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特許7187536基材用のカセットを保管するための保管装置、およびそれを備える処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】基材用のカセットを保管するための保管装置、およびそれを備える処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20221205BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/02 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020506161
(86)(22)【出願日】2018-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 IB2018001003
(87)【国際公開番号】W WO2019030565
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】15/673,110
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/585,283
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アドリアーン・ガルセン
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン・デン・ハルトグ-ベッセリンク
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-151565(JP,A)
【文献】特開平05-105206(JP,A)
【文献】特開2003-007800(JP,A)
【文献】特開2011-140366(JP,A)
【文献】特開平09-221203(JP,A)
【文献】特表2002-518824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材用のカセットを保管するための保管装置であって、
カセットを保持するように構築および配置される可動ベースプレートと;
前記ベースプレートからカセットを収容するおよび取り外すための開口部を備える外壁と;
前記開口部に対して前記ベースプレートを移動するように構築および配置される移動デバイスと;を備え、前記保管装置には、前記開口部の近傍に固定センサーが設けられ、前記開口部の前記ベースプレート上の前記カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出し、
前記ベースプレートは、
カセットが前記ベースプレート上で前記正しい向きに存在する場合、前記カセットと接触して移動可能であるように配置される可動要素と;前記可動要素によって移動可能であり、前記カセットが前記正しい方向に存在することを示すインジケータと;を備え、前記インジケータは、前記センサーの視野角内にあり、前記ベースプレート上の前記カセットの前記存在および前記正しい方向を前記センサーに示し、
前記可動要素は、旋回可能なアームを備え、前記ベースプレートは、前記旋回可能なアームを旋回可能に前記ベースプレートに取り付けるための旋回軸が設けられる、保管装置。
【請求項2】
前記センサーは、前記ベースプレート上の前記カセットの前記存在および前記正しい方向を光学的に検出する光学センサーである、請求項1に記載の保管装置。
【請求項3】
前記旋回可能なアームはインジケータを備え、前記インジケータは、前記アームが旋回時に移動可能であり、前記カセットが前記正しい方向にあることを示す、請求項1に記載の保管装置。
【請求項4】
前記旋回可能なアームは、前記可動要素を前記カセットに押し付けるカウンターウェイトを備える、請求項3に記載の保管装置。
【請求項5】
前記ベースプレートは前記ベースプレートにホールを備え、前記可動要素は前記カセットと協働し前記ホール内で移動可能に構成されるピンを備える、請求項1に記載の保管装置。
【請求項6】
基材用のカセットを保管するための保管装置であって、
カセットを保持するように構築および配置される可動ベースプレートと;
前記ベースプレートからカセットを収容するおよび取り外すための開口部を備える外壁と;
前記開口部に対して前記ベースプレートを移動するように構築および配置される移動デバイスと;を備え、前記保管装置には、前記開口部の近傍に固定センサーが設けられ、前記開口部の前記ベースプレート上の前記カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出し、
前記ベースプレートは、
カセットが前記ベースプレート上で前記正しい向きに存在する場合、前記カセットと接触して移動可能であるように配置される可動要素と;前記可動要素によって移動可能であり、前記カセットが前記正しい方向に存在することを示すインジケータと;を備え、前記インジケータは、前記センサーの視野角内にあり、前記ベースプレート上の前記カセットの前記存在および前記正しい方向を前記センサーに示し、
前記可動要素は止め具を備え、前記止め具は前記可動要素の動きを制限する、保管装置。
【請求項7】
基材用のカセットを保管するための保管装置であって、
カセットを保持するように構築および配置される可動ベースプレートと;
前記ベースプレートからカセットを収容するおよび取り外すための開口部を備える外壁と;
前記開口部に対して前記ベースプレートを移動するように構築および配置される移動デバイスと;を備え、前記保管装置には、前記開口部の近傍に固定センサーが設けられ、前記開口部の前記ベースプレート上の前記カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出し、
前記ベースプレートは、
カセットが前記ベースプレート上で前記正しい向きに存在する場合、前記カセットと接触して移動可能であるように配置される可動要素と;前記可動要素によって移動可能であり、前記カセットが前記正しい方向に存在することを示すインジケータと;を備え、前記インジケータは、前記センサーの視野角内にあり、前記ベースプレート上の前記カセットの前記存在および前記正しい方向を前記センサーに示し、
前記可動要素は前記ベースプレートの下側に設けられる、保管装置。
【請求項8】
前記インジケータはリフレクタを備え、前記センサーは、放射ビームを前記リフレクタに向ける放射源と、前記放射ビームの反射を検出するセンサーとを備える、請求項1に記載の保管装置。
【請求項9】
前記ベースプレートは、前記ベースプレート上の前記カセットを配置するための保持部材が設けられる、請求項1に記載の保管装置。
【請求項10】
前記ベースプレートから上方に延在する前記ベースプレートに壁を設け、前記ベースプレートにアクセスするために一方の側を開いたままにする、請求項1に記載の保管装置。
【請求項11】
前記開放側の反対側の壁は、前記カセットをパージするためのホールが設けられる、請求項10に記載の保管装置。
【請求項12】
前記壁は、前記ベースプレート上で等脚台形を画定する、請求項10に記載の保管装置。
【請求項13】
前記ベースプレートは、前記カセットを保持するための複数の領域を備える、請求項1に記載の保管装置。
【請求項14】
前記ベースプレートは、前記カセットを収容するための水平面を有し、前記装置は、前記ベースプレートが水平方向に移動可能に構築および配置される、請求項1に記載の保管装置。
【請求項15】
前記センサーは、前記ベースプレート上の前記カセットの前記存在および前記正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するために、カメラの視野角内に前記開口部近傍の前記ベースプレート上に前記カセットを有するように構築および配置される前記カメラである、請求項1に記載の保管装置。
【請求項16】
前記装置は、前記カメラと接続されて操作可能であり、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータを備え、前記メモリは、前記ベースプレート上の前記カセットの前記存在および前記正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するためのマシンビジョンソフトウェアを備える、請求項15に記載の保管装置。
【請求項17】
基材を処理するための処理装置であって、
請求項1に記載のカセットを保管するための保管装置と;
基材を処理するための処理デバイスと;
基材を前記カセットから前記処理デバイスに移動させる、および処理後に前記基材を前記処理デバイスから前記カセットへ移動させるように構築および配置される基材ハンドラーと;を備える、処理装置。
【請求項18】
請求項17に記載の基材を処理するための処理装置であって、複数の基材を処理するための反応チャンバーを有する反応器を備える、処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2017年8月9日に出願された「CASSETTE HOLDER ASSEMBLY FOR A SUBSTRATE CASSETTE AND HOLDING MEMBER FOR USE IN SUCH ASSEMBLY」と題する米国特許出願第15/673,110号、および2017年11月13日に出願された「STORAGE APPARATUS FOR STORING CASSETTES FOR SUBSTRATES AND PROCESSING APPARATUS EQUIPPED THEREWITH」と題する米国仮特許出願第62/585,283号の優先権を主張し、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概ね基材用のカセットを保管するための保管装置に関する。本発明はまた、基材を処理する処理装置、およびこのような保管装置を備える処理装置に関することができる。
【背景技術】
【0003】
保管装置は、半導体材料基材上の個別半導体製品および集積半導体製品の製造に使用される装置に採用される場合がある。基材を輸送するために、保管装置を必要とする場合のあるカセットを用いることができる。
【0004】
基材用のカセットを保管するための保管装置は、
カセットを保持するように構築および配置される可動ベースプレートと;
ベースプレートからカセットを収容するおよび取り外すための開口部を備える外壁と;
開口部に対してベースプレートを移動させるように構築および配置される移動デバイスと;を備える。ベースプレート上に、少なくとも一つの半導体材料基材を保管するための複数のカセットは、外壁の開口部を通って保管されることができる。保持部材は、ベースプレート上に配置されおよびベースプレートによって支持され、カセットをベースプレート上の正しい位置に配置することができる。
【0005】
開口部でベースプレート上の基材カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するために、センサーが必要である場合がある。多数のカセットを保管装置に保管できるため、ベースプレート上の基材カセットの存在および正しい方向を検出するために多数のセンサーが必要である場合がある。センサーは、電源の接続および保管装置の固定部との通信を必要とする場合がある。したがって、メインプレートの移動を可能にするケーブルフィードスルーを必要とする場合がある。ベースプレート上の可動センサーおよびケーブルフィードスルーを用いる設計の欠点は、設計が非常に大きくなる可能性があることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、ベースプレート上の基材カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するためのセンサーの簡略化された設計を備える保管装置を提供することである。
【0007】
したがって、基材用のカセットを保管するための保管装置であって、
カセットを保持するように構築および配置される可動ベースプレートと;
ベースプレートからカセットを収容するおよび取り外すための開口部を備える外壁と;
開口部に対してベースプレートを移動するように構築および配置される移動デバイスと;を備え、保管装置には、開口部の近傍に固定センサーが設けられ、開口部のベースプレート上のカセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出する、保管装置が提供される。
【0008】
開口部近傍のベースプレート上の基材カセットの存在と正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するために、開口部近傍に固定センサーを設けることにより、カセットの存在および正しい位置を検出するために可動ベースプレートに配線する必要はない。それにより、保管装置の設計を簡略化することができる。
【0009】
半導体製品の製造のための処理装置に、本発明による保管装置を設けてもよい。こうした装置は、製品が大量に製造されることを可能にすることができ、また維持および/または設置を容易にすることができる。
【0010】
半導体基材の処理に必要な部品に加えて、装置は、保管装置内にカセットを配置する手段、または保管装置からカセットを取り外す手段を備えることができる。カセット内に基材を配置する、カセットから基材を取り外すための基材ハンドラーもまた、装置に設けることができる。
【0011】
これらおよび他の実施形態は、添付の図面を参照する特定の実施形態の以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。本発明は、開示される特定の実施形態に限定されない。
【0012】
当然のことながら、図内の要素は、単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの幾つかの寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、処理装置の概略水平断面図を示す。
図2図2は、別の処理装置の部分的に破断した概略斜視図である。
図3図3は、図1または2の装置用の保管装置の部分的に破断した斜視図である。
図4図4は、一実施形態によるカセットホルダーアセンブリの正面図である。
図5図5は、一実施形態による比較的小さなサイズの基材を有するカセットを備える図1のカセットホルダーアセンブリの背面図である。
図6図6は、一実施形態による比較的大きなサイズの基材を有するカセットを備える図1のカセットホルダーアセンブリの背面図である。
図7図7は、一実施形態によるベースプレート上に取り付ける前の、カセットを収容するためのベースプレート上の上部斜視図および保持部材上の底部斜視図である。
図8図8は、基材用カセットを保持するためのベースプレート上の正面図である。
図9図9a、9b、および9cは、一実施形態による可動要素の図4のバーのさらに詳細な上面図、側面断面図および底面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図は実寸に比例して描かれておらず、特に明瞭化のために厚さ方向の寸法が誇張されている。対応する区域は、可能な限り同一の参照符号を持つ。
【0015】
図1は、ウェーハという用語でも示される、半導体基材を処理するための処理装置1を示す。これらのウェーハは、後にウェーハから切断され、さらに処理される多数の集積回路を表面上に形成するために、多数の処理工程に供される。
【0016】
通常、基材を保管装置2の図1の上面図に示されるカセット9内に移動させる。保管装置2は、回転テーブル4を有することによって可動ベースプレートを備え、その上に2~10個、例えば6つのカセットを3段のそれぞれに配置することができ、その結果、例えばこのテーブル4は合計18個のカセットを含むことができる。
【0017】
保管装置2には、粉塵が非常に低い雰囲気が維持されているクリーンルームからカセットの受け取りおよび取り外しのための入出ポートとして機能する開口部が設けられた外壁3が設けられている。入出ポート5を介して、カセット9はテーブル4の可動ベースプレート上に配置されることができる。
【0018】
図が明確に示すように、保管装置2の断面は、少なくとも部分的に正多角形の周囲を有し、すなわち、図1における右側の三つの壁は断面が正八角形の一部を形成する。以下にさらに説明される処理ステーション10、11および12は、断面が少なくとも部分的に正多角形の周囲を有している。ステーション2、10、11および12は、側面の位置で他のステーション上に連結する個別のステーションとして具体化される。
【0019】
装置1では、基材ハンドラー8を有する中央ステーションが設けられる。この基材ハンドラー8は、カセット9から基材13を取り出し、それらを処理ステーション10、11、12内のウェーハキャリア内に置くことができる。処理後、基材ハンドラーは再び処理ステーションのウェーハキャリアから処理された基材を取り外し、次の処理ステーションに、またはロータリーメインプレート4によって所定位置へ回転された空のカセット9内にそれらを配置する。処理された基材13を有するカセット9は、入出ポート5と同じ様に機能することができる入出ポート6を介して保管装置2から取り外されてもよい。
【0020】
図1に示す処理ステーション10、11、12のそれぞれには、三つの区画15が画定される回転テーブル14を設けることができる。これらの区画にはそれぞれウェーハキャリア16が設けられる。回転テーブル14は、三つの回転位置で移動および停止することができる。これらの各位置において、ウェーハキャリアの一つは、搬送ステーション8のロボットにアクセス可能である。ウェーハキャリア16を三つの区画15のうちの一つに装填した後、回転テーブル14は時計回りに1/3回転動かされる。充填されたばかりのウェーハキャリアは、本明細書では昇降デバイス17の上およびオーブンの下に置かれる。昇降デバイス17によって、充填されたウェーハキャリアは、ウェーハの処理が行われるオーブン内に上げられる。処理が完了すると、ウェーハキャリアは再び下向きにテーブル14内に移動し、そしてテーブル14はさらに1/3回転する。一方、次のウェーハキャリア16は再び充填され、昇降デバイス17を用いてオーブン内に配置されることができる。処理されたばかりのウェーハを暫くの間冷却することができる。処理サイクルが再度終了した後、回転テーブルは再び1/3回転され、処理され冷却されたウェーハを有するウェーハキャリア16が搬送ステーション8に隣接する開始位置に戻る。その後、処理されたウェーハはウェーハキャリアから取り出され、処理ステーション11の準備完了ウェーハキャリア内または準備完了したカセット9内に置かれる。処理ステーション11および12の作動は、この場合は同一である。
【0021】
保管装置2は、処理ステーション10、11または12のうちの二つまたは一つのみと組み合わせられてもよい。処理ステーション10、11、12の代わりに、別の処理ステーションを用いることができる。実施形態の結果として、個別の連結可能なユニットは断面が少なくとも部分的に正多角形の周囲を有するので、ユニットは正多角形の周囲の側面の位置で別のユニットに接続し、デバイスの構造の大きな自由度が所望の処理に従って可能である。
【0022】
図1にさらに示すように、基材ハンドラー8は、正方形の周囲および保管装置2で具体化され、処理ステーション10、11および12のそれぞれは、135度の角度を有し、基材ハンドラー8の長さと等しい長さの辺を有する、部分的に正八角形の周囲を有する。ここで保管装置2および処理ステーション10、11および12は、一つの基材ハンドラー8と組み合わせて接続されてもよい。
【0023】
しかし、本発明による構造から、別の組立品も可能である。図2は、例えば、図1の断面で示されるものに対応する一つの保管装置21および二つの処理ステーションからなるデバイスを示し、そのそれぞれは処理ステーション10、11および12に対応することができる。ここでは基材ハンドラー22も配置されている。この基材ハンドラーは、上述のように、ウェーハ13をカセット9から取り出し、処理ステーションのウェーハキャリア27内にそれらを置くことができ、その逆もできるロボット25を備える。ロボット25は、それ自体が既知のロボットであってもよく、その作動アーム自体が下部カセットの底部ウェーハと上部カセット9の上部ウェーハとの間の高さの差を埋めることができるように、昇降デバイス上に取り付けられる。その他の点では、通常、ウェーハの移動は最低位置から最高位置まで連続して行われる、すなわちウェーハ13はカセット9またはウェーハキャリア27から取り出され、底部から始まり最上部へ続くが、一方でこれらは最上部から始まり底部に続き再度ウェーハキャリアまたはカセットに再配置される。これにより、粉塵粒子が下にあるウェーハ上に落下する可能性がなくなる。
【0024】
図2に明瞭に示されるように、この実施形態では、それぞれの連結可能なステーションは、正多角形の周囲を有する部分の側面のうちの少なくとも一つにおいて閉鎖可能な通路開口部を有する密閉筐体を有する。この実施形態では、処理ステーション23、32のそれぞれは一つの通路開口部26を有する。保管装置21には三つの通路開口部24が設けられている。通路開口部は、ガイド30に収容されるハッチ29を用いて開閉されることができ、これは線形アクチュエータ、例えば、空気圧シリンダー31によって上下に移動されることができる。膨張可能なシールをガイド30に組み込んでもよい。ハッチ29を閉じた状況において、このシールは膨張し、したがって密着シール接触が得られる。ハッチ29を移動させる必要がある場合、膨張可能なシールは無圧力にされ、それによりそれ自体がハッチ29から除去される。結果として、ハッチ29が開かれる場合、滑り接触が全くないか、または最小限にしかならないため、本発明によるデバイスの環境において特に望ましくない、開放される粉塵粒子の形成の危険は非常に小さい。また、図2で概略的に指定されるように、ロータリーテーブル28内に収容されるウェーハキャリア27がある。
【0025】
図3は、本発明による保管装置を示す。この装置35は、断面が等しい辺を有する完全に正八角形である。保管装置35には、図2に示すユニット21の通路開口部24に類似の四つの通路開口部38を設けることができる。装置35は、ウェーハ13用の8つのカセット9が3段のそれぞれに置かれることができる回転テーブル36を備えることができる。テーブル36は垂直軸の周りで回転駆動され、装置35の閉じた区画に収容される駆動デバイス37を用いて異なる回転位置に固定されてもよい。
【0026】
装置35には、独自のガス循環デバイスを設けることができる。これは、中央に配置される円筒形フィルター39の内部空間につながる回転テーブルのシャフト40を経由するセントラルガス供給を備える。シャフト40を経由して供給されるガスは、カセット9を通る層流でこのフィルター39を通って水平な半径方向に流れる。外周付近では、ガスは上方に流れ、保管装置35の上部に配置された出口41から排出される。このように実現されたガスのセントラル供給により、装置35のすべての側面は、おそらく他のユニットとの連結に利用可能である。装置内の非常に低い粉塵粒子レベルを維持するためのパージには、ガス循環が必要な場合がある。
【0027】
図4は、一実施形態による、基材13を有するカセット9を保管するための保管装置2、35(図1および3)用のカセットホルダーアセンブリの正面図である。カセットホルダーアセンブリ61は、図1および3の回転テーブル4、36に供給される可動ベースプレート63を備える。
【0028】
カセットホルダー61は、可動ベースプレート63に支持される同等の左保持部材65aおよび右保持部材65bを備え、正面Fから見てそれぞれ右Rと左Lにカセットを位置決めする。左右の保持部材65a、65bは、互いに実質的に同一である。保持部材65a、65bのそれぞれは、保持部材の中心を通る正面Fから背面Bまでの線Jに対して鏡面対称である。
【0029】
バー66の形態の追加の保持部材をベースプレート63上に設けて、カセットを位置決めすることができる。バー66には、カセットホルダー61上のカセットの存在および/または正しい位置決めを感知するためにセンサーによって用いられるホール68を設けることができる。
【0030】
保持部材65a、65bのそれぞれは、カセットと係合し、ベースプレート63に実質的に平行で、正面Fから背面B方向にカセットの位置を制限するための端面67LB、67LF、67RB、67RFを有してもよい。各保持部材は、左端面67LB、67LFおよび右端面67RB、67RFを有してもよい。右端面67RB、67RFは、正面Fから見て保持部材65a、65bの右側に位置し、左端面67LB、67LFは、保持部材の左側に位置することができる。保持部材65a、65bの左端面67LB、67LFおよび右端面67RB、76RFは、実質的に平行であってもよい。
【0031】
右保持部材65bの右端面67RB、67RFおよび左保持部材65aの左端面67LB、67LFは、カセット69と係合するように配置されることができる(図5および図6参照)。左保持部材65aの右端面67RB、67RFおよび右保持部材65bの左端面67LB、67LFは、カセット9と係合するように配置されていなくてもよい。端面に保持部材の摩耗がある場合、保持部材65a、65bの位置を交換して、他の端面を用いてもよい。
【0032】
基材のサイズ、およびカセットを用いるファブ所有者の好みに依存することができる様々なサイズのカセットが利用でき、保持部材は様々なサイズに適応できるように構築されることができる。保持部材65a、65bのそれぞれは、直径150mmの基材Wのためのカセット9用の小さなカセット端面67RF、67LF(図5参照)、および直径200mmの基材Wのためのカセット9用の大きなカセット端面67RB、67LB(図6参照)として画定される少なくとも二つの端面を有することができる。小さなカセット端面67RF、67LFは、比較的小さなサイズのカセットと係合するために、大きなカセット端面67RB、67LBに対してベースプレート63の正面Fに向かって配置されてもよい。
【0033】
保持部材65a、65bは、カセット9と係合し、ベースプレート63に実質的に平行で、正面Fから背面B方向に実質的に垂直な、右Rから左Lの方向にカセットの位置を制限するための側面71LF、71LB、71RF、71RBを有してもよい。右側面71RF、71RBおよび左側面71LF、71LBとして画定される二つの側面を設けてもよい。右側面71RF、71RBは、正面から見て保持部材の右側に位置し、左側面71LF、71LBは、正面Fから見て保持部材65a、65bの左側に位置することができる。
【0034】
右保持部材65bの右側面71RF、71RBおよび左保持部材65aの左側面71LF、71LBは、カセット9と係合するように配置されてもよい。左保持部材65aの右側面71RF、71RBおよび右保持部材65bの左側面71LF、71FBは、カセット9と係合するように配置されていなくてもよい。
【0035】
保持部材は、小さなカセット側面71RF、71LFおよび大きなカセット側面71RB、71LBとして画定される少なくとも二つの側面を備える。小さなカセット側面71RF、71LFは、比較的小さなサイズのカセット9と係合するために、大きなカセット側面71RB、71LBに対してベースプレート63の正面Fに向かって配置されてもよい(図5参照)。大きなカセット側面71RB、71LBは、比較的小さいサイズのカセット9と係合するために、小さいカセット側面71RF、71LFに対してベースプレート63の背面Bに向かって配置されてもよい(図4参照)。
【0036】
保持部材65a、65bの両方は、カセットと係合し、右Rから左Lの反対方向にカセットの位置を制限するための側面を有してもよい。これにより、保持部材65a、65bによりカセットを左から右方向に位置決めすることができる。
【0037】
保持部材65a、65bは、締結具、例えばねじ部品、例えばスロットホール77を通るボルト75によって、ベースプレート63に取り外し可能に固定されることができる。スロットホール77は、ベースプレート63上の保持部材65a、65bの位置を調整するために、正面Fから背面Bへの線に垂直な方向を有することができる。
【0038】
図7は、カセットを収容するための可動ベースプレート3の上面斜視図、およびベースプレート63に取り付けるための右保持部材65bの底面斜視図である。図7は、部材65bの正面Fから背面Bへの線Jに垂直な方向を有するスロットホール77を示すことができる。保持部材65bには、ベースプレート63に設けられたガイドスロット83および/または位置決めスロット85に適合する細長いバー79、81を設けることができる。2本の細長いガイドバー79は、正面Fから背面Bへの線Jに垂直な方向の2本のガイドスロット83よりも小さくすることができ、保持部材65bが調節可能に固定され、ベースプレート63上でその方向に導かれる。
【0039】
一つの細長い位置決めバー81は、正面Fから背面Bへの線Jに実質的に垂直な方向および実質的に平行な方向において、位置決めスロット85と同じサイズとすることができる。保持部材65bがベースプレート63に取り付けられると、細長い位置決めバー81および位置決めスロット85は、保持部材の部分をベースプレート63上に左から右および前から後方向に固定することができる。
【0040】
標準サイズのカセットから少し外れる可能性のあるサイズを有するカセットの場合、保持部材65a、65b間の距離を少し調整する必要がある場合がある。保持部材65a、65b間の左から右への方向の距離の小さな調整のために、細長い位置決めバー81は(部分的に)取り外し可能であってもよい。例えば、保持部材65bをベースプレート63上に左から右方向に調節可能に固定できるように、バー81の上部を切り落とすことができる。ガイドスロット83よりも左から右方向で小さくてもよい細長いガイドバー79は、保持部材65bがその方向に調整可能に固定されることを可能にする。前から後ろ方向で、細長いガイドバー79はベースプレート63上に保持部材65bをさらに固定することができる。留め具、例えば(図4の)ボルト75によって、スロットホール77を通るネジ付きホール89と係合し、保持部材を固定することができる。
【0041】
図7に示すように、保持部材65bは、保持部材の中心を通る正面Fから背面Bまでの線Jに対して鏡面対称であることができる。保持部材65a、65bの設計における対称性により、同じ保持部材65a、65bがベースプレート63上の左側と右側に用いられることができることが保証される。
【0042】
保持部材65aは、少なくとも二つ、例えば、四つの実質的に平行な端面67LB、67LF、67RB、67RF(図4参照)を備えてもよい。二つの端面は、正面Fから見て保持部材の右側に位置する右端面67RB、67RFであってもよく、別の二つの端面は、正面から見て保持部材の左側に位置する左端面67LB、67LFであってもよい。端面67LB、67LF、67RB、67RFは、互いに実質的に平行であってもよい。さらに保持部材65aは、少なくとも二つ、例えば、四つの実質的に平行な側面71LF、71LB、71RF、71RBを備えることができる。正面から見て、二つの側面は、保持部材の右側に位置する右側面71RF、71RBであってもよく、別の二つの側面は、保持部材の左側に位置する左側面71LF、71LBであってもよい。側面は、互いに実質的に平行であってもよい。
【0043】
保持部材65aの側面は、端面と直角であってもよい。側面は、端面と交差していてもよい。保持部材65aは、側面および/または端面に隣接する少なくとも一つのガイド面87を有することができる。ガイド面87は、端面または側面で15~75度の角度を有することができる。
【0044】
保持部材65aには、締結具のためのスロットホール77が設けられてもよく、スロットホール77は、保持部材の正面Fから背面Bまでの線と垂直な方向を有する。保持部材65aには、部材の底面から下向きに延在する少なくとも一つの細長いバーが設けられることができる。
【0045】
保持部材65a、65bは射出成形されうる。保持部材はポリマーを含むことができる。例えば、保持部材は、その強度および柔軟性のためにアクリロニトリルブタジエンスチレン材料を含むことができる。
【0046】
保持部材65aは、正面Fから見た左側と右側との対称性により容易に製造されることができる。また、保持部材65aをベース表面63上に取り付けるために一つの締結具、例えばボルト75を用いる必要があるだけなので、用いることはより簡単である。
【0047】
保持部材は、プラスチックまたは金属から作製されることができる。金属はアルミニウムまたは鋼であってもよい。プラスチックは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)、またはポリエチレン(PE)であってもよい。これらの材料は、摩擦係数が低く、他の好ましい特性、例えば良好な加工能力を有する場合がある。さらに、材料を適切に洗浄することができるように、材料は洗浄剤に対して安定していることができる。
【0048】
カセットホルダー61の寸法を、前面が開いている箱形の本体であるカセット9の寸法に適合させることができ、その寸法は、その中に配置される基材Wの数および直径、例えば200mmによって決定されることができる。ベースプレート63は、0.2~4mm、好ましくは0.3~3mmの厚さを有することができ、カセットホルダー65aおよび65bをカセットホルダー61が一部を形成する装置に固定するためのホールが設けられた鋼から製造されることができる。
【0049】
カセットホルダー部材65a、65bの高さ寸法は、5~25mmであってもよい。カセットホルダー65aおよび65bには、ポリマー、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンを用いることができ、これらは、作動中に優位性を有し、例えばICの製造プロセスに有害となる可能性のある金属や粉塵粒子は形成されない。カセットホルダー65aおよび65bに用いることができるさらなる材料は、アルミニウムまたは鋼であってもよい。
【0050】
カセットホルダーは、半導体基材を処理する装置で用いられることができ、装置間で基材を搬送することができる。このような装置、例えば高温炉では、反応チャンバーを用いて、半導体基材上に微細な寸法の構造、例えば集積回路を形成することができる。
【0051】
図8は、(図1の)保管装置2内に基材用のカセットを保持するための可動ベースプレート63の正面図を示す。示されるカセット9は、下部可動ベースプレート(図示せず)のカセットホルダーによって保持される。保管装置には、可動ベースプレートからカセット9を収容して取り外すための開口部5、6を備える外壁が設けられている。
【0052】
ベースプレートおよびその上のカセットを移動させるように構築および配置される移動デバイスを、例えば、図3の駆動デバイス37(例えば、回転モータ)の形態で設けてもよい。移動デバイスは、ベースプレート63上のカセットを開口部に向かってまたは開口部から離れて移動させることができる。
【0053】
保管装置1は、開口部の可動ベースプレート63上の基材カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するために、開口部近傍に固定センサー91(図8参照)を備えることができる。センサー91は、保管装置の外壁の内側に取り付けられてもよく、または装置の固定フレーム部分に取り付けられてもよい。センサー91は、ベースプレート63上の基材カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを光学的に検出するための光学センサーであってもよい。ベースプレート63は、前述のカセットが前述の可動ベースプレート63上で正しい方向に置かれた場合に、前述のカセットに接触して移動可能であるように配置された可動要素93を有することができる。
【0054】
インジケータ95は、前述のカセットが前述の正しい方向に存在することを示すために、移動可能な要素93によって移動可能であってもよい。ベースプレート上の基材カセットの存在および正しい方向を光学センサーに示すために、インジケータ95を光学センサー91の視野角内に構築および配置することができる。インジケータ95は、反射デバイス、例えばセンサー91からセンサー91に戻る放射ビームを反射するミラーであってもよい。(光学)センサー91は、放射ビーム(例えば、640nmのレーザビーム)をミラーに向けるための放射源と、放射ビームの反射を検出するためのセンサーとを有してもよい。ベースプレート63は移動可能であり、可動要素93およびインジケータ95はベースプレートに接続されているため、同様に移動可能であることができる。センサーは固定されており、保管装置は、入出ポートの近くでベースプレート63を動かすことにより、様々なインジケータ95をセンサー91の前で移動させることができるように構築および配置されることができる。これは、複数のベースプレート上のカセットの存在および/または正しい配置を測定するために一つのセンサー91だけが必要であるという利点を有することができる。さらに、すべての能動部品が保管装置の固定部品に設けられるため、保管装置の可動部品に電気ケーブルを提供する必要がない場合がある。可動ベースプレートには、受動部品、例えば可動要素93およびインジケータ95だけが設けられる。
【0055】
図9a~9cは、一実施形態による可動要素93のさらに詳細な図4のバー66上の上面図、側面断面図、および底面図を開示する。可動要素93は旋回可能なアーム97を有することができ、バー66には、前述の旋回可能なアーム97をベースプレート63の下に旋回可能に取り付けるための旋回軸99が設けられることができる。インジケータ95は、前述のアームの一端に設けられてもよく、前述のインジケータは、前述のアームが旋回時に移動可能であり、前述のカセットが前述の正しい方向にあることを示す。旋回可能なアームは、アームの他端にカウンターウェイト98および止め具を有し、止め具は前述の可動要素の動きを制限し、カウンターウェイトは可動要素をカセットに押し付ける。ベースプレート63はホールを有し、前述の可動要素93はカセットと協働し前述のホール内で移動可能に構成されるピン100を有してもよい。バー66にはホール68が設けられてもよく、ピンはホールを通して移動可能であってもよい。バーはベースプレート63の開口部内に部分的に構成および配置されてもよい。この構成では、可動要素93をベースプレート63の下側に設けてもよい。
【0056】
保管装置には、ベースプレート63から上方に延在する壁70、72(図4参照)を設けて、カセットでベースプレート63にアクセスするために一方の側を正面Fで開いたままにすることができる。開放位置と反対側の壁72には、カセットから粒子を除去するために、カセットをパージするためのホールが設けられてもよい。ベースプレートは、カセットを収容するための水平面を有してもよく、装置は、ベースプレートが垂直回転軸の周りを水平方向に回転可能に構成および配置されてもよい。壁は、ベースプレート63から上方に延在し、ベースプレート上に等脚台形の形状を画定していてもよい。
【0057】
壁70、72、およびベースプレート63は、L字形のスロットホールまたは真っ直ぐなスロットホールを備える金属板で構成されてもよい。壁70、72、およびベースプレート63には、L字形リップを設けることもできる。L字形リップは、L字形スロットホールまたは直線状スロットホールに適合することができる。L字型スロットホールまたは直線状スロットホールに突き通すリップを曲げた後、壁70、72とベースプレート63との間で確実に連結することができる。壁70、72のそれぞれの間、および壁70、72の一つまたはそれぞれとベースプレート63との間にこの安全な連結を複数回設けることにより、単純に金属薄板を使用してカルーセルの堅固な構造が作成される。
【0058】
可動ベースプレート上の基材カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するために、光学センサー91は、カメラの視野角内に入出ポートの開口部近傍のベースプレート63上にカセットを有するように構築および配置されるカメラであってもよい。
【0059】
図1の)保管装置2は、カメラと接続されて操作可能であり、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータを有してもよく、メモリには、ベースプレート上の基材カセットの存在および正しい方向のうちの少なくとも一つを検出するためのマシンビジョンソフトウェアを備える。
【0060】
保管装置2は、基材を処理するための処理装置1の一部であってもよく、基材を処理するための処理デバイスを有してもよい。基材をカセットから処理デバイスに移動するため、および処理後に基材を処理デバイスからカセットに移動するために、基材ハンドラーを設けてもよい。処理デバイスは、複数の基材を処理するための反応チャンバーを備える反応器を有してもよい。
【0061】
いくつかの基材、例えばシリコンウェーハは、反応器内の基材ラックまたはボートに配置されることができる。あるいは、単一の基材を反応器内の基材サセプタ上に配置してもよい。基材およびラックまたはボートの両方を所望の温度に加熱してもよい。典型的な基材処理工程では、反応ガスを加熱された基材上を通過させ、基材上に反応物質材料のまたはガスの反応物質の薄い層を堆積させる。
【0062】
基材上の一連のこのような処理工程は、レシピと呼ばれる。堆積層が下にあるシリコン基材と同じ結晶構造を有する場合、それはエピタキシャル層と呼ばれる。これはまた、ただ一つの結晶構造を有するため、単結晶層と呼ばれることもある。その後の堆積、ドーピング、リソグラフィー、エッチングおよびその他のプロセスによって、これらの層は集積回路になり、基材のサイズ及び回路の複雑さに応じて、数十から数千、または数百万もの集積素子を製造する。
【0063】
得られる層の高品質を保証するために、様々な処理パラメータが注意深く制御される。このような重要なパラメータの一つは、各レシピ工程中の基材温度である。例えば、CVD中、堆積ガスは、特定の温度ウインドウ内で反応し、基材上へ堆積する。異なる温度はまた、異なる堆積速度をもたらす。
【0064】
示され説明された特定の実施形態は、本発明およびその最良の形態の例示であり、別途態様および実施形態の範囲をいかなるやり方でも限定することを意図しない。実際、簡潔さのために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細には説明していない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加の機能的関係、もしくは物理的接続が実際のシステムに存在してもよく、および/または幾つかの実施形態では存在しなくてもよい。
【0065】
本発明の特定の実施形態を上述したが、記載した以外の方法で本発明を実施できることが理解されよう。例えば、以下の番号を付けた項目で記載の通りである:
【0066】
1.カセットの正面端からアクセス可能な内部空間内に少なくとも一つの半導体材料基材を格納するためのカセットを保持するためのカセットホルダーアセンブリであって、
カセットを収容するためのベースプレートと;
カセットを正面から見て右および左それぞれに位置決めするために、ベースプレートに支持される右および左の保持部材であって、右および左の保持部材は互いに実質的に同一である、右および左の保持部材と;を備える、カセットホルダーアセンブリ。
【0067】
2.保持部材のそれぞれは、保持部材の中心を通る背面から正面までの線に対して鏡面対称である、項目1に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0068】
3.保持部材のそれぞれは、カセットと係合し、ベースプレートに実質的に平行な正面から背面方向にカセットの位置を制限する少なくとも二つの端面を有し、少なくとも二つの端面は少なくとも一つの右面と少なくとも一つの左面とを備え、これにより、正面から見て右端面は保持部材の右側に位置し、左端面は保持部材の左側に位置する、項目1に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0069】
4.右保持部材の右端面および左保持部材の左端面は、カセットと係合するように配置される、項目3に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0070】
5.左保持部材の右端面および右保持部材の左端面は、カセットと係合するようには配置されない、項目4に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0071】
6.保持部材のそれぞれは、カセットと係合し、ベースプレートに実質的に平行な正面から背面方向にカセットの位置を制限する少なくとも四つの端面、カセットの右側と左側のそれぞれに小さなカセット端面および大きなカセット端面を有し、小さいカセットの端面は、比較的小さいサイズのカセットと係合するために、大きいカセットの端面に対してベースプレートの正面に向かって配置される、項目3に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0072】
7.保持部材のそれぞれは、カセットと係合し、ベースプレートに実質的に平行に、および正面から背面方向に実質的に垂直に右から左方向にカセットの位置を制限する側面を有する、項目1に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0073】
8.保持部材のそれぞれは、右側面および左側面を備える少なくとも二つの側面を備え、正面から見て、右側面は保持部材の右側に位置し、左側面は保持部材の左側に位置する、項目7に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0074】
9.右保持部材の右側面および左保持部材の左側面は、カセットと係合するように配置される、項目8に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0075】
10.左保持部材の右側面および右保持部材の左側面は、カセットと係合するようには配置されない、項目9に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0076】
11.保持部材のそれぞれは、小さなカセット側面および大きなカセット側面を備える少なくとも二つの側面を備え、これにより、小さなカセットの側面は、比較的小さなサイズのカセットと係合するために、大きなカセットの側面に対してベースプレートの正面に向かって配置される、項目7に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0077】
12.保持部材の両方は、カセットと係合し、右から左の反対方向のカセットの位置を制限するための側面を有する、項目1に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0078】
13.保持部材の少なくとも一つは、スロットホールを通る締結具によってベースプレートに取り外し可能に固定され、スロットは、正面から背面への線に垂直な方向を有する、項目1に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0079】
14.保持部材は、保持部材の底面から延在する少なくとも一つの細長いバーが設けられ、ベースプレートに設けられたスロットに適合するように構築される、項目1に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0080】
15.少なくとも一つの細長いバーは、正面から背面への線に垂直な方向においてスロットよりも短く、保持部材をその方向に調節可能に固定できる、項目14に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0081】
16.少なくとも一つの細長いバーは、正面から背面への線に実質的に垂直な方向のスロットと同じサイズであり、保持部材をその方向に調節可能に固定できるように少なくとも部分的に取り外し可能である、項目14に記載のカセットホルダーアセンブリ。
【0082】
17.カセットホルダーアセンブリのベースプレート上に少なくとも一つの半導体材料基材を保管するためのカセットを位置決めするための保持部材であって、保持部材は、正面と背面を有し、保持部材の中心を通る正面から背面までの線に対して実質的に鏡面対称である、保持部材。
【0083】
18.保持部材は、少なくとも二つの実質的に平行な端面であって、正面から見て、一つの端面は保持部材の右側に位置する右端面であり、別の端面は保持部材の左側に位置する左端面である、端面と;
少なくとも二つの実質的に平行な側面であって、正面から見て、一つの側面は保持部材の右側に位置する右側面であり、別の側面は保持部材の左側に位置する左側面である、側面と;を備える、項目17に記載の保持部材。
【0084】
19.側面は端面に垂直であり、側面のうちの少なくとも一つは端面のちの少なくとも一つと交差する、項目18に記載の保持部材。
【0085】
20.保持部材には、締結具用のスロットホールが設けられ、スロットは、保持部材の正面から背面への線に垂直な方向を有する、項目17に記載の保持部材。
【0086】
21.保持部材には、保持部材の底面から延在する少なくとも一つの細長いバーが設けられる、項目17に記載の保持部材。
【0087】
22.保持部材は射出成形ポリマー材料を含む、項目17に記載の保持部材。
【0088】
本明細書に記載される構成および/または方法は本質的に例示的であり、これらの特定の実施形態または実施例は、数多くの変形が可能であるので、限定的な意味で考えられるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記載される特定のルーチンまたは方法は、任意の数の加工方策のうちの一つまたは複数を表す場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示される逐次で実施されてもよく、他の逐次で実施されてもよく、または場合によっては省略されてもよい。
【0089】
本開示の主題は、本明細書で開示される様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性の、すべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびにその任意のおよびすべての均等物を含む。
【符号の説明】
【0090】
1 処理装置
2 保管装置
4 回転テーブル
5、6 入出ポート
8 基材ハンドラー
9 カセット
10、11、12 処理ステーション
13 基材
14 回転テーブル
15 区画
16 ウェーハキャリア
17 昇降デバイス
21 保管装置
22 基材ハンドラー
23 処理ステーション
24、26 通路開口部
27 ウェーハキャリア
28 ロータリーテーブル
29 ハッチ
30 ガイド
31 空気圧シリンダー
32 処理ステーション
35 保管装置
36 回転テーブル
37 駆動デバイス
38 通路開口部
39 円筒形フィルター
40 シャフト
41 出口
61 カセットホルダーアセンブリ
63 可動ベースプレート
65a、65b 保持部材
66 バー
67LB、67LF、67RB、67RF 端面
68 ホール
69 カセット
70、72 壁
71LF、71LB、71RF、71RB 側面
75 ボルト
77 スロットホール
79、81 バー
83 ガイドスロット
85 位置決めスロット
87 ガイド面
91 固定センサー
93 移動可能な要素
95 インジケータ
97 旋回可能なアーム
98 カウンターウェイト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9