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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-30
(45)【発行日】2022-12-08
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/51 20060101AFI20221201BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20221201BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20221201BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
A61F13/51
A61F13/49 413
A61F13/15 210
A61F13/514 400
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019115039
(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公開番号】P2021000239
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 ひかり
(72)【発明者】
【氏名】大橋 竜吾
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526964(JP,A)
【文献】特開2017-217063(JP,A)
【文献】特開2013-070836(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066334(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/136391(WO,A1)
【文献】特開2010-154928(JP,A)
【文献】特開2016-190031(JP,A)
【文献】国際公開第2018/096736(WO,A1)
【文献】特開2005-178827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
A61L 15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向、前記前後方向に直交する幅方向、及び厚さ方向と、
着用者の胴回りを覆う胴回り域と、前記胴回り域よりも前記前後方向の内側に位置する股下域と、
少なくとも前記股下域に配置されており、かつ吸収体を有する吸収性本体と、
少なくとも前記胴回り域に配置される外装体と、を有する吸収性物品であって、
前記外装体は、前記吸収性本体と前記厚さ方向に重ならない非重複部を有し、
前記非重複部には、紫外線を遮蔽する保護領域が設けられており、
前記外装体は、
白色の不織布と、
前記保護領域を構成する保護層と、を有し、
前記保護層は、
フィルムと、
白色インクにより構成され、かつ前記フィルムの非肌面側に塗布される第1インク層と、
インクによってデザインが施されたデザイン領域を構成し、かつ前記第1インク層の非肌面側に塗布される第2インク層と、を有し、
前記保護領域は、前記第1インク層と前記第2インク層とが前記厚さ方向に重なっている領域を有する吸収性物品。
【請求項2】
前記保護領域は、前記紫外線の遮蔽率が60%以上である領域を有する請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前後方向、及び前記前後方向に直交する幅方向と、厚さ方向と、
着用者の胴回りを覆う胴回り域と、前記胴回り域よりも前記前後方向の内側に位置する股下域と、
少なくとも前記股下域に配置されており、かつ吸収体を有する吸収性本体と、
少なくとも前記胴回り域に配置される外装体と、を有する吸収性物品であって、
前記外装体は、前記吸収性本体と前記厚さ方向に重ならない非重複部を有し、
前記非重複部には、遮熱性を有する保護領域が設けられており、
前記外装体は、
白色の不織布と、
前記保護領域を構成する保護層と、を有し、
前記保護層は、
フィルムと、
白色インクにより構成され、かつ前記フィルムの非肌面側に塗布される第1インク層と、
インクによってデザインが施されたデザイン領域を構成し、かつ前記第1インク層の非肌面側に塗布される第2インク層と、を有し、
前記保護領域は、前記第1インク層と前記第2インク層とが前記厚さ方向に重なっている領域を有する吸収性物品。
【請求項4】
前記外装体は、
着用者の肌に当接する当接面を有する内側シートと、
前記胴回り域において最も非肌面側に配置されている外側シートと、を更に有し、
前記内側シートと前記外側シートの少なくとも一方は、前記不織布により構成されており、
前記非重複部には、前記保護層、前記外側シート、及び前記内側シートが前記厚さ方向に積層された3層のみのシート層が存在する領域が設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記外装体は、
着用者の肌に当接する当接面を有する内側シートと、
前記胴回り域において最も非肌面側に配置されている外側シートと、を更に有し、
前記内側シートと前記外側シートの少なくとも一方は、前記不織布により構成されており、
前記保護層は、前記内側シートと前記外側シートとの間に配置されている請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記フィルムは、前記外装体の前記前後方向の外端縁を折り目として折り返されており、
前記フィルムどうしが前記厚さ方向に重なる領域を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記フィルムは、前記外装体の前記前後方向の外端縁を折り目として折り返されていない請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記外装体は、伸縮性を有する弾性部材を有し
前記フィルムは、前記弾性部材よりも非肌面側に配置されている請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
白色インクの網点面積率は、60%以上である請求項1から8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記外装体は、
着用者の肌に当接する当接面を有する内側シートと、
前記外装体において最も非肌面側に配置されている外側シートと、を更に有し、
前記保護領域を構成するインクが前記内側シートに配置されている請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収性物品の平面視において、前記非重複部において、前記外装体の一方の外側部から前記外装体の他方の外側部まで前記白色インクが全面的に配置されている請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記白色インク又は前記インクは、前記紫外線を遮蔽する材料を含む請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項13】
請求項1又は2に記載の複数の吸収性物品と、前記複数の吸収性物品を収容するパッケージと、を含む吸収性物品の収容体であって、
前記パッケージには、前記吸収性物品が前記紫外線を遮蔽する機能を有することを表す表示部が設けられている吸収性物品の収容体。
【請求項14】
請求項3に記載の複数の吸収性物品と、前記複数の吸収性物品を収容するパッケージと、を含む吸収性物品の収容体であって、
前記パッケージには、前記吸収性物品が遮熱機能を有することを表す表示部が設けられている吸収性物品の収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、図形を有する吸収性物品を収容するパッケージが開示されている。パッケージには、図形を視認するための窓エリアに加えて、紫外線バリアエリアが設けられている。紫外線バリアエリアによって、吸収性物品に使用される強化接着剤の劣化を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2010-540064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外では、太陽光を直接浴びる機会が多い。着用者又は母親等の補助者は、吸収性物品を着用した着用者が太陽光に当たっていても、吸収性物品によって覆われている部分は太陽光から保護されていると安心しがちである。
【0005】
しかしながら、少なくとも胴回り域に配置される外装体のうち吸収性本体と厚さ方向に重なる部分では、複数のシートが重なり合っているため太陽光に含まれる紫外線を通しにくいものの、外装体のうち吸収性本体と厚さ方向に重ならない非重複部では、紫外線が透過し易く、着用者の肌へダメージを与え易いという問題ある。着用者の肌を守るために日焼け止め等の薬剤を使用した場合、吸収性物品で覆われている部分は、刺激に敏感である領域が多いため、着用者(特に幼児)の肌に刺激を与える虞がある。
【0006】
また、吸収性物品に太陽光に含まれる赤外線が当たることで、吸収性物品に覆われている部分の体温が上がるため、着用者の快適性が低下していた。また、高温の物体は赤外線を放射するため、屋外に限らず、太陽光に直接当たらないような環境(例えば、夏場の車内)でも同様の問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、環境に起因した着用者への悪影響を低減可能な吸収性物品を提供することを目的とする。
【0008】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向、前記前後方向に直交する幅方向、及び厚さ方向と、着用者の胴回りを覆う胴回り域と、前記胴回り域よりも前記前後方向の内側に位置する股下域と、少なくとも前記股下域に配置されており、かつ吸収体を有する吸収性本体と、少なくとも前記胴回り域に配置される外装体と、を有する吸収性物品である。前記外装体は、前記吸収性本体と前記厚さ方向に重ならない非重複部を有する。前記非重複部には、紫外線を遮蔽する保護領域が設けられている。
【0009】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向、及び前記前後方向に直交する幅方向と、厚さ方向と、着用者の胴回りを覆う胴回り域と、前記胴回り域よりも前記前後方向の内側に位置する股下域と、少なくとも前記股下域に配置されており、かつ吸収体を有する吸収性本体と、少なくとも前記胴回り域に配置される外装体と、を有する吸収性物品である。前記外装体は、前記吸収性本体と前記厚さ方向に重ならない非重複部を有する。前記非重複部には、遮熱性を有する保護領域が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る吸収性物品1の模式正面図である。
【0011】
図2図2は、本実施形態に係る吸収性物品1の模式平面図である。
【0012】
図3図3は、本実施形態に係る吸収性物品の模式断面図である。
【0013】
図4図4は、本実施形態に係る吸収性物品の模式断面図である。
【0014】
図5図5は、変更例1に係る吸収性物品の一例を説明するための図である。
【0015】
図6図6は、変更例2に係る吸収性物品の外装体を説明するための図である。
【0016】
図7図7は、変更例3及び変更例4に係る吸収性物品の外装体を説明するための図である。
【0017】
図8図8は、遮熱の測定を説明するための図である。
【0018】
図9図9は、実施形態に係る収容体を説明するための図である。
【0019】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0020】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向、前記前後方向に直交する幅方向、及び厚さ方向と、着用者の胴回りを覆う胴回り域と、前記胴回り域よりも前記前後方向の内側に位置する股下域と、少なくとも前記股下域に配置されており、かつ吸収体を有する吸収性本体と、少なくとも前記胴回り域に配置される外装体と、を有する吸収性物品である。前記外装体は、前記吸収性本体と前記厚さ方向に重ならない非重複部を有する。前記非重複部には、紫外線を遮蔽する保護領域が設けられている。
【0021】
これにより、紫外線が透過し易い非重複部において、保護領域によって、着用者の肌へ到達する紫外線の量を低減できる。吸収性物品の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができるため、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0022】
好ましい一態様によれば、保護領域は、前記紫外線の遮蔽率が60%以上である領域を有してよい。
【0023】
これにより、着用者の肌へ到達する紫外線量を60%以上低減できるため、吸収性物品の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができる。
【0024】
一態様に係る吸収性物品は、前後方向、及び前記前後方向に直交する幅方向と、厚さ方向と、着用者の胴回りを覆う胴回り域と、前記胴回り域よりも前記前後方向の内側に位置する股下域と、少なくとも前記股下域に配置されており、かつ吸収体を有する吸収性本体と、少なくとも前記胴回り域に配置される外装体と、を有する吸収性物品である。前記外装体は、前記吸収性本体と前記厚さ方向に重ならない非重複部を有する。前記非重複部には、遮熱性を有する保護領域が設けられている。
【0025】
これにより、非重複部には遮熱性を有する保護領域が設けられているため、保護領域で覆われている部分は、環境に起因して着用者の体温が上昇することを抑制できる。従って、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0026】
好ましい一態様によれば、前記外装体は、着用者の肌に当接する当接面を有する内側シートと、前記胴回り域において最も非肌面側に配置されている外側シートと、前記保護領域を構成する保護層と、を有してよい。前記非重複部には、前記保護層、前記外側シート、及び前記内側シートが前記厚さ方向に積層された3層のみのシート層が存在する領域が設けられてよい。
【0027】
3層のみの積層シートが存在する領域において、仮に保護層が存在しない場合には、外側シート及び内側シートの2層の積層シートでしか着用者の肌を覆えないため、着用者が環境からの影響を特に受け易い。従って、環境からの影響を受け易い部分に保護層が存在することで、環境からの影響を受け難くすることができる。
【0028】
好ましい一態様によれば、前記外装体は、着用者の肌に当接する当接面を有する内側シートと、前記胴回り域において最も非肌面側に配置されている外側シートと、前記保護領域を構成する保護層と、を有してよい。前記保護層は、前記内側シートと前記外側シートとの間に配置されてよい。
【0029】
これにより、保護層が、外側シートよりも非肌面側に配置されていないため、保護層を傷つき難くすることができる。また、保護層が、内側シートよりも肌面側に配置されていないため、保護層が着用者の肌に直接接触することを抑制できる。
【0030】
好ましい一態様によれば、前記外装体は、前記保護領域を構成する保護層を有してよい。前記保護層は、フィルムにより構成されてよい。
【0031】
フィルムによって保護層が構成されているため、外装体の剛性が高くなり、外装体をたくれ難くすることができる。これにより、外装体が着用者の身体を覆う面積の低減を抑制でき、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0032】
好ましい一態様によれば、前記フィルムは、前記外装体の前記前後方向の外端縁を折り目として折り返されてよい。前記吸収性物品は、前記フィルムどうしが前記厚さ方向に重なる領域を有してよい。
【0033】
フィルムどうしが厚さ方向に重なる領域では、フィルムが重ならない領域と比べて、保護層が紫外線を遮蔽する場合、紫外線の遮蔽効果をより高くすることができ、保護層が遮熱効果を有する場合、遮熱効果をより高くすることができる。加えて、外装体の外端縁付近の剛性が高くなり、外装体の外端縁付近をたくれ難くすることができる。これにより、外装体が着用者の身体を覆う面積の低減を抑制でき、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0034】
好ましい一態様によれば、前記フィルムは、前記外装体の前記前後方向の外端縁を折り目として折り返されていなくてよい。
【0035】
これにより、外装体の外端縁付近において、フィルムどうしが重ならないため、外装体の外端縁付近の剛性が高くならず、吸収性物品の着け心地の悪化を抑制できる。
【0036】
好ましい一態様によれば、前記外装体は、伸縮性を有する弾性部材を有してよい。前記フィルムは、デザインが施されているデザイン領域を有してよい。前記フィルムは、前記弾性部材よりも非肌面側に配置されてよい。
【0037】
デザインの視認性が弾性部材によって阻害されないため、デザインの視認性の悪化を防ぐことができる。
【0038】
好ましい一態様によれば、前記フィルムには、インクが配置されてよい。前記インクの網点面積率は、60%以上であってよい。
【0039】
インクによって、着用者の肌へ到達する紫外線の量をさらに低減できる。吸収性物品の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができるため、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0040】
好ましい一態様によれば、前記外装体は、前記保護領域を構成する保護層を有してよい。前記保護層は、前記外装体に配置されたインクにより構成されてよい。
【0041】
これにより、保護層を別部材で構成する場合と比較して、保護領域の剛性が高くならず、吸収性物品の着心地を維持することができる。
【0042】
好ましい一態様によれば、前記外装体は、着用者の肌に当接する当接面を有する内側シートと、前記外装体において最も非肌面側に配置されている外側シートと、を有してよい。前記内側シートに配置されている前記インクにより前記保護層が構成されてよい。
【0043】
これにより、保護層が、外側シートよりも非肌面側に配置されていないため、保護層を傷つき難くすることができる。
【0044】
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品の平面視において、前記非重複部において、前記外装体の一方の外側部から前記外装体の他方の外側部まで前記インクが全面的に配置されてよい。
【0045】
これにより、外装体の一方の外側部から他方の外側部まで、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0046】
好ましい一態様によれば、前記外装体は、デザインが施された第1シートと、前記第1シートよりも肌面側に配置されており、かつ前記インクが配置されている第2シートと、を有してよい。
【0047】
これにより、第1シートは、第2シートよりも非肌面側に配置されているため、第1シートに施されたデザインの視認性が、第2シートに配置されたインクによって阻害されないため、デザインの視認性の悪化を防ぐことができる。
【0048】
好ましい一態様によれば、前記保護領域は、前記インクとして第1インクが配置された第1インク層と、前記インクとして第2インクが配置された第2インク層とが前記厚さ方向に重なっている領域を有してよい。
【0049】
これにより、第1インク層と第2インク層とが重なっている領域では、単一のインク層に比べて、保護層が紫外線を遮蔽する場合、紫外線の遮蔽効果をより高くすることができ、保護層が遮熱効果を有する場合、遮熱効果をより高くすることができる。これにより、環境に起因した着用者への悪影響をさらに低減できる。
【0050】
好ましい一態様によれば、前記インクは、紫外線を遮蔽する材料を含んでよい。
【0051】
インク自身の遮蔽性に加えて、紫外線を遮蔽する材料によって、紫外線の遮蔽効果を向上できるため、吸収性物品の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができる。
【0052】
一態様に係る収容体は、上述の複数の吸収性物品と、前記複数の吸収性物品を収容するパッケージと、を含む吸収性物品の収容体であってよい。前記パッケージには、前記吸収性物品が紫外線を遮蔽する機能を有することを表す表示部が設けられてよい。
【0053】
これにより、使用者が、収容体の開封前に吸収性物品が紫外線を遮蔽する機能を有することを視覚的に認識できるため、使用者に安心感を与えることができる。
【0054】
一態様に係る収容体は、上述の複数の吸収性物品と、前記複数の吸収性物品を収容するパッケージと、を含む吸収性物品の収容体であってよい。前記パッケージには、前記吸収性物品が遮熱機能を有することを表す表示部が設けられてよい。
【0055】
これにより、使用者が、収容体の開封前に吸収性物品が遮熱機能を有することを視覚的に認識できるため、使用者に安心感を与えることができる。
【0056】
(2)吸収性物品の全体概略構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0057】
吸収性物品は、例えば、パンツ型の使い捨ておむつ、テープ型の使い捨ておむつ、又はショーツ型の生理用ナプキンなどである。実施形態の吸収性物品は、パンツ型の使い捨ておむつである。
【0058】
図1は、本実施形態に係る吸収性物品1の模式正面図である。図2は、本実施形態に係る吸収性物品1の模式平面図である。図2に示す模式平面図は、後述するサイド接合部18を展開した状態において吸収性物品1を皺が形成されない状態まで伸長させた伸長状態を示している。図2は、吸収性物品1を肌面側T1から見た模式平面図である。図3及び図4は、本実施形態に係る吸収性物品の模式断面図である。図3は、図2に示すF3-F3断面に沿った模式断面図である。図4Aは、図2に示すF4A-F4A断面に沿った模式断面図である。図4Bは、図2に示すF4B-F4B断面に沿った模式断面図である。なお、説明の便宜上、各部材が厚さ方向において離間していたとしても、実際の製品では厚さ方向に接していることに留意すべきである。
【0059】
吸収性物品1は、前後方向L、幅方向W、及び厚さ方向を有する。前後方向Lは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、前後方向Lは、展開された吸収性物品1において前後に延びる方向である。幅方向Wは、前後方向Lに直交する方向である。また、厚さ方向Tは、前後方向Lと幅方向Wの両方に直交する。厚さ方向Tは、着用者側に向かう肌面側T1と、肌面側と反対側の非肌面側T2と、に延びる。
【0060】
吸収性物品1は、前胴回り域S1と、後胴回り域S2と、股下域S3と、を有する。前胴回り域S1は、着用者の前胴回り(腹部)に対向する領域である。後胴回り域S2は、着用者の後胴回り(背部)に対向する領域であり、装着時に身体(臀部)が載せられる領域を含む。股下域S3は、着用者の股下に位置し、前胴回り域S1と後胴回り域S2との間に挟まれた領域である。前胴回り域S1と後胴回り域S2とは、着用者の胴回りを覆う胴回り域WRを構成する。股下域S3は、胴回り域WRよりも前後方向Lの内側に位置する。吸収性物品1は、胴回り域WRと、股下域S3とを有する。
【0061】
図1に示すように、幅方向Wにおける前胴回り域S1の端部と、幅方向Wにおける後胴回り域S2の端部と、を接合したサイド接合部18が設けられていてよい。サイド接合部18は、前胴回り域S1の外側部と、後胴回り域S2の外側部とを互いに係止した部分によって規定される。図1に示すように、サイド接合部18が形成された状態で、吸収性物品1には、着用者の胴が通されるウエスト開口部16と、着用者の脚がそれぞれ挿入される一対の脚回り開口部17と、が形成される。ウエスト開口部16は、前胴回り域S1の前端縁S1Fと、後胴回り域S2の後端縁S2Rとによって規定されていてよい。
【0062】
ここで、図2は、サイド接合部18における接合を解除し、吸収性物品1を展開した状態を示している。サイド接合部18は、前外装体20及び後外装体30のそれぞれにおいて、前後方向Lに沿って延びていてよい。パンツ型の吸収性物品においては、前胴回り域S1と股下域S3との境界は、前外装体20に設けられたサイド接合部18の後端縁によって規定されていてよい。同様に、後胴回り域S2と股下域S3との境界は、後外装体30に設けられたサイド接合部18の前端縁によって規定されていてよい。なお、股下域S3は、脚回り開口部17が設けられた領域であってもよい。
【0063】
なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。
【0064】
本実施形態では、吸収性物品1は、外装体15と吸収性本体40とを有していてよい。外装体15は、吸収性本体40と厚さ方向Tに重なっている。外装体15は、少なくとも胴回り域WRに配置される。外装体15は、少なくとも前胴回り域S1に配置された前外装体20と、少なくとも後胴回り域S2に配置された後外装体30と、を有してよい。前外装体20は、前胴回り域S1において吸収性本体40よりも非肌面側T2に配置されてよい。後外装体30は、前外装体20と前後方向Lに離間し、かつ後胴回り域S2において吸収性本体40よりも非肌面側T2に配置されてよい。
【0065】
前外装体20は、吸収性本体40よりも非肌面側T2に位置する第1前側シート25と、第1前側シート25よりも非肌面側T2に位置する第2前側シート26と、を有してよい。前外装体20は、後述する保護層80を有してよい。第1前側シート25及び第2前側シート26は、例えば、不織布のようなシートから構成されてよい。第2前側シート26は、前外装体20(外装体15)の前後方向Lの外端縁20Eを折り目として折り返されてよい。これにより、前外装体20の外端縁20Eから前後方向Lの内側へ延びる折り返し部26aが設けられてよい。折り返し部26aは、吸収性本体40よりも肌面側T1に位置してよい。なお、吸収性本体40よりも肌面側T1に位置する折り返し部26aは、第2前側シート26と異なる別体のシートにより構成されていてもよい。
【0066】
後外装体30は、吸収性本体40よりも非肌面側T2に位置する第1後側シート35と、第1後側シート35よりも非肌面側T2に位置する第2後側シート36と、を有してよい。後外装体30は、後述する保護層80を有してよい。第1後側シート35及び第2後側シート36は、例えば、不織布のようなシートから構成されてよい。第2後側シート36は、後外装体30(外装体15)の前後方向Lの外端縁30Eを折り目として折り返されてよい。これにより、後外装体30の外端縁30Eから前後方向Lの内側へ延びる折り返し部36aが設けられてよい。折り返し部36aは、吸収性本体40よりも肌面側T1に位置してよい。なお、吸収性本体40よりも肌面側T1に位置する折り返し部36aは、第2後側シート36と異なる別体のシートにより構成されていてもよい。
【0067】
外装体15は、複数のシートが厚さ方向Tに積層されることによって構成されてよい。外装体15は、着用者の肌に当接する内側シートISと、胴回り域WRにおいて最も非肌面側T2に配置される外側シートOSと、後述する保護領域PRを構成する保護層80と、を有してよい。本実施形態では、前外装体20は、内側シートISとして第1前側シート25及び折り返し部26aを有し、外側シートOSとして第2前側シート26を有する。後外装体30は、内側シートISとして第1後側シート35及び折り返し部36aを有し、外側シートOSとして第2後側シート36を有する。後外装体30は、股下域S3に配置される臀部カバー31を有してよい。臀部カバー31は、後胴回り域S2の前端縁から前側へ延びており、股下域S3において臀部を覆うことができる。
【0068】
外装体15は、伸縮性を有するウエスト弾性部材WEを有してよい。ウエスト弾性部材WEは、幅方向Wに延びるように配置され、幅方向Wに伸縮性を有してよい。ウエスト弾性部材WEは、前後方向Lに複数配置されてよい。ウエスト弾性部材WEは、前外装体20に配置される前ウエスト弾性部材22と、後外装体30に配置される後ウエスト弾性部材32とを有してよい。前ウエスト弾性部材22は、厚さ方向Tにおいて第1前側シート25と第2前側シート26との間に配置されてよい。後ウエスト弾性部材32は、厚さ方向Tにおいて第1後側シート35と第2後側シート36との間に配置されてよい。ウエスト弾性部材WEは、例えば、幅方向Wに伸縮可能な糸ゴム、又は幅方向Wに伸縮可能な弾性シートによって構成されていてよい。ウエスト弾性部材WEは、例えば、伸縮可能なシートにより構成された外装体15自体によって構成されていてもよい。本実施の形態のウエスト弾性部材WEは、糸ゴムによって構成されている。
【0069】
外装体15は、吸収性本体40と厚さ方向Tに重なる重複部ORと、吸収性本体40と厚さ方向Tに重ならない非重複部NRと、を有する。重複部ORは、吸収体50と厚さ方向Tに重ならない第1重複部OR1と、吸収体50と厚さ方向Tに重なる第2重複部OR2と、を有してよい。
【0070】
非重複部NRは、保護層80を除いて2層以下のシート層により構成される少数層NR1と、保護層80を除いて2層より多くのシート層により構成される多数層NR2と、を有してよい。実施形態では、少数層NR1は、前外装体20では、第1前側シート25、第2前側シート26及び、保護層80により構成されており、後外装体30では、第1後側シート35、第2後側シート36及び、保護層80により構成されている。従って、少数層NR1は、保護層80を除いて2層のシート層により構成されており、非重複部NRには、保護層80、外側シートOS、及び内側シートISが厚さ方向Tに積層された3層のみシート層が存在する領域が設けられている。また、多数層NR2は、前外装体20では、第1前側シート25、第2前側シート26、折り返し部26a及び、保護層80により構成されており、後外装体30では、第1後側シート35、第2後側シート36、折り返し部36a及び、保護層80により構成されている。従って、多数層NR2は、保護層80を除いて3層のシート層により構成されてよい。実施形態では、前胴回り域S1では、多数層NR2は、(吸収性本体40よりも非肌面側T2に位置する)第2前側シート26、保護層80、第1前側シート25、及び折り返し部26aが積層された4層のシート層により構成されている。後胴回り域S2では、多数層NR2は、(吸収性本体40よりも非肌面側T2に位置する)第2後側シート36、保護層80、第1後側シート35、及び折り返し部36aが積層された4層のシート層により構成されている。従って、非重複部NRにおいて、折り返し部(折り返し部26a又は折り返し部36a)が配置されている領域では、上述の3層のシート層に加えて、保護層80を含む4層のシート層が存在する。
【0071】
吸収性本体40は、少なくとも股下域S3に配置されている。吸収性本体40は、前胴回り域S1、後胴回り域S2及び股下域S3にわたって配置されてよい。吸収性本体40は、前外装体20及び後外装体30とは別体として構成され、前胴回り域S1及び後胴回り域S2において、それぞれ前外装体20及び後外装体30と接合されていてよい。
【0072】
吸収性本体40(吸収性物品1)は、吸収体50を有する。吸収体50は、少なくとも吸収コアを有する。吸収コアは、液体を吸収する吸収材料を含む。吸収コアは、例えば粉砕パルプもしくは高吸収性ポリマー(SAP)、又はこれらの混合物を含んでいてよい。吸収コアは、少なくとも股下域S3に配置されている。吸収コアは、前胴回り域S1に配置されてよく、後胴回り域S2に配置されてよい。吸収コアは、前後方向Lにおいて、前胴回り域S1から後胴回り域S2にわたって延びていてよい。吸収体50は、吸収コアを覆うコアラップを有してよい。コアラップ52は、厚さ方向Tにおいて、吸収コアを挟んでよい。コアラップは、例えばティッシュや不織布によって構成されていてよい。
【0073】
吸収性本体40は、吸収体50の肌面側T1に位置する肌面シート41と、吸収体50の非肌面側T2に位置する液不透過シート42と、液不透過シート42よりも非肌面側T2に配置された本体シート43と、を有していてよい。肌面シート41は、吸収体50の幅方向Wの中央を覆うセンターシート41Aと、センターシート41Aよりも肌面側T1においてセンターシート41Aの外側部を覆う一対のサイドシート41Bと、を有してよい。肌面シート41及び本体シート43は、液透過性を有していればよく、例えば不織布によって構成されていてよい。液不透過シート42は、透不透過性を有していればよく、例えば、フィルムによって構成されてよい。なお、サイドシート41Bは、液不透過性を有していてもよい。
【0074】
(3)保護領域
次に、保護領域PRについて図2から図4を用いて説明する。保護領域PRは、紫外線を遮蔽する領域又は遮熱性を有する領域の少なくとも一方の領域である。
【0075】
保護領域PRが、紫外線を遮蔽する領域である場合、紫外線の遮蔽率が60%以上である領域を有してよく、好ましくは、紫外線の遮蔽率が70%以上である領域を有してよい。保護領域PRの全てが、紫外線の遮蔽率が60%以上であってよく、好ましくは、紫外線の遮蔽率が70%以上であってよい。
【0076】
胴回り域WRにおいて、紫外線の遮蔽率が50%以下の領域が存在しなくてよい。胴回り域WRにおいて、後述する少数層NR1の50%以上の面積で、紫外線の遮蔽率が80%以上であってよい。また、少数層NR1において紫外線の遮蔽率が90%以上であってよい。胴回り域WRにおいて、50%以上の面積で、紫外線の遮蔽率が90%以上であってよい。なお、吸収性物品1が着用された状態において、紫外線の遮蔽率が70%以上であってよい。
【0077】
紫外線の遮蔽率は、以下の方法により測定できる。検出器として積分球を用いて、波長280~400nmの紫外線に対する透過率を分光光度計により測定する。測定値を以下の式に代入して、紫外線の遮蔽率を算出できる。
【0078】
紫外線の遮蔽率(%)=100-紫外線に対する平均透過率(%)
外装体15は、保護領域PRを構成する保護層80を有する。本実施形態では、保護層80は、フィルム81により構成されている。従って、フィルム81が存在する領域が保護領域PRである。図2及び図3に示すように、フィルム81は、吸収性物品1の平面視において、胴回り域WRの全面に配置されてよい。従って、非重複部NRには、保護領域PRが設けられている。また、少数層NR1には、保護領域PRが設けられてよい。すなわち、非重複部NRには、保護層80(フィルム81)、外側シートOS、及び内側シートISが厚さ方向Tに積層された3層のみのシート層が存在する領域が設けられてよい。また、保護領域PRは、多数層NR2に設けられてよいし、重複部ORに設けられてよく、股下域S3に(例えば、臀部カバー31)に設けられてよい。重複部ORであっても、保護領域PRは、吸収コアと重ならない領域に設けられてよく、吸収体50と重ならない領域に設けられてよく、液不透過シート42(例えば、フィルム)と重ならない領域に設けられてよい。なお、保護層80は、臀部カバー31に設けられてよい。
【0079】
なお、股下域S3における吸収性本体40は、保護領域PRを構成してもよい。例えば、液不透過シート42を構成するフィルムは、保護領域PRを構成してもよい。また、他のシートと比べて厚さが厚い吸収体50(特に、吸収コア)は、紫外線を透過し難いため、保護領域PRを構成してもよい。
【0080】
図3及び図4に示すように、保護層80であるフィルム81は、内側シートISと外側シートOSとの間に配置されてよい。フィルム81は、ウエスト弾性部材WEよりも非肌面側T2に配置されてよい。これにより、フィルム81が、保護層80として紫外線を遮蔽する場合には、紫外線によるウエスト弾性部材WEの劣化を低減することができる。また、フィルム81が、保護層80として遮熱性を有する場合には、熱によるウエスト弾性部材WEの劣化を低減することができる。また、フィルム81は、ウエスト弾性部材WEよりも肌面側T1に配置されてよい。図3に示すように、フィルム81は、外装体15の前後方向Lの外端縁を折り目として折り返されなくてよい。従って、フィルム81どうしが厚さ方向Tに重なっていない。
【0081】
以上のように、非重複部NRには、紫外線を遮蔽する保護領域PRが設けられていることにより、紫外線が透過し易い非重複部NRにおいて、着用者の肌へ到達する紫外線の量を低減できる。吸収性物品1の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができ、着用者の肌を保護することができる。従って、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0082】
また、保護領域PRは、紫外線の遮蔽率が60%以上である領域を有することで、当該領域において、着用者の肌へ到達する紫外線量を60%以上低減できるため、吸収性物品1の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができる。
【0083】
また、非重複部NRには、遮熱性を有する保護領域PRが設けられていることにより、保護領域PRで覆われている部分は、環境に起因して着用者の体温が上昇することを抑制できる。従って、着用者を保護することができ、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0084】
また、非重複部NRには、保護層80と外側シートOSと内側シートISとが積層された3層のみのシート層(すなわち、少数層NR1)が存在する領域が設けられている。ここで、少数層NR1が存在する領域において、仮に保護層80が存在しない場合には、外側シートOSと内側シートISの2層の積層シートでしか着用者の肌を覆えないため、着用者が環境からの影響を特に受け易い。従って、環境からの影響を受け易い部分に保護層80が存在することで、環境からの影響を受け難くすることができる。
【0085】
また、保護層80が、内側シートISと外側シートOSとの間に配置されているため、保護層80が、外側シートOSよりも非肌面側T2に配置されていない。従って、保護層80を傷つき難くすることができる。また、保護層80が、内側シートISよりも肌面側T1に配置されていないため、保護層80が着用者の肌に直接接触することを抑制でき、ムレを低減できる。
【0086】
また、保護層80がフィルム81により構成されているため、外装体15の剛性が高くなり、外装体15をたくれ難くすることができる。これにより、外装体15が着用者の身体を覆う面積の低減を抑制でき、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0087】
また、フィルム81は、外装体15の前後方向Lの外端縁を折り目として折り返されていないため、外装体15の前後方向Lの外端縁付近において、フィルム81どうしが重ならない。これにより、外装体15の外端縁付近の剛性が高くならず、吸収性物品1の着け心地の悪化を抑制できる。
【0088】
(4)変更例
次に、各変更例について、図5から図7を用いて説明する。図5は、変更例1に係る吸収性物品の一例を説明するための図である。図5Aは、変更例1に係る吸収性物品の一部を非肌面側T2から見た模式平面図である。図6は、変更例2に係る吸収性物品の外装体を説明するための図である。図6Aは、変更例2の外装体15の模式断面図である。図6Bは、変更例2の保護層80の拡大平面図である。図7は、変更例3及び変更例4に係る吸収性物品の外装体を説明するための図である。図7Aは、変更例3の外装体15の模式断面図である。図7Bは、変更例4の外装体15の模式断面図である。なお、以下において、既に説明した内容と同様の説明は省略する。
【0089】
(4.1)変更例1
図5に示すように、変更例1では、保護層80は、外装体15に配置されたインク(インク層85)により構成されている。外装体15は、前外装体20であってもよいし、後外装体30であってもよい。
【0090】
インクは、例えば、印刷により塗布することで配置されてよい。例えば、グラビア印刷を用いてインクを塗布してもよいし、フレキソ印刷を用いてインクを塗布してもよい。インクは、カラーインクであってよく、例えば、白色、黒色、灰色、青色、緑色、黄色、赤色、橙色、ピンク、水色などのいずれかの色であってよい。インクを塗布することにより、インク層85である第1インク層851と第2インク層852とが配置されてよい。実施形態では、保護層80は、第1インク層851と第2インク層852とにより構成される。
【0091】
図5Bに示すように、第1インク層851は、内側シートISに配置されてよい。第1インク層851は、内側シートISの非肌面側T2に配置されてよく(図5B参照)、内側シートISの肌面側T1に配置されてもよい。
【0092】
吸収性物品1の平面視において、非重複部NRにおいて、外装体15の一方の外側部15SEから、外装体15の他方の外側部15SEまでインクが全面的に配置されてよい。第1インク層851は、例えば、一方のサイド接合部18の内端縁から他方のサイド接合部18の内端縁まで配置されることで、一方の外側部15SEから他方の外側部15SEまでインクが全面的に配置されてよい。これにより、図5Aに示すように、保護領域PRが、一方のサイド接合部18の内端縁から他方のサイド接合部18の内端縁まで存在してよい。また、非重複部NRだけでなく、重複部ORにおいてインクが全面的に配置されてよい。
【0093】
また、図5Bに示すように、第1インク層851は、前後方向Lにおいて、内側シートISの外端縁から内端縁までインクが全面的に配置されてよい。
【0094】
なお、「インクが全面的に配置される」とは、いわゆるインクがべた塗りされていればよい。例えば、意図的にインクを塗布していない領域(例えば、デザイン的にインクが塗布されていない領域)が設けられていなければよい。従って、インクに色が付いている場合には、肉眼で色を全面的に配置されていることを確認できればよく、顕微鏡での観察などのミクロな視点でインクが存在しない微少な部分が存在してもよい。
【0095】
第2インク層852は、外側シートOSに配置されてよい。第2インク層852は、外側シートOSの非肌面側T2に配置されてよい。第2インク層852は、外側シートOSの肌面側T1に配置されてもよい。
【0096】
図5に示すように、第2インク層852は、デザインが施されたデザイン領域DRを構成してよい。デザインは、模様(図形及び色の組み合わせ)によって構成される。デザインは、例えば、横縞、丸形、星型、ハート型などの少なくともいずれかの図形により構成されてよい。これにより、外側シートOSには、デザインが施されてよい。
【0097】
図5に示すように、第2インク層852は、吸収性物品1の平面視において、外装体15の一方の外側部15SEから、外装体15の他方の外側部15SEまでインクが全面的に配置されてよい。第2インク層852は、前後方向Lにおいて、内側シートISの外端縁から内端縁までインクが全面的に配置されてよい。
【0098】
保護領域PRは、第1インク層851と第2インク層852とは、厚さ方向Tに重なっている領域を有してよい。
【0099】
第2インク層852がデザイン領域DRを構成する場合、第1インク層851は、デザイン性を維持するために、デザイン領域DRのメインの色と同じ色であってよい。或いは、第1インク層851は、白色であってもよい。
【0100】
以上のように、変更例1に係る吸収性物品1では、保護層80は、外装体15に配置されたインクにより構成されているため、保護層80を別部材で構成する場合と比較して、保護領域PRの剛性が高くならず、吸収性物品1の着心地を維持することができる。
【0101】
また、保護層80が、外側シートOSよりも非肌面側T2に配置されていないため、保護層80を傷つきにくくすることができる。
【0102】
また、非重複部NRにおいて、外装体15の一方の外側部15SEから他方の外側部15SEまでインクが全面的に配置されているため、胴回り域WRにおいて、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0103】
特に、デザインに白色が含まれる場合、一般的な不織布が白色であるため、通常、白色のデザイン部分にはインクを塗布せずに、不織布の白色でデザインの白色を表す。この場合には、白色のデザイン部分にはインクが配置されていないため、太陽光によって、着用者の肌がダメージを受け易かったり、体温が上昇し易くなり易かったりする。しかしながら、変更例2の吸収性物品1では、保護領域PRがデザイン領域DRと厚さ方向Tに重なっており、かつインクが全面的に配置されるため、デザインに白色が含まれる場合であっても、太陽光から着用者を保護でき、環境に起因した着用者への悪影響を低減可能である。
【0104】
また、インクが配置されている内側シートISは、デザインが施された外側シートOSよりも肌面側T1に配置されているため、外側シートOSに施されたデザインの視認性が、内側シートISに配置されたインクによって阻害されない。デザインの視認性の悪化を防ぐことができる。
【0105】
また、保護領域PRは、第1インク層851と第2インク層852とは、厚さ方向Tに重なっている領域を有するため、当該領域では、単一のインク層85に比べて、保護層80が紫外線を遮蔽する場合、紫外線の遮蔽効果をより高くすることができ、保護層80が遮熱効果を有する場合、遮熱効果をより高くすることができる。これにより、環境に起因した着用者への悪影響をさらに低減できる。
【0106】
(4.2)変更例2
次に、変更例2について説明する。変更例2では、図6に示すように、フィルム81にインクが配置されている。インクは、例えば、印刷により塗布することで配置されてよい。例えば、グラビア印刷を用いてインクを塗布してもよいし、フレキソ印刷を用いてインクを塗布してもよい。インクは、カラーインクであってよく、例えば、白色、黒色、灰色、青色、緑色、黄色、赤色、橙色、ピンク、水色であってよい。
【0107】
保護層80は、フィルム81及びフィルム81に配置されたインク層85により構成されてよい。変更例2では、インク層85は、フィルム81の非肌面側T2に配置されている。インク層85は、フィルム81の肌面側T1に配置されてもよい。
【0108】
フィルム81は、外装体15の前後方向Lの外端縁15Eを折り目として折り返されてよい。これにより、吸収性物品1は、フィルム81どうしが厚さ方向Tに重なる領域を有してよい。図6Aに示すように、フィルム81は、吸収性本体40よりも肌面側T1で外端縁15Eから前後方向Lの内側へ延びる折り返し部81aを有してよく、インク層85は、同様に、折り返し部85aを有してよい。折り返し部81aの前後方向Lの内端縁は、吸収性本体40と厚さ方向Tに重なる位置に配置されてよい。これにより、外装体15の外端縁15Eから吸収性本体40までの非重複部NRにおいて、保護層80が二重に存在することができ、環境に起因した着用者への悪影響をさらに低減できる。
【0109】
図6Bに示すように、ミクロな視点では、インク層85は、印刷によりインクを配置する場合、インクが存在するインク部85pと、インクが存在しない非インク部85nとによって構成されてよい。従って、インク層85は、インクに色が付いている場合には、肉眼で色を全面的に配置されていることを確認できればよく、顕微鏡での観察などのミクロな視点でインクが存在しない微少な部分が存在してもよい。インク層85は、インク部85pどうしの間隔dが、0.2mm以下であればよい。インク部85pどうしの間隔dが、0.2mmより大きい場合には、インク部85pの間は、インクが塗布されていない領域である。
【0110】
フィルム81にインクを印刷することにより、インク層85を配置する場合、インクの網点面積率は、20%以上であってよい。インクの網点面積率は、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。インクの網点面積率は、単位面積当たりに占めるインク部85pの面積の割合を示す。なお、フィルム81にインクがべた塗りで塗布された場合、インクの網点面積率は、100%である。
【0111】
以上のように、変更例2に係る吸収性物品1において、フィルム81どうしが厚さ方向Tに重なる領域では、フィルム81が重ならない領域と比べて、保護層80が紫外線を遮蔽する場合、紫外線の遮蔽効果をより高くすることができ、保護層80が遮熱効果を有する場合、遮熱効果をより高くすることができる。加えて、外装体15の外端縁15E付近の剛性が高くなり、外装体の外端縁15E付近をたくれ難くすることができる。これにより、外装体15が着用者の身体を覆う面積の低減を抑制でき、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0112】
また、インクの網点面積率は、60%以上であるため、インクによって、着用者の肌へ到達する紫外線の量をさらに低減できる。吸収性物品1の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができるため、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。また、保護層80の遮熱効果をより高くすることができるため、環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。
【0113】
(4.3)変更例3
次に、変更例3について説明する。変更例3では、図7Aに示すように、保護層80は、フィルム81とインク層85とによって構成される。フィルム81は、ウエスト弾性部材WEよりも非肌面側T2に配置されてよい。
【0114】
フィルム81にインクが複数回塗布(いわゆる重ね塗り)されることにより、複数の層により構成されるインク層85が設けられてよい。インク層85は、フィルム81の非肌面側T2に塗布される第1インク層851と、第1インク層851の非肌面側T2に塗布される第2インク層852と、を有してよい。第1インク層851は、1回目の塗布により配置されてよく、第2インク層852は、2回目の塗布により配置されてよい。例えば、インク層85を構成する各層のインクの色が互いに異なることで、複数の層により構成されているかを判定できる。
【0115】
インクは、紫外線を遮蔽する材料を含んでよい。紫外線を遮蔽する材料は、例えば、紫外線散乱剤(例えば、酸化チタンや酸化亜鉛など)、紫外線吸収剤(例えば・酸エチルヘキシル・t‐ブチルメトキシベンゾイルメタン・オキシベンゾン‐3・テレフタリリデンジカンフルスルホン酸など)などである。
【0116】
図7Aに示すように、フィルム81はデザインが施されているデザイン領域DRを有してよい。具体的には、第1インク層851は、デザイン領域DRを構成してよい。この場合、第2インク層852は、紫外線を遮蔽する材料を含む透明なインクであってよい。これにより、デザインの視認性が、第2インク層852によって阻害されず、デザインの視認性の悪化を防ぐことができる。
【0117】
以上のように、デザイン領域DRを有するフィルム81は、ウエスト弾性部材WEよりも非肌面側T2に配置されているため、デザインの視認性がウエスト弾性部材WEによって阻害されない。これにより、デザインの視認性の悪化を防ぐことができる。
【0118】
また、インクは、紫外線を遮蔽する材料を含んでいるため、インク自身の遮蔽性に加えて、紫外線を遮蔽する材料によって、紫外線の遮蔽効果を向上できる。従って吸収性物品1の着用者への紫外線による影響を受け難くすることができる。
【0119】
次に、変更例4について説明する。変更例4では、図7Bに示すように、外側シートOSにインクが配置されてよい。すなわち、インク層85は、外側シートOSに配置されてよい。インク層85は、外側シートOSの非肌面側T2に配置されてよく(図7B参照)、外側シートOSの肌面側T1に配置されてもよい。
【0120】
また、外側シートOSの折り返し部OSaにインク層85が配置されてよい。従って、インク層85は、折り返し部85bを有してよい。
【0121】
以上により、保護層80は、外側シートOSに配置されたインクにより構成されているため、保護領域PRの剛性が高くならず、吸収性物品1の着心地を維持することができる。
【0122】
(5)評価
次に、紫外線の遮蔽率の測定結果、及び遮熱性の測定結果について説明する。
【0123】
(5.1)紫外線遮蔽率
以下に示す実施例1から実施例11、及び比較例1に係る吸収性物品を用いて、紫外線の遮蔽率を上述した測定方法によって測定した。 紫外線の遮蔽率の測定対象は、保護層80単体と、吸収性物品1とのそれぞれで測定した。
【0124】
実施例1では、保護層80がフィルム81である。実施例1では、フィルム81には、インクが塗布されていない。
【0125】
実施例2から実施例7は、保護層80が、白色のインクが配置されたフィルム81である。実施例2では、インクの網点面積率が50%であり、実施例3では、インクの網点面積率が60%であり、実施例4では、インクの網点面積率が70%であり、実施例5では、インクの網点面積率が80%であり、実施例6では、インクの網点面積率が90%であり、実施例7では、インクの網点面積率が100%である。
【0126】
実施例8及び実施例9は、保護層80が、紫外線吸収材料を含むインクが配置されたフィルム81である。実施例8では、インクの網点面積率が50%であり、実施例9では、インクの網点面積率が100%である。
【0127】
実施例10は、保護層80が、黒色のインクが配置されたフィルム81である。実施例2では、インクの網点面積率が100%である。
【0128】
実施例11は、保護層80が、白色のインク層85である。不織布シートにより白色のインクが配置されている。
【0129】
なお、上述の実施例においてインクを配置する方法として、グラビア印刷又はフレキソ印刷のいずれかを用いた。
【0130】
比較例1は、保護層80が設けられていない通常の吸収性物品である。
【0131】
以下に、測定結果を示す。
【0132】
【表1】
【0133】
表1に示すように、保護層80が設けられている各実施例は、比較例1と比べて、紫外線の遮蔽率が50%以上増加することが分かった。
【0134】
なお、平均的な日本人は、300J/m以上の紫外線量を浴びると、肌が赤くなる。夏場の日中(9時~14時)のUCインデックスは、平均8であるため、肌が露出されている状態では、25分で紫外線量が300J/mに達する。ここで、水深が50cmの位置での紫外線の強さは、地表面の40%の値である。ここで、幼児用のプールでは、水深が20~30cmである。水深が20~30cmの位置での紫外線の強さを地表面の70%の値と仮定した場合、紫外線の遮蔽率が60%である吸収性物品に覆われている部分は、紫外線量が300J/mに達するまでに、89分かかる。幼児の7割は、水遊び時間が1.5時間以内であるため、紫外線の遮蔽率が60%である吸収性物品を着用していれば、紫外線量が約300J/mに達する前に、水遊び時間を終えることができる。従って、水遊び中は、上着等を脱いでおり吸収性物品しか着用していないケースが多いため、実施例に係る吸収性物品1は、水遊び用の吸収性物品1として用いることで、有効な効果が得られることが想定される。
【0135】
なお、紫外線の遮蔽率が80%である吸収性物品を着用していれば、幼児の9割は、紫外線量が約300J/mに達する前に、水遊び時間を終えることができ、紫外線の遮蔽率が80%である吸収性物品を着用していれば、全ての幼児は、紫外線量が約300J/mに達する前に、水遊び時間を終えることができる。
【0136】
(5.2)遮熱
次に、遮熱の測定について図8を用いて説明する。図8は、遮熱の測定を説明するための図である。
【0137】
実施例7及び比較例2に係る吸収性物品を用いて、紫外線の遮蔽率の測定を行った。比較例2は、保護層80が設けられていない通常の吸収性物品である。
【0138】
図8Aに示すように、試料台200に設置された一方の試験片保持枠210に、測定試料SPを載せる。他方の試験片保持枠210には、何も載せない。試験片保持枠210の高さhは、約5mmである。測定試料SPの上方からレフランプ220で照らして、測定試料SPを熱した。測定試料SPの下に設置した熱源受光体230(具体的には、黒画用紙)の温度変化を、サーモカメラ240を用いて、時間経過と共に測定した。
【0139】
図8Bに示すように、比較例2では、測定開始から15分後には、熱源受光体230の温度が65度を超えた。一方、実施例7では、測定開始から15分経過しても、熱源受光体230の温度が55度までしか上がらなかった。
【0140】
以上より、実施例7に係る吸収性物品1は、遮熱効果を有することが分かった。
【0141】
(5)その他実施形態
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0142】
上述において、胴回り域WRを幅方向Wに一周するように、デザインが施されたフィルム81が配置されてよい。これにより、デザイン性を向上させるだけでなく、保護層80により、胴回り域WR全体を覆うことができるため、着環境に起因した着用者への悪影響を低減できる。フィルム81に施されたデザインは、股下域S3に施されたデザインと同じものであってよい。これにより、胴回り域WRと股下域S3とが別体という印象が薄れて、胴回り域WRと股下域S3とが一体的に視認され易くなり、吸収性物品1の外観が普通のパンツのような外観に視認され易くできる。また、フィルム81のデザインが、弾性部材(例えば、ウエスト弾性部材WE、レッグギャザー用の弾性部材など)に対して非肌面側T2から厚さ方向Tに重なる場合、弾性部材を視認し難くできる。これにより、視認者に弾性部材を感じさせずに、吸収性物品1の外観が普通のパンツのような外観に視認され易くできる。
【0143】
上述において、フィルム81は、透明であってもよいし、非透明であってよい。インクを有さない場合、フィルム81は、不透明であることが好ましい。
【0144】
上述において、インクは、紫外線を遮蔽する材料を含んでよかったが、これに限られない。例えば、不織布シートに当該材料を練り込むことで、外装体15に含まれる不織布シート(例えば、内側シートIS、外側シートOSなど)が紫外線を遮蔽する材料を含んでいてもよい。不織布シートは、例えば、酸化亜鉛を含んでいてもよい。不織布シートは、例えば、不織布の原料に対する酸化チタンの重量割合(重量%)が1.5重量%以上、3%重量以下の範囲となるように酸化チタンを含んでいてもよい。不織布シートは、3重量%以上含んでいてもよい。これにより、不織布の強度を低下することなく、不織布シートが、紫外線を遮蔽する効果を有することができる。
【0145】
上述の変更例4では、外側シートOSにインク層85が配置されていた。インク層85は、第1インク層851及び第2インク層852を有してよい。例えば、非肌面側T2から肌面側T1に向かって、外側シートOS、デザイン領域DRを構成する第2インク層852、第1インク層851が配置されてよい。また、第1インク層851よりも非肌面側T2において、フィルム81が配置されていてよい。フィルム81は、ウエスト弾性部材WEよりも非肌面側T2に配置されてよい。第1インク層851及び第2インク層852は、外側シートOSとフィルム81とに挟まれていてよい。この場合、第1インク層851及び第2インク層852は、外側シートOSの肌面に塗布されていてもよく、フィルム81の非肌面に塗布されていてもよい。
【0146】
また、上述において、外側シートOSに第1インク層852としてインク(例えば、白色のインク)がべた塗りされていてもよい。なお、不織布は、一般的に白色であるため、通常、白色のインクはべた塗りされない。なお、不織布にべた塗りした場合、フィルム81と異なり、インクの網点面積率は、100%未満であってよい。すなわち、上述したように、肉眼で色を全面的に配置されていることを確認できればよい。
【0147】
上述した吸収性物品1は、図9に示すように、収容体100に収容されてよい。図9は、収容体100を説明するための図である。吸収性物品1の収容体100は、複数の吸収性物品1と、複数の吸収性物品1を収容するパッケージ101とを含んでよい。図9Aに示すように、パッケージ101には、吸収性物品1が紫外線を遮蔽する機能を有することを表す表示部110が設けられてよい。表示部110は、例えば、「UV CUT」、「UV CUT率○○%」などを表示してよい。これにより、使用者が、収容体100の開封前に吸収性物品1が紫外線を遮蔽する機能を有することを視覚的に認識できるため、使用者に安心感を与えることができる。
【0148】
また、図9Bに示すように、パッケージ101には、吸収性物品1が遮熱機能を有することを表す表示部110が設けられてよい。表示部110は、「Heat Shield」、「遮熱効果」、「体感-5度」などを表示してよい。これにより、使用者が、収容体100の開封前に吸収性物品1が遮熱機能を有することを視覚的に認識できるため、使用者に安心感を与えることができる。
【0149】
収容体100は、1つの収容空間に複数の吸収性物品1を収容してよい。また、収容体100は、各吸収性物品1が個別の収容空間(収容部)に収容されて、複数の収容部が1列に並ぶパッケージ101を有してよい。パッケージは、収容部が1つずつ切り取り可能であってよい。収容部毎に表示部110が設けられてよい。
【0150】
上述の実施形態、各変更例及びその他実施形態に係る吸収性物品に係る構成は、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 :吸収性物品
15 :外装体
16 :ウエスト開口部
17 :脚回り開口部
18 :サイド接合部
20 :前外装体
22 :前ウエスト弾性部材
25 :第1前側シート
26 :第2前側シート
30 :後外装体
30E :外端縁
31 :臀部カバー
32 :後ウエスト弾性部材
35 :第1後側シート
36 :第2後側シート
40 :吸収性本体
41 :肌面シート
42 :液不透過シート
43 :本体シート
50 :吸収体
52 :コアラップ
80 :保護層
81 :フィルム
85 :インク層
851 :第1インク層
852 :第2インク層
100 :収容体
101 :パッケージ
110 :表示部
DR :デザイン領域
IS :内側シート
NR :非重複部
NR1 :少数層
NR2 :多数層
OR :重複部
OR1 :第1重複部
OR2 :第2重複部
PR :保護領域
S1 :前胴回り域
S2 :後胴回り域
S3 :股下域
T1 :肌面側
T2 :非肌面側
W :幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9