(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】測定機管理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20221206BHJP
G01B 21/20 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G01B21/20 101
(21)【出願番号】P 2018064821
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】仲田 謙太郎
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102554(JP,A)
【文献】特開2012-078214(JP,A)
【文献】特開2015-210728(JP,A)
【文献】特許第5449499(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0308057(US,A1)
【文献】国際公開第2017/152981(WO,A1)
【文献】特開2015-108878(JP,A)
【文献】特開2014-123272(JP,A)
【文献】特開2009-015740(JP,A)
【文献】特開2008-046808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G01B 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動軸をそれぞれ有する複数台の測定機の前記駆動軸ごとの稼働実績を取得する稼働実績取得部と、
前記測定機を使用して測定作業を行った場合における前記測定機の前記駆動軸ごとの推定稼働量を計算する推定稼働量計算部と、
前記稼働実績及び前記推定稼働量に基づいて、前記測定機の前記駆動軸ごとに、前記測定作業を行った場合における前記測定機の前記駆動軸ごとの平均稼働量を計算する平均稼働量計算部と、
前記測定機の前記駆動軸ごとの前記稼働実績、前記推定稼働量及び前記平均稼働量に基づいて、前記測定機ごとの稼働実績及び前記測定機の駆動軸ごとの稼働実績が均等になるように、前記複数台の測定機の中から前記測定作業を割り当てる測定機を選択する選択部と、
を備える測定機管理装置。
【請求項2】
前記推定稼働量計算部は、前記測定機における
被測定物の配置ごとに前記推定稼働量を計算する、請求項1に記載の測定機管理装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数台の測定機の前記稼働実績に前記推定稼働量を加味した値と前記平均稼働量との差分絶対値の和が最小となるように、前記測定作業を割り当てる測定機を選択する、請求項1又は2に記載の測定機管理装置。
【請求項4】
前記複数台の測定機の前記駆動軸について、メンテナンスが必要になるまでの上限稼働量を取得する上限稼働量取得部を更に備え、
前記選択部は、前記稼働実績、前記推定稼働量及び前記上限稼働量に基づいて、前記測定作業を割り当てる測定機を選択する、請求項1から3のいずれか1項に記載の測定機管理装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記稼働実績と前記推定稼働量の和を前記上限稼働量で除算した値の分散が最小となるように、前記測定作業を割り当てる測定機を選択する、請求項4に記載の測定機管理装置。
【請求項6】
前記推定稼働量計算部は、前記測定機における被測定物の配置を変えて前記測定作業を行った場合における前記推定稼働量を計算し、
前記平均稼働量計算部は、前記測定機における被測定物の配置を変えて前記測定作業を行った場合における前記平均稼働量を計算し、
前記選択部は、前記複数台の測定機の前記駆動軸ごとの前記稼働実績、前記推定稼働量及び前記平均稼働量に基づいて、前記測定作業を割り当てる測定機を選択する、請求項1から5のいずれか1項に記載の測定機管理装置。
【請求項7】
複数の駆動軸をそれぞれ有する複数台の測定機の前記駆動軸ごとの稼働実績を取得し、
前記測定機を使用して測定作業を行った場合における前記測定機の前記駆動軸ごとの推定稼働量を計算し、
前記稼働実績及び前記推定稼働量に基づいて、前記測定機の前記駆動軸ごとに、前記測定作業を行った場合における前記測定機の前記駆動軸ごとの平均稼働量を計算し、
前記測定機の前記駆動軸ごとの前記稼働実績、前記推定稼働量及び前記平均稼働量に基づいて、前記測定機ごとの稼働実績及び前記測定機の駆動軸ごとの稼働実績が均等になるように、前記複数台の測定機の中から前記測定作業を割り当てる測定機を選択する、測定機管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定機管理装置及び方法に係り、特に複数の測定機の稼働状況を管理するための測定機管理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine)には、スタイラスの先端部に測定子を備えており、この測定子を被測定物に接触させることにより、被測定物の形状(輪郭)及び寸法等の測定を行うことが可能なものがある。このような三次元測定機では、測定子と被測定物とを三次元の各軸方向に沿って相対移動させるために、軸方向ごとに独立した駆動部を有している。
【0003】
特許文献1には、ビームを支持するビーム支持体をY軸方向に駆動するためのY軸駆動部と、ビームに支持されたコラムをビームに沿ってX軸方向に駆動するためのX軸駆動部と、接触式のプローブが装着されたスピンドルをコラムに沿ってZ軸方向に駆動するためのZ軸駆動部とを備える三次元測定機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
三次元の各軸方向について独立した駆動部を有する測定機では、駆動部ごとに稼働実績が異なる。そして、稼働量(例えば、駆動距離、駆動速度の累積値、駆動方向の切り替え回数等)が大きい駆動部ほど、誤差及び故障が生じやすくなる。三次元測定機の駆動部には、高いアラインメント精度が要求されるため、誤差及び故障に対してメンテナンスを実施して誤差の校正を行う必要がある。
【0006】
このような駆動部のメンテナンスを実施して誤差の校正を行うためには、校正作業に習熟したオペレータを確保する必要があり、かつ、多大な時間を要する。このため、測定機の駆動部について、誤差及び故障の発生頻度を低くして、メンテナンスの頻度を低くすることが望まれる。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、測定機等の駆動部について、誤差及び故障の発生頻度を低くして、メンテナンスの頻度を低くすることが可能な測定機管理装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る測定機管理装置は、複数の駆動軸をそれぞれ有する複数台の測定機の駆動軸ごとの稼働実績を取得する稼働実績取得部と、測定機を使用して測定作業を行った場合における測定機の駆動軸ごとの推定稼働量を計算する推定稼働量計算部と、稼働実績及び推定稼働量に基づいて、測定機の駆動軸ごとに、測定作業を行った場合における測定機の駆動軸ごとの平均稼働量を計算する平均稼働量計算部と、測定機の駆動軸ごとの稼働実績、推定稼働量及び平均稼働量に基づいて、測定機ごとの稼働実績及び測定機の駆動軸ごとの稼働実績が均等になるように、複数台の測定機の中から測定作業を割り当てる測定機を選択する選択部とを備える。
【0009】
第1の態様によれば、三次元測定機の駆動部について、誤差及び故障の発生頻度を低くして、メンテナンスの頻度を低くすることが可能になる。これにより、三次元測定機の駆動部の精度を維持しながら、三次元測定機のメンテナンスに要するコストを削減することが可能になる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る測定機管理装置は、第1の態様において、選択部が、複数台の測定機の稼働実績に推定稼働量を加味した値と平均稼働量との差分絶対値の和が最小となるように、測定作業を割り当てる測定機を選択するようにしたものである。
【0011】
第2の態様によれば、測定機の稼働実績に推定稼働量を加味した値と平均稼働量との差分絶対値の和が最小となるようにすることにより、複数台の測定機を均等に稼働させることが可能になる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る測定機管理装置は、第1又は第2の態様において、複数の測定機の駆動軸について、メンテナンスが必要になるまでの上限稼働量を取得する上限稼働量取得部を更に備え、選択部は、稼働実績、推定稼働量及び上限稼働量に基づいて、測定作業を割り当てる測定機を選択するようにしたものである。
【0013】
本発明の第4の態様に係る測定機管理装置は、第3の態様において、選択部が、稼働実績と推定稼働量の和を上限稼働量で除算した値の分散が最小となるように、測定作業を割り当てる測定機を選択するようにしたものである。
【0014】
第3及び第4の態様によれば、メンテナンスが必要になるまでの上限稼働量を用いることにより、メンテナンスの頻度を低くすることが可能になる。
【0015】
本発明の第5の態様に係る測定機管理装置は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、推定稼働量計算部が、測定機における被測定物の配置を変えて測定作業を行った場合における推定稼働量を計算し、平均稼働量計算部が、測定機における被測定物の配置を変えて測定作業を行った場合における平均稼働量を計算し、選択部は、複数台の測定機の駆動軸ごとの稼働実績、推定稼働量及び平均稼働量に基づいて、測定作業を割り当てる測定機を選択するようにしたものである。
【0016】
第5の態様によれば、被測定物の配置を変えることにより、メンテナンスの頻度をより低くすることが可能になる。
【0017】
本発明の第6の態様に係る測定機管理方法は、複数の駆動軸をそれぞれ有する複数台の測定機の駆動軸ごとの稼働実績を取得し、測定機を使用して測定作業を行った場合における測定機の駆動軸ごとの推定稼働量を計算し、稼働実績及び推定稼働量に基づいて、測定機の駆動軸ごとに、測定作業を行った場合における測定機の駆動軸ごとの平均稼働量を計算し、測定機の駆動軸ごとの稼働実績、推定稼働量及び平均稼働量に基づいて、測定機ごとの稼働実績及び測定機の駆動軸ごとの稼働実績が均等になるように、複数台の測定機の中から測定作業を割り当てる測定機を選択する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、測定機の駆動部について、誤差及び故障の発生頻度を低くして、メンテナンスの頻度を低くすることが可能になる。これにより、測定機の駆動部の精度を維持しながら、測定機のメンテナンスに要するコストを削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る測定機管理装置を含む測定機管理システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る測定機管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る測定機管理装置(測定機稼働管理サーバ)を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る三次元測定機を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る三次元測定機を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る測定機管理方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る測定機管理方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る測定機管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明に係る測定機管理装置及び方法の実施の形態について説明する。
【0021】
[測定機管理システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る測定機管理装置を含む測定機管理システムを示すブロック図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る測定機管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0022】
本実施形態に係る測定機管理システム1は、複数台の測定機(三次元測定機)10の稼働実績に基づいて作業を割り当てる測定機10を選択し、各測定機10の稼働実績を調整する。測定機管理システム1によれば、各測定機10の駆動部の稼働実績が均等になるように調整することにより、メンテナンスの頻度を抑制することが可能になる。
【0023】
図1に示すように、測定機管理システム1は、測定機管理装置(測定機稼働管理サーバ)100と、ワーク運搬装置200とを備える。
【0024】
測定機10は、被測定物(ワーク)の三次元形状の測定を行う装置である。測定機10の構成については、
図4及び
図5を参照して後述する。
【0025】
測定機10において、ワークの測定が実行されると(ステップS10)、測定機10から測定機管理装置100に対して、測定機10の各駆動部の稼働実績が測定機管理装置100に送信される(ステップS12)。
【0026】
測定機管理装置100は、複数台の測定機10から稼働実績に関するデータを取得して集計する(ステップS14)。
【0027】
ワーク運搬装置200は、測定対象のワークが新たに供給され、測定の開始指示の入力を受け付けると、測定機管理装置100に対して、測定対象のワークに関するワーク情報を送信するとともに、測定に使用すべき測定機10の問い合わせを行う(ステップS16)。ここで、ワーク情報は、ワークの測定を行った場合の測定機10における駆動軸ごとの推定稼働量に関する情報を含んでいる。
【0028】
測定機管理装置100は、ワーク運搬装置200からの問い合わせに応じて、各測定機10の稼働実績に基づいて測定機10の選択を行う(ステップS18)。そして、測定機管理装置100は、測定機10の選択結果をワーク運搬装置200に送信する(ステップS20)。
【0029】
ワーク運搬装置200は、測定機管理装置100によって選択された測定機10にワークを運搬して設置する(ステップS22)。そして、ワークが設置された測定機10において、測定が実行され(ステップS24)、稼働実績の送信が行われる。なお、
図2では、ステップS24以降の処理については、ステップS10からS14と同様であるため図示を省略する。
【0030】
[測定機管理装置(測定機稼働管理サーバ)]
図3は、本発明の一実施形態に係る測定機管理装置(測定機稼働管理サーバ)を示すブロック図である。
【0031】
本実施形態に係る測定機管理装置100は、複数台の測定機10の稼働状況に基づいて、新たにワークの測定を実行する場合に、測定を実行する測定機10を選択して、ワーク運搬装置200に指示する。
図3に示すように、本実施形態に係る測定機管理装置100は、処理部102、操作部104、記憶部106、表示部108及び通信インターフェース(通信I/F)110を備える。
【0032】
処理部102は、測定機管理装置100の各部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)を含んでいる。処理部102は、操作部104を介してオペレータからの操作入力を受け付け、この操作入力に応じた制御信号を、測定機管理装置100の各部に送信して各部の動作を制御する。処理部102は、通信I/F110を介して、測定機10及びワーク運搬装置200に制御信号及びデータを送信することが可能となっている。処理部102は、推定稼働量計算部、平均稼働量計算部及び選択部として機能する。
【0033】
操作部104は、オペレータからの操作入力を受け付ける操作部材を含んでいる。この操作部材としては、例えば、文字入力のためのキーボード、ポインティングデバイス、マウス等を用いることができる。
【0034】
通信I/F110は、測定機10及びワーク運搬装置200との間で通信を行うための手段であり、測定機10及びワーク運搬装置200との間で送受信するデータの変換処理を行う。通信I/F110は、測定機10に送信されるデジタルの指令をアナログ信号に変換するためのD/A(digital-to-analog)変換器と、測定機10から測定機管理装置100に送られる稼働状況等のデータをデジタルデータに変換するためのA/D(analog-to-digital)変換器とを含んでいてもよい。通信I/F110は、各測定機10から稼働実績情報(pX、pY及びpZ)を取得する稼働実績取得部として機能する。通信I/F110は、各測定機10から、新たな測定作業(測定ジョブ)を実行した場合に要する駆動軸(以下、軸という。)ごとの上限稼働量(mX、mY及びmZ)に関する上限稼働量情報を取得する上限稼働量取得部として機能する。
【0035】
なお、稼働状況情報及び上限稼働量情報は、測定機10とは別のデータベースに格納されるようにしてもよい。
【0036】
記憶部106は、処理部102による演算に使用されるプログラム、及び測定機10から取得した稼働状況等のデータを記憶する。記憶部106としては、例えば、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスクを含む装置、eMMC(embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)等のフラッシュメモリを含む装置等を用いることができる。
図3には、記憶部106に記憶されるプログラムの例として、稼働管理プログラムが図示されており、記憶部106に記憶されるデータの例として、稼働状況が図示されている。稼働管理プログラムは、処理部102が
図6から
図8の測定機10の選択処理を行うために使用するプログラムである。
【0037】
表示部108は、文字情報、画像、GUI(Graphical User Interface)等を表示するための装置である。表示部108としては、例えば、液晶ディスプレイを用いることができる。表示部108には、測定機10から取得した稼働状況等のデータを表示させることができる。
【0038】
[三次元測定機]
図4及び
図5は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る三次元測定機を示す斜視図及びブロック図である。
【0039】
図4に示すように、本実施形態に係る測定機10は、基台20と、基台20上に設けられた定盤18とを含んでいる。定盤18の表面は、XY平面に平行な平面状に形成されている。ワークは、ワーク運搬装置200によって定盤の表面に搬送される。そして、ワークは、定盤18の表面に固定される。ワークを定盤18の表面に固定するための手段としては、例えば、クランプ機構を用いることができる。
【0040】
定盤18には、定盤18の表面から図中上側(+Z方向)に伸びる一対のコラム(支柱)16が取り付けられている。コラム16の上端部(+Z側の端部)には、ビーム(梁)14が架け渡されている。一対のコラム16は、定盤18上をY方向に同期して移動可能となっており、ビーム14は、X方向に平行な状態で、Y方向に移動可能となっている。なお、一対のコラム16は、定盤18の下面側で接続されていてもよい。
【0041】
ビーム14には、Z方向に伸びるヘッド12が取り付けられている。ヘッド12は、ビーム14の長さ方向(X方向)に沿って移動可能となっている。
【0042】
ヘッド12の下端部(-Z側の端部)には、プローブ22が図中上下方向(Z方向)に移動可能に取り付けられている。
【0043】
プローブ22は、剛性が高い軸状の部材(スタイラス24)を含んでいる。このスタイラス24の材料としては、例えば、超硬質合金、チタン、ステンレス、セラミック、カーボンファイバー等を使用することができる。
【0044】
プローブ22のスタイラス24の先端部には、測定子26が設けられている。測定子26は、硬度が高く、耐摩耗性に優れた球状の部材である。測定子26の材料としては、例えば、ルビー、窒化珪素、ジルコニア、セラミック等を使用することができる。測定子26の直径(以下、スタイラス径という。)は一例で4.0mmである。
【0045】
ワークの測定を行う場合には、コラム16、ヘッド12及びプローブ22をXYZ方向に移動させて測定子26をワークに接触させる。そして、測定子26をワークの外形に沿って走査させながら、測定子26の変位量等を測定する。この変位量の測定値等のデータは測定機管理装置100に送信される。測定機管理装置100は、汎用測定プログラムを使用してこのデータを処理することにより、ワークの形状(輪郭)及び寸法等を求めることが可能となっている。
【0046】
図5に示すように、本実施形態に係る測定機10は、プロセッサ50、操作部52、メモリ54及び通信インターフェース(通信I/F)56を備える。
【0047】
プロセッサ50は、測定機10の各部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)を含んでいる。プロセッサ50は、操作部52を介してオペレータからの操作入力を受け付け、この操作入力に応じた制御信号を、測定機10の各部に送信して各部の動作を制御する。プロセッサ50は、通信I/F56を介して、測定機管理装置100及びワーク運搬装置200に制御信号及びデータを送信することが可能となっている。
【0048】
操作部52は、オペレータからの操作入力を受け付ける操作部材を含んでいる。
【0049】
メモリ54は、プロセッサ50による演算に使用されるプログラム、及び各駆動部(X軸駆動部58X、Y軸駆動部58Y及びZ軸駆動部58Z)の稼働状況等のデータを記憶する。
【0050】
通信I/F56は、測定機管理装置100及びワーク運搬装置200との間で通信を行うための手段であり、測定機管理装置100及びワーク運搬装置200との間で送受信するデータの変換処理を行う。
【0051】
図5に示すように、測定機10は、X軸駆動部58X、Y軸駆動部58Y及びZ軸駆動部58Zを備える。Y軸駆動部58Yは、コラム16を定盤18に対して移動させるための駆動手段であり、例えば、モータを含んでいる。X軸駆動部58Xは、ヘッド12をビーム14に沿ってX方向に移動させるための駆動手段であり、例えば、モータを含んでいる。Z軸駆動部58Zは、プローブ22をZ方向に移動させるための駆動手段であり、例えば、モータを含んでいる。
【0052】
さらに、測定機10は、プローブ22、コラム16及びヘッド12の移動量をそれぞれ測定するためのX軸スケール60X,Y軸スケール60Y及びZ軸スケール60Zを備える。X軸スケール60X,Y軸スケール60Y及びZ軸スケール60Zとしては、例えば、リニアエンコーダを用いることができる。
【0053】
[測定機管理方法]
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態に係る測定機管理方法について、
図6を参照して説明する。以下、i台目の測定機100を測定機iと記載し、測定機100の台数をnとする。
【0054】
本実施形態では、処理部102は、ワーク運搬装置200から新たにワークの測定についての問い合わせを受けると、ワーク配置jを変えた場合の、測定機iの各駆動部の推定稼働量を用いて分散s(i,j)(式(1)参照)を求める。次に、処理部102は、各測定機100において、分散s(i,j)が最小となるワーク配置jを選択し、そのワーク配置jに対して、パラメータdi(式(2)参照)を計算する。そして、処理部102は、パラメータdiが最小となる測定機iを選択し、選択した測定機i及びワーク配置jにより測定を実行させるべく、測定機i及びワーク運搬装置200に指示を送る。
【0055】
まず、処理部102は、測定機i(i=1)において(ステップS30)、ワーク配置j(j=1)を選択した場合(ステップS32)のワークの推定稼働量の分散s(i,j)を計算する(ステップS34)。そして、処理部102は、j=j+1として(ステップS38)、分散s(i,j)の計算をすべてのワーク配置分(j=1,…,6)繰り返す(ステップS34からS38)。
【0056】
測定機iのX軸駆動部58X、Y軸駆動部58Y及びZ軸駆動部58Zの稼働量実績をそれぞれpX、pY及びpZとし、新たに問い合わせを受けたワークの測定を行った場合の推定稼働量をそれぞれX'、Y'及びZ'とする。そして、測定機iのX軸駆動部58X、Y軸駆動部58Y及びZ軸駆動部58Zのメンテナンスが必要になるまでの基準となる稼働量をそれぞれmX、mY及びmZとする。なお、上限稼働量mX、mY及びmZは、測定機iの機種ごと、経過年数又は各軸の稼働実績によって異なっていてもよいし(例えば、耐久性の低い機種、若しくは経過年数又は稼働実績が大きいほど、上限稼働量mX、mY及びmZを小さくしてもよい。)、オペレータが任意に指定可能としてもよい。この場合、分散s(i,j)の計算は、下記のように行うことができる。
【0057】
処理部102は、ワーク運搬装置200から、ワーク配置jごとに新たな測定作業(測定ジョブ)を実行した場合に要する軸ごとの推定稼働量に関する推定稼働量情報を計算する。ワーク配置1(j=1)は、推定稼働量(Xj, Yj, Zj)=(X’, Y’, Z’)となる配置である。
【0058】
パラメータs(i,1)X、s(i,1)Y及びs(i,1)Zは、各軸の稼働量実績と新たな測定ジョブを行った場合の推定稼働量の和を上限稼働量で割り算することにより求められるパラメータであり、各軸についてメンテナンスを実施する必要性を示すパラメータである。s(i,1)X、s(i,1)Y及びs(i,1)Zは、下記の式により求められる。
【0059】
s(i,1)X = (pX+X’)/mX
s(i,1)Y = (pY+Y’)/mY
s(i,1)Z = (pZ+Z’)/mZ
パラメータs(i,1)X、s(i,1)Y及びs(i,1)Zの平均値s(i,1)ave及び分散s(i,1)は、下記の式により求められる。
【0060】
s(i,1)ave = {s(i,1)X+s(i,1)Y+s(i,1)Z}/3
s(i,1) = [{s(i,1)X-s(i,1)ave}2+{s(i,1)Y-s(i,1)ave}2+{s(i,1)Z-s(i,1)ave}2]/3
ワーク配置2から6(j=2,…,6)はそれぞれ推定稼働量(Xj, Yj, Zj)が下記のようになる配置である。
・ワーク配置2(j=2):(Xj, Yj, Zj)=(X’, Z’, Y’)
・ワーク配置3(j=3):(Xj, Yj, Zj)=(Y’, X’, Z’)
・ワーク配置4(j=4):(Xj, Yj, Zj)=(Y’, Z’, X’)
・ワーク配置5(j=5):(Xj, Yj, Zj)=(Z’, X’, Y’)
・ワーク配置6(j=6):(Xj, Yj, Zj)=(Z’ ,Y’, X’)
ワーク配置2から6(j=2,…,6)の場合のパラメータs(i,j)X、s(i,j)Y及びs(i,j)Zはそれぞれ下記の式により求められる。パラメータs(i,j)X、s(i,j)Y及びs(i,j)Zは、パラメータs(i,1)X、s(i,1)Y及びs(i,1)Zと同様、各軸についてメンテナンスを実施する必要性を示すパラメータである。
・ワーク配置2(j=2)
s(i,2)X = (pX+X’)/mX
s(i,2)Y = (pY+Z’)/mY
s(i,2)Z = (pZ+Y’)/mZ
・ワーク配置3(j=3)
s(i,3)X = (pX+Y’)/mX
s(i,3)Y = (pY+X’)/mY
s(i,3)Z = (pZ+Z’)/mZ
・ワーク配置4(j=4)
s(i,4)X = (pX+Y’)/mX
s(i,4)Y = (pY+Z’)/mY
s(i,4)Z = (pZ+X’)/mZ
・ワーク配置5(j=5)
s(i,5)X = (pX+Z’)/mX
s(i,5)Y = (pY+X’)/mY
s(i,5)Z = (pZ+Y’)/mZ
・ワーク配置6(j=6)
s(i,6)X = (pX+Z’)/mX
s(i,6)Y = (pY+Y’)/mY
s(i,6)Z = (pZ+X’)/mZ
各ワーク配置jにおけるパラメータの平均値s(i,j)ave及び分散s(i,j)は、下記の式により求められる。
【0061】
s(i,j)ave = {s(i,j)X+s(i,j)Y+s(i,j)Z}/3
s(i,j) = [{s(i,j)X-s(i,j)ave}2+{s(i,j)Y-s(i,j)ave}2+{s(i,j)Z-s(i,j)ave}2]/3…(1)
この分散s(i,j)は、測定機iについて、ワーク配置jで測定を行った後に、各軸に対応する駆動部の上限稼働量に対する稼働量の割合のばらつきが大きいほど、値が大きくなる性質を有するパラメータである。そして、分散s(i,j)が小さいほど、測定機iの各軸に対応する駆動部が均等に使用されていると推定される。
【0062】
すべてのワーク配置j(j=1,…,6)について、分散s(i,j)の計算が終了すると(ステップS36のYes)、処理部102は、分散s(i,j)が最小となるワーク配置jを選択する(ステップS40)。そして、処理部102は、選択したワーク配置jについて、差異diを計算する(ステップS42)。
【0063】
新たな測定ジョブを行う前の測定機iの各軸の稼働量を(Xi, Yi, Zi)とする。ワーク配置jで新たな測定ジョブを行った場合の推定稼働量は(Xj, Yj, Zj)であるから、新たな測定ジョブを行った後のすべての測定機iの各軸の平均稼働量aX、aY及びaZは下記の式により求められる。
【0064】
X軸平均稼働量:aX = (X1+X2+...+Xn + Xj)/n
Y軸平均稼働量:aY = (Y1+Y2+...+Yn + Yj)/n
Z軸平均稼働量:aZ = (Z1+Z2+...+Zn + Zj)/n
測定機1において、ワーク配置jで測定を行ったときの差異d1は、下記の式により求められる。
【0065】
d1X = |(X1+Xj)-aX| + |X2-aX| + ... + |Xn-aX|
d1Y = |(Y1+Yj)-aY| + |Y2-aY| + ... + |Yn-aY|
d1Z = |(Z1+Zj)-aZ| + |Z2-aZ| + ... + |Zn-aZ|
d1 = d1X + d1Y + d1Z
処理部102は、すべての測定機iにおいて、分散s(i,j)が最小となるワーク配置jを求める(ステップS40)。そして、処理部102は、各測定機iについて求めたワーク配置jについて、下記の式により差異diを求める(ステップS42)。処理部102は、i=i+1として(ステップS46)、すべての測定機iについて差異diの計算を繰り返す(ステップS32からS46)。
【0066】
diX = |X1-aX| + ... + |(Xi+Xj)-aX| + ... + |Xn-aX|
diY = |Y1-aY| + ... + |(Yi+Yj)-aY| + ... + |Yn-aY|
diZ = |Z1-aZ| + ... + |(Zi+Zj)-aZ| + ... + |Zn-aZ|
di = diX + diY + diZ …(2)
この差異diは、測定機iについて、稼働量と平均稼働量との差分絶対値が大きいほど、値が大きくなる性質を有するパラメータである。差異diが小さいほど、測定機iが均等に使用されていると推定される。
【0067】
なお、差異diとして、測定ジョブの実行後の稼働量と、平均稼働量との差分絶対値の和を計算したが、本発明はこれに限定されない。例えば、差分絶対値の和の代わりに、二乗和を用いてもよい。
【0068】
処理部102は、すべての測定機i(i=1,…,n)について差異diの計算が終了すると(ステップS44のYes)、差異diが最小となる測定機iを選択し(ステップS48)、選択した測定機i及びワーク配置jにより測定を行うように、ワーク運搬装置200及び測定機iに指令する(ステップS50)。
【0069】
本実施形態によれば、複数台の測定機iがある場合に、各測定機iを均等に使用することができるので、特定の測定機iにジョブが集中してメンテナンスの頻度が高くなることを防止することができる。さらに、本実施形態によれば、メンテナンスが必要になるまでの稼働量に基づいてワーク配置jを選択することにより、メンテナンスの頻度を抑制することが可能になる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る測定機管理方法について、
図7を参照して説明する。
【0071】
本実施形態では、各測定機i及び各ワーク配置jについて、差異d(i,j)を算出し、差異d(i,j)が最小となる測定機iとワーク配置jを選択することにより、ワーク配置jを考慮しつつ、測定機iを均等に使用するようにするものである。
【0072】
まず、処理部102は、測定機i(i=1)において(ステップS60)、ワーク配置j(j=1)を選択した場合(ステップS62)の差異d(i,j)を計算する(ステップS64)。そして、処理部102は、j=j+1として(ステップS68)、差異d(i,j)の計算をすべてのワーク配置分(j=1,…,6)繰り返す(ステップS64からS68)。次に、処理部102は、i=i+1として(ステップS72)、すべての測定機iについて差異d(i,j)の計算を繰り返す(ステップS62からS72)。
【0073】
測定機iにおいて、ワーク配置jで測定を行った場合の差異d(i,j)は、下記のようにして求めることができる。
【0074】
まず、第1の実施形態と同様に、ワーク配置jを下記の通り定義する。
・ワーク配置1(j=1):(Xj, Yj, Zj)=(X’, Y’, Z’)
・ワーク配置2(j=2):(Xj, Yj, Zj)=(X’, Z’, Y’)
・ワーク配置3(j=3):(Xj, Yj, Zj)=(Y’, X’, Z’)
・ワーク配置4(j=4):(Xj, Yj, Zj)=(Y’, Z’, X’)
・ワーク配置5(j=5):(Xj, Yj, Zj)=(Z’, X’, Y’)
・ワーク配置6(j=6):(Xj, Yj, Zj)=(Z’ ,Y’, X’)
次に、ワーク配置jごとに、各軸の平均稼働量aX、aY及びaZを下記の式により計算する。
【0075】
X軸平均稼働量:aX = (X1+X2+...+Xn + Xj)/n
Y軸平均稼働量:aY = (Y1+Y2+...+Yn + Yj)/n
Z軸平均稼働量:aZ = (Z1+Z2+...+Zn + Zj)/n
次に、ワーク配置jごとに計算した各軸の平均稼働量aX、aY及びaZを用いて、各軸の差異d(i,j)X、d(i,j)Y及びd(i,j)Zを計算し、差異d(i,j)を計算する。この計算をワーク配置jごと、測定機iごとに繰り返すことにより、d(i,j)(i=1,…,n、j=1,…,6)が求められる。
【0076】
d(i,j)X = |X1-aX| + ... + |(Xi+Xj)-aX| + ... + |Xn-aX|
d(i,j)Y = |Y1-aY| + ... + |(Yi+Yj)-aY| + ... + |Yn-aY|
d(i,j)Z = |Z1-aZ| + ... + |(Zi+Zj)-aZ| + ... + |Zn-aZ|
d(i,j) = d(i,j)X + d(i,j)Y + d(i,j)Z
この差異d(i,j)は、特定の測定機iについて、稼働量と平均稼働量との差分絶対値が大きいほど、値が大きくなり、かつ、特定の軸に対応する駆動部の稼働量が大きくなると、値が大きくなる性質を有するパラメータである。そして、差異d(i,j)が小さいほど、測定機iの各軸に対応する駆動部が均等に使用されていると推定される。
【0077】
すべての測定機i(i=1,…,n)について、差異d(i,j)の計算が終了すると(ステップS70のYes)、処理部102は、差異d(i,j)が最小となる測定機i及びワーク配置jを選択する(ステップS74)。そして、処理部102は、選択した測定機i及びワーク配置jにより測定を行うように、ワーク運搬装置200及び測定機iに指令する(ステップS76)。
【0078】
本実施形態によれば、複数台の測定機iがある場合に、各測定機iの駆動部を均等に使用することができるので、特定の測定機iにジョブが集中してメンテナンスの頻度が高くなることを防止することができる。
【0079】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る測定機管理方法について、
図8を参照して説明する。
【0080】
本実施形態では、各測定機i及び各ワーク配置jについて、分散s(i,j)を算出し、分散s(i,j)が最小となる測定機iとワーク配置jを選択することにより、ワーク配置jを考慮しつつ、測定機iを均等に使用するようにするものである。
【0081】
まず、処理部102は、測定機i(i=1)において(ステップS80)、ワーク配置j(j=1)を選択した場合(ステップS82)の分散s(i,j)を計算する(ステップS84)。そして、処理部102は、j=j+1として(ステップS88)、分散s(i,j)の計算をすべてのワーク配置分(j=1,…,6)繰り返す(ステップS84からS88)。次に、処理部102は、i=i+1として(ステップS92)、すべての測定機iについて分散s(i,j)の計算を繰り返す(ステップS82からS92)。
【0082】
測定機iにおいて、ワーク配置jで測定を行った場合の分散s(i,j)は、下記のようにして求めることができる。
【0083】
まず、ワーク配置jを、第1及び第2の実施形態と同様に定義する。次に、パラメータs(i,j)X、s(i,j)Y及びs(i,j)Zを下記の式により求める。パラメータs(i,j)X、s(i,j)Y及びs(i,j)Zは、各軸の稼働量実績と新たな測定ジョブを行った場合の推定稼働量の和を上限稼働量で割り算することにより求められるパラメータであり、各軸についてメンテナンスを実施する必要性を示すパラメータである。
【0084】
s(i,j)X = (pX+Xj)/mX
s(i,j)Y = (pY+Yj)/mY
s(i,j)Z = (pZ+Zj)/mZ
次に、各ワーク配置jにおけるパラメータの平均値s(i,j)ave及び分散s(i,j)を下記の式により求める。
【0085】
s(i,j)ave = {s(i,j)X+s(i,j)Y+s(i,j)Z}/3
s(i,j) = [{s(i,j)X-s(i,j)ave}2+{s(i,j)Y-s(i,j)ave}2+{s(i,j)Z-s(i,j)ave}2]/3
この分散s(i,j)は、測定機iについて、ワーク配置jで測定を行った後に、各軸に対応する駆動部の上限稼働量に対する稼働量の割合のばらつきが大きいほど、値が大きくなる性質を有するパラメータである。そして、分散s(i,j)が小さいほど、測定機iの各軸に対応する駆動部が均等に使用されていると推定される。
【0086】
すべての測定機i(i=1,…,n)について、分散s(i,j)の計算が終了すると(ステップS90のYes)、処理部102は、分散s(i,j)が最小となる測定機i及びワーク配置jを選択する(ステップS94)。そして、処理部102は、選択した測定機i及びワーク配置jにより測定を行うように、ワーク運搬装置200及び測定機iに指令する(ステップS96)。
【0087】
本実施形態によれば、複数台の測定機iがある場合に、メンテナンスが必要になるまでの稼働量に基づいてワーク配置jを選択することにより、メンテナンスの頻度を抑制することが可能になる。
【0088】
なお、第1から第3の実施形態では、ワーク配置jについても選択可能にしたが、例えば、ワーク配置は固定であってもよい。また、例えば、ワークの形状によって、特定のワーク配置での測定が困難な場合には、ワーク配置1から6のうちの一部のみについて、分散s(i,j)又は差異d(i,j)を計算するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…測定機管理システム、10…測定機、12…ヘッド、14…ビーム(梁)、16…コラム(支柱)、18…定盤、20…基台、22…プローブ、24…スタイラス、26…測定子、50…プロセッサ、52…操作部、54…メモリ、56…通信インターフェース(通信I/F)、58X…X軸駆動部、58Y…Y軸駆動部、58Z…Z軸駆動部、60X…X軸スケール、60Y…Y軸スケール、60Z…Z軸スケール、100…測定機管理装置、102…処理部、104…操作部、106…記憶部、108…表示部、110…通信インターフェース(通信I/F)、200…ワーク運搬装置