(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】位置決めシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 43/08 20060101AFI20221129BHJP
B65G 21/20 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B65G43/08 D
B65G21/20 A
(21)【出願番号】P 2018206744
(22)【出願日】2018-11-01
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関家 一馬
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-116018(JP,U)
【文献】特開昭56-023115(JP,A)
【文献】特開昭61-222626(JP,A)
【文献】特開2011-136801(JP,A)
【文献】特開平06-107313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/08
B65G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアを流れる物品に作用して所定の位置に物品を位置付けるための複数の位置決めユニットと、複数の該位置決めユニットに信号を送信して制御するコントロールユニットと、を備える位置決めシステムであって、
該位置決めユニットは、該物品に作用する作用部を移動させる駆動部と、該コントロールユニットからの信号を受けて該駆動部を制御し該作用部を指定した位置に位置付ける受信制御部と、該駆動部を直接操作して該作用部の位置を微調整する操作部が設けら
れ、
該コントロールユニットは、該作用部を位置付ける指定の位置を予め登録する位置登録部を備え、
該位置決めユニットは、該コントロールユニットの該位置登録部に登録するために現在の該作用部の位置を送信する位置信号送信部を備え
る位置決めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアで製品を流しながら製品を加工したり分別するためなどに、コンベアの所定の位置に製品を押したりして、コンベアの所定位置に製品を位置付ける位置決めユニットが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1に示された位置決めユニットは、時に広大な工場の中に複数の装置が置かれるため、複数の位置決めユニットを1つのコンピュータ等によって遠隔操作し、操作する方法が考案された。これにより、離れた位置に設置された位置決めユニットを容易に設定出来るという効果があるが、実際の工程では、微妙な調整が随時必要になるため、微調整するためにコンピュータを使って遠隔操作するという不都合が生じる。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、位置決めユニットの微調整の困難さを抑制することができる位置決めシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の位置決めシステムは、コンベアを流れる物品に作用して所定の位置に物品を位置付けるための複数の位置決めユニットと、複数の該位置決めユニットに信号を送信して制御するコントロールユニットと、を備える位置決めシステムであって、該位置決めユニットは、該物品に作用する作用部を移動させる駆動部と、該コントロールユニットからの信号を受けて該駆動部を制御し該作用部を指定した位置に位置付ける受信制御部と、該駆動部を直接操作して該作用部の位置を微調整する操作部が設けられ、該コントロールユニットは、該作用部を位置付ける指定の位置を予め登録する位置登録部を備え、該位置決めユニットは、該コントロールユニットの該位置登録部に登録するために現在の該作用部の位置を送信する位置信号送信部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、位置決めユニットの微調整の困難さを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る位置決めシステムの概略の構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された位置決めシステムの位置決めユニットの概略の構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示された位置決めユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示された位置決めシステムのコントロールユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された位置決めシステムの各位置決めユニット10の作用部11の位置を設定する方法を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0011】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る位置決めシステムを図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る位置決めシステムの概略の構成を示す平面図である。
図2は、
図1に示された位置決めシステムの位置決めユニットの概略の構成を示す平面図である。
図3は、
図2に示された位置決めユニットの構成を示す機能ブロック図である。
図4は、
図1に示された位置決めシステムのコントロールユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【0012】
実施形態1に係る
図1に示す位置決めシステム1は、各種の工場などの生産現場等に設置されるコンベア2に設けられ、コンベア2に設置された各種の作業ユニット3に対して適切な位置に物品4を位置決めするシステムである。コンベア2は、図示しない駆動ローラと、従動ローラと、駆動ローラ及び従動ローラの周りを旋回走行する環状の無端ベルト5とを備える。
【0013】
実施形態1では、コンベア2は、上面に物品4が載置された無端ベルト5を旋回走行させることにより、物品4を無端ベルト5の長手方向に沿って移動させる。なお、本明細書は、コンベア2の物品4の移動方向及び無端ベルト5の長手方向をX軸方向と記し、X軸方向に直交しかつコンベア2の幅方向をY軸方向と記す。なお、実施形態では、コンベア2は、直線であるX軸方向に沿って物品4を移動させるが、本発明では、曲線上に物品4を移動させても良い。この場合、無端ベルト5は、曲線に沿って配置される。
【0014】
また、位置決めシステム1は、作業ユニット3をX軸方向に間隔をあけて配置している。各作業ユニット3は、無端ベルト5に対するY軸方向の位置が予め定められた適切な位置に位置決めされた物品4に各種の作業を行うものである。なお、各作業ユニット3の物品4の無端ベルト5に対するY軸方向の適切な位置は、互いに同じでも良く、異なっても良い。
【0015】
実施形態1において、作業ユニット3として、物品4に所定のラベル6を貼着するラベリング装置3-1と、ラベル6に付されたバーコード7を読み取るバーコード読み取り装置3-2とが設けられているが、本発明では、作業ユニット3は、ラベリング装置3-1及びバーコード読み取り装置3-2に限定されない。また、ラベリング装置3-1が物品4に貼着するラベル6は、紙又は合成樹脂により構成された台紙と、台紙上に印刷されたバーコード7とを備えるが、本発明では、これらの構成に限定されない。また、実施形態1において、バーコード7は、物品4の品番や製造番号等を示すが、本発明では、バーコード7が示す情報は、これらに限定されない。
【0016】
実施形態1において用いられるラベリング装置3-1は、ラベリング装置3-1よりもX軸方向の上流側の位置決めユニット10により無端ベルト5に対するY軸方向の位置が適切な位置に位置決め決めされた物品4にラベル6を貼着する。また、実施形態1において用いられるバーコード読み取り装置3-2は、バーコード読み取り装置3-2よりもX軸方向の上流側の位置決めユニット10により無端ベルト5に対するY軸方向の位置が適切な位置に位置決めされた物品4に貼着されたラベル6のバーコード7を読み取る。
【0017】
実施形態1に係る位置決めシステム1は、
図1に示すように、複数の位置決めユニット10と、コントロールユニット100とを備える。
【0018】
位置決めユニット10は、実施形態1では、3つ設けられているが、本発明において、位置決めシステム1が備える位置決めユニット10の数は、3つに限定されない。位置決めユニット10は、コンベア2を流れる物品4に作用して、所定の位置に物品4を位置付けるものである。なお、所定の位置とは、位置決めユニット10よりもX軸方向の下流側の隣の作業ユニット3の作業に適する予め定められた位置である。位置決めユニット10は、それぞれ、X軸方向に沿って作業ユニット3の隣に配置されている。実施形態1において、位置決めユニット10は、作用部11をコンベア2により移動される物品4に接触させて、無端ベルト5に対する物品4を所定の位置に位置付けるものである。
【0019】
位置決めユニット10は、
図2に示すように、筐体20と、筐体20から凸没自在に設けられた作用部11と、操作部30とを備えている。筐体20は、位置決めユニット10の外殻を構成し、コンベア2の無端ベルト5のY軸方向の端に設けられている。なお、複数の位置決めユニット10のうちの一部の筐体20は、コンベア2の無端ベルト5のY軸方向の一端に設けられ、他の筐体20は、コンベア2の無端ベルト5のY軸方向の他端に設けられるのが望ましい。各位置決めユニット10の筐体20が、コンベア2の無端ベルト5のY軸方向の一端又は他端に設けられるかは、作業ユニット3の作業に適する物品4のY軸方向の予め定められた位置に応じて定められる。
【0020】
作用部11は、筐体20からY軸方向に沿って移動自在に設けられ、表面にコンベア2により移動される物品4を接触させることにより、物品4のコンベア2に対するY軸方向の位置を所定の位置に位置付ける。作用部11は、筐体20からの突出量が適宜変更されることにより物品4のコンベア2に対するY軸方向の位置が変更可能である。なお、実施形態1では、作用部11は、筐体20からY軸方向に沿って移動自在に設けられているが、本発明では、作用部11の移動方向は、X軸方向に交差していれば良く、Y軸方向に限定されることがない。また、実施形態1では、作用部11は、X軸方向と平行な板状の平行板部12と、平行板部12のX軸方向の両端に設けられた板状の傾斜板部13とを備える、傾斜板部13は、平行板部12から離れるのにしたがって徐々に筐体20に近付く方向にX軸方向とY軸方向との双方に対して交差している。実施形態1では、作用部11は、平行板部12と傾斜板部13とを備えるが、本発明では、実施形態1の構成に限定されない。
【0021】
また、位置決めユニット10は、
図3に示すように、駆動部40と、検出部50と、位置決めユニット10を構成する各構成要素をそれぞれ制御する制御部60と、コントロールユニット100と通信することにより信号を送受信する送受信部70とを備える。駆動部40、検出部50、制御部60及び送受信部70は、筐体20内に収容されている。
【0022】
駆動部40は、物品4に作用する作用部11をY軸方向に移動させるものである。実施形態1では、駆動部40は、出力軸を軸心回りに回転させる周知のパルスモータ及びパルスモータにより回転されることで作用部11をY軸方向に移動させる周知のボールねじ等により構成されるが、本発明では、駆動部40の構成はこれらに限定されない。検出部50は、作用部11の先端即ち平行板部12の表面14のY軸方向の位置に応じた信号を検出し、Y軸方向の位置に応じた信号を制御部60に出力する。検出部50は、例えば、エンコーダ、ポテンショメータ又はリニアセンサ等により構成される。
【0023】
操作部30は、実施形態1では、筐体20上に設置され、駆動部40の直接操作して作用部11の平行板部12の表面のY軸方向の位置を微調整するものである。操作部30は、
図2及び
図3に示すように、前進スイッチ31と、後進スイッチ32と、位置登録用スイッチ33とを備えている。
【0024】
前進スイッチ31は、位置決めシステム1のオペレータにより操作されることで、制御部60に作用部11をY軸方向に沿って筐体20から離れる方向に移動させるための信号を出力する。作用部11をY軸方向に沿って筐体20から離れる方向に移動させるための信号を受信した制御部60は、受信した信号に応じて駆動部40を制御して、作用部11を筐体20から離れる方向に移動させる。後進スイッチ32は、位置決めシステム1のオペレータにより操作されることで、制御部60に作用部11をY軸方向に沿って筐体20に近付く方向に移動させるための信号を出力する。作用部11をY軸方向に沿って筐体20に近付く方向に移動させるための信号を受信した制御部60は、受信した信号において、受信した信号に応じて駆動部40を制御して、作用部11を筐体20から離れる方向に移動させる。このように、操作部30は、前述した信号を制御部60に出力することにより、駆動部40を操作して作用部11の位置を調整する。
【0025】
位置登録用スイッチ33は、位置決めシステム1のオペレータにより操作されることで、制御部60に作用部11の現在の位置を示す信号をコントロールユニット100に送信させるための信号を出力する。なお、実施形態1において、作用部11の現在の位置は、検出部50が検出した作用部11の最新の位置である。作用部11の現在の位置を示す信号をコントロールユニット100に送信させるための信号を受信した制御部60は、検出部50が検出した現在の作用部11の平行板部12の表面14のY軸方向の位置を示す信号を送受信部70を介してコントロールユニット100に送信する。
【0026】
送受信部70は、
図2に示すアンテナ73等を介してコントロールユニット100から送信された信号を受信する受信部71と、アンテナ73等を介してコントロールユニット100に信号を送信する送信部72とを備えている。
【0027】
制御部60は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有し、コンピュータプログラムを実行可能なコンピュータである。
【0028】
制御部60の演算処理装置は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムをRAM上で実行して、位置決めユニット10の各構成要素を制御するための制御信号を生成する。制御部60の演算処理装置は、生成した制御信号を入出力インターフェース装置を介して位置決めユニット10の各構成要素に出力する。
【0029】
次に、本明細書は、コントロールユニット100を説明する。コントロールユニット100は、複数の位置決めユニット10に信号を送信して、複数の位置決めユニット10それぞれを制御するものである。実施形態1では、コントロールユニット100は、位置決めシステム1に一つのみ設けられているが、本発明では、位置決めシステム1がコントロールユニット100を複数備えて、各コントロールユニット100が、予め設定された1つ以上の位置決めユニット10を制御しても良い。また、実施形態1では、コントロールユニット100は、一つの位置決めユニット10と有線101により通信可能に接続しており、他の位置決めユニット10と無線102により通信可能に接続している。また、本発明では、コントロールユニット100は、全ての位置決めユニット10と無線102により通信可能に接続しても良い。
【0030】
コントロールユニット100は、
図4に示すように、筐体110と、送受信部120と、信号入出力部130と、制御部140と、入力部150と、表示部160とを備える。筐体110は、コントロールユニット100の外殻を構成し、送受信部120と、信号入出力部130と、制御部140とを収容している。
【0031】
送受信部120は、複数の位置決めユニット10それぞれと通信して信号を送受信するものである。送受信部120は、図示しないアンテナ等を介して各位置決めユニット10から送信された信号を受信する受信部121と、アンテナ等を介して各位置決めユニット10に信号を送信する送信部122とを備えている。
【0032】
信号入出力部130は、送受信部120と制御部60とを接続し、送受信部120から受信した信号を制御部60に送信し、制御部60から受信した信号を送受信部120に送信する。信号入出力部130は、周知のインターフェース装置により構成される。
【0033】
制御部140は、コントロールユニット100及び複数の位置決めユニット10を構成する上述した各構成要素をそれぞれ制御するものである。制御部140は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置とを有し、コンピュータプログラムを実行可能なコンピュータである。
【0034】
制御部140の演算処理装置は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムをRAM上で実行して、コントロールユニット100及び複数の位置決めユニット10を制御するための制御信号を生成する。制御部140の演算処理装置は、生成した制御信号を信号入出力部130を介してコントロールユニット100及び複数の位置決めユニット10の各構成要素に出力する。また、制御部140は、オペレータが各位置決めユニット10の作用部11の位置付ける指定の初期位置を予め登録する際に用いる入力部150と、各位置決めユニット10の作用部11の現在の位置等を表示する液晶表示装置などにより構成される表示部160とに接続されている。入力部150は、表示部160に設けられたタッチパネルと、キーボード等とのうち少なくとも一つにより構成される。
【0035】
次に、本明細書は、位置決めシステム1の各位置決めユニット10の作用部11の位置を設定する方法の一例を説明する。
図5は、
図1に示された位置決めシステムの各位置決めユニット10の作用部11の位置を設定する方法を示すシーケンス図である。
【0036】
実施形態1に係る位置決めシステム1の各位置決めユニット10の作用部11の位置を設定する際には、先ず、オペレータは、各作業ユニット3の物品4の無端ベルト5に対するY軸方向の適切な位置に基づいて、各位置決めユニット10の作用部11の位置付ける指定のY軸方向の初期位置を定める。その後、オペレータは、入力部150を操作して、各位置決めユニット10の作用部11の位置付ける指定のY軸方向の初期位置をコントロールユニット100の制御部140に入力する。
【0037】
コントロールユニット100の制御部140は、各位置決めユニット10の作用部11の位置付ける指定のY軸方向の初期位置を受け付けると、各位置決めユニット10の作用部11の位置付ける指定のY軸方向の初期位置を記憶装置に記憶(登録)する(ステップST1)。こうして、コントロールユニット100の制御部140は、作用部11を位置付ける指定の初期位置を予め登録する位置登録部の機能を実現する。即ち、位置登録部の機能は、コントロールユニット100の制御部140の演算処理装置が、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行し、指定の初期位置を記憶装置に記憶することにより実現される。
【0038】
コントロールユニット100の制御部140は、記憶装置に記憶した各位置決めユニット10の作用部11の位置付ける指定の初期位置を示す信号を送受信部120の送信部122等を介して各位置決めユニット10の送受信部70の受信部71に送信する(ステップST2)。各位置決めユニット10の制御部60は、コントロールユニット100からの信号を送受信部70の受信部71等を介して受けて、受信した信号に基づいて、作用部11を位置付ける指定の初期位置を記憶装置に記憶(登録)する(ステップST3)。各位置決めユニット10の制御部60は、駆動部40を制御して、作用部11を記憶装置に記憶した指定の初期位置に作用部11を位置付ける(ステップST4)。このように、位置決めシステム1は、複数の位置決めユニット10の作用部11の位置をコントロールユニット100から遠隔操作することができる。
【0039】
そして、オペレータが、各位置決めユニット10の操作部30の前進スイッチ31と後進スイッチ32とのうち少なくとも一方を操作して、各位置決めユニット10の制御部60が、操作部30からの信号を受け付け、駆動部40を制御して受け付けた操作部30からの信号通りの位置に作用部11を位置付けて、作用部11の位置を微調整する(ステップST5)。その後、オペレータが、操作部30の位置登録用スイッチ33を操作して、作用部11の位置を設定すると、各位置決めユニット10の制御部60が、位置登録用スイッチ33が操作されたことを示す信号を受け付け、検出部50の検出結果に基づいて、作用部11の微調整後の現在の位置を記憶装置に記憶(登録)し、送受信部70の送信部72等を介してコントロールユニット100に現在の作用部11の位置を示す信号を送信する(ステップST6)。
【0040】
コントロールユニット100の制御部140は、送受信部120の受信部121を介して各位置決めユニット10からの信号を受信し、各位置決めユニット10の現在の作用部11の位置を示す信号を記憶装置に記憶(登録)するとともに、表示部160に表示する(ステップST7)。こうして、各位置決めユニット10の制御部60は、コントロールユニット100の制御部140に登録するために、現在の作用部11の位置を示す信号を送信する位置情報送信部の機能を実現する。即ち、位置情報送信部の機能は、各位置決めユニット10の制御部60の演算処理装置が、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0041】
本実施形態では、操作部30の位置登録用スイッチ33を操作して、作用部11の位置を設定しているが、本発明では、位置登録用スイッチ33を2度押ししたり長押ししたりしても良く、専用のボタンを設けても良い。また、本実施形態では、コントロールユニット100の制御部140は、送受信部120の受信部121を介して各位置決めユニット10から受信した各位置決めユニット10の作用部11の現在の位置を示す信号を位置登録部に上書きする。
【0042】
前述したように、位置決めシステム1は、各位置決めユニット10の作用部11の位置が設定される。その後、コンベア2は、物品4が載置された無端ベルト5をX軸方向に移動させて、各作業ユニット3が物品4に各種の作業を実施する。
【0043】
実施形態1に係る位置決めシステム1は、複数の位置決めユニット10の作用部11の位置をコントロールユニット100から遠隔操作をできる上に、各位置決めユニット10の作用部11の位置を各位置決めユニット10に設けられた操作部30を操作してその場で微調整できる。その結果、実施形態1に係る位置決めシステム1は、僅かな作用部11の位置の微調整が必要な生産現場等でも効率的に各位置決めユニット10の作用部11の位置を効率的に微調整することができ、位置決めユニット10の作用部11の位置の微調整の困難さを抑制することができるという効果を奏する。
【0044】
また、位置決めシステム1は、各位置決めユニット10が位置登録用スイッチ33を備えて、位置登録用スイッチ33が操作されると現在の作用部11の位置を示す信号をコントロールユニット100に送信し、コントロールユニット100の制御部140が受信した現在の作用部11の位置を記憶する。その結果、位置決めシステム1は、現物に即した微調整された作用部11の位置を簡単にコントロールユニット100に登録できるという効果もある。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 位置決めシステム
2 コンベア
4 物品
10 位置決めユニット
11 作用部
30 操作部
40 駆動部
60 制御部(受信制御部、位置信号送信部)
100 コントロールユニット
140 制御部(位置登録部)