(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】キャビネット一体型画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
G03G21/16 109
(21)【出願番号】P 2018224682
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】石田 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】金田 隆太
(72)【発明者】
【氏名】宇治 賢太郎
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-236000(JP,A)
【文献】特開2015-018052(JP,A)
【文献】特開昭61-080268(JP,A)
【文献】特開2010-096952(JP,A)
【文献】特開昭61-080267(JP,A)
【文献】実開平07-034451(JP,U)
【文献】特開平09-281876(JP,A)
【文献】特開平04-322267(JP,A)
【文献】特開2014-026239(JP,A)
【文献】特開2006-235002(JP,A)
【文献】特開2018-005198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成装置を収納するキャビネット一体型画像形成装置であって、
前記画像形成装置が
それぞれ排気口を有する
第1の側板
および第2の側板を備え、
前記
第1の側板に対向する外側板と、
前記第2の側板に対向する他の側板と、
前記
第1の側板と前記外側板の間に空間が形成されるように、
かつ、前記第2の側板と前記他の側板の間に空間が形成されるように、前記画像形成装置を位置決めする位置決め部と、
前記画像形成装置の上方に配置される天板と、を備え、
前記天板には、前記第1の側板と前記外側板の間の空間、および前記第2の側板と前記他の側板の間の空間と連通する切り欠きが形成されることを特徴とするキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項2】
前記外側板には、排気口が設けられていないことを特徴とする請求項1記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置への操作入力を受け付ける操作部を備え、
前記操作部は、前記天板近傍の前記切り欠きと重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項
1または2記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置上部と前記天板との隙間は、前記
第1の側板と前記外側板との隙間よりも大きいことを特徴とする請求項
1~
3の何れか記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項5】
前記キャビネットの内部空間を開放する開閉部を備えたことを特徴とする請求項1~
4の何れか記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項6】
前記開閉部を開いた場合でも、前記画像形成装置は、シートに画像を形成し、画像形成されたシートを排紙可能である請求項
5記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、内部空間を開放する内側開閉部を備え、前記内側開閉部が開かれている場合、シートに画像を形成する動作を行わないことを特徴とする請求項
6記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置を支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記キャビネットの内部空間から外部へ引き出し可能であることを特徴とする請求項1~
7の何れか記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項9】
前記支持部がキャビネットの外部に引き出された場合でも、前記画像形成装置は、シートに画像を形成し、画像形成されたシートを排紙可能である請求項
8記載のキャビネット一体型画像形成装置。
【請求項10】
シートに画像を形成する画像形成装置を収納するキャビネット一体型画像形成装置であって、
前記画像形成装置が排気口を有する側板を備え、
前記側板に対向する外側板と、
前記側板と前記外側板の間に空間が形成されるように、前記画像形成装置を位置決めする位置決め部と、
前記画像形成装置の上方に配置される天板と、
前記画像形成装置への操作入力を受け付ける操作部と、を備え、
前記天板には、前記側板と前記外側板の間の空間と連通する切り欠きが形成され、
前記操作部は、前記天板近傍の前記切り欠きと重ならない位置に配置され、
前記切り欠きおよび前記操作部は、前記画像形成装置の奥行き方向の前側に配置されることを特徴とするキャビネット一体型画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を収納するキャビネット一体型画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気口を設けた画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、装置本体の左右方向におけるプリンタ部20の外側に、鉛直排気ダクト50を設けた画像形成装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像形成装置周囲の空間を有効活用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置を収納するキャビネット一体型画像形成装置であって、前記画像形成装置がそれぞれ排気口を有する第1の側板および第2の側板を備え、前記第1の側板に対向する外側板と、前記第2の側板に対向する他の側板と、前記第1の側板と前記外側板の間に空間が形成されるように、かつ、前記第2の側板と前記他の側板の間に空間が形成されるように、前記画像形成装置を位置決めする位置決め部と、
前記画像形成装置の上方に配置される天板と、を備え、前記天板には、前記第1の側板と前記外側板の間の空間、および前記第2の側板と前記他の側板の間の空間と連通する切り欠きが形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像形成装置周囲の空間を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態であるキャビネットの内部を開放した状態の正面図である。
【
図2】
図1に示した画像形成装置の扉を閉じた状態の正面図である。
【
図3】
図1に示したキャビネットの上面図(a)およびA-A断面図(b)である。
【
図4】
図1に示したキャビネットのB-B断面図である。
【
図5】
図1に示したキャビネットの使用状況を示す側面図である。
【
図6】
図1に示したキャビネットの変形例を示す正面図である。
【
図7】
図6に示したキャビネットの上面図(a)およびC-C断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態であるキャビネット1の内部を開放した状態の正面図であり、
図2は、
図1に示したキャビネット1の扉を閉じた状態の正面図である。
【0010】
キャビネット1は、シートに画像を形成する画像形成装置100を収納するキャビネット一体型画像形成装置の一例である。
図1に示されるX軸方向はキャビネット1および画像形成装置100の幅方向であり、Y軸方向はキャビネット1および画像形成装置100の高さ方向であり、Z軸方向はキャビネット1および画像形成装置100の奥行き方向である。キャビネット1の大きさは、X軸方向に900mm、Z軸方向に450mmの寸法であって、モノを収納する一般的なキャビネットを並列に配置することができる。
【0011】
キャビネット1は、天板200を備えるとともに、X軸方向右側に、キャビネット1の内部空間を開放する開閉部の一例としての右扉10Rと、右扉10Rに設けられた取っ手11Rと、画像形成装置100と、天板200とほぼ同じ高さに配置されて画像形成装置100への操作入力を受け付ける操作部4と、天板200と画像形成装置100の間に形成される空間である右側上方空間300Rを備える。
【0012】
天板200は、上面が平坦に構成されており、これにより、天板200の上にモノを置くことができて、作業台として使うことができる。
【0013】
キャビネット1は、X軸方向左側に、キャビネット1の内部空間を開放する開閉部の一例としての左扉10Lと、左扉10Lに設けられた取っ手11Lと、棚16と、棚16の上方に配置されて原稿の画像を読取って画像形成装置100へ画像情報を送るスキャナ2と、スキャナ2の上方に配置されて原稿を搬送して搬送された原稿の画像を読み取って画像形成装置100へ画像情報を送る原稿搬送装置3と、天板200と原稿搬送装置3の間に形成される空間である左側上方空間300Lを備える。左側上方空間300Lには、トナーやシートなどのサプライ品を入れてもよい。天板200には、左側上方空間300Lの上方に切り欠き240が形成されている。
【0014】
キャビネット1は、さらに、X軸方向右端および左端にそれぞれ配置される右側板210Rおよび左側板210Lと、画像形成装置100および棚16を支持する支持部の一例としての支持板12と、ネジ止め等により支持板12に対して画像形成装置100を位置決めする位置決め部14と、右側上方空間300Rと左側上方空間300Lを仕切る仕切板310を備える。仕切板310は、Z軸方向前側と後側に切り欠きが形成されており、この切り欠きを介して、右側上方空間300Rと左側上方空間300Lが連通している。図では、仕切板310の切り欠き以外の部分が表されている。
【0015】
画像形成装置100は、内部空間を開放する内側開閉部の一例であってZ軸方向前端に配置される前側板110Fと、X軸方向右端および左端にそれぞれ配置される右側板110Rおよび左側板110Lと、右側板110Rおよび左側板110Lにそれぞれ配置される右側排気口120Rおよび左側排気口120Lと、Y軸方向上端に配置される上板110∪と、上板110∪上に配置されて画像形成されたシートが排紙される排紙部5と、各々画像形成するためのシートを給送するシート給送部9A、9Bを有する。
【0016】
排紙部5は、右側上方空間300Rを介して天板200で上方を覆われている。排紙部5と天板200の間の右側上方空間300Rは、排紙部5に積載された排出シートの取り出し作業を容易に行うために十分なスペースを有している。シート給送部9A、9Bは、シートを積載するシートトレイとして構成されており、画像形成装置100の前面方向に引っ張られることで、画像形成装置100内部から少なくともその一部を引き出される。
【0017】
棚16は、X軸方向右端に配置される中側板210Mを備え、X軸方向左端は、キャビネット1の左側板210Lに取り付けられている。棚16には、トナーやシートなどのサプライ品を入れてもよい。
【0018】
以上説明した画像形成装置100は、右側板110Rおよび左側板110Lにそれぞれ右側排気口120Rおよび左側排気口120Lを備えているため、画像形成装置100を直接設置すると、画像形成装置100の側方に設置される他の設備・装置が直接排気を受けてしまい、デスクワークで他の設備・装置を使用する際に不快に感じてしまう。
【0019】
これを防止するために、特許文献1に記載されたように、プリンタ部20の外側にジャム処理空間30を設け、ジャム処理空間30内に鉛直排気ダクト50を設けた画像形成装置を用いることが考えられる。
【0020】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置はいわば特注品であり、画像形成装置100の側面に排気口があるという前提となる構成が異なり、側方に排気する画像形成装置100をデスクワークでどのように使いこなすかという課題を解決するものではない。
【0021】
さらに、特許文献1に記載された画像形成装置は、鉛直排気ダクト50をジャム処理空間30に設けたためにジャム処理空間30を、ジャム処理に必要な空間以上に大きく設けなければならず、空間の有効活用とは言えなかった。また鉛直排気ダクト50を、プリンタ部20の下方から上方にかけて鉛直に配置しているために、水平方向(横方向)にダクトを設けた場合と比較して、部品点数の増加にもつながった。
【0022】
本実施形態は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、側面に排気口を備えた画像形成装置100を設置する場合でも、画像形成装置100の側方に設置される他の設備・装置が直接排気を受けることがなく、デスクワークで他の設備・装置を使用する際に不快に感じることがないキャビネット1を提供するものである。
【0023】
キャビネット1の右側板210R(外側板)は、画像形成装置100の右側板110Rおよび右側排気口120Rに対向しており、画像形成装置100は、右側板110Rと右側板210Rの間に空間が形成されるように、位置決め部14によって支持板12に対して位置決めされている。
【0024】
これにより、排気口120Rから排出される排気が直接外部に排出されることが防止されるため、画像形成装置100およびキャビネット1の側方に設置される他の設備・装置が直接排気を受けることがなく、画像形成装置100およびキャビネット1の側方に他の設備・装置を設置しやすくなる。
【0025】
また、画像形成装置100をキャビネット1で覆っているため、外装の継ぎ目を無くしてデザイン美観が向上できるとともに、静音化も図れて、デスクワークをしている近くに画像形成装置100およびキャビネット1をおいても不快に感じない。すなわち、本実施形態に係るキャビネット1により、側面に排気口を備えた画像形成装置100を使いこなして、快適にデスクワークを行うことができる。
【0026】
棚16の中側板210Mは、画像形成装置100の左側板110Lおよび左側排気口120Lに対向しており、画像形成装置100は、左側板110Lと中側板210Mの間に空間が形成されるように、位置決め部14によって支持板12に対して位置決めされている。
【0027】
キャビネット1の右側板210Rには排気口が設けられておらず、天板200の左側に形成された切り欠き240は、右側板110Rと右側板210Rの間の空間と連通している。
【0028】
具体的には、右扉10Rおよび左扉10Lを閉じた状態で、右側排気口120Rから排出された排気は、右側板110Rと右側板210Rの間の空間から、自然対流により、画像形成装置100の上板100∪と天板200の間の空間および仕切板310の切り欠き部分を経て、切り欠き240からキャビネット1の外部に排出される。左側排気口120Lから排出された排気は、左側板110Lと中側板210Mの間の空間から、自然対流により、切り欠き240に至ってキャビネット1の外部に排出される。
【0029】
これにより、画像形成装置100の熱が切り欠き240から排出されるため、画像形成装置100とキャビネット1の空間の温度上昇を低減することと、画像形成装置100およびキャビネット1の側方に他の設備・装置を設置しやすくすることを両立させることができる。
【0030】
操作部4は天板200の右側に配置されており、天板200の左側に配置される切り欠き240とは重ならないように配置されている。これにより、操作部を使用する人に排気が直接当たることがない。
【0031】
画像形成装置100は、右扉10Rや左扉10Lを開いた場合でも、シートに画像を形成し、画像形成されたシートを排出部5に排紙可能である。これにより、右扉10Rや左扉10Lを開くたびに画像形成装置100が停止することがなく、シートの補給等の作業性が悪くなることが防止される。画像形成装置100が印刷中であっても、右扉10Rや左扉10Lを開くことで、棚16に保管されたトナーやサプライ品などの保管品を補充したり取り出したりすることができる。
【0032】
一方、画像形成装置100は、前側板110Fが開かれている場合、シートに画像を形成する動作を行わない。これにより、安全性が確保される。
【0033】
図3は、
図1に示したキャビネットの上面図(a)およびA-A断面図(b)である。
【0034】
画像形成装置100は、シート給送部9A、9Bからそれぞれシートを給送する給送ローラ71A、71Bと、シートを搬送する搬送路70と、給送ローラ71A、71Bから給送されるシートの搬送タイミングを調整するレジストローラ72と、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色の画像を形成する画像形成ユニット73と、画像形成ユニット73が形成した各色の画像が中間転写される中間転写ベルト74Bと、搬送路70を搬送されるシートに中間転写された画像を二次転写する転写部74と、二次転写された画像をシートに定着させる定着部76と、Z軸方向における奥行き方向に、画像形成されたシートを排紙部5に排出する排出ローラ78を備える。
【0035】
図3では、いわゆるフルカラー電子写真方式の画像形成装置100を例に説明を行ったが画像形成装置100の方式はこれに限るものではない。例えばブラックトナーのみで画像を形成するモノクロ電子写真方式の画像形成装置100としてもよい。また、各シート給送部9A、9Bから搬送されたシートにインクジェットヘッドで画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置100であってもよい。
【0036】
図4は、
図1に示したキャビネットのB-B断面図である。B-B断面は、仕切板310の切り欠き部分に対応しているので、図面上、仕切板310は表されていない。
【0037】
画像形成装置100の右側板110Rの内側には、右側ファン124Rが配置されており、右側板110Rの右側排気口120Rには、右側ルーバー122Rが設けられている。また、画像形成装置100の左側板110Lの内側には、左側ファン124Lが配置されており、左側板110Lの左側排気口120Lには、左側ルーバー122Lが設けられている。
【0038】
定着部76等により発生する熱は、右側ファン124Rおよび左側ファン124Lによって、右側排気口120Rおよび左側排気口120Lから排出される。
【0039】
右側排気口120Rから排出された排気は、右側板110Rと右側板210Rの間の空間から、自然対流により、画像形成装置100の上板100∪と天板200の間の空間および仕切板310の切り欠き部分を経て、切り欠き240に至ってキャビネット1の外部に排出される。
【0040】
具体的には、画像形成装置100を稼働させたときに、画像形成装置100内では定着装置76等によって発生する熱によって内部温度が上昇する。右側排気口120Rから排出された排気は、キャビネット1外部はもちろんキャビネット1内部(かつ画像形成装置100の外)の温度よりも高いために、自然対流によって右側板110Rと右側板120Rの間に形成された空間を伝って上方に伝わる。
【0041】
左側排気口120Lから排出された排気は、左側板110Lと中側板210Mの間の空間から、右側排気口120Rから排出された排気と同様に自然対流により、切り欠き240に至ってキャビネット1の外部に排出される。
【0042】
ここで、右側板110Rと右側板210Rの隙間GRおよび左側板110Lと中側板210Mの隙間GLよりも、画像形成装置100の上板100∪と天板200の隙間Guの方が大きくなっている。
【0043】
これにより、画像形成装置100の上板100∪に排紙されたシートが積層されていても、天板200との間の空間を大きく確保することができ、画像形成装置100の熱を切り欠き240から効率よく排出することができる。
【0044】
図5は、
図1に示したキャビネットの使用状況を示す側面図である。画像形成装置100は、画像形成するためのシートを給送する手差しシートトレイ9Cを右側板110Rに備え、図は、手差しシートトレイ9Cを使用するために、画像形成装置100をキャビネット1から引き出した使用状況を示している。画像形成装置100を引き出すために、右扉10Rと左扉10Lを開放しているが、説明のために右扉10Rは省略している。
【0045】
支持板12は、支持板12の上部に設けられて引き出し可能な一対のガイドレール12Rと、一対のガイドレール12R上に設けられた画像形成装置支持板12Bを含んでいる。画像形成装置100は、画像形成装置支持板12B上に位置決め部14を用いて位置決めされることにより、X軸方向において支持板12に対して位置決めされている。画像形成装置100とスキャナ2等は図示しない配線で電気的に接続され、キャビネット1から画像形成装置100を
図5に示すように引き出しても電気的な接続状態が保たれ、手差しシートトレイ9Cを用いても画像形成可能となっている。なお、画像形成装置支持板12BはX軸方向において画像形成装置100を支持できる長さがあればよい。
【0046】
画像形成装置支持板12Bは、Z軸方向における前側に移動可能であって、キャビネット1の内部空間から外部空間へ引き出し可能である。よって、画像形成装置支持板12Bにより位置決めされる画像形成装置100もキャビネット1の内部空間から外部空間へ引き出し可能である。これにより、手差しシートトレイ9Cをキャビネット1外部に引き出すことが可能になり、手差しシートトレイ9Cからの給紙の作業性が向上する。
【0047】
画像形成装置支持板12Bがキャビネット1の外部に引き出された場合でも、画像形成装置100は、シートに画像を形成し、画像形成されたシートを排紙可能である。これにより、画像形成装置支持板12Bをキャビネット1の外部に引き出すと画像形成装置100が停止することがなく、手差しシートトレイ9Cからの給紙等の作業性が悪くなることが防止される。
【0048】
図6は、
図1に示したキャビネットの変形例を示す正面図である。
【0049】
キャビネット1は、
図1に示したキャビネットとは異なり、X軸方向左側に、画像形成装置100と、操作部4と、天板200と画像形成装置100の間に形成される空間である左側上方空間300Lを備える。
【0050】
キャビネット1は、
図1に示したキャビネットとは異なり、X軸方向右側に、棚16と、棚16の上方に配置されるスキャナ2と、スキャナ2の上方に配置される原稿搬送装置3と、天板200と原稿搬送装置3の間に形成される空間である右側上方空間300Rを備える。天板200には、右側上方空間300Rの上方に切り欠き240が形成されている。
【0051】
画像形成装置100の搬送路70は、図の点線の経路であり、
図1とは異なり、X軸方向における左方向に、画像形成されたシートを排出する。
【0052】
図7は、
図6に示したキャビネットの上面図(a)およびC-C断面図(b)である。
【0053】
キャビネット1は、Z軸方向後端に配置される後側板210Eを備え、画像形成装置100は、Z軸方向後端に配置される後側板110Eと、後側板110Eに配置される後側排気口120Eを備える。
【0054】
画像形成装置100の後側板110Eの内側には、後側ファン124Eが配置されており、後側排気口120Eには、後側ルーバー122Eが設けられている。定着部76等により発生する熱は、後側ファン124Eによって、後側排気口120Eから排出される。
【0055】
キャビネット1の後側板210E(外側板)は、画像形成装置100の後側板110Eおよび後側排気口120Eに対向しており、画像形成装置100は、後側板110Eと後側板210Eの間に空間が形成されるように、位置決め部14によって支持部12に対して位置決めされている。
【0056】
これにより、後側排気口120Eから排出される排気が直接外部に排出されることが防止されるため、画像形成装置100およびキャビネット1の後方に設置される他の設備・装置が直接排気を受けることがなく、画像形成装置100およびキャビネット1の後方に他の設備・装置を設置しやすくなる。
【0057】
後側排気口120Eから排出された排気は、後側板110Eと後側板210Eの間の空間から、画像形成装置100の上板100∪と天板200の間の空間を経て、切り欠き240に至ってキャビネット1の外部に排出される。
【0058】
ここで、後側板110Eと後側板210Eの隙間Geよりも、画像形成装置100の上板100∪と天板200の隙間Guの方が大きくなっている。
【0059】
これにより、画像形成装置100の上板100∪に排紙されたシートが積層されていても、天板200との間の空間を大きく確保することができ、画像形成装置100の熱を切り欠き240から効率よく排出することができる。
【0060】
以上説明した実施形態では、シートに画像を形成する画像形成装置100を収納するキャビネット1について説明したが、他の実施形態では、シートに画像を形成する画像形成装置100を画像形成装置本体と呼称し、キャビネット1を画像形成装置と呼称しても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 キャビネット
4 操作部
10R 右扉(開閉部)
10R 左扉(開閉部)
12 支持板(支持部)
14 位置決め部
100 画像形成装置
110U 上板
110R 右側板
110F 前側板
110E 後側板
120R 右側排気口
120E 後側排気口
200 天板
210R 右側板
210E 後側板
240 切り欠き
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】