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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】温度制御装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20221205BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20221205BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20221205BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20221205BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20221205BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20221205BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H01L21/205
C23C16/46
H05H1/46 M
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018243709
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020107684
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 啓
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-198582(JP,A)
【文献】特開2009-177070(JP,A)
【文献】特表2013-534716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/205
C23C 16/46
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体入口及び流体出口を有する内部流路を含む対象物体の温度を制御するための温度制御装置であって、
流体入口及び流体出口を有し、前記流体入口から流入した流体の温度を第1温度に調節する第1温度調節部と、
流体入口及び流体出口を有し、前記流体入口から流入した流体の温度を前記第1温度とは異なる第2温度に調節する第2温度調節部と、
複数のバルブと、
前記複数のバルブの切り替えを制御するように構成される制御部と、を備え、
前記複数のバルブは、
第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第1三方弁であり、前記第1三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体入口に接続され、前記第1三方弁の第2ポートは、前記第1温度調節部の流体出口に接続され、前記第1三方弁の第3ポートは、前記第1温度調節部の流体入口に接続される、第1三方弁と、
第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第2三方弁であり、前記第2三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体入口に接続され、前記第2三方弁の第2ポートは、前記第2温度調節部の流体出口に接続され、前記第2三方弁の第3ポートは、前記第2温度調節部の流体入口に接続される、第2三方弁と、
第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第3三方弁であり、前記第3三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体出口に接続され、前記第3三方弁の第2ポートは、前記第1温度調節部の流体入口に接続され、前記第3三方弁の第3ポートは、前記第2温度調節部の流体入口に接続される、第3三方弁と、を含み、
前記制御部は、
第1のモードにおいて、第1流体を前記内部流路の流体出口から前記第1温度調節部を介して前記内部流路の流体入口に流すとともに、第2流体を前記第2三方弁と前記第2温度調節部との間で循環するように前記第1三方弁、前記第2三方弁及び前記第3三方弁を制御し、
第2のモードにおいて、前記第2流体を前記内部流路の流体出口から前記第2温度調節部を介して前記内部流路の流体入口に流すとともに、前記第1流体を前記第1三方弁と前記第1温度調節部との間で循環するように前記第1三方弁、前記第2三方弁及び前記第3三方弁を制御するように構成される、
温度制御装置。
【請求項2】
流体入口及び流体出口を有する内部流路を含む対象物体の温度を制御するための温度制御装置であって、
流体入口及び流体出口を有し、前記流体入口から流入した流体の温度を第1温度に調節する第1温度調節部と、
流体入口及び流体出口を有し、前記流体入口から流入した流体の温度を前記第1温度とは異なる第2温度に調節する第2温度調節部と、
複数のバルブと、
前記複数のバルブの切り替えを制御するように構成される制御部と、を備え、
前記複数のバルブは、
第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第1三方弁であり、前記第1三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体出口に接続され、前記第1三方弁の第2ポートは、前記第1温度調節部の流体出口に接続され、前記第1三方弁の第3ポートは、前記第1温度調節部の流体入口に接続される、第1三方弁と、
第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第2三方弁であり、前記第2三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体出口に接続され、前記第2三方弁の第2ポートは、前記第2温度調節部の流体出口に接続され、前記第2三方弁の第3ポートは、前記第2温度調節部の流体入口に接続される、第2三方弁と、
第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第3三方弁であり、前記第3三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体入口に接続され、前記第3三方弁の第2ポートは、前記第1温度調節部の流体出口に接続され、前記第3三方弁の第3ポートは、前記第2温度調節部の流体出口に接続される、第3三方弁と、を含み、
前記制御部は、
第1のモードにおいて、第1流体を前記内部流路の流体出口から前記第1温度調節部を介して前記内部流路の流体入口に流すとともに、第2流体を前記第2三方弁と前記第2温度調節部との間で循環するように前記第1三方弁、前記第2三方弁及び前記第3三方弁を制御し、
第2のモードにおいて、前記第2流体を前記内部流路の流体出口から前記第2温度調節部を介して前記内部流路の流体入口に流すとともに、前記第1流体を前記第1三方弁と前記第1温度調節部との間で循環するように前記第1三方弁、前記第2三方弁及び前記第3三方弁を制御するように構成される、
温度制御装置。
【請求項3】
前記対象物体は、
基板を載置する載置台である、
請求項1又は請求項に記載の温度制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス条件の多様化により、チラーユニットにはブライン等の熱媒体の温度を広範囲かつ高速に変更する技術が求められている。
【0003】
特許文献1には、多数の切り替え弁を有する再循環システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2013-534716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一の側面では、本開示は、弁の数を低減する温度制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、流体入口及び流体出口を有する内部流路を含む対象物体の温度を制御するための温度制御装置であって、流体入口及び流体出口を有し、前記流体入口から流入した流体の温度を第1温度に調節する第1温度調節部と、流体入口及び流体出口を有し、前記流体入口から流入した流体の温度を前記第1温度とは異なる第2温度に調節する第2温度調節部と、複数のバルブと、前記複数のバルブの切り替えを制御するように構成される制御部と、を備え、前記複数のバルブは、第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第1三方弁であり、前記第1三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体入口に接続され、前記第1三方弁の第2ポートは、前記第1温度調節部の流体出口に接続され、前記第1三方弁の第3ポートは、前記第1温度調節部の流体入口に接続される、第1三方弁と、第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第2三方弁であり、前記第2三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体入口に接続され、前記第2三方弁の第2ポートは、前記第2温度調節部の流体出口に接続され、前記第2三方弁の第3ポートは、前記第2温度調節部の流体入口に接続される、第2三方弁と、第1ポート、第2ポート及び第3ポートを有する第3三方弁であり、前記第3三方弁の第1ポートは、前記内部流路の流体出口に接続され、前記第3三方弁の第2ポートは、前記第1温度調節部の流体入口に接続され、前記第3三方弁の第3ポートは、前記第2温度調節部の流体入口に接続される、第3三方弁と、を含み、前記制御部は、第1のモードにおいて、第1流体を前記内部流路の流体出口から前記第1温度調節部を介して前記内部流路の流体入口に流すとともに、第2流体を前記第2三方弁と前記第2温度調節部との間で循環するように前記第1三方弁、前記第2三方弁及び前記第3三方弁を制御し、第2のモードにおいて、前記第2流体を前記内部流路の流体出口から前記第2温度調節部を介して前記内部流路の流体入口に流すとともに、前記第1流体を前記第1三方弁と前記第1温度調節部との間で循環するように前記第1三方弁、前記第2三方弁及び前記第3三方弁を制御するように構成される、温度制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、弁の数を低減する温度制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る温度調整装置の構成図。
図2】第1実施形態に係る温度調整装置における切替処理を説明するタイムチャート。
図3】第1参考例に係る温度調整装置の構成図。
図4】第1参考例に係る温度調整装置における切替処理を説明するタイムチャート。
図5】第2参考例に係る温度調整装置の構成図。
図6】第2参考例に係る温度調整装置における切替処理を説明するタイムチャート。
図7】第2実施形態に係る温度調整装置の構成図。
図8】第2実施形態に係る温度調整装置における切替処理を説明するタイムチャート。
図9】第1実施形態に係る温度調整装置の構成図であり、第3の動作モードにおける動作を示す図。
図10】第2実施形態に係る温度調整装置の構成図であり、第3の動作モードにおける動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
第1実施形態に係る温度調整装置Sについて、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る温度調整装置Sの構成図であり、(a)は第1の動作モードにおける動作を示し、(b)は第2の動作モードにおける動作を示す。
【0011】
第1実施形態に係る温度調整装置Sは、処理装置1と、第1のチラー2と、第2のチラー3と、流路4と、流路4に設けられた三方弁51,52,53と、制御装置6と、を備えている。
【0012】
処理装置1はウェハWを処理する装置である。ウェハWには、熱処理やプラズマ処理やUV処理やその他の処理が施される。ウェハWの処理には、エッチング処理、成膜処理、クリーニング処理、トリートメント処理、アッシング処理等のあらゆる処理が含まれる。
【0013】
処理装置1は、処理容器10と、ウェハWを載置する載置台11と、を有している。載置台11は、静電チャック12と、基台(被温度調整部材)13と、を有している。静電チャック12は、基台13の上に配置されている。静電チャック12は、電極12aと、ヒータ12bと、を有している。電極12aに直流電源からの電圧を印加することで、ウェハWを静電チャック12上に静電吸着させる。ヒータ12bに交流電源からの電圧を印加することで、ウェハWを加温することができる。なお、電極12a及びヒータ12bへの通電は、制御装置6によって制御される。基台13は、支持台14に支持されている。基台13の内部には、一端側を流入口13aとして他端側を流出口13bとする部材流路13cがリング状又は渦巻き状に形成されている。支持台14は、処理容器10の内部で基台13を支持する。
【0014】
また、処理装置1は、プラズマ処理装置として構成されていてもよい。基台13には、整合器(図示せず)を介してプラズマ生成用の高周波電力を印加する高周波電源(図示せず)が接続される。かかる構成により、載置台11は下部電極としての機能を有する。また、処理容器10には、処理容器10内に所望のガスを供給するガス供給源(図示せず)と、処理容器10内を減圧する真空ポンプ(図示せず)と、が接続される。また、処理容器10内で、載置台11の上方には、載置台11に対向して上部電極として機能するシャワーヘッド(図示せず)が設けられている。上部電極としてのシャワーヘッドと下部電極としての載置台11との間にプラズマが生成される。
【0015】
なお、熱媒体は、例えば、冷却水、ブライン等の液体であってもよく、例えば、冷媒ガス等の気体であってもよい。
【0016】
第1のチラー2は、熱媒体の温度を第1温度に調整する。第1のチラー2は、熱媒体の温度を調整する温度調整部(不図示)と、熱媒体を貯溜するタンク(不図示)と、熱媒体を吐出するポンプ21と、を有している。第1のチラー2に流入した熱媒体は、熱交換器等の温度調整部で第1温度に調整され、タンクに貯留される。ポンプ21は、第1温度に調整された熱媒体を吐出する。なお、第1のチラー2から吐出される第1温度に調整された熱媒体を第1温度調整媒体とも称する。第1のチラー2は、第1温度調整媒体の温度を第1温度に制御する第1温度制御部の一例である。
【0017】
第2のチラー3は、熱媒体の温度を第1温度と異なる第2温度に調整する。第2のチラー3は、熱媒体の温度を調整する温度調整部(不図示)と、熱媒体を貯溜するタンク(不図示)と、熱媒体を吐出するポンプ31と、を有している。第2のチラー3に流入した熱媒体は、熱交換器等の温度調整部で第2温度に調整され、タンクに貯留される。ポンプ31は、第2温度に調整された熱媒体を吐出する。なお、第2のチラー3から吐出される第2温度に調整された熱媒体を第2温度調整媒体とも称する。第2のチラー3は、第2温度調整媒体の温度を第1温度とは異なる第2温度に制御する第2温度制御部の一例である。
【0018】
なお、第1のチラー2のタンクと、第2のチラー3のタンクとの間には、熱媒体の量を調整する調整機構(不図示)を有していてもよい。例えば、調整機構は、一方のタンクの貯溜量が所定量を超えると、一方のタンクから他方のタンクに熱媒体を流入させることができる。
【0019】
流路4は、載置台11の部材流路13c、第1のチラー2、第2のチラー3を接続し、熱媒体が通流可能に構成されている。流路4は、第1流路41と、第2流路42と、第3流路43と、第4流路44と、を有する。なお、流路4に含まれる各流路41、42、43、44は、配管により形成される。
【0020】
第1流路41は、部材流路13cと第1のチラー2との間で熱媒体を通流させる流路である。第1流路41は、第1のチラー2の吐出側から部材流路13cの流入口13aへ接続する流路4a1、分岐部4b1、流路4c1、分岐部4d、流路4eと、部材流路13cの流出口13bから第1のチラー2の流入側へ接続する流路4f、分岐部4g、流路4h1、分岐部4i1、流路4j1と、を含んでいる。
【0021】
第2流路42は、部材流路13cと第2のチラー3との間で熱媒体を通流させる流路である。第2流路42は、第2のチラー3の吐出側から部材流路13cの流入口13aへ接続する流路4a2、分岐部4b2、流路4c2、分岐部4d、流路4eと、部材流路13cの流出口13bから第2のチラー3の流入側へ接続する流路4f、分岐部4g、流路4h2、分岐部4i2、流路4j2と、を含んでいる。
【0022】
第3流路43は、部材流路13cを経由せずに第1のチラー2との間で熱媒体を循環させる流路である。第3流路43は、第1のチラー2の吐出側から第1のチラー2の流入側へ接続する流路4a1、分岐部4b1、流路4k1、分岐部4i1、流路4j1を含んでいる。
【0023】
第4流路44は、部材流路13cを経由せずに第2のチラー3との間で熱媒体を循環させる流路である。第4流路44は、第2のチラー3の吐出側から第2のチラー3の流入側へ接続する流路4a2、分岐部4b2、流路4k2、分岐部4i2、流路4j2を含んでいる。
【0024】
三方弁51は、1つの流入ポートと2つの流出ポートを有する。三方弁51は、一方の流出ポートの開度が増えると、他方の流出ポートの開度が減るように構成される。三方弁52,53も同様の構成を有している。
【0025】
三方弁51は、分岐部4b1に設けられている。即ち、三方弁51の流入ポートは流路4a1と接続され、一方の第1流出ポートは流路4c1と接続され、他方の第2流出ポートは流路4k1と接続される。これにより、三方弁51は、第1温度調整媒体を第1流路41に流入させるか、第3流路43に流入させるか、を切り替えることができる。
【0026】
三方弁52は、分岐部4b2に設けられている。即ち、三方弁52の流入ポートは流路4a2と接続され、一方の第1流出ポートは流路4c2と接続され、他方の第2流出ポートは流路4k2と接続される。これにより、三方弁52は、第2温度調整媒体を第2流路42に流入させるか、第4流路44に流入させるか、を切り替えることができる。
【0027】
三方弁53は、分岐部4gに設けられている。即ち、三方弁53の流入ポートは流路4fと接続され、一方の第1流出ポートは流路4h1と接続され、他方の第2流出ポートは流路4h2と接続される。これにより、三方弁53は、部材流路13cの流出口13bから流出した熱媒体を第1流路41に流入させるか、第2流路42に流入させるか、を切り替えることができる。
【0028】
制御装置6は、三方弁51~53の切り替えを制御することにより、温度調整装置Sのモードを切り替える。
【0029】
図1(a)に示すように、第1の動作モードにおいて、三方弁51を第1流出ポート側が開くように切り替え、三方弁52を第2流出ポート側が開くように切り替え、三方弁53を第1流出ポート側が開くように切り替える。これにより、第1流路41が形成され、第1温度調整媒体は部材流路13cに供給される。また、第4流路44が形成され、第2温度調整媒体は第2のチラー3と第4流路44の間で循環する。
【0030】
図1(b)に示すように、第2の動作モードにおいて、三方弁51を第2流出ポート側が開くように切り替え、三方弁52を第1流出ポート側が開くように切り替え、三方弁53を第2流出ポート側が開くように切り替える。これにより、第2流路42が形成され、第2温度調整媒体は部材流路13cに供給される。また、第3流路43が形成され、第1温度調整媒体は第1のチラー2と第3流路43の間で循環する。
【0031】
このように、第1実施形態に係る温度調整装置Sによれば、三方弁51~53の切り替えによって、部材流路13cに供給される熱媒体の温度を切り替えることができる。
【0032】
次に、図2を用いて、第1実施形態に係る温度調整装置Sにおける切替処理について説明する。図2は、第1実施形態に係る温度調整装置Sにおける切替処理を説明するタイムチャートである。
【0033】
ここでは、部材流路13cに第1温度調整媒体が供給されている状態(図1(a)参照)から、第2温度調整媒体が供給されている状態(図1(b)参照)へと切り替える場合を例に説明する。
【0034】
切替指示を受けると、ステップS1において、制御装置6は、三方弁51を第1流路41の側(Main)から、第3流路43の側(Cycle)へと切り替える。
【0035】
ステップS2において、制御装置6は、三方弁52を第4流路44の側(Cycle)から第2流路42の側(Main)へと切り替える。また、制御装置6は、三方弁53を第1流路41の側(SideA)から第2流路42の側(SideB)へと切り替える。
【0036】
ここで、ステップS1において三方弁51が動作しなかった場合、ポンプ21を通る流路は第1流路41のままとなっており、ポンプ21の流路が閉塞することを防止することができる。
【0037】
また、ステップS2において三方弁52が動作しなかった場合、ポンプ31を通る流路は第4流路44のままとなっており、ポンプ31の流路が閉塞することを防止することができる。また、三方弁52は動作したが三方弁53が動作しなかった場合、ポンプ31かた吐出された第2温度調整媒体は、流路4a2、分岐部4b2、流路4c2、分岐部4d、流路4e、部材流路13c、流路4f、分岐部4g、流路4h1、分岐部4i1、流路4j1を通って第1のチラー2のタンク(不図示)へと流れる。これにより、ポンプ31の流路が閉塞することを防止することができる。なお、第1のチラー2のタンクへ流入した熱媒体は、調整機構(不図示)を介して第2のチラー3のタンク(不図示)へと戻されてもよい。
【0038】
このように、第1実施形態に係る温度調整装置Sでは2ステップの処理で、ポンプ21,31の流路が閉塞することによるウォーターハンマーの発生を防止することができる。
【0039】
ここで、参考例に係る温度調整装置Sについて、図3から図6を用いて説明する。
【0040】
図3は、第1参考例に係る温度調整装置Sの構成図であり、(a)は第1の動作モードにおける動作を示し、(b)は第2の動作モードにおける動作を示す。
【0041】
第1参考例に係る温度調整装置Sは、第1実施形態に係る温度調整装置Sと比較して、三方弁51,52,53に代えて、開閉弁151,152、三方弁153、154を備える点で異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
【0042】
開閉弁151は、流路4k1に設けられている。開閉弁152は、流路4k2に設けられている。三方弁153は、分岐部4dに設けられている。即ち、三方弁153の一方の第1流入ポートは流路4c1と接続され、他方の第2流入ポートは流路4c2と接続され、流出ポートは流路4eと接続される。三方弁154は、分岐部4gに設けられている。即ち、三方弁53の流入ポートは流路4fと接続され、一方の第1流出ポートは流路4h1と接続され、他方の第2流出ポートは流路4h1と接続される。
【0043】
図4は、第1参考例に係る温度調整装置Sにおける切替処理を説明するタイムチャートである。
【0044】
切替指示を受けると、ステップS1において、制御装置6は、開閉弁151を閉弁(Close)から開弁(Open)に切り替える。
【0045】
ステップS2において、制御装置6は、三方弁153を三方弁53を第1流路41の側(SideA)から第2流路42の側(SideB)へと切り替える。また、制御装置6は、三方弁154を第1流路41の側(SideA)から第2流路42の側(SideB)へと切り替える。
【0046】
ステップS3において、制御装置6は、開閉弁152を開弁(Open)から閉弁(Close)に切り替える。
【0047】
このように、ポンプ21,31の流路が閉塞することによるウォーターハンマーの発生を防止するように切替処理を行った場合、第1参考例に係る温度調整装置Sでは3ステップの処理が必要となる。
【0048】
図5は、第2参考例に係る温度調整装置Sの構成図であり、(a)は第1の動作モードにおける動作を示し、(b)は第2の動作モードにおける動作を示す。
【0049】
第2参考例に係る温度調整装置Sは、第1実施形態に係る温度調整装置Sと比較して、三方弁51,52,53に代えて、開閉弁251~256を備える点で異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
【0050】
開閉弁251は、流路4k1に設けられている。開閉弁252は、流路4k2に設けられている。開閉弁253は、流路4c1に設けられている。開閉弁254は、流路4c2に設けられている。開閉弁255は、流路4h1に設けられている。開閉弁256は、流路4h2に設けられている。
【0051】
図6は、第2参考例に係る温度調整装置Sにおける切替処理を説明するタイムチャートである。
【0052】
切替指示を受けると、ステップS1において、制御装置6は、開閉弁251を閉弁(Close)から開弁(Open)に切り替える。
【0053】
ステップS2において、制御装置6は、開閉弁253を開弁(Open)から閉弁(Close)に切り替える。また、制御装置6は、開閉弁256を閉弁(Close)から開弁(Open)に切り替える。
【0054】
ステップS3において、制御装置6は、開閉弁255を開弁(Open)から閉弁(Close)に切り替える。また、制御装置6は、開閉弁254を閉弁(Close)から開弁(Open)に切り替える。
【0055】
ステップS4において、制御装置6は、開閉弁252を開弁(Open)から閉弁(Close)に切り替える。
【0056】
このように、ポンプ21,31の流路が閉塞することによるウォーターハンマーの発生を防止するように切替処理を行った場合、第2参考例に係る温度調整装置Sでは4ステップの処理が必要となる。
【0057】
以上、第1実施形態に係る温度調整装置Sは、第1~2参考例に係る温度調整装置Sと比較して、制御する弁(三方弁、開閉弁)の数を少なくすることができる。また、流路閉塞が発生しないように弁を切り替える際のステップ数を少なくすることができる。即ち、部材流路13cに供給される熱媒体の温度の切り替えを速くすることができる。
【0058】
次に、第2実施形態に係る温度調整装置Sについて、図7を用いて説明する。図7は、第2実施形態に係る温度調整装置Sの構成図であり、(a)は第1の動作モードにおける動作を示し、(b)は第2の動作モードにおける動作を示す。
【0059】
第2実施形態に係る温度調整装置Sは、処理装置1と、第1のチラー2と、第2のチラー3と、流路4と、流路4に設けられた三方弁54,55,56と、制御装置6と、を備えている。
【0060】
第2実施形態に係る温度調整装置Sは、第1実施形態に係る温度調整装置Sと比較して、三方弁51,52,53に代えて、三方弁54,55,56を備える点で異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
【0061】
三方弁54は、2つの流入ポートと1つの流出ポートを有する。三方弁54は、一方の流入ポートの開度が増えると、他方の流入ポートの開度が減るように構成される。三方弁55,56も同様の構成を有している。
【0062】
三方弁54は、分岐部4i1に設けられている。即ち、三方弁54の一方の第1流入ポートは流路4h1と接続され、他方の第2流入ポートは流路4k1と接続され、流出ポートは流路4j1と接続される。これにより、三方弁54は、第1温度調整媒体を第1流路41に流入させるか、第3流路43に流入させるか、を切り替えることができる。
【0063】
三方弁55は、分岐部4i2に設けられている。即ち、三方弁55の一方の第1流入ポートは流路4h2と接続され、他方の第2流入ポートは流路4k2と接続され、流出ポートは流路4j2と接続される。これにより、三方弁55は、第2温度調整媒体を第2流路42に流入させるか、第4流路44に流入させるか、を切り替えることができる。
【0064】
三方弁56は、分岐部4dに設けられている。即ち、三方弁56の一方の第1流入ポートは流路4c1と接続され、他方の第2流入ポートは流路4c2と接続され、流出ポートは流路4eと接続される。これにより、三方弁56は、第1流路41の第1温度調整媒体を部材流路13cに流入させるか、第2流路42の第2温度調整媒体を部材流路13cに流入させるか、を切り替えることができる。
【0065】
次に、図8を用いて、第2実施形態に係る温度調整装置Sにおける切替処理について説明する。図8は、第2実施形態に係る温度調整装置Sにおける切替処理を説明するタイムチャートである。
【0066】
ここでは、部材流路13cに第1温度調整媒体が供給されている状態(図1(a)参照)から、第2温度調整媒体が供給されている状態(図1(b)参照)へと切り替える場合を例に説明する。
【0067】
切替指示を受けると、ステップS1において、制御装置6は、三方弁54を第1流路41の側(Main)から、第3流路43の側(Cycle)へと切り替える。
【0068】
ステップS2において、制御装置6は、三方弁55を第4流路44の側(Cycle)から第2流路42の側(Main)へと切り替える。また、制御装置6は、三方弁56を第1流路41の側(SideA)から第2流路42の側(SideB)へと切り替える。
【0069】
このように、第2実施形態に係る温度調整装置Sでは2ステップの処理で、ポンプ21,31の流路が閉塞することによるウォーターハンマーの発生を防止することができる。
【0070】
以上、第2実施形態に係る温度調整装置Sは、第1~2参考例に係温度調整装置Sと比較して、制御する弁(三方弁、開閉弁)の数を少なくすることができる。また、流路閉塞が発生しないように弁を切り替える際のステップ数を少なくすることができる。即ち、部材流路13cに供給される熱媒体の温度の切り替えを速くすることができる。
【0071】
以上、本開示の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本開示は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなしに、種々の変形、置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
【0072】
図9は、第1実施形態に係る温度調整装置Sの構成図であり、第3の動作モードにおける動作を示す。
【0073】
図9に示すように、第1実施形態に係る温度調整装置Sは、三方弁51,52,53の開度を調整して、第1温度調整媒体の一部を第1流路41に通流させ、第1温度調整媒体の残部を第3流路43で循環させ、第2温度調整媒体の一部を第2流路42に通流させ、第2温度調整媒体の残部を第4流路44で循環させるようにしてもよい。これにより、部材流路13cに供給される熱媒体の温度を調整することができる。
【0074】
図10は、第2実施形態に係る温度調整装置Sの構成図であり、第3の動作モードにおける動作を示す。
【0075】
同様に、図10に示すように、第2実施形態に係る温度調整装置Sは、三方弁54,55,56の開度を調整して、第1温度調整媒体の一部を第1流路41に通流させ、第1温度調整媒体の残部を第3流路43で循環させ、第2温度調整媒体の一部を第2流路42に通流させ、第2温度調整媒体の残部を第4流路44で循環させるようにしてもよい。これにより、部材流路13cに供給される熱媒体の温度を調整することができる。
【0076】
本開示の処理装置1は、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna(RLSA)、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のどのタイプの基板処理装置にもでも適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
S 温度調整装置
1 処理装置
2 第1のチラー(第1温度制御部)
3 第2のチラー(第2温度制御部)
21 ポンプ
31 ポンプ
4 流路
4b1,4b2,4d,4g,4i1,4i2 分岐部
6 制御装置(制御部)
W ウェハ
13 基台(被温度調整部材)
13a 流入口
13b 流出口
13c 部材流路
41 第1流路
42 第2流路
43 第3流路
44 第4流路
51 三方弁(第1三方弁)
52 三方弁(第2三方弁)
53 三方弁(第3三方弁)
54 三方弁(第1三方弁)
55 三方弁(第2三方弁)
56 三方弁(第3三方弁)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10