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特許7183930信号転送システム、信号転送方法及び経路制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】信号転送システム、信号転送方法及び経路制御装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/10 20090101AFI20221129BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20221129BHJP
   H04W 16/04 20090101ALI20221129BHJP
   H04L 47/76 20220101ALI20221129BHJP
【FI】
H04W28/10
H04W88/14
H04W16/04
H04L47/76
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019076428
(22)【出願日】2019-04-12
(65)【公開番号】P2020174325
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慶太
(72)【発明者】
【氏名】福井 達也
(72)【発明者】
【氏名】木村 英明
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩文
(72)【発明者】
【氏名】太田 憲行
(72)【発明者】
【氏名】寺田 純
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-129401(JP,A)
【文献】特開2016-111550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04L 47/76
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と通信を行う複数の事業者の複数の基地局と、複数の基地局を制御する集約局とを中継する複数の信号転送装置、及び、前記信号転送装置それぞれの複数のUNI及び複数のNNIに対する信号振分を制御する経路制御装置を備えた信号転送システムであって、
前記経路制御装置は、
基地局それぞれに対する周波数の割当情報を取得する割当情報取得部と、
前記UNIと事業者との対応関係を示す対応関係情報、前記UNIの最大MBH帯域を示す帯域情報、及び前記割当情報に基づいて、前記UNIごとにMBH帯域を調整する帯域調整部と、
前記帯域調整部が調整したMBH帯域、及び前記信号転送装置それぞれの接続構成を示す構成情報に基づいて、前記NNIそれぞれに対する信号振分を決定する振分決定部と
を有し、
前記信号転送装置は、
前記振分決定部が決定した前記NNIそれぞれに対する信号振分に基づいて、前記NNIから信号を転送すること
を特徴とする信号転送システム。
【請求項2】
前記集約局、前記信号転送装置、及び前記経路制御装置のいずれかが、
複数の基地局それぞれのトラヒックを示すトラヒック情報を収集するトラヒック収集部と、
前記トラヒック情報に基づいて、複数の基地局それぞれに対する周波数の割当変更依頼を示す割当変更依頼情報を出力する変更依頼部と
を有し、
前記割当情報取得部は、
前記割当変更依頼情報に基づいて変更された前記割当情報を取得すること
を特徴とする請求項1に記載の信号転送システム。
【請求項3】
無線端末と通信を行う複数の事業者の複数の基地局と、複数の基地局を制御する集約局とを中継する複数の信号転送装置、及び、前記信号転送装置それぞれの複数のUNI及び複数のNNIに対する信号振分を制御する経路制御装置を備えた信号転送システムにおける信号転送方法であって、
前記経路制御装置が、
基地局それぞれに対する周波数の割当情報を取得する割当情報取得工程と、
前記UNIと事業者との対応関係を示す対応関係情報、前記UNIの最大MBH帯域を示す帯域情報、及び前記割当情報に基づいて、前記UNIごとにMBH帯域を調整する帯域調整工程と、
調整したMBH帯域、及び前記信号転送装置それぞれの接続構成を示す構成情報に基づいて、前記NNIそれぞれに対する信号振分を決定する振分決定工程と
実行することを特徴とする信号転送方法。
【請求項4】
前記集約局、前記信号転送装置、及び前記経路制御装置のいずれかが、
複数の基地局それぞれのトラヒックを示すトラヒック情報を収集するトラヒック収集工程と、
前記トラヒック情報に基づいて、複数の基地局それぞれに対する周波数の割当変更依頼を示す割当変更依頼情報を出力する変更依頼工程と
実行し、
前記割当情報取得工程では
前記割当変更依頼情報に基づいて変更された前記割当情報を取得すること
を特徴とする請求項3に記載の信号転送方法。
【請求項5】
無線端末と通信を行う複数の事業者の複数の基地局と、複数の基地局を制御する集約局とを中継する複数の信号転送装置それぞれの複数のUNI及び複数のNNIに対する信号振分を制御する経路制御装置であって、
基地局それぞれに対する周波数の割当情報を取得する割当情報取得部と、
前記UNIと事業者との対応関係を示す対応関係情報、前記UNIの最大MBH帯域を示す帯域情報、及び前記割当情報に基づいて、前記UNIごとにMBH帯域を調整する帯域調整部と、
前記帯域調整部が調整したMBH帯域、及び前記信号転送装置それぞれの接続構成を示す構成情報に基づいて、前記NNIそれぞれに対する信号振分を決定する振分決定部と
を有することを特徴とする経路制御装置。
【請求項6】
複数の基地局それぞれのトラヒックを示すトラヒック情報を収集するトラヒック収集部と、
前記トラヒック情報に基づいて、複数の基地局それぞれに対する周波数の割当変更依頼を示す割当変更依頼情報を出力する変更依頼部と
をさらに有し、
前記割当情報取得部は、
前記割当変更依頼情報に基づいて変更された前記割当情報を取得すること
を特徴とする請求項5に記載の経路制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号転送システム、信号転送方法及び経路制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
全国に幅広く提供されるセルラーシステムでは、基地局が全国に展開され、その上位に基地局を制御する集約局が設置されている。基地局-集約局間は、信号転送装置により構築されるネットワークを介して結ばれる。この区間は、モバイルバックホール(MBH:Mobile Backhaul)と呼ばれる。信号転送装置は、レイヤ2スイッチであってもよいし、レイヤ3スイッチ(ルータ)であってもよい。
【0003】
セルラーシステムを運用する利用者(以下では事業者とする)は、複数存在する。各事業者が別々にMBHを構築すると、信号転送装置及び信号転送装置間の光ケーブルも、事業者数分必要となる。各事業者が設置する基地局は、1つの共有ビルに設置される場合も多い。そこで、信号転送装置を事業者数分用意するのではなく、共有の信号転送装置によって複数事業者のMBHを構築すれば、必要な信号転送装置数及び光ケーブル数が削減され、効率的なMBH構築が可能となる。
【0004】
また、近年は、無線通信に適した周波数資源が逼迫している。一方で、無線通信に割当てられた周波数帯域幅の全てが常に利用されているわけではなく、場所・時間・事業者によって、利用状況に偏りがある。そこで、周波数資源を複数事業者で共用し、各事業者への周波数帯域幅の割当を、利用状況に応じて動的に変更することが検討されている。すなわち、トラヒックの多い事業者に周波数帯域幅を多く割当て、トラヒックの少ない事業者に周波数帯域を少なく割当てることにより、1つの周波数資源を有効活用することができる。
【0005】
セルラーシステムのように、全国に広く展開されるシステムの場合、複数の事業者が同一の時間・場所でサービスを展開し、周波数資源を利用することが考えられる。しかし、同じ周波数帯域を複数の事業者が利用するためには、空間分離をするために多数のアンテナが必要であり、実現が困難である。
【0006】
したがって、複数の事業者は、同一の時間・場所において、それぞれ異なる周波数帯域を使ってサービス展開すると考えられる。例えば、事業者数をn、信号転送装置数をt、全体の帯域幅をB、信号転送装置#j配下の各事業者に割当てられた周波数帯域幅をxji(1≦j≦t,1≦i≦n)とすると、xj1+xj2+・・・+xjn=B(0≦xji≦B,1≦j≦t,1≦i≦n)となる。一方、異なる信号転送装置に収容される基地局は、異なる場所でサービス展開することも考えられるため、x1i,x2i,・・・,xtiは、独立に設定可能である。
【0007】
図9は、複数の信号転送装置それぞれが異なる場所で複数の事業者の基地局を収容している信号転送システムの構成例を示す。図9に示した信号転送システムは、例えば4つの信号転送装置1-1~1-4、経路制御装置2及び割当決定装置3を有する。以下、信号転送装置1-1~1-4のように複数ある構成のいずれかを特定しない場合には、単に信号転送装置1などと略記する。
【0008】
信号転送装置1-1~1-4それぞれは、定められた周波数帯域幅に基づいて無線通信制御を行う複数の事業者の基地局A,B,Cと、複数の事業者の集約局A,B,Cとの間の通信を、事業者ごとに中継する。以下、基地局A及び集約局Aは、事業者Aの基地局及び集約局であるとする。また、基地局B,C及び集約局B,Cも同様に、事業者B,Cそれぞれの基地局及び集約局であるとする。
【0009】
ここでは、信号転送装置1-1~1-4は、それぞれ2つずつの基地局A,B,C(6つずつの基地局)を収容していることとする。つまり、信号転送装置1-1~1-4は、事業者A,B,Cによって共有されている。
【0010】
経路制御装置2は、信号転送装置1-1~1-4の間のネットワークの経路を制御する。割当決定装置3は、事業者A,B,Cに割当てる周波数帯域幅を決定し、各事業者A,B,Cに通知する。なお、信号転送装置1-1~1-4間のネットワークは、リング型、ハニカム型、メッシュ型等の任意の構成でよい。
【0011】
割当決定装置3が決定した周波数帯域幅の通知先は、基地局若しくは集約局、又はその両方であるが、ここでは基地局のみを通知先としている。
【0012】
割当決定装置3から各基地局への通信は、専用の制御網を通して行われてもよいし、信号転送装置1-1~1-4間のネットワークを通して行われてもよい。同様に、経路制御装置2から信号転送装置1-1~1-4への通信も、専用の制御網を通して行われてもよい。
【0013】
図10は、信号転送装置1の構成例を示す。信号転送装置1は、第1~第6UNI(User Network Interface)4-1~4-6、信号振分部400、及び第1~第6NNI(Network Network Interface)4a-1~4a-6を有する。
【0014】
第1~第6UNI4-1~4-6は、基地局からの信号を受信する。信号振分部400は、経路制御装置2から入力される振分設定情報に基づいて、第1~第6UNI4-1~4-6が受信した信号を第1~第6NNI4a-1~4a-6に対して任意に振り分ける。第1~第6NNI4a-1~4a-6は、ネットワーク内の他の信号転送装置1との通信を行う。
【0015】
例えば、第1~第6NNI4a-1~4a-6からの出力信号は、信号を伝送する伝送装置の中でODU(Optical Data Unit)を単位として扱われ、ODU単位で他のODUと多重化され、任意の伝送波長及び伝送経路で伝送される。ただし、本願にかかる信号転送システムは伝送装置側の処理に依存しないため、ここでは伝送装置側の説明はしないこととする。
【0016】
信号転送装置1は、異なるUNIから入力された信号に対しても、必要なMBH帯域が狭ければ、信号振分部400によって同じNNIを通るように設定し、必要なNNIの数を削減することができる。
【0017】
図10に示した例では、第3UNI4-3から入力された信号と、第4UNI4-4から入力された信号とが多重化され、1つの第3NNI4a-3を通って出力される。同様に、第5UNI4-5から入力された信号と、第6UNI4-6から入力された信号とが多重化され、1つの第5NNI4a-5を通って出力される。つまり、信号転送装置1は、各UNIに対して個別にNNIを割当てる場合に比べて、必要なNNIの数が削減されている。
【0018】
図11は、経路制御装置2の構成例を示す。図11に示すように、経路制御装置2は、帯域保持部2a、構成情報保持部2b及び振分決定部2cを有する。
【0019】
帯域保持部2aは、UNIごとに最大のMBH帯域を保持し、振分決定部2cに対して出力する。構成情報保持部2bは、信号転送装置1-1~1-4の接続構成を示す構成情報を保持し、振分決定部2cに対して出力する。振分決定部2cは、帯域保持部2a及び構成情報保持部2bから入力されるUNIごとに必要なMBH帯域及び構成情報に基づいて、信号転送装置1-1~1-4それぞれに対する信号振分を決定する。
【0020】
ここで、K個のUNIポートを持つ信号転送装置#jの配下のk番目のUNIの所要MBH帯域をgjk(xji)とすると、信号転送装置1間に求められる帯域の合計値は、Σ(j=1:t,k=1:K) gjk(xji)となる。このとき、iは、kに依存して定まる。
【0021】
また、割当てられる周波数帯域幅が広いほどMBH帯域も広くなるため、gji(xji)は、単調増加関数である。なお、gjiは、各事業者が設置する基地局数や、基地局当たりのアンテナ数、及び周波数利用効率に大きく依存する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0022】
【文献】電波割当先、分単位で自動変更 5Gにらみ総務省、[online]、2018/10/10、日本経済新聞、[2019/02/27検索]、インターネット<URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36313720Q8A011C1MM8000/>
【文献】LAN型通信網サービスのインタフェース<ビジネスイーサ ワイド編> 第1版、[online]、西日本電信電話株式会社、[2019/02/27検索]、インターネット<URL:https://www.ntt-west.co.jp/info/katsuyo/pdf/07/tenpu06_4.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
信号振分部400は、UNIごとのMBH帯域に基づいて、どのUNIから入力される信号を多重化するかを判断する。ここで、各事業者の周波数帯域幅が変動するため、UNIごとの所要MBH帯域も、0≦gjk(xji)≦gjk(B)の範囲で変動する。UNIごとの最大の所要MBH帯域gjk(B)に合わせて信号振分部400が多重化を検討すると、MBH帯域が広くなり、必要なNNI数が増加してしまう。
【0024】
本発明は、複数の基地局からの信号を効率的に転送することができる信号転送システム、信号転送方法及び経路制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一態様にかかる信号転送システムは、無線端末と通信を行う複数の事業者の複数の基地局と、複数の基地局を制御する集約局とを中継する複数の信号転送装置、及び、前記信号転送装置それぞれの複数のUNI及び複数のNNIに対する信号振分を制御する経路制御装置を備えた信号転送システムであって、前記経路制御装置は、基地局それぞれに対する周波数の割当情報を取得する割当情報取得部と、前記UNIと事業者との対応関係を示す対応関係情報、前記UNIの最大MBH帯域を示す帯域情報、及び前記割当情報に基づいて、前記UNIごとにMBH帯域を調整する帯域調整部と、前記帯域調整部が調整したMBH帯域、及び前記信号転送装置それぞれの接続構成を示す構成情報に基づいて、前記NNIそれぞれに対する信号振分を決定する振分決定部とを有し、前記信号転送装置は、前記振分決定部が決定した前記NNIそれぞれに対する信号振分に基づいて、前記NNIから信号を転送することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の一態様にかかる信号転送システムは、前記集約局、前記信号転送装置、及び前記経路制御装置のいずれかが、複数の基地局それぞれのトラヒックを示すトラヒック情報を収集するトラヒック収集部と、前記トラヒック情報に基づいて、複数の基地局それぞれに対する周波数の割当変更依頼を示す割当変更依頼情報を出力する変更依頼部とを有し、前記割当情報取得部は、前記割当変更依頼情報に基づいて変更された前記割当情報を取得することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の一態様にかかる信号転送方法は、無線端末と通信を行う複数の事業者の複数の基地局と、複数の基地局を制御する集約局とを中継する複数の信号転送装置、及び、前記信号転送装置それぞれの複数のUNI及び複数のNNIに対する信号振分を制御する経路制御装置を備えた信号転送システムにおける信号転送方法であって、前記経路制御装置が、基地局それぞれに対する周波数の割当情報を取得する割当情報取得工程と、前記UNIと事業者との対応関係を示す対応関係情報、前記UNIの最大MBH帯域を示す帯域情報、及び前記割当情報に基づいて、前記UNIごとにMBH帯域を調整する帯域調整工程と、調整したMBH帯域、及び前記信号転送装置それぞれの接続構成を示す構成情報に基づいて、前記NNIそれぞれに対する信号振分を決定する振分決定工程とを実行することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の一態様にかかる信号転送方法は、前記集約局、前記信号転送装置、及び前記経路制御装置のいずれかが、複数の基地局それぞれのトラヒックを示すトラヒック情報を収集するトラヒック収集工程と、前記トラヒック情報に基づいて、複数の基地局それぞれに対する周波数の割当変更依頼を示す割当変更依頼情報を出力する変更依頼工程とを実行し、前記割当情報取得工程では、前記割当変更依頼情報に基づいて変更された前記割当情報を取得することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の一態様にかかる経路制御装置は、無線端末と通信を行う複数の事業者の複数の基地局と、複数の基地局を制御する集約局とを中継する複数の信号転送装置それぞれの複数のUNI及び複数のNNIに対する信号振分を制御する経路制御装置であって、基地局それぞれに対する周波数の割当情報を取得する割当情報取得部と、前記UNIと事業者との対応関係を示す対応関係情報、前記UNIの最大MBH帯域を示す帯域情報、及び前記割当情報に基づいて、前記UNIごとにMBH帯域を調整する帯域調整部と、前記帯域調整部が調整したMBH帯域、及び前記信号転送装置それぞれの接続構成を示す構成情報に基づいて、前記NNIそれぞれに対する信号振分を決定する振分決定部とを有することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の一態様にかかる経路制御装置は、複数の基地局それぞれのトラヒックを示すトラヒック情報を収集するトラヒック収集部と、前記トラヒック情報に基づいて、複数の基地局それぞれに対する周波数の割当変更依頼を示す割当変更依頼情報を出力する変更依頼部とをさらに有し、前記割当情報取得部は、前記割当変更依頼情報に基づいて変更された前記割当情報を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の基地局からの信号を効率的に転送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一実施形態にかかる信号転送システムの構成例を示す図である。
図2】一実施形態にかかる経路制御装置の構成例を示す図である。
図3】帯域保持部が保持する帯域情報の具体例を示す図である。
図4】(a)は、帯域調整をしていない場合のUNIからNNIへの信号振分を示す図である。(b)は、経路制御装置が帯域調整した場合のUNIからNNIへの信号振分を示す図である。(c)は、(b)に示した帯域調整の後に、周波数帯域の割当が変更されたときに経路制御装置が帯域調整した場合のUNIからNNIへの信号振分を示す図である。
図5】(a)は、信号転送システムの第1変形例が信号を転送する経路例を示す図である。(b)は、信号転送装置の動作例を示す図である。
図6】(a)は、信号転送システムの第1変形例が信号を転送する経路例を示す図である。(b)は、信号転送装置の動作例を示す図である。
図7】一実施形態にかかる信号転送システムの第2変形例の構成例を示す図である。
図8】一実施形態にかかる経路制御装置の構成例を示す図である。
図9】複数の信号転送装置それぞれが異なる場所で複数の事業者の基地局を収容している信号転送システムの構成例を示す図である。
図10】信号転送装置の構成例を示す図である。
図11】経路制御装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、図面を用いて信号転送システムの一実施形態を説明する。図1は、一実施形態にかかる信号転送システム100の構成例を示す。図1に示すように、信号転送システム100は、例えば4つの信号転送装置10-1~10-4、経路制御装置20及び割当決定装置30を有し、例えば信号転送装置10-2~10-4がそれぞれ収容する基地局を介して無線端末が無線通信を行うセルラーシステムを構成する。
【0034】
信号転送装置10-1~10-4は、ネットワークによって接続されている。なお、信号転送装置10-1~10-4間のネットワークは、リング型、ハニカム型、メッシュ型等の任意の構成でよい。
【0035】
信号転送装置10-1~10-4それぞれは、定められた周波数帯域幅に基づいて無線通信制御を行う複数の事業者の基地局A,B,Cと、複数の事業者の基地局それぞれを制御する集約局A,B,Cとの間の通信を、経路制御装置20の制御に応じて事業者ごとに中継する。ここでも、基地局A及び集約局Aは、事業者Aの基地局及び集約局であるとする。また、基地局B,C及び集約局B,Cも同様に、事業者B,Cそれぞれの基地局及び集約局であるとする。
【0036】
また、信号転送装置10-1~10-4は、それぞれ2つずつの基地局A,B,C(6つずつの基地局)を収容していることとする。つまり、信号転送装置10-1~10-4は、事業者A,B,Cによって共有されている。
【0037】
経路制御装置20は、割当決定装置30から入力される周波数の割当情報に基づいて、信号転送装置10-1~10-4の間のネットワークの経路を制御する。例えば、経路制御装置20は、信号転送装置10-1~10-4それぞれの複数のUNI及び複数のNNIに対する信号振分を制御する。
【0038】
割当決定装置30は、事業者A,B,Cそれぞれに割当てる周波数帯域幅を決定し、決定した周波数の割当情報を例えば各事業者A,B,Cの各基地局及び経路制御装置20に対して通知する。なお、割当決定装置30が出力する割当情報は、基地局に対して送信された信号を信号転送装置10又は経路制御装置20がスヌーピングすることによって取得してもよい。
【0039】
割当決定装置30から各基地局及び経路制御装置20への通信は、専用の制御網を通して行われてもよいし、信号転送装置10-1~10-4間のネットワークを通して行われてもよい。同様に、経路制御装置20から信号転送装置10-1~10-4への通信も、専用の制御網を通して行われてもよい。また、割当決定装置30は、周波数割当を決定・変更する周期を任意に設定されてもよい。
【0040】
図2は、一実施形態にかかる経路制御装置20の構成例を示す。図2に示すように、経路制御装置20は、割当情報取得部200、対応関係保持部201、帯域保持部202、帯域調整部203、構成情報保持部204及び振分決定部205を有する。
【0041】
割当情報取得部200は、割当決定装置30が出力する基地局それぞれに対する周波数の割当情報を取得し、取得した割当情報を帯域調整部203に対して出力する。
【0042】
対応関係保持部201は、どのUNIがどの事業者の信号用であるか、すなわちUNIと事業者(利用者)との対応関係を示す対応関係情報を保持しており、帯域調整部203に対して対応関係情報を出力する。
【0043】
帯域保持部202は、UNIごとに最大のMBH帯域を示す帯域情報を保持し、帯域調整部203に対して帯域情報を出力する。
【0044】
図3は、帯域保持部202が保持する帯域情報の具体例を示す。帯域保持部202は、例えば6つ第1UNI~第6UNIそれぞれのMBH帯域の帯域最大値を保持している。なお、帯域情報に含まれる値については、図4を用いて詳述する。
【0045】
帯域調整部203(図2)は、上述の対応関係情報及び帯域情報を用い、割当情報取得部200が取得した割当情報に基づいて、UNIごとにMBH帯域を調整し、調整したMBH帯域を振分決定部205に対して出力する。
【0046】
構成情報保持部204は、信号転送装置10-1~10-4の接続構成を示す構成情報を保持し、構成情報を振分決定部205に対して出力する。
【0047】
振分決定部205は、帯域調整部203及び構成情報保持部204から入力されるUNIごとの調整されたMBH帯域及び構成情報に基づいて、信号転送装置10-1~10-4それぞれのNNIに対する信号振分を決定する。
【0048】
次に、経路制御装置20の動作例について説明する。
【0049】
図4は、帯域情報を用いた経路制御装置20の動作例を示す。図4(a)は、帯域調整をしていない場合のUNIからNNIへの信号振分を示す。図4(b)は、経路制御装置20が帯域調整した場合のUNIからNNIへの信号振分を示す。図4(c)は、図4(b)に示した帯域調整の後に、周波数帯域の割当が変更されたときに経路制御装置20が帯域調整した場合のUNIからNNIへの信号振分を示す。
【0050】
図4(a)に示した例は、帯域調整をしていないため、従来技術と同じであり、UNIごとの最大の所要帯域に基づいて信号振分を決定している。この例では、第1UNI~第6UNIの所要帯域がそれぞれ10Gbpsである。また、第1NNI~第6NNIの伝送容量も10Gbpsである。よって、第1UNI~第6UNIに対して個別にNNIが割当てられており、第1NNI~第6NNI(合計6個のNNI)が用いられている。
【0051】
図4(b)に示した例では、帯域調整部203は、対応関係保持部201から入力された対応関係情報と、割当情報取得部200から入力された周波数の割当情報とに基づいて、UNIごとにMBH帯域を調整している。帯域調整部203が行う調整は、gjiがいかなる関数であっても実施可能であるが、ここではgjiが周波数帯域幅に比例する線形関数であるとする。
【0052】
図4(b)に示したように、帯域幅B/4を割当てられた事業者Aの第1UNI及び第2UNIは、元々の所要帯域の1/4に調整される。帯域幅B/4を割当てられた事業者の第3UNI及び第4UNIは、元々の所要帯域の1/4に調整される。帯域幅B/2を割当てられた事業者Cの第5UNI及び第6UNIは、元々の所要帯域の1/2に調整される。
【0053】
このとき、経路制御装置20は、第1UNI~第4UNIを第1NNIに振分け、第5UNI及び第6UNIを第2NNIに振分けることにより、合計2つのNNIによって信号を転送することを可能にしている。つまり、信号転送システム100は、6個のNNIが必要であった従来例に比べて、必要なNNIの数を削減することができる。
【0054】
図4(c)に示した例では、帯域調整部203は、周波数帯域の割当に変更があったときに、割当情報取得部200が取得する周波数の割当情報に基づいて、UNIごとにMBH帯域を再度調整している。
【0055】
図4(c)に示したように周波数帯域の割当に変更があった場合、帯域幅B/2を割当てられた事業者Aの第1UNI及び第2UNIは、元々の所要帯域の1/2に調整される。帯域幅B/3を割当てられた事業者Bの第3UNI及び第4UNIは、元々の所要帯域の1/3に調整される。帯域幅B/6を割当てられた事業者Cの第5UNI及び第6UNIは、元々の所要帯域の1/6に調整される。
【0056】
すなわち、図4(b)に示した信号振分の状態において周波数帯域の割当に変更があった場合、第1UNI~第4UNIの所要帯域の合計が16.6Gbpsとなり、1つのNNIで信号の転送を収容できなくなる。そこで、経路制御装置20は、第1UNI及び第2UNIを第1NNIに振分け、第3UNI~第6UNIを第2NNIに振分けるように変更を行い、NNI当たり10Gbps以下にしている。そして、経路制御装置20は、信号振分の変更を行うごとに、信号振分変更の対象となる信号転送装置10へ信号振分指示を出力する。
【0057】
次に、信号転送システム100の第1変形例について説明する。
【0058】
図5は、信号転送システム100の第1変形例(信号転送システム100a)の動作例を示す。図5(a)は、信号転送システム100aが信号を転送する経路例を示す。図5(b)は、信号転送装置10a-3の動作例を示す。
【0059】
信号転送システム100aは、事業者A,B,Cそれぞれの基地局A,B,Cが信号転送装置10a-2~10a-4の配下にそれぞれ1つずつ帰属している。ここでは、事業者Aの所要帯域が3Gbps、事業者Bの所要帯域が2Gbps、事業者Cの所要帯域が1Gbpsであるとする。
【0060】
また、信号転送システム100aは、リング型のネットワークによって信号転送装置10a-1~10a-4が接続されており、信号転送装置10a-4→信号転送装置10a-3→信号転送装置10a-2→信号転送装置10a-1の経路で信号が伝送されるとする。
【0061】
また、図5(a)においては、経路制御装置20、割当決定装置30及び集約局A,B,Cを図示していないが、信号転送システム100aには、同等の機能が設けられていることとする。さらに、簡略化のために、gji(xa)は、全て同じ線形関数であるとする。また、ここではgji(B)=6Gbps、0≦i≦n、0≦j≦tを前提条件とする。すなわち、信号転送システム100aは、gj1(xj1)+gj2(xj2)+gj3(xj3)=6Gbpsとなるようにされている。
【0062】
また、図5(b)に示すように、信号転送装置10a-3は、第1UNI~第3UNI40-1~40-3、第1NNI~第3NNI42-1~42-3及び信号振分部44を有する。第1NNI~第3NNI42-1~42-3は、いずれも最大10Gbpsであるとする。信号振分部44は、第1UNI~第3UNI40-1~40-3が受信した信号を第1NNI~第3NNI42-1~42-3に対して任意に振り分ける。なお、信号転送装置10a-1~10a-4は、実質的に同じ構成であるとする。
【0063】
まず、信号転送システム100aは、信号転送装置10a-4が信号振分部44によって基地局A,B,Cの信号をまとめることにより、1つのNNIから合計6Gbpsの信号(信号#a)を信号転送装置10a-3に対して出力する。信号#aは、下式(1)によって表される。
【0064】
【数1】
【0065】
図5(b)にも示すように、信号転送装置10a-3は、第3NNI42-3から入力される信号#aと、配下の基地局Aの3Gbpsの信号とを信号振分部44によって多重化し、9Gbpsの信号(信号#b)として第2NNI42-2から信号転送装置10a-2に対して出力する。信号#bは、下式(2)によって表される。
【0066】
【数2】
【0067】
また、信号転送装置10a-3は、配下の基地局B,Cの信号を多重化し、3Gbpsの信号(信号#c)として第1NNI42-1から信号転送装置10a-2に対して出力する。信号#cは、下式(3)によって表される。
【0068】
【数3】
【0069】
次に、信号転送装置10a-2は、信号転送装置10a-3から入力される信号#cと、配下の基地局A,B,Cの6Gbpsの信号とを多重化し、1つのNNIから9Gbpsの信号(信号#d)として信号転送装置10a-1に対して出力する。信号#dは、下式(4)によって表される。
【0070】
【数4】
【0071】
また、信号転送装置10a-2は、信号転送装置10a-3から入力される信号#bを新たに多重化することなく、信号#dとは異なる1つのNNIから9Gbpsの信号として信号転送装置10a-1に対して出力する。
【0072】
つまり、信号転送装置10a-1において必要なNNIの数は、10Gbps以下の信号#b及び信号#dのみを受信するための2となる。
【0073】
一方、信号転送システム100aにおいて、信号転送装置10a-1~10a-4の代わりに従来の信号転送装置(図9:信号転送装置1を参照)が用いられた場合には、信号振分部(図10:信号振分部400参照)による信号の多重化ができない。この場合、3つの信号転送装置それぞれが3つのNNIを用いて信号を転送することとなり、最終的に合計9個のNNIが必要となる。
【0074】
このように、信号転送システム100aは、従来技術では9個必要であったNNIの数を2個にまで削減することができる。
【0075】
図6は、図5に示した帯域調整の後に、周波数帯域の割当が変更された場合の信号転送システム100aの動作例を示す。図6(a)は、信号転送システム100aが信号を転送する経路例を示す。図6(b)は、信号転送装置10a-3の動作例を示す。ここでは、事業者Aの所要帯域が1Gbps、事業者Bの所要帯域が1Gbps、事業者Cの所要帯域が4Gbpsに変更されたとする。
【0076】
このとき、信号転送システム100aは、信号転送装置10a-4が信号振分部44によって基地局A,B,Cの信号をまとめることにより、1つのNNIから合計6Gbpsの信号(信号#a)を信号転送装置10a-3に対して出力する。信号#aは、下式(5)によって表される。
【0077】
【数5】
【0078】
図6(b)にも示すように、信号転送装置10a-3は、第3NNI42-3から入力される信号#aと、配下の基地局Cの4Gbpsの信号とを信号振分部44によって多重化し、10Gbpsの信号(信号#b)として第2NNI42-2から信号転送装置10a-2に対して出力する。信号#bは、下式(6)によって表される。
【0079】
【数6】
【0080】
また、信号転送装置10a-3は、配下の基地局A,Bの信号を多重化し、2Gbpsの信号(信号#c)として第1NNI42-1から信号転送装置10a-2に対して出力する。信号#cは、下式(7)によって表される。
【0081】
【数7】
【0082】
次に、信号転送装置10a-2は、信号転送装置10a-3から入力される信号#cと、配下の基地局A,B,Cの6Gbpsの信号とを多重化し、1つのNNIから8Gbpsの信号(信号#d)として信号転送装置10a-1に対して出力する。信号#dは、下式(8)によって表される。
【0083】
【数8】
【0084】
また、信号転送装置10a-2は、信号転送装置10a-3から入力される信号#bを新たに多重化することなく、信号#dとは異なる1つのNNIから10Gbpsの信号として信号転送装置10a-1に対して出力する。
【0085】
つまり、信号転送システム100aは、信号転送装置10a-3が信号振分を変更するので、周波数割当が変更される前と同様に、信号転送装置10a-1において必要なNNIの数が、10Gbps以下の信号#b及び信号#dのみを受信するための2となる。
【0086】
なお、信号転送装置10a-3は、図5(b)に示した信号振分を周波数帯域の割当が変更されても信号振分部44が変更しないままであった場合には、6Gbpsの信号(信号#a)と配下の基地局Aの信号を多重化した7Gbpsの信号と、配下の基地局B,Cの信号を多重化した5Gbpsの信号とを信号転送装置10a-2に対して出力することになってしまう。
【0087】
この場合、信号転送装置10a-2は、配下の基地局A,B,Cの信号を多重化した6Gbpsの信号に対し、7Gbpsの信号又は5Gbpsの信号のいずれを多重化しても、NNIの帯域の最大値(10Gbps)を超えてしまうため、パケット廃棄に繋がる可能性がある。
【0088】
そこで、経路制御装置20は、割当決定装置30が出力する周波数の割当情報を取得し、基地局A,B,Cに対する周波数帯域の割当が変更された場合には、振分決定部205によって信号振分を再度決定し、信号振分変更の対象となる信号転送装置10(信号転送装置10a)に対して振分変更指示を出力するようにされている。
【0089】
次に、信号転送システム100の第2変形例について説明する。
【0090】
図7は、信号転送システム100の第2変形例(信号転送システム100b)の構成例を示す。図7に示すように、信号転送システム100bは、例えば4つの信号転送装置10-1~10-4、経路制御装置20b及び割当決定装置30を有し、例えば信号転送装置10-2~10-4がそれぞれ収容する基地局を介して無線端末が無線通信を行うセルラーシステムを構成する。
【0091】
信号転送システム100bは、図1に示した信号転送システム100に対して、経路制御装置20bが信号転送装置10-1~10-4からトラヒック情報を収集する点、及び、経路制御装置20bが割当決定装置30に対して周波数の割当変更依頼を出力する点が異なる。なお、信号転送システム100bにおいて、図1に示した信号転送システム100の構成と実質的に同一の構成には同一の符号が付してある。
【0092】
図8は、経路制御装置20bの構成例を示す。図8に示すように、経路制御装置20bは、割当情報取得部200、対応関係保持部201、帯域保持部202、帯域調整部203、構成情報保持部204、振分決定部205、トラヒック収集部206及び変更依頼部207を有する。
【0093】
トラヒック収集部206は、信号転送装置10-1~10-4から基地局A,B,C(事業者A,B,C)それぞれのトラヒックを示すトラヒック情報を収集し、変更依頼部207に対して出力するトラヒックモニタである。ここで、トラヒック情報には、バッファ量等が含まれることとする。また、トラヒック収集部206がトラヒック情報を収集する周期は、任意に設定可能にされている。
【0094】
変更依頼部207は、トラヒック収集部206から入力されるトラヒック情報に基づいて、基地局A,B,C(事業者A,B,C)それぞれに対する周波数の割当変更依頼を示す割当変更依頼情報を割当決定装置30に対して出力する。
【0095】
例えば、変更依頼部207は、ある事業者のMBHトラヒック量の平均値又は最大値が、現在想定している最大の所要帯域に係数を乗算した値を超えた回数、又は時間が閾値以上となった場合に、当該事業者の周波数帯域幅の割当を増やすように、割当変更依頼情報を割当決定装置30に対して出力する。このとき、変更依頼部207は、その他の全ての事業者、又はMBHトラヒック量の平均値又は最大値が小さい事業者の周波数帯域幅の割当を減らすように、割当変更依頼情報を割当決定装置30に対して出力する。
【0096】
なお、トラヒック収集部206及び変更依頼部207は、経路制御装置20bに実装されることに限られず、その他の装置に実装されてもよい。
【0097】
以上説明したように、実施形態にかかる信号転送システムは、割当決定装置が出力する周波数の割当情報に基づいて、信号転送装置におけるUNIとNNIとの間の信号振分を調整するので、複数の基地局からの信号を効率的に転送することができる。
【0098】
なお、割当決定装置30が有する機能は、例えば経路制御装置20内に実装されてもよい。また、上述した実施形態にかかる信号転送システムは、事業者が3つである場合を例に説明したが、事業者数はこれに限定されない。
【0099】
また、実施形態にかかる信号転送システムは、複数の事業者が同一の時間及び場所において、それぞれ異なる周波数帯域を使ってサービス展開することに限られず、複数の事業者が同一の時間及び場所において同じ周波数帯域を使ってサービス展開する場合にも適用可能である。
【0100】
また、実施形態にかかる信号転送システムは、gjk(xji)が単調増加関数であって、周波数帯域幅が広いほど求めるMBH帯域も大きい場合を例としたが、gjk(xji)はいかなる関数であってもよい。
【0101】
なお、信号転送システム100,100a,100bが有する各機能は、専用ハードウェアで実装されてもよいし、CPUを備えたコンピュータとしての機能を有する汎用ハードウェア上にプログラムとして実装されてもよい。すなわち、本発明にかかる信号転送システム100,100a,100bは、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0102】
以上述べた実施形態は、全て本発明の実施形態を例示的に示すものであって、限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様でも実施することができる。
【符号の説明】
【0103】
100,100a,100b・・・信号転送システム、10-1~10-4,10a-1~10a-4・・・信号転送装置、20,20b・・・経路制御装置、30・・・割当決定装置、40-1~40-3・・・第1UNI~第3UNI、42-1~42-3・・・第1NNI~第3NNI、200・・・割当情報取得部、201・・・対応関係保持部、202・・・帯域保持部、203・・・帯域調整部、204・・・構成情報保持部、205・・・振分決定部、206・・・トラヒック収集部、207・・・変更依頼部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11