IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーエルエー−テンカー コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許-金属封入光電陰極電子エミッタ 図1
  • 特許-金属封入光電陰極電子エミッタ 図2
  • 特許-金属封入光電陰極電子エミッタ 図3
  • 特許-金属封入光電陰極電子エミッタ 図4
  • 特許-金属封入光電陰極電子エミッタ 図5
  • 特許-金属封入光電陰極電子エミッタ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-29
(45)【発行日】2022-12-07
(54)【発明の名称】金属封入光電陰極電子エミッタ
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/073 20060101AFI20221130BHJP
【FI】
H01J37/073
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021514985
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019051372
(87)【国際公開番号】W WO2020060954
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】62/732,937
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/259,317
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デルガド ギルダルド
(72)【発明者】
【氏名】イオアケイミディ カテリナ
(72)【発明者】
【氏名】ヒル フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ロペス ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ルディ エフ
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第3706885(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0025796(US,A1)
【文献】特表平11-509360(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104561901(CN,A)
【文献】Eric J. Montgomery et al.,Electron emission from alkali-coated metal photocathodes,2010 IEEE International Vacuum Electronics Conference (IVEC),2010年05月,pp.79-80
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/073
H01J 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CsTe、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、若しくは金属、又はこれらの2つ以上を含む光電陰極構造体と、
基板と、
前記基板と反対側の前記光電陰極構造体の外面に配設され、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む保護フィルムと、
前記基板と前記光電陰極との間の第2の保護フィルムと、含み、
前記第2の保護フィルムが、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む、電子エミッタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記基板が、石英、サファイア、UVフューズドシリカ、CaF、若しくはGaF、又はこれらの2つ以上である、電子エミッタ。
【請求項3】
請求項1に記載の電子エミッタであって、
記保護フィルムが、前記光電陰極構造体をカプセル状に包み、前記光電陰極構造体と前記基板との間に配置されて前記第2の保護フィルムを形成し
前記基板が、石英、サファイア、UVフューズドシリカ、CaF、若しくはGaF、又はこれらの2つ以上である、電子エミッタ。
【請求項4】
請求項3に記載の電子エミッタであって、前記保護フィルムに電圧を付与する電圧源を更に含む、電子エミッタ。
【請求項5】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記光電陰極構造体がCsTe又はCsKTeを含み、前記保護フィルムがルテニウム、ニッケル、若しくは白金、又はこれらの2つ以上を含む、電子エミッタ。
【請求項6】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記保護フィルムがニッケルを含む、電子エミッタ。
【請求項7】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記光電陰極構造体が透過モード又は反射モードで動作するように構成される、電子エミッタ。
【請求項8】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記保護フィルムに電圧を付与する電圧源を更に含む、電子エミッタ。
【請求項9】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記保護フィルムがUV波長を透過する、電子エミッタ。
【請求項10】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記保護フィルムが1nm~10nmの厚さを有する、電子エミッタ。
【請求項11】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記保護フィルムが25%以下の気孔率を有する、電子エミッタ。
【請求項12】
請求項1に記載の電子エミッタであって、前記保護フィルムが0.92以上のパッキング密度を有する、電子エミッタ。
【請求項13】
請求項1に記載の電子エミッタを含む電子ビーム器具であって、前記電子エミッタによって生成されて、ウェハの表面から反射された電子を受け取る検出器を含む、電子ビーム器具。
【請求項14】
基板、及びCsTe、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、若しくは金属、又はこれらの2つ以上を含む光電陰極構造体を設け、
前記基板と反対側の前記光電陰極構造体の外面に保護フィルムを付着させることを含む方法であって、
前記保護フィルムが、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記付着させることが、イオンスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、又は原子層堆積を含む、方法。
【請求項16】
電子エミッタを提供することであり、前記電子エミッタは、
Te、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、若しくは金属、又はこれらの2つ以上を含む光電陰極構造体と、
基板と、
前記基板と反対側の前記光電陰極構造体の外面に設けられた保護フィルムであって、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む保護フィルムと、
前記基板と前記光電陰極との間に設けられ、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む、第2の保護フィルムと、
を備えており、
前記光電陰極構造体に光子が送り込まれたときに、前記光電陰極構造体から電子ビームを生成すること、
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記光電陰極構造体のプラズマ洗浄を実行することを更に含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記光電陰極構造体が透過モードで電子ビームを生成する、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記光電陰極構造体が反射モードで電子ビームを生成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子エミッタの保護フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願)
本願は、2018年9月18日に出願され米国仮特許出願第62/732,937号の番号が付与された仮特許出願に対する優先権を請求するものであり、前記仮特許出願の開示内容全体を本願明細書の一部として援用する。
【0003】
半導体製造産業の発展により、収率管理、特に、計測システム及び検査システムにより大きな要望が課せられるようになっている。限界寸法は縮小し続けているが、この産業には、依然として高収率高価値生産を達成する時間を短縮することが求められている。収率問題を検出して解決するまでの合計時間を最小化することが、半導体製造業者の投資利益率を左右する。
【0004】
論理素子や記憶素子等の半導体素子の製造は、通常、多数の製造プロセスを用いて半導体ウェハを加工して、半導体素子の各種の特徴物及び複数の階層を形成することを含む。例えば、リソグラフィは、半導体製造プロセスの一つで、半導体ウェハに配置されたフォトレジストにレチクルからパターンを転写することを含む。半導体製造プロセスの他の例としては、限定ではないが、化学機械研磨(Chemical-Mechanical Poliching,CMP)、エッチング、付着、及びイオン注入が挙げられる。複数の半導体素子は、単一の半導体ウェハ上の配列物として製造され、その後で個々の半導体素子に分離されてよい。
【0005】
電子ビームは、半導体の製造中に、いくつかの異なる用途で利用される。例えば、電子ビームを変調して、半導体ウェハ、マスク、又は他のワークの上の電子感受性レジストに送ることで、ワーク上に電子パターンを生成できる。電子ビームは、ウェハの検査にも利用することができ、この検査では、例えば、ウェハから出現又は反射した電子を検出して瑕疵、異常部、又は望ましくない物体を検出する。
【0006】
これらの検査プロセスは、半導体製造プロセスの中の各種のステップにおいて、製造プロセスの収率を上げ、ひいては利益を大きくする目的で利用される。検査は、集積回路(Integrated Circuit,IC)等の半導体素子の作製において常に重要な部分を構成している。ただし、半導体素子の寸法が小さくなるにつれて、より小さな瑕疵によって素子が不良品になり得るため、満足できる半導体素子を正常に作製する上で検査の重要性が増している。例えば、半導体素子の寸法が小さくなると、比較的小さい瑕疵であっても半導体素子に望ましくない異常を生じ得るため、より小さいサイズの瑕疵を検出することが必要になる。
【0007】
電子ビームの生成には光電陰極も利用されている。光電陰極システムに入射する単一の光ビームは、高輝度の単一電子ビームを生成でき、この単一電子ビームは、高い電子電流密度を提供できる。例えば、アルカリ系光電子エミッタが、UVスペクトル範囲の光電陰極エミッタとして利用されている。これらの光電陰極は、真空環境や、大量の深紫外(Deep Ultraviolet,DUV)光子への曝露によって劣化する。この劣化がシステムの寿命全体を通じて生じないようにする明快な方法は存在しない。
【0008】
光電陰極電子エミッタは、一般に、酸化、又は真空環境からのカーボンビルドアップから自身を保護する保護被膜を備えていない。中には保護キャップ層を有するものもあるが、光電陰極上の既存の保護キャップ層は、洗浄に耐える程堅牢ではない。したがって、これらのキャップ層は、動作中に光電陰極電子エミッタを保護できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2010/0025796号
【文献】国際公開第2013/090261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、改良された光電陰極電子エミッタが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1実施形態において電子エミッタが提供される。電子エミッタは、光電陰極構造体を含み、電子エミッタは、Cs2Te、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、若しくは金属、又はこれらの2つ以上を含む光電陰極構造体と、光電陰極構造体の外面に配設された保護フィルムとを含む。保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む。
【0012】
一例において、電圧源により保護フィルムに電圧が付与される。
【0013】
電子エミッタは、基板、及び基板と光電陰極構造体との間の第2の保護フィルムを更に含んでよい。第2の保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含んでよい。例えば、第2の保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、若しくは白金、又はこれらの2つ以上を含む。基板は、石英、サファイア、UVフューズドシリカ、CaF、若しくはMgF、又はこれらの2つ以上であり得る。
【0014】
電子エミッタは、光電陰極構造体の外面の反対側に配設された基板を更に含むことができる。保護フィルムは、光電陰極構造体をカプセル状に包むことができ、光電陰極構造体と基板との間に設けられる。基板は、石英、サファイア、UVフューズドシリカ、CaF、若しくはMgF、又はこれらの2つ以上を含んでよい。電圧源によって保護フィルムに電圧を付与できる。
【0015】
一例において、光電陰極構造体は、CsTe又はCsKTeを含み、保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、若しくは白金、又はこれらの2つ以上を含む。
【0016】
一例において、保護フィルムはニッケルを含む。
【0017】
光電陰極構造体は、透過モード又は反射モードで動作するように構成できる。
【0018】
保護フィルムは、UV波長を透過できる。
【0019】
保護フィルムは、1nmから10nmの厚さであってよい。
【0020】
保護フィルムの気孔率は25%以下であってよい。
【0021】
保護フィルムのパッキング密度は、0.92以上であってよい。
【0022】
電子ビーム器具は、第1実施形態の電子エミッタの一例を含んでよい。電子ビーム器具は、電子エミッタによって生成されて、ウェハの表面から反射された電子を受け取る検出器を含む。
【0023】
第2実施形態において方法が提示される。CsTe、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、若しくは金属、又はこれらの2つ以上を含む光電陰極構造体が提供される。保護フィルムが光電陰極構造体の外面に付着される。保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む。付着させる処理としては、イオンスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、又は原子層堆積が挙げられる。
【0024】
第3実施形態において方法が提示される。光電陰極構造体が提供される。光電陰極は、CsTe、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、若しくは金属、又はこれらの2つ以上と、光電陰極構造体の外面に設けられた保護フィルムとを含む。保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、若しくはこれらの合金、又はこれらの2つ以上を含む。光子が光電陰極構造体に送られると、光電陰極構造体から電子ビームが生成される。
【0025】
光電陰極構造体のプラズマ洗浄を実行できる。
【0026】
光電陰極構造体は、透過モード又は反射モードで電子ビームを生成できる。
【0027】
本開示の性質及び目的の十分な理解のために、付属の図面と組み合わせて下記の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示に係る電子エミッタの実施形態を示す断面図である。
図2】Pt/CsKTe/Ni光電陰極の安定性についての検査結果を示す図である。
図3】本開示に係る方法の実施形態を示すフローチャートである。
図4】本開示に係る方法の他の実施形態を示すフローチャートである。
図5】本開示に係るシステムの実施形態を示すブロック図である。
図6】光電流の検査結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
請求項に記載内容をいくつかの特定の実施形態に関連して説明するが、本明細書に記載した利点及び特徴の一部を提供しない実施形態を含め、他の実施形態も本開示の範囲に入る。各種の構造的変更、論理的変更、プロセスステップの変更、及び電子的変更を本開示の範囲から外れることなく実施することができる。したがって、本開示の範囲は、付随する請求項のみに基づいて定義される。
【0030】
低真空状態で動作できる、量子効率の高い光電陰極を開示する。ルテニウム、ルテニウム合金、白金、白金合金、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、銅、銅合金、これらの組合せ、又は他の金属を保護フィルムに利用して、光電陰極の1つ以上の表面をカプセル状に包むことができる。前述した他の金属は、例えば、金、銀、又はアルミニウムであり得る。光電陰極は、電界放出性能を劣化させる原因となり得る真空状態からの影響を受ける。電子電流の高い安定性と寿命とを維持するために、光電陰極の全体又は一部を保護フィルムでカプセル状に包むことができる。保護フィルムは、光電陰極に、酸化及びカーボンビルドアップに対する耐性を与える。保護フィルムは、比較的低いスパッタイールドを有し、イオンによる侵食に耐えることができる。また、保護フィルムは、光電陰極を単独で用いる場合よりも有利な利点を提供し得る。金属も、半導体や絶縁体よりも低いエミッタンスを有し得る。したがって、保護フィルムの利用は、単独又は複数の金属の特性によって向上した電流安定性を提供でき、向上した寿命や、低下したエミッタンスを提供でき、更には低真空での動作を実現できる。低いエミッタンスは、電子ビームを小さな点に集束させる場合に有利になり得る。
【0031】
光電陰極は、光電陰極構造体が光源に晒されたときに透過モード又は反射モードのいずれかで電子を放出する電子供給源である。光電陰極構造体は、塊状物質、単一のフィルム、又は基板に成膜された一連のフィルムであってよい。光の波長は、放出電流量、及び放出電子のエネルギの広がりを最適化するように選択できる。光電陰極によって生成された電流は、冷電界エミッタによって生成された電流よりも安定したものになり得る。光電子放出には、シリコン、金属被覆シリコン、又はアルカリハライドをはじめ、多数の材料を利用できる。例えば、CsTe光電陰極やCsKTE光電陰極は、DUV範囲の光で高い量子効率を示す。利用可能な他の光電陰極材料としては、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、又は金属が挙げられる。他の光電陰極材料も利用可能である。
【0032】
図1は、電子エミッタ100の実施形態を示す断面図である。電子エミッタ100は、光電陰極構造体101を含む。光電陰極構造体101は、CsTe及びCsKTEを含んでよい。光電陰極構造体101は、半導体又は金属である他の光電陰極材料を含んでもよい。光電陰極構造体101は、平面状の外形を持ち得るが、他の形状も利用できる。
【0033】
光電陰極構造体101の外面105に保護フィルム102が設けられる。保護フィルム102は、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、及びこれらの合金のうちの1つ以上を含む。例えば、保護フィルム102は、ルテニウム、又はルテニウムと白金の合金等のルテニウム合金であってよい。保護フィルム102は、高電界の存在下で、光電陰極構造体101を堅牢にする一方で、イオンスパッタリング、プラズマ、又は他の洗浄技法に対する高い堅牢性も与える。
【0034】
超高真空状態において、電子ビームの放出中に炭素層が電子エミッタ100の表面に成長し得る。同様に、電子エミッタ100の各表面の酸化が、超高真空状態であっても時間の経過と共に生じてくる。炭素又は酸化作用は、光電陰極の性能に影響を与える可能性がある。保護フィルム102は、光電陰極構造体101の外面105等、電子エミッタの表面を酸化及びカーボンビルドアップから保護できる。このことは、電子エミッタ100の寿命に有利に働く。
【0035】
電子エミッタ100は基板104を更に含むことができる。基板104は、石英、サファイア、UVフューズドシリカ、CaF、及びMgFのうちの1つ以上であってよい。基板に他の材料も利用できる。
【0036】
一例において、5μmのニッケル保護フィルム102が光電陰極構造体101で利用される。
【0037】
基板104と光電陰極構造体101との間に第2の保護フィルム103を形成できる。第2の保護フィルム103は、前述した保護フィルム102と反対の光電陰極構造体101の表面上に存在できる。第2の保護フィルム103は、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、及びこれらの合金のうちの1つ以上を含む。例えば、第2の保護フィルム103は、ルテニウム、又はルテニウムと白金の合金等のルテニウム合金であってよい。
【0038】
第2の保護フィルム103は、保護フィルム102と異なっていてよい。例えば、第2の保護フィルム103は、許容可能な有効範囲での低い吸収性、電気的均一性、及びプラズモン効果を有する物質であってよい。保護フィルム102は、第2の保護フィルム103より低い仕事関数を有してよい。
【0039】
一例において、保護フィルム102及び保護フィルム103は、光電陰極構造体101を部分的に又は完全にカプセル状に包む同一保護フィルムの一部である。基板104は、光電陰極構造体101の外面105の反対側に設けられる。第2の保護フィルム103を備える保護フィルムは、光電陰極構造体101と基板104との間に配置される。
【0040】
電圧源106は、保護フィルム102又は保護フィルム103に電圧を与えることができる。保護フィルム102及び/又は第2の保護フィルム103に電圧を与えることで、所望の表面に電子を移動させる制御を提供できる。例えば、電子エミッタ100の背面側の第2の保護フィルム103が陽電荷を帯びる場合、電子が出射面に移動するように仕向けて電子放出を強化できる。
【0041】
保護フィルム102又は第2の保護フィルム103は、1nmから10nmまでの厚さを持つことができ、1nmから10nmの値は、0.1nm刻みの値とその間の範囲の全ての値を含む。この厚さは、光電陰極構造体101、又は保護フィルム102若しくは第2の保護フィルム103が設けられた別の層の外側表面から測定できる。保護フィルム102の最適な厚さは、最適な電子放出に対応するように構成できる。実現可能な範囲で増大した厚さは、効率を左右し得る。
【0042】
保護フィルム102の厚さは、電子エミッタ100の抽出構成、及び光電子放出に用いられる波長によって異なり得る。例えば、厚さは、1~2nmから電子エミッタ100の抽出構成に応じた値で変更されてよい。厚さが大きすぎると、保護フィルム102が全ての光を吸収し、且つ/又は、増加した仕事関数によって保護フィルム102が電子を容易に逃がさなくなる。保護フィルム102は、一般に保護機能を提供するため、性能に影響することなく光電陰極構造体101を保護する十分な厚さになり得る。また、保護フィルム102は電子も供給できるため、その厚さは、電子の生成に用いられる光の波長に応じて変更されてよい。例えば、保護フィルム102の厚さは、仕事関数が最小化して表面の有効範囲が均一になるように266nmの波長に合わせて最適化できる。
【0043】
基板104の厚さも、特定の波長に応じて最適化できる。基板104の厚さは、光の吸収を最小限に抑えながら導通を最適化するように選択できる。
【0044】
また、保護フィルム102の厚さは、所定の波長で光の透過が最適になり量子効率が最大になるにように最適化されて最適な電子放出を行うように構成することもできる。保護フィルム102の厚さが増すにつれて、電子は真空に逃げることが難しくなるため、量子効率が低下する。厳密な厚さは光電陰極の抽出構成と、光電子放出に用いられる波長とに左右され得る。波長を最適化することでエネルギの広がりを抑制できる。
【0045】
保護フィルム102は、少なくとも光電陰極構造体101の放出領域においてピンホールが無くてよい。第2の保護フィルム103にもピンホールが無くてよい。保護フィルム102又は第2の保護フィルム103は、25%以下の気孔率を持ち得る。気孔率が25%を超えると、保護機能が損なわれる可能性がある。保護フィルム102又は第2の保護フィルム103は、0.92以上のパッキング密度を有し得る。パッキング密度が0.92に満たないと保護機能が損なわれる可能性がある。保護フィルム102の特性は、第2の保護フィルム103の特性と異なってよい。
【0046】
保護フィルム102又は第2の保護フィルム103は、イオンスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、若しくは原子層堆積(Atomic Layer Deposition,ALD)によって、又は稠密でピンホールの無い均一な保護フィルム102を提供する他の方法によって付着させることができる。気孔率(P)は、下記の数式により屈折率を用いて定義及び測定できる。
【数1】
【0047】
前式において、nは、保護フィルム102の屈折率、nは、材料の屈折率である。フィルムのパッキング密度(PD)は、下記の数式を用いて、平均フィルム密度(ρ)と嵩密度(ρ)の比として定義される。
【数2】
【0048】
フィルムの屈折率とパッキング密度の相関関係は、下記の数式で表せる。
【数3】
【0049】
保護フィルム102は、少なくとも放出領域に気泡及び封入物を含まないものであり得る。第2の保護フィルム103も、気泡及び封入物が無いものであり得る。例えば、保護フィルム102又は第2の保護フィルム103は、直径又は長さ寸法が1nm未満である欠陥のみを含むものであり得る。
【0050】
保護フィルム102は、放出領域の全域で10より少ない不純物しか含まないものであってよい。不純物としては、炭素、酸化物、溶融ガスとしての酸素、ナトリウム、又はカリウムが挙げられる。
【0051】
保護フィルム102は、電子電界放出に対する堅牢性、高電界の存在下での堅牢性、イオンスパッタリングに対する堅牢性、及びプラズマ洗浄又は他の洗浄方法に対する堅牢性を持ち得る。酸化状態及び/又は炭素は、保護フィルム102を損傷せずに保護フィルム102から除去できる。例えば、保護フィルム102は、分子状水素、水素プラズマ、又は他のプラズマにより、原子レベルまで洗浄することができる。
【0052】
損傷なく保護フィルム102を洗浄できることに加え、保護フィルム102は、酸化及び炭素汚染に対する耐性も持ち得る。ルテニウムは、表面に着地する気体分子を分解する機能、又は気体分子が表面に付着することを防ぐ機能を有し得る。これらの分子は、電子エミッタ100の表面上の抽出領域を歪ませて、強化された放出を引き起こせるが、このような放出は、表面上の分子の移動及び滞留時間によってビーム内でノイズとして解釈される。したがって、保護フィルム102は自己浄化可能である。
【0053】
光電陰極構造体101は、保護フィルム102で被覆されると、表面が滑らになり、エミッタンスが低くなる。光電陰極構造体101上の保護フィルム102は、電圧の付与中等に、所望の表面への電子移動を制御できる。電子移動は、光電陰極構造体101の一表面上の保護フィルム102と、その反対側の光電陰極構造体101の表面上の第2の保護フィルム103とを用いて制御することができる。また、保護フィルム102は、電子ビームの角度の広がりが向上した状態も提供できる。より滑らかな保護フィルム102が、この向上した角度の広がりを提供できる。
【0054】
保護フィルム102を用いることで、より高圧での電子エミッタ100の動作が可能になる。光電陰極は、一般に約10-11トルで動作可能である。保護フィルム102を用いると、電子エミッタ100は、約10-9トルで動作できるようになる。
【0055】
保護フィルム102は、UV波長に対する透過性を有する。これにより、透過モードと反射モードの両方での電子エミッタ100の動作が可能になる。透過モードでは、外面105の反対側の光電陰極構造体101の表面が、例えば、基板104を介して照光される。反射モードでは、光電陰極構造体101の外面105が照光される。
【0056】
電子エミッタ100の各種の実施形態は、レチクル及びウェハの検査システムにおける電子源として利用することができる。例えば、電子エミッタ100の実施形態は、単独若しくは複数の電子源を利用する電子ビームウェハ若しくはレチクルの検査システム内、単独若しくは複数の電子源を利用する電子ビームウェハ若しくはレチクルの確認システム内、又は単独若しくは複数の電子源を利用する電子ビームウェハ若しくはレチクルの計測システム内の電子源として利用できる。また、電子エミッタ100の各種の実施形態は、ウェハ若しくはレチクルの計測、確認、又は検査において、単独若しくは複数の電子源を利用してX線を生成するシステムで利用されてもよい。
【0057】
図2は、Pt/CsKTe/Ni光電陰極の安定性についての検査結果を示す図である。抽出電流は、約6時間の期間に渡ってグラフ化されている。図2に示されているノイズのほとんどはレーザによるものである。図2には、保護フィルム102等の保護フィルムを有する光電陰極がより高い安定性と長寿命を有することが示されている。
【0058】
図6に、図2の光電陰極の光電流についての検査結果を示す。図6は、光電流が長い期間の動作で比較的安定していることを示しており、これは以前の設計よりも向上した点である。
【0059】
図3は、方法200のフローチャートである。ステップ201において、CsTe、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、CsKSb、及び金属のうちの1つ以上を含む光電陰極構造体が設けられる。一例において、光電陰極はCsTe又はCsKTeを含む。ステップ202において、光電陰極構造体の外面に保護フィルムを付着させる。保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、及びこれらの合金のうちの1つ以上を含む。一例において、保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、及び銅のうちの1つ以上を含む。この保護フィルムは、保護フィルム102の一実施形態であってよい。付着させる処理としては、イオンスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、又はALDが挙げられる。この付着処理により、所望のフィルム密度、共形特性、及びピンホール欠陥量を提供できる。
【0060】
図4は、方法250のフローチャートである。ステップ251において、光電陰極構造体が設けられる。光電陰極構造体は、CsTe、CsKTe、CsI、CsBr、GaAs、GaN、InSb、及び金属のうちの1つ以上を含む。この光電陰極構造体も、光電陰極構造体の外面に設けられた保護フィルムを含む。保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、銅、金、銀、アルミニウム、及びこれらの合金のうちの1つ以上を含む。一例において、光電陰極構造体は、Cs又はCsKTeを含み、保護フィルムは、ルテニウム、ニッケル、白金、クロム、及び銅のうちの1つ以上を含む。保護フィルムは、保護フィルム102の一実施形態であってよい。ステップ252において、光電陰極構造体に光子が送り込まれると、光電陰極構造体から電子ビームが生成される。電子の生成は、約10-5トル以下、例えば、10-9トルにおいて生じ得る。電子ビームは、透過モード又は反射モードで生成することができる。
【0061】
電子ビームの生成後、光電陰極構造体にプラズマ洗浄を実行できるが、この洗浄は省略可能である。プラズマ洗浄により、酸化状態及び炭素を表面から除去することができる。プラズマ洗浄は、分子状水素、水素プラズマ、又は他のプラズマを用いて分子レベルまで洗浄できる。
【0062】
図5は、システム300の実施形態を示すブロック図である。システム300は、ウェハ304の画像を生成するように構成されたウェハ検査器具(電子カラム301を含む)を含む。
【0063】
ウェハ検査器具は、少なくともエネルギ源及び検出器を含む出力取得サブシステムを含む。出力取得サブシステムは、電子ビームを基準とする出力取得サブシステムであってよい。例えば、一実施形態において、ウェハ304に送達されるエネルギが電子を含み、ウェハ304から検出されるエネルギが電子を含む。この方式において、エネルギ源は電子ビーム供給源であってよい。図5に示されたこのような一実施形態において、出力取得サブシステムは電子カラム301を含んでおり、この電子カラム301はコンピュータサブシステム302に連結される。チャック(図示せず)がウェハ304を保持してよい。
【0064】
また、図5に示されるように、電子カラム301は、電子を生成するように構成された電子ビーム供給源303を含み、生成された電子ビームは、1つ以上の要素305によってウェハ304上に集束される。電子ビーム供給源303は、例えば、図1の電子エミッタ100を含んでよい。1つ以上の要素305としては、例えば、電子銃レンズ、アノード、ビーム規制開口、ゲートバルブ、ビーム電流選択開口、対物レンズ、及び走査サブシステムが挙げられ、これらは全て、本分野で知られている適切な要素を含んでよい。
【0065】
ウェハ304から戻された電子(例えば、二次電子)は、1つ以上の要素306によって検出器307に集めることができる。1つ以上の要素306は、例えば、走査サブシステムを含んでよく、この走査サブシステムは、要素305に含まれるものと同じ走査サブシステムであってよい。
【0066】
電子カラムも、本分野で知られている他の適切な要素を含んでよい。
【0067】
電子カラム301は、電子が斜角の入射角でウェハ304に送られて、別の斜角でウェハ304から散乱されるように構成された状態で図5に示されているが、電子ビームは、任意の適切な角度でウェハ304に送られて、任意の適切な角度で散乱されてよい。また、電子ビームを基準とする出力取得サブシステムは、ウェハ304の画像を生成するモードとして複数のモード(例えば、異なる照射角度、異なる集光角等)を利用して構成されてよい。電子ビームを基準とする出力取得サブシステムの複数のモードは、出力取得サブシステムの各種の画像生成パラメータが異なっていてよい。
【0068】
コンピュータサブシステム302は、検出器307に連結でき、この連結は、コンピュータサブシステム302が検出器307又はウェハ検査器具の他の構成要素と電子通信するように為される。検出器307は、ウェハ304の表面から戻されて、コンピュータサブシステム302でウェハ304の電子ビーム画像を形成する電子を検出できる。電子ビーム画像は、任意の適切な電子ビーム画像を含んでよい。コンピュータサブシステム302は、プロセッサ308及び電子データ格納ユニット309を含む。プロセッサ308は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は他の装置を含んでよい。
【0069】
図5は、本明細書に記載した実施形態に利用できる電子ビームを基準とする出力取得サブシステムの構成を概略的に示すためのものであることに留意されたい。本明細書に記載された電子ビームを基準とする出力取得サブシステムの構成は、商用の出力取得サブシステムの設計時に一般に行われているように、出力取得サブシステムの性能を最適化するように変更されてよい。また、本明細書に記載したシステムは、既存のシステムによって(例えば、本明細書に記載した機能を既存のシステムに追加することによって)構築されてよい。このようないくつかのシステムに、本明細書に記載した方法が、システムの任意構成である機能(例えば、システムの他の機能に追加される機能)として提供されてよい。これに代えて、本明細書に記載したシステムは、全く新しいシステムとして設計されてもよい。
【0070】
コンピュータサブシステム302は、任意の適切な方式(例えば、有線及び/又は無線の通信媒体を始めとする1つ以上の通信媒体を介した方式)でシステム300の構成要素に連結できるため、プロセッサ308は出力を受け取ることができる。プロセッサ308は、受け取った出力を用いて複数の機能を実行するように構成されてよい。ウェハ検査器具は、プロセッサ308から命令又は他の情報を受け取ることができる。省略可能であるが、プロセッサ308及び/又は電子データ格納ユニット309は、他のウェハ検査器具、ウェハ計測器具、又はウェハ確認器具(図示せず)と電子通信して、追加の情報を受信したり、命令を送信したりできる。
【0071】
本明細書に記載したコンピュータサブシステム302、他のシステム、又は他のサブシステムは、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、又は他の装置を含む各種のシステムの一部であってよい。また、このようなサブシステム又はシステムは、並列プロセッサ等、本分野で知られている任意の適切なプロセッサも含んでよい。これに加え、サブシステム又はシステムは、高速処理とソフトウェアが備わった、スタンドアロン型又はネットワーク型のいずれかの器具としてプラットフォームを含んでよい。
【0072】
プロセッサ308及び電子データ格納ユニット309は、システム300内若しくは他の装置内に設けられても、又はシステム300若しくは他の装置の一部として構成されてもよい。一例において、プロセッサ308及び電子データ格納ユニット309は、スタンドアロン型管理ユニットの一部であっても、又は中央集中品質管理ユニット内に存在してもよい。複数のプロセッサ308又は電子データ格納ユニット309が利用されてよい。
【0073】
プロセッサ308は、実用上、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせによって実施されてよい。また、本明細書に記載した機能は、1つのユニットによって実行されても、又は複数の構成要素の中で分割されてもよく、ひいては、いずれの方式においても、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせによって実施されてよい。各種の方法及び機能を実施するためのプロセッサ308のプログラムコード又は命令は、電子データ格納ユニット309内のメモリ、又は他のメモリ等、読み取り可能な記憶媒体に格納されてよい。
【0074】
図5のシステム300は、電子源100の実施形態、又は方法250の実施形態を利用できるシステムの一例に過ぎない。電子エミッタ100の実施形態は、欠陥確認システム、検査システム、計測システム、又は他のタイプのシステムの一部であってよい。したがって、本明細書に開示した実施形態は、異なる用途にほぼ適合する様々な性能を有するシステムに合わせて調整可能ないくつかの構成を記述したものである。
【0075】
本方法の各ステップは本明細書に記載されたように実行することができる。本方法は、本明細書に記載したプロセッサ及び/又は1つ以上のコンピュータサブシステム若しくはシステムで実行できる任意の他のステップを含んでよい。各ステップは、1つ以上のコンピュータシステムによって実行されてよく、1つ以上のコンピュータシステムは、本明細書に記載したいずれかの実施形態に従って構成されてよい。また、前述した方法は、本明細書に記載した、システムの実施形態のいずれかによって実行されてよい。
【0076】
本開示は1つ以上の特定の実施形態を参照して記述されているが、本開示の範囲から外れることなく本開示の他の実施形態を実施できることは理解されるであろう。したがって、本開示は、付随する請求項、及び請求項の合理的解釈によってのみ規定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6