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特許7184876核形成剤、これを製造する方法、および関連するポリマー組成物
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  • 特許-核形成剤、これを製造する方法、および関連するポリマー組成物 図1
  • 特許-核形成剤、これを製造する方法、および関連するポリマー組成物 図2a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-28
(45)【発行日】2022-12-06
(54)【発明の名称】核形成剤、これを製造する方法、および関連するポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 69/30 20060101AFI20221129BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20221129BHJP
   C08K 5/103 20060101ALI20221129BHJP
   C08L 23/12 20060101ALI20221129BHJP
   C07F 3/06 20060101ALN20221129BHJP
【FI】
C07C69/30
C08L101/00
C08K5/103
C08L23/12
C07F3/06
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020512079
(86)(22)【出願日】2018-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2018061201
(87)【国際公開番号】W WO2018202707
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】2017901604
(32)【優先日】2017-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】519392845
【氏名又は名称】マイクロナイサーズ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Micronisers Pty. Ltd.
【住所又は居所原語表記】6-8 England Street, Dandenong, VIC 3175, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴィドゥラ ナリン ジャヤラトゥネ
(72)【発明者】
【氏名】テレンス ウィリアム ターニー
(72)【発明者】
【氏名】マリー ホートン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ダボー
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0222444(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105906473(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
均コヒーレンスドメイン長に基づく晶子径が、粉末X線回折でシェラーの式により求めたところ、<100>方向(<100>晶帯軸に沿ったサイズ)で30nm未満、<011>方向(<100>晶帯軸に沿ったサイズ)で60nm未満であり、<100>/<011>コヒーレントドメイン長で計算されるアスペクト比が、0.65未満、好ましくは0.56未満である、修飾剤で修飾された亜鉛モノグリセロレートの晶子のアグロメレート
【請求項2】
前記修飾剤がグリセロールカルボキシレートエステルである、請求項1に記載のアグロメレート
【請求項3】
前記グリセロールカルボキシレートエステルが、グリセロールの飽和脂肪酸エステルである、請求項2にアグロメレート
【請求項4】
前記グリセロールカルボキシレートエステルがモノステアリン酸グリセロールである、請求項3に記載のアグロメレート
【請求項5】
前記修飾剤の量が、前記亜鉛モノグリセロレートに対して、1.0~5.0mol%である、請求項1~4のいずれかに記載のアグロメレート
【請求項6】
1.0~5.0mol%のグリセロールカルボキシレートエステルを含有する、請求項1に記載のアグロメレート
【請求項7】
鉛化合物と、グリセロールおよび修飾剤とを酸触媒の存在下で反応させる工程を含む、請求項1記載のアグロメレートを製造する方法であって、
- 前記亜鉛化合物が、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛カルボン酸塩およびこれらの組み合わせから成る群より選択され、または/および
- 前記反応が、反応組成物の総重量を基準として、10重量%未満の水の存在下で実施される、
方法。
【請求項8】
前記修飾剤がグリセロールカルボキシレートエステルである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記グリセロールの量が、前記亜鉛化合物に対して、90~110mol%である、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記修飾剤の量が、前記亜鉛化合物に対して、1.0~5.0mol%である、請求項7~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記酸触媒の量が、前記亜鉛化合物に対して、0.2~5mol%である、請求項7~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
有機ポリマーと、請求項1~6のいずれかに記載のアグロメレートとを含む組成物。
【請求項13】
前記有機ポリマーが、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリアミド、それらのコポリマー、ならびにアクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンのうち1種以上の互いのコポリマー、またはアクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンのうち1種以上と別のコモノマーとのコポリマーから成る群より選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記アグロメレートが、前記有機ポリマーの重量に対して、0.001%~20%、好ましくは0.005%~5%の量で存在する、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
前記有機ポリマーがポリオレフィンであり、前記ポリオレフィン中の所定の充填水準での前記アグロメレートにより、<100>方向で30nm超または<011>方向で60nm超の晶子径を有するか、または<100>/<011>コヒーレントドメイン長で計算して0.65よりも大きいアスペクト比を有する同じ充填水準の亜鉛モノグリセロレートで達成されるよりも、前記ポリオレフィンの結晶化温度が高くなる、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
前記有機ポリマーがイソタクチックポリプロピレンであり、前記イソタクチックポリプロピレン中の所定の充填水準の前記アグロメレートにより、140℃で50%のポリマー結晶化を達成するための時間(t1/2)が、<100>方向で少なくとも30nm超または<011>方向で60nm超の晶子径を有するか、または<100>/<011>コヒーレントドメイン長で計算して0.65よりも大きいアスペクト比を有する同じ充填水準の亜鉛モノグリセロレートで達成されるより少なくとも40%少なくなる、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
有機ポリマーの結晶化温度または機械特性、好ましくはヤング率または降伏強度を上昇させるための、請求項1~6のいずれかに記載のアグロメレートの使用。
【請求項18】
有機ポリマー中での核形成剤としての、請求項1~6のいずれかに記載のアグロメレートの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核形成剤、これを製造する方法、および核形成剤を含有するポリマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形によるポリオレフィンの工業プロセスにおいて、ポリマー結晶化度の度合いは通常、適切な水準の核形成剤を使用することにより制御される。これらの核形成剤は、ポリマーの結晶化温度(Tc)を上昇させ、結晶化速度を向上させ、結果的に物品の射出についての各サイクルを完了するのにかかる時間(すなわちサイクル時間)を減少させ、これにより射出成形設備の生産高を増加させることで、ポリマーに利益をもたらす。核形成剤により、得られる結晶化度がより高くなり、ポリマー本体の機械特性を改善することもできる。
【0003】
ますます重要となってくる特徴は、充填量が少ない場合での効果である。ポリマー生成物においては、コストの検討が重要である。ポリマー1kgあたりに必要な核形成剤のコストが、関連する結晶化温度の上昇またはサイクル時間の減少から得られるコスト削減量よりも高くなると、核形成剤の効率にかかわらず、核形成剤は商業的に成功を収めることはないだろう。よって、より多い充填量で同じ効率を有する代替物に対して、少ない充填量で高い効率を有する新たなまたは修飾された核形成剤を常に探求することは重要である。
【0004】
ポリオレフィン製造において記載または使用されてきた核形成剤としては、ソルビトール系化合物、環式ジカルボキサミド、例えばN,N’-ジシクロヘキシル-2,6-ナフタレンジカルボキサミド、環状ジカルボン酸塩、芳香族複素環式リン酸塩、マロン酸カルシウムおよび二価金属プロパントリオレート、例えば亜鉛モノグリセロレートが挙げられる。
【0005】
亜鉛モノグリセロレート(ZMG)は、少ない充填量(例えば500~1000ppm)で非常に良好な効率を有する、商業的なポリオレフィン製造における既存の高性能な核形成剤である。亜鉛モノグリセロレートは、Taylor等により、最初に合成、同定および記載された(Radoslovich,E.W.、Raupach,M.R.、Slade,P.G.&Taylor,R.M.(1970)、Crystalline cobalt, zinc, manganese, and iron alkoxides of glycerol、Australian Journal of Chemistry, 23(10)、1963~1971;Hambley,T.W.&Snow,M.R.(1983)、The crystal and molecular structure of zinc(II) monoglycerolate、Australian Journal of Chemistry、36(6)、1249~1253;およびSlade,P.G.、Radoslovich,E.W.&Raupach,M.(1971)、Crystal and molecular structure of cobalt(II) monoglycerolate. Acta Crystallographica Section B:Structural Crystallography and Crystal Chemistry、27(12)、2432~2436参照)。現在市販されているZMGは、発明者にちなみBosと命名された米国特許第5,475,123号明細書(1995)に記載の方法に基づき製造され、これを以下で「未修飾ZMG」と称する。ZMGの第二の形態は、同様に発明者にちなみBosと命名された特許文献の米国特許第7,074,949号明細書(2006)からも公知である。2006年の特許の方法では、亜鉛モノグリセロレートは、水亜鉛土(Zn(CO(OH))から直接的または間接的に合成される。したがって、この材料を以下で「水亜鉛土ZMG」と称する。
【0006】
しかしながら、時が経つにつれて、ポリマー製造におけるコストに対する圧力が高まっており、必要な充填水準での薬剤のコストと、その充填水準で薬剤を含有するポリマー生成物を製造する間に得られるコスト削減量との間のさらにより好ましいバランスを取る新たなまたは修飾された核形成剤を開発することには、利点があるだろう。
【0007】
少ない充填量で核形成効果が改善された新たなまたは修飾された核形成剤、この核形成剤を含有するポリマー組成物、およびこの核形成剤を製造する関連した方法を提供することが本発明の対象である。
【0008】
発明の概要
今では、特に未修飾亜鉛モノグリセロレートに比べて改善された核形成効果をもたらす修飾された形態の亜鉛モノグリセロレートを生成することができると分かった。以降、新たな形態の亜鉛モノグリセロレートは、「GMS-ZMG」(主に使用されるモノステアリン酸グリセロール(GMS)修飾剤から命名)と称し、2倍より多い量の未修飾亜鉛モノグリセロレートで達成されるよりも良好な核形成効果をもたらす。我々は、新たな製造方法を使用してこの生成物(GMS-ZMG)を生成する。
【0009】
一実施形態によると、晶子のアグロメレートの形態にある亜鉛モノグリセロレートが生成され、ここで、平均コヒーレンスドメイン長に基づく晶子径が、粉末X線回折でシェラーの式により求めたところ、<100>方向(すなわち<100>晶帯軸に沿う;以降、しばしば<100>方向と称する)で30nm以下であり、<011>方向で60nm以下である。また、生成物は、アスペクト比(<100>/<011>コヒーレントドメイン長として測定または計算)が、0.65未満、例えば0.60未満、または0.56未満であることが適切である。好ましい実施形態におけるアスペクト比は、0.44未満である。
【0010】
本明細書に記載の方法を通して、出願人は、極めて小さな晶子のアグロメレートを形成する組み込み型の修飾剤(例えばGMS-ZMG)を含有する形態の亜鉛モノグリセロレートを生成した。アグロメレートは、複数の晶子を含み、結果的に、個別の晶子よりも著しく大きい。
【0011】
出願人は、亜鉛モノグリセロレートを修飾して、結晶化温度を上昇させることおよび/またはポリマーの結晶化を完了させる期間を速めることにより結晶化の効率を改善する手法について相当な研究を実施した。
【0012】
出願人は、亜鉛モノグリセロレートの晶子径を低減する様々な試みを行った長年の努力の末、この結果を達成した。
【0013】
今や出願人は、修飾剤を使用し、亜鉛モノグリセロレートの製造条件を制御することにより、小さな結晶サイズの亜鉛モノグリセロレートを達成することに成功した。従来技術に比べて重要な革新は、(米国特許第7,074,949号明細書に記載の)水亜鉛土に比べて、容易に市販で入手可能かつ比較的安価な「間接的方法またはフランス法(French process)」での酸化亜鉛(例えばUmicore Zinc Chemicalsから入手可能)を出発点として使用できる点である。酸化亜鉛製造のための「間接的方法またはフランス法」の説明については、Moezzi,A.、McDonagh,A.M.,&Cortie,M.B.(2012)、Zinc oxide particles:Synthesis, properties and applications、Chemical Engineering Journal、185、1~22を参照されたい。修飾剤は、亜鉛モノグリセロレートの基本的な化学構造を変化させない。
【0014】
一実施形態によると、水亜鉛土とは異なる亜鉛化合物(すなわち、これは水亜鉛土以外の亜鉛化合物であり、水亜鉛土に由来しない)と、グリセロールおよび修飾剤とを酸触媒の存在下で反応させる工程を含む、亜鉛モノグリセロレートを製造する方法であって、
- 亜鉛化合物が、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛カルボン酸塩およびこれらの組み合わせから成る群より選択され、または/および
- 反応が、反応組成物の総重量を基準として、10重量%未満の水の存在下で実施される
方法が提供される。
【0015】
好ましい実施形態において、どちらの条件も本方法で使用される。
【0016】
本願には、酸触媒および修飾剤の存在下で酸化亜鉛およびグリセロールから亜鉛モノグリセロレートを生成し、生成物の晶子およびアグロメレートのサイズを制御する好ましい温度条件も記載されている。
【0017】
詳述されている上記の修飾された形態で亜鉛モノグリセロレートを生成することにより、出願人は、ポリマー組成物が少ない充填量の亜鉛モノグリセロレートで比較的高い結晶化温度を有する、亜鉛モノグリセロレート(核形成剤)(GMS-ZMG)を含有するポリマー組成物を生成することができた。
【0018】
したがって、さらなる実施形態によると、上記の有機ポリマーおよび亜鉛モノグリセロレートを含む組成物が提供される。亜鉛グリセロレートは、ポリマー組成物の0.01重量%~20重量%の量で存在していてもよい。
【0019】
別の実施形態によると、有機ポリマーと、亜鉛モノグリセロレートを含む核形成剤とを含む組成物であって、亜鉛モノグリセロレートが、粉末X線回折でシェラーの式により求めたところ、<100>方向で30nm以下、<011>方向で60nm以下の平均コヒーレンスドメイン長に基づく晶子径を有し、上記のコヒーレントドメイン長の比(これはアスペクト比と称することもある)が、0.65未満、例えば0.60未満、または0.56未満、好ましくは0.44未満である組成物が提供される。アスペクト比がこの範囲内にあることは、亜鉛グリセロール小板のスタック高が、そのシート長よりも小さいことを示す。
【0020】
本願により、核形成剤としての上記のタイプの亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)の使用が実現される。有機ポリマーの結晶化温度を改善(上昇)するための上記のタイプの亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)の使用も実現される。これは、少ない充填量、例えば400ppm以下で有機ポリマーの結晶化温度を上昇させる場合であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態による修飾亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)のXRDパターンを示す。未修飾ZMGのXRDパターンも示される。X軸は2θ(度)を示し、Y軸はカウント(ピーク強度)を示す。2θ=10.9°でのピークは、亜鉛モノグリセロレートの(100)ピークである。どちらのXRDパターンも、(100)ピークが同じ強度を有するように正規化した。GMS-ZMGの(100)ピークは未修飾ZMGの場合よりも広く、すなわちGMS-ZMG晶子はより小さい。
図2a】本発明の実施形態の未修飾ZMGのSEM画像(図2a)を示す。該画像におけるスケールバーは、1μmである。
図2b】修飾ZMGのSEM画像(図2b)を示す。該画像におけるスケールバーは、1μmである。
図3a】修飾亜鉛モノグリセロレートについてのさらなるSEM画像である。該画像におけるスケールバーは、100nmである。
図3b】修飾亜鉛モノグリセロレートについてのさらなるSEM画像である。該画像におけるスケールバーは、100nmである。
図4】修飾亜鉛モノグリセロレートについてのさらなるSEM画像である。各画像におけるスケールバーは、100nmである。
図5】水亜鉛土-ZMGのXRDパターン(比較例1)を、GMS-ZMGのXRDプロット(例1)と比較して示す。X軸は2θ軸(度)であり、Y軸はカウントである。2θ=10.9°での線は(100)ピークであり、2つのXRDパターンは、(100)ピーク強度が同じになるように正規化した。GMS-ZMGの(100)ピークは、水亜鉛土-ZMGの場合よりも広く、すなわちGMS-ZMG晶子はより小さい。
【0022】
詳細な説明
本発明の特定の実施形態に記載の亜鉛モノグリセロレート、製造方法、ポリマー組成物、および使用を以下に記載する。
【0023】
修飾亜鉛モノグリセロレートを製造する方法の詳細について概説する前に、修飾亜鉛モノグリセロレートの注目すべき特徴について説明する。修飾亜鉛モノグリセロレートは核形成剤として有用である。よって、亜鉛モノグリセロレートについての言及は、「核形成剤」と同じように使用可能である。
【0024】
亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)は、少なくとも90重量%の亜鉛モノグリセロレート(化学的な化合物)であることが好ましい。修飾剤は、亜鉛モノグリセロレート含量の5mol%以下であることが好ましい。修飾剤は、単に修飾剤と予め用意した未修飾亜鉛モノグリセロレートとの混合物とならないように組み込まれる。修飾剤は、亜鉛モノグリセロレートの製造の間に添加される。修飾された材料は、結晶構造的にZMGであると判明した(X線回折での証明)。好ましい実施形態において、修飾剤であるモノステアリン酸グリセロールは、合計GMS-ZMG質量の5.47重量%で使用された。
【0025】
修飾剤は、製造の間に亜鉛モノグリセロレートの晶子径を変えることができる薬剤である。そのような修飾機能を有すると判明した適切な分類の薬剤は、グリセロールカルボキシレートエステルである。グリセロールカルボキシレートは、酸のモノグリセロレートであるか、またはモノアシルグリセロールであることが好ましい。この酸は、飽和脂肪酸であることが好ましく、C6~C24飽和脂肪酸であってもよい。好ましい実施形態によると、修飾剤はモノステアリン酸グリセロール(ステアリン酸のエステル)である。単に脂肪酸トリグリセリド、例えばココナッツ油だけでは、修飾剤として効果的ではなく、2つのヒドロキシル基がグリセロールエステル内に存在することが好ましいことに注目したい。
【0026】
組み込まれた修飾剤を含有する本願の亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)は、晶子のアグロメレートの形態にある。アグロメレートのサイズは、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定可能である。SEMを使用する際、適切な手順には、亜鉛モノグリセロレート材料を両面カーボンテープに接着することが含まれる。テープをSEMマウントに付ける(そして緩んだ材料を圧縮窒素で吹き飛ばす)。その後、接着された亜鉛モノグリセロレート材料を金属(例えば白金)でスパッタコーティングし、走査型電子顕微鏡(SEM)において様々な倍率で画像を撮影する。この技術により、亜鉛モノグリセロレート材料について測定したアグロメレートサイズ分布が、緩んだ生成物のアグロメレートサイズ分布と一致することが保証される(すなわち、懸濁液媒体などにおけるさらなる加工がない)。各粒子のサイズ(直径)は、画像領域内で目視可能なアグロメレートについて計算される。アグロメレートサイズは、処理条件で影響を与えないことには測定が難しく、アグロメレートサイズの概念は、曖昧すぎて普遍的に用いられるものではない。結果的に、この文書で使用されるアグロメレートサイズは、規範的に用いられるのではなく、成功した合成を示す説明として記載される(小さな晶子を含む緩んだ大きなアグロメレート)。
【0027】
アグロメレートは複数の晶子を含む。走査型電子顕微鏡(SEM)画像において目立って示されるアグロメレートは、幅5μm~50μmであることが一般的である。複数の晶子をアグロメレート化して、ミクロンサイズの粒子にすること、特にアグロメレートが緩く結合したミクロンサイズの粒子にすることが有利である。材料を個別のサブ100ナノメートルサイズの粒子としてもたらすと、取り扱いが難しくなり、材料の包装および輸送に懸念が生じる。ミクロンサイズの範囲にあるアグロメレートにより、これらの問題が回避される。したがって、凝集は魅力的ではあるが、アグロメレートの性質により、個別の晶子の分離およびポリマー組成物中での拡散が困難にならないことが重要である。GMS修飾亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)を製造するために本明細書に記載されている技術は、緩く保持されたアグロメレートをもたらすと考えられている。
【0028】
本願の亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)は、(XRDにより求めたところ)非常に小さな晶子を有し、したがって、単位質量あたりに、効果的に分散する晶子(すなわち活性核形成剤中心部)をより多く送る。
【0029】
本願の亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)により、少量で使用される場合でも結晶化温度が上昇する。
【0030】
XRDパターンは、望ましい2θ値の間で走査するブラッグ・ブレンターノ(θ-2θ)型に従って設定されたX線回折装置を用いて得られる。各ピークは、ミラー指数により表される格子面のセット、例えば(100)に相応する。記載したピーク、例えば(100)ピークの場合、ピークの幅は、その晶帯軸の方向、すなわちこの例では<100>における平均コヒーレンスドメイン長(すなわち晶子径)に相応し、(100)ピークの半値全幅(FWHM)を使用して測定される。その後、シェラーの式を使用して晶子径:
【化1】
[式中、τは平均晶子径(nm)であり、Kは無次元形状係数(ここでは0.9とする;相互比較されるすべてのデータについて同じβを使用する必要がある)であり、λは使用されるX線の波長(0.154nm(すなわちCuKα放射線))であり、βは、ラジアンで表されるFWHMでの線広がりであり、θはブラッグ角(度で表される;(ピークの2θ値)/2)である。線広がりは、コヒーレンスドメイン長の変化のみからであると仮定される]
を計算することができる。
【0031】
亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)は、10~30nm、10~25nmまたは10~20nmの<100>方向(上記の方法により求める)の晶子径で製造可能である。平均晶子径は、25nm未満、22nm未満または20nm未満であることが一般的である。
【0032】
亜鉛モノグリセロレートは、20~50nm、20~48nmまたは20~46nmの<011>方向(上記の方法により求める)の晶子径で製造可能である。
【0033】
GMS-ZMGの晶子径は、粉末X線回折でシェラーの式により求めたところ、<100>方向(すなわち積層方向に沿ったコヒーレンスドメイン長)で30nm以下であり、<011>方向(すなわち平面方向に沿ったコヒーレンスドメイン長)で60nm以下である。<011>方向の晶子径は、60nm未満であることが好ましい。上記のコヒーレントドメイン長の比(アスペクト比)は、およそ半分、またはより正確には0.65未満、例えば0.60未満または0.56未満、好ましくは0.44未満であることが適切である。
【0034】
温度は、反応の時間にわたり120℃未満に保たれることが好ましい。しかしながら、温度を短時間にわたり120℃超にしても、この方法は、本願の範囲外となるべきではない。反応が120℃超である時間は、反応の総時間の10%以下であることが好ましい。100℃~120℃のピークに達するように、反応の間に温度を上昇させることが好ましい。従来技術の方法には、より高い温度の反応、または100℃超でのより長い時間が含まれていた。(少なくとも部分的に)反応の間の温度条件を変えた結果、従来技術の条件下で製造される生成物の平均晶子径は、本願の生成物について示される範囲を上回っていた。
【0035】
亜鉛化合物は、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛カルボン酸塩およびこれらの組み合わせから成る群より選択することができる。しかしながら、本発明の新規性は、高分散性の核形成剤(従来技術により提供されるものよりも分散性が高い)を製造するために、容易に利用可能な間接的方法またはフランス法での酸化亜鉛を使用することができる点に関連する。さらに、本明細書で使用される酸化亜鉛は、水亜鉛土から形成された酸化亜鉛を除外し、それどころかBos2006に記載された水亜鉛土自体(水亜鉛土-ZMG)の使用も除外することに注目したい。Bos2006に規定された方法による水亜鉛土の使用は、(特にその他の処理条件と組み合わせた場合)本願に規定されたものよりも晶子径が大きくなる傾向にあり、よって、使用されないことが好ましい。
【0036】
反応組成物中のグリセロールの量は、95~110mol%であることが好ましい。この量は、98~105mol%であることが好ましく、化学量論量で使用されることが一般的である。
【0037】
修飾剤の量に関して、この修飾剤量は、1.0~5.0mol%であることが好ましい。より少ない量を使用すると、その他の要因も達成される晶子径に影響を与えるものの、平均晶子径がより大きくなる傾向がある。修飾剤は、十分に高い水準で組み込まれると、平均晶子径をより小さくすることに寄与する。この水準は、好ましくは少なくとも1.0mol%、より好ましくは1.7、1.9、2.0、2.1、2.2または2.3mol%超である。2.0~5.0mol%の範囲が特に適している。理想的な使用量は、およそ2.5mol%であり得る。より多い量を使用してもよいが、この水準を5.0mol%以上に増加させると、さらなる利益は達成されず、これ以上の水準は加工性に不利な影響も与え得ることが判明した。
【0038】
本発明による亜鉛モノグリセロレートの好ましい製造方法は、亜鉛化合物と、修飾剤と、75重量%~95重量%の合計グリセロールとを合する工程、混合する工程、および続いて、残分であるグリセロールと、酢酸と、水との組み合わせを添加する工程を含む。
【0039】
この反応は、酸触媒の存在下で実施される。触媒は、酸または酸性塩、例えば低級アルキルカルボン酸(例えばC2~C6カルボン酸)、例えば酢酸、吉草酸;ポリカルボン酸、例えばクエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、マロン酸、馬尿酸、酒石酸、シュウ酸;中鎖/長鎖酸、例えばラウリン酸、ステアリン酸;その他の酸、例えばレブリン酸、安息香酸、ホウ酸、トリフルオロ酢酸;またはこれらの混合物であることが好ましい。
【0040】
触媒は、上記の酸のいずれかの亜鉛塩、例えば酢酸亜鉛であってもよく、しかし好ましい実施形態においては、酸はその場で酸化亜鉛に添加される。
【0041】
使用される触媒の量は、亜鉛化合物に対して0.2~5mol%であることが好ましい。
【0042】
修飾亜鉛モノグリセロレートを製造する方法における1つの重要な好ましい特徴は、反応組成物中の水含量である。水含量は、非常に低いことが好ましい。水含量は、合計反応組成物の10重量%以下、好ましくは8重量%、6重量%、4重量%または2重量%以下であることが好ましい。酸触媒組成物中に少量の水が存在していてもよい。というのも、酸は水溶液中で用いられるのが一般的であるからである。グリセロール中の不純物としての水も許容可能である。水は反応において生成されるが、著しい量の水が最初に反応組成物中に存在する場合のみ、不所望なほど大きな晶子径の一因となると思われる。
【0043】
本発明のさらなる態様は、有機ポリマー(少なくとも1種)と、0.001重量%~20重量%、例えば0.01重量%~20重量%、0.001重量%~10重量%、0.001重量%~5重量%または0.01重量%~1重量%(ポリマー組成物を基準とする)の上記の亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)とを含むポリマー組成物に関する。
【0044】
有機ポリマーの例は以下のものである:
1. モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ-1-エン、ポリ-4-メチルペンタ-1-エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、ポリヘキセン、ポリオクテン、ならびにシクロオレフィンのポリマー、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンまたはノルボルネン、ポリエチレン(任意で架橋されていてもよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度かつ高分子量ポリエチレン(HDPE-HMW)、高密度かつ超高分子量ポリエチレン(HDPE-UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)および(ULDPE)。
ポリオレフィン、すなわち先の段落に例示されているモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレンおよびポリプロピレンを、様々な方法で、特に以下の方法で生成することができる:
a)ラジカル重合(通常、高圧力下および高温)
b)通常、周期表の第IVb、Vb、VIbまたはVIII族の1種以上の金属を含有する触媒を使用した触媒重合。通常、これらの金属は、πまたはσ配位することが可能な1種以上の配位子、一般的に、酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離形態にあっても、または基質、一般的には、活性化した塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合媒体中で可溶性であっても、または不溶性であってもよい。触媒自体を重合において使用しても、またはさらなる活性化剤、一般的に、金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物または金属アルキルオキサンであって、周期表の第Ia、IIaおよび/またはIIIa族の元素であるものを使用してもよい。活性化剤を、さらなるエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で従来式に修飾してもよい。通常、これらの触媒系は、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(-Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0045】
2. 1)で述べたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)、および様々なタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0046】
3. モノオレフィンおよびジオレフィンの互いのコポリマー、またはモノオレフィンおよびジオレフィンとその他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、およびこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、超低密度ポリエチレン、プロピレン/ブタ-1-エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ-1-エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノルボルネン)、エチレン/1-オレフィンコポリマー、ここで1-オレフィンはその場で生成される;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(アイオノマー)、ならびにエチレンと、プロピレンと、ジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネンとのターポリマー;ならびに、そのようなコポリマーの互いの混合物、およびそのようなコポリマーと、1)で述べた上記のポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン-プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン-アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互またはランダム型ポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー、およびこれらと、その他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0047】
4. 炭化水素樹脂の水素化変形形態(例えば粘着付与剤)、およびポリアルキレンとデンプンとの混合物を含む炭化水素樹脂(例えばC5~C9)。
1.)~4.)のホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチックまたはアタクチックを含む立体構造を有していてもよい;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。1.)~4.)のコポリマーは、ランダムまたはブロックコポリマー、ホモ相またはヘテロ相または高結晶性ホモポリマーによるものであってもよい。
【0048】
5. ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)。
【0049】
6. スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンのすべての異性体、特にp-ビニルトルエン、エチルスチレンのすべての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセン、ならびにこれらの混合物を含むビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族ホモポリマーおよびコポリマー。ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチックまたはアタクチックを含む立体構造を有していてもよい;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0050】
6a. 以下の群から選択される先に述べたビニル芳香族モノマーおよびコモノマーを含むコポリマー:エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル、および塩化ビニルまたはアクリル誘導体、ならびにこれらの混合物、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;衝撃強度の高いスチレンコポリマーと、別のポリマー、例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの混合物;ならびに、スチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/イソプレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、またはスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン、HIPS、ABS、ASA、AES。
【0051】
6b. 特に、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称され、アタクチックポリスチレンの水素化により製造されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む、6.)で述べられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0052】
6c. 6a.)で述べられたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマーおよびコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチックまたはアタクチックを含む立体構造を有していてもよい;ここで、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0053】
7. スチレンまたはα-メチルスチレンのようなビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン-スチレンまたはポリブタジエン-アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレンおよび無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエン上のスチレンおよびアルキルアクリレートまたはメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレート上のスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレンおよびアクリロニトリル、ならびにこれらと、6)に一覧にされているコポリマーとの混合物、例えば、ABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして知られるコポリマー混合物。
【0054】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン-イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはスルホ塩素化(sulfochlorinated)ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモポリマーおよびコポリマー、特に、ハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ならびにそれらのコポリマー、例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル、または塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。ポリ塩化ビニルは、硬質であっても、または軟質(可塑化)であってもよい。
【0055】
9. α,β-不飽和酸から誘導されたポリマーおよびその誘導体、例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート;ブチルアクリレートで耐衝撃改質されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
【0056】
10. 9)で述べられたモノマーの互いのコポリマー、または9)で述べられたモノマーと、その他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート、またはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー、またはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0057】
11. 不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されたポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン;ならびに、上記の1)に述べられたオレフィンとのそれらのコポリマー。
【0058】
12. 環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0059】
13. ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン、およびエチレンオキシドをコモノマーとして含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで修飾されたポリアセタール。
【0060】
14. ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、ならびにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0061】
15. 一方でヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンから、他方で脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されたポリウレタン、ならびにその前駆体。(1)短鎖ジオールを有するジイソシアネート(鎖延長剤)と、(2)長鎖ジオールを有するジイソシアネート(熱可塑性ポリウレタン、TPU)との反応により形成されたポリウレタン。
【0062】
16. ジアミンおよびジカルボン酸から誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、ならびに/またはアミノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m-キシレンジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンおよびイソフタルまたは/およびテレフタル酸から、修飾剤としてのエラストマーありまたはなしで生成されたポリアミド、例えば、ポリ-2,4,4,-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ-m-フェニレンイソフタルアミド;ならびに、上記のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマーもしくは化学的に結合もしくはグラフト化されたエラストマーとのブロックコポリマー;またはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;ならびに、EPDMまたはABSで修飾されたポリアミドまたはコポリアミド;ならびに、処理の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。ポリアミドは非晶質であってもよい。
【0063】
17. ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントインおよびポリベンゾイミダゾール。
【0064】
18. ジカルボン酸およびジオールから誘導されたポリエステル、ならびに/またはヒドロキシカルボン酸もしくは相応するラクトンもしくはラクチドから誘導されたポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートおよびポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたコポリエーテルエステル、また、ポリカーボネートまたはMBSで修飾されたポリエステル。コポリエステルは、例えば、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリ-3-ヒドロキシブチレート/オクタノエートコポリマー、ポリ-3-ヒドロキシブチレート/ヘキサノエート/デカノエートターポリマーを含んでいてもよいが、これらに限定されることはない。さらに、脂肪族ポリエステルは、例えば、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、特に、ポリ(プロピオラクトン)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)およびポリ(カプロラクトン)、ポリエチレンスクシネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリヘキサメチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリエチレンフラノエートおよびポリ乳酸(PLA)、ならびにポリカーボネートまたはMBSで修飾された相応するポリエステルの分類を含んでいてもよいが、これらに限定されることはない。「ポリ乳酸(PLA)」という用語は、好ましくはポリ-L-ラクチドのホモポリマー、およびその他のポリマーとのそのブレンドまたはアロイ(alloys)のいずれか;乳酸またはラクチドと、その他のモノマー、例えばヒドロキシカルボン酸、例えば、グリコール酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシカプロン酸およびそれらの環状形態とのコポリマーを示し;「乳酸」または「ラクチド」という用語は、L-乳酸、D-乳酸、それらの混合物およびダイマー、すなわち、L-ラクチド、D-ラクチド、メソラクチドおよびこれらの混合物を含む。好ましいポリエステルは、PET、PET-G、PBTである。
【0065】
19. ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。ポリカーボネートは、ビスフェノール化合物と、炭酸化合物、特にホスゲンとの、または溶融エステル交換反応法においてジフェニルカーボネートまたはジメチルカーボネートとの反応により生成されることが好ましい。ビスフェノールAに基づくホモポリカーボネート(Homopolycarbonates)、ならびにモノマーであるビスフェノールAと1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)とに基づくコポリカーボネートが特に好ましい。ポリカーボネートの合成に使用可能なこれらのかつさらなるビスフェノールおよびジオール化合物は、特に国際公開第08037364号(p.7,l.21~p.10,l.5)、欧州特許第1582549号明細書([0018]~[0034])、国際公開第02026862号(p.2,l.23~p.5,l.15)、国際公開第05113639号(p.2,l.1~p.7,l.20)に開示されている。ポリカーボネートは、直鎖状であっても、または分枝鎖状であってもよい。また、分枝鎖状および非分枝鎖状のポリカーボネートの混合物を使用してもよい。ポリカーボネートに適した分岐剤は、文献から知られており、例えば、特許明細書である米国特許第4185009号明細書および独国特許出願公開第2500092号明細書(この発明に記載の3,3-ビス(4-ヒドロキシアリール)オキシインドール、いずれの場合にも文書全体を参照)、独国特許出願公開第4240313号明細書(p.3,l.33~55参照)、独国特許出願公開第19943642号明細書(p.5,l.25~34参照)および米国特許第5367044号明細書、ならびにそこに引用されている文献に記載されている。使用されるポリカーボネートはさらに、本来的に分枝鎖状であってもよく、ここで、ポリカーボネート生成の文脈において分岐剤は添加されない。本来的な分岐の例は、欧州特許第1506249号明細書における溶融ポリカーボネートについて開示されている、いわゆるフリース構造(Fries structures)である。さらに、連鎖停止剤をポリカーボネート生成において使用してもよい。フェノール類、例えば、フェノール、アルキルフェノール、例えば、クレゾールおよび4-tert-ブチルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、クミルフェノールまたはこれらの混合物を連鎖停止剤として使用することが好ましい。ポリエステルカーボネートは、すでに述べられたビスフェノールと、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、任意で炭酸等価物とを反応させることにより得られる。適切な芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、3,3’-または4,4’-ジフェニルジカルボン酸およびベンゾフェノンジカルボン酸である。ポリカーボネートにおいて80mol%まで、好ましくは20~50mol%のカーボネート基の部分を、芳香族ジカルボン酸エステル基と交換してもよい。
【0066】
20. ポリケトン。
【0067】
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0068】
22. 一方でアルデヒドから、他方でフェノール、尿素およびメラミンから誘導された架橋されたポリマー、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0069】
23. 乾性および不乾性アルキド樹脂。
【0070】
24. 飽和および不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコールおよびビニル化合物とのコポリエステルから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、また、燃焼性の低いそのハロゲン含有変形形態。
【0071】
25. 置換アクリレート、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
【0072】
26. メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂により架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂。
【0073】
27. 脂肪族、脂環式、複素環式または芳香族グリシジル化合物から誘導された、架橋されたエポキシ樹脂、例えば、促進剤ありまたはなしで従来の硬化剤、例えば無水物またはアミンにより架橋された、ビスフェノールA、ビスフェノールEおよびビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物。
【0074】
28. 天然ポリマー、例えば、セルロース、ゴム、ゼラチンおよび化学的に修飾されたその相同誘導体、例えば、酢酸セルロース、セルロースプロピオネートおよびセルロースブチレート、またはセルロースエーテル、例えばメチルセルロース;ならびにロジンおよびそれらの誘導体。
【0075】
29. 上記のポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABSまたはPBT/PET/PC。
【0076】
30. 天然に存在するおよび合成の有機材料であって、純粋なモノマー化合物またはそのような化合物の混合物、例えば、鉱油、動物および植物の脂肪、油およびワックス、または合成エステル(例えば、フタレート、アジペート、ホスフェートまたはトリメリテート)系の油、脂肪およびワックス、ならびにまた、任意の重量比の合成エステルと鉱油との混合物、一般的に紡績用組成物として使用されるもの、ならびにそのような材料の水性エマルションであるもの。
【0077】
31. 天然または合成ゴムの水性エマルション、例えば、カルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーの天然ラテックスまたは格子。
【0078】
32. 接着剤、例えば、ブロックコポリマー、例えば、SIS、SBS、SEBS、SEPS(Sはスチレンを表し、Iはイソプレンを表し、Bはポリブタジエンを表し、EBはエチレン/ブチレンブロックを表し、EPはポリエチレン/ポリプロピレンブロックを表す)。
【0079】
33. ゴム、例えば共役ジエンのポリマー、例えば、ポリブタジエンまたはポリイソプレン、モノオレフィンおよびジオレフィンの互いのコポリマー、またはモノオレフィンおよびジオレフィンとその他のビニルモノマーとのコポリマー、スチレンまたはα-メチルスチレンと、ジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマー、塩化ゴム、天然ゴム。
【0080】
34. エラストマー、例えば、天然ポリイソプレン(cis-1,4-ポリイソプレン天然ゴム(NR)およびtrans-1,4-ポリイソプレンガッタパーチャ)、合成ポリイソプレン(IRはイソプレンゴム)、ポリブタジエン(BRはブタジエンゴム)、クロロプレンゴム(CR)、ポリクロロプレン、ネオプレン、バイプレンなど、ブチルゴム(イソブチレンとイソプレンとのコポリマー、IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(クロロブチルゴム:CIIR;ブロモブチルゴム:BIIR)、スチレン-ブタジエンゴム(スチレンとブタジエンとのコポリマー、SBR)、Buna Nゴムとも呼ばれるニトリルゴム(ブタジエンとアクリロニトリルとのコポリマー、NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)TherbanおよびZetpol、EPM(エチレンプロピレンゴム、エチレンとプロピレンとのコポリマー)およびEPDMゴム(エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンと、プロピレンと、ジエン成分とのターポリマー)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ポリアクリルゴム(ACM、ABR)、シリコーンゴム(SI、Q、VMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)、フルオロエラストマー(FKMおよびFEPM)Viton、Tecnoflon、Fluorel、AflasおよびDai-El、ペルフルオロエラストマー(FFKM)Tecnoflon PFR、Kalrez、Chemraz、Perlast、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、(Hypalon)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)、タンパク質レシリンおよびエラスチン、ポリスルフィドゴム、エラストオレフィン(Elastolefin)、織物製造で使用される弾性繊維。
【0081】
35. 熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン系ブロックコポリマー(TPE-s)、熱可塑性オレフィン(TPE-o)、エラストマーアロイ(Elastomeric alloys)(TPE-vまたはTPV)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、リアクターTPO’s(R-TPO’s)、ポリオレフィンプラストマー(POP’s)、ポリオレフィンエラストマー(POE’s)。
【0082】
好ましい有機ポリマーを、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエステル、それらのポリアミドコポリマー、ならびにアクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンのうち1種以上の互いのコポリマー、またはアクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンのうち1種以上と別のコモノマーとのコポリマーから成る群より選択することができる。ポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。ポリマーを加工して、ポリマー物品、例えば、繊維、フィルム、織物、包装材またはコーティングにすることができる。
【0083】
組み込まれた修飾剤を含有する亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)は、ポリマーブレンドの総重量を基準として、およそ0.01~20重量%の量で存在することが一般的である。最終的なプラスチック製品において、この濃度は通常、0.01~2%の範囲にあるが、製品を製造するためのマスターバッチ組成物は、20重量%まで含んでいてもよい。有機ポリマーは、ポリマーブレンドの総重量を基準として、およそ80重量%~99.99重量%の量で存在していてもよい。
【0084】
ポリマー中のGMS修飾亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)の量は、400ppm以下であることが好ましく、380ppm以下、360ppm以下、340ppm以下、320ppm以下、または300ppm以下でさえあってもよい。この量は、100ppm、または50ppm以下ほど低くてもよい。約200ppm+/-100ppmまたは+/-50ppmが、適切な目標量である。イソタクチックポリプロピレン中の従来の核形成剤(例えば未修飾ZMG)の一般的な量は、通常500ppm以上であり、この低減された量が著しいコスト削減量を表しており、その一方で、達成される結晶化のタイミングに不利な影響はない。
【0085】
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に対して、例えば、0.001~20%、好ましくは0.005%~5%の少量で従来の配合成分をさらに含んでいてもよい。
【0086】
従来の配合成分の例は以下のものである:
1. 酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖において直鎖状または分枝鎖状であるノニルフェノール、例えば、2,6-ジノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデカ-1’-イル)フェノールおよびそれらの混合物。
【0087】
1.2. アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール。
【0088】
1.3. ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0089】
1.4. トコフェロール、例えば、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0090】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0091】
1.6. アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン。
【0092】
1.7. O-、N-およびS-ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0093】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0094】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0095】
1.10. トリアジン化合物、例えば、2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0096】
1.11. ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0097】
1.12. アシルアミノフェノール、例えば、4-ヒドロキシラウルアニリド(hydroxylauranilide)、4-ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0098】
1.13. β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0099】
1.14. β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル。
【0100】
1.15. β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0101】
1.16. 3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0102】
1.17. β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyalより供給)。
【0103】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0104】
1.19. アミン系酸化防止剤、例えば、N,N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブタ-2-エン。
【0105】
2. UV吸収剤および光安定剤
2.1. 2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-sec-ブチル-5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-ドデシル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール];2-[3’-tert-ブチル-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換反応生成物;
【化2】
【0106】
[式中、R=3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシ-5’-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(α,α-ジメチルベンジル)-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール];2-[2’-ヒドロキシ-3’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-5’-(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0107】
2.2. 2-ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシルオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2’,4’-トリヒドロキシおよび2’-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ誘導体。
【0108】
2.3. 置換および非置換安息香酸のエステル、例えば、サリチル酸4-tert-ブチルフェニル、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート。
【0109】
2.4. アクリレート、例えば、エチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチルα-カルボメトキシシンナメート、メチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチルα-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート、N-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート。
【0110】
2.5. ニッケル化合物、例えば、n-ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN-シクロヘキシルジエタノールアミンのようなさらなる配位子ありまたはなしの1:1または1:2錯体のような2,2’-チオビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、ケトオキシム、例えば2-ヒドロキシ-4-メチルフェニルウンデシルケトオキシムのニッケル錯体、さらなる配位子ありまたはなしの1-フェニル-4-ラウロイル-5-ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0111】
2.6. 立体障害アミン、例えば、炭酸ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)エステル、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖状または環状縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-および4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物、ならびに4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(CAS Reg.No.[136504-96-6]);1,6-ヘキサンジアミンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物、ならびにN,N-ジブチルアミンおよび4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(CAS Reg.No.[192268-64-7]);N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4,5]デカン、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)-2-(4-メトキシフェニル)エテン、N,N’-ビスホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4-メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル-3-オキシ-4-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸-α-オレフィンコポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物、2,4-ビス[N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,3,5-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS Reg.No.106917-31-1]、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、
【化3】
1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、3-ブロモ-1-プロペンとのN,N’’’-1,6-ヘキサンジイルビス[N’,N’’-ジブチル-N,N’,N’’-トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)反応生成物、酸化され、水素化された1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、N,N’’’-1,6-ヘキサンジイルビス[N’,N’’-ジブチル-N,N’,N’’-トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)およびこれらの組み合わせ。
【0112】
2.7. オキサミド、例えば、4,4’-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’-ジエトキシオキサニリド、2,2’-ジオクチルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキサニリド、2,2’-ジドデシルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2’-エチルオキサニリド、N,N’-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2’-エトキサニリド、ならびに2-エトキシ-2’-エチル-5,4’-ジ-tert-ブトキサニリドとのその混合物、o-およびp-メトキシ二置換オキサニリドの混合物、ならびにo-およびp-エトキシ二置換オキサニリドの混合物。
【0113】
2.8. 2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、例えば、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ)フェニル-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、2-{2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(4-[2-エチルヘキシルオキシ]-2-ヒドロキシフェニル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ビスビフェニル-4-イル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(2-エチル-(n)-ヘキシルオキシ)フェノール。
【0114】
3. 金属不活性化剤、例えば、N,N’-ジフェニルオキサミド、N-サリチラル-N’-サリチロイルヒドラジン、N,N’-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’-ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0115】
4.ホスファイトおよびホスホニト、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホニト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチルジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2’,2’’-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン、亜リン酸、混合した2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェニルおよび4-(1,1-ジメチルプロピル)フェニルトリエステル(CAS No.939402-02-5)、亜リン酸、トリフェニルエステル、α-ヒドロ-オメガヒドロキシポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]を有するポリマー、C10~16アルキルエステル(CAS No.1227937-46-3)。
【0116】
以下のホスファイトが特に好ましい:
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Inc.)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【化4-1】
【0117】
【化4-2】
【0118】
5. ヒドロキシルアミン、例えば、N,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化タローアミンから誘導されたN,N-ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0119】
6. ニトロン、例えば、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-エチル-α-メチルニトロン、N-オクチル-α-ヘプチルニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシルニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシルニトロン、水素化タローアミンから誘導されたN,N-ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0120】
7. チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミスチリル(dimistryl)チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]またはジステアリルジスルフィド。
【0121】
8. 過酸化物捕捉剤、例えば、β-チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルもしくはトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール、または2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β-ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0122】
9. ポリアミド安定剤、例えば、ヨウ化物および/またはリン化合物と組み合わせた銅塩、ならびに二価マンガンの塩。
【0123】
10. 塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウムおよびパルミチン酸カリウム、アンチモンピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレート。
【0124】
11. PVC熱安定剤、例えば、混合金属安定剤(例えば、バリウム/亜鉛、カルシウム/亜鉛タイプ)、有機スズ安定剤(例えば、有機スズメルカプトエステル、有機スズカルボキシレート、有機スズスルフィド)、鉛安定剤(例えば、三塩基性硫酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性リン酸鉛、ステアリン酸鉛)、有機系安定剤、およびこれらの組み合わせ。
【0125】
12. 核形成剤、例えば、タルカムのような無機物質、二酸化チタンもしくは酸化マグネシウムのような金属酸化物、リン酸塩、炭酸塩または硫酸塩、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩または硫酸塩;有機化合物、例えば、モノまたはポリカルボン酸およびそれらの塩、例えば、4-tert-ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム;ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(アイオノマー)。1,3:2,4-ビス(3’,4’-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトールおよび1,3:2,4-ジ(ベンジリデン)ソルビトールが特に好ましい。
【0126】
13. フィラーおよび補強剤、例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉、およびその他の天然産物の粉末または繊維、合成繊維。
【0127】
14. 可塑剤、ここで上記の可塑剤は、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジプロピルヘプチルフタレート、トリオクチルトリメリテート、トリ(イソノニル)トリメリテート、エポキシ化ダイズ油、ジ(イソノニル)シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート、2,4,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール(pentaediol)ジイソブチレートから成る群より選択される。
【0128】
また、本発明に準拠して使用される可塑剤は、以下のものから成る群より選択される1つを含んでいてもよい:フタレート、トリメリテート、脂肪族二塩基性エステル、ポリエステル、ポリマー状のエポキシド、ホスフェート。好ましい実施形態において、上記の可塑剤は、以下のものから成る群より選択される:ブチルベンジルフタレート、ブチル2-エチルヘキシルフタレート、ジイソヘキシルフタレート、ジイソヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソウンデシルフタレート、ジイソトリデシルフタレート(Diisotredecyl phthalate)、ジイソ(C11、C12、C13)フタレート、ジ(n-ブチル)フタレート、ジ(n-C7、C9)フタレート、ジ(n-C6、C8、C10)フタレート、ジイソ(n-ノニル)フタレート、ジ(n-C7、C9、C11)フタレート、ジ(n-C9、C11)フタレート、ジ(n-ウンデシル)フタレート、トリ(n-C8、C10)トリメリテート、トリ(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ(イソオクチル)トリメリテート、トリ(イソノニル)トリメリテート、ジ(n-C7、C9)アジペート、ジ(2-エチルヘキシル)アジペート、ジ(イソオクチル)アジペート、ジ(イソノニル)アジペート、アジピン酸またはグルタル酸と、プロピレングリコールまたはブチレングリコールまたは2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールとのポリエステル、エポキシ化油、例えば、エポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化トール油、オクチルエポキシタレート、2-エチルヘキシルエポキシタレート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレシルホスフェート、ジ(2-エチルヘキシル)テレフタレート、ジ(イソノニル)シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレートおよびこれらの組み合わせ。特に好ましい実施形態において、上記の可塑剤は、以下のものから成る群より選択される:ジイソヘキシルフタレート、ジイソヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソウンデシルフタレート、ジイソトリデシルフタレート(Diisotredecyl phthalate)、ジイソ(C11、C12、C13)フタレート、ジ(n-ブチル)フタレート、ジ(n-C7、C9)フタレート、ジ(n-C6、C8、C10)フタレート、ジイソ(n-ノニル)フタレート、ジ(n-C7、C9、C11)フタレート、ジ(n-C9、C11)フタレート、ジ(n-ウンデシル)フタレート、トリ(n-C8、C10)トリメリテート、トリ(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ(イソオクチル)トリメリテート、トリ(イソノニル)トリメリテート、ジ(n-C7、C9)アジペート、ジ(2-エチルヘキシル)アジペート、ジ(イソオクチル)アジペート、ジ(イソノニル)アジペート、アジピン酸またはグルタル酸と、プロピレングリコールまたはブチレングリコールまたは2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールとのポリエステル、エポキシ化油、例えばエポキシ化ダイズ油、ジ(イソノニル)シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレートおよびこれらの組み合わせ。
【0129】
15. その他の添加剤、例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流動性制御剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤および発泡剤。
【0130】
16. ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;西独国特許出願公開第4316611号明細書;西独国特許出願公開第4316622号明細書;西独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書、欧州特許出願公開第0591102号明細書;欧州特許出願公開第1291384号明細書に開示されているもの、または3-[4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン、3,3’-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2-アセチル-5-イソオクチルフェニル)-5-イソオクチルベンゾフラン-2-オン。
【0131】
配合剤、例えば、顔料、着色剤、フィラー、増量剤、難燃剤、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤、離型剤、酸捕捉剤、可塑剤、安定剤、例えば、pH安定剤、乳化剤、加硫剤、重合開始剤、増感剤などをポリマー組成物に組み込んでもよい。
【0132】
本発明のさらなる実施形態は、本発明のポリマー組成物から製造された成形品である。
【0133】
適切な成形品の例は、以下のものである:
I-1) 浮揚装置、海洋用途、ポンツーン、ブイ、デッキ用プラスチック木材、埠頭、ボート、カヤック、オールおよびビーチ補強材。
【0134】
I-2) 自動車用途、内部用途、外部用途、特に、トリム、バンパー、ダッシュボード、バッテリ、リアおよびフロントライニング、フード下の成形部品、帽子棚、トランクライニング、内部ライニング、エアバッグカバー、取付品用の電子成形品(ライト)、ダッシュボード用の枠、ヘッドランプガラス、インストルメントパネル、外部ライニング、室内装飾用品、自動車ライト、ヘッドライト、駐車灯、尾灯、ブレーキランプ、内部および外部トリム;ドアパネル;ガスタンク;ガラス前側(glazing front side);リアウィンドウ;シート下地、外部パネル、ワイヤ絶縁体、シーリング用異形押出、クラッディング、ピラーカバー、シャーシ部分、排気系、燃料フィルタ/フィラー、燃料ポンプ、燃料タンク、ボディサイドモールディング、コンバーティブルトップ、外部ミラー、外部トリム、ファスナー/固定具、フロントエンドモジュール、ガラス、ヒンジ、ロックシステム、ラゲージ/ルーフラック、プレス加工/打ち抜き加工された部材、シール材、側面衝撃保護材、消音材/防音材およびサンルーフ、ドアメダル、コンソール、インストルメントパネル、シート、フレーム、スキン、強化された自動車用途、繊維強化された自動車用途、充填ポリマーでの自動車用途、非充填ポリマーでの自動車用途。
【0135】
I-3) 道路交通用装置、特に、記号標識、道路標示柱、カーアクセサリ、警告トライアングル、医療箱、ヘルメット、タイヤ。
【0136】
I-4) 輸送または公共輸送用装置。装備品を含む、航空機、鉄道、自動車(車、バイク)、トラック、軽トラック、バス、路面電車、自転車用装置。
【0137】
I-5) 宇宙用途の装置、特に、ロケットおよび衛星、例えば、再突入シールド(reentry shields)。
【0138】
I-6) 建築および設計用装置、鉱業用途、遮音システム(acoustic quietized systems)、街路上の避難所、およびシェルター。
【0139】
II-1) 一般的に電気製品、ケースおよびカバー材、ならびに電気/電子デバイス(パーソナルコンピュータ、電話、携帯電話、プリンター、テレビセット、オーディオおよびビデオ装置)、植木鉢、衛星TVボウル(satellite TV bowl)およびパネル装置。
【0140】
II-2) その他の材料用の外被、例えば鋼またはテキスタイル。
【0141】
II-3) 電子産業用の装置、特に、プラグ、特にコンピュータプラグの絶縁体、電気および電子部品用ケース、プリント板、ならびに電子データ保存用の道具、例えば、チップ、チェックカードまたはクレジットカード。
【0142】
II-4) 電化製品、特に、洗濯機、タンブラー、オーブン(マイクロウェーブオーブン)、食器洗浄機、ミキサーおよびアイロン。
【0143】
II-5) ライト(例えば、街灯、ランプシェード)のカバー。
【0144】
II-6) ワイヤおよびケーブルにおける用途(半導体、絶縁体およびケーブル外被)。
【0145】
II-7) コンデンサ、冷蔵庫、加熱装置、エアコンディショナー、電子機器の封入材、半導体、コーヒーマシンおよび掃除機用の箔。
【0146】
III-1) 技術物品、例えば、はめ歯歯車(ギア)、スライド式取付部品(slide fittings)、スペーサー、ねじ、ボルト、ハンドルおよびノブ。
【0147】
III-2) ロータ・ブレード、通風機および風車の羽根、ソーラーデバイス(solar device)、クローゼット、ワードローブ、隔壁、スラット壁、折畳式の壁、屋根、シャッター(例えばローラーシャッター)、継手、パイプ間の接続部、スリーブおよびコンベアベルト。
【0148】
III-3) 公衆衛生品、特に、移動式トイレ、シャワー室、便座、カバーおよびシンク。
【0149】
III-4) 衛生用品、特に、おむつ(乳児、成人の失禁)、女性用衛生用品、シャワー用カーテン、ブラシ、マット、浴槽、移動式トイレ、歯ブラシおよび便器。
【0150】
III-5) 水、廃水および薬品用のパイプ(架橋ありまたはなし)、ワイヤおよびケーブル保護用のパイプ、ガス、油および下水用のパイプ、雨樋、縦樋、ならびに排水システム。
【0151】
III-6) 任意の形状のプロファイル(窓ガラス)、クラッディングおよびサイディング。
【0152】
III-7) ガラス代用品、特に押出成形板、建築物(一重、二重または多重壁)、航空機、学校、押出成形シート用のガラス材、建築ガラス材、電車、輸送および衛生品用の窓用フィルム。
【0153】
III-8) プレート(壁、まな板)、サイロ、木材代用品、プラスチック木材、木材複合材、壁、表面、家具、化粧紙、床材(内部および外部用途)、床材、すのこおよびタイル。
【0154】
III-9) 吸気および排気マニホールド。
【0155】
III-10) セメント、コンクリート、複合材の用途、ならびにカバー、サイディングおよびクラッディング、手すり、欄干、キッチンカウンター、屋根ふき材、屋根ふき材シート、タイルおよび防水シート。
【0156】
IV-1) プレート(壁およびまな板)、トレー、人工芝、アストロターフ(astroturf)、スタジアムの円の人工カバー材(運動競技)、スタジアムの円の人工床(運動競技)およびテープ。
【0157】
IV-2) 連続およびステープルの織物、繊維(カーペット/衛生用品/ジオテキスタイル/モノフィラメント;フィルタ;ワイプ/カーテン(日陰)/医療用途)、ばら繊維(ガウン/保護衣のような用途)、ネット、ロープ、ケーブル、ひも、コード、糸、安全シートベルト、衣服、下着、手袋;ブーツ;ゴムブーツ、下着、衣類、水着、スポーツウェア、傘(パラソル、日傘)、パラシュート、パラグライダー、帆、「バルーンシルク(balloon-silk)」、キャンプ用品、テント、エアベッド、サンベッド、バルクバッグおよびバッグ。
【0158】
IV-3) 屋根用のメンブレン、断熱材、カバーおよびシール材、ジオメンブレン、トンネル、廃棄場、池、壁ルーフィングメンブレン、ジオメンブレン、スイミングプール、スイミングプール用ライナー、プール用ライナー、池用ライナー、カーテン(日陰)/日よけ、オーニング、キャノピー、壁紙、食品包装材および梱包材(フレキシブルおよびソリッド)、医療品包装材(フレキシブル&ソリッド)、エアバッグ/安全ベルト、アームレストおよびヘッドレスト、カーペット、センターコンソール、ダッシュボード、コックピット、ドア、オーバーヘッドコンソールモジュール、ドアトリム、ヘッドライナー、室内照明、室内ミラー、手荷物棚、後部荷物カバー、シート、ステアリングコラム、ステアリングホイール、テキスタイルおよびトランクトリム。
【0159】
V-1) フィルム(包装材、硬質包装材、廃棄場、ラミネート材、ベールラップ(bale wrap)、スイミングプール、廃棄物用袋、壁紙、延伸フィルム、ラフィア、脱塩フィルム、バッテリおよびコネクタ。
【0160】
V-2) 農業用フィルム(温室カバー、トンネル、マルチトンネル、マイクロトンネル、「ラスパ・イ・アマガド(raspa y amagado)」、マルチスパン、ローウォークイントンネル、高いトンネル、マルチ、サイレージ、サイロバッグ、サイロストレッチ(silo-stretch)、燻蒸、気泡、ケダー(keder)、ソララップ(solawrap)、サーマル(thermal)、ベールラップ、延伸ベールラップ、苗床、フィルムチューブ)、特に農薬が多く用いられている場合;その他の農業用途(例えば、不織土壌被、ネット(テープ、マルチフィラメントおよびこれらの組み合わせから製造されたもの)、防水シート。このような農業用フィルムは、単一層構造または多層構造のいずれであってもよく、一般的に、三層、五層または七層から製造される。これにより、A-B-A、A-B-C、A-B-C-B-A、A-B-C-B-D、A-B-C-D-C-B-A、A-A-B-C-B-A-Aのようなフィルム構造をもたらすことができる。A、B、C、Dは、異なるポリマーおよび粘着付与剤を表す。しかしながら、隣接する層はまた、最終的なフィルム物品が、偶数の層、すなわち、二層、四層または六層、例えば、A-A-B-A、A-A-B-B、A-A-B-A-A、A-B-B-A-A、A-A-B-C-B、A-A-B-C-A-Aなどから製造可能であるように結合されていてもよい。
【0161】
V-3) テープ。
【0162】
V-4) 発泡体(シール材、断熱材、バリア)、スポーツおよびレジャーマット。
【0163】
V-5) 封止剤。
【0164】
VI-1) 食品包装材および梱包材(フレキシブルおよびソリッド)、BOPP、BOPET、ボトル。
【0165】
VI-2) 貯蔵システム、例えば、容器(クレート)、旅行かばん、箱、家庭用容器、パレット、コンテナ、棚、トラック、ねじ用容器、パックおよび缶。
【0166】
VI-3) カートリッジ、シリンジ、医療用途、輸送用コンテナ、くずかごおよび廃棄物入れ、廃棄物用袋、ゴミ箱、ゴミ入れ、ゴミ袋、車輪付き大型ゴミ箱、一般用コンテナ、水/使用済の水/薬品/ガス/油/ガソリン/軽油用のタンク;タンクライナー、容器、クレート、バッテリケース、トラフ、医療装置、例えば、ピストン、眼用用途、診断装置および医薬品ブリスター用包装材。
【0167】
VII-1) あらゆる種類の家庭用用品(例えば、電気製品、魔法瓶/衣服用ハンガー)、固定システム、例えば、プラグ、ワイヤおよびケーブルクランプ、ジッパー、留め具、錠およびスナップクロージャー。
【0168】
VII-2) 支持装置、余暇用の物品、例えば、スポーツおよびフィットネス装置、体操用マット、スキー靴、インラインスケート、スキー、ビッグフット(big foot)、競技用表面(例えばテニス場);ねじ蓋、ボトル用の蓋および栓、および缶。
【0169】
VII-3) 家具、一般的に、発泡物品(クッション、衝撃吸収剤)、発泡体、スポンジ、ふきん、マット、ガーデンチェア、スタジアムの座席、テーブル、長椅子、玩具、組み立てキット(ボード/フィギュア/ボール)、おもちゃの家、滑り台およびおもちゃの乗り物。
【0170】
VII-4) 光学および磁気データ保管用の材料。
【0171】
VII-5) 台所用品(食用、飲用、調理用、保存用)。
【0172】
VII-6) CD、カセットおよびビデオテープ用容器;DVD電子商品、あらゆる種の事務用品(ボールペン、スタンプおよび朱肉、マウス、棚、トラック)、あらゆる体積および内容物のボトル(香料を含む飲料、洗剤、化粧品)、ならびに接着テープ。
【0173】
VII-7) 履物(靴/靴底)、中敷、スパッツ、接着剤、構造用接着剤、食品用容器(果実、野菜、肉、魚)、合成紙、ボトル用ラベル、長椅子、人工関節(人間用)、印刷板(フレキソ)、プリント回路板およびディスプレイ技術。
【0174】
VII-8) 充填ポリマー(タルク、白亜、陶土(カオリン)、ウォラストナイト、顔料、カーボンブラック、TiO2、マイカ、ナノ複合材、ドロマイト、ケイ酸塩、ガラス、アスベスト)の装置。
【0175】
出願人は、本明細書に記載の晶子径を含み、かつ/または本明細書に記載の方法により製造された亜鉛モノグリセロレートにより、結晶化特性が改善されることを発見した。これらの改善は、プロピレンホモポリマーおよびコポリマー、ならびにポリプロピレンブレンドについて特に証明されている。これらの改善は、以下のことを含む:
1. より少ない核形成剤の充填量でより高いTcの結果。200ppmでのイソタクチックポリプロピレン(以降、「iPP」-LyondellBasell、Moplen HP400Nイソタクチックポリプロピレンホモポリマー、MFI=11g/10分)への添加において、モノステアリン酸グリセロール修飾亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)では、124.1℃のTcがもたらされる一方で、未修飾ZMGでは、120.6℃だけのTcしか得られない。123.8℃のTc(200ppmでのGMS-ZMGとおよそ同じ)を得るためには、600ppmのZMGが必要とされる。HP400N(核形成剤なし)についてのTcは、117.0℃である。
【0176】
2. 140℃で50%のポリマー結晶化を得るための時間(t1/2)は、本願の修飾ZMGを200ppmで使用すると、未修飾ZMGに比べてかなり改善される(短縮される):GMS-ZMGは、ZMGについてのt1/2が14.6分であるのに対して、t1/2が7.2分である。未修飾ZMGのみを使用して7.1分のt1/2を達成するには、600ppmのZMGが代わりに必要となる。HP400N自体は、40分以内には結晶化しない。
【0177】
修飾亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)は、同じ充填量の未修飾亜鉛モノグリセロレートに比べて、イソタクチックポリプロピレンにおけるTcを200ppmでおよそ3.4℃上昇させる。
【0178】
有機ポリマーとしてのポリオレフィンに基づく組成物において、ポリオレフィン中の所定の充填水準で亜鉛モノグリセロレートを使用すると、<100>方向で30nm超または<011>方向で60nm超の晶子径を有するか、または<100>/<011>コヒーレントドメイン長で計算して0.65よりも大きいアスペクト比を有する同じ充填水準の亜鉛モノグリセロレートで達成されるよりも、ポリオレフィンについての結晶化温度が高くなる(すなわち、未修飾亜鉛モノグリセロレートである亜鉛モノグリセロレート、またはBos形態の亜鉛モノグリセロレートと比較した場合)。イソタクチックポリプロピレンにおいて、イソタクチックポリプロピレン中の所定の充填水準で本願の修飾亜鉛モノグリセロレートを使用すると、140℃で50%のポリマー結晶化を達成するための時間(t1/2)が、同じ充填水準の比較用亜鉛モノグリセロレート(すなわち、<100>方向で30nm超または<011>方向で60nm超の晶子径を有するか、または<100>/<011>コヒーレントドメイン長で計算して0.65よりも大きいアスペクト比を有するもの)で達成されるより少なくとも40%少なくなる。
【0179】
請求項および先の説明において、明白な表現または必要な包含内容により文脈から必要とされる場合を除いて、「含む」という用語、または「含む(comprises、comprising)」のような変形形態は、包括的な意味で、すなわち、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除することなく、定められた特徴の存在を明示するために使用される。
【0180】
実施例
これより、以下の非限定的な実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0181】
手順
特性評価技術
ブラッグ・ブレンターノ(θ-2θ)型に設定した、銅源およびグラファイトモノクロメーターを用いるPhillips1140回折計(40kV、25mA)、または銅源を用いるBrukerD2フェーザー(30kV、10mA)を使用して、XRD分析を実施した。走査は、望ましい2θ値(2θ=5~35°)の間であった。例えば、粉末試料を標準試料ホルダーに取り付けた(mg-数g)。ポリマー試料を押出機中で押出成形し、金属板間でプレス加工して、平らな断片を得て、水浴中で冷却し、利用可能な試料ホルダー(厚さ3mm未満)に嵌まるようなサイズに切断した。
【0182】
各<100>および(011)方向の平均晶子径(平均コヒーレンスドメイン長)を、XRD(β)で測定された半値全幅(FWHM)値、X線波長(λ)、ブラッグ角(度で表示;(ピークの2θ値)/2))、無次元形状係数(0.9とされるK;比較のために常に同じKを使用した)を用い、シェラーの式を使用して計算した。シェラーの式は、τ=Kλ/βcosθである。設備に起因する線幅拡大は無視し、線幅拡大は、コヒーレントドメイン長の変化のみからのものであると想定することに注意されたい。
【0183】
SEM顕微鏡法を、JEOL JSM-7001F走査型電子顕微鏡を使用して実施した。試料をカーボンテープに取り付け、Ptでスパッタコーティングした。
【0184】
結晶化試験についての試料を以下のように調製した:半結晶性イソタクチックポリプロピレン(iPP)ホモポリマーのそのままの(bare)樹脂(Moplen HP400N(LyondellBasell製、Australia)をiPPとして使用した。核形成剤を含有しないiPPの試料(対照)、または特定量の核形成剤を含有するiPPの試料を、iPPと必要量の核形成剤とを混合することにより調製した。まず、十分に手動で混合(粉末+iPPビーズ)を実施し、続いて、押出成形を行った。1重量%または2000ppmのマスターバッチ(一連の比較実験に応じる)を調製し、押出成形した。押出成形されたストランドをペレット化し、望ましい濃度(200または600ppm)で再び押出成形した。(1回の場合において、200ppmの材料を2回押出成形したことを明示的に言及)。用いた押出機は、Haake Rheocord 90に結合した、Rauwendaal Extrusion Eng. Inc.製の、CRDバリア単軸(直径=25mm;L/D=25)押出機であった。4つの温度域を設定し、それぞれ170℃、175℃、180℃および180℃にした(ダイ)。軸速度は100rpmであった。
【0185】
例1-GMS修飾亜鉛モノグリセロレート(GMS-ZMG)の製造
ZnO(656.4g)およびGMS(72.3g)を、Zブレード型ミキサー内で均質化し、加熱した。その後、668.5gのグリセロールを添加した。その後、74.3gのグリセロール+8.7gの水+4.5gの90%の酢酸を添加し、さらに均質化した。温度を110℃に上昇させた。完全に反応したら、すなわち微細な乾燥粉末になったら、熱のスイッチを切った。達した最高温度は、およそ120℃であったが、反応の間の温度は、ほとんどが100~120℃の範囲内であった。反応が完了した後に、この温度範囲内で混合を続け、この時間の間に、アグロメレート化した生成物が形成された。得られたアグロメレート化した(粉末)生成物をピンミルで粉砕した。
【0186】
その後、XRD分析を実施して、平均晶子径を求めた。XRDパターンを図1に示す。図1のXRDパターン中の線のうちの1つは、例1の生成物(印の付いたGMS-ZMG)についてのものであり、もう一つは、未修飾ZMGについてのものである。2θ=10.9°でのピークは、(100)ミラー指数(重なったカード)により表される一組の平面によるものである。未修飾ZMGの試料の場合40nmであったのに比べて、例1のGMS-ZMGについての<100>方向でのコヒーレンスドメイン長(晶子径)を計算したところ、17nmであった。2θ=17.2°でのピークは、ミラー指数(011)(各カード内の平面)により表される一組の平面に相応する。この方向での晶子径は、GMS-ZMGおよび未修飾ZMGのどちらでも、45nmである。
【0187】
SEMイメージングを、例1のアグロメレート化した生成物について、未修飾ZMGの生成物と比較して実施した。SEM画像を図2aおよび2bに示す。各画像におけるスケールバーは、1μmである。2つの生成物は、異なる形態を有する。図2aの画像(A)は、未修飾ZMGのものである。図2bの画像(B)は、例1のGMS-ZMG生成物のものである。例1の生成物は、アグロメレート化した晶子集団を示す。アグロメレート化した晶子は、(個別の粒子において)「魚のウロコ」のような表面パターンを示し、このことは、はるかにより小さな晶子が不完全に重なり、エッジが露出していることを示す。
【0188】
例1のGMS-ZMG生成物のさらなるSEM画像は、図3a、3bおよび4に示される。
【0189】
200ppmの未修飾ZMG、600ppmの未修飾ZMG、200ppmの例1のGMS-ZMGを含有するiPP(イソタクチックポリプロピレン)、および核形成剤なしの対照物(「ブランク」)の試料を調製した。試料の結晶化挙動を、示差走査熱量測定(DSC)を使用して評価し、これにより、試料温度(セルシウス度)に対する熱流量(試料の出入り)(mW)を測定し、核形成剤を含有するポリプロピレン試料についての結晶化温度を評価した。
【0190】
以下の表は、結果を表の形式で示す:
【表1】
【0191】
上記の表は、200ppmの例1のGMS-ZMGを含有する試料についてのTcが、600ppm(3倍の量)の未修飾ZMGを含有する試料についてのTcとおよそ同じであることを示す。200ppmの例1のGMS-ZMGでのTcは、同量の未修飾ZMGに比べて高い。
【0192】
類似した傾向を140℃での等温のt1/2に見ることができる:
【表2】
【0193】
比較例
湿潤した水亜鉛土(50.0kgの酸化亜鉛に等しい)を、シグマミキサー内で混合しながらゆっくりとグリセロール(53.5kg)に添加した。モノステアリン酸グリセロール(5.0kg)を、混合しながらゆっくりと添加し、混合した組成物を薄いペーストにした。混合物は、水亜鉛土からの著しい水を含有していた-量を計算したところ、使用した水亜鉛土-水のスラリー中で水が70重量%であるか、または反応組成物中の亜鉛に対して1410mol%であった。組成物を160℃に加熱し、この温度で16時間にわたり保持した。乾燥した流動性粉末が生成された。
【0194】
上記の説明は、実質的にBos2006の説明である。このようにして生成される生成物は、「水亜鉛土-ZMG」と称される。
【0195】
生成された粉末(水亜鉛土-ZMG)の晶子径を、XRDを使用して測定(図5)し、例1(GMS-ZMG)および未修飾ZMGの生成物について測定した晶子径と一緒に、結果を以下の表に示す。この表には、<100>/<011>アスペクト比の計算値も含まれている:
【表3】
【0196】
水亜鉛土-ZMG(比較例)についての<100>方向での晶子径は、未修飾ZMGの晶子径にほぼ類似しているが、GMS-ZMG例1についての晶子径よりも著しく大きい。<011>方向での晶子径は、(水亜鉛土-ZMGはわずかに長いものの)3つの場合すべてで、GMS-ZMGの晶子径と同じ桁の晶子径であることが明白である。GMS-ZMG(例1)において、<011>晶子径はほぼ類似したままである(層のサイズ)ものの、<100>晶子径(重なった層の厚さ)はかなり縮小している。通常、GMS-ZMGの<100>/<011>アスペクト比は、0.65未満であり、しばしば0.44未満であり、この場合、0.38である。これが未修飾ZMGおよびGMS-ZMGのどちらよりも小さいことが明らかである。言い換えれば、本発明によるZMGのGMS変形形態は、その他の2つのタイプ(未修飾ZMGおよび水亜鉛土-ZMG)に比べて、より小さなZMG層の積層を生成する(ポリマー中でより効率的に分散することができる)。
【0197】
例A:
100ppm、200ppm、600ppmまたは1200ppmの未修飾ZMGまたはGMS-ZMGを含有するiPP(イソタクチックポリプロピレン、ホモポリマー、メルトフローインデックスは230℃/2.16kgで8dg/分)、および核形成剤なしの対照物(「ブランク」)の試料を調製した。
【0198】
未修飾ZMGおよびGMS-ZMGの晶子径を、XRDを使用して測定し、結果を以下の表に示す。<100>/<011>アスペクト比の計算値も含まれている:
【表4】
【0199】
試料の結晶化挙動を、示差走査熱量測定(DSC)を使用して評価し、これにより、試料温度(セルシウス度)に対する熱流量(試料の出入り)(mW)を測定し、核形成剤を含有するポリプロピレン試料についての結晶化温度を評価した。
【0200】
以下の表は、結果を表の形式で示す:
【表5】
【0201】
上記の表は、100ppmのGMS-ZMGを含有する試料についてのTcが、600ppm(6倍の量)の未修飾ZMGを含有する試料についてのTcとおよそ同じであることを示す。この拡大した濃度範囲にわたるいずれの濃度でも、GMS-ZMGのTcは、同量の未修飾ZMGでのTcに比べてより高い。
【0202】
これらの化合物で調製された試料のなかでも、プレート(厚さ2mm)を射出した。ISO527-2 5A(2012年)に記載の形状を有するダンベルを、メルトフローの意味合いでダイカットし、引張特性をISO527(2012年)に従って試験した。結果(ヤング率および降伏強度)を以下の表に示す。結晶化温度について、同じ傾向が観察される。
【0203】
【表6】
【0204】
)高い値が望ましい。
【0205】
上記の表は、200ppmのGMS-ZMGを含有する試料についてのヤング率および降伏強度が、600ppm(3倍の量)の未修飾ZMGを含有する試料についてのヤング率および降伏強度よりも著しく高いことを示す。この広範囲の濃度にわたるいずれの濃度でも、GMS-ZMGのヤング率および降伏強度は、同量の未修飾ZMGでのヤング率と降伏強度それぞれに比べてより高い。
【0206】
例B:
200ppmの未修飾ZMG、600ppmの未修飾ZMG、200ppmの上記の例のGMS-ZMGまたは600ppmの上記の例のGMS-ZMGを含有するiPP(イソタクチックポリプロピレン、ホモポリマー、メルトフローインデックスは、230℃/2.16kgで19dg/分)、および核形成剤なしの対照物(「ブランク」)の試料を調製した。試料の結晶化挙動を、示差走査熱量測定(DSC)を使用して評価し、これにより、試料温度(セルシウス度)に対する熱流量(試料の出入り)(mW)を測定し、核形成剤を含有するポリプロピレン試料についての結晶化温度を評価した。
【0207】
以下の表は、結果を表の形式で示す:
【表7】
【0208】
上記の表は、200ppmのGMS-ZMGを含有する試料についてのTcが、600ppm(3倍の量)の未修飾ZMGを含有する試料についてのTcとおよそ同じであることを示す。GMS-ZMGの全濃度について、Tcは、同量の未修飾ZMGと比べてより高い。
【0209】
これらの化合物で調製した試料のなかでも、プレート(厚さ2mm)を射出した。ISO527-2 5A(2012年)に記載の形状を有するダンベルを、メルトフローの意味合いでダイカットし、引張特性をISO527(2012年)に従って試験した。結果(ヤング率および降伏強度)を以下の表に示す。結晶化温度について、同じ傾向が観察される。
【0210】
【表8】
【0211】
)高い値が望ましい。
【0212】
上記の表は、200ppmのGMS-ZMGを含有する試料についてのヤング率および降伏強度が、600ppm(3倍の量)の未修飾ZMGを含有する試料についてのヤング率および降伏強度よりも著しく高いことを示す。この範囲の濃度にわたるいずれの濃度でも、GMS-ZMGのヤング率および降伏強度は、同量の未修飾ZMGでのヤング率と降伏強度それぞれに比べてより高い。
【0213】
例C:
200ppmの未修飾ZMGまたは200ppmの上記の例のGMS-ZMGを含有するiPP raco(イソタクチックポリプロピレン、ランダムコポリマー、メルトフローインデックスは、230℃/2.16kgで8dg/分)、および核形成剤なしの対照物(「ブランク」)の試料を調製した。試料の結晶化挙動を、示差走査熱量測定(DSC)を使用して評価し、これにより、試料温度(セルシウス度)に対する熱流量(試料の出入り)(mW)を測定し、核形成剤を含有するポリプロピレン試料についての結晶化温度を評価した。
【0214】
以下の表は、結果を表の形式で示す:
【表9】
【0215】
上記の表は、200ppmのGMS-ZMGを含有する試料についてのTcが、同じ濃度での未修飾ZMGのTcよりも著しく高いことを示す。
【0216】
これらの化合物で調製した試料のなかでも、プレート(厚さ2mm)を射出した。ISO527-2 5A(2012年)に記載の形状を有するダンベルを、メルトフローの意味合いでダイカットし、引張特性をISO527(2012年)に従って試験した。結果(ヤング率および降伏強度)を以下の表に示す。結晶化温度について、同じ傾向が観察される。
【0217】
【表10】
【0218】
)高い値が望ましい。
【0219】
上記の表は、200ppmのGMS-ZMGを含有する試料についてのヤング率および降伏強度が、同じ濃度での未修飾ZMGの試料についてのヤング率および降伏強度よりも高いことを示す。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5