断する(ステップS301)。ステップS301において、障害発生を検知していないと判断した場合(ステップS301:No)、起動制御装置110は、ステップS301の処理を再度実行する。
【0030】
一方、ステップS301において、障害発生を検知したと判断した場合(ステップS301:Yes)、期待値算出部112が、記憶部111に記憶されている各情報に基づいて、ステップS301で検知された障害に関連するユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する(ステップS302)。
【0031】
そして、再起動実行部113が、ステップS302で算出された期待値が、記憶部111に記憶されているシステム全体の再起動時間よりも短いか否かを判断する(ステップS303)。
【0032】
ステップS303において、期待値がシステム全体の再起動時間よりも短くないと判断された場合(ステップS303:No)、再起動実行部113が、システム全体の再起動を実行する(ステップS304)。そして、起動制御装置110は、図3に示す一連の処理を終了する。
【0033】
一方、ステップS303において、期待値がシステム全体の再起動時間よりも短いと判断された場合(ステップS303:Yes)、再起動実行部113が、ステップS301で検知された障害に関連するユニットの単体の再起動を実行する(ステップS305)。そして、復旧成功率算出部114が、ステップS305の再起動結果と、記憶部111に蓄積されている過去の再起動結果とに基づいて、復旧成功率を算出し、算出された復旧成功率により、記憶部111に記憶されている復旧成功率を更新する(ステップS306)。その後、起動制御装置110は、図3に示す一連の処理を終了する。
【0034】
(記憶部111に記憶されている情報の一例)
図4は、本発明の第1実施形態に係る記憶部111に記憶されている情報の一例を示す図である。図4に示すように、記憶部111は、画像形成装置100が備える複数のユニット(無線通信ユニット102、FAXユニット103、画像読取ユニット104、操作部ユニット107、および印刷ユニット108)の各々の再起動時間を記憶する。また、記憶部111は、障害の種類毎に、その障害に関連するユニットの、障害からの復旧成功率を記憶する。また、記憶部111は、システム全体の再起動時間を記憶する。例えば、図4に示す例では、記憶部111には、システム全体の再起動時間として「60秒」が記憶されている。
【0035】
(期待値算出部112による期待値の算出例)
ここで、図4に示す各情報に基づく、期待値算出部112による期待値の算出例を説明する。
【0036】
例えば、無線通信ユニット102が関連する障害Aが発生した場合、期待値算出部112は、無線通信ユニット102の再起動時間Tを「5秒」とし、無線通信ユニット102の復旧成功率Rを「60%」とし、システム全体の再起動時間Tを「60秒」とし、上記数式(1)により、
5[秒]×60[%]+(5+60)[秒]×(100-60)[%]=29[秒]
を復旧時間の期待値として算出する。
【0037】
この場合、算出された復旧時間の期待値「29[秒]」は、システム全体の再起動時間「60[秒]」よりも短いため、再起動実行部113は、障害に関連する無線通信ユニット102の単体での再起動を実行する。
【0038】
また、例えば、FAXユニット103が関連する障害Aが発生した場合、期待値算出部112は、FAXユニット103の再起動時間Tを「15秒」とし、FAXユニット103の復旧成功率Rを「20%」とし、システム全体の再起動時間Tを「60秒」とし、上記数式(1)により、
15[秒]×20[%]+(15+60)[秒]×(100-20)[%]=63[秒]
を復旧時間の期待値として算出する。
【0039】
この場合、算出された復旧時間の期待値「63[秒]」は、システム全体の再起動時間「60[秒]」よりも長いため、再起動実行部113は、システム全体の再起動を実行する。
【0040】
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る起動制御装置110は、画像形成装置100が備える複数のユニットの各々の再起動時間と、システム全体の再起動時間と、複数のユニットの各々の、再起動による障害からの復旧成功率とを記憶する記憶部111と、記憶部111に記憶されている各情報に基づいて、障害に関連するユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する期待値算出部112と、期待値算出部112によって算出された期待値が、システム全体の再起動時間よりも短い場合、ユニットの単体での再起動を実行し、期待値算出部112によって算出された期待値が、システム全体の再起動時間よりも長い場合、システム全体の再起動を実行する再起動実行部113とを備える。
【0041】
これにより、本発明の第1実施形態に係る起動制御装置110は、記憶部111に記憶されている各情報に基づいて算出された期待値に基づき、ユニットの単体での再起動と、システム全体での再起動とのうち、システムの復旧までに要する時間が短くなる可能性が高いほうを実行することができる。したがって、本発明の第1実施形態に係る起動制御装置110によれば、複数のユニットを備える装置において、障害発生時の復旧時間の長時間化を抑制することができる。
【0042】
〔第2実施形態〕
(起動制御装置110Aの機能構成)
図5は、本発明の第1実施形態に係る起動制御装置110Aの機能構成を示す図である。図5に示すように、第2実施形態の起動制御装置110Aは、記憶部111の代わりに取得部115を備える点で、第1実施形態の起動制御装置110と異なる。その他の点については、第1実施形態の起動制御装置110と同様である。
【0043】
取得部115は、再起動方法を選択するための各種情報(画像形成装置100が備える複数のユニットの各々の再起動時間および復旧成功率、システム全体の再起動時間)を、画像形成装置100の外部に設けられたサーバ200から、通信ネットワーク(例えば、インターネット、LAN等)を介して取得する。このため、サーバ200には、第1実施形態の記憶部111に相当する記憶部が設けられている。
【0044】
第2実施形態の起動制御装置110Aでは、期待値算出部112は、取得部115によってサーバ200から取得された各情報に基づいて、障害に関連するユニットの単体での再起動について、障害からの復旧時間の期待値を算出する。
【0045】
また、第2実施形態の起動制御装置110Aでは、復旧成功率算出部114は、算出された復旧成功率により、サーバ200の記憶部に記憶されている復旧成功率を更新する。
【0046】
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る起動制御装置110Aは、サーバ200に記憶されている各情報に基づいて算出された期待値に基づき、ユニットの単体での再起動と、システム全体での再起動とのうち、システムの復旧までに要する時間が短くなる可能性が高いほうを実行することができる。したがって、本発明の第2実施形態に係る起動制御装置110Aによれば、複数のユニットを備える装置において、障害発生時の復旧時間の長時間化を抑制することができる。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0048】
なお、上記各実施形態では、本発明の起動制御装置を画像形成装置に適用した例を説明したが、これに限らず、本発明の起動制御装置は、少なくとも単体での再起動が可能な複数のユニットを備える装置であれば、如何なる装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
100 画像形成装置
110,110A 起動制御装置
111 記憶部
112 期待値算出部
113 再起動実行部
114 復旧成功率算出部
115 取得部
200 サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【文献】特開2002-149437号公報
図1
図2
図3
図4
図5