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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20221129BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20221129BHJP
   H01M 50/287 20210101ALI20221129BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20221129BHJP
   H01M 50/509 20210101ALI20221129BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20221129BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20221129BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/213
H01M50/287
H01M50/503
H01M50/509
H01M50/548 201
H01M50/569
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017039227
(22)【出願日】2017-03-02
(65)【公開番号】P2017162806
(43)【公開日】2017-09-14
【審査請求日】2019-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2016-0027696
(32)【優先日】2016-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】田 文 秀
(72)【発明者】
【氏名】金 承 一
(72)【発明者】
【氏名】朴 ▲強▼ 野
【審査官】高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-120417(JP,A)
【文献】国際公開第2015/094035(WO,A1)
【文献】特開2013-073864(JP,A)
【文献】特開2006-338964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2以上の円筒形状の電池セルと、
前記電池セルの充放電動作を制御するための回路基板と、
前記電池セルと電気的に連結され、前記回路基板に向けて延長され、前記電池セルに最も近接した曲折部が、電気的に連結された前記電池セルの円筒面が互いに隣接した状態で軸方向を横切るように形成される四角領域内に位置する連結タブと、
前記電池セルを収容するためのセルホルダと、を含み、
前記連結タブは、前記四角領域に対応するように配置される連結部材から延長されるリード部を含み、
前記リード部は、前記電池セルを電気的に連結するための前記連結部材から前記回路基板の方向に向かって前記四角領域に沿う第1方向、及び前記第1方向と異なって前記四角領域に沿う第2方向を同時に追従するように斜め傾斜角度を有して斜線方向に延長され、
前記セルホルダは、内部面で前記電池セルを取り囲み、外部面の上に前記回路基板が配置される、電池パック。
【請求項2】
前記連結タブは、互いに隣接する電池セルを電気的に連結する前記連結部材から延長され、
前記四角領域は、1つの前記連結部材によって連結された一群の電池セルが占める領域であることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記連結タブは、
前記第1方向に向けて延長される第1部分と、
前記曲折部を介して、前記第1方向と異なる電池セルの長手方向に延長される第2部分と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記連結タブの第1部分は、互いに隣接する電池セルの谷領域を横切って延長されることを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記連結タブの第2部分は、互いに隣接する電池セルの谷領域内に位置することを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【請求項6】
前記連結部材は、
前記第1方向に沿って互いに隣接する電池セルを並列連結し、
前記第1方向と異なる第2方向に沿って互いに隣接する電池セルを直列連結することを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【請求項7】
前記連結タブは、前記回路基板に接続される接続部をさらに含み、
前記リード部は、前記第2部分と前記接続部との間に延長されることを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【請求項8】
前記連結タブは、一体に形成された金属板を含むことを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記連結タブは、前記連結部材と一体に形成された金属板を含むことを特徴とする請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記接続部は、前記回路基板に対して直接接続されることを特徴とする請求項7に記載の電池パック。
【請求項11】
前記回路基板には、前記接続部が挟まれるための接続ホールが形成されることを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記回路基板は、前記第1方向に沿って電池セルの上方に位置することを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項13】
前記連結部材は、
前記電池セルにおいて互いに異なる第1溶接部及び第2溶接部と、
前記第1溶接部及び第2溶接部の間を横切る切開部と、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池である。二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自転車、無停電電源供給装置(uninterruptible power supply)などのエネルギー源として使用され、適用される外部機器の種類によって、単一電池の形態で使用されたり、多数の電池を連結して1つの単位にまとめたパック形態で使用されたりする。
【0003】
携帯電話のような小型モバイル機器は、単一電池の出力及び容量で、所定時間作動が可能であるが、電力消耗が多い電気自動車、ハイブリッド自動車のように、長期間駆動、高電力駆動が必要な場合には、出力及び容量の問題で、多数の電池を含むパック形態が好まれ、内蔵された電池の個数によって、出力電圧や出力電流を高めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、電池セルと回路基板との電気的な連結を媒介する連結タブの空間が縮小され、コンパクト化に有利な電池パックを含むことである。
【0005】
また、本発明が解決しようとする課題は、信号伝達パスが短縮され、低抵抗設計が適用された電池パックを含むことである。
【0006】
また、本発明が解決しようとする課題は、電池セルと回路基板との電気的な連結を媒介する連結タブの支持強度が向上する電池パックを含むことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述のような課題、及びそれ以外の課題を解決するために、本発明の電池パックは、少なくとも2以上の電池セルと、前記電池セルの充放電動作を制御するための回路基板と、前記電池セルと連結され、回路基板に向けて延長され、前記電池セルに最も近接した曲折部が電池セルの電池領域内に位置される連結タブと、を含む。
【0008】
例えば、前記連結タブは、互いに隣接する電池セルを電気的に連結する連結部材から延長され、前記電池領域は、1つの前記連結部材によって連結された多数の電池セル領域を包括する領域に該当する。
【0009】
例えば、前記連結タブは、前記電池セルを電気的に連結するための連結部材から第1方向に向けて延長される第1部分と、
【0010】
前記曲折部を介して、第1方向と異なる電池セルの長手方向に延長される第2部分と、を含む。
【0011】
例えば、前記連結タブの第1部分は、互いに隣接する電池セルの谷領域を横切って延長される。
【0012】
例えば、前記連結タブの第2部分は、互いに隣接する電池セルの谷領域内に位置する。
【0013】
例えば、前記連結部材は、前記第1方向に沿って互いに隣接する電池セルを並列連結し、前記第1方向と異なる第2方向に沿って互いに隣接する電池セルを直列連結する。
【0014】
例えば、前記連結タブは、前記回路基板に接続される接続部と、前記第2部分と接続部との間に延長されるリード部と、をさらに含む。
【0015】
例えば、前記連結タブは、一体に形成された金属板を含む。
【0016】
例えば、前記連結タブは、前記連結部材と一体に形成された金属板を含む。
【0017】
例えば、前記接続部は、前記回路基板に対して直接接続される。
【0018】
例えば、前記回路基板には、前記接続部が挟まれるための接続ホールが形成されている。
【0019】
例えば、前記リード部は、前記第1方向、及び前記第1方向と異なる第2方向を同時に追従するように斜め傾斜角度を有して斜線方向に延長される。
【0020】
例えば、前記回路基板は、前記第1方向に沿って電池セルの上方に位置する。
【0021】
例えば、前記連結部材は、前記電池セルとは互いに異なる第1溶接部及び第2溶接部と、前記第1溶接部及び第2溶接部の間を横切る切開部と、を含む。
【0022】
例えば、前記電池パックは、前記電池セルを収容するためのセルホルダをさらに含み、前記セルホルダは、内部面で電池セルを取り囲み、外部面の上に前記回路基板が配置される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電池セルと回路基板との間で電気的な連結を媒介する連結タブが占める空間を縮小させることにより、全体電池パックの構成がコンパクト化される。また、連結タブを介した信号伝達パスを短縮し、低抵抗設計が可能になる。隣接する電池セル間の無効な谷領域を活用し、連結タブが占める空間を縮小させると共に、連結タブが谷領域に配置されることにより、連結タブと、他の構成との干渉を避けることができ、外部衝撃や振動があった場合にも、連結タブが堅固に支持される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の望ましい一実施形態による電池パックの斜視図である。
図2】本発明の望ましい一実施形態による電池パックの斜視図である。
図3図1の一部に係わる斜視図である。
図4図1に図示された連結タブの斜視図である。
図5図1に図示された電池パックの側面図である。
図6図1に図示された電池パックの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照し、本発明の望ましい実施形態に係わる電池パックについて説明する。
【0026】
図1及び図2には、本発明の望ましい一実施形態による電池パックの斜視図が図示されている。図3には、図1の一部に係わる斜視図が図示されている。図4には、図1に図示された連結タブの斜視図が図示されている。そして、図5及び図6には、図1に図示された電池パックの側面図が図示されている。
【0027】
該図面を参照すれば、前記電池パックは、多数の電池セル10と、前記電池セル10を収容するためのセルホルダ100と、前記電池セル10の充放電動作を制御するための回路基板50と、を含んでもよい。
【0028】
前記電池セル10は、長手に方向に沿って、両端に互いに異なる電極が形成され、円筒状に形成される。円筒状外周面が互いに当接する隣接する電池セル10間には、凹状の谷領域(valley region)gが形成される。
【0029】
前記電池セル10は、2以上多数の電池セル10を含んでもよい。前記多数の電池セル10は、直列方式、並列方式または直並列混合方式で互いに電気的に連結される。前記多数の電池セル10は、連結部材120によって互いに電気的に連結され、例えば、互いに隣接する電池セル10の同じ極性同士を電気的に連結する連結部材120によって、並列連結されるか、あるいは互いに隣接する電池セル10の反対極性同士を電気的に連結する連結部材120によって、直列連結される。
【0030】
例えば、ある1つの連結部材120は、4個の電池セル10を電気的に連結することができるが、前記連結部材120は、第1方向Z1に、互いに隣接する電池セル10を、並列に連結しながら、第2方向Z2に互いに隣接する電池セル10を直列に連結することができる。さらに具体的には、前記連結部材120は、第1方向Z1に対をなす電池セル10の同じ極性を連結しながら、当該電池セル10を並列に連結し、第2方向Z2に対をなす電池セル10の反対極性を連結しながら、当該電池セル10を直列に連結することができる。
【0031】
前記第1方向Z1には、並列連結を形成し、第2方向Z2には、直列連結を形成することにより、並列・直列の混合連結を形成することができ、これにより、高容量高出力に電池パックの出力容量を最適化させることができる。また、1つの連結部材120を利用して、第1方向Z1には、並列連結を形成し、第2方向Z2には、直列連結を形成することにより、互いに隣接する電池セル10を連結するための連結部材120の個数を減らすことができる。
【0032】
前記電池セル10は、セルホルダ100に収容される。前記セルホルダ100は、電池セル10と整合される形態の収容空間を提供することができる。例えば、前記セルホルダ100は、第1方向Z1及び第2方向Z2に沿って配列された多数の円筒状収容空間を含んでもよい。前記セルホルダ100は、電池セル10と対向する内部面102では、電池セル10を取り囲み、外部面101では、回路基板50を支持することができる。
【0033】
前記セルホルダ100は、電池セル10の収容空間を提供する限度において、多様な形態に形成される。例えば、前記セルホルダ100は、一体にも形成され、互いに異なる部材の結合によっても形成される。例えば、前記電池セル10と回路基板50との間に介在される2つの互いに異なる部材が結合され、1つのセルホルダ100を形成することもできる。かような点において、前記セルホルダ100の外部面101とは、回路基板50を支持する支持面を意味する。
【0034】
前記電池パックは、電池セル10の充放電動作を制御するための回路基板50をさらに含んでもよい。前記回路基板50は、電池セル10の状態情報を入手し、入手された状態情報に基づいて、電池セル10の充放電動作を制御することができる。例えば、前記回路基板50は、電池セル10の温度、電圧のような状態情報を入手し、入手された状態情報に基づいて、過充電、過放電、過熱のような誤動作を捕捉し、電池セル10の充放電動作を中止するような保護措置を取ることができる。前記回路基板50は、セルホルダ100の外部面101上に配置される。前記回路基板50は、電池セル10から状態情報を入手することができ、連結タブ150を介して、電池セル10と連結される。
【0035】
前記連結タブ150は、連結部材120から、セルホルダ100の外部面101に向けて上方に延長される第1部分151と、セルホルダ100の外部面101上に配置される第2部分152と、を含み、第1部分151及び第2部分152の連結する曲折部153を含んでもよい。前記第1部分151は、連結部材120から第1方向Z1に向けて延長される。例えば、前記第1部分151は、連結部材120から互いに隣接する電池セル10の谷領域gを横切って延長される。
【0036】
前記電池セル10は、円筒状に形成され、互いに隣接する電池セル10間には、凹状の谷領域gが形成される。このとき、前記第1部分151は、互いに隣接する電池セル10間の谷領域gを横切って延長されることにより、連結タブ150が占める空間高さを最小化させることができる。
【0037】
前記第2部分152は、第1部分151から延長され、曲折部153を介して、第1方向151と異なる方向、例えば、電池セル10の長手方向に延長される。前記第1部分151が互いに隣接する電池セル10の谷領域gを横切って延長されるとき、前記第2部分152は、前記谷領域g内に位置することができる。このように、第2部分152が、隣接する電池セル10間の谷領域g内に位置することにより、例えば、外部振動や衝撃があった場合にも、連結タブ150の遊動が防止され、連結タブ150が保護される。
【0038】
前記連結タブ150の曲折部153は、電池領域S内に配置される。ここで、電池領域Sとは、電気的に連結された一群の電池セル10が占める領域を意味する。例えば、前記電池領域Sとは、連結部材120によって互いに電気的に連結された電池セル10領域を含み、第1方向Z1及び第2方向Z2に沿う正方形領域を意味する。ここで、例えば、前記連結部材120は、2x2に配列された4個の電池セル10を電気的に連結することができる。
【0039】
本発明の他の実施形態において、前記電池領域Sとは、連結部材120によって互いに電気的に連結された電池セル10領域を含み、第1方向Z2及び第2方向Z2に沿う直射角領域を意味する。ここで、例えば、前記連結部材120は、3x2に配列された6個の電池セル10を電気的に連結することができる。
【0040】
本発明の他の実施形態において、前記電池領域Sとは、連結部材120によって互いに電気的に連結された電池セル10領域を含み、平行四辺形領域を意味する。ここで、例えば、前記連結部材120は、互いに互い違いになるように、2x2に配列された電池セル10を電気的に連結することができる。
【0041】
本発明の他の実施形態において、前記電池領域Sとは、連結部材120によって互いに電気的に連結された電池セル10領域を含み、台形領域を意味する。ここで、例えば、前記連結部材120は、上部の電池セル10が、下部の電池セル10との間の谷領域に配置されるように、互いに行き違うように配置され、上部の2個の電池セル10と、下部の3個の電池セル10と、を電気的に連結することができる。
【0042】
連結タブ150の曲折部153が、電池領域S内に配置されるとき、曲折部153以前の第1部分151は、互いに隣接する電池セル10の谷領域gを横切って延長され、曲折部153以後の第2部分152は、互いに隣接する電池セル10の谷領域g内に位置することができる。それについては、追ってさらに詳細に説明する。
【0043】
前記連結タブ150は、回路基板50に直接接続される。ここで、前記連結タブ150が回路基板50に直接接続されるということは、連結タブ150と回路基板50との電気的な連結を媒介するための別途の接続部材、例えば、柔軟性を持つワイヤが介在しないということを意味する。
【0044】
前記連結タブ150は、回路基板50に直接接続される接続部155をさらに含んでもよい。前記接続部155は、回路基板50の接続ホール50’に挟まれ、接続ホール50’周辺の接続パッド(図示せず)に半田付け固定される。
【0045】
前記連結タブ150は、接続部155と第2部分152との間に延長されるリード部154をさらに含んでもよい。前記リード部154は、第2部分152から回路基板50の接続ホール50’に向けて延長される。前記リード部154の延長方向は、具体的な回路基板50の設計によって異なり、例えば、回路基板50の接続ホール50’の配置によって異なる。本発明の一実施形態において、前記リード部154は、接続ホール50’に向けて、回路基板50の一辺部方向に沿って延長される。
【0046】
前記リード部154は、第1方向Z1に沿って、電池セル10の上方に配置された回路基板50の接続ホール50’に向けて延長される。言い換えれば、前記リード部154は、回路基板50の一辺部方向に沿って延長されると同時に、回路基板50に向けて上方に延長されながら、全体的に斜め傾斜角度を有する斜線形態に延長される。
【0047】
例えば、前記回路基板50は、電池セル10の配列方向に沿って第1方向Z1に長く延長された1対の長辺部と、前記1対の長辺部間の1対の短辺部とを含むほぼ長方形状に形成される。このとき、前記リード部154は、長辺部の方向(第1方向Z1)と上方(第2方向Z2)とに追従する斜め傾斜角度方向に延長される。
【0048】
前記電池セル10は、連結部材120によって、隣接する電池セル10と互いに電気的に連結される。例えば、ある1つの連結部材120は、4個の電池セル10を電気的に連結することができるが、前記連結部材120は、第1方向Z1に、互いに隣接する電池セル10を並列に連結しながら、第2方向Z2に、互いに隣接する電池セル10を直列に連結することができる。さらに具体的には、前記連結部材120は、第1方向Z1に対をなす電池セル10の同じ極性を連結しながら、当該電池セル10を並列に連結し、第2方向Z2に対をなす電池セル10の反対極性を連結しながら、当該電池セル10を直列に連結することができる。
【0049】
第1方向Z1には、並列連結を形成し、第2方向Z2には、直列連結を形成することにより、並列・直列の混合連結を形成することができ、それにより、高容量高出力に電池パックの出力容量を最適化させることができる。また、1つの連結部材120を利用し、第1方向Z1には、並列連結を形成し、第2方向Z2には、直列連結を形成することにより、互いに隣接する電池セル10を連結するための連結部材120の個数を減らすことができる。
【0050】
前記連結タブ150の第1部分151は、並列連結方向である第1方向Z1に沿って延長される。前記連結タブ150の第1部分151は、並列連結方向または直列連結方向のうちいずれか1つの排他的な方向に延長される。すなわち、本発明の一実施形態において、前記連結タブ150の第1部分151は、並列連結方向である第1方向Z1に沿って延長されるので、直列連結方向である第2方向Z2に延長されない。
【0051】
1つの連結部材120が直列連結及び並列連結を同時に行うことにより、電池パックの出力容量を高出力高容量に最適化させることができ、1つの連結部材120を介して、直列連結及び並列連結を同時に行うことにより、連結部材120の個数を減らすことができる。このように、1つの連結部材120に対して、互いに排他的な並列連結方向及び直列連結方向が定義されるので、前記連結タブ150の第1部分151の延長方向は、並列連結方向または直列連結方向のうちいずれか1つの排他的な方向に決定される。
【0052】
前記連結タブ150のリード部154は、並列連結方向である第1方向Z1と、直列連結方向である第2方向Z2とを同時に追従する斜線方向に延長される。前記連結タブ150のリード部154は、回路基板50の接続ホール50’に向けて延長され、前述のように、1つの連結部材120に対して、互いに排他的な並列連結方向及び直列連結方向が定義されるので、前記連結タブ150の第2部分152の延長方向は、並列連結方向及び直列連結方向が混合した斜線方向に決められる。
【0053】
前記回路基板50は、電池セル10の充放電動作を制御するための回路部を形成することができる。前記回路基板50は、連結タブ150を介して、電池セル10の状態情報、例えば、電圧や温度のような電池セル10の状態情報を入手することができる。そして、入手された電池セル10の状態情報に基づいて、電池セル10の充放電動作を制御することができる。前記連結タブ150は、電池セル10と電気的及び熱的に連結され、電池セル10の電圧や温度情報を共有するので、連結タブ150を介して、電池セル10の状態情報を入手することができる。
【0054】
前記回路基板50には、前記連結タブ150との接続のための接続ホール50’が形成されている。図面に図示されていないが、前記接続ホール50’の周辺には、接続パッド(図示せず)が形成され、連結タブ150を介して伝達された状態情報は、接続パッド(図示せず)を介して、回路基板50の要求部分に伝達される。さらに具体的には、前記連結タブ150の接続部155は、前記回路基板50の接続ホール50’に直接挟まれる。そして、連結タブ150の接続部155と、接続ホール50’周辺の接続パッド(図示せず)は、互いに対して半田付けによって固定される。
【0055】
前記回路基板50は、連結タブ150によって支持される。例えば、前記回路基板50は、セルホルダ100の外部面101上に固定されるが、セルホルダ100の外部面101上に延長された連結タブ150によって支持される。例えば、セルホルダ100の外部面101上には、多数の連結タブ150が延長され、前記回路基板50は、互いに異なる接続ホール50’に挟んで固定された連結タブ150を介して、セルホルダ100の外部面101上に位置固定される。このとき、前記連結タブ150の弾性のある支持によって、前記回路基板50に加えられる衝撃や振動が減衰され、前記回路基板50は、前記連結タブ150内から斜線方向に延長されるリード部154によって、弾性的に支持される。
【0056】
前記連結部材120は、電池パックの前後において、互いに交互するパターンに配置される。例えば、電池パックの前方に配置された連結部材120が、第2方向Z2に沿って、3番目と4番目との電池セル10を連結するならば、電池パックの後ろ側に配置された連結部材120は、前記3番目と4番目との電池セル10を連結せず、例えば、2番目と3番目との電池セル10を連結することができる。このように、電池パックの前後で互いに交互する連結部材120の配置によって、多数の電池セル10が直列連結を形成することができる。
【0057】
さらに具体的には、並列連結方向である第1方向Z1に沿って、第1列と第2列との電池セル10は、互いに並列に連結され、直列連結方向である第2方向Z2に沿って、連結タブ150が交互するパターンに配列され、第2方向Z2に沿って互いに隣接する電池セル10を直列連結することができる。
【0058】
前記連結タブ150は、連結部材120から延長され、連結部材120と一体に形成される。例えば、前記連結タブ150は、連結部材120と共に一体に形成された金属板を含んでもよい。前記連結タブ150は、電池セル10の電圧情報を回路基板50に伝達することができる。例えば、前記回路基板50は、連結タブ150を介して伝達された電池セル10の電圧情報から、バランシング動作を遂行することができる。前記連結タブ150は、電池セル10の電圧情報を伝達するために十分な限度において、最小幅に形成され、ジュール熱によって切れないほどの幅に形成される。さらに具体的には、前記連結タブ150は、2mmの幅に形成される。
【0059】
前記連結タブ150は、連結部材120から、セルホルダ100の外部面101に向けて第1方向Z1に延長される第1部分151と、前記第1部分151から延長され、セルホルダ100の外部面101上に配置される第2部分152と、を含んでもよい。そして、前記連結タブ150は、第1部分151及び第2部分152の間で方向転換される曲折部153を含んでもよい。
【0060】
本明細書を通じて、前記曲折部153とは、連結タブ150の曲折された部分を意味するが、例えば、連結タブ150が多数の曲折された部分を有するとき、前記曲折部153は、電池セル10に最も近接するように曲折された部分に該当する。後述するが、前記曲折部153は、電池領域S内に位置することができる。
【0061】
図5及び図6を参照すれば、前記連結タブ150の曲折部153は、電池領域S内に配置される。ここで、電池領域Sとは、電気的に連結された一群の電池セル10が占める領域を意味する。さらに具体的には、前記電池領域Sとは、1つの連結部材120によって連結された多数の電池セル10領域を包括し、第1方向Z1及び第2方向Z2に沿う四角領域に該当する。
【0062】
前記連結タブ150の曲折部153が電池領域S内に配置されるということは、連結タブ150の曲折部153が電池領域Sから突出せず、電池領域S内部に配置されるということを意味し、その結果、電池パックのコンパクト化された構成が可能であるということを意味する。
【0063】
前記連結タブ150は、連結部材120から第1方向Z1に沿って上方に突出し、セルホルダ100の外部面101上に延長される。このとき、前記連結タブ150は、曲折部153までは、外部面101に向けて上方に突出し(第1部分151に該当)、曲折部153以後では、セルホルダ100の外部面101と平行方向に延長される(第2部分152に該当)。前記連結タブ150の曲折部153は、連結タブ150が占める空間高さに対する基準を提供することができ、曲折部153が電池領域Sを外れれば、連結タブ150が占める空間高さが増大するので、空間が大きくなり、コンパクト化された構成に不利になる。
【0064】
前記連結タブ150の曲折部153は、電池領域S内に配置される。一実施形態では、前記連結タブ150、具体的には、連結タブの第1部分151は、隣接する電池セル10の谷領域gを介して延長され、それによって、前記連結タブ150の曲折部153は、電池セル10円筒面の頂点PEと同じであるか、あるいは頂点PEより低い高さに形成される。すなわち、前記連結タブ150、具体的には、連結タブの第1部分151は、隣接する電池セル10の谷領域gを横切って延長されるので、連結タブ150の曲折部153は、電池セル10の円筒面頂点PEから突出しない低い高さに形成される。
【0065】
前記連結タブ150の曲折部153が電池領域S内に配置されるというのは、連結タブ150の第1部分151が相対的に短く形成されるということなので、連結タブ150の信号伝達パスを短縮し、低抵抗設計が可能となり、高い正確度で、電池セル10の状態情報を伝達することができるということを意味する。
【0066】
前記連結タブ150の第1部分151が、隣接する電池セル10の谷領域gを横切って延長されれば、曲折部153を経た連結タブ150の第2部分152は、隣接する電池セル10の谷領域g内に配置される。このように、連結タブ150が電池セル10の谷領域g内に配置されれば、連結タブ150の堅固な位置固定が可能である。すなわち、前記連結タブ150は、谷領域g内において、他の構成との干渉を避けることができ、外部衝撃や振動があった場合にも、堅固に支持される。
別の記載によれば、連結タブ150の第1部分151、第2部分152および曲折部153は、例えば図5に図示されるように、電池領域S、すなわち、隣接する電池セルの最も外側の側面に接し、それに沿って位置する仮想面によって定義される当該領域すなわち包絡面の内側に位置し、第1部分151、第2部分152および曲折部153は当該包絡面から外部に延在せず、周囲の電池セルによってある程度保護される。回路基板と接続するための電池セル間の空間を使用することによっても、電池パックの構成をよりコンパクト化できる。
【0067】
図6を参照すれば、前記連結部材120は、電池セル10に対して溶接結合される。例えば、前記連結部材120は、各電池セル10と互いに異なる第1溶接部P1及び第2溶接部P2を含んでもよく、前記第1溶接部P1及び第2溶接部P2の間を横切る切開部Cを含んでもよい。図面には図示されていないが、前記連結部材120と電池セル10は、互いに異なる極性を有する2つの溶接電極(図示せず)によって印加された溶接電流によって互いに溶接されながら、連結部材120上には、互いに異なる第1溶接部P1及び第2溶接部P2が形成される。このとき、前記第1溶接部P1及び第2溶接部P2の間には、切開部Cが形成される。前記切開部Cは、第1溶接部P1及び第2溶接部P2を介して印加された溶接電流が、連結部材120と電池セル10との接合面に流れないように、連結部材120の表面に沿って流れる、いわゆる、漏れ電流を遮断するためのものである。前記切開部Cは、第1溶接部P1及び第2溶接部P2の間を連結する間隔を広くさせることにより、連結部材120の表面を介して、第1溶接部P1及び第2溶接部P2が直接連結されることを防止することができる。
【0068】
本発明によれば、電池セルと回路基板との間において、電気的な連結を媒介する連結タブが占める空間を縮小させることにより、全体電池パックの構成がコンパクト化される。また、連結タブを介した信号伝達パスを短縮し、低抵抗設計が可能になる。隣接する電池セル間の無効な谷領域を活用し、連結タブが占める空間を縮小させると共に、連結タブが谷領域に配置されることにより、連結タブと異なる構成間の干渉を避けることができ、外部衝撃や振動があった場合にも、連結タブが堅固に支持される。
【0069】
本発明は、添付された図面に図示された実施形態を参照して説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。従って、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の電池パックは、例えば、バッテリ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 電池セル
50 回路基板
50’ 接続ホール
100 セルホルダ
101 セルホルダの外部面
102 セルホルダの内部面
120 連結部材
150 連結タブ
151 連結タブの第1部分
152 連結タブの第2部分
153 連結タブの曲折部
154 連結タブのリード部
155 連結タブの接続部
g 谷領域
C 切開部
S 電池領域
P1 第1溶接部
P2 第2溶接部
PE 頂点
図1
図2
図3
図4
図5
図6